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JP4336224B2 - 複合黒色酸化物粒子、その製造方法、黒色塗料及びブラックマトリックス - Google Patents
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JP4336224B2 - 複合黒色酸化物粒子、その製造方法、黒色塗料及びブラックマトリックス - Google Patents

複合黒色酸化物粒子、その製造方法、黒色塗料及びブラックマトリックス Download PDF

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Description

本発明は複合黒色酸化物粒子、その製造方法、黒色顔料及びブラックマトリックスに関し、詳しくはコバルト、銅、マンガン、およびケイ素の酸化物からなる複合黒色酸化物粒子であって、塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用等の黒色顔料として好適であり、特に、ブラックマトリックス用着色組成物やプラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶等の前面板の黒色電極、遮光層形成用に好適である、黒色度に優れた複合黒色酸化物粒子、その製造方法、黒色顔料及びブラックマトリックスに関する。
塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用等に用いられる黒色顔料は、黒色度、色相、着色力、隠ぺい力等の特性に優れ、かつ安価であることが求められており、カーボンブラックやマグネタイトをはじめとする酸化鉄系顔料、その他複合酸化物顔料が用途に応じて利用されている。
昨今、上記いずれの分野においても高性能化、高品質化の要求のみにとどまらず、例えば、金属酸化物を主成分とする黒色顔料においても、単に黒色度に優れているのみならず、ブラックマトリックス形成の際の焼成時に要求される色相の耐熱劣化抑制や、樹脂や溶媒等を用いて塗料化する際に要求されるビヒクル中での分散性、該塗料を塗膜化した際の塗膜の表面平滑性等に優れたものが求められている。
このような金属酸化物を主成分とする黒色顔料の代表例としては、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化銅といった単独組成の金属酸化物粒子や、Cu−Cr系、Cu−Mn系、Cu−Cr−Mn系、Cu−Fe−Mn系、Co−Mn−Fe系、Co−Fe−Cr系等の複合酸化物粒子が挙げられる。
特開平9−237570号公報 特開平10−231441号公報
上記単独組成の金属酸化物粒子においては、粒子径が大きいものは黒色度が高いものの、サブミクロンレベルの粒子となると褐色を呈したり、あるいは、そのようなレベルの粒子の製造が困難であったりする。
また、複合酸化物粒子においても、黒色顔料に求められる性能上、一長一短がある。
まず、Cu−Cr系やCu−Cr−Mn系のように、成分としてクロムを含んでいる場合、クロムの毒性上の問題に加え、サブミクロンレベルの粒子の製造が困難である。
また、特許文献1に開示されているようなCu−Mn系の場合、粒子の微粒化は容易だが、形状が不定形化し易く、粒子の凝集が生じ易く、塗料化した際の分散性や塗膜の平滑性に劣る。
また、同じく特許文献1に開示されているようなCu−Fe−Mn系の場合、黒色度が高く、形状が均整で分散性に優れており、あるいは特許文献2に開示されているようなCo−Mn−Fe系の場合、形状が均整で分散性に優れている。しかし、いずれも鉄を含有していることに起因して(黒色度をFe2+に依存しているが、経時劣化し易い)、耐候性に劣っており、色相の耐熱劣化性の面でも劣ると言われている。
以上述べたように、金属酸化物を主成分とする黒色顔料として、黒色度や色相の耐熱劣化抑制の面で優れるのみならず、特に塗料化した際の塗膜の表面平滑性に優れた材料については、満足のゆく材料が未だ見出されていないのが実情である。
