JP4351337B2 - 大引用束金物、および大引の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅などの床の根太を支持する大引の施工方法と、この大引を支持する大引用束金物に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
建物の床下にあって、束石等の基礎上に設置され、大引を支持する束金物としては、例えば、実用新案登録第3031622号公報に記載のものが知られている。この公報に記載の束金物は、側面視略L字状の受板と土台板とをパイプ状のターンバックル部で連結した構造で形成されている。この束金物は、受板及び土台板に立設した正逆の雄ネジ部をターンバックル部の両端に形成した正逆の雌ネジ部にそれぞれ螺合した状態で、束石等の上に土台板を固定し、支持棒体を廻して土台板から受板に至る長さ、すなわち束金物の高さを調整する。調整後、各雄ネジ部に予め螺合しておいたナットを雌ネジ部に向けて締め付けて高さを固定し、大引の下面各部に宛って指示した受板に外方から釘等を打ち、大引と束金物との位置ずれを防ぐようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記公報に記載の技術では、束金物の高さを調整する場合、まず、土台板の下面に接着剤を塗布し、次いで、基礎に立設されたアンカーボルトを土台板のアンカーボルト挿通孔に挿通させながら、束金物の土台板を、地盤上に施行された基礎上に所定間隔で載置する。その後、アンカーボルトにナットを螺着させることによって、束金物を基礎上に固定させる。
次に、受板の下面と側面の双方に大引を当接させるように載置し、外方から釘を、受板に設けられた釘孔に貫通させ大引に打ち付けることにより、受板に大引を固定させる。この状態で、ターンバックル部を回転させて、このターンバックル部の両端に螺合された正逆の雄ねじを伸縮させ受板を上下動することにより、束金物の高さを調整した後、雄ネジに螺合されたナットを締め付ける。
【0004】
しかしながら、ターンバックル部を回転させ束金物を伸縮させる場合、雄ネジに螺合されたナットは、ターンバックル部の回転時には、回転することなく予め螺合された位置のままである。したがって、束金物の高さを縮めるように調整する場合において、ターンバックル部の両端部がナットの位置に到達すると、ナットがターンバックル部の端部に当接してターンバックル部の回転を妨げるので、ナットをターンバックルから離すように回す必要があり、よって束金物の長さの調整作業に手間がかかっていた。一方、束金物の高さを伸ばすように調整する場合においては、ナットとターンバックル部との距離が広がっていくので、調整後、ナットをターンバックル部に向けて締め付ける作業に手間がかかっていた。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、束金物の長さの調整作業を容易に行うことができる大引用束金物、および、この大引用束金物を用いた大引の施工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明の請求項1に記載された大引用束金物は、
例えば図1〜図12に示すように、
ほぼ垂直に立設される束金物本体2と、この束金物本体2の上端部に設けられて大引3(鋼製大引50)を受ける受部4とを備えた大引用束金物1(鋼製大引用束金物51)であって、
前記束金物本体2は、外周部に第1雄ねじ5が形成されかつ上端部に前記受部4が固定された第1軸部6と、外周部に前記第1雄ねじ5と逆ねじの第2雄ねじ7が形成されかつ下端部に支持板8が固定された第2軸部9と、
前記第1軸部6の第1雄ねじ5が上端部に螺合され、前記第2軸部9の第2雄ねじ7が下端部に螺合された調整ナット部10と、
前記第1雄ねじ5に、前記調整ナット部10の上方において螺合している上ナット部11と、この上ナット部11に設けられて、前記調整ナット部10の上端外周部に係合可能な上係合部12と、
前記第2雄ねじ7に、前記調整ナット部10の下方において螺合している下ナット部13と、この下ナット部13に設けられて、前記調整ナット部10の下端外周部に係合可能な下係合部14とを備え、
前記上係合部12は、前記上ナット部11が前記調整ナット部10に近接している場合に、この調整ナット部10の上端外周部に係合することで、前記上ナット部11を該調整ナット部10と共回りさせるようになっており、
前記下係合部14は、前記下ナット部13が前記調整ナット部10に近接している場合に、この調整ナット部10の下端外周部に係合することで、前記下ナット部13を該調整ナット部10と共回りさせるようになっていることを特徴とするものである。
【0007】
前記大引3は、その断面形状はどのような形状でもよいが、例えば、正方形状、長方形状、台形状、その他多角形状のものが望ましく、さらに、前記大引3の上下面は互いに平行であるのが望ましい。また、前記大引3は、木質のものでも良いし、鋼製のものでも良い。
【0008】
前記受部4は、前記大引3を支持し固定するものであるならばどのような形状のものでも良いが、例えば、前記大引3の下面3bが当接されて、該下面3bを下方から支持する底壁部15と、この底壁部15の両縁部にそれぞれ形成されて、前記大引3の両側面16、16にそれぞれ当接する側壁部17、17とで構成されているものが望ましい。また、前記受部4を構成する前記底壁部15の幅は、支持すべき前記大引3の下面3bの幅とほぼ等しく設定されている。
【0009】
前記支持板8は、例えば、地盤上に設置された基礎22から突出するアンカーボルト23、23を挿通して、ナット26等で螺合して締め付けられるものである。
前記調整ナット部10は、前記受部4の底壁部15と前記支持板8が固定される地盤との距離を設定することができるものであればよく、例えば、スリーブ状をなす軸のようなもので構成され、前記調整ナット部10を回転させることにより、該調整ナット部10からの前記第1雄ネジ5と前記第2雄ネジ7の突出長さを調整すればよい。
【0010】
請求項1記載の大引用束金物によれば、
