JP4320344B2 - ホスフェート−ホスホネート結合を有するリン化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明において「ホスフェート−ホスホネート結合」とは、リン原子間が置換基を有していてもよいアルキレン基と酸素原子との連結基で結合された構造を意味する。
また、樹脂は混練や成形加工の工程で非常に高い温度に曝されるので、添加するリン化合物としては高温においても安定性の高いものが望まれている。
ホスフェート−ホスホネートはその一例であり、例えば、1分子中に塩素や臭素などのハロゲン原子を含有するホスフェート−ホスホネート、1分子中にアルコール性ヒドロキシ基を含有するホスフェート−ホスホネート、エチル基のような低級アルキル基を有するホスフェート−ホスホネートなどが知られている。
例えば、米国特許第4697030号明細書(特許文献1)には、触媒としての塩化マグネシウムのようなルイス酸と塩化水素捕捉剤としてのトリエチルアミンとの共存下で、アルコール性ヒドロキシ基を有するホスホネートとオキシ塩化リンあるいはホスホロクロリデートとを反応させてホスフェート−ホスホネートを合成する方法が記載されている。
また、触媒として4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-
7(DBU)などの強塩基性触媒をトリエチルアミンと併用した場合でも、反応性はそれ
ほど向上せず、しかも触媒が高価であるためコスト面でも好ましくない。さらにこれら触媒を用いることで、不純物の副生が増えるという問題もある。
しかしながら、ホスファイト化合物は酸性雰囲気下で容易に分解してしまうという欠点がある。上記明細書の合成法は、触媒を用いない、ホスホロクロリダイト中にカルボニル化合物を添加反応させるという酸性雰囲気下の合成であり、生成物が分解してしまい、その結果収率が低下するという問題がある。
で表されるアルコール性ヒドロキシ基を有するホスホネートと、一般式(III):
で表されるジ置換ホスホロハリダイトとを、窒素含有塩基性化合物の存在下で脱ハロゲン化水素反応に付して、一般式(I’)
で表される反応生成物を得、次いで、反応生成物(I’)を酸化して、一般式(I):
で表されるホスフェート−ホスホネート結合を有するリン化合物を得ることを特徴とするリン化合物の製造方法が提供される。
窒素含有塩基性化合物は、ハロゲン化水素捕捉剤として機能する。
R1およびR2のうち少なくとも一方がメチル基である場合には、加水分解し易く、その結果、リン化合物(I)の収率が低下するおそれがあるので、R1およびR2は、炭素数が2以上のアルキル基が好ましい。また、R1およびR2のうち少なくとも一方のアルキル基の炭素原子数が9以上の場合には、ホスホネート(II)の製造に由来する炭素原子数の大きなアルコールが最終生成物中に残存することがあり、その除去が困難となるおそれがあるので好ましくない。
シクロアルキル基の環状構造を形成する炭素原子数が8以上の場合、あるいはシクロアルキル基の環状構造を形成する炭素原子数が4以下の場合には、該シクロアルキル環が不安定になり易く、その結果、環の開裂によって生じる化合物が、反応系において悪影響を及ぼすおそれがあるので好ましくない。
置換基を有するシクロアルキル基としては、例えば、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基などが挙げられ、これらの基を有するホスホネート(II)は、ホスホネート(II)を合成する上での原料を入手し易いので好ましい。
R1およびR2のアリール基は置換基を有していてもよい。その置換基としては、C1〜
C9の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が挙げられ、それらの中でも、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルのようなC1〜C4アルキル基が特に好ましい。
上記のアリール基の中でも、フェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基を有するホスホネート(II)は、ホスホネート(II)を合成する上での原料を入手し易いので好ましい。
R3およびR4のアリール基としては、例えばフェニル、1-ナフチル、2-ナフチルなどが挙げられる。
R3およびR4のアリール基は置換基を有していてもよい。その置換基としては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチルなどのC1〜C5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が挙げられる。
