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JP4351744B2 - アルミニウムドロス残灰処理品を原料として用いた耐火物 - Google Patents
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アルミニウムドロス残灰処理品を原料として用いた耐火物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム地金やアルミニウムスクラップの溶融の際に発生するアルミニウムドロス残灰を資源として再利用した製品、特にアルミニウムドロス残灰をアークプラズマ加熱により溶融処理した処理品を原料として配合してなる耐火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウムドロス残灰(以下略して残灰と呼ぶ)とは、アルミニウム地金やアルミニウムスクラップの溶融の際に発生するスラグ中に残留するアルミニウムを、程度の差はあるが、絞り取った後に残った残滓のことを言う。この残灰は年間約25万トンも発生し、その一部は鉄鋼精錬の際のフラックスとして利用されているが、残部は管理型の埋立てによって処分されている。ところが、残灰中には、窒素化合物、塩素化合物、重金属類など環境に悪影響を及ぼす可能性のある成分が含まれている。
【0003】
残灰からこれらの有害成分を取り除き無害化する手段として、アークプラズマ加熱による溶融処理が従来の水処理法や燃焼法と比較して格段の効果のあることは、特開平8−281239号公報によって明らかにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特に近年アルミニウムのリサイクルが拡大し、発生する残灰が増加する一方、埋立て処分地の逼迫と処理費用の上昇が著しい。したがって、無害化処理した残灰を、単に安価なセメント原料や骨材等ではなく、より付加価値の高い耐火物原料として再利用することによって、無害化処理に要する費用を回収しようとして本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、残灰のアークプラズマ処理について研究を重ねた結果、残灰をアークプラズマによって加熱溶融し、1800〜2000℃に2〜4時間保持すれば、窒素化合物、塩素化合物、重金属類が殆ど分離除去され、アルミナ含有率も90重量%以上に達することを発見した。この発見に基づいて、残灰処理品をアルミナの有する特性を活かして、耐火物原料として再利用することに成功した。本発明は、アルミニウムドロス残灰をアークプラズマ加熱により溶融処理した処理品(以下処理残灰と呼ぶ)を原料として配合してなる耐火物であり、当該耐火物はアルミナ系耐火物であって、前記原料は、前記残灰を溶融温度1800〜2000℃で2〜4時間保持する溶融処理してなるものであることを特徴とするものである。本発明に係るアルミナ系耐火物においては、焼成ボーキサイトの一部を前記原料に置換して構成することができる。また、本発明に係るアルミナ系耐火物を構成する場合には、アルミナ含有率が少なくとも90重量%の原料を採用することが好ましい。
【0006】
【発明の作用・効果】
残灰をアークプラズマ加熱により溶融処理することによって、残灰中に含有されている窒素化合物、重金属類が分離されて無害化されるとともに、特に塩素化合物が除去され、かつアルミナの含有率が高められる。このため、処理残灰は、従来のセメント原料や骨材等ではなく、高アルミナ含有という特性を活かし、より付加価値の高い耐火物の原料として再資源化することが可能である。
【0007】
処理残灰をアルミナ系耐火物の原料として利用する場合には、処理残灰と化学組成的に類似する焼成ボーキサイトと置換して配合するのが好ましい。また、処理残灰のアルミナ含有率は少なくとも90重量%であることが、目的とする耐火物の耐火性能及び配合比率の上で耐火物の種類に関せず望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
先ず、処理残灰を天然のボーキサイトを焼成することによって製造した焼成ボーキサイトの代替えとして使用して、耐火れんがと不定形耐火物を試作した。
【0009】
(残灰の処理)
残灰は、図1に示すアークプラズマ溶融炉で処理した。この炉は、定格出力60kWで、直流移行型アルゴンプラズマを用いるものである。アークチャンバー1内は大気雰囲気、1.015×105Paの条件下で、投入装置3から残灰を連続的に投入し、アークチャンバー1の底部に設置したカーボンるつぼ4内で溶融処理した。この処理残灰をEPMA、ICP−AES、原子吸光分析、熱伝導度法により分析した。プラズマ処理前後の残灰の成分を表1に示す。
【0010】
【表1】
Figure 0004351744
【0011】
この結果によれば、プラズマ処理によって、残灰中の窒素、塩素及びPb、Cd、Sn等の重金属は殆ど分離除去され、逆にアルミナ含有率は90重量%以上に高められていることが分かる。実験によれば、高アルミナ化は約1800℃以上の加熱によって促進される。処理残灰の高アルミナ化によって、耐火物原料としての利用に希望が持たれるようになった。
