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JP4337617B2 - 可変抵抗器及び抵抗体ペースト - Google Patents
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Description

本発明は、可変抵抗器及び抵抗体ペースト、特に、抵抗体上を摺動子が摺動するタイプの可変抵抗器、及び、該可変抵抗器の抵抗体として用いられる抵抗体ペーストに関する。
一般的に、可変抵抗器としては、カーボンブラックを樹脂中に混練してなる厚膜抵抗体と該厚膜抵抗体上を摺動するブラシ(摺動子)とを用いるものが知られている。しかしながら、この種の可変抵抗器では、ブラシが厚膜抵抗体上を継続的に摺動すると、厚膜抵抗体の表面が疲労磨耗してクラックが生成したり、ブラシの摺動軌跡上の厚膜抵抗体中のカーボンブラックが脱落する不具合を生じていた。このため従来の可変抵抗器にあっては、厚膜抵抗体表面におけるクラックやカーボンブラックあるいは樹脂の脱落粒子の再付着などにより、ブラシと厚膜抵抗体との間の電気的接触が不安定になるという問題点があった。
前記問題点を解消せんとする可変抵抗器としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されたものがある。特許文献1には、厚膜抵抗体側もしくはその上を摺動するブラシ側にダイアモンドライクカーボン被膜などを形成することが開示されている。また、特許文献2には、ブラシの硬度以上の硬度を有するカーボン被膜からなる厚膜抵抗体を用いるものが開示されている。
特許文献1及び特許文献2に記載のものでは、いずれも、厚膜抵抗体やブラシの磨耗を低減しつつ電気的導通性の安定性を維持することができる。しかしながら、ダイアモンドライクカーボン被膜や硬度の高いカーボン被膜は、材料自体のコストや加工コストが高いので、可変抵抗器の製品コストが高くなるという問題点を有していた。
特開平3−115868号公報 特開2002−289411号公報
そこで、本発明の目的は、安価な材料により信頼性が高く電気的特性の優れた低コストの可変抵抗器を提供することにある。
本発明のいま一つの目的は、耐磨耗性が高く電気的特性の優れた低コストの抵抗体ペーストを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る可変抵抗器は、基板の主面に配設された抵抗体と、該抵抗体上を摺動する摺動子とを備えてなり、抵抗体がグラファイト被覆ダイアモンドを含んでいることを特徴とする。
グラファイト被覆ダイアモンドは、例えば、後述する爆発衝撃法と呼ばれる手法で安価に製造することができる。本発明に係る可変抵抗器にあっては、抵抗体がグラファイト被覆ダイアモンド超微粒子を含むことにより、抵抗体の潤滑性と靭性が大幅に向上する。これにより、抵抗体の塑性変形、疲労磨耗が激減し、抵抗値変化が低減するばかりでなく、疲労磨耗によるクラック生成も低減し、さらには磨耗粉も微細化する。しかも、グラファイト被覆ダイアモンド超微粒子は表面導電性を有しているので、磨耗粉再付着による抵抗値変動を誘起することもなくなる。従って、安価で信頼性が高く電気的特性の優れた可変抵抗器を得ることができる。
本発明に係る可変抵抗器においては、抵抗体のグラファイト被覆ダイアモンドの含有率が2重量パーセント以上15重量パーセント以下であることが好ましい。抵抗体がこのような含有率でグラファイト被覆ダイアモンド超微粒子を含むことにより、摺動子の回転試験3000万回における抵抗値変化を±1.0パーセント以下、摺動抵抗雑音を0.3パーセント以下に抑えることができ、安価で信頼性が高く電気的特性の優れた可変抵抗器を得ることができる。
本発明に係る抵抗体ペーストは、グラファイト被覆ダイアモンドとカーボンブラックとグラファイトと熱硬化性樹脂とがペースト状に混練され、グラファイト被覆ダイアモンドの含有率が2重量パーセント以上15重量パーセント以下であることを特徴とする。
本発明に係る抵抗体ペーストにあっては、グラファイト被覆ダイアモンドの含有率が2重量パーセント以上15重量パーセント以下であるため、可変抵抗器の抵抗体の材料として使用すれば、低コストで信頼性の高い可変抵抗器を得ることができ、摺動子の回転試験3000万回における抵抗値変化が±1.0パーセント以下、摺動抵抗雑音が0.3パーセント以下とすることができる。
以下、本発明に係る可変抵抗器及び抵抗体ペーストの実施形態につき添付図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る可変抵抗器の一実施形態について、その構成を図1〜図4を参照して説明する。
この可変抵抗器は、樹脂成形品からなる抵抗体基板10と、樹脂成形品からなるカバー20と、摺動子35を備えた樹脂成形品からなる回転軸30とで構成されている。基板10は中心孔11を有し、端子12,13が埋設されている。端子12はその端部12aが基板10の側面から突出し、中央部が円環状の集電体12bとして基板10の表面に露出している。端子13はその端部13a(図4参照)が基板10の側面から突出し、他端部13bが基板10の表面に露出している。
前記端子12,13は、図4に示すように、長尺のフープ材40に所定形状に打ち抜かれて形成され、図示しない成形金型に挿入されて基板10が成形される。この樹脂成形の後、基板10の表面には抵抗体15(図3参照)がほぼ円環状に形成され、抵抗体15の互いに対抗する両端部15aは前記端子13の他端部13bと接続される。抵抗体15はグラファイト被覆ダイアモンドを含む抵抗体ペーストからなり、その詳細については後述する。
