JP4340383B2 - 金属とセラミックスの複合造形体の製造方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属とセラミックスの複合造形体の製造方法および装置、詳細にはセラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を成形したテープをレーザー光を照射しながら交互に重ね、レーザー光により金属微粉体を溶融して金属とセラミックスの複合造形体を製造する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属とセラミックスの複合造形体は、金属微粉体とセラミックス微粉体に潤滑剤を混ぜて混合し、この混合物を金型に入れて成形するなどの各種の方法で成形し、焼結することによって製造されている。
この方法は、金属微粉体とセラミックス微粉体を均一に混合する必要があるが、微粉体の比重が異なるために長時間攪拌する必要があり、また成形するために金型を必要とするが、この金型を製造するために費用と時間がかかるので、少量生産または試作品の製造にはコストが高くなり、また時間が長くなるという欠点があった。
【0003】
さらに、金型を使用しない方法で造形する方法として、光硬化性流動樹脂またはシリカ粉末を分散させた光硬化性流動樹脂に、レーザー光により硬化するに必要な光エネルギーを供給し、該光エネルギーの供給を位置制御装置などにより選択的に行って所望形状の樹脂造形体またはシリカ粉末入り樹脂造形体を製造する方法が特開昭60─247515号公報または特開平8─25486号公報に開示されている。
【0004】
また、金型を使用しない方法で焼結体を製造する方法として、光硬化性流動樹脂内に焼結可能な(焼結する)無機材料粉末を混合し、この無機材料粉末を混合した光硬化性流動樹脂の層に光像を照射して光硬化層を形成し、この硬化層を順次積み重ねて三次元造形体を造形し、この三次元造形体を燃焼などにより光硬化した樹脂成分を除去し、樹脂成分を除去した無機材料粉末混合造形体をHIP処理などにより焼結体にすることが特開平8─252867号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に開示されている方法は、金型を使用しないで所望形状の樹脂造形体、シリカ粉末入り樹脂造形体または焼結体を製造するための無機材料粉末入り樹脂造形体の製造方法であるが、いずれも2種類のテープを使用して製造する複合体の製造方法ではなく、また焼結体を製造するための無機材料粉末入り樹脂造形体の製造方法においても、造形と焼結を別々に行う方法であって、同時に行う方法ではないので、造形後に別途焼結を行う必要があった。
本発明は、金型を使用することなく、金属とセラミックスの複合体の造形と焼結を同時に行うことができる金属とセラミックスの複合造形体の製造方法および装置を提供することを課題とするものである。
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法においては、セラミックス微粉体を成形したテープ、いわゆるグリーンテープを基板上に載置し、その上に金属微粉体を成形したテープ、いわゆるグリーンテープを重ね、必要に応じて両者が密着するように押し付け、該金属微粉体を成形したテープの上面にこれから製造する複合造形体の横断面形状(水平方向に切断した面)になるようにレーザー光を制御、例えばコンピュータエイテッドデザイン(CAD)データによりレーザー光を制御して照射することによって、金属微粉体を成形したテープをこれから製造する複合造形体の横断面形状になるように溶融し、セラミックス微粉体を成形したテープのセラミックス微粉体と結合させ、これらを1回または2回以上繰り返すことによって金属中にセラミックスを分散させた複合造形体を造形し、レーザー光が照射されなかった部分のテープの金属微粉体およびセラミックス微粉体を除去して金属とセラミックスの複合造形体とすることである。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法においては、上記方法で金属微粉体を成形したテープを製造する複合造形体の横断面形状に溶融してセラミックス微粉体を成形したテープのセラミックス微粉体と結合させ、さらにこれらを行ううちに金属微粉体が溶融して体積が減少した場合にセラミックス微粉体または金属微粉体を供給し、該金属微粉体にレーザー光を制御して照射することによって金属微粉体を溶融し、これらを繰り返繰り返すことにより金属中にセラミックスを分散させた複合造形体を製造することである。
【0008】
