JP4336066B2 - 静電容量型センサ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電容量型センサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の静電容量型センサ装置の一例を、図6を参照して説明する。図6は、従来の静電容量型センサ装置の回路ブロック図を示している。
図6に示す静電容量型センサ装置1は、1つの静電容量型センサ20と、センサ20の出力を装置1の出力に変換する手段(具体的には、静電容量を電圧に変換する回路)40を備えている。
静電容量型センサ20は、可動電極と固定電極からなる電極対を有する検出用キャパシタ2(検出容量CX)と、一対の固定電極からなる電極対を有する基準キャパシタ4(基準容量CR)を有している。静電容量型センサ20と変換回路40との接続線を検出用キャパシタ2と基準キャパシタ4の容量差に応じた電荷が移動する。変換手段40は、この電荷移動量を電圧VOUTに変換する回路であり、オペアンプ8と帰還キャパシタ6を有している。検出用キャパシタ2の可動電極が形成されているダイアフラム等に圧力や加速度等の物理量が作用すると、検出用キャパシタ2の可動電極と固定電極の間の距離が変化する。この結果、検出容量CXと基準容量CRの差が変化し、その容量差が電圧VOUTに変換される。
この静電容量型センサ装置1では、静電容量型センサ20に作用する物理量に応じて変化する静電容量型センサ20の出力(静電容量型センサ20と変換回路40との接続線に生じる電荷移動量)が変換回路40によって電圧に変換され、変換回路40から物理量に対応する電圧VOUTが出力される。電圧VOUTは、静電容量型センサ装置1から出力される装置出力であり、作用する物理量に対応する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
静電容量型センサは、物理量を精度良く検出することが要求されるために、作用する物理量によって変形しやすいことが必要とされ、静電容量型センサ装置内の他の部品に比較して脆弱である。このために生産段階でうまく生産できない場合がある。また、静電容量型センサの可動電極が形成されているダイアフラムや可動電極を変位可能に支持するビーム等は、使用中に繰り返し変形するために、他の部品に比較して故障が生じやすい。
【0004】
静電容量型センサ装置の場合、装置内の故障したセンサ(キャパシタ)を新しいセンサに交換する作業は困難である。特にセンサ装置が集積化されている場合は非常に困難である。あるいは、新しいセンサに取換えることができたとしても、新たにセンサ装置を製造するより却ってコスト高になってしまうのが通常である。このため、センサ装置の完成後にセンサの異常が検知された場合は、他の部品群を含むセンサ装置全体を廃棄せざるを得なかった。しかしながら、センサの異常によってセンサ装置全体を廃棄するのは不経済である。また、例えば自動車の内部に組込んだセンサ装置が使用中に故障した場合には、センサないしはセンサ装置の取換えがさらに困難になる。
【0005】
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、静電容量型センサ装置の生産時の歩留まりの向上、あるいは使用中の信頼性を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用と効果】
本発明の静電容量型センサ装置は、可動電極と固定電極からなる物理量検出用キャパシタ群を有する静電容量型センサと、センサ出力を装置出力に変換する変換手段と、変換手段に接続されるキャパシタを切換え可能な切換え手段を備える。この変換手段では、接続されるキャパシタの切換えに連動してキャパシタの可動電極と固定電極間に印加される電圧が切換えられ、同じ大きさの物理量が作用している間は、接続されるキャパシタを問わないでほぼ同じ大きさの装置出力が出力される。
変換手段は、例えば、静電容量型センサから出力される電荷移動量を、電圧、電流あるいは周波数等に変換する手段をいい、増幅手段やノイズ除去手段等を含んでいることがある。要するに静電容量型センサの出力を何らかの意味で変換してセンサ装置外の装置に認識可能な出力に変換して静電容量型センサ装置から出力させる手段をいう。
【0007】
