JP4337231B2 - 印字装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字装置、特に、インクヘッドによる印字領域の前後に給紙ローラと排紙ローラとが配備されている印字装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6及び図7に従来の印字装置の主要部を説明的に示してある。この印字装置は、プラテン1の用紙支持面12を挟む前側と後側とに給紙ローラ2と排紙ローラ3とが振り分けて配備されていて、給紙ローラ2の設置位置と排紙ローラ3の設置位置との間にインクヘッド4による印字領域Zが形成されている。そして、給紙ローラ2が、用紙100を印字領域Zに送り込む一方で、排紙ローラ3が印字領域Zから用紙100を排出するようになっている。なお、21は用紙100を給紙ローラ2に押し付けるための押えローラ、31は用紙100が排紙ローラ3から浮き上がるのを防ぐスターホイルで、Xは印字領域Zでのインクヘッド4の移動方向、Yは用紙100の送り方向をそれぞれ示している。図7において、給紙ローラ2や排紙ローラ3は、軸長の長い1つのローラによって表されているけれども、これらの各ローラ2,3のそれぞれは、同軸に設けられた軸長の短い複数のローラによって形成されることもある。また、図7ではスターホイル31の回転軸が図示省略されているけれども、これらのスターホイル31は個別の回転軸を有している。押さえローラ21は、図示していない共通の回転軸の軸方向所定間隔おきの複数箇所に設けられている。
【0003】
この種の印字装置では、給紙ローラ2による用紙送り速度よりも排紙ローラ3による用紙送り速度がわずかに速くなるように定められている。そのため、排紙ローラ3によって送られる用紙に対して給紙ローラ2が一定の抵抗を付与している状態になり、その結果として、印字領域Zでは用紙100が送り方向Yに沿う方向に引っ張られた状態になって適正な印字が行われる。
【0004】
一方、特開平11−245457号公報には、排紙ローラによって送られている用紙の後端が給紙ローラから離れた瞬間に、その用紙の後端部付近がばたついて印字品位が低下するという問題を解決するための対策についての開示がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図6や図7で説明した従来の印字装置では、給紙ローラ2による用紙送り速度よりも排紙ローラ3による用紙送り速度がわずかに速くなるように定められているために、排紙ローラ3によって送られている用紙100の後端101が給紙ローラ2と押えローラ21との間から抜け出た瞬間には、給紙ローラ2によって用紙100に付与されていた抵抗がなくなって、用紙100の移動速度がそれまでよりも瞬間的に速くなるという現象が起こり、そのことが原因になって用紙100の後端付近での印字品位が低下することがあった。
【0006】
そこで、このような印字品位の低下を目立たなくするために、用紙100の後端101の近傍箇所にやゝ幅広の非印字領域Uが形成されるようにすることもあったが、そのようにすると、用紙100の印字範囲Sが狭くなってしまう。
【0007】
この点に関し、上掲の特開平11−245457号公報に記載されている技術によると、用紙の後端が給紙ローラから離れた瞬間の用紙のばたつきを抑えることができるとしても、その瞬間に用紙の送り速度が速くなることによる印字品位の低下を抑えることはできない。
【0008】
本発明は以上の状況の下でなされたものであり、用紙の後端が給紙ローラから離れた瞬間の用紙のばたつきを抑えることができるのみならず、用紙の後端が給紙ローラから離れた後での用紙の幅方向での波打ちなどによる印字品位の低下を、用紙の印字範囲を狭めることなく、抑えることのできる印字装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、用紙の後端が給紙ローラから離れた瞬間に用紙の送り速度が速くなることによる印字品位の低下を抑えることのできる印字装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る印字装置は、用紙をインクヘッドによる印字領域に送り込むための給紙ローラの設置位置と上記印字領域から用紙を排出するための排紙ローラの設置位置との間に、上記給紙ローラから離れて上記排紙ローラによって排出される用紙の印字範囲の幅方向外側位置を保持する用紙保持手段を備えている。
【0011】
