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JP4333624B2 - 光記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、高密度な情報の記録、或いは再生が可能な二層の情報面を有する光記録媒体の製造方法に関する。
一般に、オーディオ、画像用途、コンピュータメモリとして、レーザ光を用いて情報の再生、記録、消去を行うDVD等の光ディスクに代表される光記録媒体が知られている。この光記録媒体の記録再生装置においては、光ピックアップのレンズの高開口度化、レーザ光の短波長化等により、光ディスクの記録の高密度化が行われている。この高密度化のためには、光ピックアップの対物レンズと光ディスクの反射膜との間の距離を短くしてレンズ収差を抑制する必要がある。すなわち、コマ収差を抑制するために、レーザ光が通過する厚さを薄くする必要がある。
高密度光ディスクとしては、例えば、厚さ1.1mmの基板の表面にピット列又は記録溝からなる情報が形成されていて、それらはトラックピッチ0.32μm、最短記録ピット0.16μmであって、直径12cmのディスク上に信号方式が2T(T:基準フロック長)系で22GB〜27GBの記録容量を有しているものである。上記基板の表面のピット又は記録溝上の情報面(記録面)には、この情報面を保護し、レーザ光を透過させるための厚さ90μmから110μmの光透過層が形成されている。さらに、記録密度を高密度にするために情報面の数を増やす必要があり、情報面を二段重ねにする光ディスクが提案されている。
上記のように情報面を2段にするには、1段面の情報面は、基板の表面に直に形成されているので特に問題はないが、2段目の情報面を形成するは、下地の記録層等の上に、紫外線硬化樹脂層等を塗布してこの表面に透明な例えばポリカーボネート樹脂性のスタンパを用いて溝やピットを転写することにより2段目の情報面を形成することが検討されていた。このようなディスク構造としては、例えば特許文献1や特許文献2などに開示された光記録媒体が知られている。
一般的には、スタンパとしてはニッケル金属が用いられるが、上記のように2段目の情報面の形成時に透明なポリカーボネート樹脂等よりなる樹脂スタンパを用いる理由は、2段目の情報面が形成される材料は紫外線硬化樹脂層であるので、この樹脂層を硬化させるためにスタンパは紫外線に対して透明である必要があるからである。
国際公開番号WO99/00794号公報 特開2003−77187号公報
ところで、一般に、紫外線硬化樹脂は、ニッケル金属に対しては接着性が低いので両者は容易に分離できるが、ポリカーボネート樹脂に対しては接着性が非常に高く、両者は分離が非常に困難である。従って、樹脂スタンパを、溝やピットが転写された後に紫外線硬化樹脂層から分離するのがかなり困難となってしまう。
そこで、透明な樹脂スタンパに紫外線硬化樹脂層が接着しないようにして両者が容易に分離できるようにするために、四フッ化物などの剥離層を間に設ける方法やアモルファス・オレフィン系樹脂の透明な樹脂スタンパを用いる方法などが開示されている。また先の特許文献2においては、紫外線硬化樹脂に対して付着力の小さいテフロン系樹脂層を介在させる方法が提案されている。
しかしながら、上述のように透明な樹脂スタンパの表面に、紫外線硬化樹脂層に対する分離を容易にするためのテフロン系樹脂層のような特別な薄膜を形成する場合には、溝やピットの転写性を劣化させるのみならず、特別な薄膜を形成するための工程数が増加するので、その分、ランニングコストが高くなって製品コストを上昇させてしまう、という不都合があった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、紫外線硬化樹脂層に対する分離を容易にするための特別な薄膜を透明な樹脂製スタンパに形成することなく、容易に分離させることができる二層構造の情報面を有する光記録媒体の製造方法を提供することにある。
