JP4354582B2 - 結晶精製装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不純物を含む原料結晶を精製結晶成分の融解液と向流接触せしめることにより、結晶の精製を行なうこととする結晶精製装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、結晶の精製装置としては種々の形式のものがあるが、結晶成分の融解液を利用して結晶の精製を行う装置として、例えば特公昭47−40621号公報に開示されたものがある。この公知の装置は、添付図面の図3に示されるように、下部に不純物を含む被精製物質としての原料粗結晶を精製塔11内に供給する手段として、仕込口12内にスクリューコンベア13を有し、塔上部に配設された加熱融解装置14により結晶を融解させ、その融解液と精製塔11内を上昇してくる結晶と向流接触させながら、精製された結晶を上部の取出口15から取り出す直立型精製装置を成している。精製塔11内には回転軸体16に攪拌翼17を取り付けた攪拌機18が設けられ、この攪拌機18は、上記仕込口12より供給された結晶を解きほぐしながら上昇させる機能を有している。
【0003】
このような構成の結晶精製装置により目的結晶成分の融解液を利用して不純物を含む粗結晶を精製するには、原料粗結晶は精製塔11の仕込口12より塔内へ供給され、塔内に設けた攪拌機18により塔頂に向かって揚昇される。その際、攪拌機18は、結晶が塊のまま上昇したり或いは結晶が攪拌翼17に付着したりするのを防ぎつつ結晶を解きほぐし精製塔11内を輸送上昇させる。かくして塔頂に達した結晶は、必要量が融解され還流融解液となって重力によって精製塔11内を下降し、この融解液で洗浄されながら塔頂に達した結晶は目的とする純度で取出口15から取り出される。なお、原料結晶に含まれていた不純物は精製塔11内を下降して濾過装置19で分離され排出口20から除去される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの精製装置は、塔上部に加熱融解装置14を設置しているため、該加熱融解装置14が上昇してくる結晶より強い圧力を受け、さらにはその圧力の反力によって攪拌機18への負荷が増大し、その結果、加熱融解装置そして攪拌機が損傷することがあった。
【0005】
さりとて、このような問題を操作上防ぐためには結晶の処理量を下げざるをえず、生産能力の低下をきたすことになる。また、上記圧力を小さくするために加熱融解装置を小さくすると、伝熱面積が減少してしまうので、加熱融解装置で同じ供給熱量を確保しようとすると、融解液の温度が上昇し、その結果、融解液が変質するという問題を生ずる。
【0006】
さらに、この種の装置では結晶の上昇量が変動する場合があるが、これに対応することが難しい。すなわち、図3の装置にあっては、装置の制御は、加熱融解装置の温度を加減することにより融解液の温度や量を調整するので、この融解液の温度や量の調整は間接的になされる。したがって、この制御は適正条件下でなされることがきわめて困難となって操業条件が変動してしまい、伝熱係数もその変動を受け、その結果、加熱融解装置で与える熱量も変動して不安定となり、結晶の熱による変質、さらには精製能力の低下を招いていた。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑み、融解液の温度や量といった条件を直接制御して高品質な製品を安定して高能力で精製できる結晶精製装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る結晶精製装置は、縦方向に延びる筒型の精製塔の下部に原料結晶の仕込口を、上部に精製後の結晶を製品として取出すための取出口とを有している。この精製塔内には、原料結晶の攪拌のための攪拌装置が配設されており、該精製塔内での精製結晶成分の降下融解液と上昇原料結晶との向流接触により原料結晶が精製される。
【0009】
かかる結晶精製装置において、本発明では、精製結晶成分の融解液を外部から精製塔内へ供給する融解液供給手段が該精製塔上部に設けられていることを特徴としている。
【0010】
このような本発明装置にあっては、精製結晶成分の融解液が外部から精製塔の上部にて該精製塔内へ降下供給され、上昇原料結晶が精製塔内で精製結晶成分の降下融解液と向流接触して精製される。
【0011】
本発明において、攪拌装置は、原料結晶の攪拌と共に上方への押し上げが可能であることが好ましい。その場合、攪拌装置は、縦方向に延びる回転軸体に取りつけられた攪拌翼を有しているようにすることができる。上記攪拌装置は回転軸体を複数有し、各回転軸体に回転翼が取りつけられている形態とすることができる。その際、複数の回転軸体の少なくとも一つは他の回転軸体と逆方向に回転しているようにすることが可能である。複数の回転軸体に取りつけられた回転翼は、回転軸体の軸線方向から見たときに、回転面同士が一部重なっているならば、攪拌効果が向上する。
【0012】
さらに、本発明において、仕込口には、原料結晶を精製塔に押し込むことのできる供給装置が接続されているようにすることが望ましく、こうすることにより原料結晶の供給能力の向上が図れる。又、精製塔は下部に濾過装置そしてその下方に不純物排出口が設けられていることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面の図1及び図2にもとづき、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図において、精製塔1は縦型筒状をなしており、内部に攪拌装置2が配設されている。攪拌装置2は、本実施形態においては、縦に延びる回転軸体2Aを二本有し、各回転軸体2Aに複数の攪拌翼2Bが取りつけられている。二本の回転軸体2Aは、同方向に回転してもあるいは逆方向に回転していてもよい。いずれにしても、攪拌翼2Bは回転軸体2Aの回転時に上昇流を形成するような水平面に対しての傾角を有していることが好ましい。二つの回転軸体2Aに取りつけられた攪拌翼2Bは、本実施形態では好ましい形態として図2に見られるように、上方から見たときに両方の攪拌翼2Bの回転面が一部重なり合うようになっている。この重なり合う領域にて攪拌能力は向上する。上記精製塔1の内壁面はかかる回転面の円に近接した形をなすことが好ましい。
