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JP4325363B2 - 車両のレーン走行支援装置 - Google Patents
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本発明は、車両のレーン走行支援装置に関し、特に、運転者のステアリングホイール操作に応じて作動すると共に車両の路面走行状態に応じて操舵状態を制御し得る操舵制御手段と、撮像手段によって路面を連続して撮像した画像から走行レーンを検出する走行レーン検出手段を備え、これらによって、走行レーン内を車両が走行するように支援する車両のレーン走行支援装置に係る。
車両のレーン走行支援装置としては、運転者のステアリングホイール操作に応じて作動すると共に車両の路面走行状態に応じて操舵状態を制御し得る操舵制御手段を備え、これを制御して車両が走行レーン内を走行するようにレーンキープアシストが基本であるが、更に、走行支援を越えて、運転者の操作とは無関係に自動的に操舵制御を行ない、車両が走行レーン内の走行を維持し得るように制御する装置も知られている。
例えば、下記の特許文献1には、自ら走行路を探索しながら、その走行路上に最適な目標経路を設定して、車両がその目標経路上を走行するように支援する車両の走行制御を行なわせることを目的とし、以下のように構成された自動走行装置が提案されている。即ち、撮像装置により車両の進行方向の領域を撮像した画像にもとづいて道路エッジを認識することにより自ら走行可能領域を探索しながら、その走行可能領域内に適切な目標経路を設定し、そのときの車両の走行状態にしたがって車両をその目標経路に合流させるための最適な制御目標量を求めて、その制御目標量に応じて車両の走行制御を行なわせる旨記載されている。
あるいは、下記の特許文献2には、例えばプラント、工場等の床面に安全通路を表示するため前記通路両側に標記された白線を誘導帯として使用し、特に狭隘な場所でのコーナリングが容易になし得ることを目的として、安全通路の限界を示すために床面に設けられた白線等をそのまま誘導帯として使用し、走行車の現在の方位とコーナ部の角度とから操舵量を算出してコーナリングを行うように構成された走行車の誘導装置が提案されている。
更に、下記の特許文献3には、運転者がハンドル操作しなくても前方の走行レーン上を外れることなく走行することができる自動車用自動操舵装置が提案されている。この特許文献3には、自動車の右側下方向の進路を撮影する撮影手段と、この撮影手段にて撮影した道路の中から隣接する走行レーンの境界を示すラインを認識する認識手段と、この認識手段にて認識したラインの基準位置からの距離を検出する距離検出手段と、この距離検出手段にて検出した距離に応じた舵角制御信号を発生する舵角制御手段と、この舵角制御手段からの舵角制御信号を受けて車両の進行方向を変化させる舵角駆動手段とを備え、前記舵角制御信号による舵角制御手段の作動にて前記距離検出手段にて検出される距離を所定値に保持せしめるようにする旨記載されている。
特開平2−48704号公報 特開平2−27408号公報 特開昭60−37011号公報
上記の特許文献に記載の装置によれば、何れも画像によって検出した車両等の走行レーンに沿ってコーナリングを行なうことが可能とされている。この場合において、現実的な対応としては、必ずしも運転者の操作と無関係に自動的に操舵することは必要ではなく、例えば運転者によるステアリングホイールの操作に対し、車両が走行レーンの中央を維持するように操舵トルクを付加することによって、ステアリングホイールの操作負荷を軽減し、巡航運転を支援することができる。
このようなレーン走行支援装置においては、カメラで撮像した画像から路面上の走行レーンを適切且つ安定的に検出することが重要となる。通常、路面上には、走行レーン(車線)の境界を識別するレーン境界線をはじめ種々の目的に応じて標示線(レーンマーク)が塗装されており、実線のみならず破線のレーンマークや、白色あるいは黄色というように異なる色彩のレーンマークが混在し、更には、これらが複合されたものも存在する。また、レーンマークは直線に限らず曲線も存在するが、この曲線のレーンマークを特定するために曲率を求めるには遠方までレーンマークを確実に検出する必要が生ずる。従って、レーン走行支援装置に供する撮像手段としては、遠方までレーンマークを高精度で検出し得る前方監視カメラが必要とされる。