本発明の静電容量型センサ装置は、可動電極と固定電極からなる物理量検出用キャパシタ群を有する静電容量型センサを備えているため、キャパシタが1つしかないセンサ装置に比較するとキャパシタ数は増えるが、センサ装置の完成時またはセンサ装置の使用中にキャパシタの異常が検知された場合には、異常が検知されたキャパシタと変換手段との間の接続状態を切り離し、他のキャパシタを変換手段に接続することによって、センサ装置に必要な機能を維持することができる。このために、キャパシタの異常時にもセンサ装置全体を廃棄したり交換したりする必要がない。またセンサ装置の使用中にキャパシタの異常が生じた場合でも、異常が生じたキャパシタと変換手段との間の接続を切って他のキャパシタを変換手段に接続することによってそのままセンサ装置を使用し続けることができる。
例えば、物理量検出用キャパシタ群のうちのいずれか1つのキャパシタのみを変換手段に接続するという態様で使用する場合を考える。この場合、キャパシタ1つ当りの生産時の不合格率あるいは使用中の単位時間当りの故障率を1/Xとし、センサ装置が有するキャパシタ数をYとすると、センサ装置の不合格率または故障率は、1/(X・Y)ではなく1/XYとなる。このため、センサ装置としての不合格率あるいは故障率を大幅に減少させることができる。
また、本発明の静電容量型センサ装置に用いられる変換手段では、変換手段に接続されるキャパシタの切換えに連動してキャパシタの可動電極と固定電極間に印加される電圧を切換える。これによって、1つのキャパシタが異常となって他のキャパシタに切換える際に、センサ装置外からみたセンサ装置の特性は切換えの前後を通じて変わらず、センサ装置外に影響を及ぼすことなくキャパシタを切換えることができる。
【0008】
本発明の1つの改良された静電容量型センサ装置は、センサ出力の異常を判断する手段をさらに備え、切換え手段は、異常と判断されたキャパシタと変換手段との間を非接続状態に切換えて他のキャパシタと変換手段との間を接続状態に切換えることを特徴とする。
本装置によると、センサ出力の異常を検知した場合に、異常が検知されたキャパシタを切り離し、他のキャパシタを変換手段に接続する切換えが自動的に実行され、センサ装置を継続して使用することができる。
【0009】
本発明の他の1つの改良された静電容量型センサ装置は、センサ装置出力の異常を判断する装置に接続されて用いられる。このセンサ装置の切換え手段は、異常と判断された時に接続されていたキャパシタと変換手段との間を非接続状態として他のキャパシタと変換手段との間を接続状態とすることを特徴とする。
本装置によると、センサ装置外に存在する装置がセンサ装置の出力の異常をモニタし、異常時には異常と判断された時に接続されていたキャパシタと変換手段との間を非接続状態として他のキャパシタと変換手段との間を接続状態とするために、センサ装置を継続して使用することができる。
【0011】
本発明の他の静電容量型センサ装置は、可動電極と固定電極からなる物理量検出用キャパシタ群を有する静電容量型センサと、センサ出力を装置出力に変換する変換手段とを備え、各キャパシタと変換手段との間の接続・非接続状態が切換え可能である。
本発明の他の静電容量型センサ装置は、接続されるキャパシタの切換えに連動してキャパシタの可動電極と固定電極間に印加される電圧が切換えられ、同じ大きさの物理量が作用している間は、接続されるキャパシタを問わないでほぼ同じ大きさの装置出力が出力されることを特徴とする。
本発明の他の静電容量型センサ装置においても、センサ出力の異常を判断する手段と、異常と判断されたキャパシタと変換手段との間を非接続状態に切換えて他のキャパシタと変換手段との間を接続状態に切換える手段をさらに備えていてもよい。また、異常と判断された時に接続されていたキャパシタと変換手段との間を非接続状態として他のキャパシタと変換手段との間を接続状態とする手段をさらに備えていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)第1実施例の静電容量型センサ装置を、図1を参照して説明する。図1は、第1実施例の静電容量型センサ装置の回路ブロック図である。
図1に示すように、第1実施例の静電容量型センサ装置100は、制御回路110と、静電容量型センサ120と、静電容量を電圧に変換する変換回路140と、判定回路170等を備えている。制御回路110は、センサ装置100の外部にある電圧発生器180に接続されて用いられる。
静電容量型センサ120は、4組の、物理量検出用キャパシタ群121〜124と、検出スイッチ群131〜134と、基準キャパシタ126を有している。基準キャパシタ126は、物理量検出用キャパシタ群121〜124に作用する物理量によって変化する静電容量のみを直接検出するために用いている。なお、物理量検出用キャパシタ121〜124は同一のものであり、同じ大きさの物理量が加えられた場合の容量変化の大きさは同一である。
