JP4313092B2 - 通信方法およびそれを利用した端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は通信技術に関する。特に、接続すべき基地局装置を探索する通信方法およびそれを利用した端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の無線通信システムにおいて、端末装置は一般的に基地局装置から送信される制御チャネルを捕捉し、捕捉終了後に制御チャネルを送信した基地局装置と通信を行う。また、携帯電話では、通常契約したホーム事業者以外のローミング先事業者を使用するためにローミング設定を行う。ローミング設定がされている場合に、端末装置は、ホーム事業者の基地局装置だけてなく、ローミング先事業者の基地局装置に対しても制御チャネル捕捉を行う。より詳細には、端末装置は、ホーム事業者とローミング先事業者の基地局装置が送信する周波数を所定時間間隔でスキャンして、所定の受信レベル以上の周波数を探索し、所望の周波数が見つかれば、報知情報としての制御チャネルを受信する。
【0003】
報知情報には、待ち受け許可レベル、制御チャネル構造情報、規制情報、事業者コード等が含まれており、この報知情報にもとづき所定の待ち受け条件を満足するかを判定し、満足した周波数を待ち受け周波数とする。当該待ち受け周波数の受信レベルが悪化するなどして、圏外条件に達すると再び制御チャネルを捕捉するために、ホーム事業者とローミング先事業者の基地局装置が送信する周波数を所定時間間隔でスキャンする(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−115851号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ローミング設定がされている端末装置は、一般的にホーム事業者に割当てられた周波数をスキャンしてから、ローミング先事業者に割当てられた周波数をスキャンする。さらに、端末装置がホーム事業者のサービスエリアからローミング先事業者のサービスエリアに移動した場合でも、先にホーム事業者に割当てられた周波数をスキャンする。その結果、ホーム事業者に対応した制御チャネルが捕捉できないことを確認してから、ローミング先事業者に割当てられた周波数をスキャンするため、待ち受け状態になるまでの期間が長くなる。さらに、ローミング先事業者が複数設けられた場合には、スキャンすべき周波数の数が多くなるため、待ち受け状態になるまでの期間がさらに長くなる場合もある。
【0006】
端末装置が複数のローミング先事業者のサービスエリアの境界に存在するなどによって、複数のローミング先事業者の基地局装置からの制御チャネルを捕捉できるような環境にある場合、一般的には、先に捕捉できた制御チャネルや受信レベルの大きい方の制御チャネルを送信した基地局装置に対応したローミング先事業者を選択する。一方、複数のローミング先事業者間で通話料金等のサービス性に明らかな差違がある場合、端末装置を使用するユーザは、通話料金が安い等のサービス性に優れたローミング先事業者の使用を希望する。しかしながら、前述した制御チャネルの捕捉方法では、サービス性に優れたローミング先事業者を使用できない場合もある。
【0007】
本発明者はこうした状況を認識して、本発明をなしたものであり、その目的は、ホーム事業者あるいはローミング先事業者のサービスエリアを迅速に判別し、速やかに基地局装置に接続する通信方法およびそれを利用した端末装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は、端末装置である。この装置は、複数の事業者に対応した通信が可能に構成される通信部と、複数の事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報および優先順位を記憶する記憶部と、現在の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、電源オンを検出する検出部と、検出部により電源オンが検出されると、予め設定したホーム事業者の基地局装置の初期候補を示した初期情報をまず取得する初期情報取得部と、位置情報取得部により取得された位置情報と、記憶部に記憶された複数の事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報との対比をもとに、通信部において通信が可能な事業者を特定する特定部と、特定部において特定した事業者との通信を通信部により行う制御部とを備え、特定部は、初期情報取得部により取得された初期情報に示されたホーム事業者の基地局装置の初期候補から、実際に通信すべき基地局装置を特定できなければ、次に位置情報取得部により位置情報を取得するとともに、位置情報取得部により取得された位置情報と、記憶部に記憶された複数のローミング先事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報との対比をもとに、通信部において通信が可能なローミング先事業者を特定し、複数のローミング先事業者が特定された場合に、記憶部に記憶した優先順位をもとにひとつのローミング先事業者を選択する。