さらに、本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法においては、上記セラミックス微粉体を成形したテープを、セラミックス微粉体に珪酸のアルカリ塩などの有機バインダーを混合し、必要に応じて紙などの補強テープを使用し、有機バインダーを混合した混合物または該混合物と補強テープを圧縮ロールで圧延し、補強テープを使用した場合には補強テープを剥離することにより製作したものとし、また上記金属微粉体を成形したテープを、金属微粉体に珪酸のアルカリ塩などの有機バインダーを混合し、必要に応じて紙など補強テープを使用し、有機バインダーを混合した混合物または該混合物と補強テープを圧縮ロールで圧延し、補強テープを使用した場合には補強テープを剥離することにより製作したものとすることである。
【0009】
また、本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法においては、上記セラミックス微粉体を、Al2 O3 などの金属酸化物、cBNなどの金属窒化物、TiCなどの金属炭化物およびダイヤモンドなどの炭素同位体の微粉末のうちから選ばれた1種または2種以上のものとし、また上記金属微粉体を、周期律表のFeなどのVIII属およびCuなどのIb属の金属ならびにそれらの金属に合金成分として他の金属が合金されたものの微粉末のうちから選ばれた1種または2種以上のものとすることである。
【0010】
また、本発明の金属とセラミックスの複合造形体を製造する装置においては、コンピュータエイテッドデザイン(CAD)データに基づいて制御する制御部と電気的に接続したレーザー光照射装置と、レーザー光照射装置にレーザー光を供給するレーザー光発生装置と、基板駆動装置と、セラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープの両方を間欠的に供給するテープ供給装置とからなるものとすることである。
【0011】
また、本発明の金属とセラミックスの複合造形体を製造する装置においては、セラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープを支持し、かつ上下動することができる基板7と、該基板7の上に上記セラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープを間欠的供給するテープ供給装置9と、該基板7を上記セラミックス微粉体を成形したテープ1または金属微粉体を成形したテープ2の厚さに応じて下降させると共に、上昇させることができる移動台8と、上記基板7の上に載置された金属微粉体を成形したテープを製造する複合造形体の横断面形状になるように溶融するカルバノミラーなどからなるものなどのレーザー光照射装置11と、レーザー光照射装置にレーザー光を供給するためのレーザー光発生装置10a 、10b と、少なくともレーザー光照射装置をコンピュータエイテッドデザイン(CAD)データなどによって制御するコンピュータ12と、必要に応じて雰囲気調整装置26、レベルローラ19、セラミックス微粉体または金属微粉体供給装置などを設けたものとすることである。
【0012】
【作用】
本発明の金属とセラミックスの複合造形体を製造する方法および装置によると、金属微粉体を成形したテープをこれから製造する複合造形体の横断面の形状になるように金属微粉体を溶融するので、金属微粉体が溶融しても形状を保つことができ、また金属微粉体が溶融した溶融金属がセラミックス中に侵入し、図1aに示すように従来の空隙があるものとは異なり、図1bに示すように空隙がない密度の高いセラミックスの複合造形体を製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法について図面2〜4を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の製造方法によって製造されたままの状態の金属とセラミックスの複合造形体ならびに焼結されなかったセラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープの状態を示す概念図、図3は、本発明の金属とセラミックスの複合造形体を製造する装置の一実施例の概略正面図、および図4は、本発明の製造方法に用いるセラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープを製造するために用いる装置の概念図である。
【0014】
