JP4331282B2 - インテグリン発現促進剤 - Google Patents
インテグリン発現促進剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4331282B2 JP4331282B2 JP05207598A JP5207598A JP4331282B2 JP 4331282 B2 JP4331282 B2 JP 4331282B2 JP 05207598 A JP05207598 A JP 05207598A JP 5207598 A JP5207598 A JP 5207598A JP 4331282 B2 JP4331282 B2 JP 4331282B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- integrin
- integrin expression
- expression promoter
- extract
- subunit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、癌転移抑制あるいは動脈硬化症の予防、治療剤等として有用なインテグリンの発現促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
インテグリンは、細胞表面に発現し、細胞接着に関与する受容体である。かかるインテグリンの重要性は近年急速に増大しており、例えば白血球接着抑制、血小板凝集阻害、癌転移抑制、あるいは心筋梗塞、動脈硬化症、骨溶解性疾患等の治療、予防への応用が検討されている。
【0003】
ところでこれまでインテグリンの研究は、例えば白血球接着抑制等インテグリンの発現を抑制する研究が主体であった。例えばRGDペプチドを初めとするインテグリンに特異的な各種ペプチド(特開平8−301857号公報、特開平7−304795号公報、特開平7−149794号公報、特開平6−92282号公報、特開平8−208692号公報、特開平6−293659号公報)や抗インテグリン抗体(特開平6−54698号公報、特開平3−216666号公報)等がインテグリン阻害剤として知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インテグリンの発現を促進することに有用性があると考えられるものに癌転移抑制等が挙げられるにも係わらず、インテグリンの発現を促進するための研究はほとんど進捗していないのが現状である。
【0005】
したがって本発明は、インテグリンの発現促進剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、特定の植物又はその抽出物がインテグリンの発現を促進することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち本発明は、ヒバマタ、ローズマリー、キウイ、ブクリョウ、ゴボウ、ニンジン及びコウソウからなる群より選ばれる1以上の植物又はその抽出物を有効成分とするインテグリン発現促進剤を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるヒバマタ、ローズマリー、キウイ、ブクリョウ、ゴボウ、ニンジン及びコウソウは、すでに一般の皮膚外用剤、化粧料、医薬品の原料、基材、添加剤として知られているものである。また保湿効果、抗炎症効果、血行促進効果、養毛効果、美白効果等の効果があることが知られているものである。しかしこれらがインテグリンの発現を促進することについては全く知られていなかった。
インテグリンは、αサブユニット、βサブユニットからなり、αサブユニットは更にα1からα5、αL等が存在し、βサブユニットはβ1、β2、β3等が存在するが、各種結合組織に存在するコラーゲン、ビトロネクチン、フィブロネクチン、ラミニン等マトリックスと線維芽細胞など結合組織に存在する細胞との相互作用を考えると、これらのうちα2サブユニット、α5サブユニット、β1サブユニットの発現が促進されるのが好ましく、更にはα2サブユニットの発現が促進され、同時にβ1サブユニットの発現が促進されることがより望ましい。また、特に、皮膚線維芽細胞に関してはコラーゲンとの相互作用の観点からα2β1インテグリンの発現が促進されることが好ましい。
【0009】
ここで植物とは、それらの全草又はそれらの葉、葉柄、茎、根、種子の1もしくは2以上の箇所(以下、「原体」と称する)又はこれを乾燥して粉砕したものである。また植物抽出物とは、原体を乾燥し又は乾燥することなく粉砕した後、常温又は加温下で溶剤により抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得られる、溶媒抽出液、その希釈液もしくは濃縮液、又はその乾燥末をいう。
【0010】
抽出に用いる溶剤としては水、有機溶媒及びこれらの混合物が挙げられるが、特に有機溶媒、又は水と有機溶媒との混合物が好ましい。有機溶媒としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、アルコール類が挙げられるが、特にメタノール、ブタノール、プロパノール、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルコール類が好ましい。
【0011】
原体からの抽出は例えば以下のように行う。すなわち原体そのもの又は乾燥物もしくは乾燥粉砕物に溶媒を加え、1〜100℃、好ましくは3〜70℃で0.5〜30日間、好ましくは1〜15日間抽出する。次いで得られた抽出液を適宜濾過、静置、濾過等することにより植物抽出物を得ることができる。当該抽出物は希釈、濃縮もしくは凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製し、適宜製剤化してもよい。また、必要により公知の方法で脱臭、脱色等の精製処理を行ってもよい。植物抽出物は、このようにして抽出したものを用いてもよく、市販品を利用してもよい。
【0012】
前記の種々の植物又はその抽出物は、そのままでインテグリン発現促進剤として用いることもできるが、適宜製剤化して用いることもできる。
【0013】