【0009】
「位置情報」は、現在存在する位置を示す情報であり、例えば、緯度や経度によって示されるが、それ以外にも所定のエリアに対応した識別情報であってもよい。
「基地局装置の複数の候補」は、基地局装置を最終的に特定できる概念であればよく、例えば、周波数や基地局IDなどの基地局に対応したものであればよい。
以上の装置により、位置情報によって予め基地局装置の候補を限定してから、基地局装置を探索するため、基地局装置との通信までに要する期間が短くなる。
【0010】
記憶部は、複数のローミング先事業者の通話料金をもとに、複数のローミング先事業者のそれぞれに付与された優先順位を記憶してもよい。
【0011】
「優先順位」は、通話料金などの所定の基準にもとづいて定められた順番である。
【0012】
「初期情報」とは、電源オンの場合に使用される情報である。
【0013】
本発明のある態様は、通信方法である。この方法は、現在の位置を示す位置情報を取得するステップと、電源オンを検出するステップと、電源オンが検出されると、予め設定したホーム事業者の基地局装置の初期候補を示した初期情報をまず取得するステップと、複数の事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報および優先順位を記憶したメモリを参照しながら、取得された位置情報と、複数の事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報との対比をもとに、通信が可能な事業者を特定するステップと、特定した事業者との通信を実行するステップとを備え、特定するステップは、取得された初期情報に示されたホーム事業者の基地局装置の初期候補から、実際に通信すべき基地局装置を特定できなければ、次に位置情報を取得するとともに、取得された位置情報と、メモリに記憶された複数のローミング先事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報との対比をもとに、通信が可能なローミング先事業者を特定し、複数のローミング先事業者が特定された場合に、メモリに記憶した優先順位をもとにひとつのローミング先事業者を選択する。
【0014】
以上の方法により、通信しようとする基地局装置以外の装置から、位置情報によって予め基地局装置の候補を限定してから、基地局装置を探索するため、基地局装置との通信までに要する期間が短くなる。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は、ローミング設定がなされ、かつ現在の位置をGPS(Global Positioning System)によって取得可能な端末装置に関し、例えば、端末装置を持ったユーザが移動しつつ、端末装置が接続可能な基地局装置を探索する場合を想定する。本実施の形態における端末装置は、GPSでの測定結果をもとに緯度や経度などの現在の位置情報を取得し、当該位置情報を予め記憶してあった地域別事業者情報と比較して、端末装置が現在接続すべき事業者を特定する。なお、事業者には、ホーム事業者のほかに複数のローミング先事業者が含まれているため、それらのうちから通常はひとつの事業者が特定される。さらに、特定した事業者に設けられた周波数のリストを予め記憶してあった記憶領域から読み出し、当該周波数のリストに記載された周波数を順にスキャンして、基地局装置からの制御チャネルを探索する。制御チャネルが捕捉できた場合に、周波数をそのまま保持して所定の処理を実施後、当該制御チャネルを送信した基地局装置との通信が可能になる。
【0017】
「ホーム事業者」とは、一般的に端末装置を所有するユーザが、通話などの通信サービスを契約する事業者を指し、日本国内において関東や関西のような地域毎に事業者が異なる場合には、例えば、そのうちのユーザが契約した関東を管轄する事業者を示すものとする。「ローミング先事業者」は、端末装置が接続可能な基地局装置を設置し、かつホーム事業者以外の事業者を指し、前述の例においては、関東以外を管轄する事業者を示すものとする。また、「ホーム事業者」と「ローミング先事業者」の概念を世界規模に拡張し、日本での事業者を「ホーム事業者」とし、海外での事業者を「ローミング先事業者」としてもよいが、本実施の形態においては、説明の簡略化のため、日本国内に限定して説明する。
【0018】
