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JP4349243B2 - 車両前部構造 - Google Patents
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JP4349243B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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本発明は、フードで覆われたエンジンルームの前部でラジエータが車体へ支持された車両前部構造に関する。
一般の車両前部構造では、エンジンルームの上側をフードが覆うと共に、エンジンルーム内では前部に配置されたラジエータが上側でアッパクロスメンバへ支持されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この車両前部構造では、車両外部からの衝突体がフードを変形させてフードの車両前側端部を車両後斜め下方へ変位させる場合に、フードがアッパクロスメンバに当る。このため、フードがアッパクロスメンバに当った際には、衝突体がフード及びアッパクロスメンバと当る部分の剛性が高いので、衝突体への反力が大きくなる。
特開2003−81034公報
本発明は、上記事実を考慮し、衝突体に局所的に大きな荷重が作用することを防止できる車両前部構造を得ることが目的である。
請求項1に記載の車両前部構造は、車両前部のエンジンルームの車両上側を覆うフードと、前記エンジンルームの車両前側部位に配置されたラジエータの車両上側部位を支持し、前記フードの車両前側端部を車両後斜め下方へ変位させる衝突体の衝突による前記フードの変位範囲から離間する配置にされたラジエータサポートと、を備え、前記フードの変位範囲は、前記フードのヒンジを中心とした回動軌跡、及び、前記フードの車両前後方向中間部を屈曲中心として屈曲中心よりも車両前側部分において折れ曲る場合の回動軌跡の少なくとも一方とされている
請求項2に記載の車両前部構造は、請求項1に記載の車両前部構造において、前記ラジエータサポートに衝撃吸収部材を固定した、ことを特徴としている。
請求項3に記載の車両前部構造は、請求項2に記載の車両前部構造において、前記衝撃吸収部材は、前記ラジエータサポートの車両上側又は車両前側に配置されると共に、前記ラジエータサポートよりも潰れ強度又は曲げ強度が低い材料で構成された、ことを特徴としている。
請求項4に記載の車両前部構造は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の車両前部構造において、前記ラジエータサポートに変形容易部を形成した、ことを特徴としている。
請求項1に記載の車両前部構造では、車両前部におけるエンジンルームの車両前側部位にラジエータが配置されており、エンジンルームの車両上側をフードが覆うと共に、ラジエータの車両上側部位をラジエータサポートが支持している。
ここで、ラジエータサポートは、フードの車両前側端部を車両後斜め下方へ変位させる衝突体の衝突によるフードの変位範囲から離間する配置にされている。このため、衝突体が衝突した際には、フードとラジエータサポートとが当る(変形させる状態で当ることであり他の部材を介さずに直接当ることのみならず他の部材を介して間接的に当ることを含む)ことがなく、衝突体のフードとの当り部分とラジエータサポートとの当り部分とに荷重(衝撃)が分散作用することで、衝突体に局所的に大きな荷重が作用することを防止できる。
また、衝突体がフードとラジエータサポートとに異なるタイミングで当る場合には、衝突体のフードとの当り部分とラジエータサポートとの当り部分とに異なるタイミングで荷重が作用する。このため、衝突体に作用する荷重を時間的に分散させ、各瞬間に衝突体に作用する全荷重のピーク(最大荷重)を小さくして、衝突体(歩行者)に対する保護性能を向上させることができる。
請求項2に記載の車両前部構造では、ラジエータサポートに固定された衝撃吸収部材で衝突体の衝撃荷重を吸収するため、衝突体にラジエータサポートとの当りにより作用する荷重を小さくすることができ、衝突体に局所的に大きな荷重が作用することを一層防止できる。
