JP4322320B2 - 共沸組成物、これを用いた水切り蒸気乾燥剤および水切り蒸気乾燥方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、液晶、ガラスレンズ等の精密部品等の水切り乾燥に係わり、特に、早い乾燥速度、優れた乾燥仕上がり性および再生能等を示す共沸組成物、ならびにこれを用いた水切り蒸気乾燥剤および水切り蒸気乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体などの実装基板などの電子部品や、レンズなどの光学部品の乾燥にフロンが多用されていた。しかし、フロンにはオゾン層破壊等の問題があるため、全廃が見込まれる中、フロンを代替する乾燥剤および乾燥方法について種々の検討がなされている。近年、半導体や液晶のカラーフィルタのような精密乾燥が必要な分野を中心に、アルカリ洗浄、純水リンス後、アルコールのような親水性の有機溶媒の蒸気により乾燥する方法が実施されるようになった。この蒸気乾燥の中に、メッキ工程後あるいは水系洗浄剤の使用後に、シミ等のない乾燥を行うことを目的とした「水切り乾燥」が含まれる。
【0003】
しかしながら、前述のアルカリ洗浄、純水リンス後、親水性の有機溶媒により蒸気乾燥を行う洗浄方法では、ソルベントアタック、すなわちプラスチック部品や樹脂被膜を白化させたりクラックを発生させやすいという問題や、凝縮熱が大きい関係から被洗浄物表面で生ずる凝縮液の量が少ないため水切りが不十分になりやすいことに加え、アルコールなどの親水性溶媒は水を溶解させやすい関係から被洗浄物の上に残渣(乾燥ジミ)を発生しやすいという問題があった。
【0004】
前述の親水性溶媒の一例として、イソプロピルアルコール(IPA)が挙げられる。このIPAは、上述の通り、蒸発熱が大きいために乾燥ジミが発生し易く、しかも空気中からの吸湿により乾燥ジミがより顕著になるという問題を有している。
【0005】
また、IPA等のアルコールは水と共沸するために、蒸留により分離、再生することができず、使い捨てとならざるを得ないばかりでなく、蒸気密度が低いために揮散ロスが大きく、さらに乾燥速度が遅いために、蒸気洗浄後でも場合によっては温風乾燥が必要となる等の問題を有している。
【0006】
さらに、IPA等の水に対して無限の相溶性をもつ親水性溶媒による蒸気乾燥は、部品に付着した水を置換するため、次第にIPA中の水分濃度は増加する。この水分はIPAと共沸混合物を形成し、その結果、蒸気槽中の水分濃度も増加する。これは部品表面における水の置換に影響を及ぼし、ウォーターマークやパーティクルの発生などの乾燥性低下の原因になる。そのため、IPA中の水分濃度管理が重要であり、液のライフタイムや処理回数に応じた液交換や、液を非抵抗にするなど、管理が必要となる。また、部品に付着した水を置換したIPAは、前述のとおり、IPA純度を保つ目的で廃液にせざるを得ず、消費量は多く、高ランニングコストという問題がある。
【0007】
上述したような問題を解決する方法として、ペルフルオロヘキサンとトリフルオロエタノールとの混合系による水切り洗浄が提案されているが、この混合系は親水性がないペルフルオロヘキサンを含むために、水切り性に乏しいという問題を有している。そもそも、ペルフルオロヘキサンとトリフルオロエタノールとは、液体状態では相溶していないために、液管理が困難であると共に、乾燥対象物の表面に凝縮液が不均一に漏れるために、乾燥ジミが生じやすいというような問題を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、半導体、液晶、ガラスレンズ等の精密部品等のシミのない、乾燥速度の早い水切り蒸気乾燥が可能で、さらに、液管理が容易で再生可能な共沸組成物を用いた水切り蒸気乾燥剤および水切り蒸気乾燥方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、(a)オクタメチルシクロテトラシロキサンと、(b)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルとからなる共沸組成物が、水置換性、乾燥速度、使用上の安全性等に優れることを見出だした。
【0010】
