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JP4354870B2 - 安全タイヤ用補強空気のう - Google Patents
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JP4354870B2 - 安全タイヤ用補強空気のう - Google Patents

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Description

この発明は、タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用補強空気のうに関し、特にかかる補強空気のうのコストの低減と耐久性の向上を図る。
パンク等によってタイヤ内圧が急激に低下したランフラット状態においてもある程度の距離の走行が可能である安全タイヤとしては、補強チューブ、補強ゴム、補強ベルト等の補強部材、又は発泡体、弾性体、中子等にタイヤ負荷を肩代わり支持させるタイヤや、シーラント剤を塗布又は充填してタイヤに生じた孔等の損傷部を塞いで内圧低下を防止したタイヤ等が知られている。しかし、これら従来の安全タイヤは、製造方法が複雑なため、不良率が高くなったり、製造効率が低下したりする場合が多かった。
かかる問題を解消するため、例えば特許文献1には、安全タイヤの内部に収納されて、タイヤの内圧が低下するランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の空気のうが記載されている。しかし、かかる空気のうでは、タイヤの負荷転動に伴い発生する遠心力の作用により、空気のうが周方向外方に径成長してその外面がサイドウォール部やトレッド部の内周面等に接触して擦れ、最終的には空気のうが破損するおそれがあった。
特許文献2には、かかる空気のうに加え、その少なくともクラウンを張力支持部材により構成することで通常走行時の径成長を抑制するとともに、その張力支持部材に、引張力が漸増するにつれて、その拡張変形による伸びが実質的に増加する伸長率−引張力特性を示す物性を付与することによって、ランフラット走行時に空気のうを均一にタイヤと接触させることが記載されている。また、特許文献3には、中空円環状をなす空気のうのクラウン部の外周上に、それとは別体になる補強層をその全周にわたって装着することで、補強層の損傷の、空気のうへの伝播を、それら両者の境界層によって抑制することが記載されている。しかし、特許文献2及び3に記載の空気のうはいずれも、長期間にわたって使用していると、タイヤの転動に伴う遠心力や空気のう内に充填した空気の圧力の作用により、空気のうを構成するゴム部分がクリープ変形して径成長し、ついにはタイヤの内面にまで到達する場合があり、このためフープ補強層がタイヤ内面に擦れて破損することが懸念されていた。また、特許文献2及び3の空気のうの補強層としては、不織布とゴムの複合体を用いているため、このような補強層で通常走行時の径成長を抑制するには、複数枚の複合体を用いる必要があり、これが安全タイヤのコスト増加を招いていた。
かかるフープ補強層のクリープ変形を防止するため、発明者らは樹脂等の耐低張力材料でフープ補強層を構成することを着想したが、従来の不織布とゴムの複合体からなるフープ補強層と異なり、樹脂からなるフープ補強層をゴム製の空気のうに加硫接着することはできないため、フープ補強層をチューブに固定する新たな手段が必要となる。樹脂をゴムに固定するには、接着剤又は接着テープを用いるのが一般的であるが、チューブやタイヤを構成する加硫ゴムからの析出物(ブルーミング)により発生するガスや走行中の温度上昇などにより、接着剤又は接着テープは急速に劣化するため、長期間にわたってフープ補強層をチューブに固定することが難しい。加硫ゴムとの接着に適した接着剤も存在するが、かかる接着剤は通常の接着剤に比べて非常に高価であり、これが新たなコスト上昇の要因となる。
特開2001−10314号公報 国際公開第02/43975号パンフレット 国際公開第02/96678号パンフレット
したがって、この発明の目的は、フープ補強層の固定の適正化を図ることにより、低コストで、かつ長期間にわたって使用しても優れた耐久性を有する安全タイヤ用補強空気のうを提供することにある。
上記の目的を達成するため、この発明は、タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用補強空気のうにおいて、該補強空気のうは、空気不透過性のチューブと、該チューブのクラウン部の外周を全周にわたって包囲するフープ補強層とを具え、前記チューブの外周面に、フープ補強層がその幅方向へ移動するのを阻止する移動阻止手段を設けることを特徴とする安全タイヤ用補強空気のうである。
