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JP4313103B2 - 増幅装置及び電源装置 - Google Patents
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JP4313103B2 - 増幅装置及び電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、増幅装置及び電源装置に関し、接続される負荷が交換されたり変化した場合でも、応答特性の変化が小さい増幅装置及び電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、増幅装置に負荷を接続する場合、その増幅装置の周波数特性等の性能を最高に発揮させるためには、仕様で定められた種類と値の負荷(最適負荷)を接続する必要があった。このとき増幅装置に接続される負荷が最適でないと、入力に対する迅速且つ正確な応答出力が得られず、オーバーシュートやリンギングが発生してしまい、目標値到達までの時間が長くなる等、問題が発生する。一方、最適な負荷が接続されている増幅装置では、ステップ入力(目標値)に対して出力がオーバーシュートやリンギング無く速やかに目標値に到達することが可能である。
【0003】
図12には、かかる増幅装置の動作状態が示されている。図12の(A)に示すようなステップ状の信号が増幅装置に入力されると、負荷が定格負荷(最適負荷)である場合には、同図(B)に示すように、スムーズに迅速に対応する目標値に到達する定格負荷応答が得られる。一方、負荷が定格から大きく外れた場合には、増幅装置の出力には、同図(C)に示すように、目標値に到達するまでに出力振幅が振動してしまい、且つ到達時間も長くなってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の増幅装置においては、仕様で定められた定格負荷(種類と値)以外の負荷を用いると、増幅装置の応答は保証されず、例えば出力波形にオーバーシュートやリンギングなどが発生してしまうという問題があった。
【0005】
増幅装置や電源装置は、通常PID制御によって制御されており、定格負荷以外が接続されると最適な制御から外れ、要求される仕様を満たせなかった。一例として、定電圧出力の増幅装置の場合、容量負荷の影響は大きく、定格容量以外の場合はリンギングの発生や最悪時には発振に至る。
【0006】
かかる問題を回避するため、従来は、定格以外の負荷に対応可能な別の増幅装置を新たに用意しておかなければならなかった。
【0007】
また、接続される負荷の値に対応する増幅装置の動作状態を規定する内部パラメータを、接続する負荷に応じて手動で適切な値に切り換え設定するような増幅装置も提案されている。しかしながら、この種の増幅装置では、新たに増幅装置を用意する必要はないものの、負荷の値に応じてその設定値を手動で切り換えるという面倒な作業が必要であった。また、設定値を切り換える際に増幅装置の出力にバンプが生じていた。
【0008】
さらに、ある種の増幅装置では、現代制御理論を用いてPID制御より広範囲の負荷変動に安定になるよう制御されている。しかしながら、この場合には、さらに広範囲の負荷変動に対応しようとすると、非現実的なパラメータ設定が必要となるなど、限界があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、簡単な構成で、種々の負荷に対して、または大幅な負荷変動に対して、スムーズ且つ安定な動作を確保可能な増幅装置及び電源装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、簡単な構成で、接続される負荷の切り換え時においてもバンプ(切換ショック)を発生せずバンプレス(bumpless)切換を実現した増幅装置及び電源装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明による増幅装置及び電源装置は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0012】
