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JP4345481B2 - 鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 - Google Patents
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JP4345481B2 - 鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 - Google Patents

鏡筒及び露光装置並びにデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

[技術分野]
本発明は、例えばレンズ、ミラー等の少なくとも1つの光学素子を収容する鏡筒に関するものである。また、本発明は、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等、各種デバイスの製造プロセスのフォトリソグラフィー工程で使用される露光装置に関するものである。さらに、本発明は、各種デバイスを製造するためのデバイスの製造方法に関するものである。
[背景技術]
この種の露光装置では、所定のパターンが形成されたレチクル、フォトマスク等のマスクを所定の露光光で照明する照明光学系が設けられている。また、照明光学系の照明により、前記パターンの像をフォトレジスト等の感光性材料の塗布された基板(ウエハ、ガラスプレート等)上に露光する投影光学系が設けられている。これらの照明光学系及び投影光学系は、複数のレンズエレメント、ミラー等の光学素子で構成され、鏡筒内に収容されている。
【0001】
このような露光装置では、近年の回路パターンの著しい微細化要求に対応すべく、露光光の短波長化が進められてきている。最近では、遠紫外域のKrFエキシマレーザ光(λ=248nm)、さらに真空紫外域のArFエキシマレーザ光(λ=193nm)、Fレーザ光(λ=157nm)等を露光光とした露光装置が開発されている。
【0002】
ところで、このような真空紫外光を露光光として用いる場合、次のような問題が明らかになってきた。すなわち、その露光光が通過する空間(鏡筒の内部空間等)内に存在する酸素、水蒸気、炭化水素ガス、あるいは露光光と反応してレンズエレメント等の光学素子の表面に曇り物質を生ずる有機物質のガスなどは、露光光を吸収する吸光物質となるという問題である。この他にも、露光装置内に光学素子、ステージ等を駆動する駆動機構が存在する場合には、その駆動機構への給電、信号伝達のための電線の被覆物質等から極微量ながら揮散される有機物質等も、吸光物質となり得る。さらに、光学素子、それら光学素子を収容する鏡筒の内壁に付着していた付着物の揮散物等、いわゆる脱ガスも、吸光物質となり得る。
【0003】
露光光として、特に、Fレーザ光以下の短波長の光を採用した場合には、光源から出射された露光光は、ArFエキシマレーザ光の露光光に対して吸光物質による吸収が大きく、基板に到達するまでにそのエネルギが著しく低下することがある。このように、露光光自体のエネルギが低下したり、光学素子の曇りによって露光光の透過率が低下したりすると、露光装置の露光効率が低下し、製品の歩留まりが低下することになる。
【0004】
そこで、近年、不活性ガス、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等のパージガスを用いて露光光が通過する鏡筒の内部空間等をパージする露光装置が開発されてきている。すなわち、パージガスを内部空間に供給して、吸光物質を含むガスを同空間外に排出するものである。
【0005】
ところが、露光光として、真空紫外光、特にFレーザ以下の短波長の光を採用した場合には、前記のような内部空間内に侵入する外気の影響が微量であったとしても無視できないものとなり得る。
【0006】
特に、近年、さらなる高解像度を実現するため、投影光学系を構成する少なくとも一部の光学素子を、各光学素子間の相対位置を調整可能に構成した露光装置も開発されてきている。このような露光装置では、各光学素子間の相対位置の調整を容易にするため、各光学素子を1つあるいは複数まとめて、それぞれ独立した鏡筒ユニットに収容し、それらの鏡筒ユニットを積層することで1つの鏡筒を構成する、いわゆる分割鏡筒が一般的に採用されている。このような分割鏡筒では、各鏡筒ユニット間にできる隙間から鏡筒の内部空間への外気が侵入しやすいものとなっている。
【0007】
このような各鏡筒間の隙間を介した外気の侵入を抑制するためには、それら各鏡筒ユニットの端面の間に、例えばフッ素樹脂からなるパッキンを介装する構成が考えられる。しかしながら、フッ素樹脂といえども完全に揮散物をゼロにすることはできない。また、鏡筒を組み立てる際、露光光の光軸と交差する方向に対する各鏡筒ユニットの相対的な位置を調整する必要があり、その調整時に、各鏡筒ユニット間にパッキンが介装されていると、パッキンの有する弾性力により、各鏡筒ユニット間の相対的な位置が変化するおそれがある。
[発明の開示]
本発明の目的は、外気からの内部空間の隔離性能を向上することのできる鏡筒及び露光装置を提供することにある。
【0008】
本発明は、少なくとも一つの光学素子を収容する複数の鏡筒ユニットを備えた鏡筒を提供する。鏡筒は、隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面の間の気体を排気して、各鏡筒ユニットの内部空間を外気から隔離する気体排気機構を備える。
【0009】
本発明は、少なくとも一つの光学素子を収容する複数の鏡筒ユニットを備えた鏡筒を提供する。鏡筒は、隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面を吸着して、各鏡筒ユニットの内部空間を外気から隔離する吸着機構を備える。
【0010】
本発明は、露光光を用いてマスク上に形成されたパターンの像を基板上に露光する露光装置を提供する。露光装置は露光光の光路中に配置される少なくとも1つの光学素子を収容する複数の鏡筒ユニットを含む鏡筒を備える。鏡筒は隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面の間の気体を排気して、各鏡筒ユニットの内部空間を外気から隔離する気体排気機構を含む。
【0011】