本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法は、セラミックス微粉体を成形したテープを基板(図3の符号7参照)上に載置し、その上部に金属微粉体を成形したテープを重ね、必要に応じて、レベルローラなどで両者を押し付けて密着させ、上記金属微粉体を成形したテープの上面にこれから製造する複合造形体の断面形状になるようにレーザー光を制御して照射することによって金属微粉体を成形したテープを溶融し、これらを1回または2回以上繰り返し、厚さが厚い複合造形体を製造するときには、金属微粉体が溶融して体積が減少した場合にセラミックス微粉体または金属微粉体を供給し、該金属微粉体にレーザー光を制御して照射することによって溶融し、これにより体積が減少した分を補い図2に示すように金属中にセラミックスを分散させた複合造形体を製造する方法であるが、セラミックス微粉体を成形したテープに用いるセラミックスは、Al2 O3 、TiO2 、ZrO2 などの金属酸化物、cBN、Si3 N4 、TiNなどの金属窒化物、TiC、WC、TaC、(W,Ti)Cなどの金属炭化物およびダイヤモンドなどの炭素同位体からなる1種または2種以上である。これらのセラミックスの微粉体の大きささは、40μm以下が好ましい。40μmより大きいとテープかするのが難しいからである。
【0015】
さらに、本発明に用いる金属微粉体の金属は、周期律表のFe、Co、NiなどVIII属およびCu、AgなどのIb属の金属ならびにそれらの金属を基とする合金の1種または2種以上である。2種以上の金属を用いる場合には、その1種としてNi−B合金のような低融点の合金を用いることが好ましい。これらの金属または合金の微粉体の大きささは、40μm以下が好ましい。40μmより大きいと金属微粉末が十分溶融しないし、複合造形体の組織が均一にならないからである。
【0016】
本発明に用いるセラミックス微粉体または金属微粉体を成形したテープ、いわゆるグリーンテープ(図の符号1または2参照)は、厚さが通常200〜600μmのもので、セラミックス微粉体3または金属微粉体4に約10〜30容量%の有機バインダー5を混合してホッパー13に入れ、ホッパー13の下に設けた相対する2本の圧縮ロールに上記ホッパー13から上記混合したものを供給して圧延することなどによって製造したものである。
【0017】
また、セラミックス微粉体または金属微粉体を成形したテープが巻取り、送給中、などに破損する恐れがある場合には、図4に示すように紙、布またはプラスチックテープなどの補強テープ14の上にセラミックス微粉体または金属微粉体に有機バインダーを混合したものを載せ、両者を相対する2本の圧縮ロール15によって同時に圧延して製造し、その後補強テープ14を剥離して製造したものなどである。これらのセラミックス微粉体または金属微粉体を成形したテープは、ロールに巻き取るようにすることもできるし、これから製造する複合造形体の大きさに応じて必要な大きさに切断しておくこともできる。
この補強テープを使用する場合、補強テープを剥がすとセラミックス微粉体または金属微粉体を成形したテープ同士が接着する恐れがある場合は、補強テープを密着したまま保管し、基板上または基板上のセラミックス微粉体または金属微粉体を成形したテープ上に供給する時に補強テープを剥離して供給するようにすることもできる。
なお、図2の符号16は補強テープ案内ロール、また符号17および18はセラミックス微粉体または金属微粉体を成形したテープを巻き取るテープ巻取りロールである。
【0018】
本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法は、金属微粉体が溶融して体積が減少した場合にセラミックス微粉体または金属微粉体、すなわちセラミックス微粉体のみ、金属微粉体のみ、セラミックス微粉体および金属微粉体を微粉体供給ノズル(図3の20、21参照)などから供給し、該金属微粉体をレーザー光を照射して溶融して体積の減少を補っているが、補う回数は、金属微粉体をレーザー光を照射して溶融した後毎回行うこともできるし、金属微粉体をレーザー光を照射して溶融するのを複数回行った後に行うこともできる。供給するセラミックス微粉体および金属微粉体は、これから製造する複合造形体の組成と同じ組成になるように層状になるように供給する。その量は、金属微粉体を溶融した場合に略水平になるような量にするのが好ましい。
【0019】
上記セラミックス微粉体または金属微粉体を成形したテープを成形するのに使用する有機バインダーは、珪酸のアルカリ塩、タルクホウ酸、アルギン酸のナトリウム塩、グリセリンなどである。
【0020】