従って、本発明の目的は、主に塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用の黒色顔料として好適で、特に、ブラックマトリックス用着色組成物やプラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶等の前面板の黒色電極、遮光層形成用に好適である、黒色度や色相の耐熱劣化抑制の面で優れるのみならず、特に塗料化した際の塗膜の表面平滑性に優れた複合黒色酸化物粒子、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、各種金属酸化物を主成分とする材料を鋭意検討した結果、特定のCo−Cu−Mn−Si系複合酸化物粒子が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の複合黒色酸化物粒子は、コバルト、銅、マンガン及びケイ素の酸化物からなり、銅/コバルトのモル比が0.1〜0.5であり、マンガン/コバルトのモル比が0.2〜1.0であり、かつケイ素を酸化物粒子全体に対して0.1〜3質量%含有することを特徴とする。
また、本発明の複合黒色酸化物粒子の製造方法は、コバルト、銅、およびマンガンの水溶性塩を用いて調製した金属塩混合水溶液と、水酸化アルカリとを中和混合し、得られた金属水酸化物スラリーをpH10〜13に維持しながら酸化し、得られた前駆体スラリーに水可溶性ケイ酸塩の水溶液を添加してpH6〜10に調整し、固液分離後、温度400〜700℃で熱処理することを特徴とする。
さらに、本発明の複合黒色酸化物粒子の製造方法は、コバルト、銅、マンガンの水溶性塩および水可溶性ケイ酸塩の水溶液を用いて調製した金属塩混合水溶液と、水酸化アルカリとを中和混合し、得られた金属水酸化物スラリーをpH10〜13に維持しながら酸化し、得られた前駆体スラリーを固液分離後、温度400〜700℃で熱処理することを特徴とする。
本発明に係わる黒色複合酸化物粒子は、黒色度、色相の耐熱劣化抑制の面で優れるのみならず、特に塗料化し、塗膜した際の塗膜の表面平滑性に優れていることから、塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用の黒色顔料として好適である。特に、ブラックマトリックス用着色組成物やプラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶等の前面板の黒色電極、遮光層形成用に好適である。また、このような黒色複合酸化物粒子を用いた黒色塗料により形成されたブラックマトリックスやプラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶は、黒色度、色相およびその耐熱性、焼成被膜の均一性や光沢性に優れるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の複合黒色酸化物粒子は、コバルト、銅、マンガン及びケイ素の酸化物からなり、銅/コバルトのモル比が0.1〜0.5であり、マンガン/コバルトのモル比が0.2〜1.0であり、かつケイ素を酸化物粒子全体に対して0.1〜3質量%含有することを特徴とする。
本発明の複合黒色酸化物粒子を検討するにあたって、本発明者らがさまざまな系(組成)の複合黒色酸化物粒子を生成したところによると、その多くは板状、あるいは不定形の形状を呈するものが得られることを知見している。例えば、Co−Mn系、Co−Cu系、Co−Mn−Fe系等においては板状の粒子が得られ易く、Mn−Cu系、Mn−Cu−Ni系、Co−Fe−Cr系等においては不定形状の粒子が得られ易い。粒子の形状が板状である場合、その形状はある程度均整なものもあるものの、塗料化した際の分散性は粒状、特に球状あるいは擬球状を呈するCo−Cu−Mn系の粒子に比べると、はるかに劣るものであった。
また、不定形形状を呈する粒子に至っては、上記、塗料化した際の分散性もさることながら、該塗料を塗膜化した際の塗膜の表面平滑性にも劣ることが判明している。
