JP4331509B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動が低減され、高画質の画像が形成される電子写真装置等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真装置において、感光体ドラムとローラ等の帯電部材を接触させて直接帯電を行う接触帯電方式が主流となっている。そして、前記帯電を均一に行うために、直流電圧に交流電圧を乗畳させて印加する場合が多い。しかし、この場合には、交流電圧の周波数に応じて振動音が発生するという問題がある。また、クリーニングブレードを感光体ドラムに当接して、残留トナーのクリーニングを行う際にも振動音が生じることがある。
こうした振動音の発生を低減するため、従来から種々の方法が提案されているが、画質に影響を及ぼすことなく振動音を十分に低減させることは困難であった。
【0003】
(特許文献1)
感光ドラムに接触して感光ドラムを帯電するために振動電圧が印加される帯電部材と、感光ドラムをクリーニングするクリーニングブレードを備えるクリーニング装置とを備え、クリーニング装置は振動を吸収する振動吸収部を備え、帯電部材と感光ドラムとの間で発生する帯電音を低減することが提案されている。しかし、クリーニング装置の振動吸収部だけでは、ブレードホルダー自身の振動を抑制することができない。
【0004】
(特許文献2)
有機感光体上に形成された静電潜像をトナー含有現像剤により現像し、現像により顕像化されたトナー像を有機感光体から転写材に転写した後、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング装置を有する画像形成方法において、有機感光体が表面層としてシロキサン系樹脂層を有する有機感光体であり、且つクリーニング装置のクリーニングブレードとクリーニングブレードの支持部材が互いに一部で並列に接合しており、クリーニングブレードに制震材を貼り合わせることにより重合トナーを用いた場合でも、長期に亘って、良好なクリーニング性能を保持し、画像不良がなく、良好な電子写真画像を形成できる画像形成方法、画像形成装置を提供することが提案されている。しかし、クリーニングブレードに制震材を貼り合わせることによりクリーニングブレードの剛性が強くなりブレード振動がより大きくなる。
【0005】
(特許文献3)
感光体の表面に圧接させて表面の残留物をクリーニングするブレードを保持するブレードホルダー、またはこのブレードホルダーを支持するホルダーブラケットに磁石を設け事によりホルダーブラケットの剛性を低下させることなく、クリーニングブレードの感光体の表面に対する圧接状態が変化することなく、また装置全体の無用な振動を発生することのない画像形成装置のクリーニング装置が提案されている。しかし、磁石とホルダーブラケットを完全に密着することができないため、両者の接触部で微小振動が発生してしまう。
【0006】
(特許文献4)
画像形成装置のプロセスカートリッジ内に内蔵される感光ドラムにおいて、金属製の円筒部材と、円筒部材の外面の少なくとも一部を包囲する弾性材と、円筒部材の外面に弾性材を密着させたコーティング層とを備える防振材をドラムシリンダ内に配置して、感光ドラムの振動を吸収し感光ドラムの回転時に発生する振動を確実に吸収すると共に、防振材と感光ドラムとの密着性を高めることが提案されている。しかし、円筒部材の外面に弾性材を密着させたコーティング層を備える防振材をドラムシリンダ内に圧入することによりドラムが部分的に変形乃至膨らんで、中間調画像等にムラ、直線曲がり等の不具合が発生してしまう。
【0007】
(特許文献5)
外径50mm以下の導電性円筒状支持体上に感光層を有し、該円筒状支持体内部に振動抑制部材を具備した電子写真感光体において、該電子写真感光体の円筒度を0.03mm以下にし、接触帯電方式で発生する振動音やクリーニングブレードの振動音を低減し、画像ムラのない高画質な画像が得られることが提案されている。しかし、支持体内径より外径の大きい振動抑制部材を縮径して円筒状支持体に挿入後内壁に密着するようにしているため、支持体内径と振動抑制部材の外径差により円筒状支持体に密着しない部分が生じてしまう。また、支持体内径と振動抑制部材の外径バラツキにより振動音の抑制が不十分な場合がある。
【0008】
(特許文献6)
ベース樹脂に、同ベース樹脂における双極子モーメント量を増加させる活性成分と無機充填材とを配合した制振性樹脂成形用ペレットを用いて成形されたサイレンサーを、画像形成装置における感光体ドラムの内周面または外周面に適用することにより感光体ドラムに発生する振動を確実に減衰除去し、高画質化、低騒音化を図ることが提案されている。しかし、ベース樹脂に、同ベース樹脂における双極子モーメント量を増加させる活性成分と無機充填材とを配合した制振性樹脂成形用ペレットを用いて成形された断面が略C字状、略O字状サイレンサーの感光体ドラム内周面への密着状態の記載がなく、支持体内径とサイレンサーの外径バラツキにより振動音の抑制が不十分な場合がある。
【0009】
(特許文献7)
導電性円筒状基体ドラム上に感光層を有し、円筒状基体1内部に振動抑制材料2を挿入する電子写真感光体において、該円筒状基体の内面表面積をA、円筒状基体中に挿入する振動抑制材料2の外周表面積をBとするとき、B/Aが0.5以上であり、かつ振動抑制材料の外周表面積の80%以上が円筒状基体内面に直接接している電子写真感光体を用いて、高加速化、高画質化が可能で静かさの高い電子写真装置が提案され、振動抑制材料について、スリット有り円筒形のもの、外径が円筒状基体の内径より大とし、弾性変形されて挿入されたもの等も提案されている。しかし、クリーニング手段については改良されておらず、振動音の抑制が不十分な場合がある。
【0010】
(特許文献8)
アクリル酸エステル単量体系共重合体を含む特定組成の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる電子写真感光体用消音部材、および騒音の発生の少ない電子写真感光体が提案され、感光体ドラムの内周面に消音用充填材を設けること、消音用充填材に切断部が設けられていること、消音用充填材と感光体ドラム内周面との接合は消音用充填材の弾性を利用した緊迫力で保たれること等も開示されている。しかし、クリーニング手段については改良されておらず、振動音の抑制が不十分な場合がある。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−341701号公報([0004]〜[0006]、[0014]〜[0016])
