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JP4328331B2 - コア金型、キャビティ金型、および木材加工装置 - Google Patents
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JP4328331B2 - コア金型、キャビティ金型、および木材加工装置 - Google Patents

コア金型、キャビティ金型、および木材加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、木材を圧縮成形する際に使用するコア金型、キャビティ金型、および木材加工装置に関する。
近年、自然素材である木材が注目されている。木材はさまざまな木目を有するため、原木から形取る箇所に応じて個体差が生じ、その個体差が製品ごとの個性となる。また、長期の使用によって生じる傷や色合いの変化自体も、独特の風合いとなって使用者に親しみを生じさせることがある。これらの理由により、合成樹脂や軽金属を用いた製品にはない、個性的で味わい深い製品を生み出すことのできる素材として木材が注目されており、その加工技術も飛躍的に進歩しつつある。
従来、かかる木材の加工技術として、吸水軟化した一枚の木材を圧縮し、その木材を圧縮方向と略平行にスライスして板状の一次固定品を得た後、この一次固定品を加熱吸水させながら所定の3次元形状に成形する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、軟化処理した状態で圧縮した一枚の木材を仮固定し、この木材を型に入れて回復させることによって型成形する技術も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特許第3078452号公報 特開平11−77619号公報
しかしながら、上述した従来の木材加工技術では、木材表面が所望の木目をなすように木目優先の形取りを行うと、その形状が型枠の形状から大きく逸脱してしまう場合があった。このような場合には、形取った木材の形状を大きく変形させなければならず、圧縮の際に木材に割れを生じやすかった。すなわち、圧縮による木材の形状変化が大きい場合には、その木材に割れを生じさせることなく成形することが困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、木材の圧縮前後における形状変化が大きい場合であっても、その木材に割れを生じさせずに成形することが可能なコア金型、キャビティ金型、および木材加工装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1記載の発明は、木材を加工する際に前記木材の表面に当接して圧縮力を加えるコア金型であって、柱状をなすコア本体部と、前記柱状をなすコア本体部の側面から突出し、前記木材を加工する際に前記木材の端面の少なくとも一部に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える複数の端面押圧部と、前記コア本体部の表面であって前記複数の端面押圧部が突出する前記コア本体部の側面と直交する表面のいずれか一方から突出した形状をなし、前記木材を加工する際に前記木材の表面に当接して圧縮力を加える第1表面押圧部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コア本体部の前記第1表面押圧部が突出している側の表面上にあって当該表面の外周と前記第1表面押圧部との間の領域に一様な幅を有する閉じた帯状をなして形成され、前記木材を加工する際に前記木材に対して前記端面押圧部が当接することにより形成される端面とは異なる端面を形成する端面形成部をさらに備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、帯状をなす前記端面形成部の幅は、圧縮によって形成された端面の肉厚の50%以上であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項記載の発明において、前記端面押圧部の表面に被膜状の潤滑手段を設けたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項記載の発明において、前記端面形成部の表面に被膜状の潤滑手段を設けたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、木材を加工する際に前記木材の表面に当接して圧縮力を加えるキャビティ金型であって、柱状をなすキャビティ本体部と、前記柱状をなすキャビティ本体部の高さ方向と直交する表面のいずれか一方に開口端を有し、前記高さ方向と直交する開口断面の断面積が当該高さ方向に沿って前記開口端から徐々に小さくなるすり鉢状の開口をなすとともに、このすり鉢状の開口の斜面に複数の切り欠きが形成されたガイド部と、前記ガイド部の前記断面積が最も小さい底面から前記開口端とは反対の方向に陥入した形状をなし、前記木材を加工する際に前記木材の表面に当接して圧縮力を加える第2表面押圧部と、を備えたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記ガイド部の表面に被膜状の潤滑手段を設けたことを特徴とする。
請求項8記載の発明に係る木材加工装置は、請求項1〜5のいずれか一項記載のコア金型と、請求項6または7記載のキャビティ金型と、を備え、前記コア金型が前記キャビティ金型に対して近づいていくとき、前記複数の端面押圧部の各々は、前記ガイド部に形成された前記複数の切り欠きのいずれかに嵌入されることを特徴とする。
本発明によれば、柱状をなすコア本体部の側面から突出し、木材の端面の少なくとも一部に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える複数の端面押圧部と、前記コア本体部の表面であって前記複数の端面押圧部が突出する前記コア本体部の側面と直交する表面のいずれか一方から突出した形状をなし、前記木材を加工する際に前記木材の表面に当接して圧縮力を加える第1表面押圧部と、を備えたコア金型、および柱状をなすキャビティ本体部の高さ方向と直交する表面のいずれか一方に開口端を有し、前記高さ方向と直交する開口断面の断面積が当該高さ方向に沿って前記開口端から徐々に小さくなるすり鉢状の開口をなすとともに、このすり鉢状の開口の斜面に複数の切り欠きが形成されたガイド部と、前記ガイド部の前記断面積が最も小さい底面から前記開口端とは反対の方向に陥入した形状をなし、前記木材の表面に当接して圧縮力を加える第2表面押圧部と、を備えたキャビティ金型を用いて木材加工装置を構成することにより、木材の圧縮前後における形状変化が大きい場合であっても、その木材に割れを生じさせることなく成形することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る木材加工装置の要部の構成を示す図である。同図に示す木材加工装置1は、加工対象の木材の上方からその木材に対して圧縮力を加えるコア金型2と、加工対象の木材の下方からその木材に対して圧縮力を加えるキャビティ金型3とを備える。
コア金型2は、略直方体形状(柱状)をなすコア本体部21と、コア本体部21の側面から直方体状をなして突出し、木材を加工する際にその木材の端面の少なくとも一部に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える複数の端面押圧部22(図1では6個)と、複数の端面押圧部22が突出するコア本体部21の側面と直交する一方の表面から突出した形状をなし、木材を加工する際にその木材の表面に当接して圧縮力を加える凸部23(第1表面押圧部)と、を備える。
キャビティ金型3は、柱状である直方体形状をなすキャビティ本体部31と、キャビティ本体部31の高さ方向と直交する表面のいずれか一方(図1の上面)に開口端を有し、その表面に平行な開口断面が高さ方向(図1の底面方向)に徐々に小さくなっていくすり鉢状の開口をなし、このすり鉢状の開口の斜面に複数の切り欠き33(図1では6個)が形成されたガイド部32と、ガイド部32の底面から開口端とは反対の方向(図1の鉛直下向き)に陥入した形状をなし、木材の表面に当接して圧縮力を加える凹部34(第2表面押圧部)と、を備える。
コア金型2には図示しないプレス機が接続されており、キャビティ金型3に対して上下動可能である。なお、コア金型2をキャビティ金型3に対して相対的に上下動させる際には、しかるべき駆動手段を用いてコア金型2および3の少なくともいずれか一方を電気的に駆動させるようにしてもよいし、コア金型2とキャビティ金型3とをねじで連結し、このねじを手動または自動で締めることによってコア金型2をキャビティ金型3に対して相対的に上下動させるようにしてもよい。
