JP4318243B2 - 高周波スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の異なる通信方式を使用できる複数通信方式の無線機に用いられる高周波スイッチおよびこれを用いた高周波スイッチモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯無線のシステムは、たとえば、主に欧州で盛んなGSM(Global System for Mobile Communications)方式、DCS1800(Digital Cellular System 1800)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communications Services)方式、日本で採用されているPDC(PersonalDigital Cellular)方式などの様々なシステムがあるが、昨今の携帯電話の急激な普及にともない、特に先進国の主要な大都市部においては各システムに割り当てられた周波数帯ではシステム利用者を賄い切れず、接続が困難であったり、通話途中で接続が切断するなどの問題が生じている。そこで、前記利用者が複数のシステムを利用出来るようにして、実質的に利用可能な周波数の増加を計り、さらにサービス区域の拡充や各システムの通信インフラの有効活用することが提唱されている。
しかしながら、複数のシステムを利用したい場合には、各システムに対応した携帯機を必要な分だけ持たねばならず、従来1台で複数のシステムを通信できる小型軽量の携帯機がなかった。単純に、1台の携帯機で複数のシステムを利用可能とするには、システム毎の部品を用いて携帯機を構成すればよいが、信号の送信系においては、例えば希望の送信周波数の送信信号を通過させるフィルタ、送受信回路を切り替える高周波スイッチや送受信信号を入放射するアンテナ、また信号の受信系では、前記高周波スイッチを通過した受信信号の希望の周波数を通過させるフィルタ等の高周波回路部品がシステム毎に必要となる。このため携帯機が高価になるとともに、体積・重量も増加してしまい携帯用としては不適であって、一台で複数のシステムを利用可能な携帯機を実現するには複数のシステムの周波数構成を満たし、かつ小型で複合機能化した高周波回路部品が必須となる。
【0003】
このような高周波回路部品として、高周波スイッチを用いて複数のシステムの送信回路と受信回路を切り換える高周波スイッチモジュールがある。本発明者等は特開平11−225089号、特開平11−313003号で、2つの送受信系の受信回路と送信回路を切り替える小型かつ高性能の高周波スイッチモジュールを提案している。これらの高周波スイッチモジュールは、異なる通過帯域を備えたフィルタを組み合わせて構成する分波回路と、前記分波回路に接続し前記2つの送受信系の受信回路と送信回路を切り替える2つのスイッチ回路を主構成としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記高周波スイッチモジュールはその実施例に記載されているように、例えば、第1の送受信系としてGSM、第2の送受信系としてDCS1800が選択され、第2の送受信系の周波数は第1の送受信系のおおよそ2倍と、その周波数帯域が重複しない場合には高周波スイッチモジュールとして非常に優れた機能を発揮するものであるが、第1、第2の送受信系として一部周波数帯域が重複するDCS1800、PCS等の受信回路と送信回路を切り替える場合には、分波回路で第1、第2の送受信系が分波できないため、前記高周波スイッチモジュールを使用するのは困難であった。
そこで本発明は、一台で複数のシステムを利用可能な携帯機に用いる高周波回路部品として、高周波スイッチを用いて複数のシステムの送信回路と受信回路を切り換えることが可能な高周波スイッチモジュールを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の異なる送受信系の送信回路と受信回路を切り替える高周波スイッチであって、当該高周波スイッチは、前記送受信系の送受信信号の入出力端と、第1及び第2の送受信系の送信回路からの送信信号が入力する入力端と、第1の送受信系の受信信号と第2の送受信信号を分波する分波回路を接続する接続端と、前記第1の送受信系の受信信号を受信回路へ出力する第1の出力端と、前記第2の送受信系の受信信号を受信回路へ出力する第2の出力端とを備え、前記入出力端と第1及び第2の送受信系の入力端との間と、前記入出力端と前記接続端との間には第1のスイッチング素子が配置され、前記第1のスイッチング素子は第1のコントロール回路から与えられる電圧によって送信モードと受信モードを切り替え、
