JP4358927B2 - 血液検査用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血清生化学検査や血清免疫学検査などの血清を用いた臨床検査分野において用いられる血液検査用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、臨床検査技術の進歩に伴い、血清生化学検査、血清免疫学検査、血球検査などの血液検査が広く普及し、病気の予防や早期診断に大きく貢献するに至っている。
【0003】
上記血清検査に際しては、患者から採取した血液から血清を分離する必要がある。血清を分離するに際しては、まず血液検査用容器に血液を採取し、凝固させた後、遠心分離により血清が血餅から分離されている。
【0004】
分離された血清は、通常、ピペットやデカンテーションなどにより他の容器に移される。もっとも、近年、検査速度を高めるため、並びに多数の検体を処理するために、自動分注機により血液検査用容器から直接血清を自動分析装置に分注する方法が広く用いられている。
【0005】
従来の血液検査用容器としては、ガラス製の容器、あるいはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンなどの合成樹脂からなる容器が用いられているが、これらの血液検査用容器では以下の問題点があった。
【0006】
第1に、血液検査用容器に血液を注入した後、凝固に至るまでにかなりの時間を必要としていた。従って、緊急に血清検査を行う必要がある場合、その要求に応えることができなかった。
【0007】
すなわち、最も血液凝固時間が短いとされているガラス製血液検査容器を用いた場合でも、血液注入後から凝固に至るまでに、40分〜60分の時間が必要であった。さらに、合成樹脂製血液検査容器では、血液凝固までに4時間以上の時間が必要であった。
【0008】
上記のような問題を解決するために、シリカ、カオリン、ベントナイトなどの微粒子を凝固促進剤として血液検査容器内に投入する方法が広く用いられている。
【0009】
また、特開平5−157747号公報には、血液凝固促進成分として、凝固反応の最終段階であるフィブリノーゲンがフィブリンに転化する反応を促進するトロンビンや蛇毒酵素などの酵素系薬剤を用いる方法が開示されている。
【0010】
上記先行技術に記載の方法では、トロンビンや蛇毒酵素などの酵素系薬剤が、不織布、濾紙または布などの支持体に含浸された状態で血液検査用有底管の中央部に収納されている。この方法では、血液検査用有底管として合成樹脂からなるものを用いた場合であっても、凝固時間が大幅に短縮され、5分程度でほぼ凝固が完了するとされている。
【0011】
しかしながら、トロンビンや蛇毒酵素などの酵素系薬剤を用いた場合、凝固反応が非常に早く進行するため、採血直後に十分に混和しないと、部分的には凝固は速やかに進行するものの、全体としては凝固時間が長くなりがちであった。その結果、遠心分離後にフィブリンが多量に血清中に析出するという問題が生じる。これは、トロンビンや蛇毒酵素と直接に接触した血液部分が急激に凝固するため、生成したフィブリンあるいは三次元架橋したフィブリンゲルが酵素を包囲することになり、酵素と未凝固の血液部分とのそれ以上の接触が抑制され、それ以降の凝固反応が進行し難くなるためであると考えられる。
【0012】
しかしながら、緊急を要する場合や多量の検体を処理する必要がある場合には、血液検査容器に血液を採取した後、十分に混和する時間的余裕はなく、従って、上記トロンビンや蛇毒酵素などの酵素系薬剤を用いる方法では、多量の検体を処理する場合や緊急を要する場合には対応することが非常に困難であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の欠点を解消し、採血直後に十分に混和する煩雑な作業を簡略化することができ、しかも、短時間に血液を凝固させることができ、さらにフィブリンの混入が少ない血清を確実に得ることができる血液検査用容器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、本発明に係る血液検査用容器では、容器本体内に血液凝固促進剤と、血液凝固後の遠心分離時にフィブリンが血清中に析出するのを抑制するフィブリン析出抑制剤とが収納されている。
