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JP4351646B2 - 被覆組成物 - Google Patents
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JP4351646B2 - 被覆組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、被覆組成物に関する。より詳しくは、塗工した後の塗工層中の残留溶剤量が少ない被覆組成物に関する。
食品包装の分野では、ベースフィルムと呼ばれる印刷基材フィルムにインキ組成物を印刷して印刷層を形成した後、熱融着性のシーラントフィルムと呼ばれるシール材を積層して包装材料とし、更に端部を溶融圧着させて製袋したラミネート構造を有する包装袋が多く利用されている。このような包装袋では、印刷層がベースフィルムとシーラントフィルムとの間で密封された状態となるので、印刷層中にインキ等に含まれる溶剤が残留し易くなる。そして、残留した溶剤や顔料から溶出する成分がシーラント層を透過して、袋内に移行すると、開封時に不快な臭気を与え、また、異臭等の食品の品質異常の原因にもなる。
このような問題に対し、従来から、印刷層等の塗工層中に溶剤が極力残留しないように樹脂組成を検討したり、溶剤が極力移行しないように包装材料の構成を検討したりすることにより解決が図られてきた(例えば特許文献1、2、3及び4参照)。
例えば、ラミネート構造を有する包装袋において、ガスバリア性を有する樹脂に無機層状化合物等を添加して、迷路効果によりガスの透過を抑えるガスバリア層を設けて印刷インキ層中の残留溶剤の移行を防止する試みも成されている。しかしながらガスバリア層を含む包装袋では、印刷インキ層中に残留溶剤があれば透過せずに包装袋中に残り続ける状態となり、包装袋の耐性に影響を及ぼす可能性があることから、より残留溶剤量が少ないインキ組成物を使用することが求められている。さらに、ガスバリア層そのものの中に含まれる溶剤はシール材層を透過する可能性があり、ガスバリア層を形成するガスバリア性塗工剤についても残留溶剤量を低減することが課題である。
一方、溶剤の安全性の観点からも改良が試みられており、近年では、環境問題への関心の高まりから、従来使用されてきた有機溶剤系から、より環境にやさしい溶剤としてアルコール系への代替が進んでおり、新たな系での検討が行われている。
本来、インキ組成物やガスバリア性塗工剤等の被覆組成物に使用する溶剤の選択においては、用いる樹脂を溶解できるか否かが第一に検討される。その上で、揮発性が高い溶剤の方が溶剤が残留しにくいことから、従来は比較的炭素数が少ないアルコールを用いることで、アルコール系溶剤を用いる場合においても残留溶剤量の低減が図られている。しかし市場ではアルコール系溶剤に対しても残量溶剤量の低減に対する要求が次第に厳しくなりつつあり、印刷適性、後加工適性等現状の品質を維持しながらも、さらに残留溶剤量を削減することが求められている。
特開2004−175867号公報 特開平5−222330号公報 特開2003−276124号公報 特開2004−322601号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、残留溶剤量の少ない被覆組成物を提供することを目的とする。より詳しくは、塗工した後の塗工層中の残留溶剤量が少ない被覆組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、アルコール成分を含む溶剤に樹脂を溶解した被覆組成物であって、当該溶剤中にターシャリーブチルアルコールを全溶剤量に対して1〜50質量%含有することを特徴とする被覆組成物を用いることにより、被覆組成物塗工後の品質、性状を損なわず、塗工層中の残留溶剤量を大幅に低減することを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、(1)樹脂及び溶剤を含有する水性被覆組成物において、上記溶剤が少なくともターシャリーブチルアルコールを含むアルコール成分を含有し、上記溶媒中にターシャリーブチルアルコールを全溶剤量に対して5〜30質量%と、炭素数1〜3のアルコールとを含有することを特徴とする水性被覆組成物に関する。
また、本発明は、(2)上記樹脂が高水素結合性樹脂であることを特徴とする上記(1)項記載の被覆組成物に関する。
また、本発明は、(3)上記高水素結合性樹脂が、ポリビニルアルコール系重合体樹脂又はエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂であることを特徴とする上記(2)項記載の被覆組成物に関する。
また、本発明は、(4)上記樹脂がポリビニルアルコール系重合体樹脂又はエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂であり、
上記溶剤が少なくともターシャリーブチルアルコールを含むアルコール成分と水を含有し、上記アルコール成分/水の含有比率(質量比)が30/70〜70/30であることを特徴とする上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の被覆組成物に関する。
また、本発明は、(5)無機層状化合物を含有する上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の被覆組成物に関する。