置換基を有するアリール基としては、例えば、メチル基を有するフェニル基、メチル基を有するナフチル基などが挙げられる。
アルキレン基は、置換基を有していてもよい。その置換基としては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチルのようなC1〜C6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が挙げられる。
また、ホスホネート(II)のR3およびR4に含まれる炭素原子数がそれぞれ1以上であ
り、かつR3およびR4に含まれる炭素原子数の和が2〜12であるのが好ましい。
R3およびR4が共にアルキル基である場合、およびR3とR4が一緒になって環状構造を形成する場合には、ホスホネート(II)が立体的に嵩高い置換基を有することになり、その結果、ジ置換ホスホロハリダイト(III)との反応性が低下することが予想されるが、本発明の製造方法によれば、その予想に反して反応が円滑に進行する。
で表される化合物、R1およびR2が共にn-ブチル基である化合物およびR1およびR2が共に2-エチルヘキシル基である化合物から選択されるのが好ましい。
上記の付加反応に用いられるホスファイトとしては、例えば、ジエチルホスファイト、ジn-プロピルホスファイト、ジn-ブチルホスファイト、ジn-オクチルホスファイトおよびビス(2-エチルヘキシル)ホスファイトなどのジアルキルホスファイト、ネオペンチレンホスファイトなどの環状ホスファイトなどが挙げられる。原料としての入手し易さや価格の点で、例示したような、同種のアルキル基が置換されたジアルキルホスファイトおよび環状ホスファイトが特に好ましい。
また、触媒として、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、四塩化チタン、三フッ化ホウ素エーテル錯体などの金属ハロゲン化物を併用することもできる。これらも2種以上を混合して用いることができる。
上記の付加反応においては、その反応性および取り扱いの点から、塩基性触媒のトリエチルアミンと金属ハロゲン化物の塩化マグネシウムとの併用が好ましい。
て、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるか、またはR5とR6はそれらが結合する酸素原子およびリン原子と一緒になって環状構造を形成していてもよく、Xはハロゲン原子である。
R5およびR6のうち少なくとも一方がメチル基である場合には、合成が困難となり、その結果、リン化合物(I)の収率が低下するおそれがあるので、R5およびR6は、炭素数が2以上のアルキル基が好ましい。また、R5およびR6のうち少なくとも一方のアルキル基の炭素原子数が9以上の場合には、ジ置換ホスホロハリダイト(III)の製造に由来する炭素原子数の大きなアルコールが最終生成物中に残存することがあり、その除去が困難となるおそれがあるので好ましくない。
シクロアルキル基の環状構造を形成する炭素原子数が8以上の場合、あるいはシクロアルキル基の環状構造を形成する炭素原子数が4以下の場合には、該シクロアルキル環が不安定になり易く、その結果、環の開裂によって生じる化合物が、反応系において悪影響を及ぼすおそれがあるので好ましくない。
置換基を有するシクロアルキル基としては、例えば、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基などが挙げられ、これらの基を有するジ置換ホスホロハリダイト(III)は、原料として入手し易いので好ましい。
R5およびR6のアリール基は置換基を有していてもよい。その置換基としては、C1〜
C9の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が挙げられ、それらの中でも、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルのようなC1〜C4アルキル基が特に好ましい。
置換基を有するアリール基としては、例えば、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、4-メチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、3,5-ジメチルフェニル、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニルなどのC6〜C15アリール基が挙げられる。
上記のアリール基の中でも、フェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基を有するジ置換ホスホロハリダイト(III)は、原料として入手し易いので好ましい。
