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JP4334669B2 - 活線作業用工具の固定装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活線の切断作業、皮剥作業等を行うのに使用されるスティック、ヤットコ等の活線作業用工具を所定の作業箇所、例えば高所作業車のバケットの所定位置に固定するための活線作業用工具の固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
活線作業には危険を伴うため、通電を一時的に止めて作業を行うことが好ましいが、通電を一時的に止めることによる弊害が多大であることから、少なくとも作業者の手で持つ部分が絶縁材料で作られた棒状のスティックやヤットコ等の活線作業用工具が使用されている。
【0003】
従来、上記のような活線作業用工具を使用して、例えば架線の被覆部分の剥離作業を行う場合には、高所作業車のバケットに二人の作業者に乗り、そのうちの一人が、先端に保持具を取り付けたスティックを持って、架線が動かないようにその剥離箇所を保持固定し、もう一人の作業者が、先端に剥離用具を取り付けたスティックを持って、このスティックで遠隔操作しながら被覆部分を剥離すると云うような作業方法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような作業方法では一箇所での活線作業に二人の作業者が必要であることから、本発明は、一人の作業者で活線作業が行えるようにするため、架線の補修箇所を保持するのに使用されるスティック等の活線作業用工具を、高所作業車のバケット等の所定の作業箇所に、工具先端の向き及びその移動が自在に調整できるように固定する活線作業用工具の固定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の活線作業用工具の固定装置Aは、所定の作業箇所に取り付け固定される装置本体1に、スタッド4付きのボール5と、このボール5を受けるボール受け部6と、前記ボール5をボール受け部6に圧着して回動不能に固定する圧着固定手段7とを設け、前記スタッド4に、活線作業用工具Sを取外し可能に固定するクランプ8を設けてなり、圧着固定手段7は、前記装置本体1の支持部材11内に同心状に嵌合されて支持部材11に固定される雌ねじ部12と、この雌ねじ部12に螺合される雄ねじ部13と、この雄ねじ部13の上端部に同軸一体に形成される円板状ヘッド部13aにスラスト軸受14を介して冠載され、ボール5に押し付けられる押し付け部材15と、雄ねじ部13を回転操作するために前記ヘッド部13aに一体的に突設されて水平方向に回転可能なレバー16と、からなり、該レバー16を水平方向に一定角度回すことにより、前記ボール5がボール受け部6に圧着されて回動不能に固定されるようになっている。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の活線作業用工具の固定装置において、前記ボール5の外周面には複数の溝17が互いに平行で周方向に条設されてなるものである
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る活線作業用工具の固定装置Aの使用状態を示す斜視図、図2は同固定装置Aの拡大斜視図、図3は同固定装置Aの要部拡大側面断面図、図4は図3の矢印Xの方向から見た同固定装置Aの一部正面図である。これらの図において、1は固定装置Aの装置本体で、高所作業車KのバケットBに取り付け固定される取付部2と、この取付部2の上部に連設されたホルダー部3とからなり、このホルダー部3内に、スタッド4を一体又は一体的に突設したボール5と、このボール5を受ける凹曲面状のボール受け部6と、前記ボール5をボール受け部6に圧着して回動不能に固定する圧着固定手段7とが設けられ、そしてボール5のスタッド4に、活線作業用工具としてスティックSを取外し可能に固定するクランプ8が一体的に連設されている。
【0008】
装置本体1のホルダー部3は、図3に示すように、円筒状の外筒9と、この外筒9内の上部側に、鍔部9a,10aによって抜け出しを阻止された状態で嵌合された円筒状のボール保持筒10と、外筒9内の下部側に螺嵌されてビスaで固定された円筒状の支持部材11とからなるもので、ボール保持筒10の内径はボール5の直径より僅かに大きいが、先端部が漸次径小となってその径小部分に前記凹曲面状のボール受け部6を形成し、このボール受け部6にボール5が回動可能に係合し、スタッド4は、ボール保持筒10から外方へ突出している。ボール受け部6は、ボール5の外周面とほぼ同じ曲率の凹曲面に形成されている。
【0009】
圧着固定手段7は、前記ホルダー部3の支持部材11内に同心状に嵌合されてビスbで支持部材11に固定された雌ねじ部12と、この雌ねじ部12に螺合された雄ねじ部13と、この雄ねじ部13の上端部に同軸一体に形成された円板状ヘッド部13aにスラスト軸受14を介して冠載され、ボール5に押し付けられる押し付け部材15と、雄ねじ部13をホルダー部3の外側から回転操作するために前記ヘッド部13aにボルトcで固定されて外筒9の横長窓9aから外方へ突出されたレバー16とによって構成される。上記スラスト軸受14は、ニードルベヤリングからなる。
【0010】