前記分波回路は、前記接続端と前記第1の出力端との間に配置される第1の伝送線路と、その後段に配置される第1の帯域通過フィルタと、前記第1の伝送線路の出力端側とアース間に配置され第1のコンデンサを介して接地される第2のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子と前記コンデンサとに並列接続されたチョークコイルと、前記接続端と前記第2の出力端との間に配置される第2の伝送線路と、その後段に配置される第2の帯域通過フィルタを有し、
前記入出力端と前記接続端との間に第2のコンデンサが直列接続されており、前記入出力端と前記入力端との接続時(送信モード)及び/又は前記入出力端と前記第2の出力端との接続時(受信モード)において、前記第2のスイッチング素子と前記第1のコンデンサとの間に設けられた第2のコントロール回路からの電圧により、前記第2のスイッチング素子をON状態として前記第1の伝送線路を接地し、前記接続端から前記第1の出力端の経路を高インピーダンスとすることを特徴とする高周波スイッチである。
本発明において、前記スイッチング素子はダイオードあるいはトランジスタであるのが好ましい。
また本発明の高周波スイッチは、前記入出力端と第1及び第2の送受信系の入力端との間にスイッチング素子が配置され、当該スイッチング素子とアースとの間に第3の伝送線路が配置され、前記入出力端と前記接続端との間に第4の伝送線路が配置され、前記接続端とアースとの間に他のスイッチング素子が配置され、当該他のスイッチング素子とアースとの間に第3のコンデンサが配置され、前記他のスイッチング素子と前記第2のコンデンサとの間に前記第1のコントロール回路が設けるように構成するのが好ましい。そして、前記第1の伝送線路の線路長を、第2の帯域通過フィルタの通過帯域周波数において入出力端側から第1の出力端をみたインピーダンスが略開放となるようになし、かつ、第2の伝送線路の線路長を、第1の帯域通過フィルタの通過帯域周波数において入出力端側から第2の出力端をみたインピーダンスが略開放となるように構成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る高周波スイッチの一実施例の等価回路図である。この高周波スイッチは、2つの送受信系を取り扱い、第1及び第2の送受信系の送信回路TX1と第1の送受信系の受信回路RX1と第2の送受信系の受信回路RX2を切り替えるものである。尚、説明の簡略化と具体化のため2つの送受信系として、第1の信号周波数帯をDCS1800(送信周波数:1710〜1785MHz 受信周波数:1805〜1880MHz)、第2の信号周波数帯をPCS(送信周波数:1850〜1910MHz 受信周波数:1930〜1990MHz)とし、帯域通過フィルタを弾性表面波フィルタとして以下説明する。
図1において、DCS1800/PCSの送受信信号の入出力端IP1を挟んで右側で破線で囲んだ回路は、DCS1800とPCSの受信信号を分波する分波回路として機能する。この分波回路は、PCSの受信周波数帯域で線路長が略λ/4となるように構成された第1の伝送線路1と、DCS1800の受信周波数帯域で線路長が略λ/4となるように構成された第2の伝送線路2と、第1の帯域通過フィルタ20と、第2の帯域通過フィルタ21を有している。
第1の帯域通過フィルタ20は、DCS1800の受信周波数帯域を通過帯域としてシステム上必要な減衰特性を有し、その入力側から見たインピーダンス特性は、DCS1800の送信周波数帯域及び周波数帯域はPCSの送受信周波数帯域で略ショートの状態となっている。他方、第2の帯域通過フィルタ21のインピーダンス特性は、PCSの受信周波数帯域を通過帯域としてシステム上必要な減衰特性を有すると共に、その入力側から見たインピーダンス特性はDCS1800の送受信周波数帯域及びPCSの送信周波数帯域で略ショートの状態となっている。
前記第1の帯域通過フィルタ20の前段に第1の伝送線路1を設けて、DCSの送信周波数帯域及びPCSの送受信周波数帯域で、接続端IP2から第1の受信回路RX1をみたインピーダンス特性が略開放の状態となるようにし、また第2の帯域通過フィルタ21の前段にも第2の伝送線路2を設けDCS1800の送受信周波数帯域及びPCSの送信周波数帯域で、前記接続端IP2から第2の受信端RX2をみたインピーダンス特性が略開放の状態となるようにしている。ここで、前記第1の伝送線路1と第2の伝送線路2は位相器として機能する。
上記において帯域通過フィルタ(弾性表面波フィルタ)のインピーダンス特性について述べたが、不平衡入力平衡出力型の弾性表面波フィルタ等、弾性表面波フィルタの種類によっては通過させるべき送受信系以外の送受信系で略ショートの状態とならない場合もある。この場合には、帯域通過フィルタの前段に配置される伝送線路の線路長さをλ/4の長さから、長くまたは短く適宜構成すれば良い。