【0015】
血液凝固促進剤としては、例えば、ペプチド鎖のアルギニンとの任意のアミノ酸残基との結合及び/またはリジンと任意のアミノ酸残基との結合を加水分解し得る酵素を用いることができる。
【0016】
また、本発明の特定の局面では、上記フィブリン析出抑制剤として、血液凝固第XIII因子の関与する反応を阻害する血液凝固第XIII因子阻害剤と、フィブリン架橋を阻害するフィブリン架橋阻害剤の少なくとも一方が用いられる。
【0017】
上記血液凝固第XIII因子は、トロンビンなどの酵素が血液に作用した時に生じるフィブリンモノマー間にイソペプチド結合による三次元架橋を形成させるトランスグルタミナーゼとして知られている。この三次元架橋によりフィブリンが強固なゲル状態となり、フィブリンゲルを構成するが、血液凝固第XIII因子を阻害することにより、トロンビンや蛇毒酵素のような血液を急速に凝固させる酵素を用いたとしても、それほど緊急かつ煩雑な混和を必要とすることなく、フィブリン析出が生じ難い血清を得ることができる。
【0018】
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明において、血液検査用容器の容器本体構成する材料については特に限定されず、ガラス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、変性天然樹脂などの適宜の従来より血液検査用容器に用いられている材料を使用することができる。また、容器本体の形状についても特に限定されず、試験管のような有底筒状管、あるいはボトル状など適宜の形状のものを用いることができる。
上記血液検査用容器には、血液凝固促進剤と、フィブリン析出抑制剤とが収納されている。
【0019】
血液凝固促進剤としては、特に限定されるわけではないが、ペプチド鎖のアルギニンと任意のアミノ酸残基との結合及び/またはリジンと任意のアミノ酸残基との結合を加水分解し得る酵素が用いられる。このような酵素としては、トロンビン、蛇毒から得られるトロンビン様酵素などのセリンプロテアーゼ、カテプシンB、フィシンなどのチオールプロテアーゼ、キニナーゼIなどの金属プロテアーゼなどを挙げることができるが、特に、セリンプロテアーゼが好適に用いられる。
【0020】
上記血液凝固促進剤の量は血液1mLに対し、0.1〜100単位が好ましい。0.1単位未満の場合には、血液凝固時間が長くなったり、凝固が不完全になることがあり、100単位を超えると、検査値に悪影響を及ぼすことがあり、かつコストが高くなる。より好ましくは、0.5〜50単位とされる。
【0021】
フィブリン析出抑制剤としては、血液凝固第XIII因子阻害剤及び/またはフィシン架橋阻害剤が用いられる。
血液凝固第XIII因子阻害剤としては、マレイミド、N−エチルマレイミド、p−クロロ第2水銀安息香酸、p−クロロ第2水銀フェニルスルホン酸、フェニル第2水銀などの物質及びその誘導体が用いられる。
【0022】
また、フィブリン架橋阻害剤としては、グルタミル残基とのイソペプチド結合を阻害する物質が用いられ、具体的には、グリシン、グリシルグリシン、グリシンメチルエステル、グリシンエチルエステルなどのグリシン誘導体及びその塩、カダベリン、プトレッシンなどのジアミン化合物及びその誘導体もしくはその塩等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0023】
上記血液凝固第XIII因子阻害剤の量は、その種類によっても異なるが、少ない場合にはXIII因子阻害効果が十分でないとがあり、多すぎると、検査値に悪影響を及ぼすことがある。従って、血液1mLに対し、血液凝固第XIII因子阻害剤の量は0.01〜20mgの範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜10mgである。
【0024】
また、血液凝固第XIII因子の反応を阻害したフィブリンは、プラスミンによる線溶を受けやすいので、上記血液凝固促進剤中に抗線溶剤または抗プラスミン剤を添加してもよい。
【0025】