なるアルキレン基がより好ましい。そして、環状構造における環は5〜7員環が好ましく、5員環もしくは6員環がより好ましく、6員環が特に好ましい。この環が8員環以上の場合もしくは4員環以下の場合には、環が不安定になり易く、その結果、環の開裂によって生じる酸成分[P−OH]が反応の進行に悪影響を及ぼすおそれがあるので好ましくない。
ジ置換ホスホロハリダイト(III)におけるXのハロゲン原子としては、フッ素、塩素
、臭素、ヨウ素が挙げられる。反応性が高いという理由で塩素、臭素が好ましく、塩素がより好ましい。
ハロゲン化リンとジオール系化合物との反応により合成することができる(例えば、特開平2−273688号公報参照)。
上記の反応に用いられるハロゲン化リンとしては、例えば、三塩化リン、三臭化リンなどが挙げられる。原料としての入手し易さや価格の点で、三塩化リンが特に好ましい。
原料としてオキシ塩化リンやオキシ臭化リンなどの5価のオキシハロゲン化リンを用いた場合には、ジ置換ホスホロハリダイト(III)の酸化物が得られる。この酸化物は、ホ
スホネート(II)との反応性が極めて低く、本発明の目的物であるリン化合物(I)を高収率で得ることができなくなるので好ましくない。本発明のリン化合物の製造方法は、ホスホネート(II)とジ置換ホスホロハリダイト(III)とを反応させた後に、得られた反応生成物を酸化させることを特徴としており、特にジ置換ホスホロハリダイト(III)が環状構造を有する場合には、リン化合物(I)の収率の差が顕著に表れる。
よび/または上記のジ置換ホスホロハリダイト(III)において、R5とR6が一緒になっ
て環状構造を形成するのが好ましい。
本発明の製造方法は、ホスホネート(II)とジ置換ホスホロハリダイト(III)とを、窒素含有塩基性化合物の存在下で脱ハロゲン化水素反応に付して(工程(1))、次いで、得られた反応生成物(I’)を酸化して、リン化合物(I)を得る(工程(2))ことにより行われる。
窒素含有塩基性化合物の使用量は、ジ置換ホスホロハリダイト(III)1モルに対して
1.0〜1.2モル程度である。
ジ置換ホスホロハリダイト(III)の使用量が、ホスホネート(II)1モルに対して1.0モル未満の場合には、未反応のホスホネート(II)が反応物中に残存する比率が高くなり、その結果、最終目的物中からのホスホネート(II)の除去が困難になるおそれがあるので好ましくない。また、ジ置換ホスホロハリダイト(III)の使用量が、ホスホネート(II)1モルに対して1.5モルを超えて、工程(1)の反応終了後に未反応のジ置換ホスホロハリダイト(III)が残存しても、これを水洗により容易に分解除去することができるが、原料ロスになることから好ましくない。
また、反応時間は、反応温度などの条件にもよるが、通常、1〜5時間程度で十分である。
有機溶剤は、この反応に不活性な溶剤であれば特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンおよび石油スピリットなどの炭化水素系溶剤;クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼンおよびジクロロベンゼンなどのハロゲン含有炭化水素系溶剤;ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,4-ジオキサンおよびエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤などが挙げられる。これらの中でも、取り扱い易さの面でトルエン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素が特に好ましい。
(1)の反応とを一連の工程として連続して実施する場合には、同一の溶剤を用いるのが好ましい。これにより溶剤の回収工程が簡略化できるため有利である。
反応系を塩基性に保つためには、公知の塩基性化合物を用いることができる。
このような塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウムに代表される炭酸塩;アンモニア;ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジメチルアニリンなどのアミン;ピリジン、ピコリンなどの芳香族複合環塩基などが挙げられ、これらの中でも、水酸化ナトリウム、トリエチルアミンが特に好ましい。また、これらの塩基性化合物は、2種以上を混合して用いることもできる。
過酸化水素水の使用量が、反応生成物(I’)1モルに対して1.0モルを下回る場合には、酸化反応が完結せずに、未反応の反応生成物(I’)が反応物中に残存する比率が高くなり、その結果、リン化合物(I)の収量が低下するおそれがあるので好ましくない。また、過酸化水素水の使用量が多い程、酸化反応が十分に進行してリン化合物(I)の収率が高くなる反面、爆発の危険性を有する未反応の過酸化水素が残存することになり、安全面で好ましくない。さらに、過酸化水素の水への還元といった余計な工程が必要になることから、過酸化水素の使用量の上限は、反応生成物(I’)1モルに対して1.5モル程度までが適当であり、1.2モル程度までが実用的である。