前記上係合部12および下係合部14は、前記上ナット部11および下ナット部13が前記調整ナット部10に近接している場合に、該調整ナット部10の上端外周部および下端外周部に係合することで、前記上ナット部11および下ナット部13を前記調整ナット部10と共回りさせるようになっている。したがって、前記上係合部12および下係合部14を、前記調整ナット部10の上端外周部および下外周部に係合させた状態で、前記調整ナット部10を回転させて前記束金物本体2の高さを調整すると、前記上ナット部11および下ナット部13は、前記上係合部12および下係合部14を介して前記調整ナット部10と共回りして、該調整ナット部10に対して常に近接していることになる。よって、前記束金物本体2の高さを調整するために前記調整ナット部10を回転させる場合において、前記上ナット部11および下ナット部13がこの調整ナット部10に当接して、該調整ナット部10の回転を妨げることもなく、また、前記上ナット部11および下ナット部13と前記調整ナット部10との距離が広がっていくこともないので、調整後、前記上ナット部11および下ナット部13を前記調整ナット部10に容易に締め付けることができる。したがって、前記大引用束金物1の高さ調整作業を容易に行うことができる。
【0011】
請求項2記載の大引用束金物は、例えば図1、2および図4に示すように、請求項1記載の大引用束金物において、
前記調整ナット部10の上下端部は、それぞれ中間部27より小径の小径部28、28とされ、この小径部28、28と該中間部27との間はテーパ形状部29とされており、このテーパ形状部29に前記上下の係合部12、14が係合することで、前記上下のナット部11、13が前記調整ナット部10と共回りするように構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
前記テーパ形状部29は、円錐形状や角錐形状に形成されているのが望ましいが、テーパ形状であればどのような形状でもよい。また、前記調整ナット部10の上端部内周面および下端部内周面には、前記第1雄ねじ5と第2雄ねじ7が螺合する雌ねじ33、33が形成されるが、この雌ねじ33は前記小径部28の内周面に形成される。
【0013】
請求項2記載の大引用束金物によれば、
前記上下の係合部12、14が係合する部分が前記テーパ形状部29とされているので、これら上下の係合部12、14を前記調整ナット部10に近接させることによって、前記上下の係合部12、14を容易に該調整ナット部10に係合させて、前記上下のナット部11、13を該調整ナット部10と共回りさせることができる。
また、前記束金物本体2の高さの調整後、前記上下のナット部11、13を前記調整ナット部10に締め付けると、前記テーパ形状部29が前記上下の係合部12、14によって内側に押圧され、これによって前記調整ナット部10の上下の小径部28、28が内側に押されて、該調整ナット部10に螺合している前記第1雄ねじ5および第2雄ねじ7の振れを防止することができるとともに、前記調整ナット部10と前記第1雄ねじ5および第2雄ねじ7との螺合精度を高精度にすることができる。
【0014】
請求項3記載の大引用束金物は、例えば図1および図4に示すように、請求項1または2記載の大引用束金物において、
前記上下の係合部12、14は、前記上下のナット部11、13の外周部に周方向に所定間隔で形成された複数の舌部34…で構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
前記舌部34は、前記テーパ形状部29を覆う形状に形成されており、例えば、前記調整ナット部10のテーパ形状部29の外周部と係合することで、前記上下のナット部11、13が前記調整ナット部10と共回りする形状のものであるのが望ましい。
【0016】
請求項3記載の大引用束金物によれば、
前記上下の係合部12、14が、前記上下のナット部11、13の外周部に、周方向に所定間隔で形成された複数の舌部34…で構成されているので、前記調整ナット部10の上下端外周部の形状に応じて、該上下端外周部に係合可能な上下の係合部12、14を容易に形成することができるとともに、これら上下の係合部12、14を容易に前記調整ナット部10の上下端外周部に係合させることができる。
【0017】
請求項4記載の大引用束金物は、例えば図6〜図12に示すように、請求項1〜3のいずれかに記載の大引用束金物において、
前記受部4のうち少なくとも前記大引3(鋼製大引)と接触する部位には、樹脂層64が形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
前記樹脂層64は、例えば、耐水性、弾力性を有する合成樹脂から形成されるものであり、前記受部4のうち少なくとも前記大引3と接触する部位に被覆されるが、該受部4全体に被覆してもよい。
【0019】
請求項4記載の大引用束金物によれば、
前記受部4は、少なくとも前記大引3と接触する部位に、前記樹脂層64が形成されているので、前記大引3との接触部分に生じる摩擦からくる金属音を防止することができる。また、前記樹脂層64に前記大引3が密着するので、この大引3をより確実に支持することができる。
【0020】
請求項5記載の大引の施工方法は、例えば図3〜図6および図10〜図12に示すように、請求項1〜4のいずれかに記載の大引用束金物を用いて大引を施工する方法であって、
前記大引用束金物1(鋼製大引用束金物)の受部4によって前記大引3(鋼製大引)を受けるとともに、該大引用束金物1の前記支持板8を地盤上に設置固定し、
次いで、前記上下の係合部12、14を前記調整ナット部10に係合させた状態で、該調整ナット部10を回転させることで、前記上下のナット部11、13を回転させるとともに、前記第1軸部6と第2軸部9とを軸方向に互いに接近または離間させて、前記束金物本体2の高さを調整し、
次いで、前記上下のナット部11、13を前記調整ナット部10に圧接するようにして締め付けることを特徴とするものである。
【0021】
請求項5記載の大引の施工方法によれば、
前記大引用束金物1の受部4によって前記大引3を受けるとともに、該大引用束金物1の支持板8を地盤上に設置固定し、次いで、前記上下の係合部12、14を前記調整ナット部10に係合させた状態で、該調整ナット部10を回転させることで、前記第1軸部6と第2軸部9とを軸方向に互いに接近または離間させて、言い換えれば、該第1軸部6および第2軸部9の前記調整ナット部10からの突出長さを調整することで、前記束金物本体2の高さを調整することができる。そして、前記調整ナット部10を回転させて前記束金物本体2の高さを調整する場合において、前記上ナット部11および下ナット部13は、前記上係合部12および下係合部14を介して前記調整ナット部10と共回りして、該調整ナット部10に対して常に近接していることになる。よって、前記調整ナット部10を回転させる場合において、前記上ナット部11および下ナット部13が前記調整ナット部10に当接して、該調整ナット部10の回転を妨げることもなく、また、前記上ナット部11および下ナット部13と前記調整ナット部10との距離が広がっていくこともないので、調整後、前記上ナット部11および下ナット部13を前記調整ナット部10に容易に締め付けることができる。したがって、前記大引用束金物1の高さ調整作業を容易に行うことが出来る。