【0012】
(耐火れんが)
試作した耐火れんがは、鉄鋼精錬用取鍋等に使用される不焼成ハイアルミナれんがで、その原料配合比率を表2に示す。
【0013】
【表2】
Figure 0004351744
【0014】
比較品は上記種類のれんがの市販品と品質を類似させたものであり、試作品は、比較品における焼成ボーキサイトの配合比率90重量%のうち30重量%を処理残灰で置換したものである。表2に示す各原料を混練した後、油圧プレスによって700kgf/cm2で成形した。その後、110℃で10時間乾燥した後、2℃/minで昇温し、500℃で5時間保持後、炉冷して不焼成れんがの試験片とした。
【0015】
この試験片の基本性状を把握する目的で実施した試験の項目、及び試験の結果として得られた一般物理的性質、圧縮強さ、残存線膨張収縮率を、それぞれ表3、表4に示す。
【0016】
【表3】
Figure 0004351744
【0017】
【表4】
Figure 0004351744
【0018】
表4の一般物理的質、圧縮強さに関する試験の結果では、処理残灰30%置換品は比較品とほぼ等しい値を示し、両者は同程度の特性を有することが分かった。残存線膨張収縮率では、両者で対照的な性質が見られるが、鉄鋼用途においては、1%程度の残存膨張性を必要とする場合が多く、この点では、処理残灰30%置換品の方が優れている。
【0019】
スラグ浸食試験については、溶融炉用スラグを用い、1300℃、50時間の条件で実施した結果、浸食は僅かで両者の間に差はみられず、特に処理残灰30%置換品の方が変質層が少なく良好な結果が得られた。しかし、鉄鋼用スラグを用い、1500℃、10時間の条件で実施した結果は、処理残灰30%置換品の方が浸食量が僅かに多いことが分かった。
【0020】
(不定形耐火物)
試作した不定形耐火物は、各種窯炉向けの最高使用温度1700℃の緻密質ハイアルミナキャスタブルで、その原料配合比率を表5に示す。
【0021】
【表5】
Figure 0004351744
【0022】
比較品は上記種類のキャスタブルの市販品と品質を類似させたものであり、試作品は、比較品における焼成ボーキサイトの配合比率81重量%のうち30重量%を処理残灰で置換したものである。表5に示す各原料を試験用ミキサーで5分間混練し、JIS標準軟度のキャスタブル混練物を得た。この混練物を所定形状の金型に鋳込み成形し、一昼夜養生後、ハイアルミナキャスタブルの試験片とした。
【0023】
この試験片に対して実施した試験の項目、及びこれに対応して得られた線変化率、圧縮強さの結果を、それぞれ表6、図2、図3に示す。
【0024】
【表6】
Figure 0004351744
【0025】
図2の線変化率においては、温度の上昇とともに両者はほぼ同様に推移している。図3の圧縮強さにおいては、処理残灰30%置換品の方が高温になるほど僅かに低下している。
【0026】
上記のとおり、耐火れんが、不定形耐火物それぞれについて、処理残灰30%を焼成ボーキサイトと置換して配合したものは、市販品の許容レベルには達しており、処理残灰を耐火物原料として利用することは十分に可能であると考えられる。上記試験では、各耐火物とも、処理残灰と化学組成的に類似する焼成ボーキサイトの配合のうちの30%を処理残灰で置換したが、処理残灰の品質によってはさらに配合比率を増加することもできる。また、処理残灰はアルミナ系耐火物に限らず、高アルミナという特性を活かして例えばシャモット系耐火物にも原料として配合可能である。上記から明らかなように、いずれの耐火物に対しても、その耐火性能及び配合比率の上で、処理残灰のアルミナ含有率は高いほどよいが、少なくとも90重量%であることが望ましい。
【0027】
さらに、処理残灰を繊維(ウール)状に加工して、アルミナウール、セラミックウールとした場合についても検討したところ、市販品と比較して遜色のない製品を作ることができることが分かった。また、ロックウール、グラスウールの代替えとしては、品質的には優れているが、価格の面から、耐火性が要求される用途への需要が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 残灰の処理に使用したアークプラズマ炉の概略縦断面図である。
【図2】 不定形耐火物の線変化率試験の結果を示すグラフである。
【図3】 不定形耐火物の圧縮強さ試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…アークチャンバー、2…プラズマ発生用トーチ、3…投入装置、4…カーボンるつぼ、5…陽極、6…水冷陽極板、7…取鍋、8…耐火材、9…のぞき窓。

Claims (2)

  1. アルミニウムドロス残灰をアークプラズマ加熱により溶融処理した処理残灰を溶融温度1800〜2000℃で2〜4時間保持した溶融処理により再生したアルミナ含有率が少なくとも90重量%の原料を配合したことを特徴とするアルミナ系耐火物。
  2. 焼成ボーキサイトの一部に前記原料が置換して配合されていることを特徴とする請求項1に記載のアルミナ系耐火物。
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