本発明の共沸組成物における各成分の配合比は、(a)オクタメチルシクロテトラシロキサンが40〜90重量%、(b)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが10〜60重量%であることが好ましい。より好ましくは、(a)オクタメチルシクロテトラシロキサンが60〜90重量%、(b)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが10〜40重量%である。このような配合比において、100Torrの減圧下で、共沸温度が373Kから388Kの共沸組成物が得られる。尚、共沸組成物の具体的な組成比は、条件によって変動し得るものである。
【0011】
ここで、本発明における共沸組成物とは、その組成が共沸混合物のように挙動する、すなわち共沸点を有し、かつ一定の沸騰特性を示し、沸騰または蒸発したときに分留しない傾向にあることを意味する。従って、このような組成物においては、沸騰中または蒸留中に形成される蒸気の組成は元の液体組成と同一または実質的に同一である。沸騰または蒸発中に液体組成が仮に変化するとしても、それは最小限または無視できる程度の変化にすぎない。これは沸騰または蒸発中に液体組成が実質的な程度まで変化してしまう非共沸混合物組成と大きく異なる点である。共沸組成物は、沸騰したときに分留を起こさないため、場合によっては可燃性溶剤の引火性を消失させることができる。さらに、汚れ成分が混入した洗浄剤を、蒸気洗浄装置を利用して組成変化を起こすことなく、再生できるという利点がある。また、共沸組成物には、上記したような共沸組成物の特徴を実質的に損わない範囲で、共沸組成物より構成成分を余分に含有、つまり添加物が加えられいて、共沸点が±5℃程度ずれていて、上記した共沸組成物とほぼ同様な特性を示す共沸様組成物も含まれる。
【0012】
上述したように、本発明における共沸組成物は共沸状態の組成となっている。共沸性は混合物としての沸点が、各成分の固有の沸点よりも低くなる、あるいは高くなる場合に発現する。従って、共沸混合物を得るためには、単に各成分を混合しただけでは得られない場合が多く、混合物の沸点が各成分の固有の沸点よりも低くなる場合には、任意の割合で混合した液を蒸留し、留分を繰り返し蒸留したり、あるいは段数を設けた精留により得ることができる。このようにして得られる共沸組成物(混合物)は、さらに一定圧のもとで蒸留を繰り返しても、留分の実質的な組成変化は見られないという特徴を有する。なお、共沸組成物の具体的な組成比は、条件によって変動し得るものである。また、共沸様組成物についても同様にして得ることができる。
【0013】
本発明の共沸組成物において、オクタメチルシクロテトラシロキサンは、表面張力が19dyn/cm(293K)と小さく、浸透性に優れている。また溶解力の指標であるカウリブタノール値(KB値)が15程度と小さく、蒸気乾燥によるプラスチック等の被洗浄物を劣化させるおそれははとんどない。さらに、蒸発潜熱が約36.7cal/g と小さいために、良好な乾燥性を有している。ただし、オクタメチルシクロテトラシロキサンは疎水性であるため、それ単独では良好な水置換性は得られない。
【0014】
一方、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルは、水と任意相溶し、蒸発潜熱が107.6cal/g であり、同様に水と相溶するメタノール(263cal/g )、エタノール(202.7cal/g )、IPA(161cal/g )と比べて低い値を示す。蒸発潜熱の低い溶媒は、乾燥する際に部品表面を、冷やすことによって大気中の湿気を結露させることがないため、乾燥特性に優れている。ただし、たとえ蒸発潜熱が低くても水と任意相溶しない溶媒は、乾燥特性は良好だが、水切り(水置換)性に劣る。
【0015】
従って、本発明の構成成分であるオクタメチルシクロテトラシロキサンのみでは良好な水切り性が得られず、水と任意相溶し、かつ蒸発潜熱の低いジプロピレングリコールモノメチルエーテルとを混合することで、水切り性、乾燥性に優れ、プラスチックへの悪影響を及ぼさない組成物とすることができる。また、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルとオクタメチルシクロテトラシロキサンからなる共沸組成物の引火点は、メタノール、エタノール、IPA等の低級アルコールのそれより高いため、安全性の面からも優れている。
【0016】
