JP4332359B2 - コンピュータ冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ装置と一体になったデスクトップ型コンピュータに関し、特に、前記デスクトップ型コンピュータ内の発熱体についての液冷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の冷却装置についての従来技術は、電子機器内の発熱部材と金属筐体壁との間に金属板又はヒートパイプを介在させて発熱部材を熱的に金属筐体壁と接続することによって、発熱部材で発熱する熱を金属筐体壁で放熱するものであった。
【0003】
また、特開平7ー142886号公報には電子機器の発熱部材を液冷する技術が開示されており、これによると、電子機器内の半導体素子発熱部材で発生した熱を受熱ヘッドで受け取り、受熱ヘッド内の冷媒液がフレキシブルチューブを通って表示装置の金属製筐体に設けられた放熱ヘッドに輸送されて、半導体素子発熱部材で発生した熱を冷媒液を介して放熱ヘッドを通し金属製筐体から効率的に放熱する構造となっている。更に、前記公報には、熱輸送デバイスとしてヒートパイプを用いる例が開示されていて、金属製受熱板を介して半導体素子で発生する熱がヒートパイプに伝達され、更に、放熱面である金属製筐体の壁面に直接取り付けられたヒートパイプの他端に熱接続されて放熱される構造が開示されている。
【0004】
また、液晶ディスプレ装置を有するデスクトップ型コンピュータの放熱技術については特開平11ー154036号公報に記載されている。この公報によると、液晶ディスプレイ装置、マザーボード等を囲むケーシング部の下ケーシング部に設けられた空気取り入れ穴からケーシング内に入った空気が、マザーボードや電源部の発熱によって温められ、上部ケーシング部の上面及び裏面と、下部ケーシング部の上面のそれぞれ設けられた放熱穴から外部に放出することが記載され、更に、マザーボードの下部に冷却ファンを取り付けて冷却効率を向上させることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
液晶ディスプレイ装置を有した本体部と前記本体部を回動自在に支持するスタンド部とから構成されるデスクトップ型コンピュータは、前記本体部に内蔵されたCPU,MPU等(以下、CPUと云う)から熱を発生するが、発生熱によって回路動作が不安定になったり、機構類の熱変形を引き起こす虞がある。特に、最近ではCPUの動作周波数が一層高くなるのに伴って発熱量の増大を来しており、この増大した発熱を効率良く外部に放熱することが望まれてきた。
【0006】
従来技術では、電子機器一般に関する冷媒液による冷却、ヒートパイプを使用した冷却等が開示されているが、液晶ディスプレ装置を有するデスクトップ型コンピュータについての冷却技術は前記特開平11ー154036号公報のように空冷等が提案されているに過ぎず、液晶ディスプレイ装置を有するデスクトップ型コンピュータの構造に特有な冷却構造について技術公開されていないのが実状である。
【0007】
デスクトップ型コンピュータの発熱量増大に対しては、ファンの送風容量を大きくして対処することが考えられるが、これだとファンによる風切り音が騒音となったり、振動が発生してコンピュータ使用上で課題を生じ、また、CPU等の発熱体における放熱のための空冷用ヒートシンク(放熱板)のサイズを大きくして放熱容量をかせぐということも考えられるが、この対処策もデスクトップ型コンピュータの小型化の要請と相容れないものとなる。
【0008】
本発明の目的は、液晶ディスプレイ装置を有するデスクトップ型コンピュータに適用して有用な冷却技術を提供し、従来技術に無い特有な放熱効果が得られる構成を提案することにある。また、より具体的には、ポンプより放熱部の頂部に液を駆動し、ポンプの必要能力を抑制し、ポンプの小型化を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0010】
循環する冷媒液によりCPU等の発熱部を冷却するコンピュータの冷却装置において、
前記発熱部の発生熱を冷媒液に受熱する受熱ヘッドと、
前記コンピュータの鉛直面に設けられ且つ前記冷媒液の循環経路の途中に設けられて、鉛直上部から鉛直下部に通流する冷媒液を冷却する放熱部と、
前記冷却装置の鉛直下部に配置され、前記放熱部から前記受熱ヘッドの順に通流した冷媒液を吸入し、前記冷媒液の循環経路の頭頂部に冷媒液を吐出して、前記放熱部から前記受熱ヘッドの順に冷媒液を循環させるポンプと、を備え、
前記冷媒液の循環経路の頭頂部には前記放熱部の一部が形成され、前記冷媒液の循環経路の下部位置には前記ポンプが配置され、