また、本発明は、()さらに着色剤を含有する上記(1)〜()項のいずれかに記載の水性被覆組成物に関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明にかかる被覆組成物は、樹脂及び溶剤を含有する被覆組成物において、上記溶剤が少なくともターシャリーブチルアルコールを含むアルコールを含有し、上記溶媒中にターシャリーブチルアルコールを全溶剤量に対して1〜50質量%含有することを特徴とする被覆組成物である。上記被覆組成物には印刷基材フィルムに印刷する表刷りやラミネート用等を含む印刷インキ組成物、及び、ガスバリア性塗工剤や各種コーティング用塗工剤等が含まれる。本発明の被覆組成物は、特に食品包装材料用被覆組成物又は医薬品包装材料用被覆組成物として好適に使用できるものである。
ここでは、まず、従来の被覆組成物ではどのような概念に基づき溶剤が選択されてきたか、また、その概念の下では解決できない課題に対して、ターシャリーブチルアルコールがどのような作用効果を有するかを説明する。
インキ組成物やガスバリア性塗工剤等を含めて、被着体の表面を被覆する材料は一般に被覆組成物と総称されている。そして、樹脂や顔料等の固体の材料を溶剤に溶解あるいは分散させた液状の被覆組成物を、塗工機や印刷機等により被着体上に塗工・印刷した後、乾燥させることにより、被着体の表面に固形の皮膜が形成される。
このような液状の被覆組成物を用いて、設定どおりの厚さの被膜を形成させるには、塗工・印刷の際に最適な粘度を維持することが不可欠である。被覆組成物の粘度は、溶剤の蒸発、環境温度や被覆剤にかかる機械的応力等、さまざまの要因によって変化するが、通常、その変化の度合いは高固形分になるほど大きくなる。最近は、被覆組成物中の樹脂や顔料等の固体成分(固形分)濃度を可能な限り高くして、高濃度でありながらも低粘度化を図る傾向が強くなり、最適な粘度を維持することが困難となっている。
ターシャリーブチルアルコールは、融点が25.5℃であることから、塗工・印刷作業環境においてほぼ固体であり、わざわざ固体のものを溶剤として利用するのは、粘度調整を困難にすることから、上記の最適な粘度を維持するという目的に反することになる。また、被覆組成物の製造の際に、液状の溶剤であれば、貯留タンクから配管を通してそのまま製造タンクに添加できるが、固体材料である場合、そのような方法が利用できず、製造効率という面でも不利となる。
以上のように、ターシャリーブチルアルコールを溶剤として利用すると、粘度維持の面においても、製造効率の面においても不利があり、実際にも、被覆組成物の用途で利用された例は過去に見ないといっても過言ではない。
それに対して、本発明者は、アルコールを含む溶剤に可溶な樹脂、特に高水素結合性樹脂を被覆組成物に利用したとき、乾燥後の溶剤の残留量がより多くなるという問題を解決するために、種々検討した結果、初めてターシャリーブチルアルコールを利用することによる有効性を導き出したものである。
最近、環境に配慮したアルコール系溶剤使用の要望が高まり、さらに乾燥後の残留溶剤に関してもできる限りその量を低減することが必要とされているが、溶剤に求められる本来の性能を考慮して、樹脂を溶解する能力が十分あり、かつその溶剤を用いて得られる被覆組成物の粘度や乾燥性を適度な水準に維持できる、バランスのとれた溶剤を選択することが重要である。
例えば、被覆組成物の速乾性や残留溶剤量の低減を図る場合、単純に蒸発速度の速いものが有効であろうと仮定すれば、通常、より炭素数の少ないアルコールを選択するのが有利であると推測される。実際にも、上記の考え方に沿って、アルコール系溶剤として、メタノールやエタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数が1〜3の低級アルコールが一般的に使用されてきた。しかしながら、特に高水素結合性樹脂を用いた系等では、被覆組成物の皮膜が形成された時に、上記の低級アルコールが系中に保持されて残留する量が多くなり、上記仮定とは適合しない現象が認められた。
上記現象について、本発明者らは、上記炭素数が1〜3の低級アルコールは、全て一級及び二級のアルコールであるため、樹脂との親和性が高く、溶解性といった面では良好である一方で、皮膜中に溶剤を残留させずに除去するには高いエネルギーが必要となるのであろう、と推測した。その推測のもとに、乾燥性や溶解性の維持と、残留量の低減のバランスを図るために、アルコール系溶剤に関する検討を行った。
そして、技術的コンセプトとして以下の[1]〜[3]を重点的に検討した結果、ターシャリーブチルアルコールを用いることで、樹脂を溶解する能力、及び、被覆組成物としての粘度や乾燥性を適度な水準に維持しつつ、さらに残留溶剤量の低減を実現できることを見出し、本発明を完成させたものである。
[1]炭素数の少ないアルコールは蒸発が速過ぎて、被覆組成物の急激な粘度変化を引き起こす可能性がある。一方、炭素数の多いアルコールは相対的に高い蒸発エネルギーを必要とする。これらを考慮し、エタノール〜イソプロピルアルコールと同程度の蒸発速度を有するアルコールを主成分とする。
[2]特に高水素結合性樹脂は結晶化による溶解性の低下が起こるため、より少ない量で結晶化を阻害できるアルコールを用いる。
[3]嵩高い三級アルコールを積極的に検討する。
