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JP4356372B2 - ポリエステル系樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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JP4356372B2 - ポリエステル系樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

ポリエステル系樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

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JP4356372B2 JP2003181701A JP2003181701A JP4356372B2 JP 4356372 B2 JP4356372 B2 JP 4356372B2 JP 2003181701 A JP2003181701 A JP 2003181701A JP 2003181701 A JP2003181701 A JP 2003181701A JP 4356372 B2 JP4356372 B2 JP 4356372B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自然環境下において分解性を有し、成形性並びに成形体としたときの表面特性および力学特性に優れたポリエステル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種食品、薬品、雑貨用等の液状物や粉粒物、固形物の包装用資材、農業用資材、建築資材など幅広い用途において、紙、プラスチックフィルム、アルミ箔等が用いられている。特にプラスチックフィルムは強度、耐水性、成形性、透明性、コスト等において優れており、袋や容器として、多くの用途で使用されている。現在これらの用途に使用されているプラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等がある。しかしながら、上記プラスチックからなるフィルムは、自然環境下においては生分解若しくは加水分解しないか、又は分解速度が極めて遅いために、使用後埋設処理された場合は土中に残存したり、投棄された場合は景観を損ねたりすることがある。また、焼却処理された場合でも、有害なガスを発生したり、焼却炉を傷めたりするなどの問題がある。
【0003】
そこで上記問題を解決する手段として、生分解性を有する材料を用いた研究が数多くなされてきた。生分解性材料の代表例としては、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネートアジペートといった脂肪族ポリエステル系樹脂やポリブチレンアジペートテレフタレートといった芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂が挙げられる。
【0004】
ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネートアジペートといった脂肪族ジカンルボン酸単位と脂肪族ジオール単位を有する脂肪族ポリエステル系樹脂は、結晶化速度が速く、成形性は良好であるが、フィルムの引き裂き強度や、引っ張り破断伸びが不十分な場合がある。
一方、ポリブチレンアジペートテレフタレートといった芳香族ジカルボン酸単位、脂肪族ジカルボン酸単位及び脂肪族ジオール単位を有する芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂が開示されている(特許文献1参照)。これらは十分な生分解性を発現するためには芳香族単位の合間に脂肪族単位が存在することが必要となるが、このような材料は結晶化速度が遅く、成形性に問題がある場合がある。また、成形品表面がべたつくためインフレフィルムにおける口開き特性が悪いが、アンチブロッキング剤等を配合すると不透明感が出たりする。また、この材料は十分に柔軟ではあるが、引っ張り強度が弱く、いわゆる腰のないフィルムとなってしまう。
【0005】
これらを解決する手法として、芳香族ジカルボン酸を構成単位として含む生分解可能なポリマーと脂肪族ポリエステルとからなる樹脂組成物及び該組成物から得られる成形体が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、この実施例において用いられている脂肪族ポリエステルはポリエチレンスクシネートであるため、極めて結晶化速度が遅く成形性が悪い。また、芳香族カルボン酸を必須構成単位として含む生分解可能なポリマーについては、芳香族ジカルボン酸成分を減らすと融点の低下等を招き、脂肪族ポリエステルの劣った成形性を該生分解可能なポリマーで補うことができなくなるとの理由から、生分解性を犠牲にするにも関わらず芳香族ジカルボン酸成分が相当量導入されたポリマーを用いている。
【0006】
【特許文献1】
特表2001−500907号公報
【特許文献2】
特開2001−172488号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自然環境下において分解性を有し、成形性並びに成形体としたときの表面特性および力学特性に優れたポリエステル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、結晶性および成形性の優れた脂肪族ポリエステルと、芳香族ジカルボン酸成分含有量の少ない芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂との併用につき鋭意検討を行った結果、特定組成とすることにより、生分解性と成形性の両方を兼備するポリエステル樹脂系組成物が得られることに知見し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明の要旨は、下記の脂肪族ポリエステル系樹脂(A)芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)及びジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートを縮合して得られたカルボジイミド化合物(C)を含む組成物であって、(B)の重量割合が、(A)及び(B)の合計100重量部に対し、1重量部以上80重量部以下の範囲であって、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)及び芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)の合計量100重量部あたり、カルボジイミド化合物(C)が0.01〜10重量部配合されてなるポリエステル系樹脂組成物、に存する。
