ところで、従来においては、コンテンツを配信する前準備として、一定容量の計測用データの送受信を行って通信速度を計測し、この計測結果に基づいて、配信すべきコンテンツの種別を決定しているが、当該計測用データの送受信によりネットワークのトラヒック量を無用に増加させてしまうとともに、前準備の手間や時間がかかるという問題があった。
そこで、計測用データの容量を小さくし、トラヒック量を低減するという手法も考えらられるが、かかる手法では、ネットワーク上のノイズの影響を受けやすく、計測結果の信頼性が低くなることから、実用に供さない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツを配信することができるコンテンツ配信プログラム、コンテンツ配信方法およびコンテンツ配信装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、コンピュータに、コンテンツ配信装置へ低速用コンテンツの配信を要求する配信要求工程と、前記低速用コンテンツの配信に基づいて、前記コンテンツ配信装置からクライアントまでの通信経路における通信速度を計測する通信速度計測工程と、前記通信速度がしきい値未満である場合、前記通信経路の通信速度を低速とし、配信済みの低速用コンテンツを利用し、前記通信速度がしきい値以上である場合、前記通信経路の通信速度を高速とし、前記コンテンツ配信装置から前記低速用コンテンツよりも大容量の高速用コンテンツの配信を受け付ける配信受付工程と、を実行させるためのコンテンツ配信プログラムである。
この発明によれば、コンテンツ配信装置からの低速用コンテンツの配信に基づいて、コンテンツ配信装置からクライアントまでの通信経路における通信速度を計測し、通信速度がしきい値未満である場合、低速とし、配信済みの低速用コンテンツを利用し、通信速度がしきい値以上である場合、コンテンツ配信装置から低速用コンテンツよりも大容量の高速用コンテンツの配信を受け付けることとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツまたは高速用コンテンツ)を配信することができる。
また、この発明によれば、計測された通信速度をコンテンツ配信装置へ通知しなくても、低速用コンテンツと高速用コンテンツとを出し分け、コンテンツ配信装置主導で通信速度に応じたプロモーションやコンテンツ企画を展開することができる。
また、本発明は、上記発明において、前記しきい値は、前記低速用コンテンツの容量に応じて動的に設定されることを特徴とする。
この発明によれば、しきい値を、低速用コンテンツの容量に応じて動的に設定することとしたので、容量の大小の影響を受けることなく、通信速度に関して、低速、高速の判定精度を高くすることができる。
また、本発明は、上記発明において、前記しきい値は、通信環境が異なる複数の通信経路について、複数容量の低速用コンテンツを配信した場合の通信速度の計測値に基づいて設定されることを特徴とする。
この発明によれば、しきい値を、通信環境が異なる複数の通信経路について、複数容量の低速用コンテンツを配信した場合の通信速度の計測値に基づいて設定することとしたので、しきい値の最適化が図られ、通信速度に関して、低速、高速の判定精度をさらに高くすることができる。
また、本発明は、上記発明において、前記しきい値は、前記通信速度の計測値からノイズ成分を除去した結果に基づいて設定されることを特徴とする。
この発明によれば、しきい値を、通信速度の計測値からノイズ成分を除去した結果に基づいて設定することとしたので、しきい値の精度を高めることができ、通信速度に関して、低速、高速の判定精度をさらに高くすることができる。
また、本発明は、上記発明において、前記しきい値は、前記通信速度に対して、通信速度の計測精度に応じた余裕を持たせて設定されることを特徴とする。
この発明によれば、しきい値を、通信速度に対して、通信速度の計測精度に応じた余裕を持たせて設定することとしたので、通信速度に関して、低速、高速の判定精度をさらに高くすることができる。
また、本発明は、上記発明において、前記通信速度計測工程では、前記低速用コンテンツの容量および配信時間に基づいて、前記通信速度を計測することを特徴とする。
この発明によれば、低速用コンテンツの容量および配信時間に基づいて、通信速度を計測することとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツまたは高速用コンテンツ)を配信することができる。
また、本発明は、上記発明において、前記配信時間は、配信の開始時刻から完了時刻までの時間から、準備に要するセットアップ時間を減算した値であることを特徴とする。
この発明によれば、配信時間を、配信の開始時刻から完了時刻までの時間から、準備に要するセットアップ時間を減算した値としたので、より実態に即した通信速度を計測することできる。
