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JP4337671B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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JP4337671B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信装置に関し、特に複数のアンテナにより同時に無線通信を行う無線通信装置、無線通信システム、および、これらにおける制御方法ならびに当該方法をコンピュータ(例えば、マイコン、CPU、信号処理LSIなど)に実行させるプログラムに関する。
無線通信機能は、近年パーソナルコンピュータ等の情報処理機器および携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)等の通信端末機器だけでなく、各種の民生用電子機器、例えばオーディオ製品、ビデオ機器、カメラ機器、プリンタまたはエンタテイメントロボット等にも搭載されるようになっている。さらに、この無線通信機能は、電子機器だけでなく、例えば無線LAN(Local Area Network)用のアクセスポイント、PCMCIA仕様(Personal Computer Memory Card International Association)カード、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、ミニPCI(Peripheral Component Interconnection)カード等のいわゆる小型のアクセサリカードにも搭載されるようになっている。これにより、ストレージ機能と無線通信機能とを備えた無線カードモジュールが構成されるようになっている。
現在、家庭用の無線LANで主に使用されている方式は、キャリア周波数に5.2GHz帯を用いるIEEE802.11aや、2.4GHz帯を用いるIEEE802.11b/gである。これらIEEE802.11aやIEEE802.11gは、データの伝送速度が54Mbpsとされているが、最近では、世の中において扱われるデータ情報量の増加に伴い、さらに早い伝送速度を実現するための無線方式の研究・開発が盛んになっている。
そのような高速伝送を可能とする方式として注目されているものの一つにMIMO( Multi Input Multi Output)があげられる。MIMOとは、複数のアンテナを用いて、空間の複数の伝搬チャネルを媒体として通信を行う方式である。現在、世の中の無線LANで使用されているIEEE802.11aやIEEE802.11gは、変調方式にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)が用いられている。このOFDMの採用により、各サブキャリアでの伝送はほぼフラットフェージングであるとみなすことができる。そのため、IEEE802.11aやIEEE802.11gのような比較的広帯域な通信方式においても、MIMO伝搬路をある程度簡易なモデルで表現することができ、実際の無線機器での実現が可能になってきている。このMIMOでは、原理的には、アンテナの本数に対して伝送レートが線形的に増大する。しかし、実際には、複数の伝搬チャネルにおいて送受信されるそれぞれの信号の電波伝搬環境は、反射、散乱、回折、遮蔽が混在するマルチパス環境であり、これに伴う空間相関特性がMIMOの情報伝送能力に大きな影響を及ぼす。
送受信局双方が同一の散乱体エリア内にある場合や移動通信における移動局の場合については、パスの方向が水平面内で一様、あるいは角度的な広がりが十分に大きいため、空間相関は0次ベッセル関数によって表されることが知られている。アンテナ間の距離が離れるほど相関係数は減少するが、半波長を越えるあたりからその減少は緩やかとなる。そこで、アンテナ間の距離を半波長程度以上確保することにより、マルチパスフェージングによる変動を無相関として取り扱うのが通例となっている(例えば、非特許文献1参照。)。
唐沢好男「MIMO伝搬チャネルモデリング」、電子情報通信学会論文誌B、Vol.J86−B、P.1707、2003年9月
しかしながら、無線機器が家庭用またはパーソナル用機器に搭載されていく技術開発の方向性において、アンテナ間の距離を一様に半波長以上確保することは困難である。例えば、IEEE802.11b/gで使用される周波数帯である2.4GHz帯の半波長は約63mmであり、この様な距離をそれぞれ離して複数のアンテナを配置する機器設計をすることは、機器の小型化という観点からその進歩を著しく阻害することとなる。