脂肪族ポリエステル系樹脂(A):下記式(1)で表される脂肪族および/または脂環式ジオ−ル単位、並びに下記式(2)で表される脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸単位を必須成分とする脂肪族ポリエステル系樹脂。
【0010】
【化6】
−O−R1 −O− (1)
【0011】
【化7】
−OC−R2 −CO− (2)
(式(1)中、R1 は炭素数3以上の2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を、式(2)中、R2は2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を表す。)
芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B):下記式(3)で表される脂肪族または脂環式ジオ−ル単位、下記式(4)で表される脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸単位、並びに下記式(5)で表される芳香族ジカルボン酸単位を必須成分とし、芳香族ジカルボン酸単位の含量が、脂肪族ジカルボン酸単位と芳香族ジカルボン酸単位の全量に対し、5モル%以上50モル%以下である芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂。
【0012】
【化8】
−O−R3 −O− (3)
【0013】
【化9】
−OC−R4 −CO− (4)
【0014】
【化10】
−OC−R5 −CO− (5)
(式(3)中、R3 は2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を、式(4)中、R4 は直接結合、2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を、式(5)中、R5 は2価の芳香族炭化水素基を表す。)
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
<脂肪族ポリエステル系樹脂(A)>
脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、下記式(1)で表される脂肪族および/または脂環式ジオ−ル単位、並びに下記式(2)で表される脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸単位を必須成分とするものである。
【0016】
【化11】
−O−R1 −O− (1)
【0017】
【化12】
−OC−R2 −CO− (2)
式(1)中、R1 は炭素数3以上の2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を、式(2)中、R2は2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を表す。
【0018】
式(1)のジオール単位を与えるジオール成分は、炭素数の下限が3以上、上限が通常10以下のものであり、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオールが好ましい。
式(2)のカルボン酸単位を与えるジカルボン酸成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、脂肪族ジカルボン酸成分の具体例としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、中でもコハク酸、アジピン酸が好ましい。
【0019】
なお、脂肪族ジカルボン酸成分あるいは脂肪族ジオール成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
更に本発明における脂肪族ポリエステル系樹脂には、脂肪族オキシカルボン酸単位が含有されていてもよい。
脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。または、これらの低級アルキルエステル、分子内エステルであってもよい。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。これらの中で好ましいものは、乳酸またはグリコール酸である。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
【0020】
この脂肪族オキシカルボン酸の量は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)を構成する全構成成分中、下限が通常、0モル%以上、好ましくは、0.01モル%以上であり、上限が通常、30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
また本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、3官能以上の脂肪族および/または脂環式多価アルコール、脂肪族または脂環式多価カルボン酸またはその無水物、または脂肪族多価オキシカルボン酸を共重合すると、得られる脂肪族ポリエステルの溶融粘度を高めることができ好ましい。3官能の脂肪族または脂環式多価アルコールの具体例としては、トリメチロールプロパン、グリセリンまたはその無水物が挙げられ、4官能の脂肪族または脂環式多価アルコールの具体例としては、ペンタエリスリトールが挙げられる。3官能の脂肪族または脂環式多価カルボン酸またはその無水物の具体例としては、プロパントリカルボン酸またはその無水物が挙げられ、4官能の脂肪族または脂環式多価カルボン酸またはその無水物の具体例としては、シクロペンタンテトラカルボン酸またはその無水物が挙げられる。また、3官能の脂肪族オキシカルボン酸成分は、(i)カルボキシル基が2個とヒドロキシル基が1個を同一分子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル基が1個とヒドロキシル基が2個のタイプとに分かれ、いずれのタイプも使用可能である。具体的にはリンゴ酸が好ましく用いられる。また、4官能の脂肪族オキシカルボン酸成分は、(i)3個のカルボキシル基と1個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(ii)2個のカルボキシル基と2個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(iii )3個のヒドロキシル基と1個のカルボキシル基とを同一分子中に共有するタイプとに分かれ、いずれのタイプも使用可能である。具体的には、クエン酸や酒石酸が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