発明は、デバイスの製造方法を提供する。その方法は、露光装置を用いて露光光によりマスク上に形成されたパターンの像を基板上に転写する工程を備える。露光装置は露光光の光路中に配置される少なくとも1つの光学素子を収容する複数の鏡筒ユニットを含む鏡筒を備える。転写工程は、鏡筒内に露光光が通過する際に、隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面の間の気体を排気して、各鏡筒ユニットの内部空間を外気から隔離する工程を含む。
【0012】
本発明は、デバイスの製造方法を提供する。その方法は、露光装置を用いて露光光によりマスク上に形成されたパターンの像を基板上に転写する工程を備える。露光装置は露光光の光路中に配置される少なくとも1つの光学素子を収容する複数の鏡筒ユニットを含む鏡筒を備える。転写工程は、鏡筒内に露光光が通過する際に、隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面を吸着して、各鏡筒ユニットの内部空間を外気から隔離する工程を含む。
[発明を実施するための最良の形態]
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態の半導体素子製造用の露光装置について、図1〜図4に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、露光装置は、光源としての露光光源21と露光装置本体22とビーム・マッチング・ユニット(以下、「BMU」という。)23とから構成されている。露光光源21は、露光光ELとして、例えばFレーザ光(λ=157nm)を出射するレーザ光源となっている。また、BMU23は複数の光学素子(反射ミラー、シリンドリカルレンズ等を含む)で構成され、これら複数の光学素子はBMU室29に収容される。BMU23は、露光光源21と露光装置本体22とを光学的に接続し、BMU23を介して露光光源21から出射された露光光ELが露光装置本体22内に導かれる。
【0014】
また露光装置本体22は、露光光ELの照射により、マスクとしてのレチクルR上に形成されたパターンの像を基板としてのウエハW上に転写するものである。以下に、その露光装置本体22の概略構成について説明する。
【0015】
露光装置本体22のチャンバ24内には、鏡筒としての照明系鏡筒25、レチクル室26、鏡筒としての投影系鏡筒27、及びウエハ室28が、BMU23を介して導入された露光光ELの光軸方向に順次配置されている。これら鏡筒25,27、両室26,28及びBMU室29は、露光光源21からウエハWに至る露光光ELの光路を含む空間を形成している。また、チャンバ24は空調装置(図示略)を備えており、露光装置本体全体の動作を制御する主制御系30の制御の下で、チャンバ24の内部が所定の温度及び湿度に保たれる。
【0016】
照明系鏡筒25内には、レチクルRを照明するための照明光学系33が収容されている。照明光学系33は、複数のミラー34、オプティカルインテグレータをなすフライアイレンズ(ロッドインテグレータでもよい)35、コンデンサレンズ36等の光学素子からなっている。フライアイレンズ35は、露光光源21からの露光光ELの入射により、その後方面にレチクルRを均一な照度分布で照明する多数の二次光源を形成する。そのフライアイレンズ35の後方には、露光光ELの形状を整形するためのレチクルブラインド37が配置されている。
【0017】
照明系鏡筒25の両端におけるBMU側開口部25a及びマスク側開口部25bには、照明光学系33の一部の光学素子として円板状の平行平板ガラス38が配置されている。平行平板ガラス38は、露光光ELを透過する物質(合成石英、蛍石など)により形成されている。
【0018】
BMU側開口部25aに配置された平行平板ガラス38によって、BMU室29の内部空間と照明系鏡筒25の内部空間とが分離される。また、照明系鏡筒25は、平行平板ガラス38を介して複数(この例では5つ)の内部空間をなす照明気密室39に区画されている。そして、各照明気密室39には、ミラー34、フライアイレンズ35、及びコンデンサレンズ36の各光学素子や、レチクルブラインド37が単独であるいはいくつか組み合わされて収容されている。
【0019】
また、投影系鏡筒27内には、照明光学系33によって照明されるレチクルR上のパターンの像をウエハW上に投影するための投影光学系42が収容されている。投影光学系42は、投影光学系を構成する光学素子として複数(この例では2つ)のカバーガラス43と複数(この例では3つ)のレンズエレメント44とからなっている。そして、その投影系鏡筒27の内部には、投影系鏡筒27の内壁及びカバーガラス43によって、内部空間としての投影気密室45が区画形成されている。
【0020】
また、レチクル室26には、レチクルステージRSTが配置されている。
レチクルステージRSTにより、所定のパターンが形成されたレチクルRが、露光光ELの光軸と直交する面内で移動可能に保持される。また、ウエハ室28には、ウエハステージWSTが配置されている。ウエハステージWSTにより、露光光ELに対して感光性を有するフォトレジストが塗布されたウエハWが、その露光光ELの光軸と直交する面内において移動可能、かつその光軸に沿って微動可能に保持される。
【0021】
レチクルステージRSTの端部には、干渉計(図示略)からのレーザビームを反射する移動鏡が固定されている。そして、レチクルステージRSTは、干渉計によって走査方向の位置が常時検出され、主制御系30の制御のもとで、所定の走査方向に駆動される。
【0022】
また、ウエハステージWSTの端部には、干渉計(図示略)からのレーザビームを反射する移動鏡が固定されており、ウエハステージWSTが可動する平面内での位置は干渉計によって常時検出される。そして、ウエハステージWSTは、主制御系30の制御のもとで、走査方向の移動のみならず、走査方向に垂直な方向にも移動可能に構成されている。これにより、ウエハW上の各ショット領域毎に走査露光を繰り返すステップ・アンド・スキャン動作が可能になっている。
【0023】
ここで、ステップ・アンド・スキャン方式により、レチクルR上の回路パターンをウエハW上のショット領域に走査露光する場合、レチクルR上の照明領域が、レチクルブラインド37で長方形(スリット)状に整形される。照明領域は、レチクルR側の走査方向に対して垂直方向に長手方向を有するものとなっている。そして、レチクルRを露光時に所定の速度Vrで走査することにより、レチクルR上の回路パターンをスリット状の照明領域で一端側から他端側に向かって順次照明する。これにより、照明領域内におけるレチクルR上の回路パターンが、投影光学系42を介してウエハW上に投影され、投影領域が形成される。
