JP4332821B2 - ばら物運搬船 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭、鉄鉱石、ウッドチップなど、不定形個体や粉体を海運するばら物運搬船に関するのであり、詳しくは、船艙が前後方向に隔壁で仕切り形成された複数の貨物室を有するとともに、各貨物室の隔壁を貫通して設置した船底部の切出ベルトコンベヤを主体とするアンローディングシステムを備えたばら物運搬船に関する。
【0002】
【従来の技術】
ばら物運搬船に、切出ベルトコンベヤを主体とするアンローディングシステムを備えさせるとともに、座礁や衝突によって船体が損傷を受けたときの浸水が船体全体に及んで沈没することがないようにしたものを本発明の特許出願人は特開平5−124576号公報で提示した。
【0003】
上記の発明に開示したばら物運搬船は、各貨物倉の下端から切出されたばら物を受けて船首または船尾に移送する無端の切出コンベヤを、船艙を仕切る複数の隔壁に形成した開口部を順次貫通して配設するとともに、開口部に切出コンベヤのベルトを挟んで水密に閉鎖可能な扉装置を備えたものであり、隔壁の開口部を扉装置で閉塞することにより一つの貨物室の浸水が他の貨物室に及ばないようにしている。
【0004】
図6に示すように、この従来のばら物運搬船の扉装置55は、ベルト50の往路部分50aの上方に位置させた第一の扉体51と、往路部分50aと復路部分50bとの間に位置させた第二の扉体52と、復路部分50bの下方に位置させた第三の扉体53とを備え、第一の扉体51と第二の扉体52が昇降可能とされ、第三の扉体53は船底54内面に水密に固定されている。
【0005】
扉装置55を閉鎖するときは、第一の扉体51の上方のエアシリンダからなる昇降装置56を稼働させて第一の扉体51と第二の扉体52を下降させ、各扉51、52、53でベルト50の往路部分50aと復路部分50bを上下方向から扁平状態に挟み付けて水密に密接させ、隔壁57の開口部58を水密に閉鎖することにより隔壁57で仕切られた他の貨物室への浸水を防止するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、実開平2−33916号公報に図示されたばら物運搬船のように、貨物室を一つの貨物倉としてばら物を収納し、貨物倉内に払出機を自動走行させてばら物を貨物倉の底のスリットから切出コンベヤに払い出すようにしたセルフアンーロダ船では、前記従来の扉装置55は、昇降装置56のシリンダーが第一の扉体51の上方に突出しているので、その設置には上部スペースの高さを高くとるため、貨物倉の底を床高に構築しなければならず、貨物倉の床高は貨物の積載効率を悪くすると共に、貨物倉の床の低い船には使用することが出来なかった。
【0007】
また、切出コンベヤベルト50の往路部50aは所定間隔で設置されたトラフ形アイドラ59によってトラフ形に張設されており、トラフ形ベルトを第一、第二の扉体51、52で挟んで下方に押し下げ扁平に挟圧することは、挟まれたベルト部分に強いストレスがかかるばかりてなく、ベルトの反発力によって扉体51、52のパッキンのシール漏れが発生する心配があり、水密性に不安があった。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、貨物室の隔壁を貫通して設置された切出コンベヤのベルトを挟んで隔壁の開口部を水密に閉鎖する扉装置を小スペース化するとともに、扉装置の水密性を改良することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無端のベルトからなる切出コンベヤが貫通する隔壁の開口部に設置され前記ベルトを挟んで開口部を水密に閉鎖する扉装置を備えたばら物運搬船において、扉装置は、前記隔壁の開口部に水密に固定した枠体と、前記ベルトのトラフ形の往路ベルトの上面に嵌合可能な突形に形成され前記往路ベルトの上方に軸回動可能に取り付けた回動扉体と、前記往路ベルトと復路ベルトとの間に昇降可能に位置させた上面がトラフ形の中間扉体と、前記復路ベルトの下方に昇降可能に位置させた昇降扉体とを備え、閉鎖時には、前記回動扉体が下方へ回動して前記枠体に水密に圧接し、且つ前記昇降扉体と中間扉体とが上昇して前記ベルトを挟むと共に前記枠体へ圧接して前記開口部を水密に保持する構成とされており、往路ベルト上方の扉体を回動扉としたことにより上部設置スペースの高さを低くでき、また、往路ベルトをトラフ形に保持したまま挟むことによりベルト部分の水密性を確実にすると共に各扉体を枠体へ圧接させることにより扉装置全体の水密性を向上させた。
【0010】