図2は、以上の構成を有する木材加工装置1を用いて圧縮成形する加工対象の木材の構成を示す斜視図である。また、図3は図2のC−C線断面図であり、図2と上下を逆転させて見た図である。これらの図に示す木材11は略椀状をなし、原木である無圧縮状態の無垢材から切削等によって形取られ、肉厚はほぼ均一である。二つの表面は円弧状の断面形状を有する板目面をなしている。以後の説明においては、弧の長さが長い方の表面(図2の上面側)を外側面11a、弧の長さが短い方の表面を内側面11bと称する。また、木材11の外側面11aと内側面11bとの境界に位置し、周回して閉じた帯状をなす面を端面11cと称する。木材11は、木材加工装置1を用いて圧縮することによって減少する分の容積を予め加えた容積を有する。なお、図2のD−D線断面は、寸法が異なる点を除いて、図3に示すC−C線断面と略同形をなす。
図4は、以上の構成を有する木材11を形取る時の形取位置を模式的に示す図であり、より具体的には、図4に示す断面部分の無垢材からの形取位置を模式的に示す断面図である。木材11の表面が図2に示すような板目面をなすためには、図4に示すように木目Gの曲率よりも木材11の側面の曲率の方が概ね大きくなるように形取る。この無垢材10として、ヒノキ、ヒバ、スギ、桐、松、桜、欅、黒檀、竹、チーク、マホガニー、またはローズウッドなどを用いることができる。
なお、木材11は板目材以外でもよく、例えば柾目材、追柾材、木口材などでもよい。すなわち、加工対象の木材を無垢材10からどのように形取るかは、その木材を用いて加工された結果物としての圧縮木製品の用途や、その圧縮木製品に要求される強度または美観などの各種条件を考慮して決定すればよい。
次に、上記の如く形取った木材11を木材加工装置1によって圧縮する圧縮工程について説明する。木材11を圧縮するに際し、木材11を大気よりも高温高圧の水蒸気雰囲気中に所定時間放置することにより、水分を過剰に吸収させて軟化させる。ここでいう高温高圧とは、温度が100〜230℃、より好ましくは150〜230℃、さらに好ましくは180〜200℃程度であり、圧力が0.1〜3.0MPa(メガパスカル)、より好ましくは0.45〜2.5MPa、さらに好ましくは1.0〜1.6MPa程度の状態を指す。このような水蒸気雰囲気は、例えば圧力容器の内部で実現される。なお、上述した水蒸気雰囲気中で木材11を放置して軟化させる代わりに、例えば木材11をマイクロウェーブの如き高周波の電磁波によって加熱して軟化させてもよい。
木材11を軟化させた後、上記同様の水蒸気雰囲気中で木材11を圧縮する。まず、ガイド部32の上端開口面からコア金型2を下降させていく。上述したように、ガイド部32はすり鉢状をなしており、このすり鉢状をなすガイド部32の斜面には、コア金型2の端面押圧部22に対応する切り欠き33が形成されている。したがって、コア金型2がキャビティ金型3に対して近づいて下降していくにつれて、コア金型2の端面押圧部22は対応する位置に形成された切り欠き33に嵌入されていく。
図5Aは、木材11をキャビティ金型3の所定位置に配置し、この配置した木材11の上方からコア金型2を下降させてきたとき、木材11の端面11cの一部がコア金型2の端面押圧部22の底面22aに接触し始めた状態を示す図であり、木材加工装置1に関しては図1のA−A線断面に相当する断面図である。また、図6Aは、図5Aと同じ状態を示す図であり、図2(図1のB−B線断面)に相当する断面図である。図5Aおよび図6Aに示す状態において、木材11は、端面11cの外縁がガイド部32の斜面に当接して静止している。
以下の説明においては、図5Aおよび図6Aにそれぞれ示す二つの断面の状態変化を図示しながら木材11の圧縮工程について説明する。すなわち、以下の説明において参照する図5Bおよび図5Cは図5Aと同じ切断面で見た断面図であり、図6Bおよび図6Cは図6Aと同じ切断面で見た断面図である。また、図5Bおよび図6Bは同じ状態を互いに異なる断面で見た図であり、図5Cおよび図6Cも同じ状態を互いに異なる断面で見た図である。
図5Aおよび図6Aに示す状態からコア金型2を徐々に下降させていくと、木材11も徐々に下降しながら湾曲していく。この際、端面11cは、端面押圧部22の底面22aとの接触面積を増やしながら底面22aに沿ってコア本体部21の方向に摺動する。また、木材11の下降に伴い、外側面11aはその端部付近でガイド部32の斜面との接触面積を増加しながらガイド部32の斜面に沿って摺動する。端面11cのうち底面22aが当接している部分には、端面11cの肉厚方向と略直交する方向に圧縮力が加わるため、この圧縮力によって木材11も徐々に変形していく。
図5Bおよび図6Bは、コア金型2が下降している途中の状態を示す図である。これらの図においては、上記の如くコア金型2と木材11とが下降していき、木材11の外側面11aの中心部付近がキャビティ金型3の凹部34に当接した後の状態を示している。このように、木材11がキャビティ金型3の凹部34に対して外側面11aの中心部付近から当接することにより、割れ等の原因となる大きな引張力が木材11に作用するのを防止することができる。