【特許文献2】
特開2002−244521号公報([0005]、[0006])
【特許文献3】
特開平5−188833号公報([0003]〜[0006])
【特許文献4】
特開2001−235971号公報([0008]、[0012]〜[0014])
【特許文献5】
特開2002−116661号公報([0005]〜[0015])
【特許文献6】
国際公開第00/49466号パンフレット
【特許文献7】
特開2002−149006号公報([0015]、[0016])
【特許文献8】
特開2001−13704号公報([0073]〜[0075])
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術およびその問題点を踏まえ、本発明が目的とするところは、感光体ドラムの回転時および停止時において発生する振動音を低減することができ、また、画像ムラ、クリーニング不良等が生じることがなく、高画質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明らは、鋭意検討を行った結果、感光体ドラム内に収納される制振部材および感光体ドラム周囲に配設されるクリーニング手段に改良を加えることで、上記課題が達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
即ち、本願発明は、第一に、
(A)感光体ドラムと、(B)前記感光体ドラムの内側に収納され、回転軸方向にスリットを有する円筒状制振部材であって、その外面を前記ドラムの内面に弾性的に押し付けることにより前記ドラム内に支持されている制振部材と、(C)直流電圧印加による接触帯電手段と、(E)露光手段と、(F)現像手段と、(G)転写手段と、(H)クリーニングブレードおよび該クリーニングブレードを保持するブレードホルダーを有し、該ブレードホルダーに前記クリーニングブレードの長手方向にビードが形成されているクリーニング手段とを有する画像形成装置を提供する。
【0015】
また、第二に、
画像形成装置の一部を構成し、着脱自在であるプロセスカートリッジであって、少なくとも、(A)感光体ドラムと、(B)前記感光体ドラムの内側に収納され、回転軸方向にスリットを有する円筒状制振部材であって、その外面を前記ドラムの内側に弾性的に押し付けることにより前記ドラム内に支持されている制振部材と、(C)直流電圧印加による接触帯電手段と、(H)クリーニングブレードおよび該クリーニングブレードを保持するブレードホルダーを有し、該ブレードホルダーに前記クリーニングブレードの長手方向にビードが形成されているクリーニング手段とが、内部に一体的に支持されているプロセスカートリッジを提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
[装置の概要]
本発明の電子写真装置の概要を明らかにするため、その模式断面図を図1に示す。図中11と表示したものが回転する感光体ドラムである。まず、接触帯電手段12により、感光体ドラム11の表面が帯電される。感光体ドラムが帯電された後、レーザー光13(光源図示せず)によるイメージ露光により、露光された部分で、電荷が発生し、感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム表面に静電潜像が形成された後、現像手段14を介して現像剤と接触し、トナー像が形成される。感光体ドラム表面に形成されたトナー像は、転写手段16により紙等の転写部材15へ転写され、定着手段19を通過してハードコピーとなる。感光体ドラム11表面上に残留したトナーは、クリーニングブレードクリーニング手段17により除去され、また、残留電荷は除電手段18により除去される。以上により、1回の電子写真サイクルが終了し、前記サイクルが繰り返されるようになっている。
【0018】
本発明の画像形成装置は、上記感光体ドラム、接触帯電手段、クリーニング手段等が、内部に一体化されているプロセスカートリッジとして構成されていてもよい。プロセスカートリッジにすることにより、画像形成装置が小型化され、その着脱が自在となり、取り扱いが簡便となる。
【0019】
[接触帯電手段]
本発明における帯電手段は、感光体ドラムに接する帯電ロールに直流電圧を印加することによる接触帯電型のものである。これにより、従来のコロナチャージャーを用いたプロセスよりも、感光体ドラムの帯電に要する印加電圧が低くすることができ、オゾンや窒素酸化物発生が少なく、省エネルギー化が可能となる。また、直流電圧を印加するものであるので、交流電圧乗畳方式による接触帯電に比べて、感光ドラムの帯電振動および繰返し使用後の感光層の摩耗量を少なくすることができる。
【0020】
[制振部材]
通常、クリーニング手段のクリーニングブレードは、感光体ドラムの回転時に感光体ドラム表面に接して、微小振動、いわゆるスティックスリップ振動をしている。この振動は、感光体ドラムの起動時および停止時に特に大きくなり、クリーニングブレードホルダーおよび感光体ドラムを共振させ振動音を発生させる。この振動音は、感光体ドラムの温度が40℃以上である場合に、また湿度がより低くなるほど大きくなる。そして、この振動音は、感光体ドラムの外径が40mm以下である場合に特に顕著なものとなる。
【0021】
本発明では、上記振動音を低減させるため、まず、感光体ドラムの内側に制振部材を収容する。
本発明で用いる制振部材は、感光体ドラムの内側に収納され、回転軸方向にスリットを有する円筒状制振部材であって、その外面を前記ドラムの内側に弾性的に押し付けることにより前記ドラム内に支持されるものである。そして、前記制振部材のスリット幅は、前記感光体ドラムの内面の円周長の0.3〜3%とすることが好ましい。
【0022】
感光体ドラム内に挿入されていない状態の制振部材20の一例の形状を、図2に示した。図2(a)は制振部材20の斜視図であり、図2(b)はその軸方向の断面図である。図2(c)は、図2(b)のA−A’線に沿う断面図であり、仮想線21は制振部材20が感光体ドラム11内に収容された時の状態を示す。
【0023】