【0021】
このような3官能以上の化合物の量は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)を構成する全構成成分中、下限が通常、0モル%以上、好ましくは、0.01モル%以上であり、上限が通常、5モル%以下、好ましくは2.5モル%以下である。
本発明で使用する脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は、公知の方法で製造することができる。例えば、上記の脂肪族ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によっても製造することができるが、経済性ならびに製造工程の簡略性の観点から、無溶媒下で行う溶融重合でポリエステルを製造する方法が好ましい。
【0022】
また、重縮合反応は、重合触媒の存在下に行うのが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
重合触媒としては、一般には、周期表で、水素、炭素を除く1族〜14族金属元素を含む化合物である。具体的には、チタン、ジルコニウム、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウムおよびカリウムからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の金属を含むカルボン酸塩、アルコキシ塩、有機スルホン酸塩またはβ―ジケトナート塩等の有機基を含む化合物、更には前記した金属の酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物及びそれらの混合物が挙げられる。
【0023】
これらの中では、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム及びカルシウムを含む金属化合物、並びにそれらの混合物が好ましく、その中でも、特に、チタン化合物及びゲルマニウム化合物が好ましい。また、触媒は、重合時に溶融或いは溶解した状態であると重合速度が高くなる理由から、重合時に液状であるか、エステル低重合体やポリエステルに溶解する化合物が好ましい。
【0024】
これらの重合触媒として金属化合物を用いる場合の触媒添加量は、生成するポリエステルに対する金属量として、下限値が通常、5ppm以上、好ましくは10ppm以上であり、上限値が通常、30000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは250ppm以下、特に好ましくは130ppm以下である。使用する触媒量が多すぎると、経済的に不利であるばかりでなくポリマーの熱安定性が低くなるのに対し、逆に少なすぎると重合活性が低くなり、それに伴いポリマー製造中にポリマーの分解が誘発されやすくなる。
【0025】
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。反応圧力は、通常、常圧〜10kPaであるが、常圧が好ましい。
【0026】
反応時間は、通常1時間以上であり、上限が通常10時間以下、好ましくは、4時間以下である。
その後の重縮合反応は、圧力を、下限が通常0.01×103Pa以上、好ましくは0.01×103Pa以上であり、上限が通常1.4×103Pa以下、好ましくは0.4×103Pa以下の真空度下として行う。この時の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上であり、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下の範囲である。反応時間は、下限が通常2時間以上であり、上限が通常15時間以下、好ましくは10時間以下である。
【0027】
本発明においてポリエステルを製造する反応装置としては、公知の縦型あるいは横型撹拌槽型反応器を用いることができる。例えば、溶融重合を同一又は異なる反応装置を用いて、エステル化及び/又はエステル交換の工程と減圧重縮合の工程の2段階で行い、減圧重縮合の反応器としては、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管を具備した攪拌槽型反応器を使用する方法が挙げられる。また、真空ポンプと反応器とを結ぶ減圧用排気管の間には、凝縮器が結合されており、該凝縮器にて縮重合反応中に生成する揮発成分や未反応モノマーが回収される方法が好んで用いられる。
【0028】
本発明において、目的とする重合度のポリエステルを得るためのジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比は、その目的や原料の種類により好ましい範囲は異なるが、酸成分1モルに対するジオール成分の量が、下限が通常0.8モル以上、好ましくは、0.9モル以上であり、上限が通常1.5モル以下、好ましくは1.3モル以下、特に好ましくは1.2モル以下である。また、生分解性に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、カーボネート結合、エーテル結合等を導入することができる。
【0029】
本発明に用いられる脂肪族ポリエステル系樹脂(A)は十分に結晶化速度が高いものであり、示差走査熱量計測定において10℃/分で冷却した際の結晶化に基づく発熱ピークの半値幅が、通常、15℃以下、好ましくは10℃以下、特に好ましくは8℃以下である。なお示差走査熱量計測定は、例えばパーキンエルマー社製DSC7を用い、10mgのサンプルを流量50mL/分の窒素気流下で加熱溶融させた後、10℃/分の速度で冷却し、結晶化に伴う発熱ピークを記録することにより実施される。
