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JP4324376B2 - アクティブマスダンパ - Google Patents
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JP4324376B2 - アクティブマスダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベッド上に、水平方向に移動自在の水平移動部を備える加工機に採用されるアクティブマスダンパに係り、水平移動部の移動に伴って発生する床振動を低減することができるアクティブマスダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、レーザ光を用いてプリント基板等に穴明け加工をするレーザ穴明け加工機は、ベッド上に水平方向に移動するXテーブルと、Xテーブル上に載置されXテーブルの移動方向と直交する水平方向に移動するYテーブルと、固定のレーザ光源と、回転自在に支持され、レーザ光を走査させるための反射ミラー等と、を備えている。
【0003】
そして、加工をする時には、プリント基板を予め定める大きさの加工領域に区分し、区分した任意の加工領域の中心をレーザ光の中心に位置決めした後、レーザ光を走査させて加工を行い、当該加工領域内の加工が終了すると、XテーブルとYテーブルを動作させてプリント基板を次の加工領域に移動させる。以下、加工が終了するまで、上記の動作を繰り返す。
【0004】
ここで、Xテーブルを移動させると、レーザ穴明け加工機には、XテーブルおよびXテーブルに載置された部材の質量に加速度を掛けた大きさの加振力が水平方向に発生する。この加振力の作用点は床よりも高い所にあるため、この加振力と作用点の高さで決まるモーメント力により、レーザ穴明け加工機には、床の剛性とレーザ穴明け加工機の回転慣性によって決まる固有振動数の回転振動(ロッキング振動)が発生する。そして、レーザ穴明け加工機の重心を挟み、レーザ穴明け加工機の両側に配置されたレベリングボルトの一方から伝達される加振力は床を押し下げる方向に作用し、他方から伝達される加振力は床を引き上げる方向に作用する。この結果、床は上下方向の振動が発生する。
【0005】
また、Yテーブルを移動させる場合も、Xテーブルを移動させた時と同様に、床には上下方向の振動が発生する。
【0006】
したがって、加工能率を向上させようとして、XテーブルまたはYテーブル(以下、両者をまとめてXテーブルという。)を高速で移動させると、床の振動が大きくなる。
【0007】
レーザ穴明け加工機が基礎のしっかりした建物の1階に設置された場合、床振動はそれほど大きくならない。しかし、レーザ穴明け加工機が2階以上の床に設置された場合、これらの床は1階ほどの剛性や質量を持たないことが多いため、レーザ穴明け加工機を稼動させると、床に大きな振動とこれに伴う騒音が発生する場合がある。このような振動や騒音は、作業者にとって不快感を引き起こすだけでなく、加工精度および加工能率の低下を招く。さらに、繰り返し振動により建物の強度が低下する場合がある。
【0008】
ところで、機器の振動を床に伝達させないようにするために、従来から弾性体とダンパとからなる防振部材を機器の基礎部に設ける振動対策がなされている。しかし、レーザ穴明け加工機をこのような防振部材で柔に支持すると、ロッキング振動が大きくなってしまうため、Xテーブルの水平変位が防振部材で支持しない場合に比べて大幅に増大し、位置決め制御性が低下する。また、レーザ穴明け加工機を柔支持した場合、Xテーブルが移動することにより各防振装置の支持荷重が変化するため、レーザ穴明け加工機の水平度が変化して高精度な加工を行うことが困難になる。したがって、レーザ穴明け加工機を防振部材により柔に支持することは適切ではない。
【0009】