そこで、本発明は、MIMOにおける各アンテナの独立性を制御して、アンテナ間の距離を短縮させることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、MIMOによる送信を行う複数の送信回路と、上記複数の送信回路の各々に接続する複数の第1のアンテナと、上記複数の第1のアンテナの近傍に配置される第2のアンテナと、上記第2のアンテナに接続して上記複数の第1のアンテナの放射方向を制御する特性制御回路とを具備することを特徴とする送信装置である。これにより、送信に用いられる第1のアンテナの放射方向が適宜制御され、使用環境に適したMIMO伝送が実現される。
ここで、上記特性制御回路は、上記第2のアンテナを反射器として機能させ、または、上記第2のアンテナを導波器として機能させるものである。すなわち、特性制御回路における制御により、第2のアンテナを反射器や導波器として機能させることによって、第1のアンテナの放射方向が適宜制御される。
また、上記複数の第1のアンテナおよび上記第2のアンテナは、略直線状に配置されてもよく、また、多角形状に配置されてもよい。これらの配置により第1のアンテナの放射方向も影響を受ける。
さらに、上記複数の第1のアンテナおよび上記第2のアンテナは、互いに単体特性が同一であってもよく、また、単体特性が互いに異なっていてもよい。これら単体特性の組合せによって第1のアンテナの放射方向も影響を受ける。
また、本発明の第2の側面は、MIMOによる受信を行う複数の受信回路と、上記複数の受信回路の各々に接続する複数の第1のアンテナと、上記複数の第1のアンテナの近傍に配置される第2のアンテナと、上記第2のアンテナに接続して上記複数の第1のアンテナの放射方向を制御する特性制御回路とを具備することを特徴とする受信装置である。これにより、受信に用いられる第1のアンテナの放射方向が適宜制御され、使用環境に適したMIMO伝送が実現される。
ここで、上記特性制御回路は、上記第2のアンテナを反射器として機能させ、または、上記第2のアンテナを導波器として機能させるものである。すなわち、特性制御回路における制御により、第2のアンテナを反射器や導波器として機能させることによって、第1のアンテナの放射方向が適宜制御される。
また、上記複数の第1のアンテナおよび上記第2のアンテナは、略直線状に配置されてもよく、また、多角形状に配置されてもよい。これらの配置により第1のアンテナの放射方向も影響を受ける。
さらに、上記複数の第1のアンテナおよび上記第2のアンテナは、互いに単体特性が同一であってもよく、また、単体特性が互いに異なっていてもよい。これら単体特性の組合せによって第1のアンテナの放射方向も影響を受ける。
また、上記受信装置は、受信を行う第2の受信回路と、上記第2のアンテナと上記特性制御回路との間に設けられ上記第2のアンテナの接続先を上記特性制御回路または上記第2の受信回路の何れかに切り替えるスイッチとをさらに具備することによっても実現される。このスイッチを第2の受信回路に切り替えることにより、ダイバーシティ受信に対応することが可能となる。
また、本発明の第3の側面は、N個(Nは2以上の整数)の第1のアンテナと、MIMOによる受信を行うN個の受信回路と、MIMOによる送信を行うN個の送信回路と、上記第1のアンテナのそれぞれの接続先を上記受信回路または上記送信回路の何れかにそれぞれ切り替えるN個のスイッチと、上記第1のアンテナの近傍に配置される第2のアンテナと、上記第2のアンテナに接続して上記第1のアンテナの放射方向を制御する特性制御回路とを具備することを特徴とする無線通信装置である。これにより、通信に用いられる第1のアンテナの放射方向が適宜制御され、使用環境に適したMIMO伝送が実現される。
ここで、上記特性制御回路は、上記第2のアンテナを反射器として機能させ、または、上記第2のアンテナを導波器として機能させるものである。すなわち、特性制御回路における制御により、第2のアンテナを反射器や導波器として機能させることによって、第1のアンテナの放射方向が適宜制御される。
また、上記受信装置は、受信を行う第2の受信回路と、上記第2のアンテナと上記特性制御回路との間に設けられ上記第2のアンテナの接続先を上記特性制御回路または上記第2の受信回路の何れかに切り替える第2のスイッチとをさらに具備することによっても実現される。この第2のスイッチを第2の受信回路に切り替えることにより、ダイバーシティ受信に対応することが可能となる。
また、本発明の第4の側面は、MIMOによる通信を行う無線通信装置における制御方法であって、上記無線通信装置における複数の通信状態に関して、上記複数の通信状態の中から一つの通信状態を設定する手順と、上記設定された通信状態における通信品質を検出する手順と、上記検出された通信品質が最適なものであれば上記通信状態を最適状態として保持する手順とを順次繰り返し、上記最適状態として保持された通信状態によって通信を行う手順を具備することを特徴とする制御方法である。これにより、最適な通信品質が検出された際の通信状態を使用することにより、使用環境に適したMIMO伝送が実現される。