なお、ターシャリーブチルアルコールがこのような効果を示す理由として、次のようなことが考えられる。ターシャリーブチルアルコールの沸点は、炭素数の一つ少ないイソプロピルアルコール(IPA)とほぼ同じであり、さらに蒸発に必要な熱量はIPAより少ない等の特徴があり、速い乾燥性を維持するという点では有利である(上記[1]と同じ機能を有する技術)。また、分子構造的にも、アルコール性水酸基が、高水素結合性樹脂の樹脂内又は樹脂間で水素結合が発生するのを防止し、結晶化による溶解性の低下を抑制するとともに(上記[2]の技術)、嵩高いターシャリーブチル基は、立体障害により水素結合力を適度に弱め、少ない運動(熱による)エネルギーで系中からの離脱を可能にする(上記[3]の技術)。
さらに、ターシャリーブチルアルコールの利用には大きな利点がある。それはターシャリーブチルアルコールが水と任意の比率で混合が可能であり、今後、より環境に負荷をかけない溶剤として、水−アルコール系に移行したときでも、水との使用比率において何の問題も発生しないという点である。
この様にターシャリーブチルアルコールは非常に高い効果を有し、全溶剤に対して、ターシャリーブチルアルコールを1〜50%使用した場合、樹脂を溶解する能力、並びに、被覆組成物の粘度安定性及び乾燥性等の性状を損なわず、しかも溶剤全体の残留溶剤量が低減することを見出し、本発明を完成させたものである。
次に、本発明の被覆組成物について説明する。
<本発明の被覆組成物について>
(樹脂)
本発明で利用可能な樹脂としては、基本的にアルコール成分を含む溶剤に溶解する樹脂であれば特に限定されず、アクリル樹脂、シェラック樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、水酸基を含有する水溶性樹脂(ポリビニルアルコール系重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂等)等が使用できる。また、分子内にカルボキシル基を有し、アンモニア、高揮発性アミン化合物、アルカノールアミン化合物、アルカリ金属塩等の塩基性化合物により水性化されるものも使用できる。
なかでも、好ましい例として高水素結合性樹脂が挙げられる。高水素結合性樹脂とは、樹脂中の水素結合性基又はイオン性基の含有量が多い樹脂をいい、特に限定はされないが、通常、樹脂単位重量当りの水素結合性基又はイオン性基の重量百分率が5%〜60%の割合を満足する高水素結合性樹脂を用いることができる。高水素結合性樹脂の水素結合性基としては水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられ、イオン性基としてはカルボキシレート基、スルホン酸イオン基、燐酸イオン基、アンモニウム基、ホスホニウム基等が挙げられる。高水素結合性樹脂の水素結合性基又はイオン性基のうち、特に好ましいものとしては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボキシレート基、スルホン酸イオン基、アンモニウム基等が挙げられる。
高水素結合性樹脂の具体例としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール系重合体;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミロース、アミロペクチン、プルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサン、セルロース、プルラン、キトサン等のような多糖類;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリベンゼンスルホン酸、ポリベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、そのアンモニウム塩ポリビニルチオール、ポリグリセリンからなる樹脂等が挙げられる。高水素結合性樹脂の中でも、水酸基を含有する水溶性樹脂であるポリビニルアルコール系重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂が好ましい。なお、本発明において、ポリビニルアルコール系重合体樹脂とは、ホモポリマーであるポリビニルアルコール、及び、ポリビニルアルコール骨格を主鎖に有する共重合体からなる樹脂をいい、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂とは、エチレン−ビニルアルコール骨格を主鎖に有する共重合体からなる樹脂をいう。
上記被覆組成物中の樹脂の含有量は特に限定されないが、通常、被覆組成物の全質量の1〜50質量%の範囲内であり、全質量の1〜30質量%の範囲内であるのが好ましい。
(溶剤)
本発明では、ターシャリーブチルアルコール(t−ブチルアルコール)を全溶剤量に対して1〜50質量%含有することを特徴とする。3〜40質量%含有することがより好ましい。5〜30質量%含有することがさらに好ましい。ターシャリーブチルアルコールの含有量が1質量%未満である場合、ターシャリーブチルアルコール添加の効果が現れない。50質量%以上の場合は、樹脂との相溶性が劣る場合があり好ましくない。
次に、本発明で用いることができる、ターシャリーブチルアルコール以外のアルコール成分としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマル(n−)プロパノール、1−メトキシプロパノール、2−メトキシプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4の低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルグリコールやN−メチルピロリドン等をあげることができる。