従って、本発明者らは、まず複合黒色酸化物粒子の形状が粒状、特に球状あるいは擬球状を呈するものについて検討を進め、Cu−Fe−Mn系、Co−Cu−Mn系においてそれが達成されることを知見した。しかし、Cu−Fe−Mn系においては、塗料化した際の分散性や該塗料を塗膜化した際の塗膜の表面平滑性が良好のみならず、黒色度も優れているが、色相の耐熱劣化性の面で劣っており、変色や退色を免れない。
このようなことから、Co−Cu−Mn系材料が好ましいことが判明したが、この組成であっても本発明が求める全ての課題を満足し得る訳ではない。ここで、本発明者らはそれら成分の量比に着目し、さらにケイ素を含有させることで、塗料化した際の塗膜の表面平滑性が向上することを見出した。
まず、本発明における銅/コバルトのモル比は0.1〜0.5であることが重要である。このモル比が0.1未満の場合、得られる粒子は粗大化しやすくなり、塗料化した際の着色性に劣る。このモル比が0.5を超える場合、不定形粒子が発生しやすくなり、塗料化した際の分散性、黒色度に劣る。
また、本発明におけるマンガン/コバルトのモル比は0.2〜1.0であることが重要である。このモル比が0.2未満の場合、得られる粒子が板状等の不定形になりやすく、塗料化した際の分散性が劣り、該塗膜の着色性も劣る。また、このモル比が1.0を超える場合も、得られる粒子が板状等の不定形になりやすい。また、微細化する傾向にあり、粒子の赤みが強くなる。
また、ケイ素は粒子内部または粒子表面のいずれかに存在すればよく、ケイ素の含有量は酸化物粒子に対して0.1〜3.0質量%であることが重要である。0.1質量%未満であると塗膜を作成した際の表面平滑性を向上させる効果が乏しく、3.0質量%を超えると、比表面積の増大を招いて塗料化した際の塗膜の表面平滑性を低下させ、黒色度、色相も悪化させる。
ちなみに、本発明の複合黒色酸化物粒子は、結晶構造としてスピネル型または逆スピネル型をとることが多く、黒色度や色相の点でも他の形態に比べ優れており、好ましい。
また、本発明の複合黒色酸化物粒子は、平均粒径が0.05〜0.15μmであると好ましい。このように微細な複合黒色酸化物粒子であれば、塗料化した際の塗膜の表面平滑性に優れ、該塗膜の光沢度が高くなる。
また、本発明の複合黒色酸化物粒子は、(SEM写真によるフェレ径の標準偏差)/(SEM写真によるフェレ径の平均粒子径)×100(%)で得られる変動係数が40%以下であることが好ましい。この変動係数が40%を超える場合、粒子の粒度分布が広すぎて、凝集粒子が多すぎたり、粗粒が多すぎたりして、塗料化した際の分散性や塗膜の平滑性に劣る。
また、本発明の複合黒色酸化物粒子は、BETによる比表面積が10〜40m/gであると好ましい。ここで、BETによる比表面積が10m/g未満である場合、粒子自体が大きすぎて、塗料化した際の着色性が不良となるおそれが生じ、40m/gを超える場合、塗料化して、塗料化した際の塗膜の表面平滑性に劣るばかりか、粒子が微細すぎて黒色度が低下するおそれがある。
また、本発明の複合黒色酸化物粒子は、色差計による反射率(20度)が40%以上であることが好ましく、60%以上であるとより好ましい。この反射率が40%未満の場合、塗料化された際の塗膜の光沢性が劣るものとなる。
また、本発明の複合黒色酸化物粒子は、JIS K5101−1991に準拠した粉体の黒色度及び色相測定において、色差計によるL値が20以下、a値が0.1以下、b値が0.1以下であることが好ましい。これらの数値が上記条件を満たさない場合、黒色度が低く、色相も赤味や黄味が強く、黒色顔料として不具合である。
また、本発明の複合黒色酸化物粒子は、空気中で180℃、2時間の熱処理を行う前後の試料について、黒色度および色相値より、(ΔL+Δa+Δb1/2で求められるΔE値が0.5以下であると好ましい。このΔEが0.5を超えると、黒色度、色相の耐熱劣化性に劣ったものとなる。
次に、本発明の複合黒色酸化物粒子の好ましい製造方法について述べる。
本発明の黒色複合酸化物粒子の製造方法は、コバルト、銅、およびマンガンの水溶性塩を用いて調整した金属塩混合水溶液と、水酸化アルカリとを中和混合し、得られた金属水酸化物スラリーをpH10〜13に維持しながら酸化し、得られた前駆体スラリーに水可溶性ケイ酸塩の水溶液を添加してpH6〜10に調整し、固液分離後、温度400〜700℃、1時間超、3時間以下で熱処理するか、または水可溶性ケイ酸塩の水溶液を含んだコバルト、銅、およびマンガンの水溶性塩を用いて調整した金属塩混合水溶液と、水酸化アルカリとを中和混合し、得られた金属水酸化物スラリーをpH10〜13に維持しながら酸化し、得られた前駆体スラリーを固液分離後、温度400〜700℃で熱処理することを特徴とするものである。