上記抗線溶剤または抗プラスミン剤としては、その種類は特に限定されないが、t−4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸、ε−アミノカプロン酸、p−アミノメチル安息香酸、アプロチニン、大豆トリプシンインヒビターなどを挙げることができる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0026】
また、これらの抗線溶剤または抗プラスミン剤は、得られる血清を用いた臨床検査に影響しない程度の量で、血液凝固促進剤中に添加すればよい。例えば、t−4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸、ε−アミノカプロン酸、p−アミノメチル安息香酸については、血液1mLに対し、約10-2〜10-8g程度、アプロチニンの場合には、血液1mLに対し、約100〜600KIU(単位)、大豆トリプシンインヒビターは、血液1mLに対し、約500〜4000FU(単位)の割合で血液凝固促進剤中に含有される。
【0027】
上記血液凝固促進剤は、血液検査用容器内に収納されるが、その方法については特に限定されない。例を挙げると、血液凝固促進剤を溶液にして容器の内壁に塗布し、乾燥する方法、粉末もしくは塊で管内に収納する方法、不織布、織布、樹脂ビーズなどに担持させて管内に収容する方法、血液凝固促進剤を溶液にして管内に収容し、凍結乾燥する方法及びそれらを組合わせた方法などを挙げることができる。
【0028】
容器本体の内壁に血餅付着防止成分を塗布することにより、遠心分離時の血餅剥離性を向上させることができる。
上記血餅付着防止成分としては、水に対して難溶または不溶の親水性物質が挙げられる。例えば、ジメチルポリシロキサンのような脂肪族変性シリコーンオイ、例えばメチルフェニルポリシロキサンなどの芳香族変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、部分ケン化ポリビニルアルコール、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体などを挙げることができる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0029】
また、上記血餅付着防止成分の量は、血液1mLに対し、0.001〜10mgとすることが好ましい。0.001mg未満の場合には、十分な血餅剥離機能が発現しないことがあり、10mgを超えると、検査値に悪影響を及ぼすことがある。血餅付着防止成分は、血液検査用容器に塗布されるが、その塗布方法については特に限定されないが、溶液にして塗布し、乾燥させる方法を用いることが好ましい。また、上記血液凝固促進剤と混合し、同時に血液検査用容器の内壁に塗布してもよい。
【0030】
さらに、本発明に係る血液検査用容器内には、血清分離剤が収納されていてもよい。血清分離剤は、通常、容器本体の底部に収容される。この場合、血液検査用容器に採血された血液が凝固した後、遠心分離を行うと、血清分離剤が血餅と血清との間に移動し、隔壁を形成することにより、血清と血餅とが分離される。
【0031】
上記血清分離剤としては、公知のチクソトロピー性を有するゲル状物質が挙げられ、例えば、常温で流動性を有する合成樹脂などに、チクソトロピー性付与剤、比重調整剤及び粘度調整剤などの添加物を添加し、混合することにより得られる。
【0032】
上記合成樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエンなどのオリゴマーが、上記チクソトロピー性付与剤としては、例えば、ソルビトールと芳香族アルデヒドとの縮合物などが、上記比重調整剤としては、例えば、シリカ、塩化パラフィンなどが、上記粘度調整剤としては、例えば、フタル酸エステル、エポキシ化大豆油などが挙げられる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
血液凝固促進剤としてトロンビン(持田製薬社製)4000単位と、血液凝固第XIII因子阻害剤としてのマレイミド10mgとに生理食塩水を加えて全量を2.0mLとした。この溶液を、内径16mm×長さ100mmのポリエチレン製チューブに40μL添加し、乾燥し、実施例1の血液検査用容器を得た。