また、反応時間は、反応温度などの条件にもよるが、通常1〜5時間程度で十分である。
有機溶剤は、この反応に不活性な溶剤であれば特に限定されず、工程(1)で例示のものが挙げられる。工程(1)と工程(2)において同一の溶剤を用いることにより、溶剤の回収工程を1回に簡略化できるので好ましい。
また、窒素含有塩基性化合物や酸性成分などの不純物の残存を避けたい場合には、それらを公知の方法で除去するのが好ましい。この除去方法としては、酸洗浄処理、アルカリ洗浄処理、水洗処理、減圧蒸留などが挙げられる。しかし、難燃剤としてリン化合物(I)を樹脂に添加した場合、これらの不純物がポリウレタンフォームやOA機器などの成形品の物性に悪影響を及ぼすほどではない、極少量の場合には、精製処理は特に必要としない。従って、必要に応じて精製処理を取り入れればよい。
アルカリ洗浄処理では、反応混合物中の酸性成分や未反応の過酸化水素を中和により除去することができる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ水溶液を用いて、得られた反応混合物を洗浄すればよい。
本発明を以下の実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。
(原料1の合成)
攪拌機、温度計、滴下装置、塩酸回収装置および還流管を備えた1リットルの四つ口フラスコに、ネオペンチルグリコール112.3g(1.08モル)およびトルエン123.5g(ネオペンチルグリコールに対して110重量%)を充填した。この混合溶液を窒素雰囲気下、20℃にて撹拌しながら、三塩化リン148.5g(1.08モル)を4時間かけて追加した。その後、同温度(20℃)で1時間撹拌し、最終的に60℃まで昇温し、発生する塩化水素ガスを回収した(75.6g)。その後、約33kPaに達するまで徐々に減圧し、残存する塩化水素ガスを取り除くことにより、ネオペンチレンホスホロクロリダイト(原料1)を主成分とする溶液を得た。なお、溶剤として用いたトルエンは次工程でも使用するため、ここでは回収しなかった。
次に、攪拌機、温度計、滴下装置および還流管を備えた2リットルの四つ口フラスコに、ジブチルホスファイト213.4g(1.1モル)、トリエチルアミン5.6g(0.06モル)および塩化マグネシウム1.9g(0.020モル)を充填した。この混合溶液を40℃にて撹拌しながら、アセトン70.2g(1.2モル)を1時間かけて追加した。さらに同温度(40℃)で1時間撹拌することにより、反応を完結させた。その後、得られた反応溶液を1%希塩酸水溶液、飽和炭酸ナトリウム水溶液にて順次洗浄し、さらに水洗を2回行って、トリエチルアミンおよび塩化マグネシウムを除去した。次いで、反応混合物を80℃まで昇温加熱しつつ、約2.7kPaの減圧下で水を回収した。さらに、同条件で窒素トッピングを行い、低沸分を除去し、ジブチル(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ホスホネート(原料2)254.6gを得た。
上記の反応終了後、原料2が残存する2リットルの四つ口フラスコに、トルエン22.5gおよびトリエチルアミン114.3g(1.13モル)を充填し、攪拌した。次いで、恒温装置により混合溶液を60℃に保持しつつ、滴下装置(追加漏斗)から原料1を含む混合溶液を2時間かけて追加した。その後、反応混合物を同温度(60℃)で1時間攪拌することにより反応を完結させた。
反応混合物に水209.1g(反応混合物に対して30重量%)を加え、同温度(60℃)で30分撹拌した後、静置して分相させた。水相を回収し、副生したトリエチルアミン塩酸塩を除去した。
次いで、得られた反応溶液を20℃まで冷却し、トリエチルアミン3.0g(0.03モル)を加え、混合溶液をpH10とした。次いで、温度20〜40℃の範囲を外れないように、発熱に注意しながら滴下装置(追加漏斗)から35%過酸化水素水溶液104.9g(過酸化水素として1.08モル)を2時間かけて加えた。その後、40℃で1時間撹拌した。
その後、反応溶液を60℃まで加熱昇温し、1%希塩酸水溶液、飽和炭酸ナトリウム水溶液で順次洗浄し、最後に水洗を2回行った。次いで、反応混合物を100℃まで加熱しつつ、13.3kPaの減圧下で水とトルエンを回収した。さらに、100〜110℃で2.7kPaの減圧下で水蒸気トッピングおよび窒素トッピングを順次行い、低沸分を除去し、無色透明の液体390.3gを得た。
また、GCと表2の数値から収率を算出したところ、96.2%であった(表1)。