【0013】
各物理量検出用キャパシタ121〜124は、物理量が作用すると固定電極121a〜124aとの間の距離(または固定電極121a〜124aに対向する面積)を変える可動電極121b〜124bを備える。検出用キャパシタ121〜124の可動電極121b〜124bは、図示しないダイアフラムに形成されていたり、図示されないビーム等の変形によって変位するマスに形成されていたりする。基準キャパシタ126は、固定された基準上部電極126bと、それに対向して固定された基準下部電極126aを備えている。
ダイアフラムの大きく変形する中央部分に検出用可動電極121b〜124bを設け、あまり変形しない周辺部分に基準上部電極126bを形成することもできる。また、ダイアフラムに検出用可動電極121b〜124bを設け、ダイアフラム外に基準上部電極126bを形成することもできる。
【0014】
制御回路110には、静電容量型センサ群120の4つの物理量検出用キャパシタ121〜124の下部電極121a〜124aが検出スイッチ131a〜134aを介して接続されている。4つの物理量検出用キャパシタ121〜124の上部電極121b〜124bは、検出スイッチ131b〜134bを介して変換回路140に接続されている。また、制御回路110は、基準キャパシタ126の下部電極126aに接続されている。制御回路110は、電圧発生器180から供給される電圧を適切なタイミングで検出用キャパシタ121〜124のいずれかと、基準キャパシタ126に送る。
さらに制御回路110は、検出スイッチ131a〜134aと、検出スイッチ131b〜134bと、変換回路140のリセットスイッチ164と、判定回路170に接続されている。制御回路110は、電圧発生器180から供給される電圧を適切なタイミングで、リセットスイッチ114に送る。さらに、制御回路110は、判定回路170から送られる異常判定信号に基づいて、検出スイッチ131a〜134aと、検出スイッチ131b〜134bのオン・オフを切換える。
【0015】
変換回路140は、オペアンプ162と、リセットスイッチ164と、帰還キャパシタ141を有している。
変換回路140のオペアンプ162の反転入力端子162aには、静電容量型センサ群120の4つの物理量検出用キャパシタ121〜124の上部電極121b〜124bが検出スイッチ131b〜134bを介して接続されている。また、オペアンプ162の反転入力端子162aには、基準キャパシタ126の上部電極126bも接続されている。また、オペアンプ162の反転入力端子162aと出力端子162cの間には、リセットスイッチ164と、帰還キャパシタ141が並列に接続されている。オペアンプ162の非反転入力端子162bはアースされている。
変換回路140は、検出用キャパシタ121〜124の上部電極(可動電極)121b〜124bが形成されたダイアフラム等に加えられた物理量によって生じる物理量検出用キャパシタ121〜124の静電容量の変化を検出し、その静電容量の変化を電圧VOUTとして出力する。
【0016】
判定回路170の入力端子は、変換回路140のオペアンプ162の出力端子162cに接続されている。判定回路170は、変換回路140の出力電圧VOUTが所定の範囲内にないときに異常判定信号VDECを出力する。
なお、第1実施例では、判定回路170をセンサ装置100内に組込んでいるが、判定回路170はいわゆる外付けのものであってもよい。
【0017】
なお、第1実施例の静電容量型センサ装置100には、センサ装置の出力電圧VOUTと異常判定信号VDECの出力端子が設けられており、これらの出力端子に電圧波形表示装置(オシロスコープ等)を接続することによって各電圧の経時的な変化をみることができる。また、第1実施例のセンサ装置100は、図示しない操作部を備えており、その操作部によって判定回路170のしきい値の大きさ等を自由に調整できる。
【0018】
次に、第1実施例の静電容量型センサ装置100の異常診断動作を図2のタイムチャートを主に参照して説明する。以下で説明する動作は、センサ装置100の出荷時あるいは使用中に行われる。
最初は、第1検出用キャパシタ121の両側の第1検出スイッチ131aと131bがオンしており、その他の検出スイッチ132aと132b、133aと133b、134aと134bはオフされている。