【0022】
請求項6記載の大引の施工方法は、例えば図3〜図5および図6、図12に示すように、請求項5記載の大引の施工方法において、
前記大引3(鋼製大引)に予め前記大引用束金物1…(鋼製大引用束金物)を取り付けておき、この大引3が取り付けられた前記大引用束金物1…を建設現場で、地盤上に設置固定することを特徴とするものである。
【0023】
請求項6記載の大引の施工方法によれば、
前記大引3には、予め前記大引用束金物1…が取付けられているので、建設現場での該大引用束金物1…の前記大引3への取付け作業を省くことができる。したがって、予め前記大引3に取付けられた前記大引用束金物1…の下端部を、地盤上に設置された前記基礎22に固定するだけで、容易に前記大引3を施行することができる。
また、前記大引用束金物1…は、前記大引3を建設現場に搬入する際、必要な数だけ該大引3に予め固定されているので、搬入すべき前記大引用束金物1の総数を間違うことがない。したがって、前記大引用束金物1を再度発注して建設現場に再搬入し、新たに該大引用束金物1…を前記大引3に取付けたりする手間を省くことができるとともに、余分な大引用束金物1…を搬入する手間と費用を省いたり、余分な大引用束金物1…が作業場に散乱して作業者の足元などの邪魔になるようなことを防ぐことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる大引用束金物および大引の施工方法における実施の形態例を、図1〜図12に基づいて説明する。
【0025】
(第1の実施の形態例)
本例の大引用束金物1は、図1〜図4に示すように、
ほぼ垂直に立設される束金物本体2と、この束金物本体2の上端部に設けられて大引3を受ける受部4とを備えて構成されており、
前記束金物本体2は、外周部に第1雄ねじ5が形成されかつ上端部に前記受部4が固定された第1軸部6と、外周部に前記第1雄ねじ5と逆ねじの第2雄ねじ7が形成されかつ下端部に支持板8が固定された第2軸部9と、
前記第1軸部6の第1雄ねじ5が上端部に螺合され、前記第2軸部9の第2雄ねじ7が下端部に螺合された調整ナット部10と、
前記第1雄ねじ5に、前記調整ナット部10の上方において螺合している上ナット部11と、この上ナット部11に設けられて、前記調整ナット部10の上端外周部に係合可能な上係合部12と、
前記第2雄ねじ7に、前記調整ナット部10の下方において螺合している下ナット部13と、この下ナット部13に設けられて、前記調整ナット部10の下端外周部に係合可能な下係合部14とが備えられている。
【0026】
前記大引3は、図3に示すように、長尺で、断面形状が正方形な木製の角材からなっており、その全表面にはインサイジング(例えば、大引の表面に示された点線)が施されている。ここでインサイジングとは、いわゆる木材に対して防腐処理を施す方法であり、その結果、木材は予め防腐・防虫機能を有する薬剤がしみ込ませられる。要するに、前記大引3の全表面は、複数の刃先が突設された刃物によって、所定のインサイジングパターンになるよう多数の切り傷が付けられ、その結果、木の軟組織が露出され、これら複数の傷から防腐・防虫機能を有する薬剤が注入されている。そして前記大引3は、前記大引用束金物1によって固定され、下方から支持されるよう地盤上に設置される。
【0027】
前記受部4は、前記大引3の下面3bが当接されて、該下面3bを下方から支持する底壁部15と、この底壁部15の両縁部にそれぞれ形成されて、前記大引3の両側面16、16にそれぞれ当接する側壁部17、17と、この側壁部17、17の外側および前記底壁部15の下方に膨出して、該側壁部17と該底壁部15を補強する補強リブ18とを備えて構成されている。
【0028】
前記底壁部15の下面には、前記束金物本体2の上端部、すなわち前記第1軸部6の上端部に螺合された前記第1雄ねじ5がプレート19を介して取付けられている。
また、前記側壁部17、17には、該側壁部17と前記大引3とを固定するためのネジ20…をねじ込み、挿通するための複数の孔30…が形成されている。そして、前記側壁部17、17の孔30…は、前記大引3の下面3bが前記大引用束金物1の受部4の前記底壁部15に当接するように載置された後、前記ネジ20…が挿通され前記大引3の両側面16、16に打ち込まれる。したがって、前記大引3は、前記大引用束金物1の左右両側から強固に固定され、前記大引用束金物1を取付けることができる。
【0029】
前記補強リブ18は、前記底壁部15の下面中央部に、該底壁部15の幅方向に延在するように形成されている。前記補強リブ18の両端部は、前記受部4の両側壁部17、17側に折曲されて、これら側壁部17、17を補強している。また、前記補強リブ18の中央には、前記束金物本体2の上端部、すなわち前記第1軸部6の上端部に螺合された前記第1雄ねじ5が、前記プレート19を介して取付けられている。
【0030】
前記束金物本体2の支持板8は、長方形状をなすベースプレート21であって、その両端部には地盤上に設置された基礎22から突出するアンカーボルト23、23を挿通するための孔24、24が形成されている。そして、前記ベースプレート21は、これを前記基礎22上に載置するとともに、該基礎22から突出する前記アンカーボルト23、23を前記孔24、24に挿通したうえで、各孔24から突出する前記アンカーボルト23の上端部に、座金25を挿通してナット26を螺合して締め付けることで、前記基礎22上に固定されるようになっている。
【0031】
前記調整ナット部10は、スリーブ状をなす筒形の金具であり、該調整ナット部10の上下端部には、それぞれ中間部27より小径の小径部28、28が、該小径部28、28と前記中間部27との間にはテーパ形状部29、29が設けられている。前記中間部27の断面形状は略四角形、前記小径部28の断面形状は円形となっている。