なお、端面押圧部22の底面22aやガイド部32の斜面にテフロン(登録商標)、油性の潤滑材、またはモリブデンを含む潤滑シール材等から成る被膜状の潤滑手段を設けてもよい。このような潤滑手段を設けておくことによって木材11をより円滑に摺動させることができ、木材11が下降する際に割れを生じることを一段と確実に防止することができる。
この後、コア金型2がさらに下降していくと、木材11で圧縮力が作用する領域が徐々に広がっていき、外側面11aとキャビティ金型3との間の隙間、および内側面11bとコア金型2との間の隙間が徐々に減少していくとともに、木材11の肉厚が圧縮力の作用によって徐々に薄くなっていく。
図5Cおよび図6Cは、コア金型2の下降が終了し、木材11の変形がほぼ完了した状態を示す図である。これらの図に示す状態においては、端面押圧部22の底面22aと端面11cとが対向して隙間なく接している一方、凸部23と内側面11b、および凹部34と外側面11aも隙間なく接している。かかる状態を所定時間(1〜数十分、より好ましくは5〜10分程度)だけ継続させることにより、木材11のうち、少なくとも端面押圧部22と凹部34との間で挟持された部分(図5Cを参照)については、所定の形状に変形することができる。
これに対して、図6Cに示す端面11cは、端面押圧部22によって押圧されていないため、端面押圧部22によって押圧された箇所から逃げてくる木材成分の影響によって図5Cと同じ形状をなすとは限らない(図6Cにおいては、端面11cが図5Cに示す端面11cよりも若干上方に位置する場合を示している)。このような場合には、圧縮後に切削等の適当な端面処理を施すことにより、端面11cの凹凸を均せばよい。
この後、上記水蒸気雰囲気を解いて木材11を乾燥させ、コア金型2とキャビティ金型3を離間させて圧縮を解除する。この結果、圧縮工程後の木材11の肉厚はほぼ均一となり、圧縮工程を行う前の木材11の肉厚の30〜50%程度となる。
ところで、図5Cおよび図6Cでは、コア金型2とキャビティ金型3との間に隙間が生じているが、これはコア金型2を下降する際のストロークを調整することによって木材11の圧縮後の肉厚を調整可能とするために確保された「遊び」の分を示している。したがって、木材11の肉厚を図示した場合よりも薄くしたければ、コア金型2をさらに下降させればよい。
以上説明した圧縮工程においては、端面押圧部22が端面11cを押圧することによって木材11が肉厚方向と直交する方向に伸張するのを規制するため、木材11の圧縮前後の形状変化が大きい場合であっても、木材11に引張力が作用することがなく、圧縮力のみによって木材11を変形させることができる。したがって、圧縮工程によって木材11に割れ等が生じるのを防ぐことが可能となる。
図7は、木材加工装置1を用いて形成された圧縮木製品の構成を模式的に示す斜視図である。また、図8は図7のE−E線断面図であり、図7と上下を逆転させて見た図である。これら二つの図に示す圧縮木製品12は皿状をなし、略長方形状の表面をなす主板部12aと、この主板部12a表面の長手方向に略平行な2辺の各々から当該主板部12aに対して所定の角度をなして延出する二つの側板部12bと、主板部12a表面の短手方向に略平行な2辺の各々からその主板部12aに対して所定の角度をなして延出する二つの側板部12cとを備える。主板部12aの表面は、木材11の外側面11aや内側面11bと同じ板目面(図2を参照)をなす。なお、図7のF−F線断面は、寸法が異なる点を除いて、図8に示す図7のE−E線断面と略同形である。
本実施の形態1においては、圧縮前の木材11の形状と圧縮後の圧縮木製品12の形状とは相似ではなく、圧縮前後の形状変化が大きい。このような圧縮成形を行う際に木材11の割れを防止するためには、木材成分の一部が開放された空間に逃げていくことができる自由度を残しておくことも重要である。例えば、側板部12bと側板部12cの境界のように、圧縮によって異なる方向から木材成分が集まってくるような箇所には、端面押圧部22による圧縮力が加わらない方がよく、そのような箇所に対して端面押圧部22が当接しないようにコア金型2を設計した方が、木材11の割れ防止の観点から見てもより好ましい。このように、コア金型2が有する端面押圧部22の個数、大きさ、形状、設置位置等は、加工対象の木材の最終形状に応じて定めればよい。