本発明によれば、MIMOにおける各アンテナの独立性を制御して、アンテナ間の距離を短縮させるという優れた効果を奏し得る。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、MIMOによる信号伝搬の基本構成を示す図である。ここでは、送信端末10から送信された信号を受信端末20が電波伝搬チャネル30を介して受信することを想定する。送信端末10では空間多重符号化が行われ、受信端末20では空間多重復号化が行われる。送信端末10にはn本(nは整数)のアンテナ11が備えられており、空間多重符号化された信号がこれらアンテナ11から送信される。一方、受信端末20にはm本(mは整数)のアンテナ21が備えられており、送信端末10のアンテナ11から送信された信号がこれらアンテナ21によって受信される。
電波伝搬チャネル30は、複数の伝搬チャネルを有するマルチパス環境である。例えば、送信端末10から送信された電波が2回反射物にぶつかった後に受信端末20に到達する伝搬路と、送信端末10から送信された電波が5回反射物にぶつかった後に受信端末20に到達する伝搬路とでは伝達関数の周波数特性が異なるため、これら伝搬路を別個のものとして扱うことができる。このように異なる伝達関数を有する伝搬路を用いて同時に送受信する技術はMIMO(Multi Input Multi Output)と呼ばれる。
なお、MIMOにおける復調の方式としては、ゼロフォーシング(Zero Forcing)、V−BLAST(Vertical Bell Labs Layered Space-Time)といった方式のように、送信側ではチャネル情報が未知で受信側のみの線形演算で復調する方式、MLD(Maximum Likelihood Detection:最尤推定法)と呼ばれる非線形演算で復調する方式、STBC(Space Time Block Coding)で送信信号の2系統に直交性を持たせた方式、そして、送信側でもあらかじめチャネル情報を取得して、それに応じた適正な電力配分および位相のベクトル合成を行って送受信する固有モード(Eigen-mode)MIMOなどの各種方式が提案されている。
図2は、本発明の実施の形態における無線通信装置100の一構成例を示す図である。この無線通信装置100では、一例として、3本のアンテナ111乃至113と、3つのスイッチ121乃至123と、3つの受信RF(Radio Frequency:高周波)回路131乃至133と、2つの送信RF回路142および143と、特性制御回路150と、通信制御回路160とを備えている。
アンテナ111乃至113は高周波信号の送受信に用いられるアンテナであり、それぞれスイッチ121乃至123に接続される。アンテナの種類としては一共振タイプのダイポールアンテナの他、様々なものが使用可能である。また、多周波数帯対応のものや、広帯域アンテナ、多共振アンテナなどを使用することができる。
スイッチ121乃至123は、アンテナ111乃至113の接続を切り替えるものである。スイッチ121は受信RF回路131または特性制御回路150の何れかをアンテナ111に接続する。スイッチ122は受信RF回路132または送信RF回路142の何れかをアンテナ112に接続する。スイッチ123は受信RF回路133または送信RF回路143の何れかをアンテナ113に接続する。
なお、これらスイッチ121乃至123については、通常の半導体スイッチを用いることができるのはもちろんであるが、例えばメムズ(MEMS:Micro Electro Mechanical System)スイッチのように成膜技術により形成されたマイクロマシンスイッチを用いてもよい。
受信RF回路131乃至133は、受信した高周波信号を中間周波数に変換して、復調し、ベースバンド信号を生成する。このベースバンド信号は通信制御回路160に供給される。一方、送信RF回路142および143は通信制御回路160から供給されたベースバンド信号を変調し、中間周波数から高周波信号に変換して送信する。
通信制御回路160は、データインターフェース169から供給されたデータ信号からベースバンド信号を生成して送信RF回路151および152に供給し、または、受信RF回路141および142から供給されたベースバンド信号からデータ信号を生成してデータインターフェース169に供給する。また、通信制御回路160は、通信品質を検出して、これに基づいて給電回路121および122における給電方式や通信制御回路160におけるサブキャリア変調方式を制御する。