本発明における水切り蒸気乾燥剤は、本発明の共沸組成物を用いたものであればよく、本発明の共沸組成物単独に限らず、オクタメチルシクロテトラシロキサンとジプロピレングリコールモノメチルエーテルの共沸組成比や水切り性、乾燥性を損なわない範囲であれば、例えば他の有機溶剤や界面活性剤および/または安定化剤等をさらに混合して用いることができる。さらにオクタメチルシクロテトラシロキサンとジプロピレングリコールモノメチルエーテルと極性溶媒とで3成分の共沸組成とすることもできる。
【0017】
例えば有機溶剤として、へプタン等の炭化水素類を混合することによってコストを低くすることができる。さらにはC6 F14、C7 F16、C8 F18等のペルフルオロカーボン類やCF3 CF2 CFHFHCF3 等のハイドロフルオロカーボンやC4 F9 OCH3 等のハイドロフルオロエーテルやC3 HCl2 F5 等のハイドロクロロフルオロカーボン類等のフルオロカーボン類を組み合わせて使用することができ、これによって難燃性または不燃性を付与させることができる。これら炭化水素類の混合比は共沸組成物100重量部に対して10から10000重量部以下、さらに5000重量部以下が好ましい。フルオロカーボン類の混合比は共沸組成物100重量部に対して10から10000重量部の範囲とすることが好ましく、より好ましくは5000重量部以下が好ましい。なお、上述した炭化水素類は単独で、あるいは2種以上併用して添加することができる。
【0018】
また、本発明の組成物に添加して、水切り性能を向上させることができる水切り性能向上剤としては、例えば界面活性剤や親水性溶剤等の極性溶媒が例示される。界面活性剤は、特に浸漬による水切り性の向上に寄与するものである。本発明において好ましく用いられる界面活性剤としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホン酸塩、リン酸エステル等のアニオン系界面活性剤、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のノニオン系界面活性剤、イミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤、アルキルアミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、アミン化合物と飽和脂肪酸の組み合わせによる界面活性剤とが例示され、その他には単一物質で存在することは少ないが、天然物から抽出されるテルペン系化合物や高級脂肪酸エステル等が挙げられる。また、上述したような各種化合物の化学構造の一部をフッ素原子やケイ素原子で置き換えた合成化合物を用いることも可能である。界面活性剤の組成比は、特に限定されるものではないが、共沸組成物100重量部対して20重量部以下、さらに3重量部以下が好ましい。なお、上述した界面活性剤は単独で、あるいは2種以上併用して添加することができる。
【0019】
本発明において好ましく用いられる親水性溶剤としては、例えば、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、酢酸、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸sec ブチル、メチルイソブチルケトン、ギ酸、ギ酸プロピル、ギ酸n−ブチル、ギ酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリフルオロエタノール等が挙げられる。
【0020】
極性溶媒の組成比は特に限定されるものではないが、共沸組成物100重量部に対して0.1から10000重量部以下、好ましくは、1000重量部以下、より好ましくは、100重量部以下である。なお、上述した極性溶媒は単独で、あるいは2種以上併用して添加することができる。
【0021】
また、本発明の共沸組成物に添加できる安定化剤としては、例えばグリシドール、シクロヘキセンオキシド等のエポキシド類、l,4−ジオキセン、1,3,5−トリオキセン等のエーテル類、1−ペンテン、1−へキセン等の不飽和炭化水素類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル等が挙げられる。これら安定化剤は、洗浄剤の全重量に対して0.1から5重量%程度の割合で添加することが好ましい。なお上述した安定化剤は単独で、あるいは2種以上併用して添加することができる。
