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JP4338152B2 - 表示媒体 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報機器の発達に伴い、各種情報のデータ量は拡大の一途をたどり、情報の出力も様々な形態を持ってなされている。一般に、情報の出力は、ブラウン管や液晶などを用いたディスプレイ表示とプリンタなどによる紙へのハードコピー表示とに大別できる。ディスプレイ表示においては、低消費電力且つ薄型の表示装置のニーズが増しており、中でも液晶表示装置は、こうしたニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行われ商品化さてれいる。しかしながら、現在の液晶表示装置には、画面を見る角度や、反射光により、画面上の文字が見ずらく、また光源のちらつき・低輝度等から生じる視覚への負担が、未だ十分に解決されていない。またブラウン管を用いたディスプレイ表示では、コントラストや輝度は液晶表示装置と比較して十分あるものの、ちらつきが発生するなど後述するハードコピー表示と比較して十分な表示品位があるとはいえない。また装置が大きく重いため携帯性が極めて低い。
【0003】
一方、ハードコピー表示は情報の電子化により不要になるものと考えられていたが、実際には依然膨大な量のハードコピー出力が行われている。その理由として、情報をディスプレイ表示した場合、前述した表示品位に係わる問題点に加えて、その解像度も一般的には最大でも120dpi程度と紙へのプリント・アウト(通常300dpi以上)と比較して相当に低い。従って、ディスプレイ表示ではハードコピー表示と比較して視覚への負担が大きくなる。その結果、ディスプレイ上で確認可能であっても、一旦ハードコピー出力することがしばしば行われることになる。また、ハードコピーされた情報は、ディスプレイ表示のように表示領域がディスプレイのサイズに制限されることなく多数並べたり、また複雑な機器操作を行わずに並べ替えたり、順に確認していくことができることも、ディスプレイ表示可能であってもハードコピー表示が併用される大きな理由である。さらには、ハードコピー表示は、表示を保持するためのエネルギーは不要であり、情報量が極端に大きくない限り、何時でもどこでも情報を確認することが可能であるという優れた携帯性を有する。
【0004】
このように動画表示や頻繁な書き換えなどが要求されない限り、ハードコピー表示はディスプレイ表示と異なる様々な利点を有するが、紙を大量に消費するという欠点がある。そこで、近年においては、リライタブル記録媒体(視認性の高い画像の記録・消去サイクルが多数回可能でり、表示の保持にエネルギーを必要としない記録媒体)の開発が盛んに進められている。こうしたハードコピーの持つ特性を継承した書き換え可能な第3の表示方式をペーパーディスプレイと呼ぶことにする。
【0005】
ペーパーディスプレイの必要条件は、書き換え可能であること、表示の保持にエネルギーを要さないか若しくは十分に小さいこと(メモリー性)、携帯性に優れること、表示品位が優れていること、などである。現在、ペーパーディスプレイとみなせる表示方式としては、例えば、サーマルプリンターヘッドで記録・消去する有機低分子・高分子樹脂マトリックス系(例えば、特開昭55−154198号公報、特開昭57−82086号公報)を用いた可逆表示媒体を挙げることができる。この系は一部プリペイドカードの表示部分として利用されているが、コントラストが余り高くないことや、記録・消去の繰り返し回数が150〜500回程度と比較的少ないなどの課題を有している。
【0006】
また別のペーパーディスプレイに応用可能な表示装置として、N.K.Sheridon等により電界駆動による微小ボールの回転を利用した表示装置が提案されている(“A Twisting Ball Display”,Proc. of the SID,第18巻3/4号、289〜293頁,1997年、米国特許第4126854号、同4143103号、同5389945号、特開昭64−42683号公報)。
【0007】