得られた生成物の構造をIR、NMR、元素分析および吸光法によるP%により決定した。
2976,1469,1376,1306,1261,1213,1149,1056,1014,915,851,813,742,624cm-1
1H−NMR(CDCl3;400MHz);δ4.26(2H,d,JHH=10Hz,POCH 2C(CH3)2−),4.144(2H,t,JHH=7Hz,POCH 2CH2CH2CH3),4.141(2H,t,JHH=7Hz,POCH 2CH2CH2CH3),3.86(2H,dd,JHH=10Hz,JPH=23Hz,POCH 2C(CH3)2−),1.80(3H,s,PC(CH 3)2O),1.76(3H,s,PC(CH 3)2O),1.69(4H,m,POCH2CH 2CH2CH3),1.43(4H,tq,JHH=7Hz,POCH2CH2CH 2CH3),1.29(3H,s,POCH2C(CH 3)2−),0.96(6H,t,JHH=7Hz,POCH2CH2CH2CH 3),0.86(3H,s,POCH2C(CH 3)2−)ppm
C:47.9%,H:8.5%,P:15.5%
(原料1の合成)
実施例1の(原料1の合成)と同様にして、ネオペンチレンホスホロクロリダイト(原料1)を主成分とする溶液を得た。
(原料3の合成)
攪拌機、温度計、滴下装置および還流管を備えた2リットルの四つ口フラスコに、ジブチルホスファイト213.4g(1.1モル)、トリエチルアミン5.6g(0.06モル)および塩化マグネシウム1.05g(0.011モル)を充填した。この混合溶液を25℃にて撹拌しながら、メチルイソブチルケトン(MIBK)120.0g(1.2モル)を1時間かけて追加した。さらに同温度(25℃)で1時間撹拌することにより、反応を完結させた。その後、実施例1の(原料(2)の合成)と同様にして、洗浄および低沸分除去を行い、トリエチルアミンおよび塩化マグネシウムが除去されたジブチル(1-ヒドロキシ-1,3-ジメチルブチル)ホスホネート(原料3)298.8gを得た。
実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を測定したところ、98.4面積%であった(表2)。
上記の反応終了後、原料3が残存する2リットルの四つ口フラスコに、トルエン22.5gおよびトリエチルアミン114.3g(1.13モル)を充填し、攪拌した。次いで、恒温装置により混合溶液を25℃に保持しつつ、滴下装置(追加漏斗)から原料1を含む混合溶液を2時間かけて追加した。その後、反応混合物を同温度(25℃)で1時間撹拌することにより反応を完結させた。
反応混合物を60℃まで昇温し、反応混合物に水222.3g(反応混合物に対して30重量%)を加え、同温度(60℃)で30分撹拌した後、静置して分相させた。水相を回収し、副生したトリエチルアミン塩酸塩を除去した。
実施例1の(工程(2))と同様にして反応を行い、無色透明の液体433.0gを得た。
実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を測定し、収率を算出したところ、それぞれ98.1面積%および96.1%であった(表1)。
得られた生成物の構造をIR、NMR、元素分析および吸光法によるP%により決定した。
2976,1469,1376,1306,1251,1152,1072,992,918,899,848,806,736,624cm-1
1H−NMR(CDCl3;400MHz);δ4.41(2H,d,JHH=10Hz,POCH 2C(CH3)2−),4.15(4H,m,POCH 2CH2CH2CH3),3.84(2H,m,POCH 2C(CH3)2−),2.12(1H,m,CH2CH(CH3)2),1.93(2H,dd,JHH=6Hz,3JPH=14Hz,POC(CH 2CH(CH3)2)−),1.84(3H,d,3JPH=16Hz,POC(CH 3)(CH2CH(CH3)2)P),1.68(4H,m,CH2),1.43(4H,m,CH2),1.28(3H,s,POCH2C(CH 3)2−),1.07−0.92(12H,m,CH 3),0.86(3H,s,POCH2C(CH 3)2−)ppm
C:51.5%,H:9.2%,P:13.9%
(原料1の合成)
実施例1の(原料1の合成)と同様にして、ネオペンチレンホスホロクロリダイト(原料1)を主成分とする溶液を得た。
(原料4の合成)
アセトンの代わりにシクロヘキサノン117.6g(1.2モル)を用いること以外は、実施例1の(原料2の合成)と同様に合成を行って、ジブチル(1-ヒドロキシシクロヘキシル)ホスホネート(原料4)297.4gを得た。
実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を測定したところ、98.2面積%であった(表2)。