本発明においては、コバルト、銅、及びマンガンの水溶性塩を用いて、混合水溶液を調製する際に、コバルト、銅、及びマンガンの組成比が重要である。使用する金属塩を水溶液中に溶解させるためには水溶液の温度を30〜60℃にすることが好ましい。
この温度が30℃未満であると、未溶解の金属塩が水溶液中に残る可能性が高く、水酸化アルカリと混合して複合水酸化物を形成する際に、不均一な組成の水酸化物が形成される恐れがある。また、60℃を超えると核の大きさが不均一となりやすく、最終的に得られる複合酸化物粒子のサイズもばらつくことが推測される。
なお、上記水溶液調製に用いられるコバルト、銅、及びマンガンの金属塩は、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物等、水溶性であれば特に限定されるものではなく、反応系の液性に合ったものを使用すれば良い。また、水溶液中の金属イオン濃度は、生産性等を考慮すれば総イオン濃度で0.5〜2.0mol/L程度に調製すれば良い。
こうして得られたコバルト、銅、及びマンガンの水溶性塩からなる水溶液と水酸化アルカリを混合してコバルト、銅、及びマンガン混合の水酸化物スラリーを生成させる。
この中和に用いる水酸化アルカリは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の苛性アルカリが好ましい。また、中和混合については、いかなる混合態様でも良いが、コバルト、銅、及びマンガンの水溶性塩水溶液に水酸化アルカリを添加するのが好ましく、その添加は60〜120分間の間に行えば、均一な組成の水酸化物核粒子が得られるので、より好ましい。添加時間が60分より短いと不均一な組成の水酸化物が形成されたり、不定形粒子が発生しやすく、また、120分を超える場合、均一な組成の水酸化物が形成されるが、核の成長も進行し、不定形状粒子が発生しやすい傾向にある。
得られた水酸化物スラリーをpH10〜13の範囲で調整し、適当な酸化剤(過酸化水素等)添加や酸素含有ガス、好ましくは空気吹き込みを行うことで、スラリー中に黒色複合酸化物粒子を生成させる。
反応の際のpHが10未満の場合、粒子成長が進行にくく微粒化しやすい。また、pHが13を超える場合は、粒子が不定形になりやすい。
なお、この際の反応温度は40℃超、60℃以下が好ましい。この温度が40℃以下であると粒子が微粒化して黒色度が低下する恐れがあり、60℃を超える場合、不定形状粒子の発生が多発しやすい。
酸化反応は、スラリー中の酸化還元電位が平衡に達するまで続ける。得られた前駆体スラリーに水可溶性ケイ酸塩の水溶液を添加しても良いが、その前に前駆体スラリーを80〜150℃まで昇温し、その後、80〜100℃で1〜6時間攪拌するか、オートクレーブ等を用いて100〜150℃で処理するかして、スラリー中の黒色複合酸化物粒子の熟成を行っても良い。
この熟成により、反応を進行させて粒状の粒子を形成させることができ、好ましい。この際の処理温度が80℃(オートクレーブを用いる場合、100℃)未満の場合、反応がなかなか進行しないために粒状の粒子を形成させることができず、不定形粒子が発生しやすい。100℃(オートクレーブを用いる場合、150℃)を超える場合、反応速度が速いことに起因して得られる粒子の粒度分布が広くなり、好ましくない。
上記にて得られた前駆体スラリーに、水可溶性ケイ酸塩の水溶液を添加してpH6〜10に調整しながら、攪拌混合する。この添加の際のpHが6未満の場合やpH10を超える場合は、粒子表面に被膜形成が進行しにくい。
また、この添加においては、30〜120分かけて添加して、添加後30〜120分かけて攪拌混合するのが好ましい。