この表示装置は、図7に示すように、一方の半球面が白色で他方の半球面が黒色となっており、かつ各々の半球面において相互の帯電状態(ζ電位)が異なる微小な二色ボール78を支持体75中に形成したキャビティ76内に配し、各キャビティ内に高抵抗な液体77を充填して、この高抵抗液体77中で二色ボール78が自由に回転できるようにしたものである。支持体75を挟持した一対の電極73、74に外部電界を与えると、二色ボール78の黒色と白色の夫々の半球部分の相互の帯電状態(ζ電位)に応じて二色ボールを静電的に回転させることができ、ボールの白色又は黒色の半球面を観察する側に向けるよう制御することで目的とする表示ができる。
【0008】
このような機械式の表示方法は、温度変化、電気的擾乱ノイズに対して極めて安定であり、メモリ性を有する為に表示中に電力を必要としない。さらに、ボール表面の自然光の反射・散乱を利用して表示する為に液晶装置・ブラウン管でみられるような光源のちらつき等にて起こる眼疲労を抑えることができる理想的な表示装置である。
【0009】
ところで、ボール回転による表示装置に用いる二色ボールの作製方法としては、前述したSheridon等により、ガラスボールにTiO2 を高濃度に含有させガラスボールを白色化し、この白色ガラスボールの半球面に真空蒸着法を用いて絶縁性の黒色層を形成する方法が提案されている。また、斉藤等も同様な方法により二色ボールを形成しており、白色化したガラスボールの半球面に真空蒸着法を用いてMgF2 とSb23 を同時蒸着し黒色層を成膜して色分けしている(“A Newly Developed Electrical Twisting Ball Display”,Proc. of the SID,第23巻4号,249〜253頁,1982年)。ガラスボールの白色化に際しては、LiO2 とTiO2 とSiO2 の3成分からなるガラスを用いて、熱処理を行い光散乱が起こるように成分分離し、異なる成分からなる表面状態を形成することにより作製する。更には、前述のSheridon等により、異なる色に着色された2つの固化可能な流体を接触させた後、遠心力やジェット流を用いて微小液滴として吹き飛ばし、冷却・固化して二色ボールを大量生産する方法が提案されている(米国特許第5344594号、同5262098号、特開平5−279486号公報、特開平6−226875号公報)。
【0010】
さらにまた別のペーパーディスプレイとして利用可能な表示方式として、図8にその動作原理を示す電気泳動表示装置を挙げることができる。この表示装置は、絶縁性液体81中に着色帯電粒子82を分散させてなる分散系とこの分散系を挟んで対峙する一対の電極85および86からなっている。電極を介して分散系に電界を印加することにより、着色帯電粒子の電気泳動性を利用して、該着色帯電粒子を粒子自身が持つ電荷と反対極性の電極側にクーロン力により吸着させるものである。表示はこの着色帯電粒子の色と染色された絶縁性液体の色の違いを利用して行われる。つまり、着色帯電粒子が観測者に近い光透過性の第1の電極85表面に吸着させた場合には着色帯電粒子の色が観察され、逆に観測者から遠い第2の電極86表面に吸着させた場合には染色された絶縁性液体の色が観察される。
【0011】
このような電気泳動表示方法は、応答速度が数十ms以下と比較的速く、書き換え回数も108 回以上可能である。また、電圧印加により電極上に堆積された着色帯電粒子は駆動電圧を取り除いても長期にわたって安定に存在するので表示中に電力を必要としない。即ちメモリ性を有する。さらに、反射型のディスプレイ装置であるので.光源のちらつき等にて起こる眼疲労を抑えることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した表示方法は以下に示す問題点があった。先ず、二色ボールを回転させて表示を行う方法においては、二色に着色され、かつ各色に対応する半球面でその帯電状態が異なるような微小球を作製することはかなり面倒であり、また利用できる材料も限定される。その結果、表示装置のコストアップにつながるという問題があった。
【0013】
一方、電気泳動表示装置においては、単色の帯電粒子を用いるので、その製造が簡易であるという利点を有するが、十分なコントラストを実現するためには、絶縁性液体を着色或いは不透明化させることが不可欠であった。このため絶縁性液体を単一成分で構成することが困難であり、絶縁性液体に染料やイオンなどの発色材を混合しなくてはならなかった。このような発色材の存在は、新たな電荷の授受をもたらすために電気泳動動作において不安定要因として作用しやすく、表示装置としての性能や寿命、安定性を著しく低下させるという欠点があった。