【0035】
(実施例2)
実施例1において、マレイミドの使用量を10mgから40mgに変更したことを除いては、実施例1と同様にして血液検査用容器を得た。
【0036】
(実施例3)
血液凝固促進剤としてのトロンビン(持田製薬社製)2000単位及びフィブリン架橋阻害剤としてのグリシンエチルエステル200mgに、生理食塩水を加え、全量を2.0mLとした。この溶液を、実施例1と同様にして、ポリエチレン製チューブに添加し、乾燥し、実施例3の血液検査用容器を得た。
【0037】
(実施例4)
グリシンエチルエステルの使用量を200mgから800mgに変更したことを除いては、実施例3と同様にして血液検査用容器を得た。
【0038】
(実施例5)
血液凝固促進剤としてのトロンビン(持田製薬社製)8000単位と、フィブリン架橋阻害剤としての塩酸グリシンメチルエステル100mgとに生理食塩水及び水酸化リチウムを加え、pH=7.5の全量2.0mLの溶液を得た。この溶液を、ポリエチレン製チューブに実施例1と同様にして添加し、乾燥し、実施例5の血液検査用容器を得た。
【0039】
(実施例6)
塩酸グリシンメチルエステルの使用量を100mgから400mgに変更したことを除いては、実施例5と同様にして血液検査用容器を得た。
【0040】
(実施例7)
血液凝固促進剤としてのトロンビン(持田製薬社製)4000単位及びフィブリン架橋阻害剤としてのグリシルグリシン400mgに生理食塩水を加え、全量を2.0mLとした。以下、この溶液を用い、実施例1と同様にして実施例7の血液検査用容器を得た。
【0041】
(実施例8)
グリシルグリシンの使用量を400mgから1600mgに変更したことを除いては、実施例7と同様にして血液検査用容器を得た。
【0042】
(実施例9)
血液凝固促進剤としてのトロンビン(持田製薬社製)4000単位及びフィブリン架橋阻害剤として塩酸グリシンエチルエステル400mgを配合し、生理食塩水及び水酸化リチウムを加え、pHを7.5に合わせ、全量を2.0mLとした。この溶液を用い、以下、実施例1と同様にして、血液検査用容器を得た。
【0043】
(実施例10)
塩酸グリシンエチルエステルの使用量を400mgから800mgに変更したことを除いては、実施例9と同様にして血液検査用容器を得た。
【0044】
(実施例11)
血液凝固促進剤としての蛇毒トロンビン様酵素(Batroxobin)(アメリカンダイアグノスティカ製)4000単位及びフィブリン架橋阻害剤として塩酸グリシンエチルエステル400mgを配合し、生理食塩水及び水酸化リチウムを加えてpH値を7.5とし、全量2.0mLの溶液を得た。この溶液を用い、以下実施例1と同様にして血液検査用容器を得た。
【0045】
(実施例12)
塩酸グリシンエチルエステルの配合量を400mgから800mgに変更したことを除いては、実施例11と同様にして血液検査用容器を得た。
【0046】
(実施例13)
血液凝固促進剤としてのトロンビン(持田製薬社製)4000単位及び血液凝固第XIII因子阻害剤としてマレイミド40mg、及び血餅剥離剤としてアルコール変性シリコーンオイル20mgを配合し、生理食塩水を加えて全量を2.0mLとした。この溶液を用い、以下、実施例1と同様にして、血液検査用容器を得た。
【0047】
(実施例14)
血液凝固促進剤としてのトロンビン(持田製薬社製)4000単位、フィブリン架橋阻害剤として塩酸グリシンメチルエステル200mg、血餅剥離剤としてアルコール変性シリコーンオイル20mgを配合し、生理食塩水及び水酸化リチウムを加えて、pH=7.5とし、かつ全量を2.0mLとした。この溶液を用いて、以下実施例1と同様にして血液検査用容器を得た。
【0048】
(比較例1)
血液凝固促進剤としてのトロンビン(持田製薬社製)4000単位に生理食塩水を加えて、全量を2.0mLとした。この溶液を用いて、以下、実施例1と同様にして血液検査用容器を得た。
【0049】
(比較例2)
トロンビンの使用量を4000単位から8000単位に変更したことを除いては、比較例1と同様にして血液検査用容器を得た。
【0050】