集電体12bと抵抗体15とは基板10の表面に同心円上に設けられ、集電体12bは抵抗体15の内側に位置している。
回転軸30は、中心孔31を有し、フランジ部32の周囲に摺動子35を取り付けたもので、基板10の中心孔11に回転自在に装着されている。摺動子35は導電性金属材からなり、抵抗体15上を弾性的に圧接状態で摺動するブラシ状の第1の接片35aと、集電体12b上を弾性的に圧接状態で摺動するブラシ状の第2の接片35bとを有している。
回転軸30の中心孔31は、図1(A)に示すように、円形孔の一部が埋め込まれた形状をなしている。中心孔31に図示しない操作シャフトが挿入されて左右いずれかの方向に回転することにより、回転軸30と共に摺動子35が一体的に回転し、接片35a,35bの抵抗体15及び集電体12bに対する接触位置が変化することにより、端子12,13間の抵抗値が調整される。
前記可変抵抗器において、抵抗体15は、グラファイト被覆ダイアモンドを5重量パーセント、カーボンブラックを25重量パーセント、グラファイト5重量パーセント、熱硬化性フェノール樹脂65重量パーセントと溶剤を添加混合し、ロールを用いて抵抗体ペーストとし、該抵抗体ペーストを抵抗体基板10上に印刷して硬化させたものである。
グラファイト被覆ダイアモンドは宇宙空間にも存在するが、例えば、ロシアン・ケミカル・レビューズ(Russian Chemical Reviews)70(2001)607号に開示されているような爆発衝撃法と呼ばれる手法で安価に製造することができる。このように製造されたグラファイト被覆ダイアモンドの平均粒径は5nmであり、ダイアモンドを被覆しているグラファイト(黒鉛)の一部はアモルファス・カーボンとなっていることがある。
本実施形態にあっては、前記グラファイト被覆ダイアモンド超微粒子の少量添加により、抵抗体15の潤滑性と靭性が大幅に向上する。これにより、抵抗体15の塑性変形、疲労磨耗が激減し、抵抗値変化が低減する。また、疲労磨耗によるクラック生成も低減し、磨耗粉も微細化するうえ、グラファイト被覆ダイアモンド超微粒子は表面導電性を有しているため、磨耗粉再付着による抵抗値変動が誘起されることもなくなる。さらに、グラファイト被覆ダイアモンド超微粒子は平均粒径が5nmと微細であるため、摺動子35の接片35a,35bを磨耗させることも少なく、摺動子35の耐磨耗性及び耐食性の向上にも効果がある。
本実施形態にあっては、さらに、グラファイト被覆ダイアモンドを抵抗体15の原料の一部として使用しているので、従来の可変抵抗器の製造プロセスを利用することができ、爆発衝撃法と呼ばれる手法で大量に製造することができるグラファイト被覆ダイアモンドという安価な材料を用いることと相俟って、可変抵抗器の製品コストを大幅に引き下げることができる。
以下に、本発明に係る可変抵抗器について、その実施例を示す。グラファイト被覆ダイアモンドを5重量パーセント、カーボンブラックを25重量パーセント、グラファイト5重量パーセント、熱硬化性フェノール樹脂65重量パーセントと溶剤を添加混合し、ロールを用いて抵抗体ペーストとした。該抵抗体ペーストを抵抗体基板10上に図3に示す形状に印刷して硬化させ、サンプルS1を作製した。このサンプルS1に関して3000万回の回転試験を実施し、抵抗値変化及び摺動抵抗雑音を測定した。
また前記同様の手法により、グラファイト被覆ダイアモンド、カーボンブラック、グラファイト、熱硬化性フェノール樹脂の混合割合を変えて、サンプルS2〜S13を作製し、前記同様の回転試験を実施し、抵抗値変化及び摺動抵抗雑音を測定した。それらの結果を次の表1に示す。
Figure 0004337617
表1に示す結果から、抵抗体15のグラファイト被覆ダイアモンドの含有率が2重量パーセント以上15重量パーセント以下のサンプルS1,S4,S5,S13では、摺動子35の3000万回の回転試験における抵抗値変化を±1.0パーセント以下に、また、摺動抵抗雑音も0.3パーセント以下に抑えることができた。それ以外の比較例(サンプルS2,S3及びサンプルS6〜S12)と比較して、抵抗値変化及び摺動抵抗雑音が大幅に改善されていることが分かる。
なお、本発明に係る可変抵抗器及び抵抗体ペーストは、前記実施形態及び実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
特に、本発明に係る可変抵抗器は、一実施形態として説明した構造を有する可変抵抗器に限らず、他の構造を有する可変抵抗器にも適用できることは勿論である。
本発明の一実施形態である可変抵抗器を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。 前記可変抵抗器を示す断面図である。 前記可変抵抗器の抵抗体基板を示す平面図である。 前記基板のモールド成形状態を示す平面図である。
符号の説明
10…抵抗体基板
15…抵抗体
35…摺動子

Claims (3)

  1. 基板の主面に配設された抵抗体と、該抵抗体上を摺動する摺動子とを備えてなり、前記抵抗体がグラファイト被覆ダイアモンドを含んでいることを特徴とする可変抵抗器。
  2. 前記抵抗体のグラファイト被覆ダイアモンドの含有率が2重量パーセント以上15重量パーセント以下であることを特徴とする請求項1に記載の可変抵抗器。
  3. グラファイト被覆ダイアモンドとカーボンブラックとグラファイトと熱硬化性樹脂とがペースト状に混練され、前記グラファイト被覆ダイアモンドの含有率が2重量パーセント以上15重量パーセント以下であることを特徴とする抵抗体ペースト。
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