【0030】
本発明に用いられる脂肪族ポリエステルのメルトフローインデックス(MFR)は、190℃、2.16kgで測定した場合、下限が通常、0.1g/10分以上であり、上限が通常、100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、特に好ましくは30g/10分以下である。
本発明の製造方法の途中又は得られるポリエステルには、特性が損なわれない範囲において各種の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤及び紫外線吸収剤等を重合時に添加してもよい。
【0031】
<脂肪族−芳香族共重合ポリエステル樹脂(B)>
本発明において使用される芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)は、下記式(3)で表される脂肪族または脂環式ジオ−ル単位、下記式(4)で表される脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸単位、並びに下記式(5)で表される芳香族ジカルボン酸単位を必須成分とし、芳香族ジカルボン酸単位の含量が、脂肪族ジカルボン酸単位と芳香族ジカルボン酸単位の全量に対し、5モル%以上50モル%以下である芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂である。
【0032】
【化13】
−O−R3 −O− (3)
【0033】
【化14】
−OC−R4 −CO− (4)
【0034】
【化15】
−OC−R5 −CO− (5)
式(3)中、R3 は2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を、式(4)中、R4 は直接結合、2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を、式(5)中、R5 は2価の芳香族炭化水素基を表す。
【0035】
式(3)のジオール単位を与えるジオール成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、この中でも炭素数2以上4以下のジオールが好ましい。この中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。
【0036】
式(4)のカルボン酸単位を与えるジカルボン酸成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、脂肪族ジカルボン酸成分の具体例としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、中でもコハク酸、アジピン酸が好ましい。
式(5)の芳香族ジカルボン酸単位を与える芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、中でもテレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、テレフタル酸が特に好ましい。
【0037】
本発明において使用される芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂において生分解性を発現させるためには芳香環の合間に脂肪族鎖が存在することが必要である。そのため、脂肪族−芳香族ポリエステル系共重合体中の芳香族ジカルボン酸単位の量は、脂肪族ジカルボン酸単位と芳香族ジカルボン酸単位の全量に対し、下限が5モル%以上、好ましくは、10モル%以上、特に好ましくは15モル%以上であり、上限が50モル%以下、好ましくは48モル%以下である。この量が少なすぎると脂肪族ポリエステル系樹脂(A)との組成物とした際、引き裂き強度等の力学強度改良効果が低くなる傾向がある。また多すぎると生分解性が不十分となる傾向がある。
【0038】
なお、脂肪族ジカルボン酸成分、脂肪族ジオール成分および芳香族ジカルボン酸成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
更に本発明における脂肪族ポリエステル系樹脂には、脂肪族オキシカルボン酸単位が含有されていてもよい。
脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。または、これらの低級アルキルエステル、分子内エステルであってもよい。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。これらの中で好ましいものは、乳酸またはグリコール酸である。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
【0039】
この脂肪族オキシカルボン酸の量は、脂肪族−芳香族共重合ポリエステル系樹脂(B)を構成する全構成成分中、下限が通常、0モル%以上、好ましくは、0.01モル%以上であり、上限が通常、30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)は、上記脂肪族ポリエステル系樹脂( A)と同様の製法により製造することができる。
【0040】
本発明に用いられる芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)のメルトフロー インデックス(MFR)は、190℃、2.16kgで測定した場合、下限が通常、0 .1g/10分以上であり、上限が通常100g/10分以下、好ましくは50g/1 0分以下、特に好ましくは30g/10分以下である。
【0041】
芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)のポリエステル系樹脂組成物中における重量割合は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)及び芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)の合計100重量部に対し、下限が1重量部以上、好ましくは、5重量部以上、さらに好ましくは10重量部以上であり、上限が80重量部以下、好ましくは60重量部以下、さらに好ましくは50重量部以下である。この量が少なすぎると引き裂き強度等の力学強度改良効果が低くなる傾向がある。また多すぎると成形体表面がべたつき、例えばインフレフィルムの口開き性が悪くなる傾向がある