【0022】
本発明の共沸組成物およびこれを用いた水切り蒸気乾燥剤は、各種被洗浄物に対して適用可能であり、被洗浄物の材質は特に限定されるものではなく、金属、半金属、セラミックス、プラスチック材料等が挙げられる。例えば、金属や半金属としては鉄、アルミニウム、シリコン、銅、ステンレス等が、セラミックスとしては窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、ガラス、磁器等が、プラスチックとしてはポリアミド、ポリイミド、エポキシ、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂等が例示され、またこれらの複合材料であってもよい。具体的にはプリント基板や実装部品等の電子部品、電気部品、半導体部品、金属部品、表面処理部品、精密機器部品、光学部品、ガラス部品、セラミックス部品、プラスチック部品等が挙げられる。
【0023】
以上、共沸組成物を有効成分とする水切り蒸気乾燥剤について説明してきたが、このような共沸組成物は、水切り蒸気乾燥剤以外の例えば塗料用溶剤、試薬、各種溶剤等の用途に、それ自身で共沸組成物として使用することができる。
【0024】
本発明の共沸組成物は、蒸気により水置換性を示す。共沸組成物は、使用中に実質的な液組成の変動がなく水置換性、乾燥速度、乾燥特性、再性能等に優れた乾燥剤が得られる。さらには、脱指性があることから、軽度な油分や、パーティクルを蒸気により除去することが可能である。また、本発明の組成物は、超音波、機械的撹拌を併用することによる浸漬によって水置換することもできる。蒸気による水置換は、レンズ、シリコンウェーハ、カラーフィルタ等の表面がフラットなものに対して有効である。部品表面の形状が複雑であれば、浸漬による水切りが有効である。
【0025】
本発明の水切り蒸気乾燥方法は、減圧下で加温することにより得られた(a)オクタメチルシクロテトラシロキサンと(b)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルとからなる共沸組成物を含む水切り蒸気乾燥剤を用い、大気圧下で対象物を水切りする工程と、前記対象物を乾燥する工程とからなることを特徴としている。減圧乾燥する場合、減圧度は、10〜200Torr、より好ましくは40〜150Torrである。この他の乾燥方法としては、自然乾燥、温風乾燥等が挙げられる。
【0026】
上述したように、本発明の共沸組成物を用いた水切り蒸気乾燥剤および方法によれば、使用中の組成変化を極力抑えることができ、水置換性、乾燥速度、乾燥特性、再生能に優れると共に、基本成分としてフロンに代表される塩素系有機溶剤を含まないためにオゾン層の破壊を招くことがない。さらに共沸組成物の説明で詳述したように、プラスチックを劣化させることがないと共に、水を分離することにより、水分の混入を抑制することができるため、含有水分に起因するしみの発生や錆等の金属の腐食を極力抑制することができる。
【0027】
本発明の共沸組成物を用いた水切り蒸気乾燥剤は、工業的な連続使用により次第に水分が含まれてくる。水切り効果が得られなくなるようであれば、さらに水を加えることで水にジプロピレングリコールモノメチルエーテルを抽出させて純度の高いオクタメチルシクロテトラシロキサンを分離回収した後、このオクタメチルシクロテトラシロキサンに新たにジプロピレングリコールモノメチルエーテルを混合する、あるいは水切り効果が得られなくなった水切り蒸気乾燥剤に水切り効果のあるジプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加することにより簡単に純度の高い水切り蒸気乾燥剤を再生することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
まず、ガスクロ純度99.5%のオクタメチルシクロテトラシロキサンとガスクロ純度99.5%のジプロピレングリコールモノメチルエーテルとを1対1の割合で混合し、この混合物200gを蒸留フラスコに入れ、理論段数30段の精留塔を用いて100Torrの減圧下で蒸留を行った。この蒸留によって、373から388Kにおいて共沸留分が得られた。この共沸留分からなる組成物を水切り蒸気乾燥剤として用いた。
【0029】