【0024】
ここで、ウエハWはレチクルRとは倒立結像関係にあるため、レチクルRの走査方向とは反対方向にレチクルRの走査に同期して所定の速度Vwで走査される。これにより、ウエハWのショット領域の全面が露光可能となる。走査速度の比Vw/Vrは投影光学系42の縮小倍率に応じたものになっており、レチクルR上の回路パターンがウエハW上の各ショット領域上に正確に縮小転写される。
【0025】
また、BMU室29、各照明気密室39、レチクル室26、投影気密室45及びウエハ室28の壁部に形成された開口49には、気体供給源としてのパージガス供給系50が接続されている。そして、BMU室29及び各室39,26,45,28には、パージガス供給系50及び各開口49を介して、マイクロデバイス工場のユーティリティプラント内のタンク51より、パージガスとしての不活性ガスが供給される。ここで、不活性ガスとは、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等の中から選択された単体のガス、あるいはその混合ガスである。
【0026】
ここで、パージガス中には、ミラー34,フライアイレンズ35、コンデンサレンズ36、平行平板ガラス38、カバーガラス43及びレンズエレメント44等の光学素子の表面上に、露光光ELの照射下で堆積して曇り現象を生じせしめる汚染物質、あるいはFレーザ光を強く吸収する酸素等の吸光物質が不純物として含まれることがある。
【0027】
このため、パージガス供給系50の給気配管52中には、パージガス中に含まれる上記汚染物質や吸光物質を含む不純物を除去するためのフィルタ53及びパージガスを所定の温度に調整するとともにパージガス中の水分を除去する温調乾燥器54が介装されている。そして、BMU室29及び各室39,26,45,28は、パージガス排出管55を介して半導体素子製造工場の排気ダクト56に接続されている。
【0028】
また、チャンバ24も同排気ダクト56に接続されている。これにより、BMU室29、各室39,26,45,28内に供給されたパージガスは、排気ダクト56を介して、工場の外部に排出される。
【0029】
なお、BMU室29及び各室39,26,45,28内に存在する汚染物質としては、例えば有機ケイ素化合物、アンモニウム塩、硫酸塩、ウエハW上のレジストからの揮散物、駆動部を有する構成部品に使用される摺動性改善剤からの揮散物、チャンバ24内の電気部品に給電あるいは信号供給するための配線の被覆層からの揮散物等がある。従って、工場の外部に排出されるパージガスには、これらの汚染物質が含まれている場合もある。
【0030】
また、露光装置本体22には、レチクル室26と隣接するように予備室26aが設けられている。予備室26aは、レチクル室26と連通及び遮断可能であるとともに、チャンバ24の外部と連通及び遮断可能な構造になっている。さらに、予備室26aにも、パージガス供給系50及びパージガス排出管55が接続されている。
【0031】
ここで、レチクルRの交換に際しては先ず、内部のガスのパージが行われている予備室26aとレチクル室26とが連通される。そして、レチクルRは予備室26aに配置されたレチクルカセット(図示略)に収容され、新たなレチクルRがそのレチクルカセットから取り出されて、レチクル室26内のレチクルステージRST上に載置される。その後、レチクル室26と予備室26aとの連通が遮断される。レチクルカセットを交換する場合には、レチクル室26と予備室26aとが遮断された状態で予備室26aを外部に開放させて、予備室26aからレチクルカセットが取り出される。
【0032】
一方、レチクルカセットを予備室26a内に導入する際には先ず、レチクル室26と予備室26aとを遮断した状態で、予備室26aを外部に開放する。そして、この状態でレチクルカセットが予備室26aに導入される。
その後、予備室26aと外部との連通が遮断されるとともに、同予備室26aにパージガスが供給されて同予備室26aの内部のガスがパージされる。
【0033】
そして、新たなレチクルカセットからレチクルRをレチクル室26内に導入する際には、同予備室26a内が所定のガス状態になった後、予備室26aとレチクル室26とが連通され、同レチクル室26内にレチクルRが導入される。このように、レチクル室26内のレチクルRの交換は、必ずパージガスにより所定のガス状態に調整された予備室26aを介して行われるようになっており、レチクル室26を外部に直接開放することがない。
【0034】
また露光装置本体22には、ウエハ室28と隣接するように予備室28aが設けられている。予備室28aは、ウエハ室28と連通及び遮断可能であるとともに、チャンバ24の外部に対しても連通及び遮断可能な構造になっている。さらに、予備室28aにも、パージガス供給系50及びパージガス排出管55が接続されている。
【0035】
そして、ウエハWのウエハ室28からの取り出し、及びウエハ室28内への導入が、レチクル室26からのレチクルRの取り出しの過程、及びレチクル室26への導入の過程に準じた過程を通じて行われる。すなわち、ウエハWの交換を、パージガスにより所定のガス状態に調整された予備室28aを介して行うことで、この交換がウエハ室28を外部に直接開放することなく行われる。なお、この場合、ウエハWは、予備室28aと外部との間ではカセットに複数枚収容された状態で搬送される。
【0036】
次に、投影光学系42を収容する投影系鏡筒27の構成について、説明する。
【0037】
図2に示すように、投影系鏡筒27は、各対応するレンズエレメント44を保持する複数の鏡筒ユニット59を備える。各隣接する鏡筒ユニット59は、調整部材としてのワッシャ60を介してボルト61(図3参照)により互いに固定されている。ワッシャ60は、金属(例えば投影系鏡筒27を形成する材料と同性質の材料)からなり、円環状に形成されている。ワッシャ60は、各レンズエレメント44の光軸方向(つまり、露光光ELの光軸方向)に沿った位置を調整するために、隣接する2つの鏡筒ユニット59の相対向する端面59a間に配置される。
【0038】