<カルボジイミド化合物(C)>
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、主に大気中の水分などによる加水分解を抑制する目的において、カルボジイミド化合物(C)を好適に用いることができる。用いられるカルボジイミド化合物(C)は、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)であり、このようなカルボジイミド化合物は、例えば触媒として有機リン系化合物又は有機金属化合物を用いて、イソシアネート化合物を70℃以上の温度で、無溶媒又は不活性溶媒中で脱炭酸縮合反応させることにより合成することができる。
【0042】
上記のカルボジイミド化合物の内、モノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド等を例示することができる。これらの中では、工業的に入手が容易であるので、ジシクロヘキシルカルボジイミドやジイソプロピルカルボジイミドが好ましい。
【0043】
またポリカルボジイミド化合物としては、例えば米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.Org.Chem.28巻、p2069−2075(1963)、及びChemical Review 1981、81巻、第4号、p.619−621等に記載された方法により製造したものを用いることができる。
【0044】
ポリカルボジイミド化合物の製造原料である有機ジイソシアネートとしては、例えば脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートやこれらの混合物を挙げることができる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、2,6−ジイソプロピルフェニルジイソシアネート、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。
【0045】
これらのポリカルボジイミド化合物の合成時には、モノイソシアネートやその他の末端イソシアネート基と反応可能な活性水素含有化合物を用いて、所望の重合度に制御することもできる。このような目的に用いられる化合物としては、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等のモノイソシアネート化合物、メタノール、エタノール、フェノール、シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の水酸基含有化合物、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、β−ナフチルアミン、シクロヘキシルアミン等のアミノ基含有化合物、コハク酸、安息香酸、シクロヘキサン酸等のカルボキシル基含有化合物、エチルメルカプタン、アリルメルカプタン、チオフェノール等のメルカプト基含有化合物、及び種々のエポキシ基含有化合物等を例示することができる。本発明においては、ポリカルボジイミド化合物を用いることが好ましく、その重合度は、下限が2以上、好ましくは4以上であり、上限が通常40以下、好ましくは、20以下である。この重合度が大きすぎると組成物中における分散性が不十分となり、例えばインフレフィルムにおいて外観不良の原因になる場合がある。
【0046】
有機ジイソシアネートの脱炭酸縮合反応に用いられるカルボジイミド化触媒としては、有機リン系化合物や一般式M(OR)nで示される有機金属化合物(但し、Mはチタン、ナトリウム、カリウム、バナジウム、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム、鉛、マンガン、ニッケル、カルシウムやバリウム等の金属原子を、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基を示し、nは金属原子Mが取り得る原子価を示す)が好適である。中でも、有機リン系化合物ではホスフォレンオキシド類が、有機金属化合物ではチタン、ハフニウム、ジルコニウムのアルコシド類が活性が高く好ましい。
【0047】
ホスフォレンオキシド類の具体例としては、3−メチル−1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−ホスフォレン−1−オキシド及びこれらの二重結合異性体を例示することができる。中でも工業的に入手が容易な3−メチル−1−フェニル−2−ホスフォレン−1−オキシドが特に好ましい。
【0048】
カルボジイミド化合物は単独又は複数の化合物を混合して使用することができる。
本発明のポリエステル系樹脂組成物へのカルボジイミド化合物(C)の配合量は、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)及び芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)の合計量100重量部あたり、下限が通常0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、特に好ましくは0.1重量部以上、上限が通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下、特に好ましくは3重量部以下である。配合量が少なすぎると、加水分解抑制効果が不十分となる傾向があり、多すぎると添加効果は飽和し、添加量の増加に見合う効果が得られない。
【0049】
カルボジイミド化合物は、後述する組成物の調整時に添加しても良いし、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)または芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)の片方に練り混み、成形時にもう一方の成分とドライブレンドして成形してもよい。あるいは、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)及び/または芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)で高濃度のカルボジイミドのマスターバッチを調整し、成形時にカルボジイミド化合物(C)が所定濃度となるように、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)及び/または芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)をドライブレンドして希釈してもよい。
