JP4338318B2 - マルチキャリア伝送におけるピーク電力抑圧能力および誤り訂正能力を有する符号化およびその復号 - Google Patents
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Description
本発明は、マルチキャリア伝送のための符号化およびその復号のための方法と装置に関する。
背景技術
広帯域無線通信においては、マルチパスによる周波数選択性フェージングが回線品質を劣化させることが特に問題となっている。耐マルチパスフェージング性に優れた変調方式としてマルチキャリア伝送方式が知られている。本方式は、伝送帯域を複数のキャリア(サブキャリアという)に分割することで、周波数選択性フェージングに対し周波数ダイバーシチ効果を得、高品質な無線伝送を可能とするものである。直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplex,OFDM)技術も、この一形態である。
これらマルチキャリア技術の問題点の一つに送信信号のピーク電力(もしくはピーク対平均電力比)の増大があげられる。システムの線形性を保証するためには、ダイナミックレンジの広い線形増幅器が要求される。しかし、これらの増幅器は高価かつ電力効率が低い。また、廉価な増幅器を用いた場合はその飽和領域を用いることになって非線形歪みが発生し特性が劣化するという問題がある。これが本技術の実用化へのボトルネックとされていた。
本問題の解決策としては、(1)入力信号の制限および(2)出力信号の制限によるものに大別される。前者は、符号化処理によりピーク電力が大きくなる信号パターンを発生させないものであり、特性劣化は一切生じない。さらにそれらの符号が、その最小距離を拡大させることができれば、受信特性(ビット誤り率、BER)を向上させることも可能である。後者は、ピーク電力を発生させる信号パターンの発生確率が小さいことを利用し、例えば、あるスレッショルド値を超えるピーク電力が発生した場合にそれをスレッショルド値で強制的にカットするもの、すなわちクリッピングなどが当てはまる。この技術は、当然非線形歪みによるサイドローブレベルの増大、つまりはキャリア間干渉をもたらすことで特性の劣化を引き起こす。信号の包絡線レベル全体をスレッショルド値に正規化させる手法もあるが、これは結局S/Nを劣化させてしまうため、同様に特性の劣化が生じる。広帯域かつ高品質な無線伝送の実現のためには、前者の手法がより望まれる。
ピーク抑圧符号として相補系列(Complementary符号)がよく知られており、マルチキャリア変調方式への適用が研究されている。本符号は多相位相変調(M−ary PSK,MPSK)への適用が可能である。ま
ア数に比例して符号化率が低下するため、誤り訂正能力が向上することを考慮しても伝送効率の低下は避けられない。もちろん、8キャリアを4キャリア×2とすることで、4キャリアシステムとして運用することは可能であるが、このような手法を用いても
であり、これ以上符号化率を増大させることはできない。
一方Nキャリアの場合、MNの信号パターン数が存在する(Mは変調信号点数)。全信号パターンのピーク包絡線電力(Peak Envelope Power:PEP)を測定し、包絡線レベル順にランキングし、下位半数のパターンのみを使用して符号化することでピーク電力の抑圧がなされることがよく知られている。これは、わずか1ビットの冗長度でピーク電力の抑圧が可能であることを示している。しかも、
〔dB〕)はNが大きいほど大きくなる。よって、本質的にはNが大きくなるほど符号化率を増大できるはずである。しかし、前記Complementary符号は逆にNが大きくなるほど符号化率が低下しており、この現象に適した符号とはいえない。なおこのPEPランキングの下位半数のパターンを使用する手法では符号間距離の拡大による高品質化は得られない。さらに、入力信号とそれに与えられる符号には何らの論理的関係もないので、符号化に論理回路が使用できず、ROM等のマッピング用メモリを使用する以外にない。このマッピング用メモリの使用はキャリア数が多くなると現実的でなくなる。
発明の開示
本発明は、これらの事実に鑑み、ピーク電力の抑圧、および符号間最小距離の拡大による高品質化を維持しながら、Nが大きくなるほど符号化率の大きい符号を提供することで高効率伝送を実現する1ことを目的とするものである。
本発明によれば、入力信号に基づき、kを1以上の整数として、2k−1個の第1の位相に対する2k−1個の第2の位相の位相差Δθ(2k)と、2k−1個の第3の位相に対する2k−1個の第4の位相の位相差Δθ*(2k)との差の絶対値|Δθ(2k)−Δθ*(2k)|が所定の値であるという位相条件を満たす第1乃至第4の位相からなるカーネルを1以上含む複数の位相を決定し、複数の搬送波周波数に対して、第1の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第2の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差が第1の位相と同一の周波数間隔を有する第3の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第4の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差に等しいという周波数条件を満たすように、前記複数の位相を割り当てることによって前記入力信号に対応する符号を生成するステップを具備するマルチキャリア符号化方法が提供される。
本発明によれば、複数の入力信号について、入力信号に基づき、kを1以上の整数として、2k−1個の第1の位相に対する2k−1個の第2の位相の位相差Δθ(2k)と、2k−1個の第3の位相に対する2k−1個の第4の位相の位相差Δθ*(2k)との差の絶対値|Δθ(2k)−Δθ*(2k)|が所定の値であるという位相条件を満たす第1乃至第4の位相からなるカーネルを1以上含む複数の位相を決定し、複数の搬送波周波数に対して、第1の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第2の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差が第1の位相と同一の周波数間隔を有する第3の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第4の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差に等しいという周波数条件を満たすように、前記複数の位相を割り当てることによって入力信号に対応する複数の符号を生成し、該複数の符号の各々と受信された符号との符号距離を計算し、受信された符号との符号距離が最小である符号を与える入力信号を決定することによって受信された符号を復号するステップを具備するマルチキャリア符号の復号方法もまた提供される。