上記の反応終了後、原料2の代わりに原料4を用いること以外は、実施例1と同様にして反応を行い、無色透明の液体432.8gを得た。
実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を測定し、収率を算出したところ、それぞれ98.4面積%および96.8%であった(表1)。
得られた生成物の構造をIR、NMR、元素分析および吸光法によるP%により決定した。
2960,1469,1376,1309,1248,1152,1075,1008,922,896,883,848,816,784,726,659,618,582cm-1
1H−NMR(CDCl3;400MHz);δ4.26(2H,d,JHH=10Hz,POCH 2C(CH3)2−),4.14(2H,t,JHH=7Hz,POCH 2CH2CH2CH3),4.12(2H,t,JHH=7Hz,POCH 2CH2CH2CH3),3.84(2H,dd,JHH=10Hz,JPH=23Hz,POCH 2C(CH3)2−),2.37(2H,m,cyclo−CH 2),1.91(2H,m,cyclo−CH 2),1.69(10H,m,CH2),1.41(4H,fq,JHH=7Hz,POCH2CH2CH 2CH3),1.28(3H,s,POCH2C(CH 3)2−),0.95(6H,t,JHH=7Hz,POCH2CH2CH2CH 3),0.85(3H,s,POCH2C(CH 3)2−)ppm
C:51.8%,H:8.8%,P:14.0%
(原料1の合成)
実施例1の(原料1の合成)と同様にして、ネオペンチレンホスホロクロリダイト(原料1)を主成分とする溶液を得た。
(原料2の合成)
ジブチルホスファイト194.0g(1.0モル)、トリエチルアミン5.1g(0.05モル)、塩化マグネシウム1.7g(0.018モル)およびアセトン63.8g(1.1モル)を用いること、洗浄および低沸分除去を行わず、トリエチルアミンおよび塩化マグネシウムを除去しないこと以外は、実施例1の(原料2の合成)と同様にして合成を行い、ジブチル(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)ホスホネート(原料2)を主成分とする溶液264.6gを得た。
(工程(1)および工程(2))
実施例1と同様にして反応を行い、無色透明の液体393.0gを得た。
実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を測定し、収率を算出したところ、それぞれ96.8面積%および95.1%であった(表1)。
また、実施例1で得られた生成物を用いて同定した。
(原料1の合成)
実施例1の(原料1の合成)と同様にして、ネオペンチレンホスホロクロリダイト(原料1)を主成分とする溶液を得た。
(原料5の合成)
ジブチルホスファイト194.0g(1.0モル)、トリエチルアミン5.1g(0.05モル)および塩化マグネシウム0.14g(0.0015モル)を用いること、アセトンの代わりにアセトアルデヒド48.4g(1.1モル)を用いること、洗浄および低沸分除去を行わず、トリエチルアミンおよび塩化マグネシウムを除去しないこと以外は、実施例1の(原料2の合成)と同様にして合成を行い、ジブチル(1-ヒドロキシエチル)ホスホネート(原料5)を主成分とする溶液を247.6g得た。
(工程(1)および工程(2))
原料2の代わりに原料5を用いること以外は、実施例1と同様にして反応を行い、無色透明の液体381.8gを得た。
実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を測定し、収率を算出したところ、それぞれ96.1面積%および95.1%であった(表1)。
得られた生成物の構造をIR、NMR、元素分析および吸光法によるP%により決定した。
2976,1469,1376,1302,1248,1120,1056,1014,918,854,838,742,624cm-1
1H−NMR(CDCl3;400MHz);δ4.56(1H,m,POCH(CH3)P),4.26(2H,d,JHH=10Hz,POCH 2C(CH3)2−),4.14(2H,t,JHH=7Hz,POCH 2CH2CH2CH3),4.12(2H,t,JHH=7Hz,POCH 2CH2CH2CH3),3.86(2H,dd,JHH=10Hz,JPH=23Hz,POCH 2C(CH3)2−),1.98(3H,d,JHH=7Hz,POCH(CH 3)P),1.43(4H,tq,JHH=7Hz,POCH2CH2CH 2CH3),1.29(3H,s,POCH2C(CH 3)2−),0.98(6H,t,JHH=7Hz,POCH2CH2CH2CH 3),0.86(3H,s,POCH2C(CH 3)2−)ppm