本明細書において「所定の空気圧」とは、補強空気のうを収納する安全タイヤに対して、JATMA、TRA、ETRTO等の、タイヤが製造、販売、又は使用される地域において有効な工業基準、規格等に規定され、負荷能力に応じて特定される空気圧をいうものとする。また、「所定の空気圧との関係で設定された内圧」とは、タイヤに所定の空気圧を適用した空気充填状態では、補強空気のうの外面とタイヤの内面との間に空間部を形成することができ、一方、タイヤの内圧が低下したランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って補強空気のうが拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりすることができる内圧をいい、より具体的には所定の空気圧より大きい内圧を意味し、好適には所定の空気圧+50%以下の範囲をいうものとする。
また、移動阻止手段は、フープ補強層の両幅端縁と接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に設けられた挟持突起であるか、フープ補強層の両幅端縁近傍のチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上にそれぞれ設けられ、フープ補強層を貫通してチューブの半径方向に延びる少なくとも2個の貫通突起であるか、挟持突起と貫通突起の双方であるか、またはチューブのクラウン部に形成したフープ補強層が収納できる凹状部の両壁部であることが好ましい。ここで「フープ補強層の両端部近傍」とは、フープ補強層の両端部から補強空気のうの幅方向内側に向って、フープ補強層の幅の2%の領域をいうものとする。
さらに、前記挟持突起は、チューブの半径方向に延びるリッジ状、又は先端部が補強空気のうの幅方向内側に屈曲して延びる鉤状をなすことが好ましい。
さらにまた、フープ補強層はリボン状部材をオーバーラップさせながら、つるまきらせん巻回して構成することが好ましく、この場合には、リボン状部材は、少なくともオーバーラップ部を形成する表面に接着剤又は接着テープを貼り付けてなることがさらに好ましく、オーバーラップ部の幅がリボン状部材の幅の15%以上であることが一層好ましい。
加えて、フープ補強層の外周面全体を包囲する広幅の補強バンドをさらに設けることが好ましい。ここで「広幅」とは、フープ補強層の幅の50%以上の幅を有することをいうものとする。
この発明によれば、フープ補強層の固定の適正化を図ることにより、低コストで、かつ長期間にわたって使用しても優れた耐久性を有する安全タイヤ用補強空気のうを提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う代表的な補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。
図1に示す補強空気のう1は、中空円環状をなしており、タイヤ2に収納されて安全タイヤを形成している。この安全タイヤをリム3に装着してタイヤ組立体を形成する。そして、タイヤ2には空気充填バルブ4を介して所定の空気圧を充填し、補強空気のう1には空気充填バルブ5を介してタイヤ2の所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気を充填し、その結果、図1に示すように、タイヤ2内には空間Sが、補強空気のう1内には空間Sがそれぞれ形成される。一方、パンク等によりタイヤ2の空間Sの内圧が急激に低下すると、空間Sと空間Sとの内圧差が大きくなる結果、図示は省略するが、補強空気のう1が拡径変形して最終的にはタイヤ2の内面に達し、荷重の支持をタイヤ2から肩代わりする。なお、図1には、空気充填バルブ4と空気充填バルブ5が別体に形成された態様を示したが、これらのバルブを一体に形成することもできる。また、タイヤ2及びリム3には特に制限は無く、従来より公知の種々の構成のものが使用可能である。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、補強空気のう1は、空気不透過性のチューブ6と、チューブのクラウン部の外周を全周にわたって包囲するフープ補強層7とを具え、チューブ6の外周面に、フープ補強層7がその幅方向へ移動するのを阻止する移動阻止手段8を設けることにある。
以下、この発明が上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。
発明者らは、不織布とゴムの複合体からなる従来のフープ補強層の代わりに樹脂からなるフープ補強層を用いれば、空気のうとタイヤの内圧差によるフープ補強層のクリープ変形を防止することができる結果、補強空気のうの耐久性を向上することができるとの着想を得た。しかし、このような補強空気のうを収納した実際に試作し、耐久性の試験を繰り返していると、所期された耐久性の得られない場合があることが分かった。