本発明によれば、入力信号に基づき、kを1以上の整数として、2k−1個の第1の位相に対する2k−1個の第2の位相の位相差Δθ(2k)と、2k−1個の第3の位相に対する2k−1個の第4の位相の位相差Δθ*(2k)との差の絶対値|Δθ(2k)−Δθ*(2k)|が所定の値であるという位相条件を満たす第1乃至第4の位相からなるカーネルを1以上含む複数の位相を決定し、複数の搬送波周波数に対して、第1の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第2の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差が第1の位相と同一の周波数間隔を有する第3の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第4の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差に等しいという周波数条件を満たすように、前記複数の位相を割り当てるサブセット選択部と、サブセット選択部が割り当てた位相を直交信号にマッピングするサブセットマッピング部とを具備するマルチキャリア符号化器もまた提供される。
本発明によれば、複数の入力信号について、入力信号に基づき、kを1以上の整数として、2k−1個の第1の位相に対する2k−1個の第2の位相の位相差Δθ(2k)と、2k−1個の第3の位相に対する2k−1個の第4の位相の位相差Δθ*(2k)との差の絶対値|Δθ(2k)−Δθ*(2k)|が所定の値であるという位相条件を満たす第1乃至第4の位相からなるカーネルを1以上含む複数の位相を決定し、複数の搬送波周波数に対して、第1の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第2の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差が第1の位相と同一の周波数間隔を有する第3の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第4の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差に等しいという周波数条件を満たすように、前記複数の位相を割り当てることによって入力信号に対応する複数の符号を生成する符号化部と、該複数の符号の各々と受信された符号との符号距離を計算する符号距離計算部と、受信された符号との符号距離が最小である符号を与える入力信号を決定することによって受信された符号を復号する最小距離符号決定部とを具備するマルチキャリア符号の復号器もまた提供される。
発明を実施するための最良の形態
まず、キャリアの変調方式としてQPSKを採用し、キャリア数が4である場合について、本発明の符号化の例を説明する。図1には変調方式がQPSKである場合に、2つのキャリアに与えることのできる4×4=16通りの信号点パターンを示す。2キャリアに割り当てられた2つの信号点の位相差(相対位相)をΔθ(2)とするとき、図1において、(a)〜(d),(e)〜(h),(i)〜(l)および(m)〜(p)のパターンではそれぞれΔθ(2)=0,π,π/2および−π/2である。
4キャリアのピーク包絡線電力(PEP)は、4つのキャリアの信号点の位相が互いに独立であれば、1キャリアのPEPの4倍(+6dB)になる。しかしながら、図2に示されるように、各2キャリアの周波数差が互いに等しいことを条件として、2キャリアの信号点の相対位相Δθ(2)と他の2キャリアの信号点の相対位相Δθ*(2)との差の絶対値|Δθ(2)−Δθ*(2)|がπであるとき、PEPは1キャリアのときの2倍に抑圧される。すなわち、4キャリアで構成される符号を、4つのキャリアの信号パターンが
|Δθ(2)−Δθ*(2)|=π (1)
の条件を満たすものに制限すれば3dBのPEP抑圧効果が得られる。
この様な符号は、2キャリアの相対位相が0とπである組み合わせ(図1の(a)〜(d)のいずれかと(e)〜(h)のいずれかとの組み合わせ)と、相対位相がπ/2と−π/2である組み合わせ((i)〜(l)のいずれかと(m)〜(p)のいずれかとの組み合わせ)である。したがって、入力信号をこれらに該当する符号の集合にマッピングして符号化すれば、3dBのPEP抑圧効果が得られることになる。また、これらの符号の集合の中で、1キャリアのみ信号点が異なり他の3キャリアの信号点が同じである2つの符号は、それらの一方は必ず(1)式を満足し得ないから存在し得ない。つまり(1)式を満足するためには必ず2キャリア以上の信号点が異なることになる。したがって、最小距離dminについて
が得られ、信号パターンを制限しない場合よりも誤り訂正能力が高い。さらにこのマッピングには一定の論理的関係があるから、ROMによらず論理回路で符号化回路を実現することが可能である。
前述したように、(1)式を満足する符号には2キャリアの相対位相が0とπである組み合わせとπ/2と−π/2である組み合わせの2グループ存在する。したがって、変調方式がQPSKである場合のグループの数G(2)は
G(2)=2 (3)
である。また、各グループは4種類の2キャリア信号パターンと4種類の2キャリア信号パターンの組み合わせから成っているので、その組み合わせの数K4(2)は
K4(2)=4×4=16 (4)
である。さらに、例えば、図1(a)の(0,0)と図1(e)の(0,3)との組み合わせから(0,0,0,3)と(0,3,0,0)の2つの符号が生成されるように、2つの2キャリア信号パターンの組み合わせのそれぞれから2つの符号が生成されるので、(1カーネル、QPSKでの)符号パターン数P4(1,2)は、
P4(1,2)=K4(2)×G(2)C1×2 (5)
=26
となり、符号化率R4(1,2)として
R4(1,2)=6/8=0.75 (6)
が得られる。
なお、QPSKの場合、2キャリアの相対位相は0,π/2,π,−π/2の4通りあり、2つの相対位相の差の絶対値|Δθ(2)−Δθ*(2)|をΔφ(4)と定義するとき、Δφ(4)の値は0,π/2,πの3通りある。そして、この値がπ/2となる4キャリアにおいてもπであるときの3dBには及ばないが0.7dBのPEP抑圧効果を与える。この様な符号も本発明の範囲に含まれる。
