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JP4337000B2 - 液体噴射ヘッドおよびその制御方法、並びに、プリンタ - Google Patents
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液体噴射ヘッドおよびその制御方法、並びに、プリンタ Download PDF

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Description

本発明は、液体噴射ヘッドおよびその制御方法、並びに、プリンタに関する。
現在、高精細、高速印刷手法として、インクジェット法が実用化されている。インク液滴を吐出させるためには、圧電体層を電極で挟んだ構造の圧電素子を用いる方法が有用である(例えば特許文献1参照)。
特開2001−223404号公報
本発明の目的は、信頼性の向上を図ることができる液体噴射ヘッドの制御方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記液体噴射ヘッドの制御方法を実現することができる液体噴射ヘッドおよびプリンタを提供することにある。
本発明に係る液体噴射ヘッドの制御方法は、
設定された電圧を液体噴射ヘッドに印加して、液滴を吐出させる第1工程と、
前記液滴の速度を、レーザ光を用いて測定する第2工程と、
測定された前記液滴の速度と基準値を比較する第3工程と、
比較結果に応じて前記電圧を再設定する第4工程と、を含む。
本発明に係る液体噴射ヘッドの制御方法によれば、所望の液滴重量を有する液滴を吐出させることができる。これにより、例えば、液体噴射ヘッドを長期にわたって使用する場合であっても、液滴重量の変化を抑えることができ、信頼性の向上を図ることができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドの制御方法において、
前記第1工程から前記第4工程までの一連の工程は、複数回繰り返されることができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドの制御方法において、
前記第2工程では、
前記液滴は、前記レーザ光を2度通過し、
前記液滴の速度は、通過した2本の前記レーザ光同士の距離、および、該距離を該液滴が通過する時間から求められることができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドは、
圧力室に通じるノズル孔を有するノズル板と、
前記ノズル板の上方に形成され、前記圧力室を構成する開口部を有する基板と、
前記圧力室の上方に形成された弾性板と、
前記弾性板の上方に形成された駆動部と、
前記ノズル板の下方に形成され、前記ノズル孔から吐出される液滴の速度を、レーザ光を用いて測定する測定部と、を含む。
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下「A」という)の「上方」に形成された他の特定のもの(以下「B」という)」などと用いている。本発明に係る記載では、この例のような場合に、A上に直接Bが形成されているような場合と、A上に他のものを介してBが形成されているような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
また、本発明に係る記載では、「下方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下「C」という)の「下方」に形成された他の特定のもの(以下「D」という)」などと用いている。本発明に係る記載では、この例のような場合に、Cの下に直接Dが形成されているような場合と、Cの下に他のものを介してDが形成されているような場合とが含まれるものとして、「下方」という文言を用いている。
本発明に係る液体噴射ヘッドにおいて、
前記測定部は、
前記レーザ光を出射させるレーザ素子と、
前記レーザ素子から出射された前記レーザ光を反射させて、該レーザ光を逆向きに出射させる反射部と、
前記レーザ光を受光する受光素子と、を有し、
前記レーザ素子の光軸および前記受光素子の光軸は、平行であり、かつ、前記ノズル孔の鉛直下方の領域と交差し、
前記レーザ素子および前記反射部は、該レーザ素子から出射される前記レーザ光が、該レーザ素子の光軸を経路として前記反射部に入射される位置に配置され、
前記反射部および前記受光素子は、該反射部から出射される前記レーザ光が、該受光素子の光軸を経路として該受光素子に入射される位置に配置されることができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドにおいて、