そこで、特開平6―336394号公報では、ガーダ上を移動自在の移動台車に伝達される鉛直方向の振動を低減するため、移動台車に、直動拘束機構により拘束された付加質量と付加質量を移動させるサーボモータとからなるアクティブ方式の動吸振器(アクティブマスダンパ)と、加速度検出器とを設けている。そして、移動台車に伝達された鉛直方向の振動を加速度検出器により検出し、検出値に応じてアクティブマスダンパを制御することにより、吊り荷の巻き上げ作業時に発生するインパルス的な上下加振力等を減衰させている。したがって、このようなアクティブマスダンパの原理を採用すれば、レーザ穴明け加工機のテーブル等の質量に基づく上下方向の加振力を減衰させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記技術の場合、上記のロツキング振動を減衰させることは考慮されていない。
【0011】
また、振動が発生してからアクティブマスダンパを動作させるため、時間遅れが発生する。
【0012】
ところで、レーザ穴明け加工機の場合、作業能率を向上させるため、テーブルを高速で移動させることが多く、テーブルの加振力は大きい。
【0013】
ここで、アクティブマスダンパの錘の質量が大きい場合、テーブルの加振力を抑制することは比較的容易であるが、レーザ加工機全体が大きくなる。
【0014】
そこで、装置全体を小型にすることを目的として錘の質量を小さくすると、錘の加速度を相対的に大きくする必要がある。錘にボールナットを保持させボールねじにより錘を駆動する場合、ボールナットとボールねじとの間に隙間があると、錘を移動させる際あるいは移動方向を急激に変更する際、両者が衝突して錘とボールねじの支持剛性で決まる高次振動成分が励起される。そこで、ボールねじとボールナット間に与圧をかけて隙間を取り除くと、両者間の摩擦力により錘は移動の原点に戻らない。そこで、保守間隔を短くして、錘の位置を調整する必要がある。
【0015】
本発明の目的は、ロツキング振動を減衰させることができると共に、保守が容易でかつ装置の大きさを小型にしたアクティブマスダンパを提供するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の手段は、錘を水平方向に移動自在に支持する支持装置と、前記錘を駆動する錘駆動装置と、前記錘駆動装置を制御するコントローラと、からなり、前記錘の移動方向が加工機の移動部の移動方向と平行になるようにして、前記加工機に配置されるアクティブマスダンパにおいて、前記移動部が停止状態に入ったことを判断する判断手段を備え、前記コントローラは、前記移動部の駆動部に指令されるトルク指令値によるフィードフォワード制御と前記錘の変位に基づくフィードバック制御とにより、前記錘駆動装置を駆動し、前記移動部が停止状態であると前記判断手段により判断された場合、前記コントローラは、前記錘の変位の積分値に基づいて前記錘を当該移動ストロークの中心に位置決めすることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第2の手段は、錘を水平方向に移動自在に支持する支持装置と、前記錘を駆動する錘駆動装置と、前記錘駆動装置を制御するコントローラと、からなり、前記錘の移動方向が加工機の移動部の移動方向と平行になるようにして、前記加工機に配置されるアクティブマスダンパにおいて、前記加工機の移動部を駆動するモータに対してトルク指令値が指令された時から予め設定された時間位相を進める位相進め手段と、前記位相進め手段から出力される位相が進められた前記トルク指定値と前記錘の変位に基づくフィードバック制御とにより、前記錘駆動装置を駆動するコントローラとを備えていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第一の実施形態)
以下、本発明の図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の第一の実施形態に係るレーザ穴明け加工機の正面図、図2はアクティブマスダンパの平面断面図、図3はアクティブマスダンパの制御ブロック図である。
【0020】
レーザ穴明け加工機2のベッド6は、レベリングボルト5とブロック部材4とを介して床に支持されている。ベッド6の上面には、リニアガイド15aのレール9aが固定されている。Xテーブル7は、リニアガイド15aのスライドユニット8aに固定され、図の左右方向(X方向)に移動自在である。Xテーブル7に保持された図示を省略するボールナットは、ボールネジ10aに螺合している。ボールネジ10aは、モータ11aにより駆動される。
【0021】
モータ11aは、テーブル駆動用コントローラ42から出力される制御信号に基づいてドライバ43により駆動される。
【0022】