また、枠体の各扉体との当接面および前記各扉体相互の当接面に水密パッキンを設け、水密性を確実にする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1乃至図5は本発明の実施の形態を示すもので、図1は本発明のばら物運搬船の概容を模試的に示しており、船艙1を隔壁2で仕切って船体縦方向に複数の、図示形態では三つの貨物室3が形成されている。各貨物室3は、ばら物を収納し床板5に積載ばら物を払い出すスリット4を有するホッパー状の貨物倉3aと、床板5下方の空間である船底部3bとに上下に区画されおり、貨物倉3a内には積載ばら物をスリット4から払い出す払出機8が走行可能に設置されていると共に、船底部3bにはスリット4から払い出されたばら物を受送る無端ベルトからなる切出コンベヤ6が船底部3bの隔壁2aに開設した開口部7を貫通して設置されている。
【0013】
各貨物倉3aから切出コンベヤ6に払い出されたばら物は、船尾の上甲板9の上方へ延びる垂直ベルトコンベヤ10に移送され、垂直ベルトコンベヤ10から更に陸揚用コンベヤ11に移送され、陸揚用コンベヤ11の送出端から埠頭の所定箇所に送り出されるようになっている。
【0014】
また、船底部3bの隔壁2aの開口部7には、図2乃至図5に示すように、切出コンベヤ6のベルト12の往路ベルト12aと復路ベルト12bとを挟んで水密に閉鎖する扉装置13が備えられている。
【0015】
本実施の形態における扉装置13は、船底部3bの隔壁2aに開設した開口部7に水密に固定して設けた枠体14と、ベルト12のトラフ形の往路ベルト12aの上面に密接に嵌合可能な突形に形成され往路ベルト12aの上方に軸回動可能に取り付けた回動扉体15と、往路ベルト12aと扁平な復路ベルト12bとの間に昇降可能に位置させた上面がトラフ形の中間扉体16と、復路ベルト12の下方に昇降可能に位置させた昇降扉体17とを備え構成されている。
【0016】
枠体14内を貫通して張設されたベルト12の貨物を運ぶ往路ベルト12aは、開口部7の近傍と扉装置13の近傍のトラフ形アイドラ6aによってトラフ形に支持されており、復路ベルト12bは、平形アイドラ6bによって平形に支持されている。
【0017】
枠体14は、各扉15、16、17が閉鎖時に圧接して水密性を高める為のものであり、扉15、16、17が圧接する面には護謨材からなる断面山形形状の水密パッキン18が枠体14の開口を囲むように固着されている。
【0018】
回動扉体15は、トラフ形の往路ベルト12aの長さ方向に沿って縦回動可能に上部電動駆動装置に軸着支持されており、図3に示すように、扉装置13が開放状態のときは、往路ベルト12aの上方に平行して軸止され、扉装置13の上部スペースの高さを低くするようにしてある。また、閉鎖時に往路ベルト12aの上面と圧接する突形に形成された下面には、護謨材からなる帯状の水密パッキン19が固着されている。
【0019】
中間扉体16は、その両端部が枠体14と装置フレーム21との間に昇降可能に挟まれて支持されており、閉鎖時には、上昇する昇降扉体17によって復路ベルト12bを介して押し上げられ、開く時には自重で元の位置に迄降下するように設定されている。
【0020】
また、装置フレーム21の端縁部と対面する中間扉体16の両端部には、上向き傾斜面を有する楔形の二対のスライドシュー24が突設されている。また、閉鎖時にベルト12に圧接する中間扉体16のトラフ形の上面と平坦な下面には、それぞれ護謨材からなる帯状の水密パッキン22、23が固着されている。
【0021】
最下方に位置する昇降扉体17は、その両端部が枠体14と装置フレーム21との間に挟まれ、且つ下部電動駆動装置25により駆動する一対のウォームジャッキ26によって昇降可能に支持されている。
【0022】
また、装置フレーム21の端縁部と対面する昇降扉体17の両端部には、上記中間扉体16と同様の上向き傾斜面を有する楔形の一対のスライドシュー27が突設されている。また、閉鎖時に復路ベルト12bの下面と当接する昇降扉体17の平坦な上面には、護謨材からなる帯状の水密パッキン28が固着されている。
【0023】
装置フレーム21の端縁部には、中間扉体16と昇降扉体17の各スライドシュー24、27に対応して、先端にボールが埋設された周知のクランピングボルト29が、スライドシュー24、27の数だけスライドシュー24、27が上昇したとき当接する位置に突設されている。
【0024】
以上のように構成された本実施の形態のばら物運搬船における扉装置13が積載ばら物を払い出すために開いた状態にあるときは、図2の左半分および図3に示すように、回動扉体15は往路ベルト12aの上方で平行状態に軸止されており、回動扉体15と走行するトラフ形の往路ベルト12aとの間隔は搬送ばら物が通過できる充分な距離に保持されている。
【0025】