この印字装置では、給紙ローラから用紙の後端が離れた瞬間の用紙のばたつきが、用紙の印字範囲の幅方向外側位置を保持している用紙保持手段によって抑えられる。また、用紙の後端が給紙ローラから離れた後での用紙の幅方向での波打ちなどによる印字品位の低下も、上記用紙保持手段が、用紙の印字範囲の幅方向外側位置を保持することによって抑えられる。本発明において、用紙保持手段は、インクヘッドの動作を妨げない範囲で、できるだけ給紙装置に近い位置に設けておくことが望ましく、そのようにすることによって、用紙の後端付近の印字品位を向上させて印字範囲を拡大しやすくなる。
【0012】
この発明では、上記用紙保持手段が、用紙の裏面を下から支える支持部材と、この支持部材に用紙の印字範囲の幅方向外側位置を上から押し付ける押圧ローラとを有する。支持部材としては、回転ローラを採用したり、上記印字領域に送り込まれた用紙が摺接するプラテンを採用したりすることが可能である。
【0013】
この発明において、支持手段に回転ローラを採用したものでは、駆動モータの回転が伝達される給紙ローラの回転軸と排紙ローラの回転軸とにそれぞれ固着されたタイミングギヤ同士がタイミングベルトによって連結され、かつ、給紙ローラの回転軸に固着されたタイミングギヤと回転ローラの回転軸に固着されたタイミングギヤとがタイミングベルトによって連結されていて、上記給紙ローラによる用紙送り速度よりも上記排紙ローラによる用紙送り速度が速くなるように定められて排紙ローラによって送られる用紙に給紙ローラが抵抗を付与するようになっていると共に、給紙ローラが用紙に付与する上記抵抗と同等又は略同等の抵抗を上記回転ローラが用紙に付与するようになっていて、用紙の後端が給紙ローラから離れた後で、上記用紙保持手段によって用紙の送り速度が瞬間的に速くなることを防ぐ機能を有している。また、この発明において、支持手段にプラテンを採用したものでは、上記給紙ローラによる用紙送り速度よりも上記排紙ローラによる用紙送り速度が速くなるように定められて排紙ローラによって送られる用紙に給紙ローラが抵抗を付与するようになっていると共に、上記押圧ローラを、給紙ローラが用紙に付与する上記抵抗と同等又は略同等の抵抗を用紙に付与することにより、用紙の後端が給紙ローラから離れた後で、上記用紙保持手段によって用紙の送り速度が瞬間的に速くなることを防ぐ機能を有する駆動ローラとしてある。
【0014】
これによると、排紙ローラによって送られる用紙の後端が給紙ローラから離れた後では、用紙保持手段によって用紙に抵抗が付与され、しかも、用紙保持手段によって用紙に付与される抵抗は、それまで給紙ローラが用紙に付与していた抵抗と同等又は略同等であるので、用紙の送り速度が瞬間的に速くなるという事態が起こらず、その結果、用紙送り速度の急変に伴う印字品位の低下も起こらない。
【0015】
さらに、本発明に係る印字装置では、上記用紙保持手段が、用紙の印字範囲の幅方向外側位置に対して斜め外向きの送り力を付与するものである、という構成を採用することが可能である。これによると、給紙ローラから離れた用紙の後端に対して用紙保持手段が幅方向に引っ張るように作用する。そのため、給紙ローラから離れた用紙の後端に幅方向の波うちなどが起こらなくなり、印字品位がいっそう向上するようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施形態に係る印字装置の主要部を説明的に示した側面図、図2は同主要部を説明的に示した平面図である。
【0017】
図1及び図2の印字装置において、図6及び図7で説明した従来の印字装置と異なる点は、給紙ローラ2の設置位置と排紙ローラ3の設置位置との間に用紙保持手段5を設けた点である。その他の事項は図6及び図7で説明したところと同様であるので、説明の重複を避けるために同一部分に同一符号を付してある。
【0018】
上記用紙保持手段5は、給紙ローラ2から離れて排紙ローラ3によって排出される用紙100の印字範囲Sの左右の幅方向外側位置S1,S1を保持するものである。この実施形態において、用紙保持手段5は、用紙100の裏面を下から支える支持部材としての回転ローラ51と、この回転ローラ51に用紙100の印字範囲Sの左右の幅方向外側位置S1,S1を上から押し付ける押圧ローラ52,52とによって構成されている。なお、回転ローラ51や押圧ローラ52,52は、プラテン1と一体に形成した軸受(不図示)に取り付けておくことが可能である。また、回転ローラ51は、左右の押圧ローラ52,52に対して各別に設けておくことが可能である。
【0019】
