JP4352014B2 - 燃料噴射システム - Google Patents
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Description
逆に、最低設定回転数が低回転側に設定変更された場合は、アイドリング時などに不必要な燃料が過剰に噴射され、未燃の燃料の排出が増加する等の不具合が発生することが考えられる。
図1は燃料噴射システムの概略構成を示したブロック図、図2は燃料噴射ポンプ40とそれに関連する装置等の概略構成図、図3はエンジン回転数と燃料噴射量との関係を示すグラフ、図4は同じく一部拡大グラフである。
先ず、図1を用いて本発明の燃料噴射システム1の概略構成について説明する。
尚、ここで説明する燃料噴射システム1は、例えば船舶が具備するエンジンの燃料噴射ポンプの制御システムとして採用する場合について説明するが、本システムを利用することで同様の効果が得られるものであれば如何なるものに採用しても良い。
燃料噴射システム1は、図1に示すように、操作部10とエンジン20とに大別される。
操作部10は、船舶の運転室に設けられるものであって、例えば表示部11、主スロットル12、副スロットル13等が設けられるものである。
表示部11は、本システムを採用する船舶の状態や警告等を表示するものであり、スピーカ等を内蔵することによって音声による警告を発することも可能なものである。
主スロットル12は、例えばエンジン20のスロットルバルブ29を操作するものであって船舶が正常運転状態である場合に操作されるものであり、例えばレバー式のものである。
副スロットル13は、主スロットル12と同様にスロットルバルブ29を操作するものであるが、船舶が正常運転状態でない場合に操作されるものである点で主スロットル12とは使用態様が異なる。また、この副スロットル13の形状は、例えばつまみ式(ボリューム式)のスイッチである。
また、表示部11及び主スロットル12は各々独自の制御部を具備しており、エンジン20側の制御部であるECM21(Engine Control Module)と通信することによって、操作部10とエンジン20との全体制御を行っている。
尚、操作部10とエンジン20とでプロトコル等の通信方式が異なる場合には、図1に示すように通信方式の整合を図るための通信中継器15を設ける。
また、副スロットル13は、エンジン20側のECM21に直接接続される構成となっており、通信方式はエンジン20側と同じである。
エンジン20は、例えばディーゼルエンジンであり、ECM21、クランク軸回転数センサ22、カム軸回転数センサ23、遅角用電磁弁24、進角用電磁弁25、ラック28等が設けられるものである。
ECM21は、エンジン20に関するセンサや上述した操作部10等の操作系の状態に基づいて、エンジン20に関するアクチュエータ等を制御するものである。
クランク軸回転数センサ22は、エンジン20のクランク軸の回転数を検出するものであって、その検出結果をクランク軸パルスとしてECM21に出力している。
カム軸回転数センサ23は、エンジン20のカム軸の回転数を検出するものであって、その検出結果をカム軸パルスとしてECM21に出力している。
また、クランク軸回転数センサ22及びカム軸回転数センサ23は光学センサで構成することが可能であり、例えばクランク軸やカム軸の軸自体又はギヤ等に予め製造時に所定間隔で所定数のマークを記しておくことで、このマークを上記光学センサ検出することによって、ECM21はクランク軸とカム軸41の回転数を算出することができる。
遅角用電磁弁24及び進角用電磁弁25は、図2に示すような燃料噴射ポンプ40のカム軸の位相を変化させるための油圧式タイマユニットのタイマピストンを、進角側又は遅角側に摺動させる油圧を制御するための油圧制御弁である。
ラック28は、燃料噴射ポンプ40から噴射する燃料の量を調節するものである。
次に、図2を用いて燃料噴射ポンプ40とそれに関連する装置等の概略構成について説明する。
尚、この図2における油圧式タイマユニット50に関しては断面を示している。
特に、タイマピストン52に関しては便宜的に一点鎖線で上下に2分割した状態で示しており、遅角側位置に移動した状態をタイマピストン52aで示し、他方、進角側位置に移動した状態をタイマピストン52bで示している。
勿論、実際のタイマピストン52は、上述のように一点鎖線で2分割されるものではなく一体的に形成されるものであって、図2においてはあくまでもタイマピストン52の移動状態を説明するために一点鎖線で2分割しているのである。
燃料噴射ポンプ40は、燃料タンクに貯蔵される燃料をエンジン20のシリンダに設けた噴射ノズルへ圧送するためのものであり、カム軸41により駆動され、該カム軸41の先端部分にはカム軸カップリング51をカム軸41に固定するためのカップリング固定部材42が固設されている。