キャリアの変調方式が多相位相変調方式(MPSK,M=2m,m≧2)である場合、2キャリアの相対位相Δθ(2)は2m種類存在する。これらの中から(1)式を満足するペアをつくると2m/2個のペアができるから、(1)式を満たすグループの数G(m)は
G(m)=2m/2=2m−1 (7)
となる。また、各グループは2m種類の2キャリア信号パターンと2m種類の2キャリア信号パターンの組み合わせから成っているので、その組み合わせの数K4(m)は
K4(m)=2m×2m=22m (8)
となる。m=2のとき(7)(8)式はそれぞれ(3)(4)式に帰着する。m=2のときと同様に、2つの2キャリア信号パターンの組み合わせの1つ1つから2つの符号が生成されるので、符号パターン数P4(1,m)は
P4(1,m)=K4(m)×G(m)C1×2 (9)
=22m×2m−1×2
=23m
となり、符号化率R4(1,m)として
R4(1,m)=3m/4m=0.75 (10)
が得られる。
本発明の一側面では、(1)式を満足する4キャリアの信号パターンを1カーネルとし、n個のカーネルからなる4nキャリアの符号を使用して前述のPEP抑圧効果および符号距離拡大効果を得る。なお、(1)式における位相差Δθ(2),Δθ*(2)の2組のキャリア対を、4キャリアカーネルを構成する2つのサブセットと呼ぶ。この場合に、周波数に関する条件は、各カーネルにおいて各2キャリア(各サブセット)における周波数の差が互いに等しいということのみであるから、この条件さえ守れば各カーネルを構成するキャリアを周波数軸上どこに置いても良い。言い換えれば、図3に示すように、この条件さえ守れば各カーネルをどの4キャリアに割り当てて符号を作っても良い。したがってカーネル数が増えるほど周波数軸上での並び替えにおいて自由度が増して符号パターン数が増加するので符号化率は1に近付く。
まず、QPSK、2カーネル(m=2,n=2)の場合について説明する。この場合、1カーネルに割り当て可能な2グループの信号パターン(相対位相が0とπの組み合わせと相対位相がπ/2と−π/2の組み合わせの2グループ)のうち、どちらか一方のグループのみを2カーネルに割り当てて得られる符号パターン数P4(2,1,2)と2グループをそれぞれ2カーネルに割り当てて得られる符号パターン数P4(2,2,2)の和が総符号パターン数P4(2,2)となる。
一方のグループ、例えば相対位相0とπの組み合わせのみを2カーネルに割り当てる場合、周波数軸上の並べ替えによる場合の数は、図4に示すように、相対位相0の2組のキャリア対を4個所のうちのいずれかの2個所に割り当てるときの場合の数であるから、4C2=(4!)/(2!)(2!)である。したがって符号パターン数P4(2,1,2)は、
となる。なお、図4に示す以外にも例えば周波数軸上で隣り合った2キャリアを相対位相0またはπの対とする符号を考えることができるが、それらは必ず図4に示す符号のいずれかと重複する。したがって以後は位相差Δθ(2)に注目する2つのキャリアの周波数差は1種類のみに固定して考える。
異なるグループに属する信号パターンをそれぞれ2つのカーネルに割り当てる場合、周波数軸上の並べ替えによる場合の数は、相対位相が0,π,π/2および−π/2である相異なる4組のキャリア対を4個所に割り当てるときの場合の数であるから、4!である。したがって、
P4(2,2,2)=(K4(2))2×G(2)C2×4! (12)
=211×3=6144
となり、P4(2,2)は
P4(2,2)=9216
となり、符号化率R4(2,2)として
R4(2,2)=log29216/16≒0.823
が得られる。
なお、上記の場合では符号化率R4(2,2)の式の分子log29216は整数にならない。このままでは符号化/復号回路が非常に複雑になるので、符号数を例えば213=8192に制限して13ビットの入力信号を8つのQPSK信号に符号化することが好ましい。この場合に符号化率は13/16≒0.722になる。この様な整数化をしないときの符号化率を、以後、理想符号化率と呼ぶこととする。
m≧2,n=2の場合、(11)(12)式は、
となる。
m≧2,n≧2の場合、まず、i(1≦i≦γ=min(n,G(m)))種類のグループに属する信号パターンをn個のカーネルに割り当てて符号をつくることを考える。このとき、j(1≦j≦i)番目のグループに属する信号パターンが割り当てられるカーネルの個数をn1(≧1)とし、n0=iと定義すると、それぞれのnjがとり得る値の範囲は
となり、n1は他のnj(1≦j≦i−1)の値から、
で決定される。
(nc−1)をNj(1≦j≦i−1)とおくと、それぞれのiの値に対する符号パターン数P4(n,i,m)は、
となる。
以上より、符号パターンの総数P4(n,m)は種類の数iごとに得られる符号パターン数P4(n,i,m)の総和であり、
で与えられ、理想符号化率R4(n,m)は、
となり、R≧3/4を達成する。
表1には様々なm,nの値について計算した理想符号化率Rの結果をPEP抑圧量とdminとともに示す。表1中、変調方式のQPSKおよび8PSKはそれぞれm=2およびm=3の場合であり、キャリア数/4がnである。
表1の結果から、本発明のマルチキャリア符号は、キャリア数の増大とともにピーク電力の抑圧および符号間最小距離を維持しつつ、符号化率が大きくなることがわかる。
本発明では、後に述べる符号長を拡張した場合も含めて、符号化/復号器の簡略化のため、及びPEP抑圧量の一層の改善のため、γ以下の任意の種類のグループを任意の組合せにおいて用いることが可能であり(例えば、2種類のみ用いてカーネルを構成する等)、また用いた種類において他の条件で制限することも可能である(例えば、前記2種類の中でπ/2の位相差を有するもののみで構成する等)。
図5には周波数軸上に8つのキャリア10〜17が示され、それらの上方には各キャリアに割り当てられた信号点の2次元平面上の位置の一例が概略的に図示されている。
図示された例では、キャリア10とキャリア12の間には位相差Δθ(2)として0が、キャリア11と13にはπが、キャリア14と16には0が、キャリア15と17にはπが与えられている。すなわち、キャリア11〜13は式(1)を満足する4キャリアカーネルを構成し、キャリア14〜17もまた式(1)を満足する4キャリアカーネルを構成する。
図示した例では、さらに、いずれも同じ位相差を有するキャリア10と12の対とキャリア14と16の対との間の位相差は0であり、同じ位相差を有するキャリア11と13の対とキャリア15と17の対との間には位相差πが与えられている。これらを図示のようにΔθ(4),Δθ*(4)と表わすと、
|Δθ(4)−Δθ*(4)|=π (18)