C:46.6%,H:7.8%,P:16.1%
(原料6の合成)
攪拌機、温度計、滴下装置、塩酸回収装置および還流管を備えた1リットルの四つ口フラスコに、ネオペンチルグリコール117.5g(1.13モル)およびトルエン129.3g(ネオペンチルグリコールに対して110重量%)を充填した。この混合溶液を50℃にて撹拌しながら、オキシ塩化リン171.9g(1.12モル)を1時間かけて追加した。追加終了後、1時間かけて75℃まで昇温し反応させることで、発生する塩化水素ガスを回収した(70.9g)。その後、約33kPaに達するまで徐々に減圧し、残存する塩化水素ガスを取り除くことにより、ネオペンチレンホスホロクロリデート(原料6)を主成分とする溶液を得た。なお、溶剤として用いたトルエンは次の工程でも使用するため、ここでは回収しなかった。
(原料2の合成)
実施例4の(原料2の合成)と同様にして、ジブチル(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)
ホスホネート(原料2)を主成分とする溶液を得た。
その後、2.5%希塩酸水溶液を加えて撹拌し、過剰のトリエチルアミンを中和処理してトリエチルアミンの塩酸塩として除去し、さらに水洗を行って残存する塩酸塩を除去した。次いで、飽和炭酸ナトリウム水溶液にて、副生したネオペンチレンピロホスフェートを分解処理し、さらに水洗を2回行って不純物を除去した。次いで、反応混合物を100℃まで加熱しつつ、13.3kPaの減圧下で水とトルエンを回収した。さらに、100〜110℃で2.7kPaの減圧下で、水蒸気トッピングおよび窒素トッピングを順次行い、低沸分を除去し、無色透明の液体275.3gを得た。
実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を測定し、収率を算出したところ、それぞれ86.8面積%および59.7%であった(表1)。
また、実施例1で得られた生成物を用いて同定した。
(原料6の合成)
比較例1の(原料6の合成)と同様にして、ネオペンチレンホスホロクロリデート(原料6)を主成分とする溶液を得た。
(原料5の合成)
実施例5の(原料5の合成)と同様にして、ジブチル(1-ヒドロキシエチル)ホスホネート(原料5)を主成分とする溶液を得た。
その後、1.0%希塩酸水溶液を加えて攪拌し、過剰のトリエチルアミンを中和処理してトリエチルアミンの塩酸塩として除去し、さらに水洗を行って残存する塩酸塩を除去した。次いで、飽和炭酸ナトリウム水溶液にて、副生したネオペンチレンピロホスフェートを分解処理し、さらに水洗を2回行って不純物を除去した。次いで、反応混合物を100℃まで加熱しつつ、13.3kPaの減圧下で水とトルエンを回収した。さらに、100〜110℃で2.7kPaの減圧下で、水蒸気トッピングおよび窒素トッピングを順次行い、低沸分を除去し、茶褐色透明の液体342.4gを得た。
実施例1と同様にして、得られた生成物の純度を測定し、収率を算出したところ、それぞれ96.6面積%および85.7%であった(表1)。
また、実施例5で得られた生成物を用いて同定した。
洗浄および低沸分除去を行ってトリエチルアミンと塩化マグネシウムを除去して精製した原料5を用いたこと、その精製された原料5と原料6を主成分とする溶液との反応時に塩化マグネシウムを用いなかったこと以外は、比較例2と同様にして反応を試みた。
しかし、反応終了後の溶液をGCにて分析したところ、目的物は生成しておらず、ネオペンチレンピロホスフェートの副生のみで、反応は進行しなかった。
攪拌機、温度計、滴下装置および還流管を備えた1リットルの四つ口フラスコに、トリブチルホスファイト(東京化成工業株式会社製)250.0g(1.0モル)および原料1を主成分とする溶液を精製して得られたネオペンチレンホスホロクロリダイト168.5g(1.0モル)を充填し、攪拌した。次いで、恒温装置により混合溶液を10℃に保持しつつ、滴下装置(追加漏斗)からアセトン58.0g(1.0モル)を1時間かけて追加した。
追加終了後の反応混合物、およびさらに70℃まで昇温し、同温度(70℃)で1時間保持させた後の反応混合物をGCにて分析したところ、目的化合物が全く生成していないことがわかり、目的化合物は得られないものと判断した。
攪拌機、温度計、滴下装置および還流管を備えた1リットルの四つ口フラスコに、トリブチルホスファイト(東京化成工業株式会社製)250.0g(1.0モル)および原料1を主成分とする溶液を精製して得られたネオペンチレンホスホロクロリダイト168.5g(1.0モル)を充填し、攪拌した。次いで、恒温装置により混合溶液を10℃に保持しつつ、滴下装置(追加漏斗)からアセトン58.0g(1.0モル)およびトリエチルアミン101.0g(1.0モル)の混合溶液を1時間かけて追加した。