本発明のインテグリン発現促進剤中、前記植物又はその抽出物の含有量は、効果、配合性、使用感の観点から通常有効成分の乾燥固形分として0.00001〜10重量%が好ましく、0.0001〜3重量%が特に好ましい。
【0014】
本発明のインテグリン発現促進剤には、前記種々の植物又はその抽出物の他、通常使用される外用基材、他の薬効成分を配合できる。
ここで用いられる外用基材としては、油性基剤をベースとするもの、油/水、水/油型の乳化系基剤をベースとするもの、水をベースとするもののいずれであってもよい。油性基剤としては、特に制限はなく、例えば植物油、動物油、合成油、シリコーン油、脂肪酸、天然又は合成のグリセリド等が挙げられる。また、保湿剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート類、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等を任意に組み合わせて配合することができる。また、上記薬効成分としては特に制限はなく、例えば鎮痛消炎剤、殺菌消毒剤、ビタミン類、皮膚柔軟化剤等を必要に応じて適宜使用できる。皮膚外用剤の形態としては、軟膏、クリーム、乳液、化粧水、ジェル、パック剤、パップ剤、ファンデーション等が挙げられる。
【0015】
インテグリン発現促進剤は外用及び内服のいずれの方法でも投与することができるが、外用投与が好ましく、皮膚外用剤の形態とすることが特に好ましい。
【0016】
なお、インテグリンの検出には種々の方法があり、抗体を用いる方法としては例えばフローサイトメトリー(FACScan)、イムノブロッティング、ウエスタンブロッティング、抗体染色法などが挙げられ、mRNAを用いる方法としては例えばPCR、ノーザンブロッティングなどが挙げられる。インテグリンの検出に用いる細胞としては実際に皮膚真皮組織に存在する皮膚線維芽細胞が最も好ましいが、肺線維芽細胞等他の組織の線維芽細胞でもよく、また、軟骨細胞等でも良い。
【0017】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0018】
製造例1〜12
表1に示す各植物の部位の粉砕物1kgを抽出溶媒5リットルに室温で1週間浸漬し、溶媒可溶成分を抽出した。抽出液を分離した残渣について同様の操作を繰り返し、合計10リットルの抽出液を得た。この抽出液の溶媒を留去し、減圧乾固し、抽出物を得た。なお、以下において、Wは水を、BGは1,3−ブチレングリコール、ETはエタノールを示す。
【0019】
【表1】
【0020】
試験例1 インテグリン発現促進活性の測定
インテグリン発現活性は、Riikonenらの方法(J.Biol.Chem.,270,13548(1995))に従い行った。
ヒト皮膚線維芽細胞(ヒト包皮由来)を90mm培養ディッシュに播種し、(5%牛胎児血清(FCS)含有DMEM(GIBCO))、24時間後、製造例15、 、10、11及び12で得られた各エキスを最終濃度が0.01〜0.001重量%(乾燥固形換算重量%)をとなるように加え培養した。またコントロールとして用いた溶媒を加え培養した。48時間後、細胞をトリプシン/EDTAを作用させて細胞を剥がし、FCSにてトリプシンを中和し、遠心して上清を廃棄するなどして洗浄した。0.1%FCS及び0.02%NaN3 含有PBSにて同様に2回洗浄したのち、細胞に抗ヒトインテグリンα2抗体(mouse,GIBCO社)、抗ヒトインテグリンβ1抗体(mouse,GIBCO社)及び抗ヒトインテグリンα2β1抗体(mouse,CHEMICON社)各1/100〜1/200濃度を4℃で30分間作用させた。2度洗浄後、二次抗体としてFITC標識抗マウスIgG1抗体を1/100濃度で、4℃で30分間作用させたのち、3度洗浄を繰り返した後FACScan(Becton Dickinson)を用いて分析した。FACScanのブランクとしては一次抗体にmouseIgG(1μg/ml)を用いた。各蛍光強度よりブランク分を差し引き、コントロールを100%としたときの相対蛍光強度を算出した。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
表2より、上記植物抽出物の作用により、インテグリンの発現が促進することが確認された。
【0023】
【発明の効果】
本発明のインテグリン発現促進剤は、優れたインテグリン発現促進剤を有するものであり、癌転移抑制等へ利用することが可能である。
Claims (4)
- ヒバマタ又はその抽出物を有効成分とするインテグリン発現促進剤(但し、がん細胞に対するアポトーシス誘発剤、制がん剤、抗転移剤、発がん予防剤、腫瘍細胞転移阻害剤、動脈硬化症の予防・治療剤及び心筋梗塞の予防・治療剤として使用する場合を除く)。
- インテグリンのβサブユニットがβ1である請求項1記載のインテグリン発現促進剤。
- インテグリンのαサブユニットがα2、α5である請求項1記載のインテグリン発現促進剤。
- インテグリンがインテグリンα2β1である請求項1記載のインテグリン発現促進剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05207598A JP4331282B2 (ja) | 1998-03-04 | 1998-03-04 | インテグリン発現促進剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05207598A JP4331282B2 (ja) | 1998-03-04 | 1998-03-04 | インテグリン発現促進剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11246428A JPH11246428A (ja) | 1999-09-14 |
| JP4331282B2 true JP4331282B2 (ja) | 2009-09-16 |
Family
ID=12904709