また、衝突体がフードにラジエータサポートよりも早いタイミングで当ると共に、衝突体が衝撃吸収部材にフードとの当り終了時(フードとの変形させる状態での当り終了時)よりも早いタイミングで当る場合には、衝突体のフードとの当り部分と衝撃吸収部材との当り部分とに荷重が分散作用することで、衝突体にフードとの当りにより作用する荷重を小さくすることができ、衝突体に局所的に大きな荷重が作用することを一層防止できる。
請求項3に記載の車両前部構造では、衝撃吸収部材が、ラジエータサポートの車両上側又は車両前側に配置されると共に、ラジエータサポートよりも強度が低い材料で構成されている。このため、簡単に衝撃吸収部材を設けることができる。
請求項4に記載の車両前部構造では、ラジエータサポートが変形容易部で衝突体の衝撃荷重を吸収するため、衝突体にラジエータサポートの変形容易部以外の部位との当りにより作用する荷重を小さくすることができ、衝突体に局所的に大きな荷重が作用することを一層防止できる。
また、衝突体がフードにラジエータサポートの変形容易部以外の部位よりも早いタイミングで当ると共に、衝突体が変形容易部にフードとの当り終了時(フードとの変形させる状態での当り終了時)よりも早いタイミングで当る場合には、衝突体のフードとの当り部分と変形容易部との当り部分とに荷重が分散作用することで、衝突体にフードとの当りにより作用する荷重を小さくすることができ、衝突体に局所的に大きな荷重が作用することを一層防止できる。
[第1の実施の形態]
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る車両前部構造10が車両左側から見た断面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車両上方を矢印UPで示す。
本実施の形態に係る車両前部構造10は、薄板状のバンパカバー12を備えており、バンパカバー12は車両前端外周を構成して、バンパカバー12よりも車両後側の車両前部内はエンジンルーム14となっている。また、バンパカバー12は、その車両上側端である上端12Aから車両後側かつ車両下側へ延びて延伸部16とされている。
バンパカバー12の上端12Aよりも車両後側には、フードとしての平面視略矩形状のエンジンフード18が配置されており、エンジンフード18は、バンパカバー12の延伸部16及びエンジンルーム14の車両上側を覆うと共に、車両前側端である前端18Aにおいてバンパカバー12の上端12Aとの間に隙間20を形成している。エンジンフード18は、車両外側における板状のアウタパネル22と、車両内側における補強部材(強度部材)としての板状のインナパネル24と、が互いに組み付けられて構成されており、エンジンフード18は、インナパネル24によって補強されて、強度が高くなっている。
エンジンルーム14の車両前側部位には、ラジエータ25が配置されており、ラジエータ25は、車両下側部位において、車幅方向に沿って配置された支持部材(強度部材)としてのラジエータサポートロア(図示省略)に支持されている。
ラジエータ25は、車両上側部位において、ラジエータサポート(強度部材)としてのラジエータサポートアッパ26に支持されている。ラジエータサポートアッパ26は、断面が略台形の筒状にされて強度がエンジンフード18の車両前側端部と同等以上に高くされると共に、車幅方向に沿って配置されて両端を骨格部材(強度部材)としての図示しない車体フレーム(例えば一対のエプロンアッパメンバ)に固定されている。ラジエータサポートアッパ26は、バンパカバー12の上端12Aとエンジンフード18の前端18Aとの隙間20から車両前斜め下方へ離間されている。このため、ラジエータサポートアッパ26は、エンジンフード18の車両前後方向中間部を折れ変形させてエンジンフード18の前端18Aを車両後斜め下方(図1の矢印Pの方向)へ変位させる衝突体28(例えば歩行者)の衝突によるエンジンフード18の変位範囲から離間する配置にされている。また、当該衝突体28がラジエータサポートアッパ26に当る際にはラジエータサポートアッパ26の長手方向が湾曲変形される。