ところで、近時の車両には、車両前方あるいは後方の近傍の確認や駐車支援用に前方監視カメラや後方監視カメラが装着されているものがある。しかし、これら既設の前方監視カメラや後方監視カメラは近傍の画像を確保し得るに留まり、遠方の画像は不鮮明となるので、曲線のレーンマークに対し曲率を求めることはできない。従って、直線の検出を基本とせざるを得ず、このようなレーンマークの検出に既設のカメラが転用されることはなく、別途、高性能の前方監視カメラが採用され高価な装置となっていた。
そこで、本発明は、操舵状態を制御し得る操舵制御手段と、撮像した画像から走行レーンを検出する走行レーン検出手段を備え、これらによって、車両が走行レーン内を走行するように支援する車両のレーン走行支援装置において、撮像手段の精度に大きく依存することなく、曲線のレーンマークに対しても適用することができ、車両のレーン走行支援を適切に行ない得るレーン走行支援装置を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明は、運転者のステアリングホイール操作に応じて作動すると共に車両の路面走行状態に応じて操舵状態を制御し得る操舵制御手段と、撮像手段によって路面を連続して撮像した画像から、前記走行レーンを標示するレーンマークを直線として検出する走行レーン検出手段を備え、該走行レーン検出手段が検出した走行レーン内を前記車両が走行するように前記操舵制御手段を制御して、前記車両の前記走行レーン内の走行を支援する車両のレーン走行支援装置において、請求項1に記載のように、前記車両のヨーレイト及び車体速度を含む前記車両の操舵状態及び走行状態を検出する状態検出手段と、前記走行レーン検出手段の検出結果と前記車両の操舵状態及び走行状態に応じて、前記車両の前記走行レーンに対する相対位置を表す相対位置指標を含む状態量を演算する車両状態量演算手段と、該車両状態量演算手段が演算した前記車両の相対位置指標、並びに前記状態検出手段が検出したヨーレイト及び車体速度に基づき、平面座標における前記車両の位置座標を演算し、前記車両の位置座標と前記車両の相対位置指標に基づき前記走行レーン中央の位置座標を演算し、該演算結果を蓄積して前記走行レーン中央の位置座標を円弧と仮定し、該円弧の半径に基づき道路曲率を推定する道路曲率推定手段と、該道路曲率推定手段が推定した道路曲率並びに前記状態検出手段が検出した車両の操舵状態及び走行状態に基づき前記車両に対する目標状態量を設定する目標状態量設定手段とを備え、該目標状態量設定手段が設定した目標状態量と前記車両状態量演算手段が演算した状態量との比較結果に応じて前記車両の前記走行レーン内の走行を支援するように構成したものである。
尚、前記車両状態量演算手段における車両の操舵状態及び走行状態を表す指標としては、例えば操舵角及びヨーレイトがあり、前記目標状態量設定手段における車両の操舵状態及び走行状態を表す指標としては、例えば操舵角及び車体速度がある。そして、前記状態量を表す指標としては、前記走行レーン内における前記車両の横方向位置たるレーン位置、その微分値であるレーン位置変動速度、前記車両のヨー角、及びヨーレイトがある。前記操舵制御手段は、例えば電動パワーステアリングシステムを備えたものとするとよい。
上記車両のレーン走行支援装置において、請求項2に記載のように、前記道路曲率推定手段は、前記走行レーン中央の位置座標の蓄積結果に対し最小自乗法によって曲率計算を行い、前記道路曲率を推定するように構成するとよい。