特性制御回路150は、スイッチ121を介してアンテナ111の特性を制御する回路である。この特性制御回路150の詳細については次に述べる。
図3は、本発明の実施の形態における特性制御回路150の一構成例を示す図である。この特性制御回路150は、スイッチ151と、抵抗152と、コンデンサ153と、コイル154とを備えている。
スイッチ151は、出力信号線129と抵抗152の一端もしくはコンデンサ153の一端とが接続するよう切り替えを行う。スイッチ151の入力端子にはスイッチ121の一方の出力信号線129が接続される。スイッチ151の出力端子の一方には一端が接地155された抵抗152の他の一端が接続される。また、スイッチ151の出力端子のもう一方には一端が接地155されたLC直列回路(コンデンサ153およびコイル154)の他の一端が接続される。
抵抗152は可変抵抗である。スイッチ151をこの抵抗152側に切り替えた上で、この抵抗152の抵抗値を調整することにより、アンテナ111の特性を制御することができる。例えば抵抗152の抵抗値が0Ω(すなわち、短絡)の場合は、接地155のイメージ電流によってみかけ上の素子長が長くなり、アンテナ111は反射器としての性質を有する。一方、例えば抵抗152の抵抗値が∞Ω(すなわち、開放)の場合は、素子長は長くならず、あらかじめアンテナ111の物理長を他のアンテナより短く形成しておけば、この状態において導波器としての性質を有する。そして、抵抗152を前記の間の任意の値に設定することにより、反射器ないし導波器としての効果の程度を制御することができる。もちろん、この特性はアンテナの使用環境、即ち、アンテナそのものの配置間隔や周囲の筐体の材質、周囲の筐体との配置関係などや、可変抵抗の周波数特性等によっても種々の影響を受けるため、一概に定量的に表すのは困難であるが、この抵抗152を所定の抵抗値に調整することにより、アンテナ111は導波器ないし反射器としての性質を発揮し得る。
このように、スイッチ151を抵抗152側に切り替えた上で、抵抗152を短絡させた場合、接地155のイメージ電流によって共振器としての見かけ上の素子長が長くなり、これにより、アンテナ111は反射器としての性質を有する。
コンデンサ153およびコイル154はLC直列回路を構成する。コンデンサ153は可変コンデンサであり、LC直列回路により可変リアクタンスを実現する。スイッチ151をこのLC直列回路側に切り替えた上で、このコンデンサ153の容量を調整することにより、アンテナ111の特性を制御することができる。ここで、コイル154を1.5nHで固定とし、コンデンサ153における可変容量ダイオードの容量を約1.5pF〜5pFに変化させるとすると、容量が1.5pFの時はスイッチ151からみたインピーダンスが約−j15.8Ω(@2.4GHz)となり、容量性となる。また、容量が5pFの時はインピーダンスが約+j14Ω(@2.4GHz)となり、誘導性となる。容量性の時には短縮コンデンサとして働くため、アンテナ111の共振器長が短くなり、導波器としての性質を有する。一方、誘導性の時には、ローディングコイルとして働くため、アンテナ111の共振器長が長くなり、反射器としての性質を有する。もちろん、この特性はアンテナの使用環境、即ち、アンテナそのものの配置間隔や周囲の筐体の材質、周囲の筐体との配置関係などや、可変容量ダイオードやコイルの周波数特性等によっても種々の影響を受けるため、一概に定量的に表すのは困難であるが、このコンデンサ153を所定の容量に調整することにより、アンテナ111は導波器ないし反射器としての性質を発揮し得る。
このように、スイッチ151をLC直列回路側に切り替えた上で、コンデンサ153の容量を所定の値にした場合、素子の共振器長が長くなり、これにより、アンテナ111は反射器としての性質を有する。これは、コンデンサ153を短絡させて、コイル154だけが接続されるようにしても同様の効果が期待される。
図4は、本発明の実施の形態における特性制御回路150の他の構成例を示す図である。図3の構成例では抵抗回路またはLC直列回路の何れかをスイッチ151で択一式に選択しているが、この図4ではこれら抵抗回路およびLC直列回路が直列または並列に接続される。
図4(a)では、抵抗152、コンデンサ153およびコイル154が直列に接続されて、その一端が接地155されている。一方、図4(b)では、抵抗152と、LC直列回路(コンデンサ153およびコイル154)とが並列に接続されて、その一端が接地155されている。
この例の場合も、抵抗152の抵抗値やコンデンサ153の容量を調整することにより、アンテナ111の特性を制御することができる。この特性はアンテナの使用環境、即ち、アンテナそのものの配置間隔や周囲の筐体の材質、周囲の筐体との配置関係などや、可変容量ダイオードや可変抵抗、コイルの周波数特性等によっても種々の影響を受けるため、一概に定量的に表すのは困難であるが、抵抗152を所定の抵抗値に調整し、または、コンデンサ153を所定の容量に調整することにより、アンテナ111は導波器または反射器としての性質を発揮し得る。