(1)負荷への出力及び制御入力に応じた操作量を生成する制御手段及び該操作量で駆動される増幅手段を有し、前記制御入力に応じた出力を電気的負荷に供給する増幅装置であって、
前記制御手段は、複数の制御器と、前記複数の制御器の内のいずれか一つの出力を前記操作量として選択するモード切換器と、前記負荷への出力の電圧(「出力電圧」という。)及び前記操作量に基づき前記負荷に流れる電流(「負荷電流」という。)を推定する電流推定手段と、前記出力電圧及び前記負荷電流に基づき前記負荷の値を推定する負荷推定手段とを含み、
各前記制御器は、少なくとも前記制御入力及び前記負荷への出力を入力として、制御器の出力を生成するとともに、各前記制御器において前記制御入力に対する前記出力が最適応答となる前記負荷の値は、互いに異なっており、
前記モード切換器は、前記負荷推定手段で推定された前記負荷の値に応じ、前記負荷への出力を前記最適応答に最も近似させる前記制御器の出力を自動選択する増幅装置。
【0013】
(2)前記モード切換器により出力が選択されている制御器を選択制御器と称するとき、該選択制御器以外の前記制御器は、自己の出力と前記操作量とに基づき、自己の出力を該選択制御器の前記出力に近づけている上記(1)の増幅装置。
【0014】
(3)前記モード切換器は、前記負荷推定手段で推定された前記負荷の値に応じて前記制御器の出力を選択するために、該制御器の出力を切り換える前記負荷の値を切換負荷値として予め設定し、該切換負荷値にはヒステリシスを持たせる上記(1)又は(2)の増幅装置。
【0015】
(4)負荷への出力及び制御入力に応じた操作量を生成する制御手段及び該操作量で駆動される増幅手段を有し、前記制御入力に応じた出力を電気的負荷に供給する増幅装置であって、
前記制御手段は、制御パラメータにより最適負荷を変更可能な複数の制御器と、前記複数の制御器のいずれか一の制御器の出力を前記操作量として選択するモード切換器と、前記負荷への出力の電圧(「出力電圧」という。)及び前記操作量に基づき前記負荷に流れる電流(「負荷電流」という。)を推定する電流推定手段と、前記出力電圧及び前記負荷電流に基づき前記負荷の値を推定する負荷推定手段とを含み、
前記モード切換器で選択されていない一の制御器が、前記負荷推定手段で推定された負荷の値を基に、自己の制御パラメータを前記負荷に適した特性になるように変更し、さらに自己の出力を前記モード切換器で選択されている制御器の出力に近づけた後に、前記モード切換器は、該一の制御器の出力を前記操作量として自動選択する増幅装置。
【0016】
(5)選択されている前記制御器の最適負荷の値と、前記負荷推定手段で推定された負荷の値との、差又は比が所定の値を超えたとき、
前記一の制御器は、推定された前記負荷の値を基に、制御パラメータを該負荷に適した特性になるように変更し、
前記一の制御器が、自己の出力を、選択されている前記制御器の出力に近づけるように動作した後に、前記モード切換器は該一の制御器の出力を選択する上記(4)の増幅装置。
【0018】
)前記増幅手段は、前記負荷に直列に接続されたインダクタを出力端に有しており、
前記負荷は容量性であり、
前記電流推定手段は、前記インダクタに流れる電流を前記負荷電流として推定し、
前記負荷推定手段は、前記電流推定手段において前記負荷電流として推定した前記インダクタに流れる電流と、前記負荷へ供給する前記出力電圧の微分値とに基づき、前記負荷の値として該負荷の容量を推定する上記(1)乃至()の増幅装置。
【0019】
)前記増幅手段は、前記負荷に直列に接続されたインダクタを出力端に有しており、
前記負荷は誘導性であり、
前記電流推定手段は、前記インダクタに流れる電流を前記負荷電流として推定し、
前記負荷推定手段は、前記インダクタ及び前記負荷の直列回路の両端電圧を前記出力電圧とし前記電流推定手段において前記負荷電流として推定した前記インダクタに流れる電流の微分値と該出力電圧とに基づき、前記負荷の値として該負荷のインダクタンスを推定する上記(1)乃至()の増幅装置。
【0020】