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、柱状をなすコア本体部の側面から突出し、木材の端面の少なくとも一部に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える複数の端面押圧部と、前記コア本体部の表面であって前記複数の端面押圧部が突出する前記コア本体部の側面と直交する表面のいずれか一方から突出した形状をなし、前記木材の表面に当接して圧縮力を加える凸部(第1表面押圧部)と、を備えたコア金型、および柱状をなすキャビティ本体部の高さ方向と直交する表面のいずれか一方に開口端を有し、前記高さ方向と直交する開口断面の断面積が当該高さ方向に沿って前記開口端から徐々に小さくなるすり鉢状の開口をなすとともに、このすり鉢状の開口の斜面に複数の切り欠きが形成されたガイド部と、前記ガイド部の前記断面積が最も小さい底面から前記開口端とは反対の方向に陥入した形状をなし、前記木材の表面に当接して圧縮力を加える凹部(第2表面押圧部)と、を備えたキャビティ金型を用いて木材加工装置を構成することにより、木材の圧縮前後における形状変化が大きい場合であっても、その木材に割れを生じさせることなく成形することが可能となる。
また、本実施の形態1によれば、コア金型における端面押圧部やキャビティ金型におけるガイド部が簡易な構成を有しており、それらをコア本体部やキャビティ本体部とそれぞれ同じ材料によって形成するため、各金型の耐久性を向上させるとともに製造コストを低減することが可能となる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係るコア金型の構成を示す斜視図である。同図に示すコア金型4は、略直方体形状(柱状)をなすコア本体部41と、コア本体部41の側面から直方体状をなして突出し、木材を加工する際にその木材の端面の少なくとも一部に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える複数の端面押圧部42(図9では6個)と、複数の端面押圧部42が突出するコア本体部41の側面と直交する一方の表面から突出した形状をなし、木材を加工する際にその木材の表面に当接して圧縮力を加える凸部43(第1表面押圧部)と、コア本体部41の凸部43が突出している側の表面上にあって、当該表面の外周と凸部43との間の領域に一様な幅を有する閉じた帯状をなして形成され、木材を加工する際に木材に対し端面押圧部42が当接することにより形成される端面とは異なる端面を形成する端面形成部44と、を備える。
本実施の形態2に係る木材加工装置は、コア金型4と、上記実施の形態1と同じキャビティ金型3(キャビティ本体部31、ガイド部32、切り欠き33、および第2表面押圧部である凹部34を有する)とを備える。本実施の形態2においても、すり鉢状をなすガイド部32の斜面に形成された切り欠き33には、コア金型4がキャビティ金型3に対して近づいて下降していくにつれて、コア金型4の端面押圧部42は対応する位置に形成された切り欠き33に嵌入されていく。
以下の説明においては、上記実施の形態1と同じ木材11(図2および図3を参照)を圧縮成形する場合について説明する。なお、木材11は、上記実施の形態1と同様に無垢材10から形取られ、圧縮工程に先立って、上述した高温高圧の水蒸気雰囲気中で所定時間放置され、過剰に水分を吸収して軟化しているものとする。
図10Aは、木材11をキャビティ金型3の所定位置に配置して上方からコア金型4を下降させてきたとき、木材11の端面11cの一部がコア金型4の端面押圧部42の底面42aに接触し始めた状態を示す図であり、コア金型4に関しては図9のG−G線断面に相当する断面図である。また、図11Aは、図10Aと同じ状態を、図9のH−H線断面に相当する断面で示した図である。図10Aおよび図11Aに示す状態において、木材11は、その端面11cの外縁部がガイド部32の斜面に当接して静止している。
本実施の形態2においても、図10Aおよび図11Aにそれぞれ示す二つの断面の状態変化を図示しながら木材11の圧縮工程について説明する。すなわち、以下で参照する図10Bおよび図10Cは図10Aと同じ切断面で見た断面図であり、図11Bおよび図11Cは図11Aと同じ切断面で見た断面図である。また、図10Bおよび図11Bは同じ状態を互いに異なる断面で見た図であり、図10Cおよび図11Cも同じ状態を互いに異なる断面で見た図である。