前記測定部は、
前記レーザ光を出射させる2つのレーザ素子と、
前記レーザ光を受光する2つの受光素子と、を有し、
前記2つのレーザ素子の光軸は、平行であり、かつ、前記ノズル孔の鉛直下方の領域と交差し、
一方の前記レーザ素子の光軸は、一方の前記受光素子の光軸に合っており、
他方の前記レーザ素子の光軸は、他方の前記受光素子の光軸に合っていることができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドにおいて、
前記駆動部は、
下部電極と、
前記下部電極の上方に形成された圧電体層と、
前記圧電体層の上方に形成された上部電極と、を有することができる。
本発明に係るプリンタは、上述の液体噴射ヘッドを有する。
本発明に係るプリンタは、
上述した液体噴射ヘッドを有するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを往復動させるヘッドユニット駆動部と、
前記ヘッドユニットおよび前記ヘッドユニット駆動部を制御する制御部と、を含むことができる。
本発明に係るプリンタは、
液体噴射ヘッドを有するヘッドユニットと、
前記液体噴射ヘッドから吐出される液滴の速度を、レーザ光を用いて測定する測定部と、
前記ヘッドユニットを往復動させるヘッドユニット駆動部と、
前記ヘッドユニット、前記測定部、および前記ヘッドユニット駆動部を制御する制御部と、を含む。
以下、本発明に好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
1. 第1の実施形態
1.1. まず、第1の実施形態に係る液体噴射ヘッド50について説明する。ここでは、液体噴射ヘッド50がインクジェット式記録ヘッドである場合について説明する。図1は、本実施形態に係る液体噴射ヘッド50を概略的に示す断面図である。図2は、本実施形態に係る液体噴射ヘッド50を概略的に示す分解斜視図であり、通常使用される状態とは上下逆に示したものである。なお、図1は、図2のI−I線断面図である。また、図1では、便宜上、レーザ光80,81,82を模式的に矢印で表している。また、図2では、便宜上、駆動部54および測定部70を簡略化して示している。
液体噴射ヘッド50は、図1および図2に示すように、ノズル板51と、基板52と、弾性板55と、駆動部54と、測定部70と、を含む。液体噴射ヘッド50は、さらに、筐体56を有することができる。
ノズル板51は、圧力室521に通じるノズル孔511を有する。ノズル孔511からは、液滴(インク滴)が吐出される。ノズル板51には、例えば、多数のノズル孔511が一列に設けられている。ノズル板51は、例えばステンレス鋼(SUS)製の圧延プレートである。
基板52は、通常使用される状態ではノズル板51の上(図2では下)に形成されている。基板52としては、例えば(110)単結晶シリコン基板(面方位<110>)を用いることができる。基板52がノズル板51と弾性板55との間の空間を区画することにより、液体貯留部(リザーバ)523、供給口524、および複数の圧力室(キャビティ)521が設けられている。例えば圧力室521は、基板52の開口部521から構成されている。圧力室521は、各ノズル孔511に対して1つずつ配設されている。圧力室521は、弾性板55の変形により容積可変になっている。この容積変化により圧力室521からインクが吐出される。
弾性板55は、少なくとも圧力室521の上に形成されている。弾性板55は、例えば、さらに、液体貯留部523、供給口524、および基板52の上に形成されている。弾性板55としては、例えば、酸化シリコン(SiO)層の上に酸化ジルコニウム(ZrO)層が積層されたものを用いることができる。弾性板55には、厚さ方向に貫通した貫通孔531が設けられている。液体貯留部523は、外部(例えばインクカートリッジ)から貫通孔531を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。供給口524によって、液体貯留部523から各圧力室521へインクが供給される。なお、インクとしては、例えば写真印刷用水溶性顔料インクを用いることができる。
駆動部54は、弾性板55の上に形成されている。駆動部54は、圧電素子駆動回路(図示せず)に電気的に接続され、該圧電素子駆動回路の信号に基づいて作動(振動、変形)することができる。弾性板55は、駆動部54の変形によって変形し、圧力室521の内部圧力を瞬間的に高めることができる。駆動部54の方式としては、例えば、ピエゾ方式、サーマル方式などを挙げることができる。駆動部54の構造としては、例えば、積層ピエゾ構造、薄膜ピエゾ構造などを挙げることができる。