)前記増幅手段は、前記負荷に直列に接続されたインダクタと、該インダクタ及び前記負荷でなる直列回路に並列に接続されたキャパシタとを出力端に有しており、
前記負荷は抵抗性であり、
前記電流推定手段は、前記インダクタに流れる電流を前記負荷電流として推定し、
前記負荷推定手段は、前記電流推定手段において前記負荷電流として推定した前記インダクタに流れる電流と、前記負荷へ供給する前記出力電圧の微分値とに基づき、前記負荷の値として該負荷の抵抗値を推定する上記(1)乃至()の増幅装置。
【0021】
)前記増幅手段は、前記負荷に直列に接続されたインダクタを出力端に有しており、
前記負荷は抵抗性であり、
前記電流推定手段は、前記インダクタに流れる電流を前記負荷電流として推定し、
前記負荷推定手段は、前記インダクタ及び前記負荷の直列回路の両端電圧を前記出力電圧とし、前記電流推定手段において前記負荷電流として推定した前記インダクタに流れる電流と該出力電圧とに基づき、前記負荷の値として該負荷の抵抗値を推定する上記(1)乃至()の増幅装置。
【0022】
10)上記(1)乃至()の増幅装置を有する電源装置であって、
前記制御入力として入力される信号に応じた大きさの電圧又は電流の電力を前記負荷への出力とする電源装置。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による増幅装置及び電源装置の好適実施形態例について添付図を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明の一実施形態例としてPWM式フルブリッジ電圧型インバータを電力増幅器とし、制御器を2つとして定電圧出力の増幅装置を実現した場合の回路構成図であり、本図を参照しながら本発明を説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0027】
図1はそのようなバンプレス機能を持つ増幅装置の好適実施形態であり、制御対象である電圧出力型PWM電力増幅器1、電流推定器201、負荷推定器202、加減算器3、Hモード制御器4、Lモード制御器5、Hモード及びLモードの各制御器4と5の出力を切り換えるモード切換器(SW)6、加減算器7と8を含んだ待機モードの出力と選択モードの出力が近い値となるように補助をするHモード及びLモードバンプレス補助切換器13、14とを備える。本実施形態において、電圧出力型PWM電力増幅器1の出力10、10’には負荷としてキャパシタCが接続されている。
【0028】
図1において、電圧出力型PWM電力増幅器1は、直流電源Eが接続されているFET1〜FET4によるフルブリッジ回路11と、インダクタンスLo、キャパシタCoからなるLCフィルタとを含み、このLCフィルタの出力が、負荷としてキャパシタCが接続されている電圧出力型PWM電力増幅器1の出力端子となる。インダクタンスLoに流れる電流をi、出力10−10’の電圧vとする。このように、本実施形態では電圧出力型PWM電力増幅器1の負荷としてはキャパシタが接続されている。
【0029】
フルブリッジ回路11を構成するFET1〜FET4の各ゲートはPWMコンパレータ12により駆動される。PWMコンパレータ12は、入力される操作量uを図示のような波形のキャリアと比較し、比較出力によりFET1〜FET4の各ゲートへの印加電圧が制御される。
【0030】
さて、図1で示した電圧出力型PWM電力増幅器1の無負荷時の状態方程式は次のようになる。
Figure 0004313103
ただし、
Figure 0004313103
なお、cはキャリア信号振幅である。
【0031】
上記の状態方程式は無負荷状態のものであったが、図1の電圧出力型PWM電力増幅器1にキャパシタ負荷Cを接続した場合の状態方程式は次式のようになる。
Figure 0004313103
【0032】
図2は制御対象である電圧出力型PWM電力増幅器1をブロック図で表したものであり、電流取得手段である電流推定器201と負荷推定器202とに分けて考えることができる。
【0033】
本実施形態では、前述のHモード又はLモードは負荷に接続されたキャパシタの容量によって切り換えているため、負荷キャパシタの値を知る必要がある。