ここに「衝突体28の衝突によるエンジンフード18の変位範囲」とは、図2に示す如く、エンジンフード18のヒンジ19を中心とした回動軌跡、及び、車両前後方向を長手方向として配置されるエンジンフード18がその長手方向中間部を屈曲中心19Aとして屈曲中心19Aよりも車両前側部分において折れ曲る場合の回動軌跡Tの少なくとも一方を言う。
ラジエータサポートアッパ26には、衝撃吸収部材としての緩衝材30が固定されており、緩衝材30は、ラジエータサポートアッパ26の車両前斜め上方に配置されて、前記衝突体28がラジエータサポートアッパ26よりも早いタイミングで当る配置にされている。また、緩衝材30は、例えば発泡樹脂材や肉厚が薄いリブ材又は板材等で製作されて、ラジエータサポートアッパ26よりも潰れ強度が低くされており、前記衝突体28が緩衝材30に当る際には緩衝材30が潰れ変形され、衝突体28の衝撃荷重を吸収する。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
以上の構成の車両前部構造10では、車両側の衝突面28Aを矩形平面状にされた衝突体28が、車両の前斜め上方から、バンパカバー12に当り始めた後に、衝突面28Aがエンジンフード18の前端18Aに接した時点でラジエータサポートアッパ26及び緩衝材30から車両前側へ離間する角度で、エンジンフード18の前端18Aに衝突する。
ここで、ラジエータサポートアッパ26は、エンジンフード18の車両前後方向中間部を折れ変形させてエンジンフード18の前端18Aを車両後斜め下方へ変位させる衝突体28の衝突によるエンジンフード18の変位範囲から離間する配置にされている。
このため、エンジンフード18が図1の二点鎖線の位置に変位されても、エンジンフード18とラジエータサポートアッパ26とが当ることがない。これにより、衝突体28のエンジンフード18との当り部分とラジエータサポートアッパ26との当り部分とに荷重(衝撃)が分散作用することで、衝突体28に局所的に大きな荷重が作用することを防止できる。
さらに、衝突体28がエンジンフード18とラジエータサポートアッパ26とに異なるタイミングで当る。このため、衝突体28のエンジンフード18との当り部分とラジエータサポートアッパ26との当り部分とに異なるタイミングで荷重が作用して、衝突体28に作用する荷重を時間的に分散できる。このため、特に大きな空間(エンジンフード18とラジエータサポートアッパ26との間の空間、エンジンルーム14内の搭載物が存在しない空間)を確保しなくても、効率良く衝突体28の衝撃荷重を吸収することができ、各瞬間に衝突体28に作用する全荷重のピーク(最大荷重)を小さくして、衝突体28(歩行者)に対する保護性能を向上させることができる。
また、衝突体28が緩衝材30にラジエータサポートアッパ26よりも早いタイミングで当る。このため、緩衝材30で衝突体28の衝撃荷重を吸収するため、衝突体28にラジエータサポートアッパ26との当りにより作用する荷重を小さくすることができ、衝突体28に局所的に大きな荷重が作用することを一層防止できる。
しかも、衝突体28がエンジンフード18にラジエータサポートアッパ26よりも早いタイミングで当ると共に、衝突体28が緩衝材30にエンジンフード18との当り終了時よりも早いタイミングで当る。このため、衝突体28のエンジンフード18との当り部分と緩衝材30との当り部分とに荷重が分散作用することで、衝突体28にエンジンフード18との当りにより作用する荷重を小さくすることができ、衝突体28に局所的に大きな荷重が作用することを一層防止できる。
以上により、図3に示す如く、衝突体28に、バンパカバー12との当りによる荷重(図3の線A)、エンジンフード18との当りによる荷重(図3の線B)、緩衝材30との当りによる荷重(図3の線C)、及び、ラジエータサポートアッパ26との当りによる荷重(図3の線D)が、この順番で作用する。これにより、各瞬間に衝突体28に作用する全荷重(図3の線E)が基準荷重(図3の線Fであり衝突体28を十分に保護できる荷重)に近い期間を、長く維持することができる。
また、緩衝材30が、ラジエータサポートアッパ26の車両前斜め上方に配置されると共に、ラジエータサポートアッパ26よりも潰れ強度又は曲げ強度が低い材料で構成されている。このため、簡単に緩衝材30を設けることができる。
(比較例)
図4には、比較例に係る車両前部構造40が車両左側から見た断面図にて示されている。