駆動部54は、例えば、弾性板55上に形成された下部電極4と、下部電極4上に形成された圧電体層6と、圧電体層6上に形成された上部電極7と、を有することができる。下部電極4としては、例えば、白金(Pt)層の上にイリジウム(Ir)層が積層されたものを用いることができる。圧電体層6は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)、チタン酸ジルコン酸鉛固溶体などからなることができる。チタン酸ジルコン酸鉛固溶体としては、例えばニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O:PZTN)などが挙げられる。上部電極7としては、例えば、イリジウム(Ir)層などを用いることができる。下部電極4、圧電体層6、および上部電極7は、例えば柱状の堆積体(柱状部)を構成することができる。
測定部70は、ノズル板51の下に形成されている。測定部70は、例えば、光素子部20と、反射部40と、を有する。光素子部20は、例えば、レーザ素子22と、受光素子24と、光素子用筐体26と、第1スペーサ28と、を有する。反射部40は、例えば、第1ミラー42と、第2ミラー44と、ミラー用筐体46と、第2スペーサ48と、を有する。測定部70には、配線(図示せず)などが接続されることができる。
レーザ素子22は、レーザ光80を出射させることができる。レーザ素子22としては、例えばガリウム砒素(GaAs)系の面発光レーザダイオードなどを用いることができる。レーザ光80の波長は、例えば850nmである。レーザ素子22から出射されるレーザ光80は、レーザ素子22の光軸23を経路として進むことができる。出射されるレーザ光80のスポットの直径は、液滴速度の測定(後述する)を行う領域において、例えば10μmである。
受光素子24は、レーザ光82を受光することができる。受光素子24は、例えば、レーザ素子22の下方に設けられることができる。受光素子24としては、例えばフォトダイオード(pinフォトダイオード等)を用いることができる。
レーザ素子22の光軸23と受光素子24の光軸25とは、例えば、水平方向に沿って平行である。即ち、レーザ素子22から出射されるレーザ光80と、受光素子24に入射されるレーザ光82とは、例えば水平方向に沿って平行である。また、レーザ素子22の光軸23および受光素子24の光軸25は、例えば、各ノズル孔511の鉛直下方の領域512と交差している。また、レーザ素子22の光軸23および受光素子24の光軸25は、例えば、各ノズル孔511の鉛直下方の領域512と直角に交わることができる。
反射部40は、レーザ素子22から出射されたレーザ光80を反射させて、レーザ素子22からレーザ光80が出射される向きとは逆向きにレーザ光(反射光)82を出射させることができる。具体的には、まず、レーザ素子22から出射されたレーザ光80は、例えば第1ミラー42で反射する。第1ミラー42の反射面42aは、レーザ光80に対して、例えば45度傾いている。第1ミラー42で反射した後のレーザ光(一次反射光)81は、例えば鉛直下向きに進むことができる。次に、一次反射光81は、例えば第2ミラー44で反射する。第2ミラー44の反射面44aは、一次反射光81に対して、例えば45度傾いている。第2ミラー44で反射した後のレーザ光(二次反射光)82は、反射部40から出射されて、例えば受光素子24の光軸25を経路として進むことができる。なお、反射部40での反射の回数は、2回に限定されるわけではない。
レーザ素子22および反射部40は、レーザ素子22から出射されるレーザ光80が、レーザ素子22の光軸23を経路として反射部40に入射される位置に配置されることができる。反射部40および受光素子24は、反射部40から出射されるレーザ光82が、受光素子24の光軸25を経路として受光素子24に入射される位置に配置されることができる。
ノズル板51とレーザ素子22の光軸23との距離(即ち、ノズル板51とレーザ光80との距離)Dは、例えば、100μm以上1cm以下である。
光素子用筐体26は、レーザ素子22および受光素子24を収納することができる。レーザ素子22および受光素子24は、光素子用筐体26の内部に固定されている。ミラー用筐体46は、第1ミラー42および第2ミラー44を収納することができる。第1ミラー42および第2ミラー44は、ミラー用筐体46の内部に固定されている。光素子用筐体26およびミラー用筐体46は、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料等を用いて形成される。