図1は、実施の形態1に係る通信システム100を示す構成である。通信システム100は、端末装置10、GPS対応アンテナ12、基地局対応アンテナ14、GPS衛星16と総称される第1GPS衛星16a、第2GPS衛星16b、第3GPS衛星16c、第4GPS衛星16d、GPS用アンテナ18と総称される第1GPS用アンテナ18a、第2GPS用アンテナ18b、第3GPS用アンテナ18c、第4GPS用アンテナ18d、基地局装置20と総称される第1基地局装置20a、第2基地局装置20b、基地局用アンテナ22と総称される第1基地局用アンテナ22a、第2基地局用アンテナ22b、ネットワーク24を含む。
【0019】
GPS衛星16は、全地球測位システムを使用するための電波を送信する。GPS衛星16は、一般的に6種類の軌道に3個ずつ配置され、さらに各軌道上には予備衛星が1個あるため、合計24個で運用されているが、そのうちの位置の測位に必要な任意の4個が図示されているものとする。また、電波を送信するためのGPS用アンテナ18を備える。
【0020】
基地局装置20は、バックボーンのネットワーク24に接続されており、後述する端末装置10に対して所定のチャネルを割当てることによって、基地局用アンテナ22を介して当該端末装置10と通信する。基地局装置20と端末装置10は、無線回線で通信できればよく、無線方式や多重化方式は任意のものでよい。その一例には、携帯電話システム、簡易型携帯電話システム、無線LANなどがある。また、ネットワーク24の一例としては、ISDN(Integrated Services Digital Network)、Ethernet(登録商標)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)などの有線回線やマイクロ波中継方式のような無線回線がある。
【0021】
端末装置10は、4個のGPS衛星16から電波を受信して位置を測定し、測定した位置にもとづいてひとつの基地局装置20を選択して通信する。また、ユーザは端末装置10を持って移動する可能性がある。端末装置10の構成と動作原理については後述するが、図示のごとくGPS対応アンテナ12、基地局対応アンテナ14を備えた一体の装置であってもよいが、これとは異なり、GPS衛星16との間での位置測位機能を有する通信装置と、基地局装置20との通信機能を有する通信装置を接続したPCによって構成されてもよい。
【0022】
図2は、端末装置端末装置10の構成を示す。端末装置10は、GPS受信部60、位置処理部62、事業者記憶部28、全CH記憶部30、ホームCH記憶部32、無線部34、ベースバンド処理部36、インターフェース部38、操作部40、表示部42、端末制御部56を含む。また位置処理部62は、位置取得部64、エリア対応部66、限定部68、チャネル設定部70を含み、無線部34は、増幅部44、周波数変換部46を含み、ベースバンド処理部36は、変復調部48、制御処理部50を含む。さらに、制御処理部50は、レベル検出部52、同期処理部54を含む。
【0023】
GPS受信部60は、GPS衛星16からの電波を受信し、受信信号をC/Aコードで逆拡散処理して、GPS衛星16からの電波の到達時間を取得する。ここで、一般的にC/Aコードの逆拡散処理には、1024個の符号長を持つゴールド符号を使用する。
【0024】
位置取得部64は、連立方程式に基づいて、GPS衛星16からの電波の到達時間から現在の位置を計算する。原理的には、3個のGPS衛星16からの3元連立方程式によって位置を計算できるが、GPS衛星16とGPS受信部60の時刻の誤差を補正するために4個のGPS衛星16を使用する。
【0025】
エリア対応部66は、位置取得部64で計算した位置と事業者記憶部28に記憶された事業者のエリア情報を対比して、現在端末装置10が存在する位置に対応する事業者を特定する。図3(a)は、事業者毎のエリアを日本地図に対応させて示した模式図である。図中の数字は、事業者の識別番号を示し、ここでは、図示の通り、日本の地域毎に10の事業者がカバーしている場合を想定する。すなわち、事業者「1」は、北海道地方をカバーし、事業者「2」は、東北地方をカバーする。図3(b)は、事業者記憶部28に記憶された事業者のエリア情報のデータ構造を示す。最も右欄の「事業者」の欄の1から10が図3(a)の事業者「1」から事業者「10」に対応する。また、「緯度」と「経度」の欄は、位置処理部62で計算された位置である。すなわち、エリア対応部66は、位置処理部62で計算された位置から図3(b)のデータにもとづいて「事業者」を特定する。
【0026】