投影系鏡筒27の両端に位置する2つの鏡筒ユニット59bの各々には、パージガス供給系50の給気配管52が接続されている。投影系鏡筒27のほぼ中央に位置する鏡筒ユニット59cには、その投影系鏡筒27を露光装置本体22の架台22aに支持するためのフランジFLGが設けられている。また、中央の鏡筒ユニット59cには、パージガス排出管55が接続されている。
【0039】
ここで、中央の鏡筒ユニット59c及びそれより下側、すなわちウエハW側に配置される鏡筒ユニット59には、レンズエレメント44が不図示の保持部材によって保持されている。また、フランジFLGより上側、すなわちレチクルR側に配置される鏡筒ユニット59のそれぞれには、少なくとも一つのレンズエレメント44が(図2においては1個のみ図示)不図示の保持部材によって移動可能に保持されている。レンズエレメント44は、鏡筒ユニット59の周壁に取着されたピエゾ素子62を用いた主制御系30の制御により駆動される。
【0040】
レンズエレメント44は、その外周の複数箇所(例えば3ヶ所)にて保持部材により保持されているので、レンズエレメント44と保持部材との間には隙間が生じる。また、保持部材は鏡筒ユニット59の内壁に複数箇所で取り付けられているために、内壁と保持部材との間に隙間が生じる。これら隙間により、各鏡筒ユニット59内の空間が連通され、カバーガラス43と各鏡筒ユニット59の内壁とにより投影気密室45が形成される。
【0041】
投影系鏡筒27の両端部の鏡筒ユニット59bに供給されたパージガスは、各鏡筒ユニット59の内壁と保持部材、あるいは保持部材とレンズエレメント44との間の隙間を通って、ほぼ中央部の鏡筒ユニット59cに達する。このパージガスの流れに伴って、投影系鏡筒27の投影気密室45内のガスが、パージガスにより置換される。この置換により、投影気密室45内に存在する吸光物質及び汚染物質を含むガスは、中央の鏡筒ユニット59cに接続されたパージガス排出管55及び排気ダクト56を介して露光装置本体22の外部に排出される。
【0042】
図3及び図4に示すように、隣接する鏡筒ユニット59の端面59aと係合されるワッシャ60の両端面60aの各々には、排気機構の一部をなす気体吸引用凹部としての環状溝65が形成されている。環状溝65の底面には、複数(図4においては3つ)の排気孔66が等間隔をおいて形成されている。各排気孔66には、排気管67を介して環状溝65内を真空引きするための気体排気機構あるいは吸着機構の一部をなす排気装置68(図2参照)が接続されている。
【0043】
図2に示すように、排気装置68は、真空ポンプ69と切換装置としての切換弁70とからなっている。真空ポンプ69は、各レンズエレメント44の光軸と直交する平面内において各鏡筒ユニット59とワッシャ60とが位置調整された状態で積層されたとき、環状溝65内のガスを排気して真空引きする。
【0044】
投影系鏡筒27内に露光光ELを通過させる場合には、環状溝65内と真空ポンプ69とが連通され、その環状溝65内が真空引き状態となるように切換弁70が制御される。この場合、図3に示すように、各鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとの間に存在するガスは、環状溝65内に引き込まれ、真空ポンプ69により排気される。この結果、投影系鏡筒27の投影気密室45が外気に対して隔離された状態となる。
【0045】
なお、投影系鏡筒27内には、隔離状態において、排気装置68により環状溝65から排気されるガスの量を考慮して、投影気密室45内が大気圧と同等または陽圧となるようにパージガス供給系50からパージガスが供給される。
【0046】
投影系鏡筒27の各鏡筒ユニット59の位置を調整する場合には、環状溝65内と真空ポンプ69との間の連結が遮断され、その環状溝65内の真空引きが解除されるように切換弁70が制御される。更に、環状溝65内と気体供給源としてのパージガス供給系50の給気配管52とが連通され、環状溝65内にパージガスが供給されるように切換弁70が制御される。この場合、各鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとの間にパージガスが所定の圧力で供給される。すなわち、パージガスが鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとに向かって供給されることにより、ボルト61を緩めた状態では、各鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとが互いに離れる方向の力が発生する解除状態となる。
【0047】
従って、第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0048】
(イ) 投影系鏡筒27では、外気に対して投影気密室45を隔離するために、鏡筒ユニット59の間に、その鏡筒ユニット59間の環状溝65内のガスを排気する排気装置68を接続している。排気装置68により鏡筒ユニット59間の環状溝65内に存在するガスを排出することで、隣接する鏡筒ユニット59の相対向する端面が吸着され、かつ強固に密着して、投影系鏡筒27内の投影気密室45を外気に対して隔離することができる。これにより、投影気密室45内への外気の侵入が効果的に抑制され、その外気とともに酸素等の吸光物質、露光光EL照射下で光反応してレンズエレメント44の汚染を生じせしめる汚染物質等が侵入するのを抑制することができる。従って、真空紫外域の露光光ELを使用したとしても、ウエハW面に到達する露光光ELのエネルギが低下することがなく、露光処理の効率を高く維持することができる。
【0049】
(ロ) 投影系鏡筒27では、鏡筒ユニット59間に配置されるワッシャ60に、排気装置68が接続されている。このため、鏡筒ユニット59側に排気装置68を接続する必要がなく、鏡筒ユニット59、さらには投影系鏡筒27全体の構成が複雑化するのを抑制することができる。
【0050】
また、投影系鏡筒27では、各鏡筒ユニット59とワッシャ60とが、いずれも金属加工面同士の接触となっており、外気に対して投影気密室45をパッキンにより隔離する場合のように、鏡筒ユニット59間に介装物を介在させる必要がない。このため、そのパッキンからの揮散物により、投影気密室45内の清浄度が低下したり、そのパッキンの弾性力により各鏡筒ユニット59間に相対的な位置変化(ずれ)が生じたりするおそれもない。
【0051】