が成立している。ここで、4キャリアの位相差Δθ(4)は同一の位相差を有する2つのΔθ(2)によって定義される(Δθ*(4)についても同様)。2つのΔθ(2)における位相差は図5のケースにおいては図24に示すように4通りある。よって本例においては、Δθ(4)=0およびΔθ*(4)=πとなり、Δφ(8)=πが成立しているといえる。また、キャリア10と12の周波数間隔がキャリア11と13の周波数間隔に等しく、キャリア14と16の間隔がキャリア15と17の間隔に等しいことに加えて、キャリア10と14の間隔がキャリア11と15の間隔に等しい。言い換えれば、キャリア10〜13間の周波数差はキャリア14〜17内の周波数差に等しい。このような場合には、(1)式が成立することによる3dBのPEP抑圧効果に加えてさらに3dBのPEP抑圧効果が得られる。
すなわち、2つのキャリア対(2キャリアサブセット)から4キャリアカーネルを構成したときと同様に、2つの4キャリアカーネルをそれぞれ2つの4キャリアサブセットとして8キャリアカーネルを構成するとき、2つの4キャリアサブセットの間に(18)式の関係が成立すれば3dBのPEP抑圧効果が得られる。ただし、各サブセット内のキャリアの周波数差はサブセット間で相等しいことを条件とする。一般に、
Δφ(2k+1)=|Δθ(2k)−Δθ*(2k)| (19)
と表わすとき、符号長κ=2kの2つのカーネルを2つのサブセットとする符号長κ=2k+1のカーネルはΔφ(2k+1)=πが成立するとき、
ΔPpep=(2k,2k+1)=3dB
のPEP抑圧効果をもたらす。ここで、k≧2において、2kキャリアの位相差Δθ(2k)は、同一の位相差を有する2つのΔθ(2k−1)によって定義される(Δθ*(2k)についても同様)。2つのΔθ(2k−1)における位相差は、kに依らずk=1の場合と同様常に2m個の状態数だけ存在する。
QPSKの場合で説明したと同様に、位相差Δφ(2k+1)がπ以外の0でない値であるとき、位相差がπのときの3dBには及ばないが、一定のPEP抑圧効果を与える。図6に位相差ΔφとPEP抑圧度ΔPpep(2k,2k+1)の関係の計算結果を示す。図より、Δφ(2k+1)がπのとき3dB、π/2のとき0.7dBのPEP抑圧結果が得られる。
上記のことは再帰的に適用可能であり、任意のkに対して符号長κ=2k+1における全PEP抑圧量ΔPpep(κ)は
(*)=π(*=4,8,…)であればΔP=3k〔dB〕なる。
2m−PSKにおける最小位相角は
であることから、2m−PSKで表現され得る位相差は
となる。よって、BPSK(m=1)の場合はΔφ(*)=πのみであり、QPSK(m=2)を用いる場合は
の2通りしか適用できない。ただし、このような場合においても、基準位相にオフセットを持たせれば任意の位相差を持つことが可能となる。
図7に示すように、κ=8符号において、8シンボルを有するカーネルは2つの4シンボルサブセット(A2,B2)で構成されている。このとき(A2,B2)は、2シンボルを有するκ=4のサブセットを(A1,B1)とすると、
A2B2=A1B1・A1B1 *
で与えられる。つまり、κ=8カーネルのサブセットの1つであるA2はκ=4のカーネルそのものであり、もう1つのB2はこのカーネルを構成する2シンボルのサブセットB1に位相差Δφ(8)を与えたものである。
一般に、κ=2k+1符号において、2k+1シンボルを有するカーネルは2つの2kシンボルサブセット(Ak,Bk)で構成されている。このとき(Ak,Bk)は、2k−1シンボルを有するκ=2kのサブセットを(Ak−1,Bk−1)とすると、
AkBk=Ak−1Bk−1・Ak−1Bk−1 * (20)
で与えられる。つまり、κ=2k+1カーネルのサブセットの1つであるAkはκ=2kのカーネルそのものであり、もう1つのBkはこのカーネルを構成する2k−1シンボルのサブセットBk−1に位相差Δφ(2k+1)を与えたものである。ただし、A0,B0はそれぞれ1キャリアに与えられた符号を表わし、A1B1における位相差Δφ(4)が所定の値(例えばπ)に制限されているものとする。このとき、
により、任意の符号長:κ=2k+1において符号が拡張される。ここで、
はBk−1に上記位相差Δφ(2k+1)を加えたものである。例えば、Δφ(2k+1)=πの場合、これらを信号点系列とみなすとπの位相回転は信号点の反転と等価であるから、
となる。
この時、グループの数(G(m))はκ=4の場合の式(7)と同一である。各グループにおいてカーネル(κ=2k+1)のとり得るパターン数
は、位相差がπとなる信号パターンの組み合わせが、κ=2k+1のカーネルを構成するサブセットであるκ=2kカーネルがとり得るパターンの各々について2m個存在することから、式(22)となる。
ここで、n個のκ=2k+1カーネルから成る符号において、2kキャリアのサブセット間隔を任意とした中でPEPを3k〔dB〕抑圧することが可能である。つまり、サブセット(2kキャリア)を単位として並び替えを行うことが可能である。
並び替えのパターン数は、全キャリア数がκ=4における4nから2k+1nになったのに対し、並び替えをκ=4における2キャリアから2kキャリアの単位で行うため、式(15)の右辺第三項と同じとなる。また、グループの種類もκ=4におけるグループの種類と
となる。
と一意に与えられる。
この信号パターンを生成する符号はまた、最小距離が
つまり、
となる。これにより、シンボル誤り率(SER)をC/Nにおいて3k〔dB〕改善することが可能となる(BERは変調数mにより若干効果が異なる)。表2に一例を示す。
前述の符号化アルゴリズムをベースとし、さらにPEP抑圧量を向上させる。例えばQPSKの8キャリアに対してκ=4カーネルを2つ(n=2)割り当てるとき、図8に示すように、サブセットの相対位相Δθ(2)が0とπであるκ=4カーネルとサブセットの相対位相Δθ(2)がπ/2と−π/2であるκ=4カーネルとの2種類のグループのカーネルを割り当ててΔφ(4)=πによる3dBのPEP抑圧効果を得ることが可能であることは先に述べた。図8には、各キャリアの上方にそれらに与えられる信号点の例が図示されている。ここで、相対位相Δθ(2)=0の2キャリアとΔθ(2)=π/2の2キャリアとの組み合わせを1つの4キャリアカーネルとみなし、相対位相Δθ(2)=πの2キャリアと相対位相Δθ(2)=−π/2の2キャリアとの組み合わせをもう1つの4キャリアカーネルとみなすと、それぞれのカーネルでΔφ(4)=π/2が実現されている。すなわち、図8に示された符号は、Δφ(4)=πであることによる3dBのPEP抑圧効果を持つ性質とΔφ(4)=π/2であることによる0.7dBのPEP抑圧効果を持つ性質の双方を併わせ持ち、合計で3.7dBのPEP抑圧効果が得られることがわかる。この様な符号を複数のカーネルペアに与えることで3.7dBのPEP抑圧効果が得られる。