本発明で用いる制振部材は、軸方向にスリット22を有する略円筒状のものであるが、感光体ドラム11内に収容されていない状態では、真の円筒(仮想線21で示されている)よりもスリット22が広がっており、円筒壁23のスリット22に対向する位置24からスリット22に向かう円周に沿って次第に半径が大きくなっていく状態にある。この制振部材は、感光体ドラム内に挿入されて収納されると上記のとおり感光体ドラム内で仮想線21で示された円筒状となるように成形されている。即ち、図2(c)の断面図において、スリット22を含む直径に垂直な方向の最大外径(D)は、感光体ドラムの内径より大きい。該制振部材は弾性材料でできているので、スリット22の幅(L)の分、弾性的に全体を縮径させて前記最大外径(D)を感光体ドラムの内径より小さくすることができ、感光体ドラム内に挿入することができる。その後、感光体ドラム内に収容された制振部材は、自らの弾性的復元力によって、上記のとおり、感光体ドラム内面に支持・固定される。
【0024】
上記スリット22の幅(L)は、該幅(L)を含む外周長の0.5〜3%程度とすることが好ましい。前記幅(L)が狭すぎると、感光体ドラムの内径と制振部材の最大外形(D)の縮径後の径との公差により十分に縮径できない部分が生じて、感光体ドラムに制振部材を挿入する際に感光体ドラムを変形させ、振動音低減効果がないばかりか、印字画質を悪化させるおそれがある。また、逆に、広すぎると、振動音低減効果が不充分となり、更に、感光体ドラムの重心がぶれて、回転ムラが生じる結果印字画質を悪化させるおそれがある。
【0025】
制振部材20は、その少なくとも一方の端部がテーパーに形成されていることが好ましい。図2(a)および図2(b)に示したようにテーパー25があると、制振部材を感光体ドラムにスムーズに挿入することが極めて容易となる。なお、両端部がテーパー状となっていても差し支えない。この場合には、感光体ドラムに挿入する際に、方向を選択する必要がなくなる。
【0026】
感光体ドラム内に収容される制振部材は、1個に限らず2個以上であってもよい。制振部材を2個以上とすると、感光体ドラムの振動音をさらに低減することができる。複数個の制振材の間は接触させるよりも、距離をおいて収納した方が制振材同士の共振を防ぐことができるので好ましい。また、少なくとも1個の制振部材は、画像形成装置に配設される感光体ドラム回転用駆動モータに近い側に設けることが感光体ドラム振動音を低減させるために有効である。
【0027】
制振部材の軸方向の長さ(制振部材を2個以上使用するときは、各制振部材の軸方向の長さの合計)は、振動音低減効果を発揮させるため、感光体ドラムの長さに対して10〜80%程度とすることが好ましい。
【0028】
次に、制振部材は、弾性材料からなり、例えば、合成樹脂製または合成ゴム製であることが好ましい。また、合成樹脂製または合成ゴム製の略円筒状制振部材の厚さは、振動音低減効果を発揮させるため、0.5mm以上、好ましくは3〜10mm程度とするのがよい。
【0029】
また、上記スリット22の反対側に、スリット22に対向して外面に凹溝26を成形することが好ましい。凹溝26の深さは、制振部材の弾性強度にもよるが制振部材の厚みに対して20〜50%程度とすることが好ましい。(凹溝の形状は、図2(c)の例のように断面が矩形状でもよいし、円弧状でもよい。矩形状が加工性等の点から好ましい。)また、その幅(W)は、スリット幅(L)を含む外周長の5〜15%程度とすることが好ましい。凹溝部を設けると、この凹溝部がヒンジとして作用し、感光体ドラムへ制振部材を挿入する際に、変形しやすく縮径に要する力が少なくてすむため、前記挿入がより容易になる。
【0030】
合成樹脂製または合成ゴム製制振部材の成形用原料としては、主にベース成分、活性成分、および無機充填剤を含む組成物が用いられる。
ベース成分としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、ポリイソプレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0031】
活性成分は、ベース成分の双極子モーメント量を増加させ、制振効果を向上させる成分であり、例えば、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCHBSA)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ビス(2−ベンゾチアゾリル)スルフィド(MBTS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DPBS)等のベンゾチアゾリル基含有化合物が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。この活性成分の使用量は、上記ベース成分100重量部に対して、好ましくは0.5〜50重量部、よりこのましくは2〜30重量部である。
【0032】
無機充填剤は、制振性能をさらに向上させる目的で配合されるものであり、例えば、マイカ鱗片、ガラス片、グラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、バライト、沈降硫酸バリウム等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。この無機充填剤の使用量は、上記ベース成分100重量部に対して、好ましくは10〜100重量部、よりこのましくは15〜40重量部である。
【0033】
上記組成物を混練等により均一化した後に、当業者に周知の成形方法により、例えば、射出成形法等によって所定形状の金型を用いて成形することにより上記形状の制振部材を得ることができる。
【0034】
制振部材は、その表面に更に弾性層を設けてもよい。前記弾性層の厚さは10〜100μが好ましく、その硬さ(JIS K6301 A形)が30〜90であるものが好ましい。弾性層は、例えば、熱可塑性エラストマーであるエポフレンド(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、カリフレックス(商品名、シェルジャパン(株)製)等のエラストマー材料を有機溶媒に溶解した後、スプレー、浸漬等の方法で制振部材の表面に塗布し、有機溶媒を蒸発させ除去することにより形成することができる。前記弾性層を設けると、感光体ドラム内に収容された制振部材の感光体ドラム内面への密接な弾性的支持をより確実なものとすることができる。