なかでも、上述の通り、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマル(n−)プロパノール等の炭素数1〜3の低級アルコール類を、ターシャリーブチルアルコールと共に用いるのが好ましい。本発明においては、被覆組成物が、ターシャリーブチルアルコールを全溶剤量に対して5〜30質量%と、炭素数1〜3のアルコールを含有するのが特に好ましい。
その他溶剤としては、樹脂との相溶性を確保でき、かつ良好な乾燥性が維持できるものであれば特に制限はなく、各種溶剤が使用でき、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ノルマル(n−)プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマル(n−)ブチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類等を用いることができる。
また本発明においては、より環境に負荷をかけない溶剤として水を用いることもできる。水を用いる場合には、特に限定されないが、通常アルコール成分/水の含有質量比率が30/70〜70/30の状態で用いることができる。好ましい態様においては、上記樹脂がポリビニルアルコール系重合体樹脂又はエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂であり、上記溶剤が少なくともターシャリーブチルアルコールを含むアルコール成分と水を含有し、上記アルコール成分/水の含有比率(質量比)が30/70〜70/30である。
(無機層状化合物)
本発明の被覆組成物は、必要に応じて無機層状化合物を含有していてもよい。無機層状化合物を添加することにより、ガスバリア層として使用する際、迷路効果によりガスの透過を抑えることができる。無機層状化合物としては、分散媒に膨潤・へき開する無機層状化合物が好ましく用いられ、フィロケイ酸塩の1:1構造をもつカオリナイト族、ジャモン石群に属するアンチゴライト族、層間カチオンの数によってスメクタイト族、含水ケイ酸塩鉱物であるバーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。
上記無機層状化合物としては、具体的には、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト、加水ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができ、これらは天然物であっても合成物であってもよい。また鱗片状シリカ等も使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、被覆組成物に使用した場合のガスバリア性能、印刷適性からモンモリロナイトの使用が好ましい。
被覆組成物において、樹脂と無機層状化合物との質量比率(固形分質量比率)は、特に限定されないが、樹脂/無機層状化合物の比率は、通常30/70〜95/5の範囲であり、好ましくは30/70〜50/50の範囲である。上記無機層状化合物の質量比率が少なくなると、充分な酸素バリア性が得られない場合があり、一方、多くなりすぎると塗膜強度や他層との接着性が不足する傾向がある。上記被覆組成物は、樹脂がエチレン−ビニルアルコール系共重合体であって、上記エチレン−ビニルアルコール系共重合体と無機層状化合物との質量比率が30/70〜50/50であるものがより好ましい。
上記被覆組成物において、樹脂と無機層状化合物との合計の含有量は、通常、被覆組成物の全質量の1〜50質量%の範囲内であり、全質量の1〜30質量%の範囲内であるのが好ましい。
(着色剤)
本発明の被覆組成物は、さらに着色剤を含有することにより、水性印刷インキ組成物として使用することもできる。
本発明で用いられる上記着色剤としては、一般に印刷インキ、塗料等で使用されている染料、無機顔料、有機顔料及び体質顔料が使用できる。ここで使用可能な染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、フタロシアニン染料、カルボニル染料、キノンイミン染料、メチン染料、キノリン染料、ニトロ染料等の各種染料を挙げることができる。また、使用可能な無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等を、有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。
さらに使用可能な体質顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等を挙げることができ、これらを単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
(その他の添加剤)
また、本発明の被覆組成物には、顔料分散剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、架橋剤、濡れ性改良剤、可塑剤、増粘剤等の各種添加剤を、被覆組成物の特性を損なわない範囲で適量配合してもよい。
<本発明の被覆組成物の製造方法>