2mPSK(m≧2)の場合では、位相差πを有するカーネルは前述のようにG(m)=2m−1種類のグループに分類される。さらに、2つのカーネルのサブセットどうしが互いにπ/2の位相差を有しているものに制限すると、そのとり得るグループ数は
となる。ただし、カーネルペアを基本単位として考えるため、n=2n′(n′≧1)となる。このとき、各カーネルペアはそれぞれ位相差πおよびπ/2の特性を同時に有している。よって、PEP抑圧量は3+0.7=3.7〔dB〕となる。また、κ=4の符号を用いているため、最小自由距離は
である。
本符号の符号パターン数は、式(15)においてG′(m)種類のペアグループよりi種類のペアグループを用いると考えることで、
め、j(1≦i<i)番目のグループが割り当てられる個数をnj
よって、理想符号化率はn=2n′つまり、偶数個のカーネルを持つ場合において
として与えられる。
表3にQPSKと8PSKの場合について、この符号の理想符号化率の計算結果をPEP抑圧量とdminの値とともに示す。
次に、この様な、3.7dBのPEP抑圧効果を与える4キャリアカーネルの対(図8)を1対の拡張サブセットA1,B1と定義し、それらにより構成される8キャリアの符号パターンを基本単位として符号長を拡張することにより、符号長κ=2k+2においてΔPpep(2k+2)=3k+0.7〔dB〕および
を実現する。k=2の場合のそのような符号の一例を図9に示す。なお、A0,B0は定義されない。
図9において、拡張サブセットA1と拡張サブセットB1のそれぞれの内部の位相差Δφ(4)はπであり、拡張サブセットA1と拡張サブセットB1の間の位相差Δφ(4)はπ/2である。
この様な拡張サブセットA1,B1を用いてκ=16の符号をつくるにあたり、拡張サブセットA1ともう1つの拡張サブセットA1の間の位相差Δθ(8)および拡張サブセットB1ともう1つの拡張サブセットB1 *との間の位相差Δθ*(8)がΔφ(16)=πの関係を満たすことにより、ΔP=6.7dBおよびdmin=2dが実現される。
このとき拡張サブセットがとり得るグループ種別をG=(G1,G2)とすると、(A1,B1)=(G1,G2)もしくは(G2,G1)となる。また、この符号は周波数軸上における配置において、図10のように3つのタイプ(P1,P2,P3)に分別される。
この符号の拡張は、
A2B2=A1B1・A1B1 *
と表わされる。さらなる拡張は式(20)と同様に、
で表わされる。ただし、式(20)がk≧1で適用可能であったのに対して、本符号の拡張ではA0,B0は定義されないので式(28)はk≧2で適用可能である。この様な拡張により、κ=2k+2(k≧1)の符号において、ΔPpep(2k+2)=3k+0.7〔dB〕および
が実現される。
なお、2キャリアサブセットA0,B0を出発点として生成されるサブセットと区別して拡張サブセットA1,B1を出発点として生成されるサブセットAk,Bkもまた、拡張サブセットと呼ばれる。
図11つまりk=2においては、図10の3タイプ=:(P1,P2,P3)を基に符号拡張を行うため、位相差を付加するキャリア位置がそれぞれ異なる。図12,13に示すように、k≧3においてはP1のみとなる。
さらにk≧2において、2k+2キャリアのカーネルは2k+1−キャリアを有する拡張サブセット(Ak,Bk)ではなく、2k−キャリアの拡張サブセット(Ak−1,Bk−1)における並び替えが可能であり、これにより符号パターン数が向上する。またこのとき、3つのタイプ種別に対応した2k−拡張サブセットの並び替えを行う。それぞれの並び替えは表4に示すように4通りである(これにより符号パターン数が2ビット向上する)。表における記号は、κ=2k+2−カーネルを構成する4つの2k−キャリアの拡張サブセット
である。
(a)κ=8(k=1)の場合
本符号の基本系列(κ=8)の符号化率:
は、上記より式(26)を基にして与えられる。基本系列におけるカーネルには、π/2−ペアを構成する2種類の拡張サブセットがそれぞれ1つずつ含まれていることからn=2およびi=1の場合に該当し、かつカーネル生成の際にはペアグループの選び方を考慮しない。よって、その得られる符号パターン数は、
をペアグループの選択の組み合わせ数で除した値、つまり
となる。ここで、拡張サブセットの並び替えによる重複を考慮した8キャリアカーネルのとり得るパターン数
は、上記パターン数の半分となるため、
で表される。カーネルの並び替えの場合の数は、κ=8とし、N=κnにおいて、n個のカーネルをi(1≦i≦γ′=min(n,G′(m)))種類のグループで構成するとき、前述の4キャリアの符号と同一となる。つまり、符号長の基本単位が2倍(4→8)となることで、拡張サブセット単位の並び替えと考えることが可能となり、G′(m)種類のグループからi種類のグループを選択すると見倣せる。よって、本符号の符号パターン数:
は、
となる。
(b)κ=2k+2(k≧2)の場合
本符号の拡張手法は前記の4キャリアの符号の拡張と同一である。ただし、上記より各グループにおいて並び替えによる重複を考慮したカーネル(κ=2k+2)のとり得るパターン数
は、任意のk(k≧2)に対して4種類の拡張サブセットの並び替えが可能となるため、
となる。
と一意に与えられる。表5に符号化率の計算結果をPEP抑圧量とdminの値とともに示す。
図14には、符号長κ=2k+1でPEP抑圧量3k〔dB〕とdmin=
を与える表2の符号および符号長κ=4でPEP抑圧量3.7〔dB〕と
を与える表3の符号における、キャリア数Nと符号化率の関係を示す。また、図15には、符号長κ=2k+2でPEP抑圧量3k+0.7〔dB〕と
を与える表5の符号における、キャリア数Nと符号化率の関係を示す。
表3の符号を表5の符号でκ=8のものと比較すると、キャリア数N=8の場合は両者とも同じ符号を与えるので符号化率、PEP抑圧量およびdminは同じである。しかしながら、図14の“□”を図15の“○”と比較すればわかる様に、キャリア数Nが増加するほど前者の方が符号化率が高くなる。これは前者がサブセット(2キャリア)単位の並び替えを許しているのに対し、後者は拡張サブセット(4キャリア)単位の並び替えを行っているため、並べ替えの自由度が低下するためである。しかしながら、κ=2k+2においてΔPpep(2k+2)=3k+0.7〔dB〕を実現する符号長の拡張が可能という利点を有する。