本比較例に係る車両前部構造40は、上記第1の実施の形態と以下の点で異なる。
車両前部構造40は、上記第1の実施の形態におけるラジエータサポートアッパ26に代えて、ラジエータサポートアッパ42を備えており、ラジエータサポートアッパ42は、断面略逆U字形の長尺板状にされて強度がエンジンフード18の車両前側端部と同等以上に高くされると共に、車幅方向に沿って配置されて両端を車体フレーム(例えば一対のエプロンアッパメンバ)に固定されている。ラジエータサポートアッパ42は、バンパカバー12の上端12Aとエンジンフード18の前端18Aとの隙間20に車両後斜め下方の近い位置に配置されている。このため、ラジエータサポートアッパ42は、エンジンフード18の車両前後方向中間部を折れ変形させてエンジンフード18の前端18Aを車両後斜め下方(図4の矢印Pの方向)へ変位させる衝突体28の衝突によるエンジンフード18の変位範囲内に侵入した配置にされている。また、当該衝突体28がラジエータサポートアッパ42に当る際には、ラジエータサポートアッパ42の長手方向が湾曲変形される。
さらに、車両前部構造40では、上記第1の実施の形態における緩衝材30は設けられていない。
次に、本比較例の作用を説明する。
以上の構成の車両前部構造40では、車両側の衝突面28Aを矩形平面状にされた衝突体28が、車両の前斜め上方から、バンパカバー12に当り始めた後に、衝突面28Aがエンジンフード18の前端18Aに接した時点でラジエータサポートアッパ42から車両前側へ離間する角度で、エンジンフード18の前端18Aに衝突する。
ここで、ラジエータサポートアッパ42は、エンジンフード18の車両前後方向中間部を折れ変形させてエンジンフード18の前端18Aを車両後斜め下方(図4の矢印Pの方向)へ変位させる衝突体28の衝突によるエンジンフード18の変位範囲内に侵入した配置にされている。
このため、衝突体28の衝突によってエンジンフード18が変位されると、エンジンフード18がラジエータサポートアッパ42に当る。これにより、衝突体28のエンジンフード18及びラジエータサポートアッパ42との当り部分に荷重が集中作用して、衝突体28に局所的に大きな荷重が作用する(各瞬間に衝突体28に作用する全荷重を示す図3の線G参照)。
[第2の実施の形態]
図5には、本発明の第2の実施の形態に係る車両前部構造50が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両前部構造50は、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
車両前部構造50は、上記第1の実施の形態におけるラジエータサポートアッパ26に代えて、ラジエータサポート(強度部材)としてのラジエータサポートアッパ52を備えており、ラジエータサポートアッパ52は、断面が略平行四辺形の筒状にされて強度がエンジンフード18の車両前側端部と同等以上に高くされると共に、ラジエータサポートアッパ26と同様の固定状態、配置状態及び衝突体28による変形態様にされている。
また、車両前部構造50では、上記第1の実施の形態における緩衝材30は設けられていない。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
以上の構成の車両前部構造50では、車両側の衝突面28Aを矩形平面状にされた衝突体28が、車両の前斜め上方から、バンパカバー12に当り始めた後に、衝突面28Aがエンジンフード18の前端18Aに接した時点でラジエータサポートアッパ52から車両前側へ離間する角度で、エンジンフード18の前端18Aに衝突する。
ここで、ラジエータサポートアッパ52は、エンジンフード18の車両前後方向中間部を折れ変形させてエンジンフード18の前端18Aを車両後斜め下方(図5の矢印Pの方向)へ変位させる衝突体28の衝突によるエンジンフード18の変位範囲から離間する配置にされている。
このため、エンジンフード18が図5の二点鎖線の位置に変位されても、エンジンフード18とラジエータサポートアッパ52とが当ることがない。これにより、衝突体28のエンジンフード18との当り部分とラジエータサポートアッパ52との当り部分とに荷重が分散作用することで、衝突体28に局所的に大きな荷重が作用することを防止できる。