前記テーパ形状部29、29の外周面は、ほぼ円錐面状を成しており、該テーパ形状部29、29の下部には外側に若干膨出している膨出部31が、周方向に等間隔で4個形成されている。そして、前記上下のナット部11、13は、前記膨出部31を含むテーパ形状部29、29に係合することで、前記調整ナット部10と共回りするようになっている。
さらに、前記小径部28、28の内面は、前記上下の雄ねじ5、7と螺合する雌ねじ33、33が形成されている。
【0032】
前記上下の係合部12、14は、前記上下のナット部11、13の外周部に周方向に所定間隔で形成された複数の舌部34…で構成されている。前記舌部34…は、前記テーパ形状部29の外周を覆うような形状のもので、前記舌部34の下端側部が、前記テーパ形状部29の膨らみと係合することにより、前記上下のナット部11、13に回転規制が図られるので、前記上下のナット部11、13は前記調整ナット部10と共回りするようになっている。
【0033】
そして、前記調整ナット部10は、前記第1雄ねじ5と前記第2雄ねじ7を回転不能にしたうえで、前記調整ナット部10を正逆方向に回転させることで、前記第1雄ねじ5と前記第2雄ねじ7が該調整ナット部10の上下端部から伸縮し、これによって長さ調整ができるようになっている。この調整後、前記上下のナット部11、13を締め付けることで、前記調整ナット部10を回転不能、及び床鳴り防止に固定して前記束金物本体2の長さを決定できるようになっている。したがって、前記大引3の上面3aは、建築現場において前記束金物本体2の長さを調整することで、建築物を支持する布基礎35の上面35aとほぼ面一にすることができる。
【0034】
前記基礎22…は、図5に示すように、地盤上において平行に一定間隔で設置されており、各基礎22上には前記大引3に予め取付けられた前記大引用束金物1…が所定のピッチWで設置されている。このピッチWは、建物のモジュール寸法の整数倍に設定されており、例えばモジュール寸法を910mmとすると、その2倍の1820mmに設定されている。なお、モジュール寸法とは、建物のあらゆる部分を一定の大きさの倍数関係に整えようとするときの基準になる寸法のことをいい、上述した910mmの他に、1000mm、900mm、800mm等とされている。また、前記基礎22…は、図示してはいないが、建築物を支持する前記布基礎35と平行に一定間隔で設置されており、この間隔も上記のように建物のモジュール寸法の整数倍に設定されている。
【0035】
次に、前記大引用束金物1を用いて前記大引3を施行する方法を、図3〜図5において説明する。
まず、前記大引3の下面3bの必要個所に前記大引用束金物1…を、前記受部4の底壁部15に当接するように載置し、その後、前記受部4における側壁部17、17の孔30…に前記ネジ20…を挿通し、前記大引3の両側面16、16にねじ込むことにより、前記大引3に予め前記大引用床束1を取付ける。
【0036】
そして、前記基礎22…上に、前記大引3に予め取付けられた前記大引用束金物1…を設置したならば、前記上下の係合部12、14を前記調整ナット部10に係合させた状態で、該調整ナット部10を回転させることで、該調整ナット部10と前記上下のナット部11、13とを共回りさせるとともに、前記束金物本体2…の第1軸部6…と第2軸部9…とを正逆方向に回転させる。したがって、前記第1軸部6…と前記第2軸部9…は、軸方向に互いに接近または離間されて、前記束金物本体2…の長さは調整される。次いで、前記上下のナット部11、13を前記調整ナット部10に圧接するようにして締め付けることによって、前記大引3の上面3aを、前記布基礎35の上面35aとほぼ面一となるように各大引3の上面3aの高さを揃える。
【0037】
上記のように、前記大引3に予め取付けられた前記大引用束金物1…を、前記基礎22…上に固定したならば、互いに隣り合う前記大引3、3間に床パネル40を配置し、該床パネル40の両端部をそれぞれ前記大引3、3の上面3aの半分に乗せて固定する。同様に、前記床パネル40は、互いに隣り合う前記大引3と前記布基礎35の間に配置され、該床パネル40の両端部をそれぞれ前記大引3の上面3aと前記布基礎35の上面35aの半分に乗せて固定する。
前記床パネル40は、桟材(根太)41…を矩形状に組み立てるとともに、この矩形枠の内部に補強用の桟材を縦横に組み付けて枠体を構成し、この枠体の上面に合板などの面材を貼設したものであり、前記上面3a、35aには前記床パネル40の桟材41を乗せるようにする。したがって、前記床パネル40においては、前記上面3a、35aに乗せる前記桟材41が、通常の軸組み工法における床の根太に対応する。また、前記床パネル40はその縦の長さを1820mmに、横の長さを910mmに設定している。
【0038】
一方、前記基礎22上に設置されている複数の大引用床束1…のピッチWは、モジュール寸法である910mmの2倍の1820mmに設定されているので、該大引用床束1…に支持されている複数の大引3…のピッチも1820mmとなる。
したがって、互いに隣り合う大引3、3の上面3a、3aの半分にそれぞれ前記床パネル40の双方の端部を設置することで、全ての隣り合う大引3、3上に前記床パネル40…を隙間無くピッタリと納めることができる。
さらに、前記大引3の長さをモジュール寸法の910mmの整数倍に設定すれば、この大引3の長さ方向においても、前記床パネル40…を隙間無くピッタリと納めることができる。
【0039】
また、前記布基礎35は、図示してはいないが、前記基礎22上に設置されている前記大引3とのピッチが、モジュール寸法の整数倍に設定されているので、互いに隣り合う前記上面3a、35aの半分にそれぞれ前記床パネル40の双方の端部を設置することで、全ての隣り合う前記大引3と前記布基礎35上に前記床パネル40…を隙間無くピッタリと納めることができる。
【0040】
以上のように、本発明に係わる大引の施工方法によれば、
前記上係合部12および下係合部14が、該調整ナット部10の上端外周部および下端外周部に係合することで、前記上ナット部11および下ナット部13は前記調整ナット部10と共回りする。したがって、該調整ナット部10を回転させると、前記上ナット部11および下ナット部13は、前記調整ナット部10に当接して該調整ナット部10の回転を妨げることもなく、また、前記上ナット部11および下ナット部13と該調整ナット部10との距離が広がっていくこともないので、調整後、この上ナット部11および下ナット部13を前記調整ナット部10に容易に締め付けることができる。したがって、前記大引用束金物1の高さ調整作業を容易に行うことができる。