また、表示後、加圧、衝撃等による帯電粒子の面方向の移動・拡散を防止するために、帯電粒子を他と隔離された微少な区画に保持する必要があり、係る微小区画を形成する方法として、例えば多孔性スペーサー(特開平5−165064号公報、特開平5−307197号公報)やストライプ状またはメッシュ状の区画部材(特開平5−61075号公報)を利用するものが開示されているが、何れも製造プロセスが煩雑になるという問題点がある。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、寿命・安定性を低下させることなく、コントラストの向上を可能にした、表示媒体を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第一の発明は、色を有する1個の微小球と該微小球より径が小さくかつ異なる色を有する複数の帯電粒子と絶縁性液体とを保持してなるキャビティを複数個含む絶縁性支持体と、導電層を有し、前記微小球の球径が30〜100μmであり、前記帯電粒子の粒径が5μm以下であり、前記キャビティ内の微小球と絶縁性支持体との間に5〜10μmの隙間を有し、前記微小球がキャビティ内で移動可能に保持され、前記帯電粒子が、前記導電層に近い側および遠い側の前記微小球と絶縁性支持体との間の隙間に吸着されることにより、前記帯電粒子の色と前記微小球の色とを表示することを特徴とする表示媒体である。
【0016】
また、本発明の第二の発明は、色を有する1個の微小球と該微小球より径が小さくかつ異なる色を有する複数の帯電粒子と絶縁性液体を保持してなるキャビティを複数個含む絶縁性支持体を、各々の電極が1または複数からなる一対の電極間に挟持させてなり、前記微小球の球径が30〜100μmであり、前記帯電粒子の粒径が5μm以下であり、前記キャビティ内の微小球と絶縁性支持体との間に5〜10μmの隙間を有し、前記微小球が前記キャビティ内で移動可能に保持され、前記帯電粒子が、前記一対の電極の一方側および他方側の前記微小球と絶縁性支持体との間の隙間に吸着されることにより、前記帯電粒子の色と前記微小球の色とを表示することを特徴とする表示媒体である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の表示媒体の第1の形態は、色を有する微小球と該微小球より径が小さくかつ異なる色を有する複数の帯電粒子と絶縁性液体を保持してなるキャビティを複数個含む絶縁性支持体と導電層を有することを特徴とする。
【0025】
図1は本発明の表示媒体の代表的な第1の形態を示す断面図である。
本発明の表示媒体の第1の形態は、図1に示すように、色を有する微小球4と、該微小球4より径が小さくかつ微小球4と異なる色を有する複数の帯電粒子3と、係る帯電粒子3を分散させるための絶縁性液体5を保持してなるキャビティ2を複数個含む絶縁性支持体1と、係る絶縁性支持体1の一方の表面に形成された導電層6によって構成されるものである。ここで絶縁性支持体1は透明である。
【0026】
図2は本発明の表示媒体の上記とは異なる構成を有する第1の形態を示す断面図である。図1に示した第1の形態の構成は必要最低限の構成を示すものであって、図2に示すように、必要に応じて表面保護層22を形成したり、或いは表示媒体を適当な基板21上に構築してもよい。また図1〜2では絶縁性支持体1中、厚さ方向にキャビティ2が1段に形成されているが、キャビティ2は複数段あるいは無秩序に複数個含まれるものであっても構わない。また絶縁性支持体1の厚さを100〜300μm程度にできるので、基板21や導電層6を適切な材料及び厚さで形成すれば、全体をフレキシプルシート状に形成することも容易である。
【0027】
係る表示媒体を用いて表示を行うには、絶縁性支持体1の表面の導電層6の形成面とは反対側の面を所望のパターンに従って静電潜像を形成し、係る静電潜像により生ずる電界を用いて、帯電粒子3をキャビティ内で何れかの面側に移動・静電吸着させる。この表示の過程を図4を用いて説明する。
【0028】
図4は本発明の表示媒体の第1の形態における表示方法を示す図である。同図において、先ず、初期状態において帯電粒子3はキャビティ2内に無秩序に存在しているものとする(図4(a)参照)。また観察者8は絶縁性支持体1の導電層6の形成面と反対側(この面を観察面7とよぶ)から観察するものとする。今、帯電粒子が黒色で負に帯電しているものとすると、絶縁性支持体1の観察面7に不図示の帯電ローラーやコロナイオン発生器等の帯電器を用いて正電荷の静電潜像を形成することにより、該帯電粒子3はキャビティ2内を電気泳動して係る静電潜像形成面に近い側、即ち観察者8に近い側に移動・吸着されるので、観察者からは主に黒色が観察される(図4(b)参照)。次に、所望のパターンに従って観察面7の一部または全面に帯電器を用いて負電荷の静電潜像を形成すると、係る領域のみ帯電粒子は観察者からは遠い導電層6側に移動・吸着され、観察者からは主に微小球4の有する色が観察される(図4(c)参照)。従って例えば微小球4が白色であれば、白黒表示が可能となる。