前記ポンプから前記冷媒液の循環経路の頭頂部に形成された前記放熱部の一部までの冷媒液の上昇流路長を、前記冷媒液の循環経路の頭頂部から前記放熱部と前記受熱ヘッドを経由して前記ポンプに環流する冷媒液の下降流路長より短くする構成とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷技術について、図面を用いて以下説明する。図1は本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷に関する全体構成を示すものであり、図2は図1の全体構成の内でメインシャシーにチューブ及び液受けを固定した前面図であり、図3は図1の全体構成の内でマザーボードに(CPU+受熱ヘッド)及びポンプを配置した背面図である。
【0014】
図1〜図3によると、デスクトップ型コンピュータは、コンピュータ本体1と前記本体1を回動支持するスタンド2とから構成され、コンピュータ本体1は、メインシャシー3の表側に液晶パネル5が装備されるとともにその裏側にはマザーボード(制御回路基板)4が配置されている。
【0015】
マザーボード4にはコンピュータを動作させるのに必要な各種電気・電子素子、集積回路、電子回路群等が搭載され、コンピュータの動作時に発熱源となるCPU9や電源回路等もこのマザーボード上に配置されている。また、液晶パネル5の裏側、即ちメインシャシー3に対向する側にはコネクタが多数配置されていて、コネクタを介した電気配線がメインシャシー3の開口を通してマザーボード4の端子に接続されている。したがって、メインシャシー3と液晶パネル5との間には電気配線類が配される空間が形成されている。
【0016】
図3を参照して、マザーボード4の裏側(メインシャシー側とは反対側)には発熱源であるCPU9、電源回路、HDD(ハードディスクドライブ)10等が配置され、それらの発熱体に接してその発熱量を冷媒液に伝達するための受熱ヘッド8(図1参照)が設けられている。ここで、デスクトップ型コンピュータにおける発熱源としては、具体的には、CPUの外にチップセット、表示コントローラ、電源部、HDD、FDD、CD−ROM部、CD−R/W部、DVD−ROM部がある。受熱ヘッド8は熱伝達率の高い金属性材料が用いられ、受熱ヘッドの内部には、前記受熱ヘッドと離隔位置にある放熱部に熱輸送するための冷媒液が充填されている。冷媒液としては、水又はエチレングリコールが用いられるがこれに限ることはない。冷媒液は図示するポンプ7で圧力を加えられて受熱ヘッド8で熱を回収し、チューブ6によって循環される。
【0017】
冷媒液を輸送するチューブ6は熱伝達率が良く且つ耐腐食性を有するCuチューブが一般的に用いられるが前述した属性を有するものであれば銅製に限るものではない。シリコン系チューブ等のフレキシブルチューブも前記属性を有するの採用可能である。後述するが、特に、図13と図14に示すようなチューブではケーブルと同様な引き回すとなるため、カバーやシャシーに固定される部分以外をフレキシブルチューブにすること(例えば、柔軟性を要する一部流路にはCuチューブの代わりにシリコン系チューブ等の柔軟性を具備するチューブを用いること)も可能である。
【0018】
冷媒液輸送用チューブ6は、受熱ヘッド8、ポンプ7並びにメインシャシー開口部を通ってメインシャシーの表側に持ち来され(図2参照)、即ち、メインシャシー3と液晶パネル5との間の空間に持ち来され、更にメインシャシー表側にねじ止め又は埋め込む等の適宜の固定方法で固定されて放熱部を形成する。ここで、メインシャシー表側でのチューブ配置空間は、前述したように液晶パネルの電気配線類のために元来確保された空間であり、メインシャシー3の表側にチューブ配管を実施するための新たな空間ではなく、既に確保された空間を利用するものであるので、全体装置の薄型化、小型化に反するものではない。
【0019】
図2に示すように、チューブ6はメインシャシーの表側で螺旋状で又はジグザグ構造で又は蛇行させて固定されるので、冷媒液に伝達されたCPU等の発生熱は効率良くCuチューブを介してメインシャシー3に伝達される。メインシャシーは本来、スタンド2と連結するコンピュータ全体枠体を構成するものであるので、その全体面積は当然に大きいものであり、更に金属製材料でできているものであるから、その表裏の全表面積を使用して外部放熱でき、高効率の放熱が達成できるのである。
【0020】
