JP4357012B2 - 複色インクリボン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインパクトプリンタに使用するファブリックのインクリボンに関するものであり、特に複数の色調をプリントすることができる2色以上のインクを含浸した複色インクリボンに関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来から、複数の色調をプリントするために、2色以上のインクを隣接して含浸、塗布した複色インクリボンは使用されている。これらの複色インクリボンは、2色以上の液状インクを隣接してファブリック状の基布に塗布するので、隣接した液状インク同士が、経時的に混じり合い、混色してしまう問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、各液状インキに特定の成分を使用し、隣接するインク同士が交互に混じり合わないようにしているものがある。例えば、特公昭43−14870号公報には、一方の液状インクのビヒクルを親水性多価アルコール類および線状ポリエーテル類などで構成し、他方のインクのビヒクルを油脂類などにて構成し、両者の系を変えることで、隣接するインク同士が交互に混じり合わないようにしているものが提案されており、特開昭62−71693号公報には、隣接するインクのビヒクル同士を非相溶性もしくは難相溶性のもので構成することで隣接するインク同士が交互に混じり合わないようにしているものが提案されている。
【0004】
しかしながら、親水性のビヒクルを用いたものは、親水性のビヒクルが大気中の湿気を吸収して、リボン表面に結露し、印字した際に滲み等が生ずるので印字品位上好ましくない。また非相溶系のビヒクルによるものなどは、使用できるビヒクルが限定されてしまうので、インクの設計に自由度がなくなるので好ましくない。
【0005】
また、実開平3−20170号公報には、隣接するインク同士の粘度に差を持たせ、隣接するインク同士が交互に混じり合わないようにしているものも提案されている。
【0006】
この手段によるものも、上記非相溶系のビヒクルを用いたものと同様に、使用できるビヒクルが限定され、インクの配合までも粘度中心に限定されてしまうので、インクの設計に自由度がなくなり、好ましくない。さらに、インクの粘度は外気の温度によって左右されてしまうものであり、外気温度によっては混色等が発生したり、印字品位上好ましくない粘度設定になってしまい、印字かすれや滲みが生じてしまうので、好ましくない。
【0007】
さらに、特開昭58−140285号公報には、隣接するインク同士が接する界面に非転写性インキによりボーダーラインを設け、隣接するインク同士が交互に混じり合わないようにしているものも提案されている。このように特別な第3の構成をとることによって混色を防止することは可能ではあるが、工程が増えるため、コストの面や手間の面で好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、インパクトプリンタに使用するファブリックのインクリボンに関し、とりわけ複数の色調をプリントすることができる2色以上のインクを含浸した複色インクリボンにおいて、特別な構成をとることなく、2色以上の液状インクを隣接してファブリック状の基布に塗布した複色インクリボンにおいても、隣接した液状インク同士が、経時的に混じり合い、混色してしまうことがない複色インクリボンを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、隣接する液状インク中のビヒクル同士の表面張力の差を特定範囲に限定することによって、インクを設計する際にビヒクルの種類を限定されることなく、相溶する複数のビヒクル間でも隣接した液状インク同士が、経時的に混じり合い、混色してしまうことがなく、本発明の目的が達成されることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
即ち本発明は、
「1.少なくとも異なる2色に着色した複数の液状インクをファブリック状の基布に隣接して塗布してなる複色リボンであって、隣接する液状インク中のビヒクル同士の表面張力の差が10mN/m以上あることを特徴とする複色インクリボン。
2.表面張力を比較するビヒクルが液状インク中の50.0重量%以上を占める主要ビヒクル同士である第1項に記載の複色インクリボン。
3.全ての着色インク中の主要ビヒクルが水不溶性のビヒクルである第1項または第2項のいづれかに記載の複色インクリボン。
4.隣接する液状インク中のビヒクル同士の表面張力の差が10〜15mN/mである第1項ないし第3項のいづれかに記載の複色インクリボン。」を特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明に使用されるファブリック状の基布は、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、木綿繊維、絹などの繊維を織り上げたもので、従来のファブリックインクリボンと同様のものが使用できる。
【0012】
本発明の複色インクリボンは、上記ファブリック状の基布に、少なくとも異なる2色に着色した複数の液状インクを隣接して塗布してなる構成からなるものである。そして、その各液状インクは、着色剤とビヒクルを主に含むものである。
【0013】
本発明に使用される着色剤は、たとえば、シアニンブルー、フタロシアニンブルー、ビクトリアブルーベース、ハンザイエロー、ベンジシンイエロー、レーキレッド、オイルレッド、パーマネントカーミン、ペリンレッド、アニリンブラックなどの各種有機顔料やカーボンブラックなどの無機顔料、ニグロシンベース、メチルバイオレット、オイルブルー、オイルイエローなどの油溶性染料などが使用できる。着色剤は、顔料および染料の併用配合でも良いし、顔料単独の配合でも良い。着色剤はインク全量に対し5〜30重量%が好ましい。
【0014】
本発明に使用されるビヒクルとしては、主に常温で不揮発性もしくは難揮発性の油脂成分よりなり、必要な表面張力の範囲内で界面活性剤を含むものである。インパクトプリンタ用インクリボンの多くは、外気に直接触れる開放形のカセットリボンとして使用するため、本発明の油脂成分は、常温において不揮発性もしくは難揮発性である必要がある。また、全ての着色インク中の主要ビヒクルが水不溶性のビヒクルであると、大気中の湿気を吸収して印字した際に滲み等が生ずることがなく良好である。