本発明の関連技術は、溝またはピットが形成されている第1の情報面を有する基板上に、第1中間層と、溝またはピットが形成されている第2の情報面を有する光硬化性樹脂製の情報層と、第2の中間層と、光透過性の保護層とを少なくとも順次積層してなる光記録媒体において、前記情報層をトリメチロールプロパントリアリクレートを8〜14%含む紫外線硬化樹脂により形成するようにしたことを特徴とする光記録媒体である。
請求項1に係る発明は、溝またはピットが形成されている第1の情報面を有する基板上のZnS−SiO 成膜面上に、第1の中間層と、溝またはピットが形成されている第2の情報面を有する光硬化性樹脂製の情報層と、光透過性の保護層とを少なくとも順次積層して光記録媒体を形成する方法において、前記情報層を形成するに際して、前記第2の情報面に対応する溝またはピットが表面に形成されたポリカーボネート樹脂製のスタンパに、トリメチロールプロパントリアクリレートを8〜14%含む紫外線硬化樹脂層を接触させて前記スタンパ側から紫外線を照射して硬化させることにより前記情報層を形成するようにしたことを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
本発明に係る光記録媒体の製造方法によれば、次のように優れた作用効果を発揮すことができる。
紫外線硬化樹脂層に対する分離を容易にするための特別な薄膜を透明な樹脂製スタンパに形成することなく、容易に分離させることができる。
従って、特別な薄膜を形成する必要がないので、溝やピットの転写性を高く維持することができるのみならず、工程数を少なくすることができるので、その分、ランニングコストや製品コストを低減させることができる。
以下に、本発明に係る光記録媒体の製造方法の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る光記録媒体の一部を示す拡大断面図、図2は図1に示す光記録媒体の製造工程を示す工程図、図3は情報層を形成する際の他の方法を示す説明図、図4はトリメチロールプロパントトリアクリレートの添加率と塗膜残存率との関係を示すグラフである。ここでは光記録媒体の一例として二層の記録面を有する記録型光ディスクを例にとって説明する。

図1に示すように、この光記録媒体の一例としての光ディスクDは、円板状の基板2を有している。そして、この基板2の表面に、溝(記録溝)またはピット4が形成されて第1の情報面2Aとなっている。そして、この基板2の第1の情報面2A上に、第1の中間層6、本発明の特徴とする情報層8、第2の中間層10及び光透過性の保護層12がこの順序で順次積層して形成されている。そして、上記保護層12の上面より、記録或いは再生用のレーザ光Lが照射される。また上記情報層8の表面(上面)に、溝(記録溝)またはピット16が形成されて第2の情報面8Aとなっている。
上記基板2は射出成形機に光ディスク専用金型を装着し、ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂を材料として射出成形によって製造される。上記光ディスク用金型内には、スタンパーと呼ばれる円盤状のニッケル盤が装着されている。このニッケル盤の表面には、高密度情報として、ピット列又は記録溝からなる情報面が形成されていて、例えばそれらはトラックピッチが0.32μm、最短記録ピットが0.16μmであって、直径12cmのディスク上に信号方式が2T系で22GB〜27GBの記録容量を有しているものである。このような射出成形工程によって上記ピット等が転写されて表面に上記第1の情報面2Aの形成された基板2が製造される。
上記第1の中間層6は、例えばAl等の反射膜、GeSbTe等の記録膜及びZnS−SiO 等の誘電体膜を順次積層することにより形成される。
また上記情報層8は、トリメチロールプロパントトリアクリレートを8〜14%含む紫外線硬化樹脂により形成され、この表面に、後述するように光透過性樹脂製のスタンパにより上記第2の情報面8Aが形成されることになり、スタンパに対する分離性を改善している。
上記第2の中間層10は、例えばGeSbTe等の記録膜及びZnS−SiO の誘電体膜を順次積層することによって形成される。上記保護層12は例えばポリカーボネート樹脂フィルム等が用いられる。