さらに、衝突体28がエンジンフード18とラジエータサポートアッパ52とに異なるタイミングで当る。このため、衝突体28のエンジンフード18との当り部分とラジエータサポートアッパ52との当り部分とに異なるタイミングで荷重が作用して、衝突体28に作用する荷重を時間的に分散できる。このため、特に大きな空間(エンジンフード18とラジエータサポートアッパ52との間の空間、エンジンルーム14内の搭載物が存在しない空間)を確保しなくても、効率良く衝突体28の衝撃荷重を吸収することができ、各瞬間に衝突体28に作用する全荷重のピーク(最大荷重)を小さくして、衝突体28(歩行者)に対する保護性能を向上させることができる。
[第3の実施の形態]
図6には、本発明の第3の実施の形態に係る車両前部構造60が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両前部構造60は、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
車両前部構造60は、上記第1の実施の形態におけるラジエータサポートアッパ26に代えて、ラジエータサポート(強度部材)としてのラジエータサポートアッパ62を備えており、ラジエータサポートアッパ62は、車両後側の本体材63と、車両前側の緩衝材64と、を有している。本体材63は断面が略L字形の長尺板状とされる一方、緩衝材64は長尺板状とされており、本体材63と緩衝材64とは、それぞれの車両上側端と車両下側端とにおいて、車幅方向にわたって固定されている。ラジエータサポートアッパ62は、ラジエータサポートアッパ26と同様の固定状態及び配置状態にされると共に、ラジエータサポートアッパ26よりも断面が大きくされて大型化されている。
緩衝材64の本体材63への各固定部64A以外の部位(各固定部64Aに隣設された各屈曲部64Bを含む)は、変形容易部62Aにされており、ラジエータサポートアッパ62の変形容易部62A以外の部位は、強度部62Bにされている。強度部62Bは、強度がエンジンフード18の車両前側端部と同等以上に高くされており、ラジエータサポートアッパ26と同様の衝突体28による変形態様にされている。
変形容易部62Aは、強度部62Bの車両前斜め上方に配置されると共に強度部62Bよりも車両前側へ突出しており、エンジンフード18の車両前後方向中間部を折れ変形させてエンジンフード18の前端18Aを車両後斜め下方(図6の矢印Pの方向)へ変位させる衝突体28が強度部62Bよりも早いタイミングで当る配置にされている。さらに、変形容易部62Aは、各屈曲部64B以外の部位において複数箇所(本実施の形態では6箇所)で車幅方向に沿って屈曲されることで、強度部62Bよりも潰れ強度が低くされており(変形容易にされており)、前記衝突体28が変形容易部62Aに当る際には緩衝材64が各屈曲部分(各屈曲部64Bを含む)の伸びにより潰れ変形される。
また、車両前部構造60では、上記第1の実施の形態における緩衝材30は設けられていない。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
以上の構成の車両前部構造60では、車両側の衝突面28Aを矩形平面状にされた衝突体28が、車両の前斜め上方から、バンパカバー12に当り始めた後に、衝突面28Aがエンジンフード18の前端18Aに接した時点でラジエータサポートアッパ62から車両前側へ離間する角度で、エンジンフード18の前端18Aに衝突する。
ここで、ラジエータサポートアッパ62は、エンジンフード18の車両前後方向中間部を折れ変形させてエンジンフード18の前端18Aを車両後斜め下方へ変位させる衝突体28の衝突によるエンジンフード18の変位範囲から離間する配置にされている。
このため、エンジンフード18が図6の二点鎖線の位置に変位されても、エンジンフード18とラジエータサポートアッパ62とが当ることがない。これにより、衝突体28のエンジンフード18との当り部分とラジエータサポートアッパ62との当り部分とに荷重が分散作用することで、衝突体28に局所的に大きな荷重が作用することを防止できる。