本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法において、上記セラミックス微粉体を成形したテープ1および金属微粉体を成形したテープ2を基板上に載置する基板7上に載置( 供給) する方法は、図3に示すようにテープ巻取りロール17、18からセラミックス微粉体を成形したテープ1などを巻き戻してカッター25で切断して基板7上に載置する方法、セラミックス微粉体を成形したテープ1などを所定の長さに切断して重ねて置き、そこから押し出したり、吸引などの方法で運搬する方法などがある。その場合、セラミックス微粉体を成形したテープ1と金属微粉体を成形したテープ2を単独でそれぞれ供給して載置することもできるし、セラミックス微粉体を成形したテープ1の上に金属微粉体を成形したテープ2を重ねて供給して載置することもできる。
【0021】
本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法は、セラミックス微粉体を成形したテープを基板上に載置し、その上部に金属微粉体を成形したテープを重ねているが、基板上または既に載置したセラミックス微粉体または金属微粉体を成形したテープ上に新たなセラミックス微粉体または金属微粉体を成形したテープを載置する場合には、下のものに密着しておくことが必要であるので、レベルローラ(図3の19参照)などで押し付けて密着させるのが好ましい。
【0022】
上記セラミックスまたは金属微粉体を成形したテープテープを載置する基板7(図3参照)は、金属またはセラミックからなるものである。基板を金属にする場合は、強度、耐熱性、安価であることなどから鋼が好ましいが、形成される複合造形体と接合される場合があるので注意をする必要がある。基板をセラミックスにする場合は、形成される複合造形体と接合されることがないので、容易に分離することができる。
【0023】
本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法は、セラミックス微粉体を成形したテープの上に金属微粉体を成形したテープを載せた後、必要に応じて両者を密着するうに押し付け、製造する複合造形体の断面形状になるようにレーザー光を制御して照射することによって金属微粉体を成形したテープを溶融して金属中をセラミックスを分散させるが、これから製造する複合造形体の横断面形状になるようにレーザー光を照射するには、三次元CADにこれから製造する三次元複合造形体の図面を入力し、該三次元複合造形体に対して一定の厚みごと(セラミックス微粉体を成形したテープの厚さ+金属微粉体を成形したテープの厚さ)の水平方向のスライス図形データ群を作成し、このデータをコンピュータに入力し、このスライス図形データによってレーザー光を照射し、さらにその上にセラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を成形したテープを載せた後、上記スライス図形データの次のスライス図形データによってレーザー光を照射し、順次これを繰り返すよことなどによって行うことができる。
【0024】
また、本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法において、製造する複合造形体の横断面形状になるようにレーザー光を照射する方法には、セラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を成形したテープを載せた上記基板をこれから製造する複合造形体の横断面形状(XY軸方向)に移動させる方法(この場合、通常レーザー光がセラミックス微粉体を成形したテープの厚さ+金属微粉体を成形したテープの厚さだけずつ上昇する。)と、レーザー光をこれから製造する複合造形体の断面形状(XY軸方向)に移動させる方法(この場合、通常上記基板をセラミックス微粉体を成形したテープの厚さ+金属微粉体を成形したテープの厚さだけずつ下降させる。)の二つの方法がある。
【0025】
本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法は、セラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を成形したテープを継続的に供給し、また密接するようにレベルローラなどで押し付ける必要があるため、金属微粉体を成形したテープをなどを供給する面の高さが一定であるほうが好ましいので、上記基板をセラミックス微粉体を成形したテープの厚さ+金属微粉体を成形したテープの厚さだけずつ下降させ、レーザー光を製造する複合造形体の断面形状(XY軸方向)に移動させる方法が適当である。
なお、三次元CADにこれから製造する三次元複合造形体の図面を入力し、該三次元複合造形体に対して一定の厚みごと(セラミックス微粉体を成形したテープの厚さ+金属微粉体を成形したテープの厚さ)の水平方向のスライス図形データ群を作成し、このスライス図形データによってレーザー光を照射する方法は、上記特開平8─252867号公報に開示されているように公知の方法である。
【0026】