図10Aおよび図11Aに示す状態からコア金型4を徐々に下降させていくと、木材11も徐々に下降しながら湾曲していく。この際、端面11cは、端面押圧部42の底面42aとの接触面積を増やしながら底面42aに沿ってコア本体部41の方向に摺動する。また、木材11の下降に伴い、外側面11aはその端部付近でガイド部32の斜面との接触面積を増加しながらガイド部32の斜面に沿って摺動する。端面11cのうち底面42aが当接している部分には、端面11cの肉厚方向と略直交する方向に圧縮力が加わるため、この圧縮力によって木材11も徐々に変形していく。なお、この段階では、木材11はまだ端面形成部44に接触していない。
図10Bおよび図11Bは、コア金型4が下降している途中の状態を示す図である。これらの図においては、上記の如くコア金型4と木材11とが下降していき、木材11の外側面11aの中心部付近がキャビティ金型3の凹部34に当接した後の状態を示している。本実施の形態2においても、木材11がキャビティ金型3の凹部34に対して外側面11aの中心部付近から当接することにより、割れ等の原因となる大きな引張力が木材11に作用するのを防止することができる。
なお、端面押圧部42の底面42aやガイド部32の斜面に対し、上記実施の形態1と同様に被膜状の潤滑手段を設けてもよい。これにより、木材11をより円滑に摺動させることができ、木材11が下降する際に割れを生じることを一段と確実に防止することができる。
この後、コア金型4がさらに下降していくと、木材11の表面で圧縮力が作用する領域が徐々に広がっていき、外側面11aとキャビティ金型3との間の隙間、および内側面11bとコア金型4との間の隙間が徐々に減少していくとともに、木材11の肉厚が圧縮力の作用によって徐々に薄くなっていく。さらに、本実施の形態2においては、木材11が下降していく途中で端面11c付近の内側面11bが端面形成部44に接触し始め、この端面形成部44がその縁端部から木材11の内側面11bに対して徐々に食い込んでいく。
図10Cおよび図11Cは、コア金型4の下降が終了し、木材11の変形がほぼ完了した状態を示す図である。この図10Cおよび図11Cにおいても、コア金型4とキャビティ金型3との間に隙間が存在しているが、この隙間は、上記実施の形態1に係る木材加工装置1の場合と同様、コア金型4を下降する際のストローク調整用に確保された「遊び」の分である。
図10Cおよび図11Cに示す状態においては、端面押圧部42の底面42aと端面11cとが対向して隙間なく接している一方、凸部43と内側面11b、および凹部34と外側面11aも隙間なく接している。また、端面形成部44の底面44aは内側面11bの内縁側に食い込んで新たな端面を形成している。このうち、図11Cに示す端面11cは、端面押圧部42によって押圧されていないため、端面押圧部42によって押圧された箇所から逃げてくる木材成分の影響によって図10Cと同じ形状をなすとは限らない(図11Cにおいては、端面11cが図10Cに示す端面11cよりも若干上方に位置する場合を示している)。このような場合には、圧縮後に切削等の適当な端面処理を施すことにより、端面11cの凹凸を均せばよい。
図10Cおよび図11Cに示す状態を所定時間(1〜数十分、より好ましくは5〜10分程度)だけ継続させた後、上記水蒸気雰囲気を解いて木材11を乾燥させ、コア金型4とキャビティ金型3を離間させて圧縮を解除する。
図12は、圧縮後の木材11の構成を示す図であり、図10Cと同じ切断面で見た木材の構成を示す断面図である。以後、圧縮後の木材11を「木材11−2」と称する。図12に示す木材11−2には、元来の端面11cに加え、端面形成部44の底面44aで押圧されていた部分が、全周に渡って周回する新たな端面11dとして形成されている。
この後、圧縮によって新たに形成された端面11dを最終的な端面とすべく、その端面11dに沿って切削等の処理を施す。この結果、端面11cを含む木材11−2の縁端部が削り落とされ、図7および図8に示す圧縮木製品12と略同形をなし、端面11dを含む新たな端面を有する圧縮木製品が得られる。なお、図10Cおよび図11Cに示すように、端面形成部44は木材11の肉厚方向に完全に食い込んでいるわけではないが、新たに形成される端面11dに対して押圧したことによる効果を十分に得るためには、帯状をなす底面44aの帯幅すなわち端面11dの幅が、圧縮後の木材11−2の肉厚の50%以上であればより好ましい。