さらに、衝突体28がエンジンフード18とラジエータサポートアッパ62とに異なるタイミングで当る。このため、衝突体28のエンジンフード18との当り部分とラジエータサポートアッパ62との当り部分とに異なるタイミングで荷重が作用して、衝突体28に作用する荷重を時間的に分散できる。このため、特に大きな空間(エンジンフード18とラジエータサポートアッパ62との間の空間、エンジンルーム14内の搭載物が存在しない空間)を確保しなくても、効率良く衝突体28の衝撃荷重を吸収することができ、各瞬間に衝突体28に作用する全荷重のピーク(最大荷重)を小さくして、衝突体28(歩行者)に対する保護性能を向上させることができる。
また、衝突体28がラジエータサポートアッパ62の変形容易部62Aに強度部62Bよりも早いタイミングで当る。このため、ラジエータサポートアッパ62が変形容易部62Aで衝突体28の衝撃荷重を吸収するため、衝突体28に強度部62Bとの当りにより作用する荷重を小さくすることができ、衝突体28に局所的に大きな荷重が作用することを一層防止できる。
しかも、衝突体28がエンジンフード18にラジエータサポートアッパ62の強度部62Bよりも早いタイミングで当ると共に、衝突体28がラジエータサポートアッパ62の変形容易部62Aにエンジンフード18との当り終了時よりも早いタイミングで当る。このため、衝突体28のエンジンフード18との当り部分と変形容易部62Aとの当り部分とに荷重が分散作用することで、衝突体28にエンジンフード18との当りにより作用する荷重を小さくすることができ、衝突体28に局所的に大きな荷重が作用することを一層防止できる。
以上により、衝突体28に、バンパカバー12との当りによる荷重、エンジンフード18との当りによる荷重、ラジエータサポートアッパ62の変形容易部62Aとの当りによる荷重、及び、ラジエータサポートアッパ62の強度部62Bとの当りによる荷重が、この順番で作用する。これにより、各瞬間に衝突体28に作用する全荷重が基準荷重に近い期間を、長く維持することができる。
また、変形容易部62Aが、ラジエータサポートアッパ62の強度部62Bの車両前斜め上方において車幅方向にわたって設けられると共に、強度部62Bよりも変形容易にされている。このため、簡単に変形容易部62Aを設けることができる。
なお、本実施の形態において、変形容易部62Aに代えて、スリット等が形成されて脆弱にされた変形容易部を使用した構成としてもよい。
[第4の実施の形態]
図7には、本発明の第4の実施の形態に係る車両前部構造70が車両左側から見た断面図にて示されている。
本実施の形態に係る車両前部構造70は、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
車両前部構造70は、上記第1の実施の形態におけるラジエータサポートアッパ26に代えて、ラジエータサポート(強度部材)としてのラジエータサポートアッパ72を備えており、ラジエータサポートアッパ72は、断面が略平行四辺形の筒状にされて強度がエンジンフード18の車両前側端部と同等以上に高くされると共に、ラジエータサポートアッパ26と同様の固定状態、配置状態及び衝突体28による変形態様にされている。但し、ラジエータサポートアッパ72は、ラジエータサポートアッパ26よりも車両前側に配置されており、これにより、ラジエータサポートアッパ72は、エンジンフード18の車両前後方向中間部を折れ変形させてエンジンフード18の前端18Aを車両後斜め下方(図7の矢印Pの方向)へ変位させる衝突体28が通常エンジンフード18よりも早いタイミングで当る配置にされている。
さらに、車両前部構造70では、上記第1の実施の形態における緩衝材30は設けられていない。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
以上の構成の車両前部構造70では、車両側の衝突面28Aを矩形平面状にされた衝突体28が、車両の前斜め上方から、バンパカバー12に当り始めた後に、衝突面28Aがラジエータサポートアッパ72に接した時点でエンジンフード18から車両前側へ離間する角度で、エンジンフード18の前端18Aに衝突する。
ここで、ラジエータサポートアッパ72は、エンジンフード18の車両前後方向中間部を折れ変形させてエンジンフード18の前端18Aを車両後斜め下方へ変位させる衝突体28の衝突によるエンジンフード18の変位範囲から、衝突体28の衝突によって車両後斜め下方(図7の矢印Qの方向)へ変位されることで、離間する配置にされている。