上記構成材料を使用して本発明の被覆組成物を製造する方法としては、例えば、(1)樹脂を上記溶剤に溶解させた溶液に、無機層状化合物(水等の分散媒に予め膨潤・へき開させておいてもよい)を添加混合し、攪拌装置や分散装置を利用して無機層状化合物を分散させる方法、(2)無機層状化合物を、水等の分散媒に膨潤・へき開させた後、攪拌装置や分散装置を利用し、更に、無機層状化合物をへき開、分散した分散液に、樹脂を上記溶剤に溶解させた溶液を添加混合する方法等を挙げることができる。着色剤やその他の添加剤等の添加時については特に限定されず、着色剤やその他の添加剤等の分散性等を考慮して添加時を適宜選択することができる。
上記攪拌装置や分散装置としては、通常の撹拌装置や分散装置であれば特に限定されず、これらを用いて分散液中で無機層状化合物を均一に分散することができるが、透明で安定な無機層状化合物分散液が得られる点から、高圧分散機、超音波分散機等を使用することが好ましい。高圧分散機としては、例えば、ナノマイザー(商品名、ナノマイザー社製)、マイクロフルイタイザー(商品名、マイクロフライデックス社製)、アルチマイザー(商品名、スギノマシン社製)、DeBee(商品名、Bee社製)、ニロ・ソアビホモジナイザー(商品名、ニロ・ソアビ社製)等が挙げられ、これら高圧分散機の圧力条件として100MPa以下で分散処理を行うことが好ましい。圧力条件が100MPaを超えると、無機層状化合物の破砕が起こり易くなり、目的であるガスバリア性が低下する場合がある。
<本発明の被覆組成物を水性印刷インキ組成物として用いた印刷物の製造方法及びラミネート加工方法>
上記のようにして得られる本発明の被覆組成物は、特に制限無く、種々の用途に好適に使用することができる。なかでも特に、被覆組成物が着色剤を含有する場合には、水性印刷インキ組成物として好適に使用することができる。そこで本発明の被覆組成物を水性印刷インキ組成物として使用した印刷物の製造方法及びラミネート加工方法について説明する。
まず、本発明の被覆組成物が印刷されるプラスチックフィルムとしては、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン等の各種プラスチックフィルムが使用できる。その中でもコロナ放電処理されたフィルムはカルボニル基を有し、より良好な印刷物が得られる。
また本発明の被覆組成物は、既知のフレキソ印刷機、グラビア印刷機を使用して、フレキソ又はグラビア印刷方式で印刷する事ができる。
さらに、上記の印刷方法によって得られた印刷物を、ラミネート加工する方法としては、押出しラミネート法とドライラミネート法が利用できる。
ここで、押出しラミネート法は、印刷物の表面に必要に応じてチタネート系、イソシアネート系、イミン系、又はポリブタジエン系等のアンカーコート剤を塗工した後、従来より既知の押し出しラミネート機によって、溶融ポリマーを積層させる方法であり、さらに溶融樹脂を中間層として、他の材料とサンドイッチ状に積層する事もできる。
なお、押出しラミネート法で使用する溶融樹脂としては、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等の従来使用されていた樹脂が使用できる。その中でも、溶融の際に酸化されてカルボニル基が発生し易い低密度ポリエチレンとの組み合わせにおいて本発明の効果が高くなる。
次に、ドライラミネート法は、印刷物の表面に、水性系、溶剤系又は無溶剤系のイソシアネート系等の接着剤を塗工した後、従来より既知のドライラミネート機によってフィルム状のポリマーを貼合する方法である。
ドライラミネート法で使用するフィルム状のポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が使用でき、特にレトルト用途で使用されるラミネート加工物等では、耐熱水性付与のために基材と貼合されるプラスチックフィルムの間にアルミ箔をはさんでラミネートする事もできる。
なお、安全衛生、環境問題等の面から、製造工程で有機溶剤を一切使用しないでラミネート加工物を得るために、水性系又は無溶剤系の接着剤を使用する事が好ましい。
以上の方法から得られたラミネート加工物は、高いラミネート強度を有し、さらには、ボイル・レトルト用途に適用できるものであり、また、本発明の被覆組成物と、水性又は無溶剤系ラミネート用接着剤との組み合わせにより、製造工程で有機溶剤を一切使用しないで、安全衛生、環境問題等の面からも好適に、ラミネート加工物を得る事ができるものである。
<本発明の被覆組成物を用いたガスバリア性複合フィルムの製造方法>
更に、本発明の被覆組成物は、ガスバリア性複合フィルムのガスバリア層としても好適に用いることができる。ガスバリア性複合フィルムの構造は特に限定されないが、好ましい形態としては、印刷が施されたベースフィルムの印刷面側に、ガスバリア層及びシール材層(シーラント層)がこの順に積層されて包装袋を形成し、該包装袋において、印刷面よりもガスバリア層が内側になる形態が挙げられる。このような構造により、印刷面に残留した溶剤等が包装袋の内部に移行することを防止することができ、また、包装袋の外部からガス等が侵入することを充分に抑制することができる。
上記ガスバリア性複合フィルムは、上記フィルム、ガスバリア層及びシール材層以外のその他の層を有するものであってもよく、例えば接着層を有するものであってもよい。