しかして、レバー16を、図2に示す横長窓9aの一端側から他端側へ一定角度水平に回すことにより、雌ねじ部12に螺合している雄ねじ部13がボール5に近づく方へ螺進して、スラスト軸受14を介し押し付け部材15がボール5に押し付けられ、それによりボール5がホルダー部3のボール受け部6に圧着されて、ボール5はホルダー部3側に回動不能に固定される。また、レバー16を逆方向に回すと、雄ねじ部13が雌ねじ部12に対しボール5から離れる方へ螺進して、ボール受け部6に対するボール5の圧着作用が解除され、ボール5はホルダー部3に対し自由に回動可能となる。
【0011】
この場合、雄ねじ部13のヘッド部13aと押し付け部材15との間に介装されたスラスト軸受14によって、雄ねじ部13側が回転しても押し付け部材15は回転せず、従ってレバー16の水平回転操作時に押し付け部材15とボール5の間に回転接触摩擦力が生じないから、レバー16の操作が容易となる。特に、このスラスト軸受14がニードルベヤリングからなるため、雄ねじ部13側と押し付け部材15との間に生ずる回転接触摩擦力が軽減され、レバー16の操作が一層容易となる。
【0012】
また、図3及び図5に示すように、ボール5の外周面には複数の溝17が互いに平行で周方向に条設されているから、押し付け部材15によってボール5をボール受け部6に押し付けて圧着する際に、溝17がボール受け部6の凹曲面に対し食い付き作用を発揮し、その食い付き作用によってボール5がボール受け部6に確実強固に固定される。
【0013】
ボール5のスタッド4に連設されたクランプ8は、図3及び図4に示すように、スタッド4の先端部に嵌合されてピン18により固定された固定部材19と、左右2本のガイドロッド20,20を介して、固定部材19に対し平行移動可能な可動部材21とを有する。ガイドロッド20は、可動部材21の長手方向両端部から垂直下方へ突出して、固定部材19のガイド孔(図示省略)に挿通支持されており、またガイドロッド20には、可動部材21を固定部材19に対し適当間隔に保持して活線作業用工具の挿入を容易にするためのコイルバネ22が嵌装されている。そして、これら固定部材19と可動部材21との対向面には、活線作業用工具としてのスティックSを挟持する断面略V字状の挟持部19a,21aが形成されている。また、固定部材19の長手方向中央部にはねじ軸23が立設され、このねじ軸23は可動部材21の孔21bに挿通され、その先端部には締付部材24が螺嵌されている。この締付部材24には回転操作用のノブ25が取り付けてある。
【0014】
このクランプ8の使用にあたっては、固定部材19と可動部材21との両挟持部19a,21a間にスティックSを挿入し、ねじ軸23に螺嵌されている締付部材24をコイルバネ22の付勢力に抗して締付方向に回転させることにより、可動部材21が固定部材19側に接近して、両挟持部19a,21a間で種々の径のスティックSを挟持固定することができる。
【0015】
装置本体1の取付部2は、図2に概略示すように、前後一対の脚部26a,26bと両脚部26a,26aをつなぐ連結部26cからなるコ字枠本体26と、このコ字枠本体26の一方の脚部26a側に螺合されて他方の脚部26b側へ延びる螺軸27と、この螺軸27の先端に取り付けられた円板状の押し付け部材28とによって構成され、コ字枠本体26の上端部に基台29が固着され、この基台29上に円筒状の連結部材30が立設され、この円筒状連結部材30の上端部に前記ホルダー部3の円筒状支持部材11が嵌合されて、ビスdにより固定されている(図3参照)。螺軸27の基端部にはレバー27aが設けてある。
【0016】
従って、この取付部2を高所作業車のバケットBに取り付けるには、図2のようにコ字枠本体26をバケットBの側壁上端部に跨嵌し、レバー27aの回転操作により螺軸27を螺進させて、この螺軸27の先端の押し付け部材28とコ字枠本体26の脚部26bとでバケットBの側壁部を圧着すればよい。
【0017】
以上説明したような構成よりなる固定装置Aを使用して、図1に示すような架線Cの活線作業、例えば被覆部分の剥離作業を行う場合には、先ず、装置本体1の取付部2を高所作業車KのバケットBの所要部に取り付け固定する。この際、圧着固定手段7は、レバー16をボール受け部6に対するボール5の圧着作用が解除されるロック解除位置にセットして、スタッド4に取り付けられたクランプ8がボール5を中心として任意の方向へ自由に揺動できるようにしておく。
【0018】
それから、作業者Mが先端に保持具Eを取り付けたスティックSを持って、その保持具Eで剥離箇所の所要部を保持しながら、固定装置1のクランプ8側をボール5を中心に適宜に揺動させて、このスティックSの基端部をクランプ8に挟持固定する。この際、スティックS先端の向きに応じてクランプ8側を揺動させると共に、保持具Eの保持位置に応じてスティックSをその長さ方向に適宜移動させて、スティックSが所望の姿勢になった状態でその基端部をクランプ8で挟着固定すればよい。この後、圧着固定手段7のレバー16をロック位置まで回して、ボール5をホルダー部3側に回動不能に固定することによって、スティックSは、図1に示すようにバケットBに取り付け固定した装置本体1に対し所望の姿勢に固定される。
【0019】
こうして、剥離箇所の所要部を保持するスティックSを、固定装置AによってバケットBに固定した後、作業者Mが、先端に剥離用具Fを取り付けた別のスティックS′を持って、このスティックS′で遠隔操作しながら架線Cの被覆部分の剥離作業を行う。