本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法は、上記のようにセラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を成形したテープを継続的に供給およびレーザー光の照射をこれから製造する複合造形体の高さ(厚さ)になるまで繰り返して行うと、焼結されていないセラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を成形したテープ(グリーンテープ)の中に成形され、焼結された複合造形体が形成された状態になる。このような状態になるので、焼結されていないセラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を形成したテープ(グリーンテープ)が形成された複合造形体のサポートとして作用するので、複合造形体の変形が少なく、精度が高い複合造形体が形成される。
【0027】
また、上記形成された複合造形体のサポートとなっている焼結されていないセラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を形成したテープ(グリーンテープ)は、簡単に人の手で除去することができる。さらに、有機バインダーが揮発する200〜300℃の温度に加熱することにより、セラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を形成したテープ(グリーンテープ)は砂状になって流動化し、さらに簡単に除去することができる。
【0028】
次に、本発明の金属とセラミックスの複合造形体を製造する装置について一実施例を説明する。
【0029】
本発明の金属とセラミックスの複合造形体を製造する装置6は、コンピュータエイテッドデザイン(CAD)データに基づいて制御する制御部(コンピュータ12など) 電気的に接続したレーザー光照射装置11(カラバノミラー 、レーザー光用XY駆動装置など)と、レーザー光照射装置11にレーザー光を供給するレーザー光発生装置10a 、10b と、基板駆動装置(移動台8など)およびラミックス微粉体を金属微粉体を成形したテープの両方を間欠的に供給するテープ供給装置9からなるものである。
【0030】
より具体的には、上記方法および図3に示すような装置で製造され、テープ供給装置9により供給されるセラミックス微粉体を成形したテープ1または金属微粉体を成形したテープ2を支持し、かつ上下動することができる基板7と、該基板7の上に上記セラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープを間欠的に供給するテープ供給装置9と、該基板7を上記セラミックス微粉体を成形したテープ1または金属微粉体を成形したテープ2の厚さに応じて下降させると共に、上昇させることができる移動台8と、上記基板7の上に載置された金属微粉体を成形したテープをこれから製造する複合造形体31の横断面形状になるように溶融するカルバノミラーなどのレーザー光照射装置11およびレーザー光発生装置10a,10b 、少なくともレーザー光照射装置11をコンピュータエイテッドデザイン(CAD)データによって制御するコンピュータ12とからなり、更に必要に応じて雰囲気形成装置26を設け、また必要に応じてレーザー光照射装置11の近傍にセラミックス微粉体供給装置(全体は図示してないが、ノズル20を示している。) および金属微粉体供給装置(全体は図示してないが、ノズル21を示している。) を設け、また必要に応じてレベルローラ19を設け、成形した複合造形体を側面から取り出すようにしたものであるが、供給されるセラミックス微粉体を成形したテープまたは金属微粉体を成形したテープを支持し、かつ保持枠20の中を上下動することができる基板7は、鋼などの金属またはセラミックからなるもので、移動台8に接続するためのシャフト19が下部に固定されているものである。
【0031】
上記移動台8は、コンピュータ12の信号などによって上記基板7を上下動させるもので、基板7上に供給される上記セラミックス微粉体を成形したテープまたは金属微粉体を成形したテープの厚さに応じた距離を下降し、稼働を開始する場合などに上昇するようになっているものである。
上記テープ供給装置9は、セラミックス微粉体を成形したテープ巻取ロール17および金属微粉体を成形したテープ巻取りロール18から巻き戻し、案内ロール24を介してこれらのテープを間欠的に供給し、カッター 25 で切断するようになっているもの、切断したセラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープを保管容器に切断して蓄積しておき、吸引して上記基板7まで運搬したり、下部からシリンダーなどによって上記基板7押し出すようにしたものなどである。