また、前記上下の係合部12、14が係合する部分は前記テーパ形状部29とされているので、前記束金物本体2の高さの調整後、前記上下のナット部11、13を前記調整ナット部10に締め付けると、前記テーパ形状部29が前記上下の係合部12、14によって内側に押圧され、これによって前記調整ナット部10の上下の小径部28、28が内側に押される。したがって、前記調整ナット部10に螺合している第1雄ねじ5および第2雄ねじ7の振れを防止することができるとともに、該調整ナット部10と前記第1雄ねじ5および第2雄ねじ7との螺合精度を高精度にすることができる。
さらに、前記上下の係合部12、14が、前記上下のナット部11、13の外周部に、周方向に所定間隔で形成された複数の舌部34…で構成されているので、前記調整ナット部10の上下端外周部の形状に応じて、該上下端外周部に係合可能な上下の係合部12、14を容易に形成することができるとともに、これら上下の係合部12、14を容易に前記調整ナット部10の上下端外周部に係合させることができる。
【0041】
そして、前記大引3に予め前記大引用束金物1…が取付けられているので、建設現場での該大引用束金物1…の前記大引3への取付け作業を省くことができるとともに、前記大引用束金物1は、必要な数だけ該大引3に予め固定されているので、搬入すべき前記大引用束金物1の総数を間違えることがない。
また、前記大引3の上面3aが、建築物を支持する前記布基礎35の上面35aとほぼ面一であり、前記桟材(根太)41は、前記布基礎35と前記大引3によって下方から支持されるので、前記桟材41を介して下方に伝達される建物の重量は、該布基礎35と該大引3に分散される。したがって、前記大引3に対して大きな負担をかけることなく前記大引3を施行することができる。
【0042】
(第2の実施の形態例)
第2の実施の形態では、図6〜図12に示すように、まず前記大引3が鋼製大引50であり、また、この鋼製大引50に取付けられる前記大引用束金物1…が鋼製大引用束金物51…であり、この鋼製大引用束金物51を用いて前記鋼製大引50が施行されている。
【0043】
前記鋼製大引50は、中空の長尺な筒体であり、その横断面は略長方形状に形成されている。前記鋼製大引50の上面50aには、図10および図11に示すように、該鋼製大引50の長手方向に沿った窪み52が、この鋼製大引50の一方の端部から他方の端部まで連続して形成されている。この窪み52の底部は、段部53、53を境とした2段構成となっており、上段のビス止め時支持面54、54と、下段のビス止め面55とを有している。このうち、前記ビス止め時支持面54、54は、前記床パネル40の桟材41(根太)を前記ビス止め面55にビス止めした時に該ビス止め面55が上方に引っ張られた際に、前記鋼製大引50の下面50b、50bと平行になるとともに前記桟材41の下面に当接して、該桟材41を下方から支持するものである。また、前記ビス止め時支持面54、54が前記鋼製大引50の下面50bと平行になった状態では、これらビス止め時支持面54、54が互いに面一となるようになっている。
【0044】
また、前記窪み52の両側には通常時支持面56、56が形成されている。この通常時支持面56、56は、前記鋼製大引50の長手方向に沿って、一方の端部から他方の端部まで連続して形成されており、互いに面一に形成されている。これら通常時支持面56、56は、前記床パネル40を前記窪み52の底部にビス止めしない通常時には前記下面50b、50bと平行であるとともに前記床パネル40の下面に当接して、該床パネル40を下方から支持するものである。
【0045】
つまり、前記鋼製大引50は、前記床パネル40の桟材41を前記窪み52の底部にビス止めした箇所においても、ビス止めしない箇所においても、ともに前記床パネル40の下面を前記ビス止め時支持面54、54または前記通常時支持面56、56によって面支持することができるように構成されたものである。
【0046】
前記鋼製大引50の両側壁57、58の双方には、該鋼製大引50を下方から支持する、後述する鋼製大引用束金物51が係合する係合部59、60が形成されている。
これら係合部59、60は、前記両側壁57、58の双方にそれぞれ形成された、前記鋼製大引50の長手方向に沿う凹溝であり、前記係合部59、60どうしは、前記鋼製大引50の下面50bからの高さが等しく設定されている。つまり、前記鋼製大引50の両側壁57、58には、左右対称に前記係合部59、60が形成されている。
【0047】
前記鋼製大引50の下面50bには開口部61が形成されている。この開口部61は、前記鋼製大引50の長手方向に沿って、その一方の端部から他方の端部まで連続して形成されたものであり、前記開口部61の両側にはそれぞれ前記鋼製大引50の下面50bに対して垂直に起立する起立壁62、62が該鋼製大引50の長手方向に沿って連続して形成されている。
【0048】
前記鋼製大引用束金物51が、前記大引用束金物1と異なる点は、受部63の形状であり、その他の点は同様である。よって、前記鋼製大引用束金物51の各構成要素のうち、前記大引用束金物1と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0049】
前記鋼製大引用束金物51は、図12に示すように、地盤上に垂直に立設された前記束金物本体2と、この束金物本体2の上端部に設けられて前記鋼製大引50を受ける前記受部63とから構成されており、前記受部63の表面全体には、樹脂層64が流動浸漬法によって形成されている。
【0050】
前記受部63は、図10および図11に示すように、前記鋼製大引50の下面50bが当接されて、該下面50bを下方から支持する底壁部65と、この底壁部65の両縁部にそれぞれ形成されて、前記鋼製大引50の両側壁57、58にそれぞれ当接する側壁部66、66と、この側壁部66、66の外側および前記底壁部65の下方に膨出して、該側壁部66と該底壁部65を補強する補強リブ67とを備えて構成されている。さらに、前記受部63は、前記鋼製大引50の両側壁57、58に形成された前記係合部59、60にそれぞれ係合する被係合部68、69と、該鋼製大引50の係合部59、60に該被係合部68、69が係合した後に、該鋼製大引50の下面50bの前記開口部61に挿入される挿入部70とを備えて構成されている。
【0051】