また、燃料噴射ポンプ40には、エンジン20のシリンダへ燃料を供給するための供給口43が気筒分設けられており、図2に示す例においては6気筒ある場合を示している。
更に、燃料噴射ポンプ40には、ガバナ30及び油圧式タイマユニット50が一体的に設けられている。
ガバナ30は、上記ラック28を具備し、該ラック28はECM21によって駆動制御される比例ソレノイドによって駆動される構造となっている。
油圧式タイマユニット50は、カム軸カップリング51の外周面にストレートでスプライン嵌合するタイマピストン52が設けられており、更に該タイマピストン52の外周面にヘリカルでスプライン嵌合するポンプ駆動歯車53が設けられている。
このポンプ駆動歯車53は、エンジン20のクランク軸からの回転力を受ける受歯車55とボルト56によって固設されている。
このように構成されているので、クランク軸の回転によってカム軸41を回転させることが可能となると共に、タイマピストン52をカム軸カップリング51のスプライン方向(図2に向って左右方向)に摺動させることによって、カム軸カップリング51とポンプ駆動歯車53との位相差を変化させることが可能となる。
尚、ここでは既に上述したとおり、タイマピストン52を52a側へ摺動させることでカム軸は遅角し、52b側へ摺動させることで進角するようにスプライン嵌合のヘリカル形状を構成している。
また、ポンプ駆動歯車53と嵌合するタイマピストン52の外周側にできる空間を遅角室57a、他方、カム軸カップリング51と嵌合するタイマピストン52の内周側の空間を進角室57bと各々称する。
この場合に、遅角室57aに圧油を圧送することでタイマピストン52を遅角側(52a側)へ摺動させることができ、他方、進角室57bに圧油を圧送することでタイマピストン52を進角側(52b側)へ摺動させることができる。
また、遅角室57aへ通じる遅角用圧油経路58aと、進角室57bへ通じる進角用圧油経路58bにはそれぞれ上述した遅角用電磁弁24及び進角用電磁弁25が配設されて、該遅角用電磁弁24と進角用電磁弁25をECM21で制御して作動し、圧油を送油してタイマピストン52を摺動させるのである。
このように構成されているので、ECM21は、エンジン20の状況に応じてタイマピストン52を油圧で制御する制御手段として機能し、エンジン20のクランク軸とカム軸41との位相差を自在に遅角又は進角させることが可能となる。
そして、ECM21は、設定変更可能な最低設定回転数Noよりも低回転側で、エンジン回転数の低下にともない燃料噴射量を増加させる、エンジン回転数と燃料噴射量との関係を定めた低回転側燃料噴射量特性曲線b(以下、単に「低回転側特性曲線」という。)bに基づいて、最低設定回転数Noよりも低回転側における燃料噴射ポンプの燃料噴射量を制御する。
最小特性曲線Bは、エンジン回転数と燃料噴射量との関係において、各エンジン回転数に基づいて算出される最小燃料噴射量を示したものであり、言わば燃料噴射量の下限ラインである。
最低設定回転数Noは、操縦者による前記主スロットル12の操作などによって調節可能な範囲での最低エンジン回転数であり、通常アイドリング時のエンジン回転数となり、ECM21にて予め設定される。なお、図3に示すグラフ中、Nmは最高設定回転数を示しており、該最高設定回転数Nmは、主スロットル12の操作などによって調節可能な範囲での最高エンジン回転数であり、ECM21にて予め設定される。
この低回転側特性曲線bは、図3のグラフに示すように、最低設定回転数Noよりも低回転側でのあるエンジン回転数において、最大特性曲線Aと交差する点(交点X)を有しており、この交点Xよりも低回転側では、最大特性曲線Aにより定められる値を越えて燃料噴射量が増加される。
この最低設定回転数Noは、基本的には、燃料噴射システム1が採用される船舶などの納品時に設定されるが、操作部10に設けられる操作パネル等により、操縦者によって設定変更可能に構成される。具体的には、例えば、最低設定回転数Noは、700〜800[rpm]の範囲で20[rpm]刻みで設定変更可能に構成される。
すなわち、例えば、最低設定回転数がNoからNo1に増加するように高回転側に設定変更された場合、ECM21は、最低設定回転数の増加に応じて低回転側特性曲線bの対応するエンジン回転数を増加する。この場合、図3のグラフ上では、最小特性曲線Bの低回転側特性曲線のb部分が、高回転側(右側)に略平行移動されることとなる(b1参照)。逆に、最低設定回転数がNoからNo2に減少するように低回転側に設定変更された場合、ECM21は、最低設定回転数の減少に応じて低回転側特性曲線bの対応するエンジン回転数を減少する。この場合、同グラフ上では、最小特性曲線Bの低回転側特性曲線のb部分が、低回転側(左側)に略平行移動されることとなる(b2参照)。