【0032】
上記レーザー光発生装置10a,10b は積層された金属微粉体を成形したテープを溶融するレーザー光照射装置11にレーザー光32を供給する装置で、レーザー光用電源10a とレーザー発光装置10b とからなるものであり、通常用いられているものと同様なものである。
【0033】
上記レーザー光照射装置11は、レーザー光発生装置で発生したレーザー光をこれから製造する複合造形体の横断面形状になるように照射するもので、コンピュータ12によってコンピュータエイテッドデザイン(CAD)データによって制御されるもので、NC装置によって制御されるカルバノミラー11、XY駆動装置でレンズなどを移動するようにしたものなどである。
【0034】
上記レーザー光照射装置11( カルバノミラー) 、移動台8などの運動を制御するコンピュータ12は、入力しておいたセラミックス微粉体を成形したテープ1の厚さおよび金属微粉体を成形したテープ2の厚さのデータ、および三次元CADにこれから製造する三次元複合造形体の図面を入力て作成された、該三次元複合造形体に対して一定の厚みごと(セラミックス微粉体を成形したテープの厚さ+金属微粉体を成形したテープの厚さ)の水平方向のスライス図形データ群が入力されており、これらによって上記移動台7、レーザー光照射装置11( カルバノミラー) を制御するものである。
【0035】
上記テープ供給装置9に使用するセラミックス微粉体を成形したテープをテープ巻取りロール17および金属微粉体を成形したテープを巻取りロール18は、図4に示すようにセラミックス微粉体3または金属微粉体4に有機バインダー5を混合したものをホッパー13から補強テープ14の上に供給し、圧延ロール15で圧縮して成形し、成形したセラミックス微粉体を成形したテープなどを補強テープから剥がして巻取りロールに巻き取ることによって製作することができる。
【0036】
上記必要に応じて設ける雰囲気形成装置26は、図3に示すようにN2 ガス、Arガスなどの不活性ガスでレーザー光35による溶融面を覆うようにするもので、上部のレーザー光が透過する部分を石英ガラス32にした周囲を囲む覆い27の中に不活性ガス用ボンベ28などからN2 ガス、Arガスなどをバルブ30から入れ、バルブ31から外に出すようにしたもの、図示してないが、レーザー光によって溶融した面にノズルから不活性ガスを噴射すようにしたものなどである。
【0037】
さらに、セラミックス微粉体供給装置または金属微粉体供給装置は、図示されていなボッパーからセラミックス微粉体または金属微粉体を不活性ガスによってセラミックス微粉体供給ノズル20または金属微粉体供給ノズル21から噴出するようにしたものなどである。
また、レベルローラ19は、ローラを液圧シリンダーなどによってセラミックス微粉体を成形したテープの上を転動できるようにしたものなどである。
【0038】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例】
研磨チップの製造例
セラミックス微粉体であり、砥粒となる6〜12μmのcBNを10容量%、♯1000のAl2 O3 10容量%、有機バインダーのアクリル系粘結剤を30容量%を混合して図2に示すようにボッパー13に入れ、ポリエチレンシートの補強テープ14の上に載せ、2本の圧縮ロール15により圧延してテープを作成し、セラミックス微粉体を成形したテープ巻取りロールにした。
【0039】
次に、金属微細粉になる平均粒径40μmの99.99%Cuを80容量%、平均粒径40μmのCu/Ni─B(BNi2)10容量%、有機バインダーのアクリル系粘結剤を10容量%を混合して図2に示すようにボッパー13に入れ、ポリエチレンシートの補強テープ14の上に載せ、2本の圧縮ロール15により圧延してテープを作成し、金属微粉体を成形したテープ巻取りロールにした。
【0040】
一方作成する製造する研磨工具(複合造形体、図5〜7参照)33の三次元研磨チップ32の図面(縦30mm×横60mm×厚さ10mm)を三次元CADに入力し、該三次研磨チップに対して0.4mmの厚みごと(セラミックス微粉体を成形したテープの厚さ+金属微粉体を成形したテープの厚さ)の水平方向のスライス図形データ群を作成し、これをコンピュータ12に入力した。
【0041】
図3に示すような金属とセラミックスの複合造形体を製造する装置を用い、移動台8を作動させて基板(S20C低炭素鋼)7を所定の基準面まで上昇し、基板2上にセラミックス微粉体を成形したテープ巻取ロール17から巻き戻したセラミックス微粉体を成形したテープ1切断し、これを載せ、レベルローラ19を用いて手動で押圧し、コンピュータにより移動台3を作動させて基板2を200μm下降し、押圧したセラミックス微粉体を成形したテープ20の上に同様にして金属微粉体を成形したテープを載せ、レベルローラを用いて手動で押圧した。