また、図2を参照して、メインシャシー3の表面側に例えば螺旋状に固定されたチューブ6はその転回部の継ぎ目で熱収縮によって冷媒液が漏れる事態も有り得るので、漏れた冷媒液がメインシャシーを伝わってスタンドにこぼれ落ちないように、その冷媒液を回収する液受け11がメインシャシーの表側下方に設けられている。メインシャシーは通常、直立状態か直立状態からやや傾斜した状態に保たれているので、漏れた液はメインシャシーの表面を伝わって下方に流れて液受け11で回収できる。図2では液受け11がメインシャシー3の表側に設けらっれている例を示しているが、液受けをメインシャシーの裏側にも設置して、チューブを伝わって下降してきた漏れ液を回収しても良い。
【0021】
更に、コンピュータ本体1はその全体をカバー12で覆われているが、液晶パネル5とメインシャシー3との間の空間の下方部に対応するカバー部分には、熱輸送するチューブ並びにメインシャシーからなる放熱部を空気冷却するため、空気取り入れの入気口13を設けている。同様に、カバー12の上方部にも空気排出のための排気口14を設けている。この入気口13から排気口14に至る空気の流通経路によって、空気の煙突効果が発生して放熱部における一層の空気冷却が果たされ、冷却効率が向上することとなる。
【0022】
次に、以上述べた本発明の第1の実施形態の他の構成例として、前記カバー内の下方部に空気送風用のファンを設け、強制的に空気を取り入れて放熱部での熱交換を果たして空気排出し、冷却効率を更に高めることもできる。
【0023】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、現在使用しているデスクトップ型コンピュータの筐体(カバー)をサイズ変更することなく、そのまま利用できるものであり、更に、メインシャシーの大きな表面積を利用して放熱できるとともに、その表裏の両面から放熱できて一層の放熱効果が達成される。また、チューブの放熱部分における空気の煙突効果により放熱効率が一層高まることが期待できる。
【0024】
次に、図4は、本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷に関する構成例を示すものである。図4によると、本実施形態は、ポンプ、受熱ヘッド及びメインシャシー開口部を経由してきたチューブを液晶パネルの裏面に固定配置して放熱部を形成する構造である。液晶パネルの裏面は金属製材料で構成されているので、螺旋状で又はジグザグ構造で又は蛇行したチューブの冷媒液からの熱を効率よく液晶パネル裏面に伝達して熱放散することができる。
【0025】
液晶パネルとメインシャシーとの間の空間は、図1に示した本実施形態で説明したと同様に、液晶パネルのコネクタと接続する電気配線類の配置空間となっているので、液晶パネル裏面にチューブを配置して放熱部を形成するための特別の空間を要するものではない。したがって、図4に示す実施形態においても、デスクトップ型コンピュータの現行の筐体の外形寸法に変更を加えることなく放熱部を設置できるので、コンピュータの薄型化、小型化に寄与できるものである。
【0026】
更に、液晶パネル裏面は大きな金属表面積を有しているので、この大表面積を利用して効率良く放熱できる。また、液晶パネルとメインシャシーとの間を覆うカバーの下方部に空気取り入れの入気口を開けるとともにその上方部にも空気排出口を設けることによって、下方部の入気口から上方部の排出口への空気流通経路が形成されて、いわゆる煙突効果により放熱効果の向上が期待できる。
【0027】
また、図1に示す実施形態における放熱部への空気流通の構成例として、液晶パネルとメインシャシーとの間を覆うカバーの下方部及び/又は上方部に空気送風用のファンを設ける構造を図10に示す。図10に示すファンを採用することによって、空気の搬送を一層促進することができる。更に、ファンを設けることで大量の冷却用空気を搬送することができるので、入気と排気のための下方部と上方部の開口部を狭くすることができから、装置の薄型化を図ることができるとともに塵埃の流入を低減できるという効果がある。
【0028】
次に、図5は、本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷の液漏れ防止に関する構成を示すものである。本実施形態は、図1に示す実施形態に示したように受熱ヘッドからの熱をメインシャシー表側で放熱する構成のものについて、放熱部での冷媒液の漏れが発生した場合の対策手法である。コンピュータ本体とスタンドとからなる液晶表示のデスクトップ型コンピュータは、使用時においても非使用時においても、コンピュータ本体は直立状態か又は直立状態からやや傾斜した状態でスタンドに保持されており、一方、液冷装置で液漏れの発生しやすい放熱部から液漏れした液は前記コンピュータ本体の傾斜状態からしてメインシャシーの最下部に漏れ落ちることとなる。そこで、メインシャシーの最下部に液受けを設けることが本実施形態の特徴となっている。