この原因につき、発明者らが鋭意研究を重ねたところ、以下のような知見を得た。すなわち、補強空気のうをタイヤ内に収納するに当たっては、図2に示すように折り畳んだ状態でタイヤ内に挿入されるが、この作業の間にフープ補強層とチューブの幅方向中心位置がずれないよう、フープ補強層は接着剤又は接着テープによってチューブに貼り付けられている。この接着剤又は接着テープは、補強空気のうがタイヤ内に収納された後に、チューブやタイヤを構成する加硫ゴムからの析出物(ブルーミング)により発生するガスや走行中のタイヤ内温度の上昇などにより急速に劣化し、やがてフープ補強層とチューブとが分離してしまう。また、フープ補強層及びチューブの製造上のばらつきやチューブへのフープ補強層の取り付け時のずれなどがあるため、フープ補強層には不均一な張力が加わる場合がある。さらに、フープ補強層とチューブとが分離していると、走行中にフープ補強層がその幅方向に移動する場合もある。このため、フープ補強層には局所的に大きな張力が加わる結果、クリープ変形が大きくなり、空気のうとタイヤ内面が擦れて、これが所期された耐久性を得ることのできない原因となっていることが分かった。また、不均一な張力が加わっている状態では、タイヤの内圧が低下した際に補強空気のうが均一に拡径変形することができず、左右の何れかに偏って拡張してしまうため、ランフラット走行時に偏って拡張した側の補強空気のうが早期に破損する場合があり、所期したランフラット耐久性を得ることのできない原因となっていることが分かった。
このような不均一な張力分布を防止するには、ブルーミングガスによっても劣化の少ないゴム系の両面テープを用いてフープ補強層をチューブに均一に固定することが考えられるが、ゴム系両面テープは非常に高価であるため、コスト増につながるという問題点がある。
そこで発明者らは、故障の原因がフープ補強層の幅方向への移動にあることに着目し、フープ補強層7をチューブ6に貼り付ける代わりに、チューブ6の外周面に、フープ補強層7がその幅方向へ移動するのを阻止する移動阻止手段8を設ければ、長期間使用した場合にもフープ補強層7が幅方向に偏ることがなくなり、張力が均一に分散する結果、補強空気のう1の耐久性が安定して得られることを見出し、この発明を完成させるに至ったのである。
移動阻止手段8は、図1に示すように、フープ補強層7の両幅端縁9a、9bと接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に設けられた挟持突起10a、10bであることが好ましい。このように移動阻止手段8を挟持突起10a、10bとすれば、チューブ6へのフープ補強層7の取り付けが比較的容易になるからである。なお、挟持突起10a、10bは、それの所望の形状に対応してモールドを加工しておき、チューブ6の加硫成型の際にモールドで型付けすることによって容易に形成することができる。
挟持突起10a、10bは、製造を容易にする観点からは、図1に示すように、チューブ6の半径方向に延びるリッジ状とすることが好ましい。また、挟持突起10a、10bは、フープ補強層7の移動を確実に防止する観点からは、図3に示すように、先端部が補強空気のう7の幅方向内側に屈曲して延びる鉤状をなすことが好ましい。いずれの場合にも、挟持突起10a、10bの高さhは、フープ補強層7の厚さの150〜500%とすることが好ましい。
また、移動阻止手段8は、図4に示すように、フープ補強層7の両幅端縁9a、9b近傍のチューブ6の外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上にそれぞれ設けられ、フープ補強層7を貫通してチューブ6の半径方向に延びる少なくとも2個の貫通突起11a、11bであることが好ましい。このように貫通突起11a、11bによりフープ補強層7を係止すると、チューブ6とフープ補強層7の幅方向での位置関係の精度が向上し、フープ補強層7のオフセットの発生を防止できるからである。図5は、フープ補強層7を取り外した状態におけるチューブ6の一部と貫通突起11の拡大側面図である。図示のように、貫通突起11は、チューブの半径方向外側に、直径が残余の部分のそれよりも大きな膨張部12を有することが好ましい。この膨張部12によりフープ補強層7が貫通突起11から抜け出るのを防ぐことができるからである。このようにフープ補強層7の抜けを有効に防止する観点からは、貫通突起11の膨張部12までの高さhはフープ補強層7の厚さの105〜200%、膨張部12の直径dは残余の部分の直径dの120〜150%とすることがより好ましい。貫通突起11にフープ補強層7を取り付ける手段としては、例えばフープ補強層7に孔、スリット又はこれらの組合せを予め設けておき、これらに貫通突起11を嵌め合わせることが挙げられる。この際、孔の径は膨張部12の直径dより小さく、残余の部分の直径dより大きくすることが、嵌め合わせを容易にし、かつ固定を強固にする上で好ましい。なお、貫通突起11a、11bは、それの所望の形状に対応してモールドを加工しておき、チューブ6の加硫成型の際にモールドで型付けすることによって容易に形成することができる。