本発明の理想符号化率の分子:log2Pκ(n,m)は必ずしも整数とはならない。これは、2進数を基本とするディジタル信号処理において冗長度を持たず表記することが不可能であることを示しており、これを実現する符号器および復号器の構成は非常に複雑となり、ハードウェア規模が増大する。このため、log2Pκ(n,m)の小数部分を切り捨てた値
を用いることで、任意の情報ビットを符号ビットに対応させる。このとき、符号長:κの符号化率
は、
となる。
これは例えばΔφ(*)=π(*=4,8,…,κ)を満たすカーネルをn個決定し、N=κnキャリアの送信信号点列を生成する際に、組合せの総数が2cになるように制限することで実現される。つまりこの時、情報データi(0≦i≦2c−1)により生成された符号データ(c(i))は、κnキャリアの1シンボル区間で表現されるn個のカーネル系列、つまりはそれが表すκn個の送信信号点列
にマッピングされる。ここで、MPSKにおけるM=2m個の信号点を
また、本例以外の符号すべてにおいて同様の符号化が与えられる。
図16は本発明の一実施例に係る、m=2(QPSK)、符号長κ=4(k=1)、カーネル数n=3(キャリア数N=κn=12)のシステムの符号化器の構成を示す。このシステムにおいては符号のビット数Dはm×κ×n=24ビットとなる。一方、式(16)の値は1,638,400であり、式(17)の分子は20.643…であるので、20に整数化する。すなわち、3個の4キャリアカーネルがすべてΔφ(4)=πを与える1,638,400個の24ビット符号のうち220個を使用して符号化する。符号化率は20/24となる。
2キャリア選択部22は、それぞれが2キャリアからなる6個のサブセットについて、図1に示す16通りの中からΔφ(4)=πを満足する信号点の組み合わせを、20ビットの入力信号に従って選んで割り当て、割り当てられた信号点の組み合わせを示すマッピング制御信号を出力する。各サブセットは2キャリアからなり各キャリアに割り当てられる信号点は2ビット(m=2)で識別されるから、2キャリア選択部22からは各サブセットに対して4ビットのマッピング制御信号が出力される。
2キャリアマッピング部24では、入力されるマッピング制御信号に従い、信号点へのマッピングを行なう。具体的には、例えば、図1(a)に示す(0,0)へのマッピングが指定されれば、2キャリアのI相およびQ相をすべて高レベル(例えば+1)として出力し、図1(b)に示す(1,1)へのマッピングが指定されたら、2キャリアのI相を高レベル(例えば+1)とし、Q相を低レベル(例えば−1)として出力する。
12個の直交変調器25の周波数f1〜f12は例えば等間隔であり、少なくともf1とf2、f3とf4、f5とf6、f7とf8、f9とf10、およびf11とf12の間の周波数差は相等しい。
2キャリアマッピング部24は4ビットの入力を4ビットの出力に一対一でマッピングする回路であるから簡単な組み合わせ論理回路で容易に実現することができる。2キャリア選択部22はROMを使えば容易に実現できる。また、入力と出力との間に上記のような論理的関係があるから組み合わせ論理回路で実現することは可能である。
図17は図16の符号化器の一変形を示す。図16の回路と同様に、m=2,n=3,κ=4(k=1)である。2キャリア位相生成部26はキャリアに与える位相の組合わせを決定し、2キャリア並び替え部30は周波数軸上で2キャリア単位での並び替えを行なう。
このシステムにおいて、Δφ(4)=πを満たすカーネルのグループ数G(m)は2である。具体的には、2キャリアの位相差Δθ(2)が0とπである4キャリアカーネルと2キャリアの位相差Δθ(2)がπ/2と−π/2である4キャリアカーネルとの2種類がある。使用するカーネルの種類が決まれば、それぞれのキャリア対に与えられる信号点の組み合わせの数は
4×4=16
である(図1参照)。従ってカーネルが3個存在するとき、それぞれのカーネルに与えられるカーネルの種類が決まればそれらに与えられる信号点(位相)の組み合わせの数は
163=212
となる。したがって、3つのカーネルにおいて使用するカーネルの種類が決まれば、それらに与えられる信号点の組み合わせの各々は12ビットで識別される。
3つのカーネルのすベてを前記2種類のうちの1つのみで構成するとき、2キャリア並び替え部30における並び替えによる場合の数は、3組のキャリア対を6個所のうちのいずれか3個所に割り当てるときの場合の数であるから、
であり、他方のグループのみで構成するときも同様に、
である。また一方のグループ(Δθ(2)が0とπ)を1つ、他方(Δθ(2)がπ/2と−π/2)を2つ使用して構成するときの並び替えによる場合の数は、6個所にΔθ(2)が0とπのキャリア対を1組ずつとΔθ(2)がπ/2と−π/2のキャリア対をそれぞれ2組ずつ割り当てるときの場合の数であるから、
であり、同様に、Δθ(2)が0とπのグループを2つ、Δθ(2)がπ/2と−π/2のグループを1つ使用して構成するときの並び替えによる場合の数は、
である。
28<20+20+180+180<29
であるから、使用するグループの違いおよび並び替えによる変化を28種類に制限することにより、212×28種類の符号が得られ、20ビットの入力を符号化できる。さらに、
28<180+180
であるから、3つのカーネルに対して1種類のみ使用するものは使1ず2種類のグループを使用するものに制限しても入力20ビットの符号化は可能である。3つのカーネルに対して一方の種類を1つ使うか2つ使うかは1ビットで表現することができる。
以上のことから、図17において、入力の20ビットはキャリアの位相の組み合わせを決めるための12ビットと並び替えのための8ビットに分割される。この8ビットのうちの1ビット(例えば最上位ビット)は一方の種類を1つ使うか2つ使うかの決定にも使用される。
具体的には、2キャリア位相生成部26には分割された8ビットのうちの1ビットが入力され、これによってグループの個数が決定される。その下で、12ビットの入力に従って、6つの2キャリアに与えられる位相の組み合わせが決定される。2キャリアマッピング部28は図16の2キャリアマッピング部24と同じである。それらの出力は2キャリア並び替え部30において、8ビットの入力に従って周波数軸上の並び替えが行なわれる。
2キャリア位相生成部26と2キャリア並び替え部30は組み合わせ論理回路により容易に実現することができる。
図18は図16の符号化器をより一般化して、これまでに説明したすべての種類の符号のための符号化器を表わすものとして表現されている。