上記共沸留分をガスクロマトグラフィーにより分析し、得られたピーク面積比から実際の添加割合を帰属したところ、オクタメチルシクロテトラシロキサンが88重量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが12重量%であった。なお、ガスクロマトグラフィーは、以下に示す条件で行った。
【0030】
[ガスクロマトグラフィー条件] 装置:島津製作所製GD−14A(TC-D)、カラム:sus製2m×3mmφ(GLサイエンスクロモソルブ(株)WAYDMC8,メッシュ60/80)、充填剤:Silicone SE-30 10%、インジェクション温度:523K、TC−D温度:3K、初期温度323K、初期保持時間:0分、昇温連度:10K/分、最終温度:523K、最終保持時間:0分、current :100、FR CR He:40ml、ATTENUATION :64
なお、本明細書における組成物の重量割合は、いずれも混合組成物を上記条件にてガスクロマトグラフィーで分析し、得られた成分のピーク面積から帰属した添加割合を示している。
【0031】
[実施例2〜5および比較例1〜7]
実施例2〜5および比較例1〜7を実施例1と同様に調製した。添加割合を表1および2に示す。
【0032】
[乾燥速度および外観評価]
被洗浄対象物として、アルカリ洗浄後、純水でリンスしたMICRO SLIDEGLASS(厚さ0.8から1.0mm、Pre-Cleaned 、76×76mm)およびCOVER GLASS (厚さ0.2mm、Pre-Cleaned 、18×18mm)を用意した。
【0033】
実施例1〜5および比較例1〜7を収容したトールビーカーと加熱器を用いて蒸気相を形成させた。その沸騰した蒸気相に被洗浄対象物を、それぞれ1分間浸漬し、水切り乾燥に要する時間を目視で測定した。その後、蒸気相から15mm/秒の速度で引き上げながら乾燥し、SEMにより外観(水切り性)を評価した。これらの結果を表1および2に示す。
【0034】
【表1】
【表2】
表1および2の結果から明らかなように、実施例1〜5は、引火点が高く、乾燥性および水切り性に優れた共沸組成物となるのに対し、比較例1、2、4および6はいずれも乾燥性および水切り性に劣り、引火点の低い共沸組成物となった。比較例3および5は乾燥ジミはないものの、乾燥時間が長く、水切り性に劣る引火点の低い共沸組成物となった。比較例7は、乾燥ジミ、乾燥性および引火点もそう悪くはないが、水切り性に劣るものであった。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、水切り性に優れ、乾燥速度が早く、乾燥ジミのない蒸気乾燥を行うことができ、液管理の必要のない共沸組成物、これを用いた水切り蒸気乾燥剤および水切り蒸気乾燥方法を実現することができる。
【0036】
Claims (6)
- (a)オクタメチルシクロテトラシロキサンと、(b)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルとからなることを特徴とする共沸組成物。
- 請求項1記載の共沸組成物に、有機溶剤、界面活性剤および/または安定化剤を添加してなることを特徴とする共沸組成物。
- (a)オクタメチルシクロテトラシロキサンと、(b)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルとからなる共沸組成物を含むことを特徴とする水切り蒸気乾燥剤。
- 前記共沸組成物における前記(a)オクタメチルシクロテトラシロキサンの配合比が40〜90重量%、前記(b)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルの配合比が10〜60重量%であることを特徴とする請求項3記載の水切り蒸気乾燥剤。
- 有機溶剤、界面活性剤および/または安定化剤が添加されていることを特徴とする請求項3記載の水切り蒸気乾燥剤。
- 減圧下で加温することにより得られた(a)オクタメチルシクロテトラシロキサンと(b)ジプロピレングリコールモノメチルエーテルとからなる共沸組成物を含む水切り蒸気乾燥剤を用い、大気圧下で対象物を水切りする工程と、前記対象物を乾燥する工程とからなる水切り蒸気乾燥方法。
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