限定部68は、端末装置10が使用可能な周波数チャネルの中から、全CH記憶部30あるいはホームCH記憶部32にもとづいて、エリア対応部66で特定した事業者に対応した周波数チャネルを限定する。図4は、全CH記憶部30における事業者とチャンネルを対応させた情報のデータ構造を示す。図示のごとく、「事業者」に対応した周波数の「チャネル」が「α1、α2、・・・、αN」のように記憶されており、ひとつの「事業者」が選択されると、それに対応した「チャネル」がまとめて選択される。ここまでは、ホーム事業者とローミング先事業者の区別なく「事業者」として識別されているが、ホームCH記憶部32には、全CH記憶部30のうちホーム事業者に対応した周波数チャネルが記憶されている。ホームCH記憶部32の動作については、後述する。なお、ホームCH記憶部32は全CH記憶部30に含まれてもよい。
【0027】
チャネル設定部70は、後述する周波数変換部46の周波数チャネルを設定するために、限定部68で限定した周波数チャネルの一つを選択する。例えば、限定部68で限定した周波数チャネルが「α1、α2、・・・、αN」であれば、最初に「α1」を選択する。さらに、所定の制御信号をもとに、「α1」を「α2、・・・、αN」のいずれかに変更する。
【0028】
増幅部44は、基地局対応アンテナ14から送信すべき信号や基地局対応アンテナ14で受信した信号を増幅する。一般的に、これらの増幅には異なった増幅器が使用され、前者にパワーアンプが、後者にローノイズアンプが使用される場合、増幅部44は、それらによって構成される。
【0029】
周波数変換部46は、基地局対応アンテナ14を介して、チャネル設定部70で設定された周波数チャネルの信号を送受信できるように後述の変復調部48との間で周波数を変換する。
【0030】
変復調部48は、送信すべき信号を変調し、受信した信号を復調する。変調方式は、任意のものでよく、例えば、π/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や16QAM(Quadrature Amplitud Modulation)等があり、復調は変調方式に対応して同期検波や遅延検波が選択される。ここでは、携帯電話を想定するため、π/4シフトQPSKとする。また、スペクトル拡散方式に基づく信号が送受信される場合、拡散処理する機能と逆拡散する機能も有する。
【0031】
レベル検出部52は、受信した信号の受信レベルを測定し、所定の信号の検出を判定する。特に、端末装置10が通信対象とすべき基地局装置20を探索する場合に、チャネル設定部70によって設定された周波数チャネルの中において、基地局装置20からの制御チャネルを検出しようとするが、その第1段階として受信した信号のレベルが所定のしきい値以上になることを検出する。
【0032】
同期処理部54は、レベル検出部52で所定のしきい値以上の受信レベルで受信した制御チャネルに対して、第2段階として、タイミング同期やフレーム同期あるいはそれより上位のレイヤでの同期を確立する。同期処理部54で制御チャネルと同期が確立できた場合に、その周波数チャネルを使用して基地局装置20と通信する。一方、レベル検出部52での制御チャネルの検出あるいはチャネル設定部70での同期の確立ができなかった場合、通信対象とすべき基地局装置20を探索する周波数チャネルを変更するために、図示しない信号線を介してチャネル設定部70に周波数チャネルの変更を指示する。
【0033】
インターフェース部38は、変復調部48で変調すべき信号や変復調部48で復調した信号を、操作部40や表示部42で処理可能なデータに変換する。また、図示していないが、端末装置10の外部にある装置に対してデータを入出力してもよい。
端末制御部56は、端末装置10の処理に必要なタイミング制御やその他の制御信号の生成を行う。
【0034】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0035】
図5は、電源投入から待ち受け状態になるまでの手順を示すフローチャートである。ユーザが端末装置10の電源を投入する(S10)。限定部68は、ホームCH記憶部32のデータにもとづいて、ホーム事業者の周波数チャネルのリストを設定する(S12)。チャネル設定部70は、限定部68で設定された複数の周波数チャネルのうち、リストの最初の周波数チャネルをチャネル番号1として設定する(S14)。周波数変換部46は、チャネル設定部70で設定した周波数チャネルの信号を受信し、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上の場合(S16のY)、同期処理部54が待ち受け条件を満たしたと判断すれば、すなわち同期が確立すれば(S18のY)、端末装置10は通信可能な待ち受け状態になる(S42)。一方、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上でない場合(S16のN)、あるいは同期処理部54が待ちうけ条件を満たしたと判断しない場合(S18のN)、チャネル設定部70は、現在の周波数チャネルが最後のチャネル番号でなければ(S20のN)、チャネル番号を1増加させて(S22)、以上の処理を繰返し実行する。