【0029】
以上の説明において最初に全面黒色表示にしたが、勿論最初に全面白色とし、後で所望のパターンにしたがって一部または全面を黒色化しても構わない。また観察者が絶縁性支持体1の表面の導電層6が形成されていない側から観察するのではなく、導電層6側から観察することにしてもよい。但しこの場合、導電層6を透明にしておく必要がある。また何れの場合であっても、静電潜像は導電層と反対側の面に形成しなければならない。更に図4で絶縁性支持体1表面に逆極性の静電潜像をパターンに従って形成する工程(図4(c))の前に、一旦全面を除電してからこれを行ってもよい。
【0030】
本発明の表示媒体の第2の形態は、図3に示すように、色を有する微小球4と、該微小球4より径が小さくかつ微小球4と異なる色を有する複数の帯電粒子3と、係る帯電粒子3を分散させるための絶縁性液体5を保持してなるキャビティ2を複数個含む絶縁性支持体1を一対の電極31、32間に挟持させたものである。ここで絶縁性支持体1及び一対の電極の内、少なくとも観察者側に配置されるものは光学的に透明である。また表示を部分選択的に行いたい時には、少なくとも一方の電極を適切な形状にパターニングしておく必要がある。
【0031】
図3に示す構成は必要最低限の構成を示すものであって、これらを適当な基板上に構築したり、或いは、基板上に電極を形成した部材で絶縁性支持体を挟持してもよい。また必要に応じて表面保穫層、着色層、光反射層などを設けても構わない。また、図3では絶縁性支持体1中、厚さ方向にキャビティ2が1段に形成されているが、キャビティ2が複数段あるいは無秩序に複数個含まれるものであっても構わない。また絶縁性支持体1の厚さを100〜300μm程度にすることができるので、適切な材料及び厚さで形成すれば、全体をフレキシブルシート状に形成することも容易である。
【0032】
係る表示媒体を用いて表示を行うには、一対の電極間に帯電粒子駆動用の電圧を印加し、係る電界を用いて、帯電粒子3をキャビティ内で何れかの面側に移動・静電吸着させる。この表示の過程を図5を用いて説明する。
【0033】
図5は本発明の表示媒体の第2の形態における表示方法を示す図である。同図において、先ず、初期状態において帯電粒子3はキャビティ2内に無秩序に存在しているものとする(図5(a)参照)。また観察者8は光学的に透明であり、また表示を行うために適切な形状にパターニングされた第1電極31側から観察するものとする。今、帯電粒子が黒色で負に帯電しているものとすると、第1電極31を陽極として電圧パルスを印加することにより、該帯電粒子3はキャビティ2内を電気泳動して係る第1電極側、即ち観察者に近い側に移動・吸着されるので、観察者からは主に黒色が観察される(図5(b)参照)。次に所望のパターンに従って第1電極31の一部または全部を陰極として電圧パルスを印加すると、係る領域のみ帯電粒子は観察者からは遠い第2電極32側に移動・吸着され、観察者からは主に微小球4の有する色が観察される(図5(c)参照)。従って例えば微小球4が白色であれば、白黒表示が可能となる。
【0034】
以上の説明において最初に全面黒色表示にしたが、勿論最初に全面白色とし、後で所望のパターンにしたがって一部または全面を黒色化しても構わない。また第1電極31ではなく第2電極32を、或いは両者をパターニングして用いてもよい。電圧パルスの波高値、パルス形状、パルス幅等は、表示媒体の構成によって変化するので、適切なものを適宜選択するが、特別に限定されることはない。一例を挙げれば、波高値50〜100V、パルス幅100msの矩形波である。
【0035】
以上述べた2つの表示媒体に用いられる微小球4の電気的性質としては、非帯電性のもの、即ち少なくともその表面が半導電性、或いは導電性であることが好ましいが、帯電しているものであっても以下の何れかであれば、利用可能である。
【0036】