【0042】
この状態でレーザー光発生装置10a 、10b および雰囲気形成装置26を稼働させると共に、コンピュータ12の制御によりレーザー光照射装置11を稼働させ、上記押圧した金属微粉体を成形したテープ2の上に研磨チップ33の下から0.4mmの横断面形状に相当する形状のレーザー光を照射した。レーザー光の照射条件は、ビーム出力28W、ビーム径0.25mm、スキャン速度mm/分、ビーム走査間隔0.2mm、デフォーカス0の条件であった。
【0043】
上記のような工程を5回繰り返した後体積の減少分のセラミックス微粉体と金属微粉体を補い、これらの工程を 回繰り返してセラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を成形したテープを重ねたものおよび製造した研磨チップ32を横に設けた扉を開いて基板7から取り外し、製造した研磨チップ32の周囲の未焼結の部分のセラミックス微粉体を成形したテープと金属微粉体を成形したテープを壊し、研磨チップを取り出した。この研磨チップの寸法は、縦30mm×横60mm×厚さ10mmであった。
【0044】
また、上記製造した研磨チップについて、寸法精度を測定したところ、その寸法は、予定していたとおりの寸法であった。
さらに、この研磨チップの表面を顕微鏡で観察したところ、セラミックス微粉体は金属微粉体の溶融したものによって、周囲が覆われていた。
【0045】
また、上記製造した研磨チップ33を研磨工具34の保持台にろう付けして図5および図6に示すように研磨工具34を作成した。この工具を用いて、図7に示したようにして下記条件で研磨した。その結果、研磨面は要求したとおりの平滑な面が得られた。
【0046】
なお、セラミックス微細粉と金属微細粉を所定の割合で混合し、さらに有機バインダーを混合し、これをテープに成形してレーザ光で金属微細粉を溶解して金属とセラミックスの複合造形体を製造する方法も考えられるが、セラミックス微細粉と金属微細粉を必要な程度に均一に混合するのが困難であるので、金属とセラミックスが十分混合した複合造形体を製造することは困難である。
【0047】
【発明の効果】
本発明の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法および装置は、上記構成にしたことにより、次のような優れた効果を奏する。
(1)金型を使用することなく、金属とセラミックスの複合造形体を製造することができる。
(2)金型を使用することがないので、少量生産にも利用することができ、さらに、複雑な形状でも比較的安価に製造することができ、また従来製造できなかった形状のものも製造することができる。
(3)製造される金属とセラミックスの複合造形体は、金属微粉体を溶融しているので、セラミックスの周囲が金属で覆われており、空隙のない密度の高いものになる。
(4)金属とセラミックスは、比重の差が大きいので、混合すると混合時間が長くなるが、この混合時間を省略することができる。
(5)傾斜機能材料を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは従来の金属とセラミックスの複合造形体の断面概念図、bは本発明の製造方法によって製造された金属とセラミックスの複合造形体の断面概念図である。
【図2】本発明の製造方法によって製造されたままの状態の金属とセラミックスの複合造形体ならびに焼結されなかったセラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープの状態を示す概念図である。
【図3】本発明の金属とセラミックスの複合造形体を製造する装置の一実施例の概略正面図である。
【図4】本発明の製造方法に用いるセラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープを製造するために用いる装置の概念図である。
【図5】本発明の製造方法によって製造された研磨チップをろう付けした研磨工具の正面図である。
【図6】図5のものの側面図である。
【図7】図4および図5に示した研磨工具の使用方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 セラミックス微粉体を成形したテープ
2 金属微粉体を成形したテープ
3 セラミックス微粉体
4 金属微粉体
5 有機バインダー
6 金属とセラミックスの複合造形体の製造装置
7 基板
8 移動台
9 テープ供給装置
10 レーザー光発生装置 (aレーザー光用電源、bレーザー発光装置)
11 レーザー光照射装置、カルバノミラー
12 コンピュータ