更に第1の出力端側にカソードが接続され、そのアノード側にコンデンサ44を介してアースと接続するダイオード30を配置している。またコンデンサ44とダイオード30との間にコントロール回路VC1が接続される。前記ダイオード30と並列にチョークコイルとして機能する第5の伝送線路5が配置される。前記入出力端IP1と接続端IP2との間には第4の伝送線路4が配置され、前記第4の伝送線路4の接続端IP2側とアースとの間にダイオード32が配置されコンデンサ43を介して接地される。またコンデンサ43とダイオード32との間にコントロール回路VC2が接続される。
また、入出力端IP1を挟んで左側の回路は、DCS1800及びPCSの送信信号を扱う回路であって、前記入出力端IP1とDCS1800/PCSの送受信系の入力端TX1との間に配置され、アノードが入出力端IP1と接続するダイオードと、アースとの間に設けられ、チョークコイルとして機能する第3の伝送線路3とを備えている。
また、入出力端IP1とアンテナANTの間、入力端TX1と入出力端IP1の間、入出力端IP1と接続端IP2の間には、それぞれDCカット用のコンデンサ40、41、42を配置している。
【0007】
以下に前記高周波スイッチ回路の動作について説明する。
(1)DCS1800/PCS送信モード
第1及び第2の送受信系の送信回路TX1とアンテナANTとを接続する場合、コントロール回路VC2から正の電圧が与えられ、この正の電圧がダイオード31、32を含む回路に印加され、ダイオード31,32がON状態となる。また、コンデンサ40、41、42により直流分がカットされる。ダイオード31がON状態となることにより、第1及び第2の送信回路TX1と入出力端IP1間のインピーダンスが低くなる。また、ON状態となったダイオード32及びコンデンサ43によって、第4の伝送線路4が高周波的に接地されることにより共振して、入出力端IP1から接続端IP2を見たインピーダンスが非常に大きくなる。さらに本発明では、前記分波回路の第1の出力端101側にカソードを接続し、そのアノード側にコンデンサ44を介してアースと接続するダイオード30を配置し、コンデンサ44とダイオード30との間に設けられたコントロール回路VC1から正の電圧が与えられる。この正の電圧がダイオード30を含む回路に印加され、ダイオード30がON状態となる。また、コンデンサ42、44、通過帯域フィルタ20,21により直流分がカットされる。ダイオード30がON状態となることにより、ダイオード30及びコンデンサ44によって、第1の伝送線路1が高周波的に接地されることにより共振して、接続端IP2から第1の受信回路RX1を見たインピーダンスが非常に大きくなる。また、前記の様に第1及び第2の送受信系の送信周波数帯域で入出力端IP1から第2の受信回路RX2を見たインピーダンスは大きい。このため、このため、DCS1800とPCSのようにDCS1800の受信周波数(DCS1800:1805〜1880MHz)とPCSの送信周波数(PCS:1850〜1910MHz)の一部が重複する場合であっても、第1及び第2の送受信系の送信回路TX1から第1及び第2の受信回路RX1、RX2に漏洩する送信信号を極めて少なくすることが出来る。
【0008】
▲2▼DCS1800受信モード
第1の受信回路RX1とアンテナANTとを接続する場合、コントロール回路VC1、VC2から0の電圧が与えられることにより、ダイオード30、31、32がOFF状態となる。ダイオード31がOFF状態となることにより、入出力端IP1と送信回路TX1の間のインピーダンスが大きくなる。また、前記の様に、第2の帯域通過フィルタ21の前段の第2の分伝送線路2により、DCS1800の受信周波数帯域で、接続端IP2から第2の受信回路RX2を見たインピーダンス特性が略開放の状態となるように構成しているので、アンテナANTからの受信信号は、送信回路TX1及び受信回路RX2に漏洩することなく、第1の受信回路RX1に伝送される。
【0009】
(3)PCS受信モード
第2の受信回路RX2とアンテナANTとを接続する場合は2種類の電圧印加状態が選択できる。1つは、DCS1800受信モードとおおよそ同様であって、コントロール回路VC1、VC2から0の電圧が与えられることにより、ダイオード30、31、32がOFF状態となり、入出力端IP1と送信回路TX1の間のインピーダンスが大きくなる。また、前記の様に、第1の帯域通過フィルタ20の前段に設けた第1の伝送線路1により、PCSの受信周波数帯域で、接続端IP2から第1の受信回路RX1を見たインピーダンス特性が略開放の状態となるように構成しているので、アンテナANTからの受信信号は、送信回路TX1及び受信回路RX1に漏洩することなく、第2の受信回路RX2に伝送される。