なお、ここでは抵抗回路およびLC直列回路を直列または並列に接続した例について説明したが、構成を簡略化するために、抵抗回路またはLC直列回路の何れか一方のみを備えるようにしても、アンテナ111は導波器または反射器としての性質を発揮し得る。
図5は、本発明の実施の形態における送信時のアンテナの状態の一例を示す図である。図5(a)は、図2においてスイッチ121を特性制御回路150側に切り替え、スイッチ122を送信RF回路142側に切り替え、スイッチ123を送信RF回路143側に切り替えた場合の接続状態を示す。すなわち、アンテナ111には特性制御回路150が接続され、アンテナ112には送信RF回路142が接続され、アンテナ113には送信RF回路143が接続される。
この接続状態において、特性制御回路150における抵抗152の抵抗値やコンデンサ153の容量を調整することにより、アンテナ111が反射器としての性質を有し、図5(b)の放射状態のようにアンテナ112と113との間の干渉を抑制することができる。これにより、従来アンテナ112と113との間の距離を半波長程度離す必要があったものを、ここではより短い距離に設定することが可能となる。
図6は、本発明の実施の形態における受信時のアンテナの状態の一例を示す図である。図6(a)は、図2においてスイッチ121を特性制御回路150側に切り替え、スイッチ122を受信RF回路132側に切り替え、スイッチ123を受信RF回路133側に切り替えた場合の接続状態を示す。すなわち、アンテナ111には特性制御回路150が接続され、アンテナ112には受信RF回路132が接続され、アンテナ113には受信RF回路133が接続される。
この図6(a)の接続状態によれば、図5(b)の場合と同様の放射状態を発揮することができ、アンテナ112と113との間の干渉を抑制することができる。そして、同様に、従来アンテナ112と113との間の距離を半波長程度離す必要があったものを、ここではより短い距離に設定することが可能となる。
また、図6(b)は、図2においてスイッチ121を受信RF回路131側に切り替え、スイッチ122を受信RF回路132側に切り替え、スイッチ123を受信RF回路133側に切り替えた場合の接続状態を示す。すなわち、アンテナ111には受信RF回路131が接続され、アンテナ112には受信RF回路132が接続され、アンテナ113には受信RF回路133が接続される。
この図6(b)の接続状態は、3つのアンテナによるダイバーシティ受信を表したものである。図1のように、送信側のアンテナの数がn本で、受信側のアンテナの数がm本であるとすると、ダイバーシティによる効果を意味するダイバーシティオーダは、「m−n+1」で表されるため、送信側と受信側とでアンテナの数が同数であるとダイバーシティによる効果が得られない。ここで、例えば送信側の実質的なアンテナ数を図5(a)のように「n=2」として、受信側の実質的なアンテナ数を図6(b)のように「m=3」とすればダイバーシティによる効果が得られることになる。さきに記述した「V−BLAST」のような線形演算では、この様に受信アンテナ数を送信アンテナ数よりも多くすることで、通信の品質を向上させることができると考えられ、実際の製品においてもその様な形式が用いられることがある。その場合は、送信時にはアンテナを2本しか使用しないから、残りの1本は機能しない無駄な素子ということになる。本発明においては、送信時に無駄となっている残りの素子を、伝送品質の向上のために有効利用する提案を前述のごとく行ってきているものである。しかしながら、実際に使用される伝搬環境はユーザの使用条件によってまちまちな状態を取り得るため、従来手法によるダイバーシチ効果を素直に利用した方が、伝送品質が向上する場合もあり得る。そこで、本発明の実施の形態では、ケースバイケースでアンテナ111による受信信号を受信RF回路131により処理することを可能とし、電波の伝搬状態に応じてダイバーシティ受信を選択できるように構成される。
次に、本発明の実施の形態におけるアンテナ配置と放射パターンとの関係について図面を参照して説明する。
図7は、本発明の実施の形態におけるアンテナ配置の第1の例を示す図である。この第1の例では、図7(a)のように、3つのアンテナ111乃至113が略直線状に並んでいる。この配置例においてアンテナ111を反射器として機能させることにより、図7(b)のように、アンテナ112および113からそれぞれ互いに異なる方向に向けた放射パターン312および313を得ることができる。