【0035】
[クリーニング手段]
本発明は、残留トナーを除去するクリーニング手段が、クリーニングブレードおよび前記クリーニングブレードの長手方向にビードが形成されているブレードホルダーを有するクリーニング手段であることに最大の特徴を有する。(なお、本件明細書において、「ビード」とは、断面が円弧状の凸部の内側に外面の凸部に沿って凹部を有する細長い膨らみと定義される。)
感光体ドラムとクリーニングブレードとの間の摩擦による騒音がどのように発生しているか詳細に観察したところ、次のことが明らかとなった。感光体ドラムが停止する直前の低速回転時には、感光体ドラムとクリーニングブレードとの摩擦が増大した際、感光体ドラムがウレタンゴム製のクリーニングブレードを押し、クリーニングブレードが圧縮されて歪み、その歪みのエネルギーが摩擦力よりも大きくなった時に、クリーニングブレードは元の状態に急速に戻って歪みエネルギーを開放する。クリーニングブレードが元の状態に戻る際に、クリーニングブレードは感光体ドラムを激しく擦り、また、その擦過はクリーニングブレード全体で均一に起こらず、不規則に、部分的に生じるため、振動音を生じて聞こえるようになる。
【0036】
クリーニングブレードは、通常、金属製のブレードホルダーに固定されて使用されるが、感光体ドラムとクリーニングブレードとの摩擦が増大し、感光体ドラムがクリーニングブレードを押し、クリーニングブレードが圧縮されて歪む際に、クリーニングブレードが固定されているブレードホルダーが撓んで変形すると、クリーニングブレードが元の状態に戻る際に、ブレードホルダーの変形によるエネルギーが更に加わるため、クリーニングブレードが感光体ドラムを擦る力がより大きくなり、また、クリーニングブレードが感光体ドラムを擦る距離もより長くなるために、振動音は非常に大きくなる。
【0037】
本発明では、ブレードホルダーにクリーニングブレードの長手方向にビードを形成したことにより、ブレードホルダーの強度が増し、クリーニング時にブレードホルダーの変形量を少なくして振動音を低減することができ、また、クリーニングの安定性を向上させることができる。
【0038】
そして、前記クリーニング手段と上記制振部材との併用による相乗効果により、振動音をより一層低減させることができる。また、長時間の連続運転によっても、クリーニング不良や画像ムラ等発生による画質の劣化を生じることがない画像形成装置を得ることができる。
【0039】
クリーニングブレードとビードを有するブレードホルダーとの接合体の一例のの末端に近い部分の斜視図を図3に示す。図3に示す例では、L字形のブレードホルダー28は、L字の一方の直線部28Aが水平に配され、これに直交する他方の直線部28Bが鉛直方向に配され、該直線部28Bの端部にクリーニングブレード27が、例えば、低融点樹脂フィルム製ホットメルト接着剤等で接着されている。なお、図3に示すクリーニングブレード27およびブレードホルダー28の配置および角度は一例にすぎない。直線部28Aは水平に配置される必要はなく、また、直線部28Bは28Aに直交していなくてもよく、鈍角または鋭角であってもよい。これらは感光体ドラムとの関係で適宜選択できる。
【0040】
クリーニングブレード27としては、厚さが1〜3mm程度、幅が8〜30mm程度のウレタンゴム成形体が用いられる。ブレードホルダー28の直線部28Bとの接着幅h2は3〜7mm程度であり、クリーニングブレード21の幅の1/3以下とすることが好ましい。
【0041】
ブレードホルダー28の直線部28Aには、クリーニングブレード21の長手方向の全長にわたってビード29が形成されている。また、ブレードホルダー28のビード29の寸法は、ブレードホルダー28の直線部28Aの幅L2にもよるが、高さhとして0.5〜3mm程度、幅1として3〜10mm程度とすることが好ましい。高さhが低すぎたり、幅1が広すぎるとブレードホルダー28の変形量を低減することができず、ブレードホルダー28の振動低減効果が少ない。また、高さhがより高いものの場合には、成形加工自体が非常に困難である。
【0042】
ビード29は、ブレードホルダー28の直線部28Aの端部からの距離L1が、前記横部の幅L2の10〜70%である範囲内の位置に形成されていることが好ましい。
【0043】
本発明のクリーニング手段について、上記例とは異なる例を図4に示す。図44に示す例では、L字形のブレードホルダー30は、L字の一方の直線部30Aが水平に配され、これに直交する他方の直線部30Bが鉛直方向に配され、該直線部30Bの端部にクリーニングブレード27が接着されている。ブレードホルダー30の直線部30Bのクリーニングブレード21の接着部に至る途中に、クリーニングブレード27の長手方向の全長にわたってビード31が形成されている。
【0044】
ブレードホルダー28(30)の板厚tは、適用可能な転写紙幅により、例えばA3縦(幅297mm)までは0.8〜3mm程度とすることが好ましく、それより広い幅のものに適用できる装置に場合には3〜6mm程度とすることが好ましい。
【0045】
ブレードホルダー28(30)の材質としては、鋼板、亜鉛処理鋼板、ステンレス、制振鋼板等の剛性を有するものが好ましい。
制振鋼板は、ステンレス箔、薄鋼板等の2枚の板の間に熱可塑性樹脂層を挟み込んだ積層構造の制振材料である。前記熱可塑性樹脂層の厚さは10〜100μ程度であり、熱可塑性樹脂としては、ガラス転移点が−60〜50℃、重量平均分子量が5000〜50,000程度のものが用いられ、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等が挙げられる。これらは、樹脂の凝集力、接着性、粘着性さらには制振性能等の所望の特性により適宜選択され、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0046】
[感光層]
続いて、感光ドラムの感光層について説明する。
感光層は、基本的に、支持体上に形成された下引き層、電荷発生層、および電荷輸送層の3層から構成される。また、必要に応じて電荷輸送層上に保護層を設けることもできる。
【0047】
<下引き層>