こうして得られた前駆体スラリーを、常法の濾過(固液分離)、洗浄、脱水を経て、50〜120℃にて乾燥を行った後粉砕し、得られた黒色複合酸化物粒子を400〜700℃にて熱処理させ、形態を安定化させる。この熱処理の際の処理時間は1時間超、3時間以下で行うのが好ましい。熱処理時間が1時間以下であると酸化物の形態が安定しないため、色相が悪くなる恐れがある。また、3時間を超えると粒子間焼結の影響により着色力を低下させる恐れがある。熱処理後の黒色複合酸化鉄粒子は、一部凝集が見られることがあるので、常法の解砕処理を加えれば良い。
熱処理の際の温度は400℃未満では、酸化物の形態が安定せず、各種特性の安定性に欠けるおそれがある。また、700℃を超える場合、過剰な熱負荷により、黒色度や色相が不良となるおそれがある。なお、熱処理時の雰囲気は大気中、あるいは不活性ガス雰囲気下、いずれでも構わない。
ところで、上記の複合黒色酸化物粒子の製造方法において、前駆体スラリーを固液分離する前に水可溶性ケイ素塩の水溶液を添加する代わりに、当初のコバルト、銅、およびマンガンの水溶性塩に添加することでも、本発明の複合黒色酸化物粒子を製造することができる。
本発明の複合黒色酸化物粒子を用いて、塗料化した黒色顔料、そしてそれを用いて得られたブラックマトリックス、プラズマディスプレイ、あるいはプラズマアドレス液晶であれば、黒色度や色相の耐熱劣化抑制の面で優れるのみならず、特に塗料化した際の塗膜の表面平滑性に優れている。
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕
硫酸コバルト7水塩830g、硫酸銅5水塩224g、硫酸マンガン5水塩324gを温度45℃、6リットルの水に投入、攪拌して溶解し、次に、この混合水溶液に苛性ソーダ1mol/L水溶液7.1リットルを約90分かけて添加し、得られた水酸化物スラリーのpHが12になるように調整した。添加完了後の液温は50℃だった。
調整が完了して30分後、液温を50℃に維持しながら、エアーを3リットル/分の割合で約2時間吹き込こんだ。
その後、反応液の攪拌を続け、約60分で85℃まで昇温し、その後1時間保持した。
1時間保持後、生成した複合酸化鉄粒子スラリーに0.1mol/Lのケイ酸ソーダ水溶液1.6リットルを60分かけて添加し、希硫酸を用いてpH7に調整し、60分攪拌混合した。その後、濾過、洗浄して、洗浄ケーキを80℃で10時間乾燥した。乾燥品を粉砕し、大気中で、600℃、2時間の焼成を行って、粒子径0.07μm、
BET27m/gの複合酸化鉄粒子を得た。
得られた複合酸化物粒子について、以下に示す評価方法にて諸特性を評価した。結果を表2及び表3に示す。
<評価方法>
(a)Co、Cu、Mn、およびSi含有率;試料を溶解し、ICPにて測定した。
(b)平均粒径,(c)SEM(走査型電子顕微鏡)で10万倍の写真を撮影し、200個の粒子のフェレ径を測定した。(d)比表面積;島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。(e)黒色度、色相; 粉体の黒色度測定はJIS K5101−1991に準拠して行った。試料2.0gにヒマシ油1.4ccを加え、フーバー式マーラーで練りこむ。この練り込んだサンプル2.0gにラッカー7.5gを加え、さらに練り込んだ後これをミラーコート紙上に4milのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、色差計(東京電色社製、カラーアナライザーTC−1800型)にて、黒色度(L値)及び色相(a値、b値)を測定した。(f)耐熱性試験;試料を時計皿に入れて、通風型乾燥機(タバイエスペック製オーブン PH―201型)にて、180℃、2時間乾燥して、(e)と同様の方法で、黒色度、色相を測定した。(g)鏡面反射率(塗膜の表面平滑性に伴う光沢性);スチレンアクリル系樹脂(TB−1000F)を(樹脂:トルエン=1:2)にて溶解した液を60g、熱処理後の試料10g、直径1mmのガラスビーズ90gを内容積140mlのビンに入れ、蓋をした後、ペイントシェーカー(トウヨウセイキ社製)にて30分混合した。これをガラス板上に4milのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、色差計にて黒色度、ムラカミ式GLOSS METER(GM−3M)にて20度の反射率を測定した。