【0034】
この負荷キャパシタの推定に際して、本実施形態では図2の電流推定器201により、得られるインダクタLoに流れる電流i及び出力電圧vを用いて、負荷のキャパシタンスを推定している。
【0035】
図2において、uは電圧出力型PWM電力増幅器への操作量であり、iは電流推定出力(インダクタL電流)であり、yは電圧出力型PWM電力増幅器の出力電圧vである。以下では電流値取得手段、電流推定器、負荷推定器について詳細に説明する。
【0036】
<電流取得手段>
通常、電流値は電流センサを用いて検出するが、電流センサは高価な上に取付けスペースも必要なため、本実施形態では電流センサを用いずに、電流推定器によってインダクタLoに流れる電流ioを推定している。
【0037】
<電流推定器>
図3は電流推定器201の具体的な回路である。図1のPWM電力増幅器1への操作量uと、PWM電力増幅器1からの出力電圧vを利用して、PWM電力増幅器1の出力に接続されているLCフィルタのインダクタLoに流れる電流を推定する。操作量uは非反転増幅器U2でゲインの調整が行われ、出力電圧vからの信号は反転増幅回路U1で極性の反転及びゲインの調整が行われる。そして、それらの信号をU3で加算・積分してインダクタL電流iを得ている。
【0038】
Figure 0004313103
【0039】
Figure 0004313103
回路、乗算回路を用いて実現したものである。
【0040】
<バンプレス切換器>
一般に増幅装置を設計する場合、広範囲な負荷の値に対し最適な動作状態を保たせることは困難である。通常は、ある範囲の負荷の値に対し、増幅装置の動作が最適になるよう内部パラメータを決めている。したがって、前記以外の負荷の値に対しては、それらの値に対して最適化された内部パラメータを有する別の増幅装置を用意しなければならなかった。
【0041】
このため、負荷の値が大幅に違っている場合、それぞれの負荷に対して常に最適動作を行うためには、使用するそれぞれの負荷に応じて増幅装置を交換する必要があった。もし、これに反して広範な負荷の値を1種類の増幅装置で賄おうとしても、オーバーシュートやリンギング発生等の問題が生じて満足な結果が得られなかった。
【0042】
また、動作時に増幅装置の負荷の値を切り換えると、増幅装置に外乱が加わったことと等価であるため、出力には切換バンプが発生してしまった。
【0043】
以上のような問題点を避けるため、本実施形態では、PWM電力増幅器1の外部に、負荷の範囲に応じて動作するモード(本実施形態ではHモード及びLモードの2モードとしている。この「H」はHighに、「L」はLowにそれぞれ対応している)を設け、このモードを負荷の値によって切り換えている。すなわち、図1において、加減算器3により得られた、入力(目標)rと出力vとの差信号がHモード制御器4とLモード制御器5に入力される。Hモード制御器4とLモード制御器5の出力は、モード切換器6に入力され、負荷推定器202で得られた負荷の値に応じていずれかのモード制御器からの信号が選択され操作量uとしてPWMコンパレータ12と電流推定器201に入力される。電流推定器201には出力電圧vも入力されている。加減算器7と8には、Hモード制御器4とLモード制御器5の出力と、モード切換器6の出力(操作量u)とが入力されている。こうして、未選択モードは待期中に現在の操作量u(現在選択されているモードが出す操作量)と自身の操作量を比較し、現在の操作量に近づけるような動作が実行される。
【0044】
各モードでのキャパシタ負荷値に対応する出力電圧vのステップ応答が図5(A)〜(D)に示されている。同図(A)はLモード(負荷キャパシタンスC=10uF)での応答を、同図(B)はLモード(負荷キャパシタンスC=50uF)での応答を、同図(C)はHモード(負荷キャパシタンスC=10uF)での応答を、同図(D)はHモード(負荷Cキャパシタンス=50uF)での応答をそれぞれ示す。
【0045】