上記車両のレーン走行支援装置において、前記道路曲率推定手段は、請求項に記載のように、前記道路曲率の変化率を演算し、該変化率に基づき、前記目標状態量設定手段が前記車両に対する目標状態量を設定するように構成することができる。そして、請求項に記載のように、前記目標状態量設定手段が設定した目標状態量と前記車両状態量演算手段が演算した状態量との比較結果に応じて、運転者に対して警報する警報手段及び前記操舵制御手段による操舵制御を修正する修正操舵手段の、少なくとも一方を備えたものとするとよい。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、請求項1及び2に記載のように構成された車両のレーン走行支援装置においては、道路曲率推定手段によって適切に推定された道路曲率等に基づき車両に対する目標状態量が設定されるので、撮像手段の精度に大きく依存することなく、曲線のレーンマークに対しても適用することができ、車両のレーン走行支援を適切に行なうことができる。また、前方監視カメラに限らず後方監視カメラを用いることもでき、更には既設の安価なカメラを用いることもできる。
前記道路曲率推定手段及び目標状態量設定手段は、請求項に記載のように構成すれば、道路曲率の変化率に基づき、道路曲率推定時の遅れを補償しつつ、目標状態量を設定することができるので、走行レーンの変化に対し適切に追従することができる。
そして、請求項に記載のように構成すれば、適宜警報が行われるので、車両のレーン走行支援を適切に行なうことができる。あるいは、操舵制御手段による車両のレーン走行支援を円滑に行なうことができる。
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る車両のレーン走行支援装置の構成を示すもので、車両前方(図1の上方)に、撮像手段として例えばccdカメラで構成された前方監視用のカメラCMfが配置されると共に、車両後方にも後方監視用のカメラCMrが配置されているが、何れか一方のカメラが設けられておればよい。また、本実施形態の操舵制御手段として電動パワーステアリングシステムEPSを備えている。このような電動パワーステアリングシステムEPSは既に市販されており、運転者によるステアリングホイールSWの操作によってステアリングシャフトに作用する操舵トルクを、操舵トルクセンサTSによって検出し、この検出操舵トルクの値に応じてEPSモータ(図1では図示省略)を制御し、減速ギヤ及びラックアンドピニオン(図示せず)を介して車両前方の車輪(図1では全車輪を代表してWHで表す)を操舵し、運転者のステアリング操作力(ハンドル操作力)を軽減するものである。
本実施形態では、図1に示すように、画像処理用の電子制御ユニットECU1及び操舵制御用の電子制御ユニットECU2を備え、両者が通信バスを介して接続されている。電子制御ユニットECU1にはカメラCMf(及びCMr)が接続されており、画像信号が電子制御ユニットECU1に入力されるように構成されている。一方、電子制御ユニットECU2には、入力側に上記の操舵トルクセンサTSのほか、車両前方の車輪WHの操舵角を検出する操舵角センサSS、車体速度を検出する車体速度センサVS、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサYS、及びEPSモータの回転角を検出する回転角センサRS等が接続されると共に、出力側にEPSモータが接続されている。尚、車体速度センサVSに代えて、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度センサ(図示せず)を備えたものとし、検出車輪速度に基づき車体速度を推定することとしてもよい。
図2は本発明のシステム構成を示すもので、画像処理システム(図2の上方)及び操舵制御システム(図2の下方)が通信バスを介して接続されている。本実施形態の画像処理システムは、画像処理用のCPU、フレームメモリ等を備えた電子制御ユニットECU1に、前方監視カメラCMf及び後方方監視カメラCMr、ヨーレイトセンサYS、操舵角センサSS及び車体速度センサVSが接続されている。また、本実施形態の操舵制御システムは、電動パワーステアリング制御用のCPU、ROM及びRAMを備えた電子制御ユニットECU2に、操舵トルクセンサTS及び回転角センサRSが接続されると共に、モータ駆動回路AC2を介してEPSモータMTが接続されている。更に、本実施形態では、警報用の電子制御ユニットECU3(図1では図示省略)を介して、警報表示や音声警報を出力する警報装置WAが接続されている。