13 ホッパー
14 補強テープ
15 圧縮ロール
16 補強テープ用ロール
17 セラミックス微粉体を成形したテープ巻取りロール
18 金属微粉体を成形したテープ巻取りロール
19 レベルローラ
20 セラミックス微粉体供給ノズル
21 金属微粉体供給ノズル
22 シャフト
23 保持枠
24 テープ案内ロール
25 カッター
26 雰囲気調整装置
27 覆い
28 不活性ガスボンベ
29 30 バルブ
31 複合造形体
32 石英ガラス
33 研磨チップ
34 研磨工具
35 レーザー光
Claims (8)
- セラミックス微粉体を成形したテープを基板上に載置し、その上に金属微粉体を成形したテープを重ね、その上面に製造する複合造形体の横断面形状になるようにレーザー光を制御して照射することによって金属微粉体を成形したテープを溶融し、これらを1回または2回以上繰り返すことにより金属中にセラミックスを分散させた複合造形体を製造することを特徴とする金属とセラミックスの複合造形体の製造方法。
- セラミックス微粉体を成形したテープを基板上に載置し、その上に金属微粉体を成形したテープを重ね、その上面に製造する複合造形体の横断面形状になるようにレーザー光を制御して照射することによって金属微粉体を成形したテープを溶融し、さらにこれらを行ううちに金属微粉体が溶融して体積が減少した場合にセラミックス微粉体または金属微粉体を供給し、該金属微粉体にレーザー光を制御して照射することによって金属微粉体を溶融し、これらを繰り返繰り返すことにより金属中にセラミックスを分散させた複合造形体を製造することを特徴とする金属とセラミックスの複合造形体の製造方法。
- 上記セラミックス微粉体を成形したテープが、セラミックス微粉体に有機バインダーを混合し、その混合物を補強テープ上に置き、その混合物と補強テープを同時に圧縮ロールで圧延した後、補強テープを剥離することにより製作されたものであり、また上記金属微粉体を成形したテープが、金属微粉体に有機バインダーを混合し、その混合物を補強テープ上に置き、その混合物と補強テープを同時に圧縮ロールで圧延した後、補強テープを剥離することにより製作されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法。
- 上記セラミックス微粉体が、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物および炭素同位体の微粉末のうちから選ばれた1種または2種以上のものであり、また上記金属微粉体が周期律表のVIII属およびIb属の金属ならびにその金属に合金成分として他の金属が合金されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法。
- 上記製造する複合造形体の横断面形状になるようにレーザー光を制御が、コンピュータエイテッドデザイン(CAD)データによるレーザー光を制御することであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金属とセラミックスの複合造形体の製造方法。
- コンピュータエイテッドデザイン(CAD)データに基づいて制御する制御部と電気的に接続したレーザー光照射装置と、レーザー光照射装置にレーザー光を供給するレーザー光発生装置と、基板駆動装置と、セラミックス微粉体および金属微粉体を成形したテープの両方を間欠的に供給するテープ供給装置とからなることを特徴とする金属とセラミックスの複合造形体の製造装置。
- セラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープを支持し、かつ上下動することができる基板と、該基板の上に上記セラミックス微粉体を成形したテープおよび金属微粉体を成形したテープを間欠的に供給するテープ供給装置と、該基板を上記セラミックス微粉体を成形したテープまたは金属微粉体を成形したテープの厚さに応じて下降させると共に、上昇させることができる移動台と、上記基板の上に積層された金属微粉体を成形したテープを製造する複合造形体の横断面形状になるように溶融するレーザー光照射装置と、該レーザー光照射装置にレーザー光を送るレーザー光発生装置と、少なくともレーザー光照射装置をコンピュータエイテッドデザイン(CAD)データによって制御するコンピュータとからなることを特徴とする金属とセラミックスの複合造形体を製造する装置。
- 上記レーザー光照射装置の近傍に金属微粉体またはセラミックス微粉体を供給するための装置を設けることを特徴とする請求項6または請求項7記載の金属とセラミックスの複合造形体の製造装置。
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