【0036】
現在の周波数チャネルが最後のチャネル番号であれば(S20のY)、GPS受信部60、位置取得部64、エリア対応部66が位置情報を取得し(S24)、限定部68は全CH記憶部30のデータをもとにローミング先事業者の周波数チャネルのリストを設定する(S26)。チャネル設定部70は、ホーム事業者の場合と同様に、限定部68で設定された複数の周波数チャネルのうち、リストの最初の周波数チャネルをチャネル番号1として設定する(S30)。周波数変換部46は、チャネル設定部70で設定した周波数チャネルの信号を受信し、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上の場合(S32のY)、同期処理部54が待ち受け条件を満たしたと判断すれば(S34のY)、端末装置10は通信可能な待ち受け状態になる(S42)。
【0037】
一方、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上でない場合(S32のN)、あるいは同期処理部54が待ちうけ条件を満たしたと判断しない場合(S34のN)、チャネル設定部70は、現在の周波数チャネルが最後のチャネル番号でなければ(S36のN)、チャネル番号を1増加させて(S38)、以上の処理を繰返し実行する。現在の周波数チャネルが最後のチャネル番号であれば(S36のY)、圏外と判定して(S40)、処理を終了する。
【0038】
図6は、実施の形態1の比較対象の、すなわちGPSによる位置情報を使用しない場合の待ち受け状態におけるチャネル保持手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、本実施の形態との対比を容易にするために、図2に示した構成要素を用いて説明するが、実際はこれに限られない。さらに、端末装置は、ホーム事業者のエリア内で、待ち受け状態になった場合を想定する。端末装置は、待ち受け状態にある(S50)。チャネル設定部70が、既に設定した現在の周波数チャネルに対するチャネル番号を取得する(S52)。周波数変換部46は、チャネル設定部70で設定した周波数チャネルの信号を受信し、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上の場合(S54のY)、同期処理部54が待ち受け条件を満たしたと判断すれば(S56のY)、端末装置10は通信可能な待ち受け状態になる(S80)。一方、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上でない場合(S54のN)、あるいは同期処理部54が待ち受け条件を満たしたと判断しない場合(S56のN)、チャネル設定部70は、現在の周波数チャネルが最後のチャネル番号でなければ(S58のN)、チャネル番号を1増加させて(S60)、以上の処理を繰返し実行する。
【0039】
一方、現在の周波数チャネルが最後のチャネル番号であれば(S58のY)、ROMに記憶されたローミング先事業者の周波数チャネルのリストを設定する(S62)。チャネル設定部70は、ROMで設定された複数の周波数チャネルのうち、リストの最初の周波数チャネルをチャネル番号1として設定する(S64)。周波数変換部46は、チャネル設定部70で設定した周波数チャネルの信号を受信し、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上の場合(S66のY)、同期処理部54が待ち受け条件を満たしたと判断すれば(S68のY)、端末装置10は通信可能な待ち受け状態になる(S80)。
【0040】
一方、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上でない場合(S66のN)、あるいは同期処理部54が待ち受け条件を満たしたと判断しない場合(S68のN)、チャネル設定部70は、現在の周波数チャネルが最後のチャネル番号でなければ(S70のN)、チャネル番号を1増加させて(S72)、以上の処理を繰返し実行する。現在の周波数チャネルが最後のチャネル番号であれば(S70のY)、圏外と判定し(S74)、ROMに記憶されたホーム事業者の周波数チャネルのリストを設定する(S76)。チャネル設定部70は、ROMで設定された複数の周波数チャネルのうち、リストの最初の周波数チャネルをチャネル番号1として設定し(S78)、以上の処理を繰返し実行する。
【0041】