(拡張)サブセット選択部32は、2n個のサブセットまたは拡張サブセットについて例えばΔφ≡πを満足する信号点の組み合わせを、Cビットの入力に従って選んで割り当て、割り当てられた信号点を示すマッピング制御信号を出力する。各サブセット(または拡張サブセット)に割り当てられる信号点はmκ/2ビットで識別されるから、(拡張)サブセット選択部32からは、各サブセットまたは拡張サブセットについて、mκ/2ビットのマッピング制御信号が出力される。
(拡張)サブセットマッピング部34では、入力されるmκ/2ビットのマッピング制御信号に従い、κ/2個のキャリアの信号点I相およびQ相の値を示すmκ/2ビットのマッピング信号を出力する。
図19は図18の符号化器の一変形を示し、図17の符号化器の表現をより一般化して、これまでに説明したすべての種類の符号のための符号化器を表わすものとして表現されている。
(拡張)サブセット位相生成部36はキャリアに与える位相の組み合わせを決定し、(拡張)サブセット並び替え部40はサブセットまたは拡張サブセット単位で周波数軸上の並び替えを行なう。
n個のカーネルをi(1≦i≦γ=min(n,G(m)))種類のグループで構成する場合、その並び替え数C(n,i,m)は
であり、その総和である並び替え総数C(n,m)は
うちxビットは、サブセット並び替え制御信号として(拡張)サブセット並び替え部40へ入力され、残りのC−xビットは(拡張)サブセット位相生成部36に入力される。
(拡張)サブセット位相生成部36へは並び替え制御信号の一部のビットが入力され、それによって使用されるカーネルの種類と個数が決定される。その下で、各サブセットまたは拡張サブセットの位相の組み合わせがΔφ≡πを満足するもの中から入力C−nビットに従って決定される。(拡張)サブセットマッピング部38は図18の(拡張)サブセットマッピング部34と同じである。(拡張)サブセット並び替え部40は、xビットの並び替え制御信号に従って周波数軸上でサブセットまたは拡張サブセット単位の並び替えを行なう。
送信側において上記の符号化器により符号化された伝送信号はNキャリアから成る伝送路を経て受信側において受信され、例えば最尤復号法により復号される。すなわち、1シンボル区間の信号であるCビット幅の情報をもつ信号を受信されたDビット幅のκnキャリアの受信信号(γ)
から最尤復号する。これは、符号c(i)における尤度関数を
とした時に
を復号データとするものである。
図20は図16または図17に示した、m=2,n=3,κ=4(k=1)、符号化率20/24の符号化器により得られた符号を復号する復号器の構成を示す。
タイミング制御部42からは、1クロックタイミングごとにインクリメントまたはデクリメントされ、1シンボル期間で一周する20ビット幅の信号が出力される。符号化部44は、図16または図17の符号化器と同じ構成を有し、タイミング制御部42からの20ビット幅の信号を送信側で用いられているものと同じ対応関係に従って符号化して24ビット幅の符号を出力する。符号距離計算部46は式(41)に従って受信信号と符号化部44の出力とから符号距離を計算して16ビット幅のデータとして出力する。符号距離比較部48は最小距離メモリ部50に記憶されている最小距離の値と比較し、最小距離を更新すべきときは、最小距離メモリ部50の内容を更新するとともに、そのときのタイミング制御器42の出力をタイミングメモリ部52へ記憶する。タイミング制御部42の出力が一周した時点でタイミングメモリ部52の内容が復号データとなる。
図21は図18または図19に示した符号化器により得られた符号を復号する復号器の構成を示す。符号化部44は図18または図19の符号化器と同じ構成を有する。その他、ビット幅が一般化されただけで各部の動作は図20の復号器と同じなので説明を省略する。
本発明の符号における信号電力(C/N)対BER特性の計算結果を図22(AWGN:Additive White Gaussian Noise)および図23(フェージング)に示す。いずれも前述のΔφ(4)=πを満足するκ=4符号であり、QPSK(m=2)/8PSK(m=3)変調方式を用い、キャリア数(N)は8/4とした。このとき、符号の最小自由距離は
であり、電力値で2倍の距離拡大がなされている。全ての場合において特性の改善が見られており、Δφ(4)=π,π/2を同時に満たすκ=4符号および拡張サブセットを使用する符号においても最小自由距離の拡大に対して同等の効果が得られる。特にフェージング環境下においてはBER=10−3において10dB以上の特性改善が見られており、本符号がマルチキャリアシンボル単位のブロック符号であることからインターリーバを必要としないことも伝送遅延を大幅に削減可能とする利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
図1はQPSKの場合に2キャリアに与えることのできる16通りの信号点パターンを示す図;
図2は3dBのPEP抑圧効果が得られる4キャリアを説明する図;
図3は4キャリアカーネルの周波数軸上での割り当てを説明する図;
図4は2つの4キャリアカーネルの周波数軸上での並び替えを説明する図;
図5は4キャリアカーネルから8キャリアカーネルへの拡張を説明する図;
図6は位相差ΔφとPEP抑圧度との関係を示すグラフ;
図7は符号長の拡張を説明する図;
図8は3.7dBのPEP抑圧効果を与えるκ=4符号を説明する図;
図9は拡張サブセットを使った符号長の拡張を説明する図;
図10はk=1のときのグループ種別を示す図;
図11はk=2のときのグループ種別を示す図;
図12はk=3のときのグループ種別を示す図;
図13はk=4のときのグループ種別を示す図;
図14はキャリア数と符号化率の関係を示すグラフ;
図15はキャリア数と符号化率の関係を示すグラフ;
図16は本発明の一実施例に係る符号化器の構成の一例を示すブロック図;
図17は図16の符号化器の一変形を示すブロック図;
図18は図16をより一般化した符号化器を示すブロック図;
図19は図17をより一般化した符号化器を示すブロック図;
図20は本発明の一実施例に係る復号器の構成を示すブロック図;
図21は図20をより一般化した復号器の構成を示すブロック図;
図22は熱雑音の外乱を加えたときの本発明の符号のC/N対BER特性を示すグラフ;
図23はフェージング環境下の本発明の符号のC/N対BER特性を示すグラフ;および
図24はQPSKにおけるΔθ(4)の4つの形態を示す図である。
Claims (12)
- 入力信号に基づき、kを1以上の整数として、2k−1個の第1の位相に対する2k−1個の第2の位相の位相差Δθ(2k)と、2k−1個の第3の位相に対する2k−1個の第4の位相の位相差Δθ*(2k)との差の絶対値|Δθ(2k)−Δθ*(2k)|が所定の値であるという位相条件を満たす第1乃至第4の位相からなるカーネルを1以上含む複数の位相を決定し、