なお、Xテーブル7には、図示を省略するYテーブルが紙面に垂直なY方向に移動自在に支持されており、このYテーブル上に基板が載置されている。そして、Xテーブル7とYテーブルをそれぞれ移動させることにより、Yテーブル上の基板を水平方向任意の位置に位置決めすることができる。
【0023】
ベッド6の上面に固定された門型フレーム12には、図示を省略するレーザ源と、このレーザ源から出力されるレーザ光を加工位置まで案内する光学系とが配置されている。
【0024】
図2に示すように、アクティブマスダンパ3の構成要素であるモータスタンド13、軸受けスタンド19a、19bおよびリニアガイド15bのレール9bは、架台20に固定されている。錘18は、リニアガイド15bのスライドユニット8bに支持され、X方向に移動自在である。錘18の内部に固定されたボールナット16は、ボールねじ10bに螺合している。ボールねじ10bは軸受スタンド19aに回転自在に支持され、一方の端部は、カップリング14を介して、モータスタンド13に支持されたモータ11bの出力軸に接続されている。モータ11bに設けられたエンコーダ17は、モータ11bのドライバ41を介してコントローラ40に接続されている。コントローラ40は、モータ11aのドライバ43の信号出力線60に接続されている。
【0025】
図3に示すように、コントローラ40の乗算器44と判断器50の入力側は、信号出力線60に接続されている。そして、判断器50は、予め定める制御期間tc(例えば1ms)毎に、ドライバ43からモータ11aに出力されるトルク指令値信号(モータ駆動電流値またはモータ駆動電圧値である。以下、「トルク指令値」という。)を比較し、現在のトルク指令値と前回の制御期間tcにおけるトルク指令値のいずれもが予め設定された値T0以下の場合は、スイッチ53の端子cを端子bに接続し、その他の場合は端子cを端子aに接続する。
【0026】
加算器52の入力側は、乗算器44の出力側、スイッチ53の端子a、積分器51の出力側および乗算器49の出力側に接続され、出力側はドライバ41の入力側に接続されている。
【0027】
エンコーダ17は、パルスカウンタ45および変換機46を介して乗算器47および微分器48の入力側に接続されている。スイッチ53の端子cは乗算器47の出力側に、端子bは積分器51の入力側に接続されている。微分器48の出力側は乗算器49の入力側に接続されている。
【0028】
次に、この実施形態の動作を説明する。
【0029】
図4は、ドライバ43から出力されたトルク指令値の時刻歴の一例を示す図であり、縦軸はトルク指令値、横軸は時間である。同図に示されているように、Xテーブル7は急激な加速・減速パターンで移動および停止を繰り返し、定速で移動する場合は僅かである。そして、すべてのテーブルが停止している間に、レーザ光を照射して基板に穴明けを行う。
【0030】
次に、アクティブマスダンパ3の動作を説明する。なお、錘18の移動の原点は錘18の移動ストロークの中央である。
【0031】
(1) 時刻t0から時刻t1まで
トルク指令値は0であり、加算器52に入力される信号はいずれも0であるので、モータ11bは停止している。また、判断器50により、スイッチ53は端子cと端子bが接続されている。
【0032】
(2)時刻t1から時刻t2まで
Xテーブル7の加速期間であり、トルク指令値は0からTmまで増加する。ドライバ43から出力されたトルク指令値は乗算器44により係数倍され、積分器51の出力と乗算器49の出力が加算されて、ドライバ41に入力される。ここで、ドライバ41に入力される信号の符号は、モータ11aに出力される電流値の符号によって決まり、錘18の加速方向がXテーブル7の加速方向と逆になるように決定される。
【0033】
この結果、Xテーブル7が移動を開始する際に発生する水平方向の加振力は、錘18が移動されることによって発生する水平方向の加振力に相殺(あるいは、低減)される。したがって、レーザ穴明け加工機2にはロッキング振動が発生せず、床振動は発生しない。
【0034】
このように、この実施形態では、トルク指令値信号により錘をフィードフォワード制御するので、時間遅れなく床振動の発生を防止できる。
【0035】