図8は、本発明の実施の形態におけるアンテナ配置の第2の例を示す図である。この第2の例では、図8(a)のように、3つのアンテナ111乃至113が三角形状に並んでいる。この配置例においてアンテナ111を反射器として機能させることにより、図8(b)のように、アンテナ112および113からそれぞれアンテナ111とは異なる方向に向けた放射パターン312および313を得ることができる。
なお、ここでは三角形状に配置される例について説明したが、アンテナの数に応じて多角形状に配置することが可能であることはいうまでもない。
図9は、本発明の実施の形態におけるアンテナ配置の第3の例を示す図である。この第3の例では、図9(a)のように、5つのアンテナ111乃至115が略直線状に並んでいる。この配置例では、アンテナ111を反射器として機能させるとともに、アンテナ114および115を導波器として機能させることを想定している。上述の説明では、素子の共振器長が長くなるよう調整することによりアンテナを反射器として機能させることを説明したが、同様の要領で素子の共振器長が短くなるよう調整することによりアンテナを導波器として機能させることが可能である。
この図9(a)のように各アンテナ111乃至115を配置することにより、図9(b)のように、アンテナ112および113からそれぞれ互いに異なる方向に向けて、より指向性の強い放射パターン312および313を得ることができる。
図10は、本発明の実施の形態におけるアンテナ配置の第4の例を示す図である。この第4の例では、図10(a)のように、3つのアンテナ111、113および116が三角形状に並んでいる。この配置例では、アンテナ111を反射器として機能させるとともに、指向性のあるアンテナ116を使用することを想定している。すなわち、上述の第1乃至第3の例では各アンテナの単体特性、すなわち、偏波、指向性、利得、周波数帯域が同一であることを想定していたが、この第4の例では、アンテナの単体特性として指向性が異なるアンテナ116を使用している。このように、アンテナの単体特性は互いに異なるものであってもよい。
この図10(a)のように各アンテナ111、113および116を配置することにより、図10(b)のように、アンテナ113および116からそれぞれアンテナ111とは異なる方向に向けた放射パターン313および316を得ることができ、さらに放射パターン316についてはより指向性の強い放射パターンを得ることができる。
次に、本発明の実施の形態における通信状態のフィードバック制御について図面を参照して説明する。
図11は、本発明の実施の形態における通信状態制御のための機能構成例を示す図である。ここでは、通信状態制御のために品質検出部161と、通信状態切替部162と、最適状態保持部163と、通信状態保持部164と、サブキャリア変調部165とが設けられている。これらの構成を想定することにより、受信信号の状態に応じて通信状態に関するフィードバック制御が行われる。
品質検出部161は、受信信号をモニターしてその受信信号の品質を検出する。ここで、受信信号の品質の指標としては、例えば、伝送速度を用いることができる。また、これ以外にも、信号電力対干渉電力比(SIR:Signal to Interference Ratio)や、電力密度対雑音電力密度比(Eb/No)、受信信号強度表示(RSSI:Received Signal Strength Indicator)などにより受信品質を判断してもよい。
通信状態切替部162は、品質検出部161において判断された受信品質に応じて、通信状態を切り替える。例えば、図3の特性制御回路150において、スイッチ151を抵抗152側に接続した状態でこの抵抗152の抵抗値を切り替え、または、スイッチ151をコンデンサ153側に接続した状態でこのコンデンサ153の容量を切り替えることによりアンテナ111の特性を変更する。また、例えば、図2の通信制御回路160において、サブキャリアの変調方式を切り替えることにより変調状態を変更する。
通信状態保持部164は、現在の通信状態を保持する。例えば、図3の特性制御回路150において、スイッチ151が何れの出力に接続しているか、抵抗152の抵抗値やコンデンサ153の容量がいくらであるか、サブキャリアの変調方式は何か、などについてその状態が保持される。
最適状態保持部163は、通信状態としてこれまで通信状態保持部164に保持されていた通信状態の中で、品質検出部161によって最適であると判断された通信状態を保持する。通信状態切替部162によって通信状態が切り替えられた結果、品質検出部161によって受信品質が向上したと判断されればこの最適状態保持部163の内容は通信状態保持部164の内容によって更新される。一方、品質検出部161によって受信品質が低下したと判断されればこの最適状態保持部163の内容は維持される。最終的に、通信状態保持部164の内容は最適状態保持部163の内容によって更新される。