下引き層は、接着性を向上する、モアレ等を防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減する等の目的で設けられる。下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、下引き層の上には電荷発生層成分が有機溶剤溶液として塗布することから、下引き層に用いる樹脂は、前記溶液の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等であってアルコール可溶性である樹脂:ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物等の微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0048】
更に、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
【0049】
この他に、本発明の下引き層にはAl2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO2,TiO2,ITO,CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0.1〜10μm程度が適当である。
【0050】
<電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料としては、例えば、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。
【0051】
一方、有機系材料としては、従来より公知の材料をすべて用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクアリリウム系顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノンおよびナフトキノン系顔料、シアニンおよびアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料等が挙げられる。
これらの電荷発生物質は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0052】
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド等が用いられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0053】
また、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、後記高分子電荷輸送物質が良好に用いられる。
【0054】
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電重合法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料または有機系材料からなる電荷発生層が良好に形成できる。
【0055】
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系または有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、メチルエチルケトン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法等を用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0056】
<電荷輸送層>
電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。また、電荷輸送層は帯電電荷を保持させる目的達成のために電気抵抗が高いことが要求され、また保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さくかつ電荷移動性が良いことが要求される。
【0057】
これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、主として電荷輸送物質およびバインダー樹脂より構成される。バインダー樹脂100重量部に対して、電荷輸送物質は、通常、40〜90重量部程度用いられる。これらを適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより電荷輸送層が形成できる。溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等が用いられる。
【0058】
必要により、電荷輸送物質およびバインダー樹脂以外にも、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
電荷輸送層の膜厚は、5〜100μm程度とすることが適当である。
【0059】
電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン等の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0060】
正孔輸送物質としては、以下に示される電子供与性物質が挙げられ、いずれも良好に用いられる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン誘導体、スチリルピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0061】
また、高分子電荷輸送層物質としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報等に記載のものが例示される。
【0062】
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報に、特開平6−234840号公報等に記載のものが例示される。
【0063】
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報等に記載のものが例示される。
【0064】
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、ポリ{N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノ}スチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報等に記載のものが例示される。