また、エンコーダ17から出力されたパルス信号をパルスカウンタ45によりカウントして錘18の変位に換算し、得られた変位を乗算器47により係数倍して加算器52に入力(すなわち、錘18の変位をモータ11bの駆動信号にフィードバック)すると共に、微分器48により速度信号に変換し、さらに乗算器49により係数倍して加算器52に入力(すなわち、錘18の速度をモータ11bの駆動信号にフィードバック)するようにしたので、錘18が過大に変位して軸受スタンド19a、19b等に衝突することを予防することができる。
【0036】
ここで、フィードバック制御が強すぎると、錘18の加速度が小さくなり、床振動を低減する効果が低下するので、乗算器47の係数は実験等により、適切な値に定められている。
【0037】
また、トルク指令値がT0を超えてから略制御期間tcが経過すると、判断器50によりスイッチ53の接点cは接点aに接続される。
【0038】
(3)時刻t2から時刻t3まで
Xテーブル7の減速期間であり、トルク指令値はTmから−Tmに反転した後0まで増加する。この場合、錘18の減速方向がXテーブル7の減速方向と逆になり、上記(2)の場合と同様に、Xテーブル7が移動を停止する際に発生する水平方向の加振力を相殺(あるいは低減)する。したがって、レーザ穴明け加工機2にはロッキング振動が発生せず、床振動は発生しない。
【0039】
なお、トルク指令値がT0以下になってから略制御期間tcが経過すると、判断器50によりスイッチ53の接点cは接点bに接続される。
【0040】
(4)時刻t3から時刻t4まで
(a)錘18が原点に復帰している場合
トルク指令値は0であり、また、パルスカウンタ45の出力も0である。したがって、モータ11bは停止する。
【0041】
(b)錘18が原点からずれている場合
トルク指令値は0であるが、パルスカウンタ45からは原点からの距離に相当する信号が出力される。この信号は小さいが、積分器51により積分されることによりモータ11bを駆動し、錘18を原点に戻すことができる。
【0042】
なお、この際、基板の加工が行われているので、錘18はレーザ穴明け加工機2に影響を与えないよう、小さな加速度で移動される。
【0043】
さらに、上記実施形態では連続する制御期間tcにおけるトルク指令値がT0以下の場合、パルスカウンタ45から出力される小さい信号値を積分するようにしたが、信号値を直接利用するようにしてもよい。
【0044】
すなわち、図5に示すように、図3における積分器51に代えて乗算器54を配置し、図3における乗算器47をスイッチ53の端子aと加算器52との間に配置する。そして、乗算器54の係数値を乗算器47の係数値よりも十分に大きくしておく。
【0045】
あるいは、図6に示すように、図3における積分器51を乗算器54に代えると共に、2連のスイッチ61を加算器52とドライバ41との間に配置する。そして、トルク指令値が変化する場合は、判断器50によりA側を有効にして加算器52をドライバ41に接続し、連続する制御期間tcにおけるトルク指令値がT0以下の場合は、B側を有効にして乗算器54をドライバ41に接続してパルスカウンタ45から出力される小さい信号値を直接利用する。
【0046】
そして、いずれの場合も上記の場合と実質的に同一の動作をする。すなわち、Xテーブル7が移動を停止したときに錘18が原点からずれていても、モータ11bを回転させることにより錘18を原点に戻すことができる。なお、錘18の位置ずれを修正する場合は、上記の場合と同様に、錘18はレーザ穴明け加工機2に影響を与えないよう、小さな加速度で移動される。
【0047】
なお、判断器50の判断方法はこの実施形態に限らず、Xテーブル7がほぼ停止していることが確認できればどのような判断方法(例えば、Xテーブル7に加速度センサを設けて、その加速度信号によりモータ11bを駆動させたり、テーブル駆動用コントローラ42から指令されるテーブルの移動開始信号や停止信号等)を用いてもよい。
【0048】
ところで、テーブル駆動用コントローラ42は、任意の目標位置Qに対応する制御信号をドライバ43に出力する際、若干の処理時間Δtaを必要とする。
【0049】
また、ドライバ43は、入力された制御信号に対応するトルク指令値を乗算器44に出力する際、若干の処理時間Δtbを必要とする。
【0050】
また、加算器52は、乗算器44の出力信号(上記トルク指令値の係数倍)に、積分器51の出力と乗算器49の出力を加算(減算)した信号をドライバ41に出力する際、若干の処理時間Δtcを必要とする。