(ハ) 投影系鏡筒27では、鏡筒ユニット59の端面59aに対向するワッシャ60の端面60aに、排気装置68に接続される環状溝65が設けられている。このため、その排気装置68を稼動させることで、各鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとの間に存在するガスが、環状溝65内へと引き込まれ、そして両端面59a,60a間のガスを好適に排出することができる。
【0052】
しかも、両端面59a,60a間のガスを導く凹部が環状溝65となっているため、両端面59a,60a間のガスがその鏡筒ユニット59の全周にわたって排出される。このため、両端面59a,60a間のガスをさらに効率よく排出することができ、投影気密室45に対する外気の侵入を一層効果的に抑制することができる。
【0053】
(ニ) 投影系鏡筒27では、排気管67を介して環状溝65内を真空引きする真空ポンプ69を備えている。このため、真空ポンプ69を稼動させることにより、各鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとの間のガスが効率よく排出され、両端面59a,60aが互いに吸着され、投影気密室45に対する外気の侵入が好適に抑制することができる。
【0054】
(ホ) 投影系鏡筒27では、排気装置68が、環状溝65内が真空引きされる隔離状態と、その真空引きが解除され、環状溝65内にパージガスが供給される解除状態とを切り換える切換弁70とを有している。このため、投影系鏡筒27内に露光光ELを通過させる際には、切換弁70により環状溝65を真空ポンプ69と連通させ、これにより投影気密室45を外気に対して隔離した隔離状態とする。一方、各鏡筒ユニット59を相対的に移動させる必要が生じたときには、切換弁70により環状溝65をパージガス供給系50と連通させ、解除状態へと容易に切り換えることができる。
【0055】
これにより、隔離状態では投影気密室45内を清浄に保つとともに、解除状態では各鏡筒ユニット59間に互いに離れる方向の発生したような状態とすることができる。そして、その解除状態では、各鏡筒ユニット59をスムースに移動させることができ、例えばレンズエレメント44の相対的な位置を調整する場合に、その調整を各鏡筒ユニット59の相対的な位置を調整することで、容易に行うことができる。
【0056】
(ヘ) 露光装置本体22では、投影光学系42が各鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとの間のガスを排気する排気装置68が接続された投影系鏡筒27内に収容されている。このため、投影系鏡筒27の投影気密室45内への外気の侵入に伴う吸光物質の侵入が抑制され、その投影気密室45内の清浄度を高く維持することができる。このため、露光光ELが投影光学系42を通過する際における露光光ELのエネルギの低下が抑制され、投影光学系42の光学的特性が改善される。従って、レチクルR上のパターンの像をウエハW上に高精度に転写することができる。そして、そのパターンが、非常に微細なパターンであっても精度よく露光することができる。
【0057】
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0058】
第2実施形態では、図5及び図6に示すように、投影系鏡筒27は、ワッシャ60を介することなく隣接する鏡筒ユニット59の端面同士が互いに接触した状態にある直接積層された複数の鏡筒ユニット59からなる。そして、隣接する鏡筒ユニット59の一方の鏡筒ユニット59の端面59aに環状溝65が形成されている。隣接する鏡筒ユニット59はボルト61により締め付けられている。環状溝65には、第1実施形態と同様に、複数の排気孔66が形成されている。各排気孔66は対応する排気管67を介して排気装置68と接続されている。
【0059】
従って、本実施形態によれば、第1実施形態における(イ)及び(ニ)〜(ヘ)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0060】
(ト) 投影系鏡筒27では、排気装置68に接続される環状溝65が、鏡筒ユニット59の端面59aに設けられている。このため、その排気装置68を稼動させることで、隣接する各鏡筒ユニット59の端面59a間に存在するガスが、環状溝65内へと引き込まれた後、好適に排出することができる。
【0061】
しかも、両端面59a間のガスを導く凹部が環状溝65となっているため、両端面59a間のガスがその鏡筒ユニット59の全周にわたって排出される。このため、両端面59a間のガスをさらに効率よく排出することができて、投影気密室45に対する外気の侵入を一層効果的に抑制することができる。
【0062】
また、投影系鏡筒27では、各鏡筒ユニット59が、いずれも金属加工面同士の接触となっており、外気に対して投影気密室45をパッキンにより隔離する場合のように、鏡筒ユニット59間に介装物を介在させる必要がない。このため、そのパッキンからの揮散物により、投影気密室45内の清浄度が低下したり、そのパッキンの弾性力により各鏡筒ユニット59間に相対的な位置変化(ずれ)が生じたりするおそれもない。従って、各鏡筒ユニット59を相対的により正確な位置に配置することができる。
【0063】
(第3実施形態)
つぎに、本発明の第3実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0064】
第3実施形態においては、図7に示すように、ワッシャ60の端面60aに、排気機構又は吸着機構の一部をなす凹部としての複数の環状溝65a,65bが同心円状に設けられ、各環状溝65a,65bには、第1実施形態と同様に、複数の排気孔66が形成されている。そして、内側環状溝65aは第1排気装置68aに接続され、外側環状溝65bは第1排気装置68aとは別の第2排気装置68bに接続されている。各排気装置68a,68bは、真空ポンプ69a,69bと切換弁70a,70bとを備えている。
【0065】
従って、本実施形態によれば、第1実施形態における(イ)〜(ヘ)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0066】
(チ) 投影系鏡筒27では、ワッシャ60の端面60aに第1及び第2排気装置68a,68bに接続される環状溝65a,65bが同心円状に複数設けられている。このため、各鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとの間のガスが、複数の環状溝65a,65bを介して、一層効率よく排出される。これにより、投影系鏡筒27の投影気密室45内への外気の侵入をより確実に抑制することができる。