このため、衝突体28の衝突によってラジエータサポートアッパ72及びエンジンフード18が変位されても、ラジエータサポートアッパ72とエンジンフード18とが当ることがない。これにより、衝突体28のラジエータサポートアッパ72との当り部分とエンジンフード18との当り部分とに荷重が分散作用することで、衝突体28に局所的に大きな荷重が作用することを防止できる。
さらに、衝突体28がラジエータサポートアッパ72とエンジンフード18とに異なるタイミングで当る。このため、衝突体28のラジエータサポートアッパ72との当り部分とエンジンフード18との当り部分とに異なるタイミングで荷重が作用して、衝突体28に作用する荷重を時間的に分散できる。このため、特に大きな空間(エンジンフード18とラジエータサポートアッパ72との間の空間、エンジンルーム14内の搭載物が存在しない空間)を確保しなくても、効率良く衝突体28の衝撃荷重を吸収することができ、各瞬間に衝突体28に作用する全荷重のピーク(最大荷重)を小さくして、衝突体28(歩行者)に対する保護性能を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る車両前部構造を示す車両左側から見た断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両前部構造におけるエンジンフードの長手方向中間部の折れ曲り状況を示す車両左側から見た断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両前部構造及び比較例に係る車両前部構造において、衝突体に作用する荷重と、衝突体の変位量(ストローク)と、の関係を示すグラフである。 比較例に係る車両前部構造を示す車両左側から見た断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る車両前部構造を示す車両左側から見た断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る車両前部構造を示す車両左側から見た断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る車両前部構造を示す車両左側から見た断面図である。
符号の説明
10 車両前部構造
14 エンジンルーム
18 エンジンフード(フード)
18A 前端(フードの車両前側端部)
25 ラジエータ
26 ラジエータサポートアッパ(ラジエータサポート)
28 衝突体
30 緩衝材(衝撃吸収部材)
50 車両前部構造
52 ラジエータサポートアッパ(ラジエータサポート)
60 車両前部構造
62 ラジエータサポートアッパ(ラジエータサポート)
62A 変形容易部
70 車両前部構造
72 ラジエータサポートアッパ(ラジエータサポート)

Claims (4)

  1. 車両前部のエンジンルームの車両上側を覆うフードと、
    前記エンジンルームの車両前側部位に配置されたラジエータの車両上側部位を支持し、前記フードの車両前側端部を車両後斜め下方へ変位させる衝突体の衝突による前記フードの変位範囲から離間する配置にされたラジエータサポートと、
    を備え、前記フードの変位範囲は、前記フードのヒンジを中心とした回動軌跡、及び、前記フードの車両前後方向中間部を屈曲中心として屈曲中心よりも車両前側部分において折れ曲る場合の回動軌跡の少なくとも一方とされた車両前部構造。
  2. 前記ラジエータサポートに衝撃吸収部材を固定した、ことを特徴とする請求項1記載の車両前部構造。
  3. 前記衝撃吸収部材は、前記ラジエータサポートの車両上側又は車両前側に配置されると共に、前記ラジエータサポートよりも潰れ強度又は曲げ強度が低い材料で構成された、ことを特徴とする請求項2記載の車両前部構造。
  4. 前記ラジエータサポートに変形容易部を形成した、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の車両前部構造。
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