【0051】
さらに、ドライバ41は、加算器52の出力信号に対応する駆動信号をモータ11bに出力する際、若干の処理時間Δtdを必要とする。
【0052】
したがって、モータ11bに駆動信号が出力されるのは、テーブル駆動用コントローラ42が目標位置Qを演算してから時間ΔT(=Δta+Δtb+Δtc+Δtd。以下、時間ΔTを「制御系の遅れ時間」という。)経過後、すなわち、Xテーブル7の加速・減速タイミングよりも制御系の遅れ時間ΔT後に、錘18の加速・減速が行われる。
【0053】
このため、上記第一の実施形態では、Xテーブル7が移動・停止する際に発生する水平方向の加振力を抑制できない場合がある。
【0054】
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。
【0055】
図7は、本発明の第二の実施形態における制御ブロック図であり、図3と同じものまたは同一機能のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0056】
ドライバ43と乗算器44との間には、ハイパスフィルタ100が配置されており、ドライバ43からモータ11aに出力されるトルク指令値60は、ハイパスフィルタ100を介して乗算器44に入力される。また、加算器52には乗算器44の出力側と、乗算器47、49の出力側が接続されている。
【0057】
図8は、ハイパスフィルタ100の特性例を示す図であり、実線はハイパスフィルタ100の入力であるドライバ43からのトルク指令値60を、破線はハイパスフィルタ100の出力値101を、それぞれ示している。
【0058】
同図に示されているように、ハイパスフィルタ100の出力値101はトルク指令値60に対して位相が進む。ここで、制御系の遅れ時間ΔTは装置固有の値であるから、位相差に対応する進み時間Δtが制御系の遅れ時間ΔTに等しくなるような折点周波数のハイパスフィルタ100を選定すると、制御系の遅れ時間ΔTを進み時間Δtにより相殺することができる。すなわち、錘18をXテーブル7の加速・減速方向と逆方向に同一タイミングで加速・減速させることができる。
【0059】
この結果、Xテーブル7が移動を開始あるいは停止する際に発生する水平方向の加振力は、錘18が移動することによって発生する水平方向の加振力に相殺(あるいは、低減)されるので、レーザ穴明け加工機2にはロッキング振動が発生せず、床振動は発生しない。
【0060】
なお、進み時間Δtの値としては、減速時においてトルク指令値が0になるときの値を用いればよい。
【0061】
ところで、以上においては、加速時の最大トルクと減速時の最大トルクは絶対値が同じであるとして説明してきた。しかし、ボールねじ10aとボールナット16との間には摩擦があるので、通常、加速時の最大トルクの絶対値を減速時の最大トルクの絶対値よりも大きくする必要がある。
【0062】
そこで、Xテーブル7が停止している場合のトルク指令値60をボールねじ10aとボールナット16との間に働く摩擦力よりも僅かに小さい値にしておくと(トルク指令値60にオフセットを設けておくと)、起動時におけるXテーブル7の応答速度を速くすることができる。
【0063】
図9は、そのような場合、すなわちトルク指令値60にオフセットを設けた場合の、ハイパスフィルタ100の特性例を示す図である。
【0064】
同図に示されているように、トルク指令値60にオフセットαが設けられている場合も、停止状態における出力値101は0になるので、錘18を概ね原点に戻すことができる。
【0065】
なお、ハイパスフィルタ100に代えてトルク指令値が指令された時から予め設定された時間位相を進める位相進め手段を用いてもよい。また、この場合の位相進み時間は、トルク指令値が指令された時から錘駆動装置に指令が出力されるまでの時間に略等しい時間に設定される。
【0066】
以上説明したように、本発明では、Xテーブル7の移動に合わせて錘18を繰返し移動させても、錘18を常に原点付近から移動させることができるので、錘18の位置調整をする必要がなく、保守が容易である。
【0067】
また、ボールねじ10bに付加する与圧を大きくすることができるので(ボールねじ10bとボールナット間の摩擦力は大きくなる)、両者間の隙間を確実になくすことができ、位置決め精度を向上させることができる。