また、本発明は、上記発明において、前記セットアップ時間は、複数の実測値に基づく値であることを特徴とする。
この発明によれば、セットアップ時間を、複数の実測値に基づく値としたので、低速用コンテンツの容量が小さい場合に通信速度に与える影響を低減することができる。
また、本発明は、上記発明において、前記低速用コンテンツの容量の情報は、前記低速用コンテンツが所定のデータベースに格納される際に取得されることを特徴とする。
この発明によれば、低速用コンテンツの容量の情報を、低速用コンテンツが所定のデータベースに格納される際に取得することとしたので、利便性を向上させることができる。
また、本発明は、上記発明において、前記コンピュータに、計測された前記通信速度を前記コンテンツ配信装置へ通知する通知工程を実行させることを特徴とする。
この発明によれば、計測された通信速度をコンテンツ配信装置へ通知することとしたので、低速用コンテンツのリンク先と高速用コンテンツのリンク先とを予め別々に設定しておくことにより、コンテンツ配信装置主導で通信速度(低速、高速)に応じたプロモーションやコンテンツ企画を展開することができる。
また、本発明は、上記発明において、前記低速用コンテンツおよび前記高速用コンテンツは、インターネット広告であることを特徴とする。
この発明によれば、低速用コンテンツおよび高速用コンテンツを、インターネット広告としたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なインターネット広告(低速用のインターネット広告または高速用のインターネット広告)を配信することができる。
また、本発明は、コンテンツ配信装置へ低速用コンテンツの配信を要求する配信要求工程と、前記低速用コンテンツの配信に基づいて、前記コンテンツ配信装置からクライアントまでの通信経路における通信速度を計測する通信速度計測工程と、前記通信速度がしきい値未満である場合、前記通信経路の通信速度を低速とし、配信済みの低速用コンテンツを利用し、前記通信速度がしきい値以上である場合、前記通信経路の通信速度を高速とし、前記コンテンツ配信装置から前記低速用コンテンツよりも大容量の高速用コンテンツの配信を受け付ける配信受付工程と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、コンテンツ配信装置からの低速用コンテンツの配信に基づいて、コンテンツ配信装置からクライアントまでの通信経路における通信速度を計測し、通信速度がしきい値未満である場合、低速とし、配信済みの低速用コンテンツを利用し、通信速度がしきい値以上である場合、コンテンツ配信装置から低速用コンテンツよりも大容量の高速用コンテンツの配信を受け付けることとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツまたは高速用コンテンツ)を配信することができる。
また、この発明によれば、計測された通信速度をコンテンツ配信装置へ通知しなくても、低速用コンテンツと高速用コンテンツとを出し分け、コンテンツ配信装置主導で通信速度に応じたプロモーションやコンテンツ企画を展開することができる。
また、本発明は、上記発明において、前記しきい値は、前記低速用コンテンツの容量に応じて動的に設定されることを特徴とする。
この発明によれば、しきい値を、低速用コンテンツの容量に応じて動的に設定することとしたので、容量の大小の影響を受けることなく、通信速度に関して、低速、高速の判定精度を高くすることができる。
また、本発明は、上記発明において、前記しきい値は、通信環境が異なる複数の通信経路について、複数容量の低速用コンテンツを配信した場合の通信速度の計測値に基づいて設定されることを特徴とする。
この発明によれば、しきい値を、通信環境が異なる複数の通信経路について、複数容量の低速用コンテンツを配信した場合の通信速度の計測値に基づいて設定することとしたので、しきい値の最適化が図られ、通信速度に関して、低速、高速の判定精度をさらに高くすることができる。
また、本発明は、上記発明において、前記しきい値は、前記通信速度の計測値からノイズ成分を除去した結果に基づいて設定されることを特徴とする。
この発明によれば、しきい値を、通信速度の計測値からノイズ成分を除去した結果に基づいて設定することとしたので、しきい値の精度を高めることができ、通信速度に関して、低速、高速の判定精度をさらに高くすることができる。
また、本発明は、上記発明において、前記しきい値は、前記通信速度に対して、通信速度の計測精度に応じた余裕を持たせて設定されることを特徴とする。
この発明によれば、しきい値を、通信速度に対して、通信速度の計測精度に応じた余裕を持たせて設定することとしたので、通信速度に関して、低速、高速の判定精度をさらに高くすることができる。
また、本発明は、上記発明において、前記通信速度計測工程では、前記低速用コンテンツの容量および配信時間に基づいて、前記通信速度を計測することを特徴とする。