(比較例3)
血液凝固促進剤としての蛇毒(Batroxobin)トロンビン様酵素(ナスカ製)4000単位に、生理食塩水を加えて全量を2.0mLとした。この溶液を用いて、以下、実施例1と同様にして血液検査用容器を得た。
【0051】
(比較例4)
血液凝固促進剤としてのトロンビン(持田製薬社製)4000単位、血液凝固第XIII因子阻害剤としてマレイミド3.0mgを配合し、これらに生理食塩水を加えて全量を2.0mLとした。この溶液を用いて、以下、実施例1と同様にして血液検査用容器を得た。
【0052】
(比較例5)
血液凝固促進剤としてのトロンビン(持田製薬社製)4000単位及びフィブリン架橋阻害剤として塩酸グリシンメチルエステル3.0mgを配合し、生理食塩水及び水酸化リチウムを加えてpHを7.5に合わせ、かつ全量を2.0mLとした。この溶液を用い、以下、実施例1と同様にして血液検査用容器を得た。
【0053】
〔評価〕
上記のようにして得た実施例1〜14及び比較例1〜5の各血液検査用容器を用い、ヒト新鮮血8mLを各血液検査用容器に加え、緩やかに1回だけ混和し、5分間静置した。5分後に、毎分3000回転で5分間遠心分離し、分離後の血清の状態を目視により確認した。結果を下記の表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
上記5分間の遠心分離後に、実施例1〜14及び比較例1〜5の何れの血液検査用容器においても凝固は一応完了していたが、比較例1〜5では血清中にフィブリンが析出していた。すなわち、架橋した強固なフィブリンが凝固成分の拡散を妨げ、部分的に未凝固な部分が残っているものと考えられる。
【0056】
これに対して、実施例1〜14では、分離後の血清にフィブリンの析出は認められなかった。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る血液検査用容器では、容器本体に血液凝固促進剤と、フィブリン析出抑制剤とが収納されているので、採血後に血液凝固が速やかに進行し、血液凝固時間を短縮することができるとともに、凝固に際し、フィブリン析出抑制剤によりフィブリンの血清中への析出が抑制されるので、フィブリンの混入がほとんど生じない血清を得ることができる。
【0058】
よって、短時間で血清を得ることができるので、緊急を要する医療現場において用いることができ、かつフィブリンの析出がほとんど生じないので、信頼性に優れた検査結果を得ることが可能となる。
【0059】
本発明において、上記血液凝固成分が、ペプチド鎖のアルギニンと任意のアミノ酸残基との結合及び/またはリジンと任意のアミノ酸残基との結合を加水分解し得る酵素で構成されている場合には、血液凝固がより一層速やかに進行する。従って、血清を得るまでの時間を短縮することができ、さらに上記フィブリン析出抑制剤が添加されているので、フィブリンの析出が抑制されるだけでなく、採血直後それほど十分に混和する必要がない。
【0060】
フィブリン析出抑制剤として、血液凝固第XIII因子阻害剤及び/またはフィブリン架橋阻害剤を用いた場合には、血液凝固第XIII因子阻害剤の関与する反応が阻害され、あるいはフィブリン架橋阻害剤によりフィブリンの架橋が阻害されるので、血清中へのフィブリンの析出を効果的に抑制することができる。
Claims (3)
- 容器本体内に血液凝固促進剤であるセリンプロテアーゼと、血液凝固後の遠心分離時にフィブリンが血清中に析出するのを抑制する血液凝固第XIII因子阻害剤及び/またはフィブリン架橋阻害剤とが収納されていることを特徴とする、血液検査用容器。
- 前記血液凝固第XIII因子阻害剤がマレイミド、N−エチルマレイミド、p−クロロ第二水銀安息香酸、p−クロロ第二水銀フェニルスルホン酸及びフェニル第二水銀並びにこれらの誘導体もしくは塩からなる群から選択した少なくとも1種である請求項1に記載の血液検査用容器。
- 前記フィブリン架橋阻害剤が、グリシン、ジアミン化合物及びこれらの誘導体もしくはその塩からなる群から選択した少なくとも1種である、請求項1に記載の血液検査用容器。
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