一つ目は、微小球が帯電粒子とは逆極性に帯電しているものである。この場合、帯電粒子が微小球表面に静電吸着されるので、静電潜像形成あるいは、駆動電圧印加の条件は帯電粒子の微小球への吸着力に打ち勝って移動できる程度の強さを以って行う必要がある。微小球は帯電粒子が静電吸着されるのとは反対側に移動・吸着される。
【0037】
二つ目は、微小球が帯電粒子と同極性に帯電しており、かつ微小球のζ電位が帯電粒子のそれよりも小さい場合である。この場合、静電潜像形成あるいは駆動電圧印加により、帯電粒子及び微小球の両方が同じ側に移動・吸着されるが、両者のζ電位が異なるため、帯電粒子の方が応答速度が速いため、先ず帯電粒子が移動した後、微小球が移動・吸着される。即ち、応答速度tは式(1)に従う(北原文雄、渡辺昌編:「界面電気現象」共立出版(1972年))。
【0038】
【数1】
Figure 0004338152
【0039】
式(1)において、εは絶縁性液体の誘電率、ηは絶縁性液体の粘度、ζは電気泳動子のζ電位、dは横断距離、Eは電界、Vは印加電圧を示す。式(1)より、応答速度は電気泳動子の粒径によらずζ電位で決まることがわかる。
【0040】
次に本発明の表示媒体の作製方法の一例について説明する。
図6は本発明の表示媒体の製造方法を示す工程図である。同図において、先ず、記録媒体の絶縁性支持体を形成するための材料には不溶でかつキャビティ内に充填する絶縁性液体に可溶性の材料、たとえばワックス61と、帯電粒子3とを混合してなる被覆材料62を適当な色を有する直径5〜100μm程度の微小球4の表面に被覆する(図6(a)参照)。ワックス61に混合する帯電粒子3の分量は各キャビティ内に封入したい分量とする。また微小球4の色は、それ自身の有する色でもまた適当な着色層で表面を被覆してもどちらでもよい。微小球の材料としては、例えばガラス、ジルコニア、窒化シリコン、シリコン、アルミナを挙げることができる。該微小球の帯電を防止するために適当な導電性を有する材料、例えばnまたはp型にドープされたシリコンを用いて微小球を作成したり、或いは微小球表面に帯電防止膜を堆積させてもよい。勿論先に述べたように該微小球が帯電性を有する場合であっても、帯電粒子との帯電状態に差があって、適当な条件下で駆動可能であれば構わない。
【0041】
帯電粒子3は微小球4とは異なる色を有することと、その径が微小球よりも小さい必要があり、例えば黒色の場合、複写機等に用いられるトナーを利用することができる。
【0042】
次に前記被覆層62で被覆した微小球4と、絶縁性支持体1を形成するための硬化性を有する高分子支持材料63、例えばシリコンゴムとを混合し、表面が平滑な基板64、例えばガラス基板上に塗布し、適当なカバーフィルム65、例えばPETフィルムを用いて圧延により高分子材料63と被覆された微小球との混合物をシート化する(図6(b)参照)。或いはドクターブレード法や印刷手法によリシート化してもよい。或いは、特開昭58−122519号公報に開示されるように、被覆された微小球を適当な液中に分散・沈降させて被覆された微小球を一様に単層または多層に堆積された堆積膜を基板上に形成した後、係る分散媒に可溶である絶縁性支持体を形成する硬化性の高分子支持材料を注入し、被覆された微小球を包み込むようにして流延させ、引き続き前記分散媒を除去して、被覆された微小球と硬化性高分子支持材料からなるシートを作製してもよい。
【0043】
次に、係る高分子支持材料63を硬化させた後、シートをガラス基板64から剥離し、膨潤液66中に浸漬する(図6(c)参照)。係る膨潤液66は本発明の表示媒体に含まれる絶縁性液体として利用されるものでもよく、例えばシリコンオイルを挙げることができる。係る膨潤液への浸漬により、硬化された高分子支持材料63が膨潤し、また同時に微小球4に被覆したワックス61が溶解し、微小球4と絶縁性支持体1との間に隙間ができ、キャビティ2が形成される。このキャビティ2内には、膨潤液66が充填されており、係る膨潤液66が透明性であり、帯電粒子を電気泳動させるのに好適な粘度及び十分に高い電気抵抗を有している場合には、そのまま絶縁性液体5として利用できる。絶縁性液体として利用し得ない場合には、適当な絶縁性液体と置換すればよい。帯電粒子3は膨潤液66および絶縁性液体5には不溶であるので、キャビティ2内に閉じ込められる。
【0044】
以上の工程により、本発明の表示媒体を形成する帯電粒子3と微小球4と絶縁性液体5を保持してなるキャビティ2を複数個含む絶縁性支持体1が形成される(図6(d)参照)。
【0045】