【0015】
インクのビヒクルとして使用される油脂成分は、たとえば、環状ポリメチルシロキサンシリコーン(表面張力:19.0mN/m)、ポリエーテル型シリコーン(表面張力:20.0mN/m)、フッ素系パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール(表面張力:20.0mN/m)、ジメチルシリコーン(表面張力:22.0mN/m)、ソルビタンセスキオレート(表面張力:30.4mN/m)、オレイン酸(表面張力:31.0mN/m)、流動パラフィン(表面張力:31.5mN/m)、エチレングリコール(表面張力:47.7mN/m)、グリセリン(表面張力:63.4mN/m)、水(表面張力:72.0mN/m)などがあげられる。これらのビヒクルは、単独で用いても良いし、混合して使用しても良いが、各インクとして使用する際に表面張力の差が10mN/m以上、さらには10〜15mN/mになるように選択する。
また、ソルビタンセスキオレートとポリエーテル型シリコーンの組合せや流動パラフィンとポリエーテル型シリコーンの組合せなどが良好な結果を得られやすく、好ましい。
【0016】
さらに、表面張力を比較するビヒクルが液状インク中の50.0重量%以上を占める主要ビヒクル同士であるとインクの物性に直接作用しやすいので好ましい。配合量は30.0〜80.0重量%、さらには50.0〜80.0重量%がよい。
【0017】
また、着色剤等を分散または溶解させ、安定させるためや、ビヒクルの表面張力の調整のために界面活性剤を配合してもよい。界面活性剤は、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン界面活性剤、アルキルアミン塩等の陽イオン性界面活性剤等が挙げられ、配合量は5.0〜50.0重量%が好ましい。
その他、必要に応じて、防錆剤などの添加剤も適宜配合することができる。
【0018】
【実施例】
次に実施例、比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
下記配合のAインク成分およびBインク成分をそれぞれ混合して2種類の複色リボン用液状インクを得た。
Aインク(黒インク)
カーボンブラック 20重量%
CIソルベントブラック7 10重量%
ソルビタンセスキオレート 70重量%
(表面張力:31.0mN/m)
Bインク(赤インク)
CIピグメントレッド53 20重量%
CIソルベントレッド27 10重量%
ポリエーテル型シリコーン 70重量%
(表面張力:20.0mN/m)
その後、作製したAインク(黒インク)とBインク(赤インク)を13mm幅の6,6−ナイロン製ファブリック状の基布に6.5mm幅づつ塗布して黒・赤の複色リボンを得た。これらのインクのビヒクル同士の表面張力の差は、11.0mN/mであり、各々相溶するビヒクル同士であった。
このインクリボンをNEC製PC−PR201プリンタにて印字したが、混色は見られなかった。また、55℃ 85%の雰囲気に一ヶ月間放置しところ、吸湿もなく混色も見られず印字も良好だった。
【0019】
実施例2
下記配合のCインク成分を混合して複色リボン用液状インクを得た。
Cインク(黒インク)
カーボンブラック 20重量%
CIソルベントブラック7 10重量%
流動パラフィン 70重量%
(表面張力:31.5mN/m)
その後、実施例1で作製したBインク(赤インク)と上記Cインクとを13mm幅の6,6−ナイロン製ファブリック状の基布に6.5mm幅づつ塗布して黒・赤の複色リボンを得た。これらのインクのビヒクル同士の表面張力の差は、11.5mN/mであり、各々相溶しないビヒクル同士であった。
このインクリボンをNEC製PC−PR201プリンタにて印字したが、混色は見られなかった。また、55℃ 85%の雰囲気に一ヶ月間放置しところ、吸湿もなく混色も見られず印字も良好だった。
【0020】
比較例1
下記配合のDインク成分を混合して複色リボン用液状インクを得た。
Dインク(赤インク)
CIピグメントレッド53 20重量%
CIソルベントレッド27 10重量%
ジメチルシリコーン 70重量%
(表面張力:22.0mN/m)
その後、実施例1で作製したAインク(黒インク)と上記Dインクとを13mm幅の6,6−ナイロン製ファブリック状の基布に6.5mm幅づつ塗布して黒・赤の複色リボンを得た。これらのインクのビヒクル同士の表面張力の差は9.0mN/mであり、各々相溶しないビヒクル同士であった。
このインクリボンをNEC製PC−PR201プリンタにて印字したが、混色が見られ、赤を印字しても赤黒い印字になってしまった。また、55℃ 85% 1ヶ月放置しところ、黒インクと赤インクがまじってモノクロリボンのような外観と印字になってしまった。
【0021】
なお、上記ビヒクルの表面張力の測定は、下記のように行った。
表面張力測定条件
機種:協和界面科学株式会社製 自動表面張力計 CBVP-A3型
測定数=3
【0022】
【発明の効果】
本発明の複色インクリボンは、上記のような構成にすることによって、インクを設計する際にビヒクルの種類を限定されることなく、相溶する複数のビヒクル間でも隣接した液状インク同士が、経時的に混じり合い、混色してしまうことがない複色インクリボンを得ることができるものである。
Claims (4)
- 少なくとも異なる2色に着色した複数の液状インクをファブリック状の基布に隣接して塗布してなる複色リボンであって、隣接する液状インク中のビヒクル同士の表面張力の差が10mN/m以上あることを特徴とする複色インクリボン。
- 表面張力を比較するビヒクルが液状インク中の50.0重量%以上を占める主要ビヒクル同士である請求項1に記載の複色インクリボン。
- 全ての着色インク中の主要ビヒクルが水不溶性のビヒクルである請求項1または2のいづれかに記載の複色インクリボン。
- 隣接する液状インク中のビヒクル同士の表面張力の差が10〜15mN/mである請求項1ないし3のいづれかに記載の複色インクリボン。
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