同図から明らかなように、負荷キャパシタンスC=10uFの場合には、(A)のようにLモードで動作させると目標動作を維持できるが、負荷キャパシタンス50uFになると、(B)のようにLモードではオーバーシュート動作してしまう。一方、負荷キャパシタンスが10uFでHモードで動作させた場合には、(C)のようにリンギングが発生してしまうが、負荷キャパシタンス50uFではHモードで、(D)のような目標動作が得られる。
【0046】
したがって、負荷キャパシタンスの値に応じてLモードとHモード動作を適宜選択すれば、目標動作が確保できることになる。
【0047】
ここで、本実施形態のように、LモードとHモードの2つのモードではなく、負荷範囲に応じた数のモードを設定すれば、より広範囲の容量性負荷に対する制御が可能となることはもちろんである。
【0048】
ところで、通常、モード切換を行うと図1の操作量uが急激な変化を起こし制御対象(PWM電力増幅器1もこれに応答し、出力にはバンプ(切換ショック)が発生する。バンプレス切換は、待機中のモードから出力される操作量を現在選択されているモードから出力される操作量とほぼ一致するように待機させ、切換時に操作量uの変化量が小さくなるようにすることにより実現させる。
【0049】
このようなモード切換を行うと、負荷変動があっても増幅装置の出力にはその影響(バンプ)が現れない、いわゆるバンプレス機能を有する増幅装置を実現できる。負荷の値は前述のようにして推定できるので、この推定値によってどのモードを使うかを図1の切換スイッチ6により選択している。
【0050】
<ヒステリシス動作>
図1の切換スイッチ6は、図6に示すように推定キャパシタ値がTH−Hを超えるとLモードからHモードに切り換わる。また反対に、推定キャパシタ値が設定値TH−Lより小さくなるとHighモードからLowモードに切り換わる。
【0051】
このように推定された負荷キャパシタ値によりモードを切り換えるが、推定キャパシタ値が切換の閾値に近いときにノイズの影響などによって推定値が変動すると、頻繁にモードが切り換わる不具合が発生する。このため、切換特性に図6に示すようなヒステリシスを設ける。
【0052】
Lモードが選択されている場合、閾値がTH−Lを超えてもすぐにはHモードにならず、閾値がTH−Hを超えて初めてHモードに切り換わる。一方、推定キャパシタ値がTH−Lを下回ると直ちにHモードからLモードへと切り換わる。ここで、(TH−H− TH−L)はヒステリシス幅であり、前述した通り、推定キャパシタ値のノイズ等による誤動作を防ぐためのものである。UHはHモード制御器の出力であり、ULはLモード制御器の出力である。Lモード時は、Hモード制御器の出力はLモード制御器の出力に追従する構成となっている。Hモード時はその逆である。この構成によって、頻繁にモードが切り換るという不具合を解決することが可能となる。
【0053】
尚、図4において、C=0と置けば、Cが無い場合にも適用できる。
【0054】
《他の実施形態》
以上述べた実施形態は、定電圧出力の増幅装置に負荷としてキャパシタを用いた場合である。これに対して、定電流出力の増幅装置の場合、負荷インダクタンス変動の影響が大きい。そこで、以下の実施形態では、インダクタンス負荷の定電流出力の増幅装置として制御されたPWM式フルブリッジ電圧型インバータの例を図7を参照しながら説明する。
【0055】
図7は本発明の他の実施形態による定電流出力の増幅装置(PWM式フルブリッジ電圧型インバータ使用)の回路図である。
【0056】
図7はそのようなバンプレス機能を持つ増幅装置の実施形態であり、制御対象であるPWM電力増幅器1A、電流推定器201A、負荷推定器202A、加減算器3A、Hモード制御器4A、Lモード制御器5A、Hモード及びLモードの各制御器4Aと5Aの出力を切り換えるモード切換器(SW)6A、加減算器7Aと8Aを含んだ待機モードの出力と選択モードの出力が近い値となるように補助をするHモード及びLモードバンプレス補助切換器13、14を備える。本実施形態において、PWM電力増幅器1Aの出力10A、10A’には負荷としてインダクタンスLが接続されている。
【0057】