【0065】
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報等に記載のものが例示される。
【0066】
電子供与性基を有する重合体としては、上記重合体だけでなく、公知単量体との共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、スターポリマー等、また、例えば特開平3−109406号公報に記載のものような電子供与性基を有する架橋構造重合体等を用いることも可能である。
【0067】
更に、高分子電荷輸送物質として有用なトリアリールアミン構造を有するポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル等としては、以下に記載の化合物が例示される。
例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報等に記載のものが挙げられる。
【0068】
また、電荷輸送層を形成するために電荷輸送物質とともに用いられるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂等が用いられる。これらのバインダーは、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
【0069】
必要により電荷輸送物質およびバインダー樹脂とともに使用できる酸化防止剤としては、例えば、以下のものが例示される。
フェノール性水酸基を1個有する化合物として、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トコフェロール類等が挙げられる。
【0070】
フェノール性水酸基を2個有する化合物として、例えば、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0071】
フェノール性水酸基を3個以上有する化合物として、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコール−ビス[3,3−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチリックアシッド]エステル等が挙げられる。
【0072】
パラフェニレンジアミン類として、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0073】
ハイドロキノン類として、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(9−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン等が挙げられる。
【0074】
有機硫黄化合物類として、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。
【0075】
有機燐化合物類として、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン等が挙げられる。
【0076】
必要により電荷輸送物質およびバインダー樹脂とともに使用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の汎用樹脂用可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量はバインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
【0077】
酸化防止剤と同様に、必要に応じてレベリング剤を添加することもできる。該レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、測鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーもしくはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
【0078】
<保護層>
保護層はバインダー樹脂中に金属または金属酸化物の微粒子を分散した層である。前記バインダー樹脂としては可視光および赤外光に対して透明で電気絶縁性、機械的強度および接着性に優れたものが望ましい。保護層の結着樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。金属酸化物としては酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、TiO、TiN、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、およびこれらの樹脂に等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
【0079】
【実施例】
以下に、実施例を示す。下記記載中、「部」は重量部を意味する。
【0080】
[実施例1]
(感光体ドラムの製造)
下記組成の混合物をボールミルポットに取り、アルミナボール(直径10mm)を使用し72時間ボールミリングした。
酸化チタン(商品名:CR−60、石原産業製) 50部
アルキッド樹脂(商品名:ベッコライトM6401−50、大日本インキ化学工
業製) 15部
メラミン樹脂(商品名:スーパーベッカミンL−121−60、大日本インキ化
学工業製) 8.3部
メチルエチルケトン 31.7部
【0081】
得られたミリング液に、シクロヘキサノン105部を加えさらに2時間ボールミリングして下引き層用塗布液を作製した。この塗布液を円筒形アルミドラム(外径30mm、長さ340mm、厚さ0.75mm)上に浸漬塗布し、135℃で25分間乾燥して、膜厚4.5μmの下引き層を形成した。
【0082】