この発明によれば、低速用コンテンツの容量および配信時間に基づいて、通信速度を計測することとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツまたは高速用コンテンツ)を配信することができる。
また、本発明は、上記発明において、前記配信時間は、配信の開始時刻から完了時刻までの時間から、準備に要するセットアップ時間を減算した値であることを特徴とする。
この発明によれば、配信時間を、配信の開始時刻から完了時刻までの時間から、準備に要するセットアップ時間を減算した値としたので、より実態に即した通信速度を計測することできる。
また、本発明は、上記発明において、前記セットアップ時間は、複数の実測値に基づく値であることを特徴とする。
この発明によれば、セットアップ時間を、複数の実測値に基づく値としたので、低速用コンテンツの容量が小さい場合に通信速度に与える影響を低減することができる。
また、本発明は、上記発明において、前記低速用コンテンツの容量の情報は、前記低速用コンテンツが所定のデータベースに格納される際に取得されることを特徴とする。
この発明によれば、低速用コンテンツの容量の情報を、低速用コンテンツが所定のデータベースに格納される際に取得することとしたので、利便性を向上させることができる。
また、本発明は、上記発明において、計測された前記通信速度を前記コンテンツ配信装置へ通知する通知工程を含むことを特徴とする。
この発明によれば、計測された通信速度をコンテンツ配信装置へ通知することとしたので、低速用コンテンツのリンク先と高速用コンテンツのリンク先とを予め別々に設定しておくことにより、コンテンツ配信装置主導で通信速度(低速、高速)に応じたプロモーションやコンテンツ企画を展開することができる。
また、本発明は、上記発明において、前記低速用コンテンツおよび前記高速用コンテンツは、インターネット広告であることを特徴とする。
この発明によれば、低速用コンテンツおよび高速用コンテンツを、インターネット広告としたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なインターネット広告(低速用のインターネット広告または高速用のインターネット広告)を配信することができる。
また、本発明は、コンテンツ配信装置からクライアントに低速用コンテンツを配信した場合のコンテンツ配信装置からクライアントまでの通信経路における通信速度がしきい値未満である場合、前記クライアントに配信済みの低速用コンテンツを利用させ、前記通信速度がしきい値以上である場合、前記低速用コンテンツよりも大容量の高速用コンテンツを配信するコンテンツ利用・配信工程、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、コンテンツ配信装置からクライアントに低速用コンテンツを配信した場合のコンテンツ配信装置からクライアントまでの通信経路における通信速度がしきい値未満である場合、クライアントに配信済みの低速用コンテンツを利用させ、通信速度がしきい値以上である場合、低速用コンテンツよりも大容量の高速用コンテンツを配信することとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツまたは高速用コンテンツ)を配信することができる。
また、本発明は、コンテンツ配信装置からクライアントに低速用コンテンツを配信した場合のコンテンツ配信装置からクライアントまでの通信経路における通信速度がしきい値未満である場合、前記クライアントに配信済みの低速用コンテンツを利用させ、前記通信速度がしきい値以上である場合、前記低速用コンテンツよりも大容量の高速用コンテンツを配信するコンテンツ利用・配信手段、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、コンテンツ配信装置からクライアントに低速用コンテンツを配信した場合のコンテンツ配信装置からクライアントまでの通信経路における通信速度がしきい値未満である場合、クライアントに配信済みの低速用コンテンツを利用させ、通信速度がしきい値以上である場合、低速用コンテンツよりも大容量の高速用コンテンツを配信することとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツまたは高速用コンテンツ)を配信することができる。