第1スペーサ28は、ノズル板51の下であって、光素子用筐体26の上に設けられることができる。第1スペーサ28は、その厚さを調整することにより、光素子用筐体26の鉛直方向の位置、延いては、レーザ素子22および受光素子24の鉛直方向の位置を調整することができる。なお、第1スペーサ28は、設けられなくても良い。第2スペーサ48は、ノズル板51の下であって、ミラー用筐体46の上に設けられることができる。第2スペーサ48は、その厚さを調整することにより、ミラー用筐体46の鉛直方向の位置、延いては、第1ミラー42および第2ミラー44の鉛直方向の位置を調整することができる。なお、第2スペーサ48は、設けられなくても良い。第1スペーサ28および第2スペーサ48は、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料等を用いて形成される。
筐体56は、上述した部材を収納することができる。筐体56は、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料等を用いて形成される。
なお、上述した例では、液体噴射ヘッド50がインクジェット式記録ヘッドである場合について説明した。しかしながら、本発明の液体噴射ヘッドは、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドなどとして用いられることもできる。
1.2. 次に、本実施形態に係る液体噴射ヘッド50の制御方法について説明する。図3は、本実施形態の液体噴射ヘッド50の制御方法のフローチャートである。
まず、設定された電圧を液体噴射ヘッド50の上下電極に印加して、液滴を吐出させる(ステップS10:第1工程:液滴吐出工程)。最初に設定される電圧としては、例えば、+15Vを基準として最低電圧(例えば−3V)から駆動電圧(例えば35V)まで変化する50kHzのパルス電圧を用いることができる。設定される電圧の大きさは、例えば、最低電圧と駆動電圧との差で表される。
次に、吐出された液滴の速度を、レーザ光を用いて測定する(ステップS11:第2工程:測定工程)。具体的には以下の通りである。
図4および図5は、本実施形態の液体噴射ヘッド50の制御方法における一工程を概略的に示す断面図であり、図1に示す断面図に対応している。なお、図4は、液滴60を吐出してから時間tが経過した状態を示しており、図5は、液滴60を吐出してから時間tが経過した状態を示している。また、図6は、経過時間と、受光素子24に入射されるレーザ光82の光量との関係を示している。
液滴60は、図4〜図6に示すように、時間tが経過した後、時間tが経過するまで、レーザ素子22から出射されたレーザ光80を遮って落下することができる。その間、受光素子24に入射されるレーザ光82の光量は、液滴60がレーザ光80を遮る前の光量を100%とすると、例えば90%まで低下する。なお、光量の低下量は、図示の例(10%)に限定されず、例えば100%となることもある。
時間tが経過した後は、時間tが経過するまで、液滴60はレーザ光を遮らないため、その間、受光素子24に入射されるレーザ光82の光量は、100%まで回復する。時間tが経過した後は、時間tが経過するまで、液滴60は、受光素子24に入射されるレーザ光82を遮って落下することができる。その間、受光素子24に入射されるレーザ光82の光量は、例えば90%まで低下する。時間tが経過した後は、液滴60はレーザ光を遮らないため、受光素子24に入射されるレーザ光82の光量は、100%まで回復する。
従って、受光素子24における入射光量の減少をモニタすることで、経過時間t〜tの具体的な値を測定することができる。レーザ素子22から出射されるレーザ光80と、受光素子24に入射されるレーザ光82との距離、即ち、レーザ素子22の光軸23と、受光素子24の光軸25との距離をLとすると、液滴60の速度Vは、例えば、以下の式で表される。
V=L/(t−t)=L/T …式(1)
または、
V=L/(t−t)=L/T …式(2)
上記距離Lは、所定の値(例えば1cm)に設定されることができるため、液滴60の実際の速度Vを上記式(1)または式(2)から求めることができる。
上述したように、液滴60は、レーザ光を2度通過し、液滴60の速度Vは、通過した2本のレーザ光80,82同士の距離L、および、該距離Lを液滴60が落下(通過)する時間Tから求められる。即ち、測定部70は、ノズル孔511から吐出される液滴60の速度Vを、レーザ光80,82を用いて測定することができる。