【0029】
図5によると、放熱部で漏れた液はメインシャシー表側表面を伝って下降してメインシャシーの最下部の液受けで回収される。図5では液受けはメインシャシー最下部に取り付けられているが、メインシャシーと一体構造のものであっても良い。また、他の構成例として、カバーと一体的な液受けであって(図5に示す構成例)、メインシャシー表面を伝わって落下する液を回収するものであっても良い。
【0030】
更に、液漏れが発生しやすい箇所として冷媒液チューブの接続部分又は結合部分が考えられるので、受熱ヘッド及びポンプからの液漏れに対して、メインシャシーの裏側に液受けを設けても良い(前記チューブ接続部分から漏れた液がチューブ外表面を伝ってメインシャシー裏面に沿って下降するので)。また、ポンプ又は受熱ヘッドを取り付けたマザーボードの最下部から落下する漏れ液に対処するのに、マザーボード最下部に対応した箇所にカバーと一体的な構造の液受けを設けても良い。更に、スタンドにおけるコンピュータ本部の近傍箇所に液受けを設けても良い。
【0031】
以上のように、図1と図5に示す実施形態によれば、漏れた冷媒液を回収できると共に、冷媒液の漏れによるスタンド内の機器に対する被害を防止できる。
【0032】
次に、図6は、本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷及び空冷に関する構成を示すものである。図6に示す実施形態は、マザーボードに配置されたCPU上にに受熱ヘッドを固定してCPUで発生する熱を受熱ヘッドに伝達し、受熱ヘッドはチューブ内の冷媒液(水又はエチレングリコール)を通してメインシャシー表側又は液晶パネル裏面の放熱部に発生熱を伝達するとともに(図1と図4に示す実施形態と同様に)、前記受熱ヘッドに放熱フィンを設置する構造のものである。
【0033】
換言すると、図6に示す実施形態は、受熱ヘッド上に設けた放熱フィンから放熱しきれない熱分を液冷によって放熱しようとするものである。デスクトップ型コンピュータではマザーボード裏面と背面カバーとの間にはスペースに余裕が有るので本実施形態のような放熱フィンを設置することが余分な外形サイズの変更とはならない。図6の(2)には、受熱ヘッド上の放熱フィンの上に更にファンを設けた構造を示す。送風用ファンを設けたことによって放熱フィンからの放熱を効率良く且つ迅速に実施できるものである。
【0034】
以上のように、図6に示す実施形態は、CPU等の発熱源に対して、液冷と空冷とを組み合わせて適用するので、最大放熱量を大きくすることができるとともに放熱効率を高めることができる。また、水などの冷媒液が凍結するというような液冷装置の異常時が発生した場合にも、受熱ヘッドに固設した放熱フィンによる空冷効果によって、コンピュータの動作を継続することができ得るという効果を奏するものである。
【0035】
次に、図7、図8及び図9は、チューブにおける放熱部の形状、構造に関する構成例を示す図である。図7の(1)は液晶パネルとメインシャシーとの間に螺旋状のチューブを配置し放熱することを示す断面図であり、図7の(2)は図7の(1)を上部から見た平面図であり、図7の(3)は液晶パネルとメインシャシーとの間に螺旋状のチューブを配置し、且つアルミ等の筒をチューブの中心に配置させて放熱することを示す断面図である。図7に示す構成例によると、受熱ヘッドからメインシャシー開口部を通って来たチューブは液晶パネル裏面に導かれ当該裏面に沿って配設された後にメインシャシー側に導かれてメインシャシー表面に沿って配設されて(配設順序を逆にしても良い)、放熱部を形成する構造を採用するものである。この構造によって、液晶パネルとメインシャシーの双方を放熱面とすることができるので更に放熱効果が期待できる。図7の(3)は、液晶パネルとメインシャシーに配設した螺旋状チューブの中央空間にアルミ等の放熱用金属を配置する(かませる)ことにより、より一層の放熱効率を向上させようとするものである。
【0036】
図8は、発熱体を設けたマザーボードと背面カバーとの間に螺旋状のチューブを配置し、且つ螺旋状チューブで囲まれた中央空間にアルミ等の筒状の放熱用金属を配置して放熱することを示す構成例である。図8では筒状金属の上方部と下方部に対応するカバーに、空気流通用の開口を設けて入気口と排気口を設ける。
【0037】
そして、筒状金属を中空体構造とすることによって、入気口から中空体内部を経て排気口に至る空気経路が形成され、チューブから筒状金属に伝達された熱が煙突効果で効率良く冷却される。