センサ装置100によって測定する場合には、制御回路110から物理量検出用キャパシタ群に検出電圧VXを印加する。印加される検出電圧VXは、時刻T10からT30に示すように、H(ハイ)レベルの電圧値がV1でL(ロー)レベルの電圧値が0の方形波パルスである。物理量検出用キャパシタ群121〜124に印加される検出電圧VXと、基準キャパシタ110に印加される基準電圧VRは互いに反転した関係にあり、時刻T10からT20等に示すように、検出電圧VXがHレベルのときには基準電圧VRはLレベルであり、時刻T20からT30等に示すように検出電圧VXがLレベルのときには基準電圧VRはHレベルである。
【0019】
時刻T10に制御回路110から第1物理量検出用キャパシタ121にHレベル(電圧値V1)の検出電圧VXが入力され、時刻T20に検出電圧VXの値がV1から0になると、上記したように、検出電圧VXと基準電圧VRは互いに反転した関係にあるから、基準電圧VRの値は0からV1になる。すると、第1物理量検出用キャパシタ121に蓄積されていた電荷CXV1は放電され、逆に、基準キャパシタ110には電荷CRV1が蓄積される。このため、第1検出用キャパシタ141の上部電極141bに蓄積されていた電荷(CXV1)は帰還キャパシタ141の下部電極141aに移動し、基準キャパシタ126の上部電極126bに蓄積された電荷(CRV1)と逆符号で同量の電荷CRV1が帰還キャパシタ141の下部電極141aに移動する。
【0020】
この結果、帰還キャパシタ141の下部電極141aに、−CXV1+CRV1=−(CX−CR)V1=−ΔCXV1の電荷が蓄積される。従って、変換回路140のオペアンプ162の出力電圧VOUTをVAとすると、VA=(CX−CR)V1/CFとなる。
【0021】
なお、時刻T21に制御回路110からリセットスイッチ164に送られるリセット信号がオンされ、リセットスイッチ164がオンされると、オペアンプ162の反転入力端子162aと出力端子162cの間が短絡される。この結果、帰還キャパシタ141に蓄積されていた電荷(CX−CR)V1は徐々に放電され、時刻T30には出力電圧VOUTは0になる。
【0022】
時刻T20からT30の間にオペアンプ162から出力された電圧VOUT=VAは、判定回路170に入力される。判定回路170では、出力電圧VAが所定のしきい値VTH1とVTH2の間であるときには、異常判定信号VDECを出力しない。図2の時刻T20からT30に示すように、VOUT=VAの値は、定常状態となった後はVTH1とVTH2の間にあるため、異常判定信号VDECは出力されない。これは、第1物理量検出用キャパシタ121の静電容量が正常の範囲内であることを示している。
前記したように、VA=(CX−CR)V1/CFである。ここでCX、は検出用キャパシタ121の静電容量であり、厳密には、電極間に電圧V1を印加したときの静電容量である。異常判定に用いる閾値VTH1とVTH2は、検出用キャパシタ121が正常であるときに、検出用キャパシタ121に電圧V1を印加したときに測定されるはずであるところの静電容量CXを上記式によって電圧に変換した値の前後に設定されている。
【0023】
一方、時刻T30からT50では、上記で説明した時刻T10からT30の動作と同様の動作が繰返される。ここでは、時刻T40からT50に示すように、オペアンプ162の出力電圧VOUTがVB=(CX−CR)V1/CFとなったとする。
オペアンプ162から出力された電圧VOUT=VBは、判定回路170に入力される。判定回路170では、出力電圧VBが所定のしきい値VTH1とVTH2の間にないときは、異常判定信号VDECを出力する。図2の時刻T40からT50に示すように、VOUT=VBの値はVTH1とVTH2の間にないため、異常判定信号VDECが出力される。これは、第1物理量検出用キャパシタ121を形成するダイアフラムや、あるいは第1物理量検出用キャパシタ121を支えるビーム等に異常が生じていることを示している。
【0024】
判定回路170から制御回路110に異常判定信号が送られると、制御回路110は、第1物理量検出用キャパシタ121に異常が発生していると認識し、第1検出用キャパシタ121の両側の第1検出スイッチ131aと131bをオフする。そして、次に、第2物理量検出用キャパシタ122の両側の第2検出スイッチ132aと132bをオンする。そして、再び上記時刻T10からT30と同様の動作が繰返される。第1物理量検出用キャパシタ121に異常が生じれば、そのことが判定回路170で検出され、異常が生じたキャパシタ121を変換回路140から切り離し、正常なキャパシタ122を変換回路140に接続し、以後、正常なキャパシタ122を利用して物理量の検出を続ける。