次に、測定された液滴60の速度と基準値とを比較する(ステップS12,S14,S16:第3工程:比較工程)。基準値は、基準となる液滴の速度であり、例えば9.0m/秒である。基準値としては、所望の値を設定することができる。次に、比較結果に応じて電圧を再設定する(第4工程:再設定工程)。例えば、比較した結果、液滴60の速度が基準値よりも速かった場合には、既に設定されている電圧の大きさが小さくなるように(例えば駆動電圧が低くなるように)電圧を再設定する(ステップS18)。例えば駆動電圧を低くすることにより、図7に示すように、液滴速度を遅くして基準値に近づけることができる。なお、図7は、駆動電圧と液滴速度の関係、および、駆動電圧と液滴重量の関係を示すグラフである。図7では、駆動電圧が所定値(例えば35V)である場合の液滴速度(例えば9.0m/秒)および液滴重量(例えば8ng)をそれぞれ基準(100%)として各値を示している。
また、例えば、比較した結果、液滴60の速度が基準値よりも遅かった場合には、既に設定されている電圧の大きさが大きくなるように(例えば駆動電圧が高くなるように)電圧を再設定する(ステップS20)。例えば駆動電圧を高くすることにより、図7に示すように、液滴速度を速くして基準値に近付けることができる。
電圧を再設定(ステップS18,S20)した後は、再設定された電圧を液体噴射ヘッド50に印加して液滴を吐出させる第1工程(ステップS10)に戻ることができる。このようにして、上述した第1工程から第4工程までの一連の工程は、複数回繰り返されることができる。なお、上述した第1工程から第4工程までの一連の工程は、1回だけ行われて終了しても良い。この場合には、第4工程(再設定工程)において、第1工程(液滴吐出工程)で設定されている電圧と同じ電圧を再設定しても良いし、異なる電圧を再設定しても良い。
測定された液滴60の速度Vと基準値を比較(ステップ12)した結果、例えば同じであった場合には終了となり、液滴60は所望の速度(=基準値)で吐出されることができる。また、測定された液滴60の速度と基準値が同じにならなくても、上述した実行フローにより、液滴60の速度を所望の速度に近付けることが可能である。従って、液滴60の速度が所望の速度に近付いた時点で終了させることもできる。
上述したようにして液体噴射ヘッド50への印加電圧を制御することにより、所望の液滴速度を得ることができる。図7に示すように、液滴速度と液滴重量には相関関係があるため、所望の液滴速度を得ることができれば、所望の液滴重量を得ることができる。従って、上述した実行フローが終了した状態で液体噴射ヘッド50を使用することにより、所望の重量を有する液滴60を吐出させることができる。即ち、液滴重量の補正を行うことができる。
なお、液滴重量の補正は、すべてのノズル孔511から吐出される液滴60に対してそれぞれ行っても良いし、一部のノズル孔511から吐出される液滴60に対してそれぞれ行っても良い。
また、液体噴射ヘッド50の使用初期に液滴重量が大きく減少する場合があるため、液滴重量の補正を行う頻度を液体噴射ヘッド50の使用初期には多くして、その後減らすことができる。
また、上述した基準値は、大小異なる2つの値であっても良い。この場合には、大きな方の基準値よりも液滴速度が速い場合に例えば駆動電圧を低くし、小さい方の基準値よりも液滴速度が遅い場合に例えば駆動電圧を高くすることができる。これにより、液滴重量を所望の範囲に収めることができる。
1.3. 次に、本実施形態に係る液体噴射ヘッド50の製造方法について説明する。図8は、本実施形態の液体噴射ヘッド50の一製造工程を概略的に示す断面図であり、図1に示す断面図に対応している。
(1)まず、図8に示すように、基板52上に弾性板55を形成する。弾性板55は、例えば、熱酸化法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより成膜される。
(2)次に、図8に示すように、弾性板55上に駆動部54を形成する。具体的には、まず、弾性板55上の全面に、下部電極4、圧電体層6、および上部電極7をこの順に成膜する。下部電極4は、例えばスパッタリングにより成膜される。圧電体層6は、例えばゾルゲル法(溶液法)により成膜される。上部電極7は、例えばスパッタリングにより成膜される。次に、例えば上部電極7、圧電体層6、および下部電極4をパターニングして、所望の形状の柱状部を形成することができる。各層のパターニングには、例えばリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いることができる。なお、下部電極4、圧電体層6、および上部電極7は、各層の形成ごとにパターニングされることもできるし、複数層の形成ごとに一括してパターニングされることもできる。以上の工程により、下部電極4、圧電体層6、および上部電極7を有する駆動部54が形成される。