【0050】
<ポリエステル系樹脂組成物>
本発明で用いられる脂肪族ポリエステル系樹脂と芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂との樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の生分解性樹脂、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロースエステル等や澱粉、セルロース、紙、木粉、キチン・キトサン質、椰子殻粉末、クルミ殻粉末等の動物/植物物質微粉末又はこれらの混合物を配合することができる。更に、成形体の物性や加工性を調整する目的で、熱安定剤、可塑剤、滑剤、ブロッキング防止剤、核剤、無機フィラー、着色剤、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤、改質剤、架橋剤等を添加することも可能である。
【0051】
脂肪族ポリエステル系樹脂と芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂との組成物の調製方法は、特に限定されないが、ブレンドした原料チップを同一の押出機で溶融混合する方法、各々別々の押出機で溶融させた後に混合する方法等が挙げられる。また、各々の原料チップを直接成形機に供給して樹脂組成物を調整すると同時に、その成形体を得ることも可能である。
【0052】
本発明の樹脂組成物の成形方法に関しては、熱プレス成形、射出成形、押し出し成形等特に限定されないが、押し出し成形により得られるフィルム状成形体でその効果が特に顕著に現れる。フィルム状成形体を得る成形方法としては、例えばTダイ、Iダイ、丸ダイ等から所定の厚みに押出したフィルム状、シート状物または円筒状物を、冷却ロールや水、圧空等により冷却、固化させる方法等が挙げられる。また、本発明の効果を阻害しない範囲で数種の組成物を積層させた成形体とすることもできる。
【0053】
このようにして得られたフィルム状成形体は、その後、ロール法、テンター法、チューブラー法等により一軸又は二軸延伸を施してもよい。延伸する場合は、延伸温度は通常30℃〜110℃の範囲で、延伸倍率は縦、横方向、それぞれ通常0.6〜10倍の範囲で延伸する。また、延伸後、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法、ヒートロール上に接触させる等の熱処理を施してもよい。
【0054】
本発明で得られるポリエステル系樹脂組成物及びその成形体は、自然環境下における分解性を有しつつ、成形性、成形体の表面特性及び力学特性に優れたものであるため、各種食品、薬品、雑貨用等の液状物や粉粒物、固形物の包装用資材、農業用資材、建築資材など幅広い用途において好適に用いられる。
【0055】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の例において、示差走査熱量計測定は、パーキンエルマー(株)製,製品名:DSC7を用い、10mgのサンプルを流量50mL/分の窒素気流下で加熱溶融させた後、10℃/分の速度で冷却し、結晶化に伴う発熱ピークを記録することにより測定した。
【0056】
(1)脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)〜(A4)
[脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた容量1立方メートルの 反応容器に、コハク酸134kg、1,4−ブタンジオール121リットル、酸化ゲル マニウムを予め1重量%溶解させた90%DL乳酸水溶液7.21kgを仕込んだ。容 器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、1時間40分かけて200℃まで昇温した。引き続き、1時間25分かけて230℃に昇温すると同時に1mmHgまで減圧し、230℃、1mmHgにて4時間20分重合 を行い脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)を得た。得られた脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)のMFR(190℃、2.16kg荷重)は4.2g/10分、融点は112℃であった。また、DSCの半値幅は7.5℃であった。
【0057】
[脂肪族ポリエステル系樹脂(A2)]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた容量1立方メートルの 反応容器に、コハク酸134kg、1,4−ブタンジオール116リットル、DL−リン ゴ酸0.24kg、酸化ゲルマニウムを予め1重量%溶解させた90%DL乳酸水溶液7.21kgを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下 120℃から反応を開始し、1時間40分かけて200℃まで昇温した。引き続き、1 時間25分かけて230℃に昇温すると同時に1mmHgまで減圧し、230℃、1mmHgにて4時間20分重合を行い脂肪族ポリエステル系樹脂(A2)を得た。得られた脂肪族ポリエステル系樹脂(A2)のMFR(190℃、2.16kg荷重)は3.8g/10分、融点は112℃であった。また、DSCの半値幅は7.2℃であった。
【0058】
[脂肪族ポリエステル系樹脂(A3)]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた容量1立方メートルの 反応容器に、コハク酸122kg、アジピン酸22.2kg、1,4−ブタンジオール115リットル、DL−リンゴ酸0.23kg、酸化ゲルマニウムを予め1重量%溶解さ せた90%DL乳酸水溶液7.21kgを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを 導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、1時間40分かけて200℃ま で昇温した。引き続き、1時間25分かけて230℃に昇温すると同時に1mmHgま で減圧し、230℃、1mmHgにて4時間重合を行い脂肪族ポリエステル系樹脂(A3)を得た。得られた脂肪族ポリエステル系樹脂(A3)のMFR(190℃、2.16kg荷重)は4.0g/10分、融点は100℃であった。また、DSCの半値幅は 10.2℃であった。