上記ベースフィルムとしては、従来、ラミネート用フィルムとして使用し得るプラスチックフィルムを用いることができ、具体的には、ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン等からなるプラスチックフィルム、これらのプラスチックを2種以上用いて得られる複合プラスチックフィルム等を挙げることができる。これらのプラスチックフィルムは、得られるガスバリア性複合フィルムの透明性を損なわない範囲でコロナ放電処理又は表面コート処理されているものがより好適である。
次に、ガスバリア性複合フィルムを構成するフィルムに印刷するために使用する印刷インキ組成物について説明する。
印刷インキ組成物としては、プラスチックフィルムに印刷することができる従来のインキ組成物を用いることができ、有機溶剤性及び水性のどちらのラミネート用印刷インキでも使用可能である。ラミネート用途のインキとしては、特に、フィルムに対する接着性、顔料分散性、ラミネート適性等に優れるポリウレタン樹脂をバインダー樹脂としたタイプが主流であり、良好な印刷適性を持たせるために芳香族系有機溶剤を含むものが利用されてきたが、最近では、環境対応型インキとして、芳香族系及びケトン系有機溶剤を極力使用しないタイプのものが利用されるようになっている。この様な非芳香族系有機溶剤からなる印刷インキ組成物としては、例えば、特公平07−113098号(顔料、ポリウレタン樹脂を含む非芳香族系有機溶剤性ラミネート用印刷インキ組成物)、特開平07−324179号(顔料、ポリウレタン樹脂、非芳香族・非ケトン系有機溶剤を含む印刷インキ組成物)等で開示された有機溶剤性ラミネート用印刷インキ組成物を挙げることができる。
また、ラミネート用印刷インキ組成物としては、水性タイプのものも利用され始めており、例えば、特開平06−155694号(顔料、アクリル系水性バインダー樹脂、ヒドラジン系架橋剤を含む水性ラミネート用印刷インキ組成物)、特開平06−206972号(顔料、水、ポリウレタン系バインダー樹脂を含む水性ラミネート用印刷インキ組成物)等で開示された水性ラミネート用印刷インキ組成物を挙げることができる。なお、溶剤として水のみを用いた完全な水性タイプの印刷インキ組成物は、プラスチックフィルムに対する印刷適性が低く、実用が困難であるため、通常、水性ラミネート用印刷インキ組成物といっても、水とともに低級アルコール、多価アルコールやその誘導体等の水混和性有機溶剤を併用したものが含まれる。
このように環境対応型インキとして、極力、有害性の低い有機溶剤を用いた印刷インキや水性の印刷インキに置き換えが進んでおり、印刷作業環境及び有機溶剤が印刷基材フィルムを透過して大気中に蒸発することを考慮すると、食品衛生上、むろん上記の環境対応型インキが好適に使用される。
それ以外にも、上述の通り、着色剤を含有する本発明の被覆組成物を、水性印刷インキ組成物として使用することもできる。ガスバリア層に加え、本発明の被覆組成物を水性印刷インキ組成物としても使用することにより、ガスバリア性複合フィルム内の残留溶剤をさらに低減でき、ガスバリア効果をより高めることができる点で好ましい。
次に、上記シール材層としては、例えば、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等からなる熱溶融樹脂を用いて得られるものを挙げることができる。上記シール材層は、ラミネートの形態に応じて、溶融圧着又はフィルムとしての貼り合わせにより形成することができる。
さらに、ガスバリア性複合フィルムにおいて、各層間の接着性を向上するために、印刷面側とガスバリア層との間及び/又はガスバリア層とシール材層との間は、接着剤及び/又はアンカーコート剤からなる接着層を利用して接着するものが好ましい。上記接着剤としては、イソシアネート系、ウレタン系、アクリル系の各種ラミネート用接着剤を挙げる事ができ、また、上記アンカーコート剤としては、チタン系、イソシアネート系、イミン系、ポリブタジエン系等の各種ラミネート用アンカーコート剤を挙げることができる。なお、これらの接着剤やアンカーコート剤は、架橋剤等の接着性改質材料を含んでいてもよい。
本発明の被覆組成物、及び、以上の積層材料を用いて、ガスバリア性複合フィルムを製造する方法について説明する。
プラスチックフィルムに、ラミネート用印刷インキ組成物を、既知のグラビア印刷機、フレキソ印刷機等を使用して印刷する。次いで、必要に応じて接着剤又はアンカーコート剤を塗工した後、ガスバリア層を形成するものである本発明の被覆組成物を塗工し、加熱乾燥する。本発明の被覆組成物の塗工方法としては、グラビアシリンダー等を用いたロールコーティング法、ドクターナイフ法やエアーナイフ・ノズルコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法等の通常の塗工方法を用いることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
塗工されるガスバリア層の膜厚は、好ましくは0.1〜5μm、透明性の高いガスバリア層が形成できるという点で、より好ましくは0.1〜0.5μmである。ガスバリア層が0.1μm未満であると、目的とするガスバリア性、有機溶剤の遮蔽効果が得られにくく、一方、5μmを超えてもガスバリア性が向上しない場合があり、充分な透明性が得られにくくなる。
次いで、必要に応じて接着層を形成したのち、シール材層を形成する樹脂を溶融圧着する押出しラミネート法、又は、シーラントフィルムを接着剤で貼り合せるドライラミネート法等の従来公知のラミネート方法によってガスバリア層の上にシール材層を形成し、本発明のガスバリア性複合フィルムを製造することができる。