前記補強リブ67は、前記底壁部65の下面中央部に、該底壁部65の幅方向に延在するように形成されている。前記補強リブ67の両端部は、前記受部63の両側壁部66、66側に折曲されて、これら側壁部66、66を補強している。また、前記補強リブ67の中央には、前記束金物本体2の上端部、すなわち前記第1軸部6の上端部に螺合された前記第1雄ねじ5が、前記プレート19を介して取付けられている。
【0052】
前記被係合部68、69は、前記底壁部65の両縁部からそれぞれ垂直に起立するように形成されている前記側壁部66、66の各上端部から、内側に突出するようにして形成されている。
【0053】
前記挿入部70は、前記受部63を構成する前記底壁部65前後の縁部に、該底壁部65より下方に曲げて形成されたもので、側面視において略L字状に形成され、その先端部は前記鋼製大引50の前記開口部61に挿入し易くするために、先端ほど幅が狭くなるように形成されている。
また、前記挿入部70は、前記底壁部65に前記鋼製大引50の下面50bを当接させた後に、該底壁部65より上方に曲げることで、前記鋼製大引50の下面50bに形成された前記開口部61に挿入されるようになっている。さらに、前記挿入部70の幅は、前記開口部61の幅とほぼ等しいか若干広めに形成されている。
【0054】
そして、前記受部63は、前記樹脂層64が流動浸漬法によって被覆されており、その厚さは500μm±0.15mmに設定されている。また、該樹脂層64の組成は、ポリエチレン80重量%、発泡材10重量%、酢酸ビニール10重量%に調整されている。
前記ポリエチレン、酢酸ビニールは、加工性に優れた熱可塑性樹脂であり、合成樹脂の中では比重が小さく機械的強度が比較的大きい。前記発泡材は、熱や化学反応によって気泡を発生して多孔質の物体を製造するものであり、得られる発砲体(樹脂層)は柔軟なものとなる。
【0055】
前記受部63は、所定の温度に予備加熱された後、流動浸漬法で使用する流動浸漬装置に搬送される。この流動浸漬装置は、空気を吹き込むための通気性底壁を有し粉体を収容する粉体収容槽を備えており、この粉体収容槽内に、前記ポリエチレン・酢酸ビニール・発泡材が合成樹脂材料の粉体として収容される。前記ポリエチレン・酢酸ビニール・発泡材の粉体は、前記粉体収容槽内に所定の圧力で吹き込まれた空気によって流動化される。前記受部63は、前記粉体収容槽の所定の位置に浸漬されることにより、粉体が被着されるとともにこの粉体が熱により一部溶融し、前記受部63の表面に均一に被着される。そして、このようにして粉体の被着された前記受部63は、後工程でさらに加熱され、冷却後前記樹脂層64が被覆される。
【0056】
次に、前記鋼製大引用束金物51を用いて前記鋼製大引50を施行する方法について、図6および図10〜図12において説明する。
前記鋼製大引50の下面50bは、前記受部63の底壁部65に対して傾けるようにして前記受部63に挿入することで、該鋼製大引50の一方の係合部59を、前記受部63の一方の被係合部68に係合する。
さらに、前記鋼製大引50を、前記受部63の一方の被係合部68を支点として、鉛直面内において押し込むようにして回転させることで、前記鋼製大引50の他方の係合部60を、前記受部63の他方の被係合部69に係合するとともに、前記鋼製大引50の両側壁57、58および下面50bをそれぞれ前記受部63の両側壁部66、66および底壁部65に当接する。このように、前記鋼製大引50を回転させると、該鋼製大引50の下面50bに前記開口部61が形成されているので、該鋼製大引50の両側壁57、58が内側に弾性的に撓むことで、前記係合部59、60に前記鋼製大引用束金物51の被係合部68、69が容易に係合していき、係合した際に前記両側壁57、58が弾性復帰することで、前記係合部59、60に前記被係合部68、69が確実に係合する。
【0057】
上記のようにして、前記鋼製大引50の係合部59、60を、前記鋼製大引用束金物51の被係合部68、69に係合したならば、該鋼製大引用束金物51の前記受部63の前記底壁部65に形成された前記挿入部70、70を下方から金槌等によって上方に叩き上げることで、該挿入部70、70を前記鋼製大引50の開口部61に挿入する。
前記受部63の挿入部70、70を、前記鋼製大引50の開口部61に挿入すると、該開口部61の前記挿入部70、70が挿入された部分は、該挿入部70、70によって塞がれることになる。したがって、前記受部63に前記鋼製大引50を装着した後は、この鋼製大引50の両側壁57、58が互いに内側に曲がることを防止されるので、これら側壁57、58に形成された係合部59、60が、前記受部63の被係合部68、69から外れることを防止することができ、より確実に前記鋼製大引50が前記受部63に装着される。
【0058】
前記基礎22…は、図12に示すように、地盤上に平行に一定間隔で設置されており、各基礎22上には前記鋼製大引50が予め取付けられた鋼製大引用束金物51…が、建物のモジュール寸法の整数倍に設定されたピッチで設置されている。
前記基礎22上に前記鋼製大引用束金物51を設置固定するには、図4に示すように、前記大引用束金物1と同様にして、該鋼製大引用束金物51の前記ベースプレート21を前記基礎22上に載置するとともに、該基礎22から突出する前記アンカーボルト23、23を前記ベースプレート21に形成された前記孔24、24に挿通したうえで、各孔24から突出する前記アンカーボルト23の上端部に、前記座金25を挿通して前記ナット26を螺合して締め付けることで行われている。
【0059】
次に、前記調整ナット部10…を正逆方向に回転させて、前記束金物本体2…の長さを調整することで前記受部63…を若干昇降させ、これによって、各鋼製大引50の水平出しの調整を行い、この調整終了後、前記第1雄ねじ5、第2雄ねじ7に螺合している前記上下のナット部11、13を締め付けることで、床鳴りを防止するとともに、前記調整ナット部10を回転不能に固定して前記束金物本体2の長さを決定して、各鋼製大引50の水平出しを終了する。
【0060】
上記のように、前記鋼製大引50に予め取付けられた前記鋼製大引用束金物51…を、前記基礎22…上に固定したならば、互いに隣り合う前記鋼製大引50、50間に前記床パネル40を配置し、この床パネル40の両端部をそれぞれ前記鋼製大引50、50の上面50aの半分に乗せて固定する。同様に、前記床パネル40は、互いに隣り合う前記鋼製大引50と前記布基礎35の間に配置され、該床パネル40の両端部をそれぞれ前記鋼製大引50の上面50aと前記布基礎35の上面35aの半分に乗せて固定する。
【0061】