次に上記光ディスクDの具体的な製造工程について図2を参照して説明する。
まず、図2(A)は、表面に溝やピット4が形成されて第1の情報面2Aとなっている基板2であり、この基板2はポリカーボネート樹脂などにより成形されている。そして、図2(B)に示すように、この基板2の上に、スパッタや蒸着によりAl合金等の反射膜を10〜100nm、GeSbTe系記録膜を100〜130nm、ZnS−SiO 誘電体膜を15〜30nmそれぞれ順次成膜して第1の中間層6を形成する。
次に、図2(C)に示すように、溝やピット16が形成されているポリカーボネート樹脂等よりなる光透過性樹脂製のスタンパ20にトリメチロールプロパントリアクリレートが8〜14%添加されている紫外線硬化樹脂層22をスピンコーターで塗布し、真空中でこの紫外線硬化樹脂層22を、上記第1の中間層6に貼り合わせ、図2(D)に示すように透明なスタンパ20側から紫外線UVを照射して硬化させる。
この場合、上記図2(C)の工程に代えて、図3に示すように、上記第1の中間層6上に紫外線硬化樹脂層22をスピンコーターで塗布し、真空中でこの紫外線硬化樹脂層22上に透明なスタンパ20を押し付けるようにしてもよい(図2(D)参照)。
上記のように、上記紫外線硬化樹脂層22を紫外線UVの照射により硬化させることにより情報層8が形成されることになり、この硬化後に、上記透明なスタンパ20を分離乃至剥離させる。これにより、図2(E)に示すように、上記透明なスタンパ20の溝またはピット16が転写されて情報層8の上面に第2の情報面8Aが形成されることになる。この場合、上述したように、上記情報層8は、トリメチロールプロパントリアリクレート(共栄社化学(株)製)を8〜14%含む紫外線硬化樹脂により形成しているので、上記透明なスタンパ20は剥離性が良く、容易に分離できるのみならず、転写性も高く維持することができる。しかも、下地である第1の中間層6に対する接着性(密着性)を高く維持することができる。
次に、図2(F)に示すように、GeSbTe系記録膜を100〜130nm、ZnS−SiO 誘電体膜を15〜30nm順次成膜し、第2の中間層10を形成する。そして、この第2の中間層10の上に厚さ100μmの紫外線硬化樹脂またはポリカーボネート樹脂フィルムよりなる透明な保護層12を形成することにより、図2(G)に示すように光ディスクDを完成する。ここで上記第1及び第2の中間層6、10は、共に記録層としての機能を有し、二層記録面の記録型光ディスクとなる。
このように、本発明によれば、紫外線硬化樹脂層に対する分離を容易にするための特別な薄膜を透明な樹脂製スタンパに形成することなく、容易に分離させることができる。
従って、特別な薄膜を形成する必要がないので、溝やピットの転写性を高く維持することができるのみならず、工程数を少なくすることができるので、その分、ランニングコストや製品コストを低減させることができる。
次に、上記透明なスタンパ20の紫外線硬化樹脂層22(情報層8)に対する分離性(剥離性)について検討して評価を行ったので、その評価結果について説明する。
図4はトリメチロールプロパントトリアクリレートの添加率と塗膜残存率との関係を示すグラフである。
この評価実験においては、溝やピットが形成されているポリカーボネート樹脂などの基板2の上にスパッタや蒸着により先に説明したように、Al合金反射膜、GeSbTe系記録膜及びZnS−SiO 誘導体膜を順次積層形成して第1の中間層6を形成した。そして、この第1の中間層6上に、エポキシアクリレート5g、イソボルニルアクリレート65g、ポリイソボルニルアクリレート30gの混合液に対して、全体としてトリメチロールプロパントリアクリレートを0、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、25、30%の各添加率でそれぞれ添加し、さらに光開始剤3%を添加してある紫外線硬化樹脂22をスピンコーター(600rpm)で塗布し、これに紫外線(365nm)を1000mj/cm (積算光量)照射して硬化させた。同様に、ポリカーボネート樹脂基板にトリメチロールプロパントリアクリレートが添加されている紫外線硬化樹脂を塗布し、硬化させた。