【0068】
さらに、アクティブマスダンパをコンパクトに構成することができるので、既に稼動中であるアクティブマスダンパを備えていないレーザ穴明け加工機等に対しても、容易に後付で適用することができる。
【0069】
また、Xテーブルの加振力による床振動の低減について説明したが、必要があれば、Yテーブルに対するアクティブマスダンパを設けてもよい。
【0070】
さらに、テーブル駆動用コントローラ42から出力されるXテーブル7の速度制御信号を錘18の制御に用いて、ドライバ41によりモータ11bを速度制御するようにしてもよい。
【0071】
また、アクティブマスダンパを1個設ける場合について説明したが、アクティブマスダンパを2個設け、ベッド6の両側に設置してもよい。両側に設置する場合、ベッド6に対して水平方向の力のみを加えることができるので、1個の場合に比べてさらに有効である。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アクティブマスダンパの錘を制御することにより、テーブル移動により発生するレーザ穴明け加工機のロッキング振動を時間遅れなく確実に抑制できるので、床振動を防止することができる。また、錘を常に原点から移動させるようにしたので、錘の位置調整をする必要がなく、保守が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るレーザ穴明け加工機の正面図である。
【図2】本発明に係るアクティブマスダンパの平面断面図である。
【図3】本発明に係るアクティブマスダンパの制御ブロック図である。
【図4】ドライバ43から出力されたトルク指令値の時刻歴の一例である。
【図5】本発明の変形例を示すアクティブマスダンパの制御ブロック図である。
【図6】本発明の変形例を示すアクティブマスダンパの制御ブロック図である。
【図7】本発明の第二の実施形態に係るアクティブマスダンパの制御ブロック図である。
【図8】ハイパスフィルタの入出力特性の時刻歴の一例である。
【図9】ハイパスフィルタの入出力特性の時刻歴の一例である。
【符号の説明】
11b モータ
1 7 エンコーダ
18 錘
43 ドライバ

Claims (4)

  1. 錘を水平方向に移動自在に支持する支持装置と、前記錘を駆動する錘駆動装置と、前記錘駆動装置を制御するコントローラと、からなり、前記錘の移動方向が加工機の移動部の移動方向と平行になるようにして、前記加工機に配置されるアクティブマスダンパにおいて、
    前記移動部が停止状態に入ったことを判断する判断手段を備え、
    前記コントローラは、前記移動部の駆動部に指令されるトルク指令値によるフィードフォワード制御と前記錘の変位に基づくフィードバック制御とにより、前記錘駆動装置を駆動し、
    前記移動部が停止状態であると前記判断手段により判断された場合、
    前記コントローラは、前記錘の変位の積分値に基づいて前記錘を当該移動ストロークの中心に位置決めすることを特徴とするアクティブマスダンパ。
  2. 記移動部が停止状態であると前記判断手段により判断された場合、前記コントローラは、前記錘の変位に関する制御ゲインを高ゲインに切換えることを特徴とする請求項1記載のアクティブマスダンパ。
  3. 錘を水平方向に移動自在に支持する支持装置と、前記錘を駆動する錘駆動装置と、前記錘駆動装置を制御するコントローラと、からなり、前記錘の移動方向が加工機の移動部の移動方向と平行になるようにして、前記加工機に配置されるアクティブマスダンパにおいて、
    前記加工機の移動部を駆動するモータに対してトルク指令値が指令された時から予め設定された時間位相を進める位相進め手段と、
    前記位相進め手段から出力される位相が進められた前記トルク指定値と前記錘の変位に基づくフィードバック制御とにより、前記錘駆動装置を駆動するコントローラと、
    を備えていることを特徴とするアクティマスダンパ。
  4. 前記予め設定された時間が、前記トルク指令値が指令された時から前記錘駆動装置に指令が出力されるまでの時間に略等しい時間であることを特徴とする請求項3記載のアクティブマスダンパ。
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