【0067】
(第4実施形態)
つぎに、本発明の第4実施形態について、第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0068】
第4実施形態においては、図8に示すように、ワッシャ60の端面60aに凹部としての複数の長溝73a,73bが設けられている。3つの長溝73aが等間隔で配置され、更に3つの長溝73bが等間隔かつ、3つ長溝73aよりも外側に配置されている。即ち、長溝73a,73bは、同心円状にかつ二重の円形をなすように配列されている。そして、内側に配列された長溝73aと外側に配列された長溝73bとは、位相が異なるように配置されている。従って、ワッシャ60の全周にわたっていずれかの長溝73a,73bが存在する。このようにすることで、連続していない長溝73a,73bであっても、各実施形態の環状溝65と同様な作用が発揮させることができる。各長溝73a,73bには、排気孔66が形成され、排気孔66は排気管67を介して排気装置68に接続されている。
【0069】
排気装置68には、真空ポンプ69と排気機構又は吸着機構の一部をなす切換弁74とが設けられている。切換弁74は、投影系鏡筒27内に露光光ELを通過させる場合には、長溝73a,73b内と真空ポンプ69とを連通させ、その長溝73a,73b内を真空引きした状態とする。この場合、各鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとの間に存在するガスは、長溝73a,73b内に引き込まれ、真空ポンプ69により排気され、投影系鏡筒27の投影気密室45が外気に対して隔離された隔離状態となる。
【0070】
一方、切換弁74は、投影系鏡筒27の各鏡筒ユニット59の相対的な位置を調整するようなときには、長溝73a,73b内と真空ポンプ69との間を遮断し、その長溝73a,73b内の真空引きを解除する。そして、切換弁74は、長溝73a,73b内を外気に開放し、その長溝73a,73b内に外気が供給される状態とする。この場合、各鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとの密着が解除され、ボルト61を緩めた状態で各鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aとの間の相対的な移動が可能な解除状態となる。
【0071】
従って、第4実施形態によれば、第1実施形態における(イ)〜(ニ)及び(ヘ)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
(リ) 投影系鏡筒27では、排気装置68が、長溝73a,73b内が真空引きされる隔離状態と、その真空引きが解除され、長溝73a,73b内に外気が供給される解除状態とを切り換える切換弁74とを有している。このため、投影系鏡筒27内に露光光ELを通過させる際には、切換弁74により長溝73a,73bを真空ポンプ69と連通させ、これにより投影気密室45を外気に対して隔離した隔離状態とする。一方、各鏡筒ユニット59を相対的に移動させる必要が生じたときには、切換弁74により長溝73a,73bを外気に開放させ、解除状態へと容易に切り換えることができる。これにより、隔離状態では投影気密室45内を清浄に保つとともに、解除状態では各鏡筒ユニット59を互いに相対的に移動可能な状態とすることができる。そして、解除状態では、各鏡筒ユニット59を容易に離間させることができる。
【0073】
(変更例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0074】
第1及び第3実施形態では、ワッシャ60の端面60aに環状溝65を設け、その環状溝65,65a,65bに排気装置68,68a,68bを接続する構成とした。これに対して、鏡筒ユニット59の端面59aに環状溝65,65a,65bを設け、その環状溝65,65a,65bに排気装置68,68a,68bを接続するようにしてもよい。また、第4実施形態では、ワッシャ60の端面60aに長溝73a,73bを設け、その長溝73a,73bに排気装置68を接続する構成とした。これに対して、鏡筒ユニット59の端面59aに長溝73a,73bを設け、その長溝73a,73bに排気装置68を接続するようにしてもよい。
【0075】
このようにした場合、ワッシャ60を単純な円環状に構成することができる。
このため、ワッシャ60を種々の厚さのものの中から選択して介装することにより、隣接する鏡筒ユニット59のその内部を通過する露光光ELの光軸方向における相対的な位置を容易に調整することができる。
【0076】
第1、第3及び第4実施形態において、鏡筒ユニット59の端面59aにも、環状溝65,65a,65bまたは長溝73a,73bを設けてもよい。
【0077】
第2実施形態において、隣接する鏡筒ユニット59の対向する両側の端面59aに環状溝65を設けてもよい。
【0078】
第1、第3及び第4実施形態において、鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aの一方に環状溝65,65a,65bまたは長溝73a,73bを設け、鏡筒ユニット59の端面59aとワッシャ60の端面60aの他方における環状溝65,65a,65bまたは長溝73a,73bに対応する位置に排気孔66を設け、その排気孔66に排気装置68を接続するようにしてもよい。
【0079】
第2実施形態において、隣接する鏡筒ユニット59の対向する一方の端面59aに環状溝65を設け、他方の端面59aにおける環状溝65に対応する位置に排気孔66を設け、その排気孔66に排気装置68を接続するようにしてもよい。また、第2実施形態において、第3実施形態の環状溝65a,65bまたは第4実施形態の長溝73a,73bを採用してもよい。
【0080】
第1〜第3実施形態において、各環状溝65,65a,65b内に開口する排気孔66の数を、各実施形態に記載したものとは異なる数、すなわち1、2または4以上としてもよい。
【0081】
第4実施形態において、長溝73a,73b内に複数の排気孔66を設け、その排気孔66に排気装置68を接続するようにしてもよい。
【0082】