さらに、フープ補強層7の移動をより一層確実に阻止することが望まれる場合には、図6に示すように、移動阻止手段8を、挟持突起10a、10bと、貫通突起11a、11bの組合せとすることもできる。
あるいは、移動阻止手段8は、図7に示すように、チューブ6のクラウン部に形成したフープ補強層7が収納できる凹状部13の両壁部14a、14bとすることもできる。このように移動阻止手段8を凹状部13の両壁部14a、14bとすると、チューブ6の加硫成型の際にモールドで型付けすることによって容易に移動阻止手段8を形成することができる点で好ましい。
図8(a)〜(c)は、この発明に従う種々の補強空気のうのクラウン部の一部の展開図である。移動阻止手段8は、図8(a)に示すように、補強空気のう1の円周方向に連続な形状としていてもよいが、図8(b)に示すように、補強空気のう1の円周方向に不連続な形状としてもよく、この場合には、図8(c)に示すように、左右の移動阻止手段8をずらして配置してもよい。
また、フープ補強層7は、図1に示すように、単一の広幅のシート状部材で構成してもよく、図示は省略するが、少なくとも2個の並置したリング状部材で構成してもよいが、フープ補強層7の剛性の制御を容易にする観点からは、図9(a)及び(b)に示すように、リボン状部材15をオーバーラップさせながら、つるまきらせん巻回して構成することが好ましい。この場合には、フープ補強層7の形状を維持するために、リボン状部材15は、少なくともオーバーラップ部16を形成する表面に接着剤又は接着テープを貼り付けてなることがさらに好ましい。この接着剤又は接着テープは、加硫ゴムとの接着を意図するものではないので、アクリル系接着テープ等のブルーミングガス耐久性の比較的低いものであっても使用することができ、ゴム系両面テープ等のブルーミングガス耐久性の比較的高いものを使用した場合に比べてコストの上昇を有効に抑制することができる。無論、ゴム系両面テープ等のブルーミングガス耐久性の比較的高いものを使用することもできる。
さらに、オーバーラップ部16の幅wがリボン状部材15の幅wの15%以上であることが好ましい。オーバーラップ部16の幅wがリボン状部材15の幅wの15%未満の場合には、リボン状部材15相互の接着力が不足し、はく離するおそれがあるからである。
図10(a)〜(c)は、フープ補強層7の一部の拡大断面図である。接着剤又は接着テープ17は、図10(a)に示すようにリボン状部材15の略全体にわたって貼り付けてもよいが、図10(b)に示すようにオーバーラップ部16の略全体にわたって貼り付けてもよい。また、オーバーラップ部16の幅が大きい場合や、接着剤又は接着テープ17の接着力が大きい場合には、図10(c)に示すように、オーバーラップ部16の一部にのみ接着剤又は接着テープ17を貼り付けてもよい。
加えて、図11に示すように、フープ補強層7の外周面全体を包囲する広幅の補強バンド18をさらに設けることが好ましい。これにより、フープ補強層7のチューブ6への固定が一層強固となり、フープ補強層7の幅方向への移動が一層確実に阻止されるからである。補強バンド18の材質としては、取付け及び固定の観点から、ゴム等の弾性体が特に好ましい。また、補強バンド18の幅は、フープ補強層7の幅と略同一にすることが特に好ましい。
なお、上述したところは、この発明の実施態様の一部を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
次に、この発明に従う安全タイヤ用補強空気のうを試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
(実施例1)
実施例1の補強空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用補強空気のうであり、図1に示す構造を有し、厚さ3.5mmのブチルゴムからなる空気不透過性のチューブのクラウン部の外周を全周にわたってフープ補強層で包囲しており、フープ補強層の両幅端縁と接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に、高さが2mmであり、図8(a)に示すような円周方向に連続な形状を有する1対のリッジ状挟持突起を設けてなる。このフープ補強層は、厚さ1.3mmのポリエチレンテレフタレートからなり、幅が300mmである1個のリング状部材で構成されており、チューブとは非接合状態で密着している。また、チューブの幅は400mm、外径は800mm、内径は575mmである。
(実施例2)
実施例2の補強空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用補強空気のうであり、実施例1と同じチューブのクラウン部の外周を全周にわたってフープ補強層で包囲しており、フープ補強層の両幅端縁と接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に、高さが2mmであり、先端部が補強空気のうの幅方向内側に5mm屈曲して延びる鉤状挟持突起を設けてなる。また、実施例2の補強空気のうは、フープ補強層を、図9(b)と同様にして、厚さ0.3mm、幅40mmのポリエチレンテレフタレートからなるリボン状部材を20mmオーバーラップさせながらつるまきらせん巻回し、形成されたオーバーラップ部を幅20mm、厚さ0.12mmのアクリル系接着テープで接着して構成した点を除いて、図3に示す補強空気のうと同様の構造を有する。