続いて、下記式(1)で表される電荷発生物質2部、下記式(2)で表される電荷発生物質1部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBLS、積水化学製)1部、およびシクロヘキサノン80部からなる混合物をボールミルポットに取り、YTZ(部分安定化ジルコニア)ボール(直径10mm)を使用し120時間ボールミリングした後、更にシクロヘキサノン78.4部とメチルエチルケトン237.6部を加えて20時間ボールミリングして電荷発生層塗布液を調整した。この塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、130℃で20分間乾燥し、厚さ0.1μmの電荷発生層を形成した。
【0083】
【化1】
【0084】
【化2】
【0085】
次に、下記組成の電荷輸送層塗工液を調整し、この塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、135℃で25分間乾燥し、厚さ31μmの電荷輸送層を形成した。
下記式(3)で表される電荷輸送物質 7部
ポリカーボネート樹脂(商品名:TS−2050、帝人化成製) 10部
シリコーンオイル(商品名:KF−50、信越化学工業製) 0.002部
テトラヒドロフラン 77.4部
2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン 0.02部
【0086】
【化3】
【0087】
(制振部材の製造など)
ABS樹脂(商品名:GA−704、スミカA&L社製)75部、マイカ(商品名:60C、クラレ製)20部、および活性成分としてN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド5部からなる樹脂組成物を用いて、スリット幅1.7mm、最大外径28.6mm、厚さ3mm、長さ100mm、かつ片端部がテーパー状(テーパー長さ8mm)である上述した形状の制振部材を形成した。この制振部材表面に厚さ20μの熱可塑性エラストマー(商品名:エポフレンド、ダイセル製)製弾性層を設けた。この制振部材2個を上記感光体ドラム内に挿入し、弾性的に支持させた後、感光体ドラムに両端に樹脂製フランジを取り付けた。なお、前記制振部材のスリット幅を含めた外周長は90.0mmであり、この外周長に対するスリット幅は(1.7÷90)×100=1.9%である。
【0088】
また、図3に示した形状の亜鉛処理鋼板(厚さ1.6mm)製ブレードホルダー(横部幅16mm、長さ360mm、ビード形成位置6mm、ビード高さ1.5mm、ビード幅4mm)の縦部(幅13mm)に、ウレタンゴム製ブレード(厚さ2mm、幅13mm、長さ320mm)を接着幅4mmで接着してクリーニング部材を作製した。
【0089】
次いで、ユニットケース内に、上記感光体ドラム、クリーニング部材、帯電ローラ等を組み込み、各々が一体的に取り付けられたプロセスカートリッジを作製した。
【0090】
[実施例2]
実施例1において、制振部材のスリット幅1.7mmを2.5mmに、亜鉛処理鋼板製ブレードホルダーの厚さ1.6mmを2mmに、ビード高さ1.5mmを1.2mmに、ビード幅4mmを8mmに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてプロセスカートリッジを作成した。この外周長に対するスリット幅は、(2.5÷90)×100=2.8%である。
【0091】
[実施例3]
実施例2において、制振部材の数2個を1個に変更し、感光体ドラム内の回転駆動手段に近い側に挿入して弾性的に支持させたこと、ブレードホルダーを厚さ1.6mmの下記制振鋼板を用いて作製したこと、ビード高さ1.2mmを1mmに、ビード幅8mmを10mmに変更したこと以外は、実施例2と同様にしてプロセスカートリッジを作製した。
制振鋼板としては、厚さ0.8mmの亜鉛処理鋼板2枚の間に、厚さ40μのポリエステル樹脂(ガラス転移点:10℃)中間層を有する積層構造体を使用した。
【0092】
[実施例4]
実施例1において、制振部材の厚さ3mmを5mmに、スリット幅1.7mmを2mmに、および制振部材表面に弾性層を設けないように変更したこと、並びに、亜鉛処理鋼板製ブレードホルダーを上記制振鋼板製のものに、ビード高さ1.5mmを2mmに、ビード幅4mmを12mmに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてプロセスカートリッジを作成した。この外周長に対するスリット幅は、(2÷90)×100=2.2%である。
【0093】
[実施例5]
実施例4において、ブレードホルダーの形状を図4に示した形状に変更し、L曲げ部からした側3mmの位置にビード(ビード高さ1.5mm、ビード幅4mm)を形成したこと以外は、実施例4と同様にしてプロセスカートリッジを作製した。
【0094】
[比較例1]
実施例1において、感光体ドラム内に制振部材を収容しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてプロセスカートリッジを作製した。
【0095】
[比較例2]
実施例1において、制振部材のスリット幅1.7mmを0.4mmに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてプロセスカートリッジを作製した。
【0096】
[比較例3]
実施例1において、制振部材のスリット幅1.7mmを3.1mmに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてプロセスカートリッジを作製した。
【0097】
[比較例4]
実施例1において、ビードが形成されていないブレードホルダーを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてプロセスカートリッジを作製した。
【0098】
[比較例5]
実施例1において、ビードが形成されていないブレードホルダーを用いたこと、および感光体ドラム内に制振部材を収容しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてプロセスカートリッジを作製した。
【0099】
<性能評価手法>
上記実施例および比較例で作製した各プロセスカートリッジを、静電複写機(商品名:imagio MF200、リコー製)にセットして、線速90mm/sの条件で灰色ハーフトーン画像の印字を実行した。
【0100】
1.振動音の測定