第2物理量検出用キャパシタ122を利用している間に、判定回路170が第2検出用キャパシタ122に異常が発生したことを認識すると、第2検出スイッチ132aと132bをオフし、第3検出スイッチ群133aと133bをオンする。また、判定回路170が第3検出用キャパシタ123に異常が発生したことを認識すると、第3検出スイッチ133aと133bをオフし、第4検出スイッチ群134aと134bをオンする。
この方式によると、4つの検出用キャパシタ121〜134の全部が異常となるまで、静電容量センサ装置100を継続的に使用することができる。
【0025】
なお、上記実施例では、検出用キャパシタ121〜124に検出電圧VXを印加したときの静電容量と基準容量の差を電圧に変換した値によって検出用キャパシタ121〜124の正常・異常を判断しているが、異常診断の方法は上記実施例の方法には限られず、公知のあらゆる異常診断技術を用いることができる。
例えば、所定の圧力等の物理量を物理量検出用キャパシタの可動電極が形成されたダイアフラム等に加えて、その変形量が所定の範囲にあるときは正常と判断し、所定の範囲にないときは異常と判断してもよい。
【0026】
(第2実施例)次に、第2実施例の静電容量型センサ装置を図3を参照して説明する。図3は、第2実施例の静電容量型センサ装置の回路ブロック図である。
図3に示す第2実施例の静電容量型センサ装置200は、静電容量型センサ群220(4組の検出用キャパシタ221〜224を含む)と、変換回路240の構成が第1実施例のセンサ装置100の場合と異なる。以下では、第2実施例のセンサ装置200に特徴的な構成を中心に説明する。
静電容量型センサ装置220の各物理量検出用キャパシタ221〜224は、ある大きさの物理量が加えられたときの容量変化の大きさがそれぞれに異なる。各物理量検出用キャパシタ221〜224の容量変化の大きさをそれぞれ異ならせるには、所定の物理量を加えたときの変形量(たわみ量)がそれぞれ異なる4つのダイアフラムに各物理量検出用キャパシタ221〜224の可動電極を形成すればよい。
本実施例の場合、同じ大きさの物理量が加えられたときの各物理量検出用キャパシタの容量変化が、第1物理量検出用キャパシタ221ではΔCX1=ΔCX、第2物理量検出用キャパシタ222ではΔCX2=2ΔCX、第3物理量検出用キャパシタ223ではΔCX3=3ΔCX、第4物理量検出用キャパシタ224ではΔCX4=4ΔCXとしている。第4物理量検出用キャパシタ224は、第1物理量検出用キャパシタ221の4倍の感度を持つ。一方、第1物理量検出用キャパシタ221は、第4物理量検出用キャパシタ221の4倍の測定レンジを持つ。
【0027】
変換回路240は、オペアンプ262とリセットスイッチ264に加えて、4つの帰還キャパシタ241〜244と、4組の帰還スイッチ251〜254を有している。
各帰還キャパシタ241〜244の両側には、それぞれ帰還スイッチ群251a〜254aと251b〜254bが接続されている。このため、帰還スイッチ群251〜254のいずれか1組(例えば第1帰還スイッチ251aと251bの組)がオンすることで帰還キャパシタ241〜244のいずれか(例えば第1帰還キャパシタ241)が、オペアンプ262の反転入力端子262aと出力端子262cの間に接続される。
各帰還キャパシタ241〜244の容量値はそれぞれ異なる。具体的には、第1帰還キャパシタ241の容量はCF1=CF、第2帰還キャパシタ242の容量はCF2=2CF、第3帰還キャパシタ243の容量はCF3=3CF、第4帰還キャパシタ244の容量はCF4=4CFとなっている。
【0028】
図示しない操作部では、判定回路270のしきい値の大きさを自由に調整できる。また、静電容量型センサ220の検出スイッチ群231〜234のいずれをオンさせるかを自由に設定できる。 この操作部で、第1検出スイッチ群231a、231bをオンさせると、これに連動して制御回路210から変換回路240の第1帰還スイッチ251a、251bにオン信号が送られる。同様に、第2検出スイッチ232a、232bと第2帰還スイッチ252a、252bが連動しており、第3検出スイッチ233a、233bと第3帰還スイッチ253a、253bが連動しており、第4検出スイッチ234a、234bと第4帰還スイッチ254a、254bが連動している。