これらの電子制御ユニットECU1乃至ECU3は夫々、通信用のCPU、ROM及びRAMを備えた通信ユニットを介して通信バスに接続されており、各制御システムに必要な情報を他の制御システムから送信することができる。更に、図示は省略するが、この通信バスに、アクティブステアリングシステム、ブレーキ制御システム、スロットル制御システム等を接続し、各システム間で互いのシステム情報を共有することができるように構成することとしてもよい。尚、図1に示すように、電子制御ユニットECU1(又はECU2)には操作スイッチOSが接続されており、走行支援制御は運転者による操作スイッチOSの操作によって開始されるように構成されている。
上記のように構成されたレーン走行支援装置において、レーン走行支援(レーンキープアシスト)制御部は、図3の制御ブロック図に示すように構成されており、カメラCMf(又はCMr)によって撮像された画像情報が図2の電子制御ユニットECU1にて画像処理されて走行レーンが検出される。この電子制御ユニットECU1には、レーン検出手段たるレーン認識演算部M1が構成されており、ここで、走行レーン内における車両の横方向位置y(レーン位置)及び走行レーンに対するヨー角ψが演算される。尚、画像処理による走行レーンの検出については前掲の特許文献1に記載された方法のほか、公知の何れの方法でもよい。
上記のレーン認識演算部M1による演算結果とヨーレイトセンサYS及び操舵角センサSSの検出信号に基づき、車両状態量演算手段たる状態量演算部M2にて、レーン位置y、レーン横方向移動速度dy(走行レーン内における車両の横方向移動速度でレーン位置yの時間微分値)、ヨー角ψ、及びヨーレイトγをファクターとする現在の車両の状態量Xが推定演算される。即ち、車両の状態量をX、状態量出力をY、道路モデルの入力をUとすると、X=[y,dy,ψ,γ]T、Y=[y,dy,ψ,γ]T、U=[δf,ρ]Tと表すことができる。尚、δfは操舵角センサSSで検出される操舵角で、ρは走行路の道路曲率の逆数で、例えば前述のカメラ画像から推定演算される。そして、状態量推定値をXeとし、オブザーバゲインをLとすると、以下の状態方程式が成り立ち、状態量出力YはY=C・Xeとなる。
dXe/dt=A・Xe+B・U+Rl・L・(X−Xe)
尚、上記の状態方程式におけるモデル定数A、B及びCは以下に示すとおりである。
A=[a11 a12 a13 a14 ; a21 a22 a23 a24 ; a31 a32 a33 a34 ; a41 a42 a43 a44]
B=[b11 b12 ; b21 b22 ; b31 b32 ; b41 b42]
C=[1000 ; 0100 ; 0010 ; 0001]
一方、ヨーレイトセンサYSで検出されたヨーレイトγ、及びレーン認識演算部M1で演算されたヨー角ψに基づき、道路曲率推定演算部M4にて道路曲率(の逆数の)推定値ρが演算される。このρは道路の曲率Rの逆数の推定値であるので、道路曲率の逆数の推定値ρということになるが、以下においては括弧内の語(の逆数の)を省略する。この道路曲率推定演算部M4においては、ρ=(γ−dψ/dt)/Vxという道路曲率推定アルゴリズムに基づいて、道路曲率推定値ρが演算される。ここで、dψ/dtはヨー角ψの微分値、Vxは車体速度(車速)である。
上記の道路曲率推定値ρにはノイズが乗るので、ローパスフィルタ処理が行われ、補償値ρcがρc=(1+s)・ρとして演算される。ここで、sはラプラス微分演算子を示す。即ち、道路曲率推定値ρの変化率として上記の補償値ρcが求められ、この補償値ρcに基づき、目標状態量演算部M3にて以下のように目標状態量が演算される。
即ち、操舵角センサSSで検出された操舵角δf、及び車体速度センサVSで検出された車体速度(車速)Vx等に加え、道路曲率推定演算部M4にて演算された補償値ρcに基づき、目標状態量演算部M3にて以下の4ファクターから成る目標状態量が演算される。先ず、走行レーン内における車両の横方向位置(レーン位置)に対する目標レーン位置ytが、走行レーンの中心(レーン境界線間の中心)を起点として、yt=0に設定される。そして、目標レーン横方向移動速度dytに関し、車両が横振れすることなく走行レーンの中心に沿って移動するように、dyt=0に設定される。