(3)次に、図1および図2に示すように、基板52をパターニングして、開口部521を形成する。基板52のパターニングには、例えばリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いることができる。
(4)次に、図1および図2に示すように、基板52の下面(図2では上面)の所定の位置に接着剤などを用いてノズル板51を貼り付ける。
(5)次に、図1および図2に示すように、ノズル板51の下面(図2では上面)の所定の位置に測定部70を固定する。具体的には、内部にレーザ素子22および受光素子24が固定されている光素子用筐体26を用意し、該光素子用筐体26をノズル板51の下面の所定の位置に、例えば第1スペーサ28を介して、接着剤などを用いて貼り付ける。また、内部に第1ミラー42および第2ミラー44が固定されているミラー用筐体46を用意し、該ミラー用筐体46をノズル板51の下面の所定の位置に、例えば第2スペーサ48を介して、接着剤などを用いて貼り付ける。
以上の工程により、図1および図2に示すように、本実施形態の液体噴射ヘッド50が形成される。
1.4. 本実施形態の液体噴射ヘッド50の制御方法によれば、上述したように、所望の液滴重量を有する液滴60を吐出させることができる。これにより、例えば、液体噴射ヘッド50を長期にわたって使用する場合であっても、液滴重量の変化を抑えることができ、信頼性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の液体噴射ヘッド50の制御方法によれば、複数のノズル孔511から吐出される液滴60のそれぞれの液滴重量を所望の値にすることができる。従って、ノズル孔511ごとに吐出される液滴60の重量のばらつきを低減させることができる。
また、本実施形態の液体噴射ヘッド50の制御方法によれば、例えば、液滴60がノズル孔511の目詰まりなどにより吐出されないことを検知することができる。
また、本実施形態の液体噴射ヘッド50によれば、上述した液体噴射ヘッドの制御方法を実現することができる。
1.5. 次に、本実施形態に係る液体噴射ヘッドの変形例について説明する。なお、上述した本実施形態に係る液体噴射ヘッド50およびその制御方法(以下「液体噴射ヘッド50の例」という)と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
(1)まず、第1の変形例について説明する。
液体噴射ヘッド50の例では、光素子部20において、レーザ素子22は、受光素子24の上方に設けられる場合について説明したが、例えば、レーザ素子22と受光素子24の位置を逆にして、レーザ素子22を受光素子24の下方に設けることができる。
(2)次に、第2の変形例について説明する。図9は、本変形例に係る液体噴射ヘッド120を概略的に示す断面図である。
液体噴射ヘッド50の例では、測定部70は、1つの光素子部20と、反射部40と、を有する場合について説明したが、例えば、測定部70は、2つの光素子部20,90を有し、反射部を有しないことができる。第1の光素子部20は、第1レーザ素子22と、第1レーザ素子22の下方に設けられた第1受光素子24を有する。第2の光素子部90は、第2レーザ素子92と、第2レーザ素子92の上方に設けられた第2受光素子94を有する。第1レーザ素子22から出射されたレーザ光80は、第2受光素子94に入射される。第2レーザ素子92から出射されたレーザ光82は、第1受光素子24に入射される。第1レーザ素子22の光軸23は、第2受光素子94の光軸95に合っており、第2レーザ素子92の光軸93は、第1受光素子24の光軸25に合っている。
液体噴射ヘッド50の例で説明した入射光量(図6参照)としては、本変形例では、例えば、第1受光素子24へ入射される光量と、第2受光素子94へ入射される光量とを足し合わせたものを用いることができる。あるいは、第1受光素子24へ入射される光量のみを用いて、図6に示すtまたはtを求め、第2受光素子94へ入射される光量のみを用いて、図6に示すtまたはtを求めることも可能である。
(3)次に、第3の変形例について説明する。
上述した第2の変形例では、第1の光素子部20が1つのレーザ素子22および1つの受光素子24を有し、第2の光素子部90が1つのレーザ素子92および1つの受光素子94を有する場合について説明した。しかしながら、例えば、図示しないが、第1の光素子部は、2つのレーザ素子を有し、第2の光素子部は、2つの受光素子を有することができる。第1の光素子部の2つのレーザ素子から出射されるレーザ光は、第2の光素子部の2つの受光素子に入射されることができる。2つの受光素子へ入射される光量を足し合わせることができることや、それぞれの受光素子へ入射される光量を単独で用いて図6に示すt〜tを求めることができることは、第2の変形例で述べた通りである。