図7は、待ち受け状態におけるチャネル保持手順を示すフローチャートである。端末装置10が待ち受け状態にある(S100)。チャネル設定部70は、限定部68で設定された複数の周波数チャネルのうち、既に設定した周波数チャネルに対するチャネル番号を取得する(S102)。周波数変換部46は、チャネル設定部70で設定した周波数チャネルの信号を受信し、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上の場合(S104のY)、同期処理部54が待ち受け条件を満たしたと判断すれば(S106のY)、端末装置10は再び通信可能な待ち受け状態になる(S114)。一方、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上でない場合(S104のN)、あるいは同期処理部54が待ち受け条件を満たしたと判断しない場合(S106のN)またはチャネル番号が最後の場合、待ち受け状態においてGPS受信部60、位置取得部64、エリア対応部66が位置情報を取得してなければ(S108のN)、GPS受信部60、位置取得部64、エリア対応部66が位置情報を取得し、かつチャネル番号を1に設定し、(S112)、以上の処理を繰返し実行する。
【0042】
一方待ち受け状態においてGPS受信部60、位置取得部64、エリア対応部66が位置情報を取得していれば(S108のY)、チャネル番号を1増加させて(S110)、以上の処理を繰返し実行する。図6の比較対象と比べて、端末装置10は、待ち受け状態で設定された周波数チャネルのリストの中で基地局装置20が見つからない場合に、GPSによる位置情報を使用して、周波数チャネルを限定するため、新たな基地局装置20の検索が迅速になる。
【0043】
以上の構成による端末装置10の動作を説明する。端末装置10が待ち受け状態になるまでの処理を最初に述べる。ユーザが端末装置10の電源を投入すれば、限定部68は、ホームCH記憶部32のデータにもとづいて、ホーム事業者の周波数チャネルのリストを設定する。チャネル設定部70は、限定部68で設定された複数の周波数チャネルのひとつを周波数変換部46に設定し、周波数変換部46は信号を受信する。しかしながら、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上でないため、チャネル設定部70の指示にもとづいて、限定部68で設定された複数の周波数チャネルで前述の処理を実行する。さらに、エリア対応部66が位置情報を取得して、全CH記憶部30のデータをもとにローミング先事業者の周波数チャネルリストを設定する。チャネル設定部70はホーム事業者の場合と同様に、限定部68で設定された複数の周波数チャネルのひとつを周波数変換部46に設定し、周波数変換部46は信号を受信する。その後のレベル検出部52による受信レベルの検出、同期処理部54による同期の確立による制御チャネル捕捉の判断が行われ、ひとつの基地局装置20と接続し、待ち受け状態となる。
【0044】
端末装置10が待ち受け状態になってからの処理を次に述べる。ここでは、ホーム事業者のエリアで待ち受け状態になっている場合を想定する。周波数変換部46は、既にチャネル設定部70で設定した周波数チャネルの信号を受信し、レベル検出部52が検出した受信レベルがしきい値以上でなかったため、限定部68は、位置処理部62の測定結果をもとにローミング先事業者の設定に変更する。その後のレベル検出部52による受信レベルの検出、同期処理部54による同期の確立による制御チャネル捕捉の判断は、前述の通り行われ、ひとつの基地局装置20と接続し、待ち受け状態となる。
【0045】
本実施の形態によれば、GPSにもとづいて取得した位置情報からローミング先事業者を特定し、当該ローミング先事業者に割当てられた周波数をスキャンするため、処理が高速になる。特に、端末装置を持ったユーザが、海などのいずれの事業者によってもカバーされていないエリアを通過して、ホーム事業者のエリアからローミング先事業者のエリアに移動した場合、GPSによって端末装置がローミング先事業者のエリアにいることを検出できるため、待ち受け状態においても、使用すべき周波数の変更が迅速になる。
【0046】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1と同様に、GPSにもとづく現在の位置によって、事業者を特定し、当該事業者の基地局装置を検索する端末装置に関する。しかし、実施の形態1と異なって、現在の位置に対応した事業者が複数存在する場合、例えば所定の事業者と他の事業者のサービスエリアの境界付近のエリアに端末装置がある場合を想定する。これらの事業者に対する通信品質の差が小さい場合、ユーザは、一般的に通話料金が安いなどの高いサービス性を有した事業者の方との接続を望む。本実施の形態における端末装置は、予め通話料金にもとづいて優先度を決定しておき、位置情報によって複数の事業者との接続可能が判明した場合に、優先度に応じて事業者を特定する。