【0029】
変換回路240に第1物理量検出用キャパシタ221が接続されている場合の出力電圧VOUTは、ある大きさの物理量を加えたときの第1物理量検出用キャパシタ221の容量変化がΔCX1=ΔCXであり、第1帰還キャパシタ241の容量はCF1=CFであるから、VOUT=VXΔCX1/CF1=VXΔCX/CFとなる。変換回路240に第2物理量検出用キャパシタ222が接続されている場合の出力電圧VOUTは、ある大きさの物理量を加えたときの第2物理量検出用キャパシタ222の容量変化がΔCX2=2ΔCXであり、第2帰還キャパシタ242の容量はCF2=2CFであるから、VOUT=VXΔCX2/CF2=VX2ΔCX/2CF=VXΔCX/CFとなる。第3検出用キャパシタ223と第4物理量検出用キャパシタ224についても同様である。
即ち、同じ大きさの物理量が加えられている場合は、いずれの物理量検出用キャパシタ221〜224を変換回路240に接続した場合でも、変換回路240から出力されるセンサ装置200の出力電圧VOUTは同一となる。
【0030】
なお、上記実施例では、変換回路240の各帰還キャパシタ241〜244の容量をそれぞれ異ならせることで変換回路240の出力値を同一としているが、変換回路240の出力電圧VOUTはVXΔCX/CFで表されることから、各物理量検出用キャパシタ221〜224に印加する検出電圧VXの値をそれぞれ異ならせることで変換回路240の出力値を同一としてもよい。
例えば、上記のように、ある大きさの物理量を加えたときの各物理量検出用キャパシタ221〜224の容量変化を、第1物理量検出用キャパシタ221ではΔCX1=ΔCX、第2物理量検出用キャパシタ222ではΔCX2=2ΔCX、第3物理量検出用キャパシタ223ではΔCX3=3ΔCX、第4物理量検出用キャパシタ224ではΔCX4=4ΔCXとしたとする。また、帰還キャパシタの容量はCFであるとする。この場合に、第1物理量検出用キャパシタ221に印加する検出電圧をVX1=V1、第2物理量検出用キャパシタ222に印加する検出電圧をVX2=V1/2、第3物理量検出用キャパシタ223に印加する検出電圧をVX3=V1/3、第4物理量検出用キャパシタ224に印加する検出電圧をVX4=V1/4に切換えれば、いずれの検出用キャパシタ221〜224を変換回路240に接続しても、変換回路240の出力電圧はVOUT=V1ΔCX/CFとなる。
【0031】
第2実施例のセンサ装置200をセンサとして使用するときは、検出対象に応じてセンサの分解能と検出範囲を適宜選択することができる。即ち、加えられる物理量に対して容量変化の小さい第1物理量検出用キャパシタ221を変換回路240に接続すると、分解能は粗いが検出範囲を広く確保できる。一方、加えられる物理量に対し容量変化の大きい第4物理量検出用キャパシタ224を変換回路240に接続すると、検出範囲は狭いが分解能を細かくして物理量を検出することができる。
【0032】
また、第2実施例のセンサ装置200によっても、第1実施例のセンサ装置100と同様に異常診断を行うことができる。即ち、変換回路240に第1物理量検出用キャパシタ221が接続されている場合に、第1実施例のセンサ装置100と同様の異常診断動作を行った結果、異常が生じていると認識された場合は、第1検出スイッチ221の両側の第1検出スイッチ231aと231bをオフする。そして、第2物理量検出用キャパシタ222の両側の第2検出スイッチ232aと232bをオンする。第3物理量検出用キャパシタ223と第4物理量検出用キャパシタ224を使用する場合にもそれに対応してスイッチを切換える。
【0033】
以上に本発明の実施例の静電容量型センサ装置について説明したが、本発明の適用範囲は上記の実施例になんら限定されるものではない。すなわち、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施して実施することができる。
例えば、上記実施例では、変換回路に接続する(具体的にはオペアンプの反転入力端子に接続する)物理量検出用キャパシタはいずれか1つとしているが、本発明の適用範囲はこれに限られず、変換回路に同時に複数の物理量検出用キャパシタを接続できるようにしてもよい。帰還キャパシタについても同様であり、オペアンプの反転入力端子と出力端子の間に同時に複数の帰還キャパシタを接続できるようにしてもよい。