図7において、PWM電力増幅器1Aは、図1と同様な直流電源Eが接続されているFET1〜FET4によるフルブリッジ回路11Aと、インダクタンスL、キャパシタCからなるLCフィルタとを含み、このLCフィルタの出力にインダクタンスLが接続されるとともに、負荷としてインダクタンスLが接続されている。ここで、インダクタンスLに流れる電流をi、出力10A−10A’の電圧をv、キャパシタCの電圧をeとする。
【0058】
フルブリッジ回路11Aを構成するFET1〜FET4の各ゲートはPWMコンパレータ12Aにより駆動される。PWMコンパレータ12Aは、入力される操作量uを図示のような波形のキャリアと比較し、比較出力によりFET1〜FET4の各ゲートへの印加電圧が制御される。
【0059】
さて、図7に示すように、制御対象に負荷インダクタンスが接続されたときの状態方程式以下のようになる。また、この式は図8のような状態線図で表すことができる。
【数5】
Figure 0004313103
【数6】
Figure 0004313103
【数7】
Figure 0004313103
【0060】
<電流推定部>
図1において説明した動作で電流が推定されるが、その詳細は前述したとおりである。
【0061】
<負荷推定部>
図7のPWM電力増幅器1Aにインダクタンス負荷Lが接続されているとき、そのL=L+Lの値は図中のeとiとから次の式で表される。
【数8】
Figure 0004313103
【0062】
図9はインダクタンス負荷の推定器のブロック図であり、上記の式を微分回路、逆数回路、乗算回路を用いて実現したものである。図中のe、y=iは、図8のe、y=iにそれぞれ対応している。先の実施例と同様に負荷インダクタンスを推定できる。
【0063】
<バンプレス切換器およびヒステリシス動作>
前述の式により推定されたインダクタンスの値によって、前述実施形態と同様にモードは切換えられる。もし、インダクタンスの値が切換の境界付近の値をとるならば、モード切換において問題が生じる。それ故、本実施例でも図6に示すのと同様なヒステリシス特性を持たせている。動作の説明については第1の実施例と同様なため省略する。
【0064】
図10と図11にバンプレス切換を適用しない場合と、適用した場合の出力のシミュレーション波形例を示す。このシミュレーションでの切換時間は2msであり、Lモード→Hモードのように切り換わっているが、バンプレス切換を適用した場合(図11)は、出力にバンプは現れていない。
尚、L、Cが無い場合には、e=u・Kとなり、L、Cが無い場合にも適用できる。更に、L=0と置けば、L、C、Lが無い場合にも適用できる。
【0065】
抵抗性負荷の場合は、例えば、図1に示した実施形態のCをR(抵抗性負荷)に置き換えたものとなる。この場合のiの推定は容量性負荷と同様となる。負
Figure 0004313103
により行う。
【0066】
種類が不明である場合にも本発明は有効である。例えば、負荷を容量性と仮定した場合、誘導性と仮定した場合、抵抗性と仮定した場合の各値を、先に説明したような方法を用いてそれぞれ推定する。そして、出力特性に影響を及ぼす可能性の最も高い値に対応したモードに切り換えることにより、接続される負荷が交換されたり変化した場合でも、応答特性の変化が小さい増幅装置及び電源装置が実現できる。
【0067】
以上、本発明の好適実施形態例を説明したが、これは単なる例示にすぎず、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること勿論である。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、装置内に、変化する負荷を推定する負荷推定部と、推定された負荷範囲に応じて制御パラメータをヒステリシス特性をもつバンプレスな切換手段で制御しているので、簡単な構成で、種々の負荷に対して、または大幅な負荷変動に対して、スムーズ且つ安定な動作を確保可能な、増幅装置及び電源装置を実現できる。
【0069】
より具体的には、本発明によれば、容量性負荷のシステムにおいて、運転中に負荷推定を行い、この推定値によりモードをバンプレスに切り換えているので、出力に接続された負荷の値がリアルタイムに変動しても、出力にバンプを生じることのない、増幅装置及び電源装置が実現できる。