本実施の形態2においては、コア金型4とキャビティ金型3との間隔のうち、コア金型4が有する端面形成部44によって新たに形成される端面11d付近の間隔が、他の部分の間隔よりも小さいため、その部分の圧縮率(圧縮前の肉厚に対する圧縮前後の肉厚の変化量の比率)が他の部分の圧縮率よりも顕著に大きくなる。したがって、本実施の形態2に係る木材加工装置によれば、圧縮木製品の端面の強度を向上させることができる。なお、本実施の形態2においても、圧縮後の木材の肉厚は、圧縮前の木材の肉厚の30〜50%程度である(端面付近の値が他の部分の値よりも大きいことは上述した通りである)。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、柱状をなすコア本体部の側面から突出し、木材の端面の少なくとも一部に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える複数の端面押圧部と、前記コア本体部の表面であって前記複数の端面押圧部が突出する前記コア本体部の側面と直交する表面のいずれか一方から突出した形状をなし、前記木材の表面に当接して圧縮力を加える凸部(第1表面押圧部)と、前記コア本体部の前記第1表面押圧部が突出している側の表面上にあって、当該表面の外周と前記第1表面押圧部との間の領域に一様な幅を有する閉じた帯状をなして形成され、前記木材を加工する際に前記木材に対し前記端面押圧部が当接することにより形成される端面とは異なる端面を形成する端面形成部と、を備えたコア金型、および柱状をなすキャビティ本体部の高さ方向と直交する表面のいずれか一方に開口端を有し、前記高さ方向と直交する開口断面の断面積が当該高さ方向に沿って前記開口端から徐々に小さくなるすり鉢状の開口をなすとともに、このすり鉢状の開口の斜面に複数の切り欠きが形成されたガイド部と、前記ガイド部の前記断面積が最も小さい底面から前記開口端とは反対の方向に陥入した形状をなし、前記木材の表面に当接して圧縮力を加える凹部(第2表面押圧部)と、を備えたキャビティ金型を用いて木材加工装置を構成することにより、木材の圧縮前後における形状変化が大きい場合であっても、その木材に割れを生じさせることなく成形することが可能となる。
また、本実施の形態2によれば、コア金型における端面押圧部やキャビティ金型におけるガイド部が簡易な構成を有しており、それらをコア本体部やキャビティ本体部とそれぞれ同じ材料によって形成するため、各金型の耐久性を向上させるとともに製造コストを低減することが可能となる。
さらに、本実施の形態2によれば、最終形状の端面付近が他の部分よりも高い圧縮率で形成されるため、端面付近の強度を向上させることができ、圧縮木製品の品質を向上させることができる。
ここまで、本発明を実施するための最良の形態として実施の形態1および2を説明してきたが、本発明はそれら二つの実施の形態によってのみ限定されるべきではない。すなわち、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
本発明に係るコア金型とキャビティ金型とを備えた木材加工装置によって加工された圧縮木製品は、デジタルカメラ、携帯電話、PHSまたはPDA等の携帯型通信端末、携帯型オーディオ装置、ICレコーダ、携帯型テレビ、携帯型ラジオ、各種家電製品のリモコン、デジタルビデオなどの外装材として適用することができる。また、本発明に係る木材加工装置によって加工された圧縮木製品をめがねケースや食器などに適用することも可能である。
本発明の実施の形態1に係る木材加工装置の要部の構成を示す斜視図である。 加工対象の木材の加工前の構成を示す斜視図である。 図2のC−C線断面図(上下を逆転させた図)である。 加工対象の木材を無垢材から形取るときの形取位置を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1に係る木材加工装置を用いて木材を圧縮する際、その木材の端面の一部が上方から下降してきたコア金型に接触した状態を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る木材加工装置を用いて木材を圧縮する際、その木材の外側面がキャビティ金型の凹部に接触した状態を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る木材加工装置を用いて木材を圧縮する際、その木材の変形がほぼ完了した状態を示す図である。 図5Aと同じ状態を図5Aとは異なる断面で見た図である。 図5Bと同じ状態を図5Bとは異なる断面で見た図である。 図5Cと同じ状態を図5Cとは異なる断面で見た図である。 本発明の実施の形態1に係る木材加工装置を用いて形成された圧縮木製品の構成を示す斜視図である。 図7のE−E線断面図(上下を逆転させた図)である。 