〔実施例2〕
硫酸コバルト7水塩830g、硫酸銅5水塩224g、硫酸マンガン5水塩324gを温度45℃、6リットルの水に投入、攪拌して溶解し、次に、0.1mol/Lケイ酸ソーダ1.6リットルを添加した。この混合水溶液に苛性ソーダ1mol/L水溶液7.1リットルを約90分かけて添加し、得られた水酸化物スラリーのpHが12になるように調整した。添加完了後の液温は50℃だった。
調整が完了して30分後、液温を50℃に維持しながら、エアーを3L/分の割合で約2時間吹き込こんだ。
その後、反応液の攪拌を続け、約60分で85℃まで昇温し、その後1時間保持した。
1時間保持後、生成した複合酸化鉄粒子スラリーを濾過、洗浄して、洗浄ケーキを80℃で10時間乾燥した。乾燥品を粉砕し、大気中で、600℃、2時間の焼成を行って、粒子径0.07μm、BET26m/gの複合酸化鉄粒子を得た。
得られた複合酸化物粒子について、実施例1と同様に諸特性を評価した。結果を表2及び表3に示す。
〔比較例1〜3〕
表1に示すように各製造条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法で複合酸化物粒子を得た。
得られた複合酸化物粒子について、実施例1と同様に諸特性を評価した。結果を表2及び表3に示す。
表3からも明らかなとおり、実施例の黒色複合酸化物粒子は、黒色度、色相(耐熱性を含む)に優れ、特に塗料を塗膜化した際の表面平滑性に優れている。
これに比べ、比較例1の複合酸化鉄粒子は、ケイ素を含有していないことに起因して、黒色度、色相(耐熱性を含む)は実施例と同等だが、塗料を塗膜化した際の表面平滑性が劣っている。
また、比較例2の複合酸化鉄粒子は、ケイ素を過剰に含有していることに起因して、比表面積が増大し、黒色度、色相が低下した。また、塗料を塗膜化した際の表面平滑性も劣っている。
また、比較例3の複合酸化鉄粒子は、ケイ素が不足していることに起因して、塗料を塗膜化した際の表面平滑性がさほど改善されていない。

Claims (8)

  1. コバルト、銅、マンガン及びケイ素の酸化物からなり、銅/コバルトのモル比が0.1〜0.5であり、マンガン/コバルトのモル比が0.2〜1.0であり、かつケイ素を酸化物粒子全体に対して0.1〜3質量%含有することを特徴とする複合黒色酸化物粒子。
  2. 一次平均粒径が0.05〜0.15μm、かつSEM観察による粒度分布における下記式(1)の変動係数CV値が40%以下であることを特徴とする請求項1に記載の複合黒色顔料粒子。
    CV値(%)=(SEM観察による粒径の標準偏差(μm))/(SEM観察による個数平均粒子径(μm))×100 …(1)
  3. BETによる比表面積が10〜40m/gである請求項1または2に記載の複合黒色酸化物粒子。
  4. 色差計による反射率(20度)が40%以上である請求項1〜3に記載の複合黒色酸化物粒子。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の複合黒色酸化物粒子を含有する黒色塗料。
  6. 請求項5に記載の黒色塗料により形成されたブラックマトリックス。
  7. コバルト、銅、およびマンガンの水溶性塩を用いて調製した金属塩混合水溶液と、水酸化アルカリとを中和混合し、得られた金属水酸化物スラリーをpH10〜13に維持しながら酸化し、得られた前駆体スラリーに水可溶性ケイ酸塩の水溶液を添加してpH6〜10に調整し、固液分離後、温度400〜700℃で熱処理することを特徴とする複合黒色酸化物粒子の製造方法。
  8. コバルト、銅、マンガンの水溶性塩および水可溶性ケイ酸塩の水溶液を用いて調製した金属塩混合水溶液と、水酸化アルカリとを中和混合し、得られた金属水酸化物スラリーをpH10〜13に維持しながら酸化し、得られた前駆体スラリーを固液分離後、温度400〜700℃で熱処理することを特徴とする複合黒色酸化物粒子の製造方法。














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