また、目標ヨー角ψtがψt=Li・ρcに設定される。尚、このLiは道路曲率推定値に対する補償値ρcから目標ヨー角への変換定数であり、画像によるヨー角検出距離(例えば画像上の距離の1/2相当の距離)である。そして、車体速度(車速)Vxと補償値ρcに基づき、目標ヨーレイトγtがγt=Vx・ρcとして設定される。ここで、定数Liとして、画像上の距離の1/2相当の距離を設定する状況を図4を参照して説明する。
図4はカメラ画像の一例を示すもので、曲線状の左右のレーンマークLNが表れているが遠方の画像(破線部)が不鮮明な状態を示している。このようなレーンマークLNに対し画像処理によって直線(図4に太い実線で表す)の当てはめを行うと、遠方の画像に対する誤差が大となることが予想される。従って、レーンマークLNに当てはめた直線に対し、画像上の上下方向の距離の1/2相当の距離がLiとして設定される。つまり、距離Liに位置するレーン間隔の中央の点Pが制御目標となるように設定される。
而して、目標状態量演算部M3の演算結果(目標状態量)と、状態推定演算部M2の演算結果(現在の状態量)との差が演算され、この差に基づき、フィードバック制御演算部M4にてトルク指令値が演算される。即ち、フィードバック制御演算部M4においては、上記の目標状態量を表す4ファクターの目標値(tを付加)と推定値(eを付加)における各々の差にゲインK1乃至K4によって重み付けがされ、これらの総和が下記のように目標回転角(目標ステアリング角)δswtとして設定される。
δswt = K1・(yt−ye)+K2・(dyt−dye)+K3・(ψt−ψe)+K4・(γt−γe)
そして、上記の目標回転角(目標ステアリング角)δswtと、回転角センサRSで検出される実回転角(実ステアリング角)δswとの差に応じて、付加ステアリングトルク指令値TaddがTadd=K0・(δswt−sw)として演算される。この付加ステアリングトルク指令値Taddは操舵制御用の電子制御ユニットECU2(図2)に送信され、電動パワーステアリング制御部M6(図3)にて、上記トルク指令値Taddが通常のパワーステアリング制御量に加算されて、電動パワーステアリングシステムEPSが制御され、本発明にいう修正操舵が行われる。更に、必要に応じ、上記トルク指令値Taddが警報出力部M7に供給され、トルク指令値Taddの大きさ、換言すれば走行レーンの中心からの車両の位置に応じて、走行レーンからの逸脱のおそれを表す警報が出力され、運転者への注意喚起が行われる。尚、トルク指令値Taddを用いることなく、走行レーン内における車両の横方向位置の推定結果(状態量演算部M2の演算結果)に応じて警報を行うこととしてもよい。
更に、本発明の他の実施形態として、状態量演算部M2において車両の走行レーンに対する相対位置を表す相対位置指標を含む状態量を演算し、この相対位置指標及びヨーレイトに基づいて道路曲率推定演算部M4にて道路曲率を推定する態様があり、図5を参照して以下に説明する。図5は絶対座標上の走行レーン中央軌跡(実線)と車両VHの走行軌跡(破線)を示すもので、レーン中央の位置座標を(xlc, ylc)で表し、車両の位置座標を(xv, yv)で表す。図中、Caは走行レーン中央軌跡の円弧中心を示す。
本実施形態における道路曲率推定アルゴリズムは以下のようになる。即ち、前述のように画像上で求めた車両のレーン位置yに基づき、図5に示す平面レーン座標(絶対座標)を生成し、検出ヨーレイトγ及び車体速度Vxに基づき車両の位置座標を演算すると共に、この演算結果とレーン位置yに基づきレーン中央の位置座標を演算し、これを蓄積して最小自乗法によって曲率計算を行うものである。具体的には、先ず、制御周期毎に、検出ヨーレイトγ及び車体速度Vxに基づき車両の位置座標(xv, yv)を以下のように求める。尚、下記の式でのヨー角ψはヨーレイトγに基づきψ=∫γdtとして求める。
xv =∫∫Vx・cosψdt dt=ΣVx・Δt・cosψ
yv =∫∫Vx・sinψdt dt=ΣVx・Δt・sinψ
次に、レーン位置yの取得毎に、車両の位置座標からオフセットしたレーン中央の位置座標を求める。基本的には、車両進行方向に垂直で、ヨー角ψが0となるように演算し、誤差が大きければ実測ヨー角で補正する。即ち、レーン中央の位置座標(xlc, ylc)は、レーン位置yの計測時点で車両の位置座標(xv, yv)に対して垂直方向のオフセット分(計測時点のレーン位置をycとする)を加算し、以下のように求めることができる。