【0020】
上記のように、本発明の固定装置Aによれば、架線Cが動かないように剥離箇所の所要部を保持するスティックSを、バケットBの所定箇所において、三次元方向に適宜に位置調整した上で作業に必要な所望の姿勢に固定させることができるから、作業者Mは一人で別のスティックS′を持って、遠隔操作しながら被覆部分の剥離作業を行うことができる。この場合、必要に応じて、複数個のスティックSを使用して、それらをバケットBの所要位置に固定することができる。特に、この固定装置Aによれば、レバー16を一定角度範囲回動するだけで、ボール受け6に対するボール5のロック操作及びその解除操作を行えるから、活線作業用工具の固定又は取外し作業が簡単容易となる。
【0021】
この実施形態では、固定装置Aに固定する活線作業用工具として、スティックSのみを例示したが、ヤットコその他のスティックS以外の工具も固定することができる。また、装置本体1は、高所作業車KのバケットBに限らず、所定の作業箇所に取り付け固定させることができるものである。
【0022】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の固定装置は、装置本体に、スタッド付きのボールと、ボール受け部と、前記ボールをボール受け部に圧着して回動不能に固定する圧着固定手段とを設けると共に、前記スタッドに、活線作業用工具を取外し可能に固定するクランプを設けたものであって、この固定装置を使用することにより、例えば架線の補修箇所を保持する活線作業用工具を、所定の作業箇所に、必要とする所望の姿勢で固定させておくことができるから、作業者は一人で別の活線作業用工具を持って、遠隔操作しながら所要の活線作業を行えばよく、従って従来二人で行っていた活線作業を一人で行うことができ、人件費の節約に貢献することができる。
【0023】
そして本発明に係る圧着固定手段7は、前記装置本体1の支持部材11内に同心状に嵌合されて支持部材11に固定される雌ねじ部12と、この雌ねじ部12に螺合される雄ねじ部13と、この雄ねじ部13の上端部に同軸一体に形成される円板状ヘッド部13aにスラスト軸受14を介して冠載され、ボール5に押し付けられる押し付け部材15と、雄ねじ部13を回転操作するために前記ヘッド部13aに一体的に突設されて水平方向に回転可能なレバー16と、からなり、該レバー16を水平方向に一定角度回すことにより、前記ボール5がボール受け部6に圧着されて回動不能に固定されるようになっている。
【0024】
従って、本発明によれば、前記雄ねじ部13のヘッド部13aと押し付け部材15との間に介装されたスラスト軸受14によって、雄ねじ部13側が回転しても押し付け部材15は回転せず、従ってレバー16の水平回転操作時に押し付け部材15とボール5の間に回転接触摩擦力が生じないから、レバー16の操作が容易となる。
【0025】
さらにまた、本発明によれば、レバー16を一定角度水平方向に範囲回動するだけで、ボール受け6に対するボール5のロック操作及びその解除操作を行えるから、活線作業用工具の固定又は取外し作業が簡単容易となる。
【0026】
請求項2に係る発明によれば、ボール5の外周面には複数の溝17が互いに平行で周方向に条設されているから、押し付け部材15によってボール5をボール受け部6に押し付けて圧着する際に、溝17がボール受け部6の凹曲面に対し食い付き作用を発揮し、その食い付き作用によってボール5がボール受け部6に確実強固に固定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る活線作業用工具の固定装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】 同固定装置の拡大斜視図である。
【図3】 同固定装置の要部拡大側面断面図である。
【図4】 図3の矢印Xの方向から見た同固定装置の一部正面図である。
【図5】 ボールの一部拡大正面図である。
【符号の説明】
S,S′ スティック(活線作業用工具)
A 活線作業用工具の固定装置
1 装置本体
4 スタッド
5 スタッド付きのボール
6 ボール受け部
7 ねじ式の圧着固定手段
8 クランプ

Claims (2)

  1. 所定の作業箇所に取り付け固定される装置本体1に、スタッド4付きのボール5と、このボール5を受けるボール受け部6と、前記ボール5をボール受け部6に圧着して回動不能に固定する圧着固定手段7とを設け、前記スタッド4に、活線作業用工具Sを取外し可能に固定するクランプ8を設けてなり、圧着固定手段7は、前記装置本体1の支持部材11内に同心状に嵌合されて支持部材11に固定される雌ねじ部12と、この雌ねじ部12に螺合される雄ねじ部13と、この雄ねじ部13の上端部に同軸一体に形成される円板状ヘッド部13aにスラスト軸受14を介して冠載され、ボール5に押し付けられる押し付け部材15と、雄ねじ部13を回転操作するために前記ヘッド部13aに一体的に突設されて水平方向に回転可能なレバー16と、からなり、該レバー16を水平方向に一定角度回すことにより、前記ボール5がボール受け部6に圧着されて回動不能に固定されるようになっている活線作業用工具の固定装置。
  2. 前記ボール5の外周面には複数の溝17が互いに平行で周方向に条設されてなる請求項1に記載の活線作業用工具の固定装置。
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