【0038】
図9の(1)は、液晶パネルとメインシャシーとの間にチューブを接触・固定せずに配置して放熱することを示す図であり、図9の(2)は、液晶パネルとメインシャシーとの間隔がチューブ径と略等しく、チューブの全域で液晶パネルとメインシャシーに接触して放熱することを示す図である。
【0039】
次に、図11には、冷媒液送給用のポンプ、受熱ヘッド(ウォータージャケットW/J)、チューブ、螺旋状で又はジグザグ構造で又は蛇行したチューブ放熱部からなる放熱系統と冷媒液の流れ方向との関係を示す。図11の(1)は図示のような液流れ方向であるので、ポンプから放熱部を経た頭頂部までの流路が長くなるためにポンプ容量はその分だけ大となるが、放熱部を含めたチューブ内の冷媒液に発生した気泡は流れに沿って上方に逃げて気泡抜き効果が大である(気泡抜き口を頭頂部に設けている)。また、図11の(2)は図示のような液流れ方向であるので、ポンプから頭頂部までの流路が図11の(1)のものに比べて短くなるためにポンプを小型化できる。更に、図11の(3)は、前述したようにデスクトップ型コンピュータにおける発熱源としてCPUの外に複数の発熱体があるので、複数の発熱体に対応して複数の受熱ヘッドを設け、これらの受熱ヘッド直列にしてチューブで接続することを示す。
【0040】
次に、図12は、冷媒液の液補充を行うリザーブタンクの機能と、チューブ放熱部での気泡抜き機能とを示す模式図である。図12によると、冷媒液の循環経路の最上部、即ちチューブ螺旋状構造(放熱部)の上部に液溜めのリザーブタンクを設け、チューブからの液漏れや液蒸発の場合に、リザーブタンク内の液が補充液として機能する。また、リザーブタンクを液循環経路の最上部に設置することで、循環経路で発生した気泡が前記タンクに抜け出ることとなる。
【0041】
更に、図12に示すチューブ放熱部の形状について、水平状にチューブを往復動させるのではなくて、折り返し点から角度αの傾斜経路を形成して次の折り返点に進むような構造となっている。このように、放熱部で液循環経路を傾斜形状とすることにより、放熱部で発生した冷媒液中の気泡がリザーブタンクに逃げやすくなる。即ち、若干の液漏れ等が原因で冷媒液中に発生した気泡を速やかにリザーブタンクを通して消滅させることができる。
【0042】
次に、図13は、本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷に関する構成例を示すものである。本実施形態は、本体部の裏側に設けられたバックカバー(背面カバー)に冷媒液チューブの放熱部を形成するものであり、バックカバは通常、金属又はプラスチックでできているので放熱部から表面積大であるバックカバーを通して外気に熱放散できる。バックカバーのプラスチックは金属と同程度の放熱特性を有している。更に、図13はバックカバーに配設したチューブ放熱部の下方に冷媒液の漏れ液を回収する液受けを設ける構造を示している。
【0043】
図13に示す構成において、コンピュータの保守点検時にバックカバを取り外して本体内部の各種機器を点検するが、本実施形態ではこの保守点検のことを考慮してバックカバーを取り外し構造とするのではなくて、蝶番構造で開閉自在とするものである。また、放熱部を本体部に固定したバックカバーに設置して、保守点検は、液晶パネルを底辺側を回動支点として前面側に倒して、液晶パネルを側辺側を回動支点として開けて内部機器を点検できるようにしても良い。
【0044】
次に、図14は、本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷に関する構成例を示すものである。本実施形態は、コンピュータの前面から見て、液晶パネル、マザーボード、メインシャシー、放熱部、バックカバーの順で配置されている。そして、バックカバーを本体部から取り外しできる構造とし、このバックカバーに対向してメインシャシーを設け、このメインシャシーに放熱部を取り付ける構成であって、且つ当該放熱部に弾性機能を備えた熱伝達体を介在させてバックカバーに熱伝達する構成である。即ち、弾性熱伝達体を介して放熱部はバックカバーと隙間無く当接しているので放熱効果が良いものである。
【0045】
本実施形態によれば、放熱面積大のバックカバーを通して放熱できるとともに、バックカバーの取り付け誤差を弾性熱伝達体で吸収できるものである。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、液晶ディスプレイ装置を有するデスクトップ型コンピュータのCPU等の高発熱源からの発生熱を効率良く外部に放散させることができる。