したがって、互いに隣り合う鋼製大引50、50の上面50a、50aの半分にそれぞれ前記床パネル40の双方の端部を設置することで、全ての隣り合う鋼製大引50、50上に前記床パネル40…を隙間無くピッタリと納めることができる。さらに、前記鋼製大引50の長さをモジュール寸法の910mmの整数倍に設定すれば、この鋼製大引50の長さ方向においても、前記床パネル40…を隙間無くピッタリと納めることができる。
【0062】
また、前記布基礎35は図示してはいないが、前記基礎22上に設置されている前記鋼製大引50とのピッチが、モジュール寸法の整数倍に設定されているので、互いに隣り合う前記上面35a、50aの半分にそれぞれ前記床パネル40の双方の端部を設置することで、全ての隣り合う鋼製大引50と前記布基礎35上に前記床パネル40…を隙間無くピッタリと納めることができる。
【0063】
以上のように、本発明に係わる前記鋼製大引50の施工方法によれば、
前記鋼製大引50は、中空の長尺な筐体の形状であるので、前記鋼製大引用束金物51が予め取付けられていても、その全重量を軽量にすることができる。したがって、持ち運びに負担がかからず、また、建築現場において前記鋼製大引50を容易に移動することができる。
また、前記鋼製大引50を受ける前記受部63の、少なくとも該鋼製大引50と接触する部位に、前記流動浸漬法によって均一で比較的厚い前記樹脂層64が容易に形成されているので、該鋼製大引50との接触部分に生じる摩擦からくる金属音を防止することができる。また、前記樹脂層64は弾力性を伴っているので、該樹脂層64に前記鋼製大引50が密着し、この鋼製大引50をより確実に支持することができる。さらに、前記樹脂層64は、前記発泡材によって発泡しているので、前記受部63と前記鋼製大引50との間に断熱効果を期待できる。
【0064】
さらに、前記受部63の底壁部65は、前記補強リブ67によって補強されているので、前記鋼製大引50から下方に加わる荷重を、前記受部63によって強固に支持することができる。また、前記受部63には、前記被係合部68、69が設けられているので、前記鋼製大引50を該受部63に装着する際に、該被係合部68、69を、該鋼製大引50の係合部59、60に係合させることで、ボルトや釘等を使用することなく、該鋼製大引50を前記受部63に固定することができる。
そして、前記鋼製大引50の係合部59、60に前記被係合部68、69が係合された後、前記挿入部70が、前記鋼製大引50の開口部61に挿入されるので、該開口部61は該挿入部70によって塞がれることになる。したがって、前記受部63に前記鋼製大引50を装着した後は、この鋼製大引50の両側壁57、58が互いに内側に曲がることを防止されるので、より確実に該鋼製大引50を前記受部63に装着することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明に係わる大引用束金物によれば、
前記上係合部および下係合部は、前記上ナット部および下ナット部が前記調整ナット部に近接している場合に、該調整ナット部の上端外周部および下端外周部に係合することで、前記上ナット部および下ナット部を前記調整ナット部と共回りさせるようになっている。したがって、前記上係合部および下係合部を、前記調整ナット部の上端外周部および下外周部に係合させた状態で、前記調整ナット部を回転させて前記束金物本体の高さを調整すると、上ナット部および下ナット部は上係合部および下係合部を介して前記調整ナット部と共回りして、該調整ナット部に対して常に近接していることになる。よって、束金物本体の高さを調整するために調整ナット部を回転させる場合において、上ナット部および下ナット部が調整ナット部に当接して該調整ナット部の回転を妨げることもなく、また、上ナット部および下ナット部と調整ナット部との距離が広がっていくこともないので、調整後、上ナット部および下ナット部を調整ナット部に容易に締め付けることができる。したがって、大引用束金物の高さ調整作業を容易に行うことができる。
【0066】
請求項2記載の発明に係わる大引用束金物によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、
上下の係合部が係合する部分がテーパ形状部とされているので、上下の係合部を調整ナット部に近接させることによって、上下の係合部を容易に調整ナット部に係合させて、上下のナット部を調整ナット部と共回りさせることができる。
また、束金物本体の高さの調整後、上下のナット部を調整ナット部に締め付けると、前記テーパ形状部が上下の係合部によって内側に押圧され、これによって調整ナット部の上下の小径部が内側に押されて、該調整ナット部に螺合している第1雄ねじおよび第2雄ねじの振れを防止することができるとともに、調整ナット部と第1および第2雄ねじとの螺合精度を高精度にすることができる。
【0067】
請求項3記載の発明に係わる大引用束金物によれば、請求項1または2と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、
前記上下の係合部が、前記上下のナット部の外周部に、周方向に所定間隔で形成された複数の舌部で構成されているので、前記調整ナット部の上下端外周部の形状に応じて、該上下端外周部に係合可能な上下の係合部を容易に形成することができるとともに、上下の係合部を容易に調整ナット部の上下端外周部に係合させることができる。
【0068】
請求項4記載の発明に係わる大引用束金物によれば、請求項1〜3と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、
前記受部は、少なくとも前記大引と接触する部位に、前記樹脂層が形成されているので、前記大引との接触部分に生じる摩擦からくる金属音を防止することができる。また、前記樹脂層に前記大引が密着するので、この大引をより確実に支持することができる。
【0069】
請求項5記載の発明に係わる大引の施工方法によれば、請求項1〜4のいずれかと同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、
前記大引用束金物の受部によって大引を受けるとともに、該大引用束金物の支持板を地盤上に設置固定し、次いで、前記上下の係合部を前記調整ナット部に係合させた状態で、該調整ナット部を回転させることで、前記第1軸部と第2軸部とを軸方向に互いに接近または離間させて、言い換えれば、第1軸部および第2軸部の調整ナット部からの突出長さを調整することで、前記束金物本体の高さを調整することができる。