また、各物理量検出用キャパシタ221〜224の容量変化の大きさをそれぞれ異ならせるには、図4に示すように、ある大きさの物理量を加えたときの可動電極の変位量が同一となる静電容量センサA(例えば、可動電極が形成されたダイアフラムの変形量が同一のセンサ)をアレイ状に配置し、単位となる静電容量センサAを並列に接続して各物理量検出用キャパシタ221〜224を構成してもよい。この場合、ある大きさの物理量を第2物理量検出用キャパシタ(2つの単位キャパシタAを並列に接続して構成)222に加えたときの容量変化の値は、同じ大きさの物理量を第1検出用キャパシタ(1つの単位キャパシタAで構成)221に加えたときの容量変化の2倍となる。あるいは、図5に示すように、ある大きさの物理量を加えたときの可動電極の変位量が同一の単位キャパシタAを直列に接続して各物理量検出用キャパシタ221〜224を構成してもよい。単位キャパシタAを高密度にアレイ状に配置しておくと、センサ装置の集積度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の静電容量型センサ装置の回路ブロック図。
【図2】第1実施例の静電容量型センサ装置の動作概要を示すタイムチャート。
【図3】第2実施例の静電容量型センサ装置の回路ブロック図。
【図4】物理量検出用キャパシタを単位キャパシタを並列に接続することで構成した状態を示す図。
【図5】物理量検出用キャパシタを単位キャパシタを直列に接続することで構成した状態を示す図。
【図6】従来の静電容量型センサ装置の回路ブロック図。
【符号の説明】
100、200:静電容量型センサ装置
110、210:制御回路
120、220:静電容量型センサ
121〜124、221〜224:物理量検出用キャパシタ
126、226:基準キャパシタ
131〜134、231〜234:検出スイッチ
140、240:変換回路
141、241〜244:帰還キャパシタ
251〜254:帰還スイッチ
162、262:オペアンプ
164、264:リセットスイッチ
170、270:判定回路
180、280:電圧発生器
Claims (6)
- 可動電極と固定電極からなる物理量検出用キャパシタ群を有する静電容量型センサと、センサ出力を装置出力に変換する変換手段と、変換手段に接続されるキャパシタを切換え可能な切換え手段を備えており、
接続されるキャパシタの切換えに連動してキャパシタの可動電極と固定電極間に印加される電圧が切換えられ、同じ大きさの物理量が作用している間は、接続されるキャパシタを問わないでほぼ同じ大きさの装置出力が出力される静電容量型センサ装置。 - センサ出力の異常を判断する手段をさらに備え、
前記切換え手段は、異常と判断されたキャパシタと変換手段との間を非接続状態に切換えて他のキャパシタと変換手段との間を接続状態に切換えることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型センサ装置。 - センサ装置出力の異常を判断する装置に接続されて用いられ、
前記切換え手段は、異常と判断された時に接続されていたキャパシタと変換手段との間を非接続状態として他のキャパシタと変換手段との間を接続状態とすることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型センサ装置。 - 可動電極と固定電極からなる物理量検出用キャパシタ群を有する静電容量型センサと、センサ出力を装置出力に変換する変換手段とを備えており、
各キャパシタと変換手段との間の接続・非接続状態が切換え可能であり、
接続されるキャパシタの切換えに連動してキャパシタの可動電極と固定電極間に印加される電圧が切換えられ、同じ大きさの物理量が作用している間は、接続されるキャパシタを問わないでほぼ同じ大きさの装置出力が出力される静電容量型センサ装置。 - センサ出力の異常を判断する手段と、異常と判断されたキャパシタと変換手段との間を非接続状態に切換えて他のキャパシタと変換手段との間を接続状態に切換える手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の静電容量型センサ装置。
- センサ装置出力の異常を判断する装置に接続されて用いられ、異常と判断された時に接続されていたキャパシタと変換手段との間を非接続状態として他のキャパシタと変換手段との間を接続状態とする手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の静電容量型センサ装置。
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