【0047】
実施の形態2における通信システム100として、図1に示されるものが有効であり、また端末装置10として、図2に示されるものが有効であるが、全CH記憶部30で記憶されるデータの内容とエリア対応部66でのエリアの選択方法が異なる。これらを説明する前に、本実施の形態で想定する端末装置10の配置を説明する。
【0048】
図8は、実施の形態2に係るサービスエリアの概念を示す。第1基地局装置20aと第2基地局装置20bは、異なった事業者に属する基地局装置20である。例えば、第1基地局装置20aは、図3(a)の「事業者4」に属し、第2基地局装置20bは、「事業者5」に属する。また、図中の丸印は、それぞれの基地局装置20がカバー可能なサービスエリアを示し、「a」の部分は第1基地局装置20aのみがカバー可能なサービスエリア、「b」の部分は第2基地局装置20bのみがカバー可能なサービスエリア、「c」の部分は第1基地局装置20aと第2基地局装置20bの双方がカバー可能なサービスエリア、「d」の部分は第1基地局装置20aと第2基地局装置20bの双方がカバーできないサービスエリアを示す。本実施の形態は、異なった事業者のサービスエリアが重なった部分を対象にしており、そのような部分は、前述のごとく「c」の部分に相当する。端末装置10が「c」の部分に存在する場合、エリア対応部66は位置取得部64での測定結果にもとづいて、「事業者4」と「事業者5」を最初に選択する。
【0049】
図9は、事業者記憶部28に記憶された料金データの構造を示し、図4に示したデータに加えて記憶される。図示の通り「事業者」毎に、「8:00〜19:00」と「19:00〜8:00」の通話時間が記憶されており、図4と異なって、サービス性に関する項目が記憶されている。予め通話料金が安いほど優先度を高く設定しており、エリア対応部66は、位置情報によって複数のエリアが選択された場合には、優先度の高いエリア、すなわち通話料金の安いエリアを選択する。それ以降の動作は、実施の形態1と同一である。
【0050】
以上の構成による端末装置10の動作を説明する。ホーム事業者のエリアに対する動作は、実施の形態1と同一のため、省略する。エリア対応部66が取得した位置情報に、2つ以上のエリアが対応する場合、通話料金の安い方のエリアを選択する。限定部68は、選択したエリアに応じたローミング先事業者の周波数チャネルのリストを設定する。チャネル設定部70は、限定部68で設定された複数の周波数チャネルのひとつを周波数変換部46に設定し、周波数変換部46は信号を受信する。以降、レベル検出部52による受信レベルの検出、同期処理部54による同期の確立による制御チャネル捕捉の判断は、実施の形態1と同様に行われる。
【0051】
本実施の形態によれば、複数のローミング先事業者を使用できる場合に、サービス性に優れたローミング先事業者を使用できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0052】
実施の形態1および2において、携帯電話システムに対応して、全CH記憶部30が周波数チャネルのリストを記憶し、レベル検出部52が受信レベルを測定し、同期処理部54が同期を確立していた。しかしこれに限らず例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)に対応して、全CH記憶部30がプリファローミングリストを記憶し、レベル検出部52が待ち受け許可レベルやキャリア信号強度対干渉信号強度を測定し、同期処理部54がパイロットチャネルを捕捉してもよい。本変形例によれば、携帯電話システム以外の無線通信システムに本発明を適用可能である。つまり、無線通信システムに応じて適した処理がなされればよい。
【0053】
実施の形態1および2において、エリアの情報や周波数チャネルの情報が事業者記憶部28や全CH記憶部30に記憶されている。しかしこれに限らず例えば、外部から所定のインターフェースを介して入力してもよい。本変形例によれば、エリアの情報や周波数チャネルの情報の変更や更新が容易になる。つまり、エリアを特定する場合に、これらの情報が使用可能であればよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、ホーム事業者あるいはローミング先事業者のサービスエリアを迅速に判別し、速やかに基地局装置に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る通信システムを示す構成図である。
【図2】 図1の端末装置の構成を示す図である。
【図3】 図3(a)−(b)は、図2のエリア記憶部に記憶された事業者のエリア情報のデータ構造とそれに対応したエリアを示す図である。
【図4】 図2の全CH記憶部における事業者とチャンネルを対応させた情報のデータ構造を示す図である。