【0059】
[脂肪族ポリエステル系樹脂(A4)]
ポリブチレンスクシネートとして、昭和高分子社製の「ビオノーレ#1001」を用 いた。MFR(190℃、2.16kg荷重)は1.5g/10分であった。また、DSCの半値幅は7.2℃であった。
[脂肪族ポリエステル系樹脂(A5)]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた容量1立方メートルの反応容器に、コハク酸134kg、エチレングリコール60リットル、DL−リンゴ酸0.24kg、酸化ゲルマニウムを予め1重量%溶解させた90%DL乳酸水溶液7.21kgを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、2時間かけて200℃まで昇温した。引き続き、1時間40分かけて230℃に昇温すると同時に1mmHgまで減圧し、230℃、1mmHgにて4時間50分重合を行い脂肪族ポリエステル系樹脂(A5)を得た。得られた脂肪族ポリエステル系樹脂(A5)のMFR(190℃、2.16kg荷重)は8.5g/10分、融点は100℃であった。また、DSCの半値幅は33℃であった。
【0060】
(2)芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)
[芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B1)]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた容量1立方メートル反応容器に、コハク酸53kg、1,4−ブタンジオール92.5リットル、ジメチルテレフタレート85kg、二酸化ゲルマニウムをあらかじめ1重量%溶解させた90%乳酸水溶液4.74kgを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、1時間40分かけて220℃まで昇温し、この温度で1時間反応させた。引き続き、2時間かけて230℃に昇温すると同時に1mmHgまで減圧し、230℃、1mmHgにて4時間重合を行い芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B1)を得た。得られた芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B1)の組成は、コハク酸単位/テレフタル酸単位/1,4−ブタンジオール単位/乳酸単位=51.8/48.2/100/1.2モル比であった。また、MFR(190℃、2.16kg荷重)は7.3g/10分であった。
【0061】
[芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B2)]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた容量1立方メートル反応容器に、アジピン酸64.2kg、1,4−ブタンジオール91リットル、ジメチルテレフタレート85.2kg、二酸化ゲルマニウムをあらかじめ1重量%溶解させた90%乳酸水溶液4.74kgを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、1時間40分かけて220℃まで昇温し、この温度で1時間反応させた。引き続き、2時間かけて230℃に昇温すると同時に1mmHgまで減圧し、230℃、1mmHgにて4時間重合を行い芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B2)を得た。得られた芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B2)の組成は、アジピン酸単位/テレフタル酸単位/1,4−ブタンジオール単位/乳酸単位=53.5/46.5/100/1.3モル比であった。また、MFR(190℃、2.16kg荷重)は8.3g/10分であった。
【0062】
[芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B3)]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた容量1Lの反応容器に、コハク酸26.3g、1,4−ブタンジオール93g、ジメチルテレフタレート130.4g、二酸化ゲルマニウムをあらかじめ1重量%溶解させた90%乳酸水溶液4.74gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下120℃から反応を開始し、2時間かけて220℃まで昇温し、この温度で1時間30分反応させた。引き続き、2時間かけて230℃に昇温すると同時に1mmHgまで減圧し、230℃、1mmHgにて5時間重合を行い芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B3)を得た。得られた芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B3)の組成は、コハク酸単位/テレフタル酸単位/1,4−ブタンジオール単位/乳酸単位=22/78/100/1.2モル比であった。
【0063】
(3)カルボジイミド化合物(C)
ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートを縮合して得られたポリカルボジイミド(日清紡績(株)製,製品名:カルボジライト「HMV−8CA」(軟化温度70℃、熱分解温度340℃、重合度8〜12))を用いた。
実施例8、9および比較例1〜7、9〜15
脂肪族ポリエステル系樹脂(A1)〜(A5)、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B1)、(B2)、カルボジイミド化合物(C)とを表1に示した配合にて、190℃において二軸混練機にて混練し、160℃でインフレ成形し50μm厚みのフィルムを得た。
【0064】
<実施例および比較例における評価方法>
実施例8、9および比較例1〜7、9〜15において得られたフィルムにつき、以下の評価を実施した。結果を表1に示す。なお、MDとはフィルム成形時の流れ方向、TDとはそれに直角方向を表す。
<フィルム成形性>