【0047】
また、本発明の構成を採用すれば、コンピュータ本体部の外形形状のサイズを変更することなく放熱効果を上げることができる。
【0048】
更に、既存の本体部カバーの穴開けによって空気の煙突効果による放熱効率の向上が期待できる。
【0049】
また、冷媒液を用いた放熱を本発明が採用することに伴って発生する液漏れ、気泡発生の被害を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷に関する全体構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す全体構成の内でメインシャシーにチューブ及び液受けを固定した前面図である。
【図3】図1に示す全体構成の内でマザーボードに(CPU+受熱ヘッド)及びポンプを配置した背面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷に関する構成例であって液晶パネルにチューブを固定し放熱する断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷の液漏れ防止に関する構成例を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷及び空冷に関する構成例を示す図である。
【図7】本実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷におけるチューブの配置に関する構成例を示す断面図である。
【図8】本実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷におけるチューブの配置に関する他の構成例を示す断面図である。
【図9】本実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷におけるチューブとメインシャシー及び液晶パネルとの配置関連の構成例を示す断面図である。
【図10】本実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷に関する構成でファンによる排熱を示す断面図である。
【図11】本実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷におけるポンプ、受熱ヘッド、チューブの配置と液流れ方向とを示す模式図である。
【図12】本実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷における冷媒液の液補充を行うリザーブタンクの機能と、チューブ放熱部での気泡抜き機能とを示す模式図である。
【図13】本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷に関する構成例であって背面カバーにチューブ及び液受けを配置する断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係るデスクトップ型コンピュータの液冷に関する構成例であって、背面カバーに対向するメインシャシーにチューブを配置する断面図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ本体
2 スタンド
3 メインシャシー
4 マザーボード
5 液晶パネル
6 チューブ
7 ポンプ
8 受熱ヘッド
9 CPU
10 HDD
11 液受け
12 カバー
13 入気口
14 排気口
Claims (1)
- 循環する冷媒液によりCPU等の発熱部を冷却するコンピュータの冷却装置において、
前記発熱部の発生熱を冷媒液に受熱する受熱ヘッドと、
前記コンピュータの鉛直面に設けられ且つ前記冷媒液の循環経路の途中に設けられて、鉛直上部から鉛直下部に通流する冷媒液を冷却する放熱部と、
前記冷却装置の鉛直下部に配置され、前記放熱部から前記受熱ヘッドの順に通流した冷媒液を吸入し、前記冷媒液の循環経路の頭頂部に冷媒液を吐出して、前記放熱部から前記受熱ヘッドの順に冷媒液を循環させるポンプと、を備え、
前記冷媒液の循環経路の頭頂部には前記放熱部の一部が形成され、前記冷媒液の循環経路の下部位置には前記ポンプが配置され、
前記ポンプから前記冷媒液の循環経路の頭頂部に形成された前記放熱部の一部までの冷媒液の上昇流路長を、前記冷媒液の循環経路の頭頂部から前記放熱部と前記受熱ヘッドを経由して前記ポンプに環流する冷媒液の下降流路長より短くする
ことを特徴とするコンピュータの冷却装置。
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