【図5】 図2による電源投入から待ち受け状態になるまでの手順を示すフローチャートである。
【図6】 実施の形態1の比較対象の待ち受け状態におけるチャネル保持手順を示すフローチャートである。
【図7】 図2の待ち受け状態におけるチャネル保持手順を示すフローチャートである。
【図8】 実施の形態2に係るサービスエリアの概念を示す図である。
【図9】 実施の形態2に係る事業者記憶部に記憶された料金データの構造を示す図である。
【符号の説明】
10 端末装置、 12 GPS対応アンテナ、 14 基地局対応アンテナ、 16 GPS衛星、 18 GPS用アンテナ、 20 基地局装置、 22 基地局用アンテナ、 24 ネットワーク、 28 事業者記憶部、 30全CH記憶部、 32 ホームCH記憶部、 34 無線部、 36 ベースバンド処理部、 38 インターフェース部、 40 操作部、 42 表示部、 44 増幅部、 46 周波数変換部、 48 変復調部、 50 制御処理部、 52 レベル検出部、 54 同期処理部、 56 端末制御部、 60 GPS受信部、 62 位置処理部、 64 位置取得部、 66 エリア対応部、 68 限定部、 70 チャネル設定部、 100 通信システム。
Claims (4)
- 複数の事業者に対応した通信が可能に構成される通信部と、
前記複数の事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報および優先順位を記憶する記憶部と、
現在の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
電源オンを検出する検出部と、
前記検出部により前記電源オンが検出されると、予め設定したホーム事業者の基地局装置の初期候補を示した初期情報をまず取得する初期情報取得部と、
前記位置情報取得部により取得された位置情報と、前記記憶部に記憶された複数の事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報との対比をもとに、前記通信部において通信が可能な事業者を特定する特定部と、
前記特定部において特定した事業者との通信を前記通信部により行う制御部とを備え、
前記特定部は、前記初期情報取得部により取得された前記初期情報に示されたホーム事業者の基地局装置の初期候補から、実際に通信すべき基地局装置を特定できなければ、次に前記位置情報取得部により位置情報を取得するとともに、前記位置情報取得部により取得された位置情報と、前記記憶部に記憶された複数のローミング先事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報との対比をもとに、前記通信部において通信が可能なローミング先事業者を特定し、複数のローミング先事業者が特定された場合に、前記記憶部に記憶した優先順位をもとにひとつのローミング先事業者を選択することを特徴とする端末装置。 - 前記記憶部は、複数のローミング先事業者の通話料金をもとに、複数のローミング先事業者のそれぞれに付与された優先順位を記憶することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
- 前記特定部は、ローミング先事業者が特定されなかった場合に圏外と判定することを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
- 現在の位置を示す位置情報を取得するステップと、
電源オンを検出するステップと、
前記電源オンが検出されると、予め設定したホーム事業者の基地局装置の初期候補を示した初期情報をまず取得するステップと、
複数の事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報および優先順位を記憶したメモリを参照しながら、取得された位置情報と、複数の事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報との対比をもとに、通信が可能な事業者を特定するステップと、
特定した事業者との通信を実行するステップとを備え、
前記特定するステップは、取得された前記初期情報に示されたホーム事業者の基地局装置の初期候補から、実際に通信すべき基地局装置を特定できなければ、次に位置情報を取得するとともに、取得された位置情報と、前記メモリに記憶された複数のローミング先事業者のそれぞれに対応づけられたエリア情報との対比をもとに、通信が可能なローミング先事業者を特定し、複数のローミング先事業者が特定された場合に、前記メモリに記憶した優先順位をもとにひとつのローミング先事業者を選択することを特徴とする通信方法。
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