同様に、ポリカーボネート樹脂基板をスタンパ20に見立て、これに上記と同様にトリメチロールプロパントリアクリレートを添加してなる紫外線硬化樹脂層を塗布し、硬化させた。
上記のように硬化した各紫外線硬化樹脂をクロスカット法(碁盤目セローテープテスト)で付着性(塗膜残存率)を測定した。その結果を図4に示す。図4より、トリメチロールプロパントリアクリレートの添加率が増えると誘電体膜であるSiO −ZnS膜(第1の中間層6)に対する付着性が悪くなり、同様にポリカーボネート樹脂(スタンパ)に対する付着性が悪くなる。ここで理想的には、紫外線硬化樹脂層(情報層8)が誘電体膜に付着し、且つポリカーボネート樹脂(スタンパ20)に付着しないのが最適である。
ここでトリメチロールプロパントリアクリレートの添加率が6%の場合には誘電体膜への残存率は100%、ポリカーボネート樹脂への残存率は18%である。トリメチロールプロパントリアクリレートの添加率が8%の場合には誘電体膜への残存率は100%、ポリカーボネート樹脂への残存率は5%である。トリメチロールプロパントリアクリレートの添加率が10%、12%の場合には誘電体膜への残存率は100%、ポリカーボネート樹脂への残存率は0%である。トリメチロールプロパントリアクリレートの添加率が14%の場合には誘電体膜への残存率は95%、ポリカーボネート樹脂への残存率は0%である。トリメチロールプロパントリアクリレートの添加率が16%の場合には誘電体膜への残存率は87%、ポリカーボネート樹脂への残存率は0%である。従って、誘電体膜に付着して、且つポリカーボネート樹脂よりなるスタンパに付着しないで溝またはピットが樹脂層に転写できるためのトリメチロールプロパントリアクリレートの添加率は8〜14%が有効範囲であることが確認できた。
尚、上記実施例の場合には、記録型の二層構造光ディスクを例にとって説明したが、これに限定されず、再生専用型の二層構造光ディスクにも本発明を適用することができる。再生専用型の光ディスクの場合には、上記第1の中間層6には全反射型の反射膜が含まれ、また第2の中間層10には半透明反射膜が含まれることになる。また、二層の内の一方が記録型で、他方が再生型の二層構造光ディスクにも本発明を適用することができる。
更に、本発明は、光ディスクにおいて高密度の二層構造を可能にすることを主眼としているが、他に光カード、マイクロマシーンなどの微細構造を転写製作するものに適用することができる。
本発明に係る光記録媒体の一部を示す拡大断面図である。 図1に示す光記録媒体の製造工程を示す工程図である。 情報層を形成する際の他の方法を示す説明図である。 トリメチロールプロパントトリアクリレートの添加率と塗膜残存率との関係を示すグラフである。
符号の説明
2…基板、2A…第1の情報面、4…ピット、6…第1の中間層、8…情報層、8A…第2の情報面、10…第2の中間層、12…保護層、16…ピット、20…スタンパ、22…紫外線硬化樹脂、D…光ディスク(光記録媒体)。

Claims (1)

  1. 溝またはピットが形成されている第1の情報面を有する基板上のZnS−SiO 成膜面上に、
    第1の中間層と、
    溝またはピットが形成されている第2の情報面を有する光硬化性樹脂製の情報層と、
    光透過性の保護層とを少なくとも順次積層して光記録媒体を形成する方法において、
    前記情報層を形成するに際して、前記第2の情報面に対応する溝またはピットが表面に形成されたポリカーボネート樹脂製のスタンパに、トリメチロールプロパントリアクリレートを8〜14%含む紫外線硬化樹脂層を接触させて前記スタンパ側から紫外線を照射して硬化させることにより前記情報層を形成するようにしたことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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