本発明によれば、コンテンツ配信装置からの低速用コンテンツの配信に基づいて、コンテンツ配信装置からクライアントまでの通信経路における通信速度を計測し、通信速度がしきい値未満である場合、低速とし、配信済みの低速用コンテンツを利用し、通信速度がしきい値以上である場合、コンテンツ配信装置から低速用コンテンツよりも大容量の高速用コンテンツの配信を受け付けることとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツまたは高速用コンテンツ)を配信することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、計測された通信速度をコンテンツ配信装置へ通知しなくても、低速用コンテンツと高速用コンテンツとを出し分け、コンテンツ配信装置主導で通信速度に応じたプロモーションやコンテンツ企画を展開することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、しきい値を、低速用コンテンツの容量に応じて動的に設定することとしたので、容量の大小の影響を受けることなく、通信速度に関して、低速、高速の判定精度を高くすることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、しきい値を、通信環境が異なる複数の通信経路について、複数容量の低速用コンテンツを配信した場合の通信速度の計測値に基づいて設定することとしたので、しきい値の最適化が図られ、通信速度に関して、低速、高速の判定精度をさらに高くすることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、しきい値を、通信速度の計測値からノイズ成分を除去した結果に基づいて設定することとしたので、しきい値の精度を高めることができ、通信速度に関して、低速、高速の判定精度をさらに高くすることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、しきい値を、通信速度に対して、通信速度の計測精度に応じた余裕を持たせて設定することとしたので、通信速度に関して、低速、高速の判定精度をさらに高くすることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、低速用コンテンツの容量および配信時間に基づいて、通信速度を計測することとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツまたは高速用コンテンツ)を配信することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、配信時間を、配信の開始時刻から完了時刻までの時間から、準備に要するセットアップ時間を減算した値としたので、より実態に即した通信速度を計測することできるという効果を奏する。
また、本発明によれば、セットアップ時間を、複数の実測値に基づく値としたので、低速用コンテンツの容量が小さい場合に通信速度に与える影響を最小限にすることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、低速用コンテンツの容量の情報を、低速用コンテンツが所定のデータベースに格納される際に取得することとしたので、利便性を向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、計測された通信速度をコンテンツ配信装置へ通知することとしたので、低速用コンテンツのリンク先と高速用コンテンツのリンク先とを予め別々に設定しておくことにより、コンテンツ配信装置主導で通信速度(低速、高速)に応じたプロモーションやコンテンツ企画を展開することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、低速用コンテンツおよび高速用コンテンツを、インターネット広告としたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なインターネット広告(低速用のインターネット広告または高速用のインターネット広告)を配信することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、コンテンツ配信装置からクライアントに低速用コンテンツを配信した場合のコンテンツ配信装置からクライアントまでの通信経路における通信速度がしきい値未満である場合、クライアントに配信済みの低速用コンテンツを利用させ、通信速度がしきい値以上である場合、低速用コンテンツよりも大容量の高速用コンテンツを配信することとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツまたは高速用コンテンツ)を配信することができるという効果を奏する。
図1は、本発明にかかる一実施例の構成を示すブロック図である。同図には、クライアント側の通信速度に応じたコンテンツ(高速用コンテンツまたは低速用コンテンツ)を配信するためのコンテンツ配信システムが図示されている。
このコンテンツ配信システムは、コンテンツ配信装置10、ネットワーク20(インターネット等)およびクライアント301〜30nから構成されている。コンテンツ配信装置10は、ネットワーク20を介して、クライアント301〜30nへコンテンツを配信する装置である。