複数の搬送波周波数に対して、第1の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第2の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差が第1の位相と同一の周波数間隔を有する第3の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第4の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差に等しいという周波数条件を満たすように、前記複数の位相を割り当てることによって前記入力信号に対応する符号を生成するステップを具備するマルチキャリア符号化方法。 - 前記所定の値はπである請求の範囲1記載の方法。
- 前記位相条件および周波数条件が複数のkの値について同時に満足される請求の範囲2記載の方法。
- Kを1以上の整数とするとき、前記位相条件および周波数条件が1以上K以下のすべてのkの値について同時に満足される請求の範囲3記載の方法。
- kは1であり、
第1のカーネルにおける前記2つの位相差Δθ(2)またはΔθ*(2)と第1のカーネルと同数の第2のカーネルにおける前記2つの位相差Δθ(2)またはΔθ*(2)の間において差の絶対値がπ/2であるという第2の位相条件をさらに満たす請求の範囲2記載の方法。 - kは3以上であり、
前記複数の位相は、他方に対する一方の位相差が0である第1の位相対と他方に対する一方の位相差がπである第2の位相対と他方に対する一方の位相差がπ/2である第3の位相対と他方に対する一方の位相差が−π/2である第4の位相対とからなるカーネルを複数個さらに含み、
前記複数の周波数への位相の割り当ては、第1乃至第4の位相対が割り当てられた4つの搬送波周波数の対のそれぞれにおける周波数の他方に対する一方の差が互いに等しいという第2の周波数条件をさらに満足するように行なわれる請求の範囲2記載の方法。 - 前記位相条件および周波数条件が複数のkの値について同時に満足される請求の範囲6記載の方法。
- Kを3以上の整数とするとき、3以上K以下のすべてのkの値について前記位相条件および周波数条件が同時に満足される請求の範囲7記載の方法。
- 複数の入力信号について、入力信号に基づき、kを1以上の整数として、2k−1個の第1の位相に対する2k−1個の第2の位相の位相差Δθ(2k)と、2k−1個の第3の位相に対する2k−1個の第4の位相の位相差Δθ*(2k)との差の絶対値|Δθ(2k)−Δθ*(2k)|が所定の値であるという位相条件を満たす第1乃至第4の位相からなるカーネルを1以上含む複数の位相を決定し、
複数の搬送波周波数に対して、第1の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第2の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差が第1の位相と同一の周波数間隔を有する第3の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第4の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差に等しいという周波数条件を満たすように、前記複数の位相を割り当てることによって入力信号に対応する複数の符号を生成し、
該複数の符号の各々と受信された符号との符号距離を計算し、
受信された符号との符号距離が最小である符号を与える入力信号を決定することによって受信された符号を復号するステップを具備するマルチキャリア符号の復号方法。 - 入力信号に基づき、kを1以上の整数として、2k−1個の第1の位相に対する2k−1個の第2の位相の位相差Δθ(2k)と、2k−1個の第3の位相に対する2k−1個の第4の位相の位相差Δθ*(2k)との差の絶対値|Δθ(2k)−Δθ*(2k)|が所定の値であるという位相条件を満たす第1乃至第4の位相からなるカーネルを1以上含む複数の位相を決定し、複数の搬送波周波数に対して、第1の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第2の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差が第1の位相と同一の周波数間隔を有する第3の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第4の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差に等しいという周波数条件を満たすように、前記複数の位相を割り当てるサブセット選択部と、
サブセット選択部が割り当てた位相を直交信号にマッピングするサブセットマッピング部とを具備するマルチキャリア符号化器。 - 入力信号に基づき、サブセット選択部が割り当てた位相の割り当ての並び替えを行なうサブセット並び替え部をさらに具備する請求の範囲10記載のマルチキャリア符号化器。
- 複数の入力信号について、入力信号に基づき、kを1以上の整数として、2k−1個の第1の位相に対する2k−1個の第2の位相の位相差Δθ(2k)と、2k−1個の第3の位相に対する2k−1個の第4の位相の位相差Δθ*(2k)との差の絶対値|Δθ(2k)−Δθ*(2k)|が所定の値であるという位相条件を満たす第1乃至第4の位相からなるカーネルを1以上含む複数の位相を決定し、複数の搬送波周波数に対して、第1の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第2の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差が第1の位相と同一の周波数間隔を有する第3の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数に対する第4の位相が割り当てられた2k−1個の搬送波周波数の差に等しいという周波数条件を満たすように、前記複数の位相を割り当てることによって入力信号に対応する複数の符号を生成する符号化部と、
該複数の符号の各々と受信された符号との符号距離を計算する符号距離計算部と、
受信された符号との符号距離が最小である符号を与える入力信号を決定することによって受信された符号を復号する最小距離符号決定部とを具備するマルチキャリア符号の復号器。
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