サブキャリア変調部165は、送信信号におけるサブキャリアの変調を行うものであり、何れの変調方式によるかは、通信状態保持部164に保持された通信状態に従って決定される。
図12は、本発明の実施の形態における通信状態制御のためのパラメータ例を示す図である。例えば、アンテナに関する特性としては、図12(a)のようにインデックス変数I(1乃至N、IおよびNは1以上の整数)を想定して、このインデックス変数Iの各々にアンテナ特性を割り当てることができる。この図12(a)では、アンテナ特性の一例として抵抗152の抵抗値が割り当てられているが、これはコンデンサ153の容量などを割り当ててもよい。
また、例えば、サブキャリアの変調方式としては、図12(b)のようにインデックス変数J(1乃至M、JおよびMは1以上の整数)を想定して、このインデックス変数Jの各々にサブキャリアの変調方式を割り当てることができる。この変調方式として、ここでは、64QAM(64-position Quadrature Amplitude Modulation:64値直交振幅変調)、16QAM(16値直交振幅変調)、8PSK(Octuple Phase Shift Keying:8位相変調)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4位相変調)を適宜切り換えるものとしている。
図13は、本発明の実施の形態における通信状態に関する制御手順の一例を示す流れ図である。まず、図12により説明したサブキャリアの変調方式に関するインデックス変数Jおよびアンテナ特性に関するインデックス変数Iに初期値として「1」が設定される(ステップS910、S911)。そして、これらの通信状態(サブキャリアの変調方式およびアンテナ特性)が通信状態切替部162によって通信状態保持部164に設定され、その設定の下で通信が行われる。これにより、品質検出部161において受信品質として例えば伝送速度が測定される(ステップS912)。
伝送速度の測定の結果、伝送速度がこれまでの測定結果の中で最大であれば(ステップS913)、通信状態保持部164に保持されている通信状態が最適状態保持部163に保持される(ステップS914)。もっとも、伝送速度の測定が初回であればその値は必ず最大になるので、その初回の通信状態が最適状態保持部163にそのまま保持されることになる。
そして、アンテナ特性に関するインデックス変数Iに「1」が加算され(ステップS915)、その結果インデックス変数Iがその最大値Nを超えていなければ(ステップS916)、その新たなインデックス変数Iに対応するアンテナ特性が通信状態切替部162によって通信状態保持部164に設定され、その設定の下で通信が行われる。これにより、再度、品質検出部161における伝送速度の測定が行われて(ステップS912)、伝送速度の判断処理が繰り返される(ステップS913、S914)。
一方、ステップS916においてインデックス変数Iがその最大値Nを超えていれば、サブキャリアの変調方式に関するインデックス変数Jに「1」が加算される(ステップS917)。その結果インデックス変数Jがその最大値Mを超えていなければ(ステップS918)、再びアンテナ特性に関するインデックス変数Iに初期値として「1」が設定され(ステップS911)、上述の処理が繰り返される。
一方、ステップS918においてインデックス変数Jがその最大値Mを超えている場合には、最適状態保持部163に保持されている通信状態が通信状態保持部164に保持され、その通信状態の設定の下で以降の通信が行われる(ステップS919)。
なお、ここではアンテナの特性として抵抗152やコンデンサ153の設定値を変更することを想定しているが、これらの値の調整によっても満足する性能が得られない場合には、図6(b)で説明したダイバシティ受信を行うようスイッチ121を切り替えてもよい。
また、ここでは所定の周波数帯において通信状態の制御を行う例について説明したが、多周波数帯対応アンテナなどを想定した場合には使用する周波数帯毎にその周波数帯に応じた通信状態の制御が行われる。
このように、本発明の実施の形態によれば、品質検出部161における通信品質の判断結果に応じて、通信状態切替部162が特性制御回路150における回路定数や通信制御回路160におけるサブキャリア変調方式を切り替えることにより、アンテナ間の距離を短くしながら、MIMOに必要とされる放射状態を形成することができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、以下に示すように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