インフレ成形時のバブルの安定性を目視にて観察した。
【0065】
○:安定的に成形できた。
△:若干ゆれが生じるものの問題なく成形できた。
×:成形できるもののバブルが安定しなかった。
<フィルム表面特性(口開き性)>
成形直後、重なり合った2枚のフィルムを親指、人差し指、中指でフィルム面を剥がす際に要する抵抗感より判断した。
【0066】
1:完全に2枚のフィルムが離れている。
2:密着しているが、指先に殆ど力を加えずに剥がすことが出来る。
3:密着しているが、指先だけの力で剥がすことが出来る。
4:密着しており、一部指先だけの力で剥がすことが出来ない。
5:密着しており、全面指先だけの力で剥がすことが出来ない。
【0067】
<引っ張り特性(降伏強度、破断伸度)>
JIS K6781に準拠して測定した。
<エレメンドルフ引き裂き強度>
JIS K7128に準拠して測定した。
<加水分解性>
引っ張り特性測定用サンプル(MD方向)を50℃、90%RHの状態に4週間保持した。状態調節後のサンプルの引っ張り測定を行い、その破断伸度の初期値に対する保持率で評価した。
【0068】
<生分解性>
55℃の堆肥中に埋めてその生分解性を観察した。
○:半年後に小さな破片にまで分解している。
△:半年後に分解は進行しているものの、大きな破片が認められる。
×:半年後に外観に変化がない。
【0069】
【0070】
実施例8〜9:カルボジイミド化合物を配合することにより、諸特性を維持しつつ、加水分解性を抑制することができた。
比較例1〜4:脂肪族ポリエステル系樹脂(A)のみの場合、フィルムの成形性、表面特性は良好であるが、引っ張り伸びや引き裂き特性が不十分であった。
比較例5〜6:芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)のみの場合、フィルム物性(引っ張り伸びや引き裂き特性)は良好であるが、フィルム成形性、表面特性は不十分であった。
【0071】
比較例7:脂肪族ポリエステル系樹脂(A)として、本願の(1)式中におけるRが炭素数3以上脂肪族炭化水素基を満たさないものである場合(炭素数=2)、フィルム成形性、表面特性は不十分であった。
比較例8
脂肪族ポリエステル系樹脂(A2)70重量部と芳香族−脂肪族共重合ポリエステル 系樹脂(B3)30重量部とを200℃においてラボプラストミルにて混練し、230℃にて熱プレス成形し50μm厚みのフィルムを得た。上記方法により、生分解性を評 価した結果、半年後に分解は進行しているものの、大きな破片が認められた(生分解性 評価:△)。
【0072】
【発明の効果】
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、自然環境下において分解性を有し、成形性並びに成形体としたときの表面特性および力学特性に優れる。

Claims (7)

  1. 下記の脂肪族ポリエステル系樹脂(A)芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)及びジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートを縮合して得られたカルボジイミド化合物(C)を含む組成物であって、(B)の重量割合が、(A)及び(B)の合計100重量部に対し、1重量部以上80重量部以下の範囲であって、脂肪族ポリエステル系樹脂(A)及び芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B)の合計量100重量部あたり、カルボジイミド化合物(C)が0.01〜10重量部配合されてなるポリエステル系樹脂組成物。
    脂肪族ポリエステル系樹脂(A):下記式(1)で表される脂肪族および/または脂環式ジオ−ル単位、並びに下記式(2)で表される脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸単位を必須成分とする脂肪族ポリエステル系樹脂。
    (式(1)中、Rは炭素数3以上の2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を、式(2)中、Rは2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を表す。)
    芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(B):下記式(3)で表される脂肪族または脂環式ジオ−ル単位、下記式(4)で表される脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸単位、並びに下記式(5)で表される芳香族ジカルボン酸単位を必須成分とし、芳香族ジカルボン酸単位の含量が、脂肪族ジカルボン酸単位と芳香族ジカルボン酸単位の全量に対し、5モル%以上50モル%以下である芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂。
    (式(3)中、Rは2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を、式(4)中、Rは直接結合、2価の脂肪族炭化水素基または2価の脂環式炭化水素基を、式(5)中、Rは2価の芳香族炭化水素基を表す。)
  2. 式(1)が、1,4−ブタンジオール単位である、請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  3. 式(3)が、炭素数2以上4以下のジオール単位のうち少なくとも1種である、請求項1または2に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  4. 式(2)及び式(4)が、それぞれ独立に、コハク酸単位及びアジピン酸単位のうち少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
  5. 式(5)が、テレフタル酸単位である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
  6. カルボジイミド化合物(C)が、重合度2〜40のポリカルボジイミド化合物である、請求項1〜のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物を成形してなる成形体。
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