【0070】
また、誘導性負荷または抵抗性負荷のシステムにおいて、運転中に負荷推定を行い、この推定値によりモードをバンプレスに切り換えている。これにより、容量性負荷の場合と同様に、接続される負荷が交換されたり変化した場合でも、応答特性の変化が小さい増幅装置及び電源装置を実現した。
【0071】
更に、従来は負荷の種類や負荷範囲に応じて多種類の増幅装置や電源装置を用意しておく必要があったが、本発明によれば大幅に増幅装置や電源装置の種類を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるキャパシタンス負荷を有するPWM電力増幅器に適用した増幅装置の回路構成図である。
【図2】本発明の実施形態における状態線図と電流推定器及び負荷推定器を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における電流推定器の具体的な回路図である。
【図4】本発明の実施形態における容量推定器のブロック構成図である。
【図5】本発明の実施形態におけるLモードとHモードでの増幅装置のキャパシタ負荷値に対応する応答動作図である。
【図6】本発明の実施形態における切換部のヒステリシス特性である。
【図7】本発明の一実施形態におけるインダクタンス負荷を有するPWM電力増幅器に適用した増幅装置の回路構成図である。
【図8】図7に示す本発明の実施形態における状態線図と電流推定器及び負荷推定器を示す図である。
【図9】図7に示す本発明の実施形態におけるインダクタンス推定器のブロック図である。
【図10】本発明の効果を説明するための図で、バンプレス切換無しの場合の出力波形である。
【図11】本発明の効果を説明するための図で、バンプレス切換ありの場合の出力波形である。
【図12】従来の定電圧出力の増幅装置の問題点を説明するための動作状態を示す図である。
【符号の説明】
1、1A PWM電力増幅器
3、3A、7、7A、8、8A 加減算器
4、4A Hモード制御器
5、5A Lモード制御器
6、6A モード切換器
11、11A フルブリッジ
12、12A PWMコンパレータ
13、13A Hモード側バンプレス補助切換器
14、14A Lモード側バンプレス補助切換器
201、201A 電流推定器
202、202A 負荷推定器

Claims (10)

  1. 負荷への出力及び制御入力に応じた操作量を生成する制御手段及び該操作量で駆動される増幅手段を有し、前記制御入力に応じた出力を電気的負荷に供給する増幅装置であって、
    前記制御手段は、複数の制御器と、前記複数の制御器の内のいずれか一つの出力を前記操作量として選択するモード切換器と、前記負荷への出力の電圧(「出力電圧」という。)及び前記操作量に基づき前記負荷に流れる電流(「負荷電流」という。)を推定する電流推定手段と、前記出力電圧及び前記負荷電流に基づき前記負荷の値を推定する負荷推定手段とを含み、
    各前記制御器は、少なくとも前記制御入力及び前記負荷への出力を入力として、制御器の出力を生成するとともに、各前記制御器において前記制御入力に対する前記出力が最適応答となる前記負荷の値は、互いに異なっており、
    前記モード切換器は、前記負荷推定手段で推定された前記負荷の値に応じ、前記負荷への出力を前記最適応答に最も近似させる前記制御器の出力を自動選択する
    ことを特徴とする増幅装置。
  2. 前記モード切換器により出力が選択されている制御器を選択制御器と称するとき、該選択制御器以外の前記制御器は、自己の出力と前記操作量とに基づき、自己の出力を該選択制御器の前記出力に近づけていることを特徴とする請求項1に記載の増幅装置。
  3. 前記モード切換器は、前記負荷推定手段で推定された前記負荷の値に応じて前記制御器の出力を選択するために、該制御器の出力を切り換える前記負荷の値を切換負荷値として予め設定し、該切換負荷値にはヒステリシスを持たせることを特徴とする請求項1又は2に記載の増幅装置。
  4. 負荷への出力及び制御入力に応じた操作量を生成する制御手段及び該操作量で駆動される増幅手段を有し、前記制御入力に応じた出力を電気的負荷に供給する増幅装置であって、