そして、前記調整ナット部を回転させて前記束金物本体の高さを調整する場合において、上ナット部および下ナット部は上係合部および下係合部を介して調整ナット部と共回りして、該調整ナット部に対して常に近接していることになる。よって、前記調整ナット部を回転させる場合において、上ナット部および下ナット部が調整ナット部に当接して該調整ナット部の回転を妨げることもなく、また、上ナット部および下ナット部と調整ナット部との距離が広がっていくこともないので、調整後、上ナット部および下ナット部を調整ナット部に容易に締め付けることができる。したがって、前記大引用束金物の高さ調整作業を容易に行うことが出来る。
【0070】
請求項6記載の発明に係わる大引の施工方法によれば、請求項5と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、
前記大引には、予め前記大引用束金物が取付けられているので、建設現場での該大引用束金物の前記大引への取付け作業を省くことができる。したがって、予め前記大引に取付けられた前記大引用束金物の下端部を、地盤上に設置された前記基礎に固定するだけで、容易に前記大引を施行することができる。
また、前記大引用束金物は、前記大引を建設現場に搬入する際、必要な数だけ該大引に予め固定されているので、搬入すべき前記大引用束金物の総数を間違うことがない。したがって、前記大引用束金物を再度発注して建設現場に再搬入し、新たに該大引用束金物を前記大引に取付けたりする手間を省くことができるとともに、余分な大引用束金物を搬入する手間と費用を省いたり、余分な大引用束金物が作業場に散乱して作業者の足元などの邪魔になるようなことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる大引用束金物の一例を示すもので、束金物本体の一部を示す斜視図である。
【図2】同、束金物本体の調整ナット部を示す正面図である。
【図3】本発明に係わる大引の施工方法の一例を示すもので、大引に予め取付けられた大引用束金物を示す斜視図である。
【図4】同、大引に予め取付けられた大引用束金物が基礎上に立設された状態を示す正面図である。
【図5】同、基礎上に立設された大引上に、床パネルが載置された状態を示す斜視図である。
【図6】同、鋼製大引に予め取付けられた鋼製大引用束金物を示す斜視図である。
【図7】本発明に係わる大引用束金物の一例を示すもので、鋼製大引用束金物の受部を示す斜視図である。
【図8】同、底壁の断面図である。
【図9】同、受部の側断面図である。
【図10】本発明に係わる鋼製大引用束金物の受部に、鋼製大引を挿入する前の状態を示す正面図である。
【図11】本発明に係わる鋼製大引用束金物の挿入部を、鋼製大引の開口部に挿入した状態を示す正面図である。
【図12】本発明に係わる大引の施工方法の一例を示すもので、基礎上に立設された鋼製大引上に、床パネルが載置された状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 大引用束金物
2 束金物本体
3 大引
4 受部
5 第1雄ねじ
6 第1軸部
7 第2雄ねじ
8 支持板
9 第2軸部
10 調整ナット部
11 上ナット部
12 上係合部
13 下ナット部
14 下係合部
27 中間部
28 小径部
29 テーパ形状部
34 舌部
64 樹脂層
Claims (6)
- ほぼ垂直に立設される束金物本体と、この束金物本体の上端部に設けられて大引を受ける受部とを備えた大引用束金物であって、
前記束金物本体は、外周部に第1雄ねじが形成されかつ上端部に前記受部が固定された第1軸部と、外周部に前記第1雄ねじと逆ねじの第2雄ねじが形成されかつ下端部に支持板が固定された第2軸部と、
前記第1軸部の第1雄ねじが上端部に螺合され、前記第2軸部の第2雄ねじが下端部に螺合された調整ナット部と、
前記第1雄ねじに、前記調整ナット部の上方において螺合している上ナット部と、この上ナット部に設けられて、前記調整ナット部の上端外周部に係合可能な上係合部と、
前記第2雄ねじに、前記調整ナット部の下方において螺合している下ナット部と、この下ナット部に設けられて、前記調整ナット部の下端外周部に係合可能な下係合部とを備え、
前記上係合部は、前記上ナット部が前記調整ナット部に近接している場合に、この調整ナット部の上端外周部に係合することで、前記上ナット部を該調整ナット部と共回りさせるようになっており、
前記下係合部は、前記下ナット部が前記調整ナット部に近接している場合に、この調整ナット部の下端外周部に係合することで、前記下ナット部を該調整ナット部と共回りさせるようになっていることを特徴とする大引用束金物。 - 請求項1記載の大引用束金物において、
調整ナット部の上下端部は、それぞれ中間部より小径の小径部とされ、この小径部と該中間部との間はテーパ形状部とされており、このテーパ形状部に上下の係合部が係合することで、上下のナット部が前記調整ナット部と共回りするように構成されていることを特徴とする大引用束金物。 - 請求項1または2記載の大引用束金物において、
上下の係合部は、上下のナット部の外周部に周方向に所定間隔で形成された複数の舌部で構成されていることを特徴とする大引用束金物。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の大引用束金物において、
受部のうち少なくとも大引と接触する部位には、樹脂層が形成されていることを特徴とする大引用束金物。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の大引用束金物を用いて大引を施工する方法であって、
前記大引用束金物の受部によって前記大引を受けるとともに、該大引用束金物の支持板を地盤上に設置固定し、
次いで、上下の係合部を調整ナット部に係合させた状態で、該調整ナット部を回転させることで、上下のナット部を回転させるとともに、第1軸部と第2軸部とを軸方向に互いに接近または離間させて、束金物本体の高さを調整し、
次いで、前記上下のナット部を前記調整ナット部に圧接するようにして締め付けることを特徴とする大引の施工方法。 - 請求項5記載の大引の施工方法において、
前記大引に予め大引用束金物を取り付けておき、この大引が取り付けられた大引用束金物を建設現場で、地盤上に設置固定することを特徴とする大引の施工方法。
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