もう1つは、コントロール回路VC1から0の電圧が、VC2から正の電圧が印加されることにより、ダイオード31、32をOFF状態とし、ダイオード30をON状態とする。ダイオード31、32がOFF状態となり、入出力端IP1と送信回路TX1の間のインピーダンスが大きくなる。また、ダイオード30がON状態となることにより、ダイオード30及びコンデンサ44によって、第1の伝送線路1が高周波的に接地されることにより共振して、接続端IP2から第1の受信回路RX1を見たインピーダンスが非常に大きくなる。このため、アンテナANTからの受信信号は、送信回路TX1及び受信回路RX1に漏洩することなく、第2の受信回路RX2に伝送される。
【0010】
以上の説明において送受信系としてDCS1800,PCSを用いたが、他のシステム(例えばGSM,GPS,D−AMPS等々)との組み合わせであっても、その効果に変わりは無い。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の周波数帯の信号を取り扱う高周波スイッチモジュール等の高周波回路に好適な高周波スイッチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波スイッチの一実施例の等価回路図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5 伝送線路
20,21 帯域通過フィルタ
30,31,32 ダイオード
40,41,42,43,44 コンデンサ
Claims (4)
- 複数の異なる送受信系の送信回路と受信回路を切り替える高周波スイッチであって、当該高周波スイッチは、前記送受信系の送受信信号の入出力端と、第1及び第2の送受信系の送信回路からの送信信号が入力する入力端と、第1の送受信系の受信信号と第2の送受信信号を分波する分波回路を接続する接続端と、前記第1の送受信系の受信信号を受信回路へ出力する第1の出力端と、前記第2の送受信系の受信信号を受信回路へ出力する第2の出力端とを備え、前記入出力端と第1及び第2の送受信系の入力端との間と、前記入出力端と前記接続端との間には第1のスイッチング素子が配置され、前記第1のスイッチング素子は第1のコントロール回路から与えられる電圧によって送信モードと受信モードを切り替え、
前記分波回路は、前記接続端と前記第1の出力端との間に配置される第1の伝送線路と、その後段に配置される第1の帯域通過フィルタと、前記第1の伝送線路の出力端側とアース間に配置され第1のコンデンサを介して接地される第2のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子と前記コンデンサとに並列接続されたチョークコイルと、前記接続端と前記第2の出力端との間に配置される第2の伝送線路と、その後段に配置される第2の帯域通過フィルタを有し、
前記入出力端と前記接続端との間に第2のコンデンサが直列接続されており、前記入出力端と前記入力端との接続時(送信モード)及び/又は前記入出力端と前記第2の出力端との接続時(受信モード)において、前記第2のスイッチング素子と前記第1のコンデンサとの間に設けられた第2のコントロール回路からの電圧により、前記第2のスイッチング素子をON状態として前記第1の伝送線路を接地し、前記接続端から前記第1の出力端の経路を高インピーダンスとすることを特徴とする高周波スイッチ。 - 前記スイッチング素子がダイオードあるいはトランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の高周波スイッチ。
- 前記入出力端と第1及び第2の送受信系の入力端との間にスイッチング素子が配置され、当該スイッチング素子とアースとの間に第3の伝送線路が配置され、前記入出力端と前記接続端との間に第4の伝送線路が配置され、前記接続端とアースとの間に他のスイッチング素子が配置され、当該他のスイッチング素子とアースとの間に第3のコンデンサが配置され、前記他のスイッチング素子と前記第2のコンデンサとの間に前記第1のコントロール回路が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波スイッチ。
- 前記第1の伝送線路の線路長を、第2の帯域通過フィルタの通過帯域周波数において入出力端側から第1の出力端をみたインピーダンスが略開放となるようになし、かつ、第2の伝送線路の線路長を、第1の帯域通過フィルタの通過帯域周波数において入出力端側から第2の出力端をみたインピーダンスが略開放となるようになしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波スイッチ。
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