引き続き、係る帯電粒子3と微小球4と絶縁性液体5を保持してなるキャビティ2を複数個含む絶縁性支持体1に導電層または電極を形成する。導電層または電極は従来公知の薄膜形成方法により、直接絶縁性支持体1上に直接堆積させてもよいが、図6(e)に示すように他の適当な基板21上に導電層6を堆積させたものと貼り合わせて作製してもよい。絶縁性支持体1表面上、導電層6と反対側にあるカバーフィルム65はあっても剥離してもどちらでも構わないが、絶縁性支持体1から絶縁性液体5が沁み出し沁み出すことを防ぐために何らかの表面保護層22を設けることが好ましい。カバーフィルム65を剥離することなく、そのま表面保護層22として利用しても構わない。また絶縁性支持体1の端面からの絶縁性液体5の沁み出しを防止するために、端面を接着剤等を用いて封止しておくことが好ましい。
【0046】
図6(e)では、本発明の第一の構成を有する表示媒体の構成となっているが、図6(d)の工程の後、絶縁性支持体1表面上に導電層を形成する代わりに、カバーフィルム65を剥離した後、一対の電極で帯電粒子3、微小球4、絶縁性液体5を保持してなるキャビティ2を複数個含む絶縁性支持層1を挟持させれば、本発明の第二の構成を有する表示媒体とすることができる(図6(f)参照)。
【0047】
図6(f)では、適切な形状にパターニングされた第1電極31を有する第1基板67と、第2電極32を有する第2基板68との間に、絶縁性支持体1を挟持させている。観察者に近い側に配置される、第1基板67及び第1電極は光学的に透明であることが要求され、透明電極材料としては、例えば酸化インジウムすず(ITO)がある。なお絶縁性支持体1の端面からの絶縁性液体5の沁みだしを防止するために、端面を接着剤等を用いて封止しておくことが好ましい。
【0048】
これら第1および第2の構成を有する表示媒体において、基板21、67、68の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)等のポリマーフィルム或いはガラス、石英等の無機材料を使用することができる。ポリマーフィルムを使用すれば、表示媒体をフレキシブルシート状に形成することもできる。
【0049】
【実施例】
以下本発明を実施例を用いて説明する。
【0050】
実施例1
本実施例では、図6に示す方法で本発明の表示媒体を作製した。
微小球4として、50μmジルコニアボールを用いた。該ジルコニアボールに、帯電粒子2とワックス61を混ぜ合わせたものをスプレーコートして厚さ10μm程度の被覆62を形成した。帯電粒子2としては、ポリスチレンとカーボンの混合物で、粒子の大きさがlμm〜2μm位のものを使用した(図6(a))。
【0051】
次に、2液型シリコーンゴム(ダウコーニング社製、シルポット184)中に前記被覆付きジルコニアボールを分散させ、ガラス基板64上で厚さ100μmのPETフィルム65を用いて、この分散系を厚さ約100μmの膜状に圧延した後、該シリコーンゴムを100℃、1時間の条件で加熱硬化させた(図6(b))。
【0052】
次に上記微小ボール分散硬化ゴムシートをガラス基板64より剥離し、粘度lcsのシリコーンオイル(東芝シリコーン社製)66中に24時間浸漬して該ゴムシートを膨潤させ(図6(c))、微小球の周囲にキャビティ(隙間5〜10μm)2を形成させると同時に、係るキャビティ2内に保持されたシリコーンオイル66をそのまま絶縁液5として利用することにした(図6(d))。
【0053】
次に上記ゴムシートとITO電極6付きPESフィルム21(厚さ100μm)とを貼り合わせて、表示媒体を作製した(図6(e))。PETフィルム65はそのま表面保護層22として利用することにした。
【0054】
かかるフレキシブルシート状表示媒体に対して、PETフィルム22面側から、コロナワイヤ(直径60μmの金めっきタングステン線)に正または負の3〜10kV程度の電圧を印加する事により発生するイオンを用いてPETフィルム22上を選択的に帯電させて静電潜像を形成すると、正に帯電させた部分では帯電粒子3が表面保護層22側に移動・吸着され、負に帯電された部分では導電層6側に移動・吸着され、所望の白黒表示が行われることを確認した。この際、応答速度は30ms以下で、コントラスト比は約5:1であった。また視野角特性は±85°以上であった。
【0055】
実施例2