第3実施形態において、環状溝65a,65bの数を実施形態に記載したものとは異なる数、すなわち3以上としてもよい。
【0083】
各実施形態では、本発明の鏡筒を投影光学系42を収容する投影系鏡筒27に具体化したが、照明光学系33を収容する照明系鏡筒25に具体化してもよい。
【0084】
各実施形態において、ウエハ室28を省略して、投影系鏡筒27とウエハWとの間をパージする構成としてもよい。
【0085】
各実施形態において、環状溝65,65a,65b、長溝73a,73b内の真空引きの解除は完全でなくてもよく、鏡筒ユニット59間の相対的な位置が調整可能な程度に真空引きが行われていてもよい。
【0086】
各実施形態において、各鏡筒ユニット59間毎に排気装置68を設けてもよく、また、1つの排気装置68で各鏡筒ユニット59間毎に排気力を変更可能なように構成してもよい。
【0087】
第1〜第3実施形態において、各鏡筒ユニット59の位置を調整する場合に環状溝65内にパージガスを供給する代わりに、第4実施形態のように大気開放するようにしてもよい。
【0088】
各実施形態において、投影光学系42としては、屈折タイプに限らず、反射屈折タイプ、反射タイプであってもよい。また、露光装置としては、少なくとも1つの光学素子を含む露光装置であればよく、例えば投影光学系42を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも本発明を同様に適用することができる。
【0089】
本発明の露光装置は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。
【0090】
また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置などでは、透過型マスク(ステンシルマスク、メンバレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0091】
また、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などにも、本発明を適用することができる。
【0092】
また、マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の一括露光型の露光装置にも、本発明を適用することができる。
【0093】
また、露光装置の光源としては、例えばg線(λ=436nm)、i線(λ=365nm)、Krレーザ(λ=146nm)、Arレーザ(λ=126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
【0094】
なお、各実施形態の露光装置は、大略、例えば次のように製造される。
【0095】
すなわち、まず、投影光学系42を構成する複数のレンズエレメント44及びカバーガラス43等を、各実施形態の投影系鏡筒27に収容する。また、ミラー34及び各レンズ35,36等の光学素子からなる照明光学系33を照明系鏡筒25内に収容する。そして、これらの照明光学系33及び投影光学系42を露光装置本体22に組み込み、光学調整を行う。次いで、多数の機械部品からなるウエハステージWST(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージRSTも含む)を露光装置本体22に取り付けて配線を接続する。そして、露光光ELの光路内にパージガスを供給するパージガス供給系50の配管を接続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)を行う。
【0096】
ここで、各鏡筒25,27を構成する各部品は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。なお、露光装置の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
【0097】
次に、上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
【0098】
図9は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
【0099】
図9に示すように、まず、ステップS101(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
【0100】
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜S103で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。ステップS105には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0101】
最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0102】
図10は、半導体デバイスの場合における、図6のステップS104の詳細なフローの一例を示す図である。図10において、ステップS111(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS111〜S114のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0103】
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステム(露光装置)によってマスク(レチクルR)の回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0104】
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
【0105】
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップS116)において、真空紫外域の露光光ELにより解像力の向上が可能となり、露光量制御を高精度に行うことができる。従って、露光精度を向上することができて、最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の露光装置を示す概略図。
【図2】 図1の露光装置の投影系鏡筒の側面図。
【図3】 図2の投影系鏡筒の一部の断面図。
【図4】 図3の投影系鏡筒の一部の4−4線に沿った断面図。