ここで、コンテンツは、ネットワーク20を介して配信可能な各種情報・データの全てを含み、インターネット広告(バナー広告等)、画像、動画、音声等である。
また、一実施例においては、クライアント301〜30nのうち、コンテンツの配信に関するリクエストを出したクライアント(例えば、クライアント301)とコンテンツ配信装置10との間の通信経路Lにおける通信速度が計測(実測)される。
コンテンツ配信装置10において、通信部11は、ネットワーク20に接続されており、所定の通信プロトコルに従って、通信を制御する。なお、実際には、コンテンツ配信装置10は、Webサーバ、広告サーバ、ファイルサーバ等の複数のサーバから構成されている。
制御部12は、コンテンツの配信に関する制御を行う。この制御部12の動作の詳細については、後述する。記憶部13は、制御部12で用いられる各種情報を記憶する。入力部14は、キーボードやマウス等である。表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等である。
コンテンツデータベース16は、配信対象である低速用コンテンツ16Sおよび高速用コンテンツ16Fを格納するデータベースである。低速用コンテンツ16Sは、クライアント側(クライアント301〜30n)の環境が低速用または計測された通信速度が低速(しきい値未満)である場合に当該クライアントに対して表示される小容量のコンテンツであり、例えば、小容量のインターネット広告である。この低速用コンテンツ16Sは、前述した計測用データそのものであって、信頼性が高い計測結果を得るのに充分な容量とされている。
一方、高速用コンテンツ16Fは、クライアント側の環境が高速用または計測された通信速度が高速(しきい値以上)である場合に当該クライアントへ配信される大容量のコンテンツであり、例えば、大容量のインターネット広告である。
ここで、クライアント側の環境としては、OS(オペレーティングシステム)、ブラウザ、マルチメディア再生ソフトウェア、接続環境(モデム、ISDN、ADSL等)等が挙げられる。OSは、ファイルの管理、メモリの管理、入出力の管理、ユーザインターフェースの提供などを行なう基本ソフトウェアである。
ブラウザは、コンテンツ配信装置10(Webサーバ)にアクセスするためのソフトウェアであり、HTTP(HyperText Transfer Protocol)プロトコルによるファイル転送を行ない、HTML(HyperText Markup Language)で記述されたハイパーテキストを解読し、Webページやコンテンツ(インターネット広告等)を表示する機能を備えている。マルチメディア再生ソフトウェアは、マルチメディア(動画、音声等)をクライアントで再生するためのソフトウェアである。
ここで、OS、ブラウザおよびマルチメディア再生ソフトウェアについては、所定のバージョン未満である場合、低速対応とされ、所定のバージョン以上である場合、高速対応とされる。
クライアント301〜30nのそれぞれは、ネットワーク20を介して、コンテンツ配信装置10から通信速度に応じたコンテンツ(低速用コンテンツ16Sまたは高速用コンテンツ16F)が配信されるコンピュータ端末であり、コンピュータ本体、キーボード、マウスおよびディスプレイから構成されている。
これらのクライアント301〜30nには、上述したOS、ブラウザおよびマルチメディア再生ソフトウェアが実装されている。また、クライアント301〜30nは、異なる接続環境(モデム、ISDN、ADSL、光ファイバ等)でネットワーク20に接続されている。
つぎに、一実施例の動作について、図2〜図4を参照しつつ説明する。以下では、コンテンツ配信装置10からクライアント301へコンテンツが配信される場合の動作について説明する。
図2に示したステップSA1では、クライアント301は、コンテンツ配信装置10に対して、ネットワーク20を介して、コンテンツ配信に関するHTTPリクエストを出す。ステップSA2では、コンテンツ配信装置10の制御部12は、スクリプトをHTMLファイルに設定する。
このスクリプトは、クライアント301とコンテンツ配信装置10との間の通信経路Lにおける通信速度(帯域幅)を計測し、通信速度に応じて配信済みの低速用コンテンツ16Sを表示またはコンテンツ配信装置10に対して高速用コンテンツ16Fを要求するためのプログラムである。
ステップSA3では、制御部12は、上述したスクリプトが設定されたHTMLファイルをクライアント301へ送信する。これにより、クライアント301は、HTMLファイルに設定されたスクリプトに基づいて、ステップSA4以降の処理と、ステップSA9のクライアント情報判定処理とを並列的に実行する。
ステップSA4では、クライアント301は、タイマ(図示略)から開始時刻の情報を取得する。開始時刻は、コンテンツ配信装置10から低速用コンテンツ16Sの配信(ダウンロード)が開始される基準時刻とされる。