実施例1と同様にして、PETフィルム65上に帯電粒子3、微小球4、シリコーンオイルからなる絶縁液5を保持してなるキャビティ2を複数個含むゴムシートを形成した(図6(d))後、ゴムシートをPETフィルム65から剥離し、更に該ゴムシートをITO電極膜付きPES基板で挟持させて、表示媒体を作製した(図6(f))。
【0056】
該表示媒体に±100Vの電界を印加すると、電界の極性に応じて観察側に帯電粒子3または微小球4が現れた。
【0057】
詳しくは、観察側の第1電極31が陰極になるように電界を印加すると観察側に帯電粒子3が移動・吸着して黒色が観察された。電界を逆極性にすると帯電粒子3は反対側の第2電極32側へと移動・吸着し、結果として微小球4の白色が観察された。この際、応答速度は30ms以下で、コントラスト比は約5:1であった。また視野角特性は±85°以上であった。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の表示媒体により、2色表示を達成することが可能となった。この表示媒体に用いる微小球は、単色なので安価に入手することが可能な微小球をそのまま使用することができ、また着色、帯電防止などの目的で表面に被覆を行う際にも、2色に塗り分ける必要がないので、工程上形成が容易である。
また、帯電粒子および微小球各々固有の色を用いて表示を行うので、カラー化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示媒体の第一の形態の断面図である。
【図2】本発明の表示媒体の第一の形態の断面図である。
【図3】本発明の表示媒体の第二の形態の断面図である。
【図4】本発明の表示媒体の第一の形態における表示方法を示す図である。
【図5】本発明の表示媒体の第二の形態における表示方法を示す図である。
【図6】本発明の表示媒体の製造方法を示す工程図である。
【図7】従来の二色球の回転を利用した表示装置の表示原理を示す図である。
【図8】従来の水平移動型電気泳動型表示装置の表示原理を示す図である。
【符号の説明】
1 絶緑性支持体
2 キャビティ
3 帯電粒子
4 微小球
5 絶縁性液体
6 導電層
9 画素
10 電源
21 基板
22 表面保護層
31 第1電極
32 第2電極
61 ワックス
62 被覆層
63 高分子支持材料
64 基板
65 カバーフィルム
66 膨潤液
67 第1基板
68 第2基板
71 第1基板
72 第2基板
73 第1電極
74 第2電極
75 支持体
76 キャビティ
77 高抵抗液体
78 二色ボール
79 駆動用電源
81 絶縁性液体
82 着色帯電粒子
83 第1基板
84 第2基板
85 第1電極
86 第2電極
87 隔壁
88 駆動用電源

Claims (6)

  1. 色を有する1個の微小球と該微小球より径が小さくかつ異なる色を有する複数の帯電粒子と絶縁性液体とを保持してなるキャビティを複数個含む絶縁性支持体と、導電層を有し、前記微小球の球径が30〜100μmであり、前記帯電粒子の粒径が5μm以下であり、前記キャビティ内の微小球と絶縁性支持体との間に5〜10μmの隙間を有し、前記微小球がキャビティ内で移動可能に保持され、前記帯電粒子が、前記導電層に近い側および遠い側の前記微小球と絶縁性支持体との間の隙間に吸着されることにより、前記帯電粒子の色と前記微小球の色とを表示することを特徴とする表示媒体。
  2. フレキシブルシート状である請求項1に記載の表示媒体。
  3. 前記微小球の表面が非帯電性である請求項1に記載の表示媒体。
  4. 前記微小球が前記帯電粒子とは逆極性に帯電している請求項1に記載の表示媒体。
  5. 前記微小球が前記帯電粒子と同極性に帯電しており、かつ該微小球のζ電位が帯電粒子のそれよりも小さい請求項1に記載の表示媒体。
  6. 色を有する1個の微小球と該微小球より径が小さくかつ異なる色を有する複数の帯電粒子と絶縁性液体を保持してなるキャビティを複数個含む絶縁性支持体を、各々の電極が1または複数からなる一対の電極間に挟持させてなり、前記微小球の球径が30〜100μmであり、前記帯電粒子の粒径が5μm以下であり、前記キャビティ内の微小球と絶縁性支持体との間に5〜10μmの隙間を有し、前記微小球が前記キャビティ内で移動可能に保持され、前記帯電粒子が、前記一対の電極の一方側および他方側の前記微小球と絶縁性支持体との間の隙間に吸着されることにより、前記帯電粒子の色と前記微小球の色とを表示することを特徴とする表示媒体。
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