    前記制御手段は、制御パラメータにより最適負荷を変更可能な複数の制御器と、前記複数の制御器のいずれか一の制御器の出力を前記操作量として選択するモード切換器と、前記負荷への出力の電圧(「出力電圧」という。)及び前記操作量に基づき前記負荷に流れる電流(「負荷電流」という。)を推定する電流推定手段と、前記出力電圧及び前記負荷電流に基づき前記負荷の値を推定する負荷推定手段とを含み、
    前記モード切換器で選択されていない一の制御器が、前記負荷推定手段で推定された負荷の値を基に、自己の制御パラメータを前記負荷に適した特性になるように変更し、さらに自己の出力を前記モード切換器で選択されている制御器の出力に近づけた後に、前記モード切換器は、該一の制御器の出力を前記操作量として自動選択する
    ことを特徴とする増幅装置。
  5. 選択されている前記制御器の最適負荷の値と、前記負荷推定手段で推定された負荷の値との、差又は比が所定の値を超えたとき、
    前記一の制御器は、推定された前記負荷の値を基に、制御パラメータを該負荷に適した特性になるように変更し、
    前記一の制御器が、自己の出力を、選択されている前記制御器の出力に近づけるように動作した後に、前記モード切換器は該一の制御器の出力を選択する
    ことを特徴とする請求項4に記載の増幅装置。
  6. 前記増幅手段は、前記負荷に直列に接続されたインダクタを出力端に有しており、
    前記負荷は容量性であり、
    前記電流推定手段は、前記インダクタに流れる電流を前記負荷電流として推定し、
    前記負荷推定手段は、前記電流推定手段において前記負荷電流として推定した前記インダクタに流れる電流と、前記負荷へ供給する前記出力電圧の微分値とに基づき、前記負荷の値として該負荷の容量を推定する
    ことを特徴とする請求項1乃至に記載の増幅装置。
  7. 前記増幅手段は、前記負荷に直列に接続されたインダクタを出力端に有しており、
    前記負荷は誘導性であり、
    前記電流推定手段は、前記インダクタに流れる電流を前記負荷電流として推定し、
    前記負荷推定手段は、前記インダクタ及び前記負荷の直列回路の両端電圧を前記出力電圧とし前記電流推定手段において前記負荷電流として推定した前記インダクタに流れる電流の微分値と該出力電圧とに基づき、前記負荷の値として該負荷のインダクタンスを推定する
    ことを特徴とする請求項1乃至に記載の増幅装置。
  8. 前記増幅手段は、前記負荷に直列に接続されたインダクタと、該インダクタ及び前記負荷でなる直列回路に並列に接続されたキャパシタとを出力端に有しており、
    前記負荷は抵抗性であり、
    前記電流推定手段は、前記インダクタに流れる電流を前記負荷電流として推定し、
    前記負荷推定手段は、前記電流推定手段において前記負荷電流として推定した前記インダクタに流れる電流と、前記負荷へ供給する前記出力電圧の微分値とに基づき、前記負荷の値として該負荷の抵抗値を推定する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項に記載の増幅装置。
  9. 前記増幅手段は、前記負荷に直列に接続されたインダクタを出力端に有しており、
    前記負荷は抵抗性であり、
    前記電流推定手段は、前記インダクタに流れる電流を前記負荷電流として推定し、
    前記負荷推定手段は、前記インダクタ及び前記負荷の直列回路の両端電圧を前記出力電圧とし、前記電流推定手段において前記負荷電流として推定した前記インダクタに流れる電流と該出力電圧とに基づき、前記負荷の値として該負荷の抵抗値を推定する
    ことを特徴とする請求項1乃至に記載の増幅装置。
  10. 請求項1乃至に記載の増幅装置を有する電源装置であって、
    前記制御入力として入力される信号に応じた大きさの電圧又は電流の電力を前記負荷への出力とすることを特徴とする電源装置。
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