ステップSA5では、クライアント301は、コンテンツ配信装置10に対して、低速用コンテンツをリクエストする。
これにより、ステップSA6では、コンテンツ配信装置10の制御部12は、コンテンツデータベース16から低速用コンテンツ16Sを取得する。この低速用コンテンツ16Sは、通信速度の計測に用いられる。
ステップSA7では、制御部12は、通信経路Lを介して低速用コンテンツ16Sをクライアント301へ配信する。これにより、低速用コンテンツ16Sは、通信経路Lにおける通信速度に応じて徐々にクライアント301に受信される。
ステップSA8では、クライアント301は、低速用コンテンツ16Sの配信が完了したか否かを判断し、この場合、判断結果を「No」として、同判断を繰り返す。
一方、ステップSA9では、クライアント301は、クライアント情報判定処理を実行する。具体的には、図3に示したステップSB1では、クライアント301は、自身のクライアント情報(OS、ブラウザ、マルチメディア再生ソフトウェアのバージョン、接続環境)を記憶部(図示略)から取得する。
ステップSB2では、クライアント301は、OSが所定のバージョン以上(高速対応)であるか否かを判断する。
当該OSが所定のバージョン未満(低速対応)である場合、クライアント301は、ステップSB2の判断結果を「No」とする。ステップSB5では、クライアント301は、低速用コンテンツ16Sの配信が完了したか否かを判断する。
既に、低速用コンテンツ16Sの配信が完了している場合、クライアント301は、ステップSB5の判断結果を「Yes」として、ステップSB6で、配信された低速用コンテンツ16S(例えば、小容量のインターネット広告)をディスプレイ(図示略)に表示させる。なお、ステップSB5の判断結果が「No」である場合、クライアント301は、同判断を繰り返す。
一方、ステップSB2の判断結果が「Yes」、すなわち、OSが所定のバージョン以上(高速対応)である場合、ステップSB3では、クライアント301は、ブラウザが所定のバージョン以上であるか否かを判断する。
当該ブラウザが所定のバージョン未満(低速対応)である場合、クライアント301は、ステップSB3の判断結果を「No」とする。ステップSB5では、クライアント301は、低速用コンテンツ16Sの配信が完了したか否かを判断し、この場合、判断結果を「Yes」とする。ステップSB6では、クライアント301は、配信された低速用コンテンツ16Sをディスプレイ(図示略)に表示させる。
一方、ステップSB3の判断結果が「Yes」、すなわち、ブラウザが所定のバージョン以上(高速対応)である場合、ステップSB4では、クライアント301は、マルチメディア再生ソフトウェアが所定のバージョン以上(高速対応)であるか否かを判断する。
当該マルチメディア再生ソフトウェアが所定のバージョン未満(低速対応)である場合、クライアント301は、ステップSB4の判断結果を「No」とする。ステップSB5では、クライアント301は、低速用コンテンツ16Sの配信が完了したか否かを判断し、この場合、判断結果を「Yes」とする。ステップSB6では、クライアント301は、配信された低速用コンテンツ16Sをディスプレイ(図示略)に表示させる。
一方、ステップSB4の判断結果が「Yes」である場合、クライアント301は、図2に示したステップSA8で低速用コンテンツ16Sの配信が完了したか否かを判断する。
そして、低速用コンテンツ16Sの配信が完了すると、クライアント301は、ステップSA8の判断結果を「Yes」とする。図4に示したステップSA10では、クライアント301は、タイマ(図示略)から完了時刻の情報を取得する。完了時刻は、コンテンツ配信装置10からの低速用コンテンツ16Sの配信(ダウンロード)が完了した基準時刻とされる。
ステップSA11では、クライアント301は、通信経路L経由の低速用コンテンツ16Sの配信について、通信経路Lにおける通信速度(実測値)をつぎの(1)式から計算する。
通信速度=(低速用コンテンツ16Sの容量)/((完了時刻−開始時刻)
−セットアップ時間)・・・・(1)
(1)式において、完了時刻は、ステップSA10で取得された完了時刻の情報に対応している。開始時刻は、ステップSA4で取得された開始時刻の情報に対応している。低速用コンテンツ16Sの容量は、ステップSA7で配信された低速用コンテンツ16Sの容量(Kバイト)である。
セットアップ時間は、低速用コンテンツ16Sをリクエストしてから実際に配信が開始されるまでの時間であり、上述したスクリプトで定義されている。このセットアップ時間は、最も接続環境が良いクライアントでの実測値(例えば、0.09)であり、複数の実測値に基づく値である。これは、低速用コンテンツ16Sの容量が小さい場合にセットアップ時間が長いほど、通信速度に与える影響が大きくなる。そこで、一実施例では、通信速度に与える影響を最小限にするために、セットアップ時間を最小の値としているのである。