(4)なお、上述した変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、第1の変形例と第2の変形例を組み合わせることも可能である。また、必要に応じて、後述する第2の実施形態にもこれらの変形例は適用できる。
2. 第2の実施形態
2.1. 次に、第2の実施形態に係るプリンタ600について説明する。ここでは、本実施形態に係るプリンタ600がインクジェットプリンタである場合について説明する。
図10は、本実施形態に係るプリンタ600を概略的に示す斜視図である。プリンタ600は、ヘッドユニット630と、測定部170と、ヘッドユニット駆動部610と、制御部660と、を含む。また、プリンタ600は、装置本体620と、給紙部650と、記録用紙Pを設置するトレイ621と、記録用紙Pを排出する排出口622と、装置本体620の上面に配置された操作パネル670と、を含むことができる。
ヘッドユニット630は、インクジェット式記録ヘッドである液体噴射ヘッド(以下単に「ヘッド」ともいう)140を有する。ヘッドユニット630は、さらに、ヘッド140にインクを供給するインクカートリッジ631と、ヘッド140およびインクカートリッジ631を搭載した運搬部(キャリッジ)632と、を備える。
ヘッド140は、ノズル板と、基板と、弾性板と、駆動部と、を有する。これらの部材としては、例えば、上述した第1の実施形態に係る液体噴射ヘッドに用いられる部材と同じものを用いることができる。
測定部170は、液体噴射ヘッド140とは別個に設けられている。測定部170としては、上述した第1の実施形態に係る液体噴射ヘッド50に用いられる測定部70と同じものを用いることができる。測定部170は、例えば装置本体620の内部に固定されている。測定部170には、配線(図示せず)などが接続されることができる。
ヘッドユニット駆動部610は、ヘッドユニット630を往復動させることができる。ヘッドユニット駆動部610は、ヘッドユニット630の駆動源となるキャリッジモータ641と、キャリッジモータ641の回転を受けて、ヘッドユニット630を往復動させる往復動機構642と、を有する。
往復動機構642は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸644と、キャリッジガイド軸644と平行に延在するタイミングベルト643と、を備える。キャリッジガイド軸644は、キャリッジ632が自在に往復動できるようにしながら、キャリッジ632を支持している。さらに、キャリッジ632は、タイミングベルト643の一部に固定されている。キャリッジモータ641の作動により、タイミングベルト643を走行させると、キャリッジガイド軸644に導かれて、ヘッドユニット630が往復動する。この往復動の際に、ヘッド140から適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
制御部660は、ヘッドユニット630、測定部170、ヘッドユニット駆動部610、および給紙部650を制御することができる。
給紙部650は、記録用紙Pをトレイ621からヘッドユニット630側へ送り込むことができる。給紙部650は、その駆動源となる給紙モータ651と、給紙モータ651の作動により回転する給紙ローラ652と、を備える。給紙ローラ652は、記録用紙Pの送り経路を挟んで上下に対向する従動ローラ652aおよび駆動ローラ652bを備える。駆動ローラ652bは、給紙モータ651に連結されている。
ヘッドユニット630、ヘッドユニット駆動部610、制御部660、および給紙部650は、装置本体620の内部に設けられている。
なお、上述した例では、プリンタ600がインクジェットプリンタである場合について説明したが、本発明のプリンタは、工業的な液滴吐出装置として用いられることもできる。この場合に吐出される液体(液状材料)としては、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したものなどを用いることができる。
2.2. 本実施形態に係るプリンタ600によれば、測定部170が液体噴射ヘッド140とは別個に設けられているため、上述した第1の実施形態に係る液体噴射ヘッド50に比べ、液体噴射ヘッド140を小型化することができる。また、測定部170が液体噴射ヘッド140とは別個に設けられているため、例えば記録用紙Pと液体噴射ヘッド140との距離が極めて短い場合であっても、測定部170を所望の位置に設けることで、ノズル板とレーザ光との距離D(図1参照)や、レーザ光同士の間隔L(図1参照)を所望の値にすることができる。