【0015】
上記精製塔1の下部には仕込口3が設けられており、ここから原料結晶が供給されるようになっている。この仕込口3には、図示していないが、スクリューコンベア等の供給装置が設けられていて、原料結晶を精製塔1内へ押し込むことが可能となっていることが好ましい。
【0016】
上記精製塔1の上部には、精製後の結晶を製品として取り出すための取出口4と、精製結晶成分の融解液を外部から精製塔内へ供給するための融解液供給手段5とが設けられている。上記融解液供給手段5は、本実施形態においては、供給管の形態をなしており、温度等の状況が予め正確に判っている融解液が所定量だけ供給されるようになっている。
【0017】
さらに、上記精製塔1内の下部に濾過装置6が配設されていると共に、底部には不純物排出口7が設けられている。
【0018】
かかる本実施形態装置においては、原料粗結晶またはスラリー状結晶混合物は仕込口3から精製塔1内部に送り込まれる。このようにして送り込まれた原料結晶は攪拌機2によって攪拌されながら塔上部へ運ばれる。塔上部では融解液供給手段5より結晶成分の融解液が塔外から供給される。この融解液は温度等の状況が正確に把持されており、装置の運転管理上最適な量だけ供給される。この融解液の一部は塔内を下降して、上昇してくる原料結晶と向流接触する。これにより、上昇せる結晶は洗浄され、又、温度上昇による発汗作用により結晶内部の不純物を外に吐き出すことで精製される。このようにして原料結晶が塔上部に達したときには、原料結晶は精製されて高純度の物質になっており、ここでその一部分は取出口4から製品として取り出される。
【0019】
粗原料結晶に含まれていた低融点不純物は塔内を下降して濾過装置6で結晶と分離されて不純物排出口7から排出される。
【0020】
本発明は、以上の実施形態に示された具体例に限定されるものではない。融解液供給手段は、図示のような供給管でなくても、多孔板のような、融解液を少量ずつ均等に降らすようなものでもよい。又、精製塔は必ずしも円筒型でなくてもよく、任意の断面形状をとり得るし、あるいは垂立していなくとも多少傾斜していてもよい。
<実施例>
内径508mm、高さ約2600mmの2つの円筒を重ねあわせた図2のごとくの断面形状の精製塔を有する精製装置に、パラジクロルベンゼン92.3%、オルソジクロルベンゼン6.6%、メタジクロルベンゼン1.1%のスラリー状態の混合物を1514kg/Hrで仕込み、降らした融解液を除いて正味1260kg/Hrの純度99.99%以上のパラジクロルベンゼンを得ることができた。この装置と同じ大きさの特公昭47-40621号公報に開示された精製装置では、800kg/Hrが限度であった。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、従来装置のように加熱融解装置を精製塔上部に配設することがないので、融解装置が上昇結晶からの圧力を受け、そして攪拌機がその反力を受けてそれぞれ損傷する可能性がなくなった。
【0022】
さらには、温度等の条件が正確に把握されている融解液を外部から所望な適正量だけ供給するので、条件制御が正確にできる。その結果、熱による変質のない高品質な製品を安定して高精製能力のもとに得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態装置の縦断面図である。
【図2】図1装置のII−II断面図である。
【図3】従来装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 精製塔
2 攪拌装置
2A 回転軸体
2B 攪拌翼
3 仕込口
4 取出口
5 融解液供給手段
6 濾過装置
7 不純物排出口
Claims (9)
- 縦方向に延びる筒型の精製塔の下部に原料結晶の仕込口と上部に精製後の結晶を製品として取出すための取出口とをそれぞれ設け、原料結晶の攪拌のための攪拌装置を上記精製塔内に配設し、精製塔内での精製結晶成分の降下融解液と上昇原料結晶との向流接触により原料結晶を精製する結晶精製装置において、精製結晶成分の融解液を外部から精製塔内へ供給する融解液供給手段が該精製塔上部に設けられていることを特徴とする結晶精製装置。
- 攪拌装置は、原料結晶の攪拌と共に上方への押し上げが可能であることとする請求項1に記載の結晶精製装置。
- 攪拌装置は、縦方向に延びる回転軸体に取りつけられた攪拌翼を有していることとする請求項1又は請求項2に記載の結晶精製装置。
- 攪拌装置は回転軸体を複数有し、各回転軸体に回転翼が取りつけられていることとする請求項3に記載の結晶精製装置。
- 複数の回転軸体の少なくとも一つは他の回転軸体と逆方向に回転していることとする請求項4に記載の結晶精製装置。
- 複数の回転軸体に取りつけられた回転翼は、回転軸体の軸線方向から見たときに、回転面同士が一部重なっていることとする請求項4又は請求項5に記載の結晶精製装置。
- 仕込口には、原料結晶を精製塔に押し込むことのできる供給装置が接続されていることとする請求項1に記載の結晶精製装置。
- 精製塔は下部に濾過装置そしてその下方に不純物排出口が設けられていることとする請求項1に記載の結晶精製装置。
- 縦方向に延びる筒型の精製塔の下部に原料結晶の仕込口と上部に精製後の結晶を製品として取出すための取出口とをそれぞれ設け、原料結晶の攪拌のための攪拌装置を上記精製塔内に配設し、精製塔内で精製結晶成分の降下融解液と上昇原料結晶とを向流接触せしめて原料結晶を精製する結晶精製方法において、精製結晶成分の融解液を外部から精製塔の上部にて該精製塔内へ降下供給することを特徴とする結晶精製方法。
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