印刷層側とガスバリア層との間で必要に応じて利用するアンカーコート剤や接着剤に含まれる溶剤は、ガスバリア層で遮断されて、シール材層を透過することがほとんどないが、ガスバリア層とシール材層との間で必要に応じて利用するアンカーコート剤や接着剤に含まれる溶剤は、シール材層を透過する可能性がある。
そこで、ガスバリア層とシール材層との間で利用するアンカーコート剤や接着剤は、無溶剤タイプ、水性タイプ又は接着工程の間にほとんどが揮発し得る溶剤を用いた揮発性有機溶剤タイプであることが好ましい。
最後に、ガスバリア性複合フィルムを用いて製袋する方法及び得られる包装袋の用途について説明する。
ガスバリア性複合フィルムを製袋する方法としては、ヒートシーラー等を用いて、ガスバリア性複合フィルムを中折りして二辺を熔封するか又は二枚のガスバリア性複合フィルムを重ねて三辺を熔封するかして先に袋状とした後、内容物を詰め、残りの一辺を熔封して、密封された包装袋として利用する方法等を挙げることができる。
このようにして製造された包装袋は、高いガスバリア性が要求され、また、残留溶剤や顔料からの溶出物が袋内に移行しないことが必要な用途で利用できるものであり、食品や医薬品の包装袋として好適に用いることができるものである。
本発明の被覆組成物は、塗工後の残留溶剤量が低く、かつガスバリア性にも優れるものである。従って被覆組成物塗工後の品質、性状を損なわず、残留溶剤量を大幅に低減できることから、残留溶剤が袋内に移行しないことが必要な用途で使用する、印刷基材フィルムに印刷する表刷りやラミネート用等を含む印刷インキ組成物、ガスバリア性複合フィルムのガスバリア層又はラミネート加工物用材料として好適に使用することができる。
以下、実施例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその主旨と適用範囲を逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。なお、以下の記述において、「%」は「質量%」を示し、また、「部」は「質量部」を示す。
また実施例、比較例及び各表中において、「IPA」はイソ(iso−)プロピルアルコールを、「TBA」はターシャリーブチル(t−ブチル)アルコールを、「NPA」はn−プロピルアルコールを表す。
(A液)
精製水50%、イソ(iso−)プロピルアルコール(IPA)47%、ターシャリーブチルアルコール3%を含む混合溶剤60部に、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、日本合成化学社製、商品名:ソアノールD−2908)30部を加え、攪拌下で80℃に加温し、約2時間反応させた。その後冷却して、固形分30%のほぼ透明な混合液体を得た。
(B液)
無機層状化合物であるモンモリロナイト(商品名:クニピアF、クニミネ工業社製)5部を精製水95部中に攪拌しながら添加し、高速攪拌機にて充分に分散した。その後、40℃にて1日間保温した。
(C液)
精製水50%、IPA40%、ターシャリーブチルアルコール10%としたほかはA液と同様とし、固形分30%のほぼ透明な混合液体を得た。
(D液)
精製水50%、IPA20%、ターシャリーブチルアルコール30%としたほかはA液と同様とし、固形分30%のほぼ透明な混合液体を得た。
(E液)
精製水50%、IPA50%としたほかはA液と同様とし、固形分30%のほぼ透明な混合液体を得た。
(実施例1)
精製水50%、IPA47%、ターシャリーブチルアルコール3%の混合溶剤60部に、先のA液4部を添加し、充分に攪拌混合した。更にこの混合物に、高速攪拌を行いながら、B液36部を添加し、高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理を行った。これにより得られた塗工液は均一で安定な分散液であった。
(実施例2)
精製水50%、IPA40%、ターシャリーブチルアルコール10%の混合溶剤60部に、先のC液4部を添加し、充分に攪拌混合した。更にこの混合物に、高速攪拌を行いながら、B液36部を添加し、高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理を行った。これにより得られた塗工液は均一で安定な分散液であった。
(実施例3)
精製水50%、IPA20%、ターシャリーブチルアルコール30%の混合溶剤60部に、先のD液4部を添加し、充分に攪拌混合した。更にこの混合物に、高速攪拌を行いながら、B液36部を添加し、高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理を行った。これにより得られた塗工液は均一で安定な分散液であった。
(実施例4)
精製水50%、IPA40%、ターシャリーブチルアルコール10%の混合溶剤60部に、先のC液4部を添加し、充分に攪拌混合した。更にこの混合物に、高速攪拌を行いながら、20%シアニンブルー顔料を精製水中に分散させた懸濁液36部を添加し、高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理を行った。これにより得られたインキ用被覆組成物は均一で安定な分散液であった。
(実施例5)
精製水50%、IPA40%、ターシャリーブチルアルコール10%の混合溶剤60部に、先のC液4部を添加し、充分に攪拌混合した。更にこの混合物に、高速攪拌を行いながら、精製水36部を添加した。これにより得られた塗工液は均一で安定な分散液であった。