追加終了後の反応混合物、およびさらに70℃まで昇温し、同温度(70℃)で1時間
保持させた後の反応混合物をGCにて分析したところ、不明成分が約10%程度生成し、ほとんどが原料のまま残存していることがわかり、目的化合物は得られないものと判断した。
特に、原料として、反応性の低い3級アルコール(実施例1)や立体的に障害があり、さらに反応性の低いことが予想される3級アルコール(実施例2および3)を用いた場合でも、それらの反応性が良好で、高純度かつ高収率でホスフェート−ホスホネートを合成できることがわかる。
さらに、原料として、ジブチル(ヒドロキシメチル)ホスホネートのような1級アルコールを用いた場合でも、当然のことながら上記と同様の効果が得られる。
比較例1および2では、次式で示されるネオペンチレンピロホスフェートが副生する。
この化合物は、水蒸気トッピングや窒素トッピングにより目的化合物から除去することができず、アルカリを用いた加水分解によってのみ除去することができる。しかしながら、この加水分解では目的化合物もいくらか分解を起こすために、収率が低下してしまう。
このことから、原料として5価のリン化合物を用いる場合には、触媒として塩化マグネシウムを使用せざるを得ず、しかも比較例1および2と同様に、副生成物が発生して収率が低下することがわかる。
比較例4では、反応雰囲気が強酸性下であり、仮に目的化合物が生成されたとしても直ちに分解してしまうことが想定される。このため、比較例5では、トリエチルアミンを用いて反応雰囲気を塩基性下として目的化合物の分解を阻止しようと試みたが、比較例4と同様に、不明成分が得られただけで目的化合物を得ることができなかった。
Claims (10)
- 一般式(II):
(式中、R1およびR2は、互いに同一または異なって、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるか、またはR1とR2はそれらが結合する酸素原子およびリン原子と一緒になって環状構造を形成し、R3およびR4は、互いに同一または異なって、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基またはアリール基であるか、またはR3とR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成する)
で表されるアルコール性ヒドロキシ基を有するホスホネートと、一般式(III):
(式中、R5およびR6は、互いに同一または異なって、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基でありかつR5とR6はそれらが結合する酸素原子およびリン原子と一緒になって環状構造を形成し、Xはハロゲン原子である)
で表されるジ置換ホスホロハリダイトとを、窒素含有塩基性化合物の存在下で脱ハロゲン化水素反応に付して、一般式(I’)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、上記と同じ意味を有する)
で表される反応生成物を得、次いで、反応生成物(I’)を酸化して、一般式(I):
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、上記と同じ意味を有する)
で表されるホスフェート−ホスホネート結合を有するリン化合物を得ることを特徴とするリン化合物の製造方法。 - 窒素含有塩基性化合物が、脂肪族第3級アミンである請求項1に記載のリン化合物の製造方法。
- 脂肪族第3級アミンが、トリエチルアミンである請求項2に記載のリン化合物の製造方法。
- ホスホネート(II)のR1とR2が一緒になって環状構造を形成する請求項1〜3のいずれか1つに記載のリン化合物の製造方法。
- ホスホネート(II)のR3およびR4に含まれる炭素原子数がそれぞれ1以上であり、かつR3およびR4に含まれる炭素原子数の和が2〜12である請求項1〜6のいずれか1つに記載のリン化合物の製造方法。
- ホスホネート(II)のR3およびR4が、メチル基とメチル基、メチル基とエチル基、メチル基とイソブチル基、フェニル基とメチル基、フェニル基とフェニル基の組み合わせ、およびR3およびR4がそれらが結合する炭素原子と一緒になって6員環を形成する連結基から選択される請求項1〜6のいずれか1つに記載のリン化合物の製造方法。
- 窒素含有塩基性化合物の使用量が、ジ置換ホスホロハリダイト(III)1モルに対して1.0〜1.2モルである請求項1〜8のいずれか1つに記載のリン化合物の製造方法。
- 反応生成物(I’)1モルに対して1.0〜1.5モルの過酸化水素を用いて反応生成物(I’)を酸化する請求項1〜9のいずれか1つに記載のリン化合物の製造方法。
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