この実施形態のように、給紙ローラ2の設置位置と排紙ローラ3の設置位置との間で、用紙100が回転ローラ51と押圧ローラ52とによる挾圧状態で保持されるようになっていると、給紙ローラ2から用紙100の後端101が離れた瞬間の用紙100のばたつきが、回転ローラ51と押圧ローラ52とによる挾圧作用によって抑えられる。また、用紙100の後端101が給紙ローラ2から離れた後での用紙100の幅方向での波打ちなどが起こらないので、そのような用紙100の波うちによる印字品位の低下も同様に抑えられる。
【0020】
図3は本発明の第2の実施形態に係る印字装置の主要部を説明的に示した側面図である。この印字装置において、図1及び図2で説明した印字装置と異なる点は、用紙100の裏面を下から支える支持部材がプラテン1によって形成されている点だけである。これによると、給紙ローラ2から用紙100の後端101が離れた瞬間の用紙100のばたつきが、プラテン1の用紙支持面12と押圧ローラ52とによる挾圧作用によって抑えられる。また、用紙100の後端101が給紙ローラ2から離れた後での用紙100の幅方向での波打ちなどが起こらないので、そのような用紙100の波うちによる印字品位の低下も同様に抑えられる。図3では、説明の重複を避けるために図1及び図2で説明した部分と同一部分には同一符号を付してある。
【0021】
図4は本発明の第3の実施形態に係る印字装置の主要部を説明的に示した平面図である。この印字装置において、上記した第1実施形態や第2実施形態と異なる点は、用紙保持手段5が、用紙100の印字範囲Sの左右の幅方向外側位置S1,S1に対して矢印a,aで示したように斜め外向きの送り力を付与するようになっている点である。この実施形態においても、用紙保持手段5が、用紙100の裏面を下から支える支持部材(不図示)と、この支持部材に用紙100の印字範囲Sの左右の幅方向外側位置S1,S1を上から押し付ける押圧ローラ52とを有する、という構成を採用している。そして、押圧ローラ52の回転軸線53を用紙送り方向に傾けることによって、用紙100に斜め外向きの送り力を付与し得るようにしてある。なお、用紙保持手段5の支持部材には、図1及び図2で説明したような回転ローラ51を用いることも、図3で説明したようなプラテン1を用いることも可能である。
【0022】
この実施形態によると、給紙ローラから離れた用紙100の後端101に対して用紙保持手段5が幅方向に引っ張るように作用する。そのため、給紙ローラから離れた用紙100の後端101に幅方向の波うちなどが起こらなくなり、印字品位がいっそう向上するようになる。
【0023】
ところで、図6及び図7の従来の印字装置についても説明したように、印字装置では、給紙ローラ2による用紙送り速度よりも排紙ローラ3による用紙送り速度が速くなるように定められていて、排紙ローラ3によって送られる用紙100に給紙ローラ2が抵抗を付与するようになっている。そこで、上記した用紙保持手段5についても、給紙ローラ2が用紙100に付与する上記抵抗と同等又は略同等の抵抗を用紙100に付与する機能を有していることが望ましく、そのようになっていると、排紙ローラ3によって送られる用紙100の後端101が給紙ローラ2から離れた後では、用紙保持手段5によって用紙100に抵抗が付与されて用紙100の送り速度が瞬間的に速くなるという事態が起こらなくなる。そのため、用紙送り速度の急変に伴う印字品位の低下も起こらなくなる。
【0024】
図5には、用紙保持手段の支持部材として図1に示した回転ローラ51を採用した場合に、用紙100に抵抗を付与するための具体的な構造を例示してある。同図において、25は給紙ローラ2の回転軸、35は排紙ローラ3の回転軸であって、それらの各回転軸25,35のそれぞれには、タイミングギヤ26,36が固着されていると共に、それらのタイミングギヤ26,36がタイミングベルト61によって連結されている。また、55は回転ローラ51の回転軸であり、この回転軸51に固着されたタイミングギヤ56と給紙ローラ2の回転軸25に固着された別のタイミングギヤ27とがタイミングベルト62によって連結されている。給紙ローラ2の回転軸25には、図示していない駆動モータの回転が伝達されるようになっている。そのため、回転軸25が回転して給紙ローラ2が回転すると、それと同調して排紙ローラ3の回転軸35や回転ローラの回転軸55も回転する。この場合に、各タイミングギヤ26,27,36,56の歯数を適切に選定したり、給紙ローラ2、排紙ローラ3、回転ローラ51の直径などを適切に選定したりしておくと、給紙ローラ2が用紙100に付与する抵抗と同等又は略同等の抵抗が、回転ローラ51を備えた用紙保持手段によって用紙に付与されるようになる。
【0025】