また、往路ベルト12aの扉装置13を貫通している部分は、扉装置13と開口部7近傍のトラフ形アイドラ6aによって搬送貨物がこぼれ落ちない充分な深さのトラフ形に保形されている。扁平な復路ベルト12bは中間扉体16と昇降扉体17との間隙を通り抜けて走行する。
【0026】
船の航行中など、海難浸水の拡大の防止の為に扉装置13を閉鎖するときは、上部電動駆動装置20の駆動により回動扉体15を軸回動させて下降させ、図2の右半分および図4、5に示すように、垂直状態の位置で枠体14の水密パッキン18に圧接させる。また、下部電動駆動装置25でウオームジャッキ26を駆動させ、昇降扉体17を上昇させて復路ベルト12bを押し上げるとともに中間扉体16を押し上げ、中間扉体16を中にしてベルト12を三つの扉体15、16、17で挟み、それぞれの水密パッキンを19、22、23、28を介して互いに水密に圧接させる。
【0027】
また、中間扉体16と昇降扉体17の上昇作動により楔形のスライドシュー24、27が装置フレーム21のクランピングボルト29の先端に摺接し、上昇する扉体16、17は楔効果によって枠体14の水密パッキン18に圧接される。
【0028】
従って、各扉体15、16、17は水密にベルト12を挟んで閉鎖すると共に枠体14に水密に圧接して隔壁2aの開口部7を確実に密閉する。
【0029】
また、トラフ形の往路ベルト12aは、トラフ形に嵌合する突形に形成された回転扉体と、トラフ形に形成された中間扉体とによってトラフ形を保持したまま挟まれるので、挟まれたベルトの部分に無理な負担がかからず、従来、ベルトの応力によって水密パッキン19、22の圧接部に発生しがちだった水密漏れが防止される。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0031】
ばら物運搬船の切出コンベヤが貫通する隔壁の開口部に浸水防止用の扉装置を設け、扉装置は、トラフ形の往路ベルトに嵌合可能な突形に形成して軸回動可能に取り付けた回動扉体と、昇降可能な上面トラフ形の中間扉体と、昇降可能な昇降扉体とを備え、開放状態の時には、回転扉体が往路ベルトと平行に軸止されており、閉鎖状態の時には、各扉体が水密にベルトを挟むとともに、開口部の枠体に水密に圧接する構成としたので、従来の扉装置に比較して扉装置の上部スペースの高さを低くすることが可能となり、その分、貨物倉の床板を低く構築して貨物倉の積載効率を高めることができる。また、設置スペースの高さが低く浸水拡大防止用の扉装置の設置が難しかった小型ばら物運搬船にも設置を可能とした。
【0032】
また、扉装置の閉鎖時には、トラフ形の往路ベルトをトラフ形に保持したまま挟むようにしたので、ベルトに局部的な強い変形を強いることがなくり、ベルトの反発力によるパッキンのシール漏れが解消され、より水密性の高い扉装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のばら物運搬船の概容を示す一部を破断した側面図。
【図2】図1のばら物運搬船の扉装置を示す、左半分が開放時の正面図、右半分が閉鎖時の正面図。
【図3】図2のAーA矢視方向を示す断面図。
【図4】図2のBーB矢視方向を示す断面図。
【図5】図2のCーC矢視方向を示す断面図。
【図6】従来例を示す正面図。
【符号の説明】
1 船艙,2 隔壁,2a 隔壁,3 貨物室,3b 船底部,6 切出コンベヤ,7 開口部,12 ベルト,12a 往路ベルト,12b 復路ベルト,13 扉装置,14 枠体,15 回動扉体,16 中間扉体,17 昇降扉体,18 水密パッキン,19 水密パッキン,22 水密パッキン,23 水密パッキン,
Claims (2)
- 船艙を隔壁で仕切って船体縦方向に複数の貨物室を形成し、前記貨物室の船底部の隔壁に開設した開口部を貫通して無端のベルトからなる切出コンベヤを設置するとともに、前記ベルトを挟んで前記開口部を水密に閉鎖する扉装置を備えたばら物運搬船において、扉装置は、前記隔壁の開口部に水密に固定した枠体と、前記ベルトのトラフ形の往路ベルトの上面に嵌合可能な突形に形成され前記往路ベルトの上方に回動可能に取り付けた回動扉体と、前記往路ベルトと復路ベルトとの間に昇降可能に位置させた上面がトラフ形の中間扉体と、前記復路ベルトの下方に昇降可能に位置させた昇降扉体とを備え、閉鎖時には、前記回動扉体が下方へ回動して前記枠体に水密に圧接し、且つ前記昇降扉体と中間扉体とが上昇して前記ベルトを挟むと共に前記枠体へ圧接して前記開口部を水密に保持する構成としたことを特徴とするばら物運搬船。
- 枠体の各扉体との当接面および前記各扉体相互の当接面に水密パッキンを設けたことを特徴とする請求項1記載のばら物運搬船。
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