また、本実施形態に係るプリンタ600によれば、測定部170を用いて液体噴射ヘッド140の信頼性の向上を図ることができる。この理由は、上述した第1の実施形態に係る液体噴射ヘッドの場合と同様である。
また、本実施形態のプリンタ600によれば、上述した第1の実施形態に係る液体噴射ヘッドの制御方法を実現することができる。
2.3. 次に、本実施形態に係るプリンタの変形例について説明する。なお、上述した本実施形態に係るプリンタ600(以下「プリンタ600の例」という)と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
(1)プリンタ600の例では、測定部170が液体噴射ヘッド140とは別個に設けられる場合について説明した。しかしながら、例えば、本変形例に係るプリンタは、プリンタ600の例における測定部170と液体噴射ヘッド140とを一体化したものである第1の実施形態に係る液体噴射ヘッドを有することができる。
(2)なお、上述した変形例は一例であって、これに限定されるわけではない。
3. 上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
本実施形態の液体噴射ヘッドを概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドを概略的に示す分解斜視図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの制御方法のフローチャート。 本実施形態の液体噴射ヘッドの制御方法の一工程を概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの制御方法の一工程を概略的に示す断面図。 経過時間と受光素子に入射されるレーザ光の光量との関係を示す図。 駆動電圧と液滴速度の関係および駆動電圧と液滴重量の関係を示すグラフ。 本実施形態の液体噴射ヘッドの一製造工程を概略的に示す断面図。 本実施形態の液体噴射ヘッドの変形例を概略的に示す断面図。 本実施形態のプリンタを概略的に示す斜視図。
符号の説明
4 下部電極、6 圧電体層、7 上部電極、20 光素子部、22 レーザ素子、23 光軸、24 受光素子、25 光軸、26 光素子用筐体、28 第1スペーサ、40 反射部、42 第1ミラー、44 第2ミラー、46 ミラー用筐体、48 第2スペーサ、50 液体噴射ヘッド、51 ノズル板、52 基板、54 駆動部、55 弾性板、56 筐体、60 液滴、70 測定部、80 レーザ光、81 一次反射光、82 レーザ光、90 第2光素子部、92 第2レーザ素子、93 光軸、94 第2受光素子、95 光軸、120,140 液体噴射ヘッド、170 測定部、511 ノズル孔、512 ノズル孔鉛直下方領域、521 圧力室(開口部)、523 液体貯留部、524 供給口、531 貫通孔、600 プリンタ、610 ヘッドユニット駆動部、620 装置本体、621 トレイ、622 排出口、630 ヘッドユニット、631 インクカートリッジ、632 キャリッジ、641 キャリッジモータ、642 往復動機構、643 タイミングベルト、644 キャリッジガイド軸、650 給紙部、651 給紙モータ、652 給紙ローラ、660 制御部,670 操作パネル

Claims (2)

  1. 設定された電圧を液体噴射ヘッドに印加して、液滴を吐出させる第1工程と、
    前記液滴は、レーザ光と受光素子を含む光学系の光軸と2つの点において交差し、前記2つの点の間を前記液滴が通過する時間と、前記2つの点の距離から前記液滴の速度を求める第2工程と
    前記液滴の速度と基準値を比較する第3工程と、
    比較結果に応じて前記電圧を再設定する第4工程と、を含み、
    前記第1工程から前記第4工程までの一連の工程は、複数回繰り返され、
    前記複数回繰り返される前記一連の工程の頻度は、前記液体噴射ヘッドの使用初期を過ぎた後は、使用初期における頻度より少なくする、液体噴射ヘッドの制御方法。
  2. 請求項1において、
    前記第3工程において、前記液滴の速度と前記液滴の重量との予め得られた相関関係より、所望の重量に対応する液滴の速度を基準値とする、液体噴射ヘッドの制御方法。
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