(実施例3)
実施例3の補強空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用補強空気のうであり、実施例1と同じチューブのクラウン部の外周を全周にわたってフープ補強層で包囲しており、フープ補強層の両幅端縁から20mmのチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に、フープ補強層を貫通してチューブの半径方向に延びる貫通突起を設けてなる。この貫通突起は、膨張部の直径が7mmであり、残余の部分の直径が5mmであり、膨張部までの高さが1mmであり、一方の円周線上に8個が等間隔に離間して設けられている。また、実施例3の補強空気のうは、実施例2と同様にして形成した後、貫通突起に対応する位置に直径6mmの孔を開けたフープ補強層を用いた点を除いて、図4に示す補強空気のうと同様の構造を有する。
(実施例4)
実施例4の補強空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用補強空気のうであり、実施例1と同じチューブのクラウン部の外周を全周にわたってフープ補強層で包囲しており、実施例2と同じ鉤状挟持突起及び実施例3と同じ貫通突起を有しており、実施例3と同じフープ補強層を用いた点を除いて、図6に示す補強空気のうと同様の構造を有する。
(実施例5)
実施例5の補強空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用補強空気のうであり、実施例1と同じチューブのクラウン部の外周を全周にわたってフープ補強層で包囲しており、実施例1と同じリッジ状挟持突起を有している。また、実施例2と同じフープ補強層を用い、この外周面全体を厚さ:1.5mm、幅:300mmのゴム製の補強バンドで包囲して、図11に示す補強空気のうと同様の構造とした。
(比較例)
比較のため、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用補強空気のうであり、実施例1〜5と同じチューブのクラウン部の外周を全周にわたって実施例1と同じフープ補強層で包囲するものの、図12に示すように、移動阻止手段を有しておらず、その代わりにチューブとフープ補強層とを厚さ0.12mmのアクリル系接着テープで接着してなる補強空気のう(従来例)についても併せて試作した。
前記各供試補強空気のうをタイヤサイズが495/45R22.5のタイヤに収納し、リムサイズが17.00×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とした。このタイヤ車輪をテスト車両に装着して、補強空気のうを含むタイヤ(空間S)の内圧を900kPa(相対圧)とし、補強空気のう(空間S)の内圧を970kPa(相対圧)とし、タイヤ負荷荷重:49kNを適用し、走行速度60km/hの条件下でドラム試験機を30,000km走行させた。
30,000km走行終了後、タイヤ車輪の外観を目視観察したところ、実施例1〜5の補強空気のうを用いたタイヤ車輪では変化が見られなかったが、比較例の補強空気のうを用いたタイヤ車輪ではサイドウォール部の形状が左右で非対称となっていた。そこで、比較例の補強空気のうを用いたタイヤ車輪に対してCTスキャンを行うと、補強空気のうは片膨れ状態になっており、片側のみがタイヤの内面に接触していることが分かった。さらに、タイヤ車輪を分解して補強空気のうを取り出して観察してみると、実施例1〜5の補強空気のうでは、フープ補強層の移動は無く、チューブの損傷も無かったが、比較例の補強空気のうでは、フープ補強層が幅方向に約30mm移動しており、チューブの一部がタイヤ内面との接触により摩耗していた。したがって、実施例1〜5の補強空気のうは比較例1の補強空気のうと比べて耐久性が優れていることが分かる。
この発明によりフープ補強層の固定の適正化を図ることにより、低コストで、かつ長期間にわたって使用しても優れた耐久性を有する安全タイヤ用補強空気のうを提供することが可能となった。