本発明の実施の形態2に係るコア金型の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る木材加工装置を用いて木材を圧縮する際、その木材の端面の一部が上方から下降してきたコア金型に接触した状態を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る木材加工装置を用いて木材を圧縮する際、その木材の外側面がキャビティ金型の凹部に接触した状態を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る木材加工装置を用いて木材を圧縮する際、その木材の変形がほぼ完了した状態を示す図である。 図10Aと同じ状態を図10Aとは異なる断面で見た図である。 図10Bと同じ状態を図10Bとは異なる断面で見た図である。 図10Cと同じ状態を図10Cとは異なる断面で見た図である。 本発明の実施の形態2に係る木材加工装置を用いて木材を圧縮した後の木材の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 木材加工装置
2、4 コア金型
3 キャビティ金型
10 無垢材
11、11−2 木材
11a 外側面
11b 内側面
11c、11d 端面
12 圧縮木製品
12a 主板部
12b、12c 側板部
21、41 コア本体部
31 キャビティ本体部
22、42 端面押圧部
22a、42a、44a 底面
23、43 凸部(第1表面押圧部)
32 ガイド部
33 切り欠き
34 凹部(第2表面押圧部)
44 端面形成部
G 木目

Claims (8)

  1. 木材を加工する際に前記木材の表面に当接して圧縮力を加えるコア金型であって、
    柱状をなすコア本体部と、
    前記柱状をなすコア本体部の側面から突出し、前記木材を加工する際に前記木材の端面の少なくとも一部に当接し、この当接する端面の肉厚方向と略直交する方向に圧縮力を加える複数の端面押圧部と、
    前記コア本体部の表面であって前記複数の端面押圧部が突出する前記コア本体部の側面と直交する表面のいずれか一方から突出した形状をなし、前記木材を加工する際に前記木材の表面に当接して圧縮力を加える第1表面押圧部と、
    を備えたことを特徴とするコア金型。
  2. 前記コア本体部の前記第1表面押圧部が突出している側の表面上にあって、当該表面の外周と前記第1表面押圧部との間の領域に一様な幅を有する閉じた帯状をなして形成され、前記木材を加工する際に前記木材に対して前記端面押圧部が当接することにより形成される端面とは異なる端面を形成する端面形成部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のコア金型。
  3. 帯状をなす前記端面形成部の幅は、圧縮によって形成された端面の肉厚の50%以上であることを特徴とする請求項2記載のコア金型。
  4. 前記端面押圧部の表面に被膜状の潤滑手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のコア金型。
  5. 前記端面形成部の表面に被膜状の潤滑手段を設けたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載のコア金型。
  6. 木材を加工する際に前記木材の表面に当接して圧縮力を加えるキャビティ金型であって、
    柱状をなすキャビティ本体部と、
    前記柱状をなすキャビティ本体部の高さ方向と直交する表面のいずれか一方に開口端を有し、前記高さ方向と直交する開口断面の断面積が当該高さ方向に沿って前記開口端から徐々に小さくなるすり鉢状の開口をなすとともに、このすり鉢状の開口の斜面に複数の切り欠きが形成されたガイド部と、
    前記ガイド部の前記断面積が最も小さい底面から前記開口端とは反対の方向に陥入した形状をなし、前記木材を加工する際に前記木材の表面に当接して圧縮力を加える第2表面押圧部と、
    を備えたことを特徴とするキャビティ金型。
  7. 前記ガイド部の表面に被膜状の潤滑手段を設けたことを特徴とする請求項6記載のキャビティ金型。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項記載のコア金型と、
    請求項6または7記載のキャビティ金型と、
    を備え、
    前記コア金型が前記キャビティ金型に対して近づいていくとき、前記複数の端面押圧部の各々は、前記ガイド部に形成された前記複数の切り欠きのいずれかに嵌入されることを特徴とする木材加工装置。
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