(比較例1)
精製水50%、IPA50%の混合溶剤60部に、先のE液4部を添加し、充分に攪拌混合した。更にこの混合物に、高速攪拌を行いながら、B液36部を添加し、高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理を行った。これにより得られた塗工液は均一で安定な分散液であった。
(比較例2)
精製水50%、NPA50%の混合溶剤60部に、先のA液4部を添加し、充分に攪拌混合した。更にこの混合物に、高速攪拌を行いながら、B液36部を添加し、高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理を行った。これにより得られた塗工液は均一で安定な分散液であった。
各実施例、比較例の塗工液・インキ用被覆組成物の配合をまとめたものを表1に示す。
Figure 0004351646
実施例・比較例の塗工液・インキ用被覆組成物について255メッシュのフィルターにてろ過し、下記塗工方法、条件でOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルム(東洋紡社製、パイレンP−2161(商品名)、厚さ25μm)に塗工した。
(塗工方法・条件)
塗工機: グラビア校正機
塗工速度: 27m/min
刷版: ダイレクト175線ベタ版
乾燥温度: 100℃(風量80%)
基材: エンブレムON#12(二軸延伸ナイロンフィルム、ユニチカ株式会社製)
(残留溶剤量測定)
残留溶剤量:実施例及び比較例の塗工液・インキ用被覆組成物を上記方法によって塗工することにより得られた各印刷物(0.2m)を500mlのフラスコに入れ、80℃、10分間オーブン中で加熱して印刷物中に残存している溶剤を気化させ、フラスコ中よりガス1mlを採取し、ガスクロマトグラフィーで単位面積当たりの残留溶剤量(mg/m)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004351646
(OTR値(酸素透過度))
(評価方法)
実施例及び比較例の塗工液(インキ用被覆組成物として使用する実施例4を除く)を上記方法によって塗工することにより得られた各印刷物をサンプルとし、JIS K7126 B法に準じて、酸素透過率測定装置(Mocon社製;商品名:OX−TRAN100)を用いて酸素透過度(OTR値、単位:cm/m・day・kPa)を測定した。なお、測定条件は、23℃、80%RH(相対湿度)の雰囲気下で行った。結果を表3に示す。
Figure 0004351646
表2に示すように、実施例の組成物から得られる印刷物においては、ターシャリーブチル(t−ブチル)アルコールを含まない比較例1及び2の組成物から得られる印刷物と比較して、印刷物中に残留する溶剤の量が大幅に減少していることがわかる。また、表3に示すように、実施例の組成物から得られる印刷物のOTR値は、比較例1及び2の組成物から得られる印刷物に比べて小さく、実施例の被覆組成物の方がより酸素を通しにくく、ガスバリア性に優れることがわかる。このように本発明の被覆組成物から得られる塗工層は、残留溶剤量が少なく、且つガスバリア性に優れるものである。
本発明の被覆組成物は、残留溶剤が袋内に移行しないことが必要な用途で使用する、印刷基材フィルムに印刷する表刷りやラミネート用等を含む印刷インキ組成物、ガスバリア性複合フィルムのガスバリア層又はラミネート加工物用材料として好適に使用することができる。なかでも特に食品や医薬品の包装材料として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 樹脂及び溶剤を含有する水性被覆組成物において、前記溶剤が少なくともターシャリーブチルアルコールを含むアルコール成分を含有し、前記溶剤中にターシャリーブチルアルコールを全溶剤量に対して5〜30質量%と、炭素数1〜3のアルコールとを含有することを特徴とする水性被覆組成物。
  2. 前記樹脂が高水素結合性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の水性被覆組成物。
  3. 前記高水素結合性樹脂が、ポリビニルアルコール系重合体樹脂又はエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂であることを特徴とする請求項2記載の水性被覆組成物。
  4. 前記樹脂がポリビニルアルコール系重合体樹脂又はエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂であり、
    前記溶剤が、少なくともターシャリーブチルアルコールを含むアルコール成分と水を含有し、前記アルコール成分/水の含有質量比率が30/70〜70/30であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性被覆組成物。
  5. 無機層状化合物を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性被覆組成物。
  6. さらに着色剤を含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の水性被覆組成物。
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