上記複写機の側面近傍に、エレクトレットコンデンサーマイクロホン(商品名:ECM−145、ソニー製)を設置して、感光体ドラムの回転が停止する時の振動音を検知しノートパソコンに録音・記憶させた。録音ソフトとして、サウンドモニターFFT Ver.7.0(商品名、E.N.Software製)を用いた。録音を行った後、SoundEngine Free Ver.2.90(商品名、Cycle of 5th製)によって音量をボリューム17dBに拡大した。この音の周波数特性を前記サウンドモニターFFTによって測定し、周波数が500Hz付近の最大音量(dB)を求めた。
【0101】
この振動音の測定は、初期印字動作時および後記フリーラン運転(30,000枚印字相当)終了後の通常印字動作時の2回について行った。上記各カートリッジについての測定結果を表1の「振動音(dB)」の欄に示した。
【0102】
2.印字画質の観察評価
先ず、初期印字動作時における灰色ハーフトーン画像の印字画質を目視により観察し、均一に印字されているものについて、画像ムラがないと評価し、表1の「画像ムラ」の欄に「なし」と表示した。転写紙の進行方向に対して筋状のムラがあるものについて、画像ムラが生じていると評価し、表1に「筋画像」と表示した。また、灰色ハーフトーン画像が全体的に不均一であるものについて、画像ムラが顕著であると評価し、表1に「有り」と表示した。
【0103】
次に、印字画像の先後端の非画像部の筋状汚れの有無を目視により観察し、全く汚れがないものについて、残留トナーのクリーニング性能が良好であると評価し、表1の「クリーニング不良」の欄に「なし」と表示した。
【0104】
また、上記静電複写機を30℃、湿度30%の環境条件下にてフリーランモード(転写紙非通紙での画像形成プロセスの繰返し)で30,000枚印字に相当する連続運転を行った。5,000枚印字相当毎に転写紙を通紙し、灰色ハーフトーン画像の印字を行った。上記のとおり、印字画像の先後端の非画像部の筋状汚れの有無を目視により観察し、前記非画像部に筋状汚れが認められる場合、クリーニング性能が不良であると評価し、表1の「クリーニング不良」の欄に印字相当枚数とともに「発生」と表示した。また、前記通紙時の灰色ハーフトーン画像の印字画質(画像ムラの有無)について、上記と同様に評価し、表1の「画像ムラ」の欄に印字相当枚数とともに表示した。
【0105】
【表1】
【0106】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置は、感光体ドラム内に、その外面を感光体ドラム内面に弾性的に押し付けて支持されている(スリットを有する)円筒状制振部材が収容されていることと、クリーニングブレードを保持するブレードホルダーがブレードの長手方向にビードを有するように構成されていることとの相乗作用により、感光体ドラムの振動音を効果的に低減し、かつ、印字画質が悪化することなく、特に長期連続運転によっても残留トナーのクリーニング不良が発生することがないという顕著に優れた作用・効果を奏する。また、本発明は、小型化され、着脱自在なプロセスカートリッジとした場合に、特に有用かつ効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例の模式断面図である。
【図2】(a)本発明に用いる制振部材の一例の斜視図である。
(b)本発明に用いる制振部材の一例の軸方向の断面図である。
(c)図(b)のA−A’線に沿う断面図である。
【図3】本発明に用いるクリーニングブレードとブレードホルダーの接合体の一例の部分斜視図である。
【図4】本発明に用いるクリーニングブレードとブレードホルダーの接合体の別の例の側面図である。
【符号の説明】
11 感光体ドラム
12 接触帯電手段
13 イメージ露光
14 現像手段
15 転写部材
16 転写手段
17 クリーニング手段
18 除電手段
19 定着手段
20 制振部材
21 感光体ドラム内に収容された制振部材
22 スリット
23 円筒壁
24 スリット対向部
25 テーパー
26 凹溝
27 クリーニングブレード
28,30 ブレードホルダー
28A,30A 水平直線部
28B,30B 垂直直線部
29,31 ビード
Claims (7)
- (A)感光体ドラムと、(B)前記感光体ドラムの内側に収納され、回転軸方向にスリットを有する円筒状制振部材であって、その外面を前記ドラムの内面に弾性的に押し付けることにより前記ドラム内に支持されている制振部材と、(C)直流電圧印加による接触帯電手段と、(E)露光手段と、(F)現像手段と、(G)転写手段と、(H)クリーニングブレードおよび該クリーニングブレードを保持するブレードホルダーを有し、該ブレードホルダーに前記クリーニングブレードの長手方向にビードが形成されているクリーニング手段とを有する画像形成装置。
- 請求項1に記載の画像形成装置であって、前記クリーニング手段(H)のブレードホルダーが鋼板製または制振鋼板製のものである画像形成装置。
- 請求項1または2に記載の画像形成装置であって、前記制振部材(B)が外表面に弾性層を有するものである画像形成装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記制振部材(B)が弾性を有し、合成樹脂製または合成ゴム製のものである画像形成装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記制振部材(B)の少なくとも一方の端部がテーパー状に形成されている画像形成装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記制振部材(B)が2個以上ある画像形成装置。
- 画像形成装置の一部を構成し、着脱自在であるプロセスカートリッジであって、少なくとも、(A)感光体ドラムと、(B)前記感光体ドラムの内側に収納され、回転軸方向にスリットを有する円筒状制振部材であって、その外面を前記ドラムの内側に弾性的に押し付けることにより前記ドラム内に支持されている制振部材と、(C)直流電圧印加による接触帯電手段と、(H)クリーニングブレードおよび該クリーニングブレードを保持するブレードホルダーを有し、該ブレードホルダーに前記クリーニングブレードの長手方向にビードが形成されているクリーニング手段とが、内部に一体的に支持されているプロセスカートリッジ。
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