xlc =xv +(-yc)・cos(ψ+90deg)
ylc =yv +(-yc)・sin(ψ+90deg)
而して、上記のレーン中央の位置座標(xlc, ylc)の過去の蓄積分から一部を取り出し、走行レーン中央軌跡を円弧と仮定して最小自乗法によって円のパラメータを求めれば、その半径が道路径となる。
本発明の車両のレーン走行支援制御装置の一実施形態を示す構成図である。 本発明の一実施形態における制御態様を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における操舵制御手段及び警報手段を含むレーン走行支援制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態において、道路曲率推定値の補償値から目標ヨー角への変換定数を求める状況を説明するカメラ画像の一例を示す正面図である。 本発明の他の実施形態における道路曲率推定アルゴリズムを説明するための座標を示す平面図である。
符号の説明
SW ステアリングホイール
WH 車輪
EPS 電動パワーステアリングシステム
CMf 前方監視カメラ
CMr 後方監視カメラ
TS 操舵トルクセンサ
SS 車輪舵角センサ
RS 回転角センサ
YS ヨーレイトセンサ
VS 車体速度センサ
OS 操作スイッチ

Claims (4)

  1. 運転者のステアリングホイール操作に応じて作動すると共に車両の路面走行状態に応じて操舵状態を制御し得る操舵制御手段と、撮像手段によって路面を連続して撮像した画像から、前記走行レーンを標示するレーンマークを直線として検出する走行レーン検出手段を備え、該走行レーン検出手段が検出した走行レーン内を前記車両が走行するように前記操舵制御手段を制御して、前記車両の前記走行レーン内の走行を支援する車両のレーン走行支援装置において、前記車両のヨーレイト及び車体速度を含む前記車両の操舵状態及び走行状態を検出する状態検出手段と、前記走行レーン検出手段の検出結果と前記車両の操舵状態及び走行状態に応じて、前記車両の前記走行レーンに対する相対位置を表す相対位置指標を含む状態量を演算する車両状態量演算手段と、該車両状態量演算手段が演算した前記車両の相対位置指標、並びに前記状態検出手段が検出したヨーレイト及び車体速度に基づき、平面座標における前記車両の位置座標を演算し、前記車両の位置座標と前記車両の相対位置指標に基づき前記走行レーン中央の位置座標を演算し、該演算結果を蓄積して前記走行レーン中央の位置座標を円弧と仮定し、該円弧の半径に基づき道路曲率を推定する道路曲率推定手段と、該道路曲率推定手段が推定した道路曲率並びに前記状態検出手段が検出した車両の操舵状態及び走行状態に基づき前記車両に対する目標状態量を設定する目標状態量設定手段とを備え、該目標状態量設定手段が設定した目標状態量と前記車両状態量演算手段が演算した状態量との比較結果に応じて前記車両の前記走行レーン内の走行を支援することを特徴とする車両のレーン走行支援装置。
  2. 前記道路曲率推定手段は、前記走行レーン中央の位置座標の蓄積結果に対し最小自乗法によって曲率計算を行い、前記道路曲率を推定するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両のレーン走行支援装置。
  3. 前記道路曲率推定手段は、前記道路曲率の変化率を演算し、該変化率に基づき、前記目標状態量設定手段が前記車両に対する目標状態量を設定するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の車両のレーン走行支援装置。
  4. 前記目標状態量設定手段が設定した目標状態量と前記車両状態量演算手段が演算した状態量との比較結果に応じて、運転者に対して警報する警報手段及び前記操舵制御手段による操舵制御を修正する修正操舵手段の、少なくとも一方を備えたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の車両のレーン走行支援装置。
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