ステップSA12では、クライアント301は、ステップSA11で計算された通信速度が予め設定されたしきい値以上であるか否かを判断する。このしきい値は、上述したスクリプトで定義されている。
ステップSA12の判断結果が「No」である場合、すなわち、通信速度が低速である場合、ステップSA13では、クライアント301は、ステップSA7で配信済みの低速用コンテンツ16Sをディスプレイ(図示略)に表示させる。
一方、ステップSA12の判断結果が「Yes」である場合、すなわち、通信速度が高速である場合、ステップSA14では、クライアント301は、コンテンツ配信装置10に対して、高速用コンテンツをリクエストする。
これにより、ステップSA15では、コンテンツ配信装置10の制御部12は、コンテンツデータベース16から高速用コンテンツ16Fを取得する。
ステップSA16では、制御部12は、通信経路Lを介して高速用コンテンツ16Fをクライアント301へ配信する。ステップSA17では、クライアント301は、配信された高速用コンテンツ16Fをディスプレイ(図示略)に表示させる。
以上説明したように、一実施例によれば、コンテンツ配信装置10からの低速用コンテンツ16Sの配信に基づいて、コンテンツ配信装置10からクライアント(例えば、クライアント301)までの通信経路Lにおける通信速度を計測し、通信速度がしきい値未満である場合、低速とし、配信済みの低速用コンテンツ16Sを利用(表示)し、通信速度がしきい値以上である場合、コンテンツ配信装置10から低速用コンテンツ16Sよりも大容量の高速用コンテンツ16Fの配信を受け付けることとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツ16Sまたは高速用コンテンツ16F)を配信することができる。
また、一実施例によれば、コンテンツ配信装置10からクライアント(例えば、クライアント30
1
)に低速用コンテンツ16Sを配信した場合のコンテンツ配信装置10からクライアントまでの通信経路Lにおける通信速度がしきい値未満である場合、クライアントに配信済みの低速用コンテンツ16Sを利用させ、通信速度がしきい値以上である場合、低速用コンテンツ16Sよりも大容量の高速用コンテンツ16Fを配信することとしたので、無用なトラヒック量の増加を伴うことなく、通信速度に応じた最適なコンテンツ(低速用コンテンツ16Sまたは高速用コンテンツ16F)を配信することができる。
また、一実施例によれば、クライアント側で計測された通信速度をコンテンツ配信装置10へ通知しなくても、低速用コンテンツ16Sと高速用コンテンツ16Fとを出し分け、コンテンツ配信装置10主導で通信速度に応じたプロモーションやコンテンツ企画を展開することができる。
なお、一実施例においては、ステップSA20(図4参照)で用いられる通信速度のしきい値を一定値ではなく、低速用コンテンツ16Sの容量に対応させて動的に設定してもよい。
ここで、低速用コンテンツ16Sおよび高速用コンテンツ16Fがインターネット広告である場合には、所定の範囲内において広告主毎に容量がバラバラである。また、低速用コンテンツ16Sを用いて通信速度を計測した場合の精度は、図5に示したように、低速用コンテンツ16Sの容量に依存し、ばらつきが生じる。これを回避するためには、通信速度のしきい値を容量に応じて動的に設定すればよい。
図5は、低速用コンテンツ16Sの容量と通信速度との対応関係を説明する図である。同図において、横軸は、低速用コンテンツ16Sの容量であり、5〜50KBの範囲とされている。縦軸は、所定の通信環境(モデム(56Kbps)、各容量にて200回)で各容量の低速用コンテンツ16Sを実際に配信した場合に実測された通信速度である。特性線Sminは、通信速度の最小値の分布を表す。特性線Smaxは、通信速度の最大値の分布を表す。特性線Savは、通信速度の調和平均の分布を表す。
同図からわかるように、低速用コンテンツ16Sの容量が小さいほど、標準偏差が大きく、通信速度のバラツキが大きくなっていることがわかる。一方、低速用コンテンツ16Sの容量が大きいほど、標準偏差が小さくなり、通信速度のばらつきが小さくなっていることがわかる。
このような状況で、低速用コンテンツ16Sの容量の大小にかかわらず、一定のしきい値(例えば、60Kbps)を適用した場合、小容量であるほど、誤判断(本来は低速であるにもかかわらず、高速と判断される)が多くなる。
そこで、一実施例では、図6に示したように、低速用コンテンツ16Sの容量(5〜50KB)に応じて、三段階のしきい値TH1>しきい値TH2>しきい値TH3を動的に設定する構成とすればよい。この場合には、通信経路Lにおける通信速度の判定精度(低速または高速)を高めることができる。
しきい値TH1は、90Kbpsであり、低速用コンテンツ16Sの容量が5〜10KB未満の場合に適用される値である。しきい値TH2は、85Kbpsであり、低速用コンテンツ16Sの容量が10〜13KB未満の場合に適用される値である。しきい値TH3は、60Kbpsであり、低速用コンテンツ16Sの容量が13KB以上の場合に適用される値である。