図5では、用紙保持手段の支持部材として図1に示した回転ローラ51を示したけれども、この点は、図1〜図4で説明した押圧ローラ52を駆動ローラとし、その押圧ローラ52によって用紙に抵抗を付与するようにすることも可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、排紙ローラによって送られる用紙の後端が給紙ローラから離れた瞬間の用紙のばたつきが抑えられるのみならず、用紙の後端が給紙ローラから離れた後での用紙の幅方向での波打ちなどによる印字品位の低下が抑えられる。また、用紙の後端が給紙ローラから離れた瞬間に用紙の送り速度が速くなることによる印字品位の低下を抑えて印字品位を向上させることが可能であるので、用紙の送り方向での印字範囲を従来の場合よりも拡大することが可能になる。特に、グラフィックや写真などを印刷するときの印字品位を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る印字装置の主要部を説明的に示した側面図である。
【図2】 同主要部を説明的に示した平面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態に係る印字装置の主要部を説明的に示した側面図である。
【図4】 本発明の第3実施形態に係る印字装置の主要部を説明的に示した平面図である。
【図5】 用紙に抵抗を付与するための具体的な構造を例示した説明図である。
【図6】 従来の印字装置の主要部を説明的に示した側面図である。
【図7】 従来の印字装置の主要部を説明的に示した平面図である。
【符号の説明】
1 プラテン(支持部材)
2 給紙ローラ
3 排紙ローラ
4 インクヘッド
5 用紙保持手段
51 回転ローラ(支持部材)
52 押圧ローラ
100 用紙
Z 印字領域
S 用紙の印字範囲
S1 印字範囲の幅方向外側位置
Claims (3)
- 用紙をインクヘッドによる印字領域に送り込むための給紙ローラの設置位置と上記印字領域から用紙を排出するための排紙ローラの設置位置との間に、上記給紙ローラから離れて上記排紙ローラによって排出される用紙の印字範囲の幅方向外側位置を保持する用紙保持手段を備えてなる印字装置において、
上記用紙保持手段が、回転ローラによって形成されて用紙の裏面を下から支える支持部材と、この支持部材に用紙の印字範囲の幅方向外側位置を上から押し付ける押圧ローラとを有し、
駆動モータの回転が伝達される給紙ローラの回転軸と排紙ローラの回転軸とにそれぞれ固着されたタイミングギヤ同士がタイミングベルトによって連結され、かつ、給紙ローラの回転軸に固着されたタイミングギヤと回転ローラの回転軸に固着されたタイミングギヤとがタイミングベルトによって連結されていて、上記給紙ローラによる用紙送り速度よりも上記排紙ローラによる用紙送り速度が速くなるように定められて排紙ローラによって送られる用紙に給紙ローラが抵抗を付与するようになっていると共に、給紙ローラが用紙に付与する上記抵抗と同等又は略同等の抵抗を上記回転ローラが用紙に付与するようになっていて、用紙の後端が給紙ローラから離れた後で、上記用紙保持手段によって用紙の送り速度が瞬間的に速くなることを防ぐ機能を有していることを特徴とする印字装置。 - 用紙をインクヘッドによる印字領域に送り込むための給紙ローラの設置位置と上記印字領域から用紙を排出するための排紙ローラの設置位置との間に、上記給紙ローラから離れて上記排紙ローラによって排出される用紙の印字範囲の幅方向外側位置を保持する用紙保持手段を備えてなる印字装置において、
上記用紙保持手段が、上記印字領域に送り込まれた用紙が摺接するプラテンによって形成されて用紙の裏面を下から支える支持部材と、この支持部材に用紙の印字範囲の幅方向外側位置を上から押し付ける押圧ローラとを有し、
上記給紙ローラによる用紙送り速度よりも上記排紙ローラによる用紙送り速度が速くなるように定められて排紙ローラによって送られる用紙に給紙ローラが抵抗を付与するようになっていると共に、上記押圧ローラを、給紙ローラが用紙に付与する上記抵抗と同等又は略同等の抵抗を用紙に付与することにより、用紙の後端が給紙ローラから離れた後で、上記用紙保持手段によって用紙の送り速度が瞬間的に速くなることを防ぐ機能を有する駆動ローラとしてあることを特徴とする印字装置。 - 上記用紙保持手段が、用紙の印字範囲の幅方向外側位置に対して斜め外向きの送り力を付与するものである請求項1又は請求項2に記載した印字装置。
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