すなわち、請求項において、第1のアンテナは例えばアンテナ112および113に対応する。また、第1の受信回路は例えば受信RF回路132および133に対応する。また、送信回路は例えば送信RF回路142および143に対応する。また、スイッチは例えばスイッチ122および123に対応する。また、第2のアンテナは例えばアンテナ111に対応する。また、特性制御回路は例えば特性制御回路150に対応する。また、第2の受信回路は例えば受信RF回路131に対応する。また、第2のスイッチは例えばスイッチ121に対応する。
なお、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータ(例えば、マイコン、CPU、信号処理LSIなど)に実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。
本発明の活用例として、例えばMIMOによる通信を行う無線通信装置の小型化設計を行う際に本発明を適用することができる。
MIMOによる信号伝搬の基本構成を示す図である。 本発明の実施の形態における無線通信装置100の一構成例を示す図である。 本発明の実施の形態における特性制御回路150の一構成例を示す図である。 本発明の実施の形態における特性制御回路150の他の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態における送信時のアンテナの状態の一例を示す図である。 本発明の実施の形態における受信時のアンテナの状態の一例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるアンテナ配置の第1の例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるアンテナ配置の第2の例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるアンテナ配置の第3の例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるアンテナ配置の第4の例を示す図である。 本発明の実施の形態における通信状態制御のための機能構成例を示す図である。 本発明の実施の形態における通信状態制御のためのパラメータ例を示す図である。 本発明の実施の形態における通信状態に関する制御手順の一例を示す流れ図である。
符号の説明
10 送信端末
20 受信端末
11、21 アンテナ
30 電波伝搬チャネル
100 無線通信装置
111〜116 アンテナ
121〜123 スイッチ
131〜133 受信RF回路
142、143 送信RF回路
150 特性制御回路
151 スイッチ
152 抵抗
153 コンデンサ
154 コイル
155 接地
160 通信制御回路
161 品質検出部
162 通信状態切替部
163 最適状態保持部
164 通信状態保持部
165 サブキャリア変調部

Claims (8)

  1. N個(Nは2以上の整数)の第1のアンテナと、
    MIMOによる受信を行うN個の第1の受信回路と、
    MIMOによる送信を行うN個の送信回路と、
    前記第1のアンテナのそれぞれの接続先を前記第1の受信回路または前記送信回路の何れかにそれぞれ切り替えるN個のスイッチと、
    前記第1のアンテナの近傍に配置される第2のアンテナと、
    前記第2のアンテナに接続して前記第1のアンテナの特性を制御する特性制御回路と
    受信を行う第2の受信回路と、
    送信時には前記第2のアンテナの接続先を前記特性制御回路に切り替え、受信時には前記第2のアンテナの接続先を前記第2の受信回路に切り替える第2のスイッチと
    を具備する無線通信装置。
  2. 前記第1のアンテナの特性は、前記第1のアンテナの放射方向である請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記特性制御回路は、前記第2のアンテナを反射器として機能させる請求項記載の無線通信装置。
  4. 前記特性制御回路は、前記第2のアンテナを導波器として機能させる請求項記載の無線通信装置。
  5. 前記複数の第1のアンテナおよび前記第2のアンテナは、略直線状に配置される請求項記載の無線通信装置
  6. 前記複数の第1のアンテナおよび前記第2のアンテナは、多角形状に配置される請求項記載の無線通信装置
  7. 前記複数の第1のアンテナおよび前記第2のアンテナは、互いに単体特性が同一である請求項記載の無線通信装置
  8. 前記複数の第1のアンテナおよび前記第2のアンテナは、単体特性が互いに異なる請求項記載の無線通信装置
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