すなわち、最低設定回転数Noが高回転側に設定変更された場合は、アイドリング時などに負荷が投入された際に、エンジン回転数の低下にともなって適切に燃料噴射量が増加されることとなるので、エンジン回転数の落ち幅の増加を防止することができ、操作性や運転フィーリングの低下を防止することができる。また、最低設定回転数Noが低回転側に設定変更された場合は、アイドリング時などに不必要な燃料が過剰に噴射されることがなくなり、未燃燃料の排出の増加を防止することができる。
まず、設定変更による最低設定回転数のNoからNo1への増加により、低回転側特性曲線bの燃料噴射量に対応するエンジン回転数が増加されない(低回転側特性曲線bが移動されない)として、エンジン回転数が最低設定回転数No1の状態でアイドリング運転していたとする。つまり、グラフ上では、低回転側特性曲線b上でのエンジン回転数がNo1となる点p1に対応する状態となる。この状態から、クラッチ嵌入などによりエンジン20に負荷が投入されると、その状態でのエンジン回転数(No1)での最大燃料噴射量に噴射量が増加される。つまり、グラフ上では、点p1から最大特性曲線A上の点p2へと移動する。また、投入された負荷によりエンジン回転数は低下するため、グラフ上では点p2から最大特性曲線Aに沿って低回転側へと移動する。
そして、エンジン回転数がある値まで低下すると、その値から低回転側では低回転側特性曲線bに基づいて燃料噴射量が増加される。つまり、グラフ上では、点p2から最大特性曲線Aと低回転側特性曲線bとの交点Xに達すると、この交点Xにおけるエンジン回転数よりも低回転側では、低回転側特性曲線bに沿って燃料噴射量が増加されることとなる。その後、負荷が解除されることにより、エンジン回転数は増加して最低設定回転数No1に戻り点p1に対応する状態となる。
つまり、設定変更により最低設定回転数がNoからNo1に増加されても、低回転側特性曲線bの燃料噴射量に対応するエンジン回転数が増加されない(低回転側特性曲線bが移動されない)とすると、アイドリング時からエンジン回転数が低下することによって、最大特性曲線Aに基づく噴射量を超えて低回転側特性曲線bに基づいて燃料噴射量が増加されるまでに、エンジン回転数はNo1から交点Xにおけるエンジン回転数まで低下することとなる。
そして、エンジン回転数がある値まで低下すると、その値から低回転側では低回転側特性曲線b1に基づいて燃料噴射量が増加される。つまり、グラフ上では、点p2から最大特性曲線Aと低回転側特性曲線b1との交点X1に達すると、この交点X1におけるエンジン回転数よりも低回転側では、低回転側特性曲線b1に沿って燃料噴射量が増加されることとなる。その後、負荷が解除されることにより、エンジン回転数は増加して最低設定回転数No1に戻り点p3に対応する状態となる。
つまり、設定変更により最低設定回転数がNoからNo1に増加されることにより、低回転側特性曲線bの燃料噴射量に対応するエンジン回転数が増加されて低回転側特性曲線b1に移動されることから、アイドリング時からエンジン回転数が低下することによって、最大特性曲線Aに基づく噴射量を越えて低回転側特性曲線b1に基づいて燃料噴射量が増加されるまでに、エンジン回転数はNo1から交点X1におけるエンジン回転数まで低下することとなる。
この場合、設定変更による最低設定回転数のNoからNo2への減少により、低回転側特性曲線bの燃料噴射量に対応するエンジン回転数が減少されない(低回転側特性曲線bが移動されない)とすると、エンジン回転数が最低設定回転数No2の状態でのアイドリング時に対応するのは、グラフ上で低回転側特性曲線b上でのエンジン回転数がNo2となる点p4となり、その状態での燃料噴射量をF0とする。
一方、本発明のように、設定変更による最低設定回転数のNoからNo2への減少により、低回転側特性曲線bの燃料噴射量に対応するエンジン回転数が減少されることで、低回転側特性曲線bがb2へと移動されると、エンジン回転数が最低設定回転数No2の状態でのアイドリング時に対応するのは、グラフ上で移動後の低回転側特性曲線b2上でのエンジン回転数がNo2となる点p5となり、その状態での燃料噴射量をF2とする。
20 エンジン
21 ECM
40 燃料噴射ポンプ
A 最大燃料噴射量特性曲線
B 最小燃料噴射量特性曲線
b 低回転側燃料噴射量特性曲線
Claims (1)
- 設定変更可能な最低設定回転数よりも低回転側で、エンジン回転数の低下にともない燃料噴射量を増加させる、エンジン回転数と燃料噴射量との関係を定めた低回転側燃料噴射量特性曲線に基づいて、燃料噴射ポンプの燃料噴射量を制御する制御手段を具備する燃料噴射システムであって、
前記制御手段は、前記設定変更による前記最低設定回転数の増減に応じて、前記低回転側燃料噴射量特性曲線の燃料噴射量に対応するエンジン回転数を増減することを特徴とする燃料噴射システム。
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