これらのしきい値TH1、しきい値TH2およびしきい値TH3は、ステップSA2(図2参照)において、コンテンツ配信装置10の制御部12によりスクリプトで設定される。
また、一実施例においては、しきい値TH1、しきい値TH2およびしきい値TH3に、通信速度(例えば、調和平均(特性線Sav))に対して、通信速度の計測精度に応じた余裕(調和平均としきい値との差分)を持たせている。すなわち、しきい値TH1、しきい値TH2およびしきい値TH3は、計測精度が低い(容量が小さい)ほど、余裕(差分)が大きく、計測精度が高い(容量が大きい)ほど、余裕(差分)が小さくなるように設定されている。この場合には、通信速度に関して、低速、高速の判定精度をさらに高くすることができる。
なお、別の構成例としては、しきい値TH1、しきい値TH2およびしきい値TH3を複数の通信環境(モデム、ISDN、ADSL、光ファイバ等)毎に設定しておき、通信環境および低速用コンテンツ16Sの容量に応じて、ステップSA20で最適なしきい値を適用してもよい。この場合には、実際の通信経路Lにおける通信速度の判定精度(低速または高速)をさらに高めることができる。
また、一実施例においては、図7に示したようにノイズとしてのデータN1、N2およびN3が実測データに含まれる場合、これらのデータN1、N2およびN3をフィルタ処理により除去したデータに基づいて、上述したしきい値TH1、しきい値TH2およびしきい値TH3を設定してもよい。この場合には、通信経路Lにおける通信速度の判定精度(低速または高速)をさらに高めることができる。
また、一実施例においては、不連続なしきい値TH1、しきい値TH2およびしきい値TH3に代えて、低速用コンテンツ16Sの容量に応じた関数(線形または非線形)をしきい値として用いてもよい。
また、一実施例においては、低速用コンテンツ16Sおよび高速用コンテンツ16Fをコンテンツデータベース16に格納する際に、低速用コンテンツ16Sの容量の情報を制御部12で自動取得し、ステップSA2(図2参照)でスクリプトでかかる容量を自動設定する構成例としてもよい。低速用コンテンツ16Sおよび高速用コンテンツ16Fがインターネット広告である場合には、入稿時(コンテンツデータベース16に格納時)に当該インターネット広告の容量の取得および設定を自動化でき、利便性を向上させることができる。
また、一実施例においては、ステップSA2(図2参照)で、各クライアント(クライアント301〜30n)で計測された通信速度や前述したクライアント情報をコンテンツ配信装置10へ通知するためのスクリプトをHTMLファイルに設定し、各クライアントにおける通信速度およびクライアント情報をコンテンツ配信装置10で収集する構成例としてもよい。
この場合には、計測された通信速度等をコンテンツ配信装置10へ通知することとしたので、低速用コンテンツ16Sのリンク先と高速用コンテンツ16Fのリンク先とを予め別々に設定しておくことにより、コンテンツ配信装置10主導で通信速度(低速、高速)に応じたプロモーションやコンテンツ企画をネットワーク20(Webサイト)上で展開することができる。
以上本発明にかかる一実施例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの一実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、前述した一実施例においては、コンテンツ配信の機能を実現するためのプログラムを図8に示したコンピュータ読み取り可能な記録媒体200に記録して、この記録媒体200に記録されたプログラムを同図に示したコンピュータ100に読み込ませ、実行することによりコンテンツ配信の機能を実現してもよい。
同図に示したコンピュータ100は、上記プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)110と、キーボード、マウス等の入力装置120と、各種データを記憶するROM(Read Only Memory)130と、演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)140と、記録媒体200からプログラムを読み取る読取装置150と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置160とから構成されている。
CPU110は、読取装置150を経由して記録媒体200に記録されているプログラムを読み込んだ後、プログラムを実行することにより、前述した機能を実現する。なお、記録媒体200としては、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等が挙げられる。