【図5】 本発明の第2実施形態の露光装置の投影系鏡筒の一部の断面図。
【図6】 図5の投影系鏡筒の一部の6−6線に沿った断面図。
【図7】 本発明の第3実施形態の露光装置の投影系鏡筒の部分断面図。
【図8】 本発明の第4実施形態の露光装置の投影系鏡筒の部分断面図。
【図9】 デバイスの製造方法を示すフローチャート。
【図10】 半導体素子の製造方法を示すフローチャート。

Claims (20)

  1. 少なくとも一つの光学素子を収容する複数の鏡筒ユニットを備えた鏡筒において、
    隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面の間の気体を排気して、各鏡筒ユニットの内部空間を外気から隔離する気体排気機構を備えた鏡筒。
  2. 請求項1に記載の鏡筒において、
    前記気体排気機構は、隣接する鏡筒ユニット間に配置される。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の鏡筒において、
    前記気体排気機構は、隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面の少なくとも一方に設けられた気体吸引用凹部を有する。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の鏡筒は、
    隣接する鏡筒ユニット間に配置され、かつ各鏡筒ユニットの位置を調整する調整部材を更に備え、前記気体排気機構は、前記調整部材に設けられる。
  5. 請求項4に記載の鏡筒において、
    前記調整部材は、対応する鏡筒ユニットの端面と対向する端面を有し、
    前記気体排気機構は、前記調整部材の端面に設けられた気体吸引用凹部を有する。
  6. 請求項3又は請求項5に記載の鏡筒において、
    前記気体吸引用凹部は環状溝を含む。
  7. 請求項3、請求項5、請求項6のうちのいずれか一項に記載の鏡筒において、
    前記気体排気機構は、前記気体吸引用凹部に連通する排気通路と、前記排気通路に連結された排気装置とを有する。
  8. 請求項7に記載の鏡筒において、前記気体吸引用凹部は同心円状に配置された複数の環状溝を含む。
  9. 請求項1に記載の鏡筒において、
    前記気体排気機構は、隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面の間の気体を排気することにより前記外気と前記内部空間とを隔離する第1の状態と、前記気体の排気が解除された第2の状態とを切り換える切換装置を有する。
  10. 請求項7に記載の鏡筒において、
    前記気体排気機構は、前記排気装置による前記凹部内の前記気体を排気することにより前記外気と前記内部空間とを隔離する第1の状態と、前記排気装置による前記凹部内の前記気体の排気が解除された第2の状態とを切り換える切換装置を有する。
  11. 請求項10に記載の鏡筒において、
    前記第2の状態において、前記排気通路を介して前記凹部内に所定の気体を供給する供給装置を備える。
  12. 請求項10に記載の鏡筒において、
    前記切換装置は第2の状態において外気と前記凹部とを連通させる。
  13. 少なくとも一つの光学素子を収容する複数の鏡筒ユニットを備えた鏡筒において、
    隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面を吸着して、各鏡筒ユニットの内部空間を外気から隔離する吸着機構を備えた鏡筒。
  14. 請求項13に記載の鏡筒において、
    前記吸着機構は、隣接する鏡筒ユニット間に配置される。
  15. 請求項13又は請求項14に記載の鏡筒において、
    前記吸着機構は、隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面の少なくとも一方に設けられた気体吸引用凹部と、前記気体吸引用凹部内の気体を排気する排気装置とを含む。
  16. 請求項13に記載の鏡筒において、
    隣接する鏡筒ユニット間に配置され、かつ各鏡筒ユニットの位置を調整する調整部材を有し、
    前記調整部材は、対応する鏡筒ユニットの端面と対向する端面を有し、
    前記吸着機構は、前記調整部材の端面に設けられた気体吸引用凹部と、前記気体吸引用凹部内の気体を排気する排気装置とを含む。
  17. 請求項14又は請求項15に記載の鏡筒において、
    前記吸着機構は、隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面を吸着することにより、前記外気と前記内部空間とを隔離する第1の状態と、前記吸着が解除された第2の状態とを切り換える切換装置を有する。
  18. 露光光を用いてマスク上に形成されたパターンの像を基板上に露光する露光装置において、
    当該露光装置は
    前記露光光の光路中に配置される少なくとも1つの光学素子を収容する複数の鏡筒ユニットを含む鏡筒を備え、
    前記鏡筒は、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の鏡筒で構成される。
  19. デバイスの製造方法であって、
    露光装置を用いて露光光によりマスク上に形成されたパターンの像を基板上に転写する工程を備え、
    露光装置は前記露光光の光路中に配置される少なくとも1つの光学素子を収容する複数の鏡筒ユニットを含む鏡筒を備え、
    転写工程は、
    前記鏡筒内に露光光が通過する際に、隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面の間の気体を排気して、各鏡筒ユニットの内部空間を外気から隔離する工程を含む。
  20. デバイスの製造方法であって、
    露光装置を用いて露光光によりマスク上に形成されたパターンの像を基板上に転写する工程を備え、
    露光装置は前記露光光の光路中に配置される少なくとも1つの光学素子を収容する複数の鏡筒ユニットを含む鏡筒を備え、
    転写工程は、
    前記鏡筒内に露光光が通過する際に、隣接する鏡筒ユニットの相対向する端面を吸着して、各鏡筒ユニットの内部空間を外気から隔離する工程を含む。
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