この発明に従う代表的な補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う補強空気のうをタイヤ内に挿入するために折り畳んだ状態を示す。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 貫通突起の拡大断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う種々の補強空気のうのクラウン部の一部の展開図である。 (a)は、この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図であり、(b)は(a)に示すフープ補強層の斜視図である。 (a)〜(c)はフープ補強層の一部の拡大断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 比較例の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。
符号の説明
1 補強空気のう
2 タイヤ
3 リム
4、5 空気充填バルブ
6 チューブ
7 フープ補強層
8 移動阻止手段
9a、9b フープ補強層端縁
10a、10b 挟持突起
11、11a、11b 貫通突起
12 膨張部
13 凹状部
14a、14b 両壁部
15 リボン状部材
16 オーバーラップ部
17 接着テープ
18 補強バンド

Claims (10)

  1. タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用補強空気のうにおいて、
    該補強空気のうは、空気不透過性のチューブと、該チューブのクラウン部の外周を全周にわたって包囲するフープ補強層とを具え、
    前記チューブの外周面に、フープ補強層がその幅方向へ移動するのを阻止する移動阻止手段を設け
    前記移動阻止手段は、フープ補強層の両幅端縁近傍のチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上にそれぞれ設けられ、フープ補強層を貫通してチューブの半径方向に延びる少なくとも2個の貫通突起であることを特徴とする安全タイヤ用補強空気のう。
  2. タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用補強空気のうにおいて、
    該補強空気のうは、空気不透過性のチューブと、該チューブのクラウン部の外周を全周にわたって包囲するフープ補強層とを具え、
    前記チューブの外周面に、フープ補強層がその幅方向へ移動するのを阻止する移動阻止手段を設け、
    前記移動阻止手段は、フープ補強層の両幅端縁と接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に設けられた挟持突起と、フープ補強層の両幅端縁近傍のチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上にそれぞれ設けられ、フープ補強層を貫通してチューブの半径方向に延びる少なくとも2個の貫通突起の双方であることを特徴とする安全タイヤ用補強空気のう。
  3. 前記フープ補強層はリボン状部材をオーバーラップさせながら、つるまきらせん巻回して構成する、請求項1又は2に記載の安全タイヤ用補強空気のう。
  4. 前記リボン状部材は、少なくともオーバーラップ部を形成する表面に接着剤又は接着テープを貼り付けてなる、請求項3に記載の安全タイヤ用補強空気のう。
  5. オーバーラップ部の幅がリボン状部材の幅の15%以上である、請求項3又は4に記載の安全タイヤ用補強空気のう。
  6. フープ補強層の外周面全体を包囲する広幅の補強バンドをさらに設ける、請求項1〜5のいずれか一項に記載の安全タイヤ用補強空気のう。
  7. タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用補強空気のうにおいて、
    該補強空気のうは、空気不透過性のチューブと、該チューブのクラウン部の外周を全周にわたって包囲するフープ補強層とを具え、
    前記チューブの外周面に、フープ補強層がその幅方向へ移動するのを阻止する移動阻止手段を設け、
    前記フープ補強層はリボン状部材をオーバーラップさせながら、つるまきらせん巻回して構成することを特徴とする安全タイヤ用補強空気のう。
  8. 前記リボン状部材は、少なくともオーバーラップ部を形成する表面に接着剤又は接着テープを貼り付けてなる、請求項7に記載の安全タイヤ用補強空気のう。
  9. オーバーラップ部の幅がリボン状部材の幅の15%以上である、請求項7又は8に記載の安全タイヤ用補強空気のう。
  10. タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用補強空気のうにおいて、
    該補強空気のうは、空気不透過性のチューブと、該チューブのクラウン部の外周を全周にわたって包囲するフープ補強層とを具え、
    前記チューブの外周面に、フープ補強層がその幅方向へ移動するのを阻止する移動阻止手段を設け、
    フープ補強層の外周面全体を包囲する広幅の補強バンドをさらに設けることを特徴とする安全タイヤ用補強空気のう。
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