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05207598A Expired - Fee Related JP4331282B2 (ja) | 1998-03-04 | 1998-03-04 | インテグリン発現促進剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4331282B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AT503521A1 (de) | 2006-05-05 | 2007-11-15 | Omnica Gmbh | Verwendung eines extraktes von kiwi-frucht |
| JP7437766B2 (ja) | 2018-10-31 | 2024-02-26 | 国立大学法人京都大学 | 中内胚葉系への分化抵抗性が解除された多能性幹細胞の作製方法 |
-
1998
- 1998-03-04 JP JP05207598A patent/JP4331282B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11246428A (ja) | 1999-09-14 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4299374B2 (ja) | 細胞賦活剤及びその応用 | |
| KR102456989B1 (ko) | 항비만 활성을 가지는 디옥시콜산-펩타이드 결합체 및 이의 용도 | |
| KR102022622B1 (ko) | 인삼 새싹 추출물 또는 이의 분획물을 유효 성분으로 함유하는 피부 상태 개선용 조성물 및 이를 이용한 피부 상태 개선 방법 | |
| JP4915714B2 (ja) | コラーゲンゲル収縮促進剤 | |
| JPH11263718A (ja) | 皮膚引き締め剤 | |
| JP2023534287A (ja) | 脱毛防止及び発毛促進用の組成物 | |
| JP2020502172A (ja) | 漢方薬抽出物を有効成分として含む化粧料組成物 | |
| KR102214985B1 (ko) | 식물추출물 또는 이의 분획물을 유효성분으로 함유하는 피부 상태 개선용 조성물 | |
| KR102204367B1 (ko) | 피부 주름 개선용 화장료 조성물 | |
| JP2007262012A (ja) | ヒアルロン酸産生促進剤、並びにそのヒアルロン酸産生促進剤を含む皮膚外用剤、化粧料、医薬部外品、肌荒れ改善剤、及びしわ改善剤 | |
| JP4331282B2 (ja) | インテグリン発現促進剤 | |
| JP2012020950A (ja) | エンドセリン作用抑制剤及び美白剤 | |
| JP5166116B2 (ja) | 育毛剤 | |
| KR101261731B1 (ko) | 콜라겐 생성 촉진용 피부 외용제 조성물 | |
| JP2015093848A (ja) | 皮膚化粧料及び頭髪化粧料 | |
| JP2018145106A (ja) | 皮膚外用組成物 | |
| KR102033073B1 (ko) | 세리신, 사상자 추출물 및 겨우살이 추출물을 포함하는, 피부 재생, 진정 또는 상처 치유용 조성물 | |
| JP5253821B2 (ja) | インテグリン、ビンキュリン促進剤及びナトリウム依存性ビタミンc輸送体(svct2)の発現促進剤 | |
| KR101922637B1 (ko) | 마유 및 애기수영 추출물을 함유하는 피부 미백 및 주름 개선용 화장료 조성물 | |
| KR102501844B1 (ko) | 하늘타리 추출물을 유효성분으로 포함하는 피부 재생 또는 상처 치료용 조성물 | |
| JP2019194176A (ja) | R−spondin1の産生促進剤 | |
| JP2026500208A (ja) | 皮膚状態改善活性を有するペプチド及びその用途 | |
| CN109414388A (zh) | 黑色素产生抑制剂、美白剂、成纤维细胞活化剂、胶原蛋白和/或弹性蛋白产生促进剂、以及皱纹改善剂 | |
| KR102326939B1 (ko) | 중간엽 줄기세포 및 면역세포 공동배양액을 포함하는 피부 미백용 화장료 조성물 | |
| KR20120076168A (ko) | 극지식물 추출물로 이루어진 피부 노화 개선제 및 이를 포함하는 피부 노화 개선용 조성물 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041020 |
|
| RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20041020 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080715 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080912 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081007 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081204 |
|
| A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20081215 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090317 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090513 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090616 |
|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090618 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130626 Year of fee payment: 4 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |