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JP4359054B2 - プレーナ型電磁アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents
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JP4359054B2 - プレーナ型電磁アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

プレーナ型電磁アクチュエータ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレーナ型電磁アクチュエータ、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
代表的なプレーナ型アクチュエータとしては、レーザ光のスキャニングシステム等に使用されるものが挙げられる。現在、プレーナ型電磁アクチュエータを小型化するため、半導体デバイスの製造プロセスを利用して製造する方法が開発されている。(特許文献1参照)
【0003】
その他、駆動方式として静電気力を利用したプレーナ型静電アクチュエータも考案されている。(特許文献2参照)
【0004】
図1は、ミラー部周縁部にコイル部を形成した、従来のプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分の構成を示すもので、(a)は上面図、(b)は下面図、(c)はA−A’断面図である。
【0005】
まず、基板1に可動板2と、該可動板2を基板1に対し揺動可能に軸支するトーションバー3a、3bとが一体形成されている。可動板2の表面中央部にはミラー部4が形成され、その周縁部にはコイル部5が形成されており、該コイル部5に電磁駆動力を発生させ、可動板2を駆動させる。
【0006】
図2は、上述した従来のプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分の製造工程を示す図である。以下、図2を参照し、従来のプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分の製造工程について説明する。
工程(a)酸化膜形成工程:厚さ500μmのシリコン張り合わせ基板6の表裏両面を熱酸化し、シリコン酸化膜7a、7bを形成する。シリコン張り合わせ基板は、通称SOI基板といい、例えば活性層シリコン8(100μm)、中間層シリコン酸化膜9(1μm)、及び支持基板シリコン10(400μm)で構成されている。
工程(b)コイルパターン形成工程:シリコン酸化膜7a表面に、コイル11b、絶縁膜12、コイル11a、及び保護膜13の各パターンをフォトリソグラフィにより順次積層する。
工程(c)酸化膜除去工程1:シリコン酸化膜7aの活性層シリコン8端部と可動板形成部を除いた部分をエッチングにより除去する。
工程(d)活性層除去工程:工程(c)のエッチングにより露出された活性層シリコン8をエッチングにより除去する。
工程(e)中間層除去工程1:工程(d)のエッチングにより露出された中間層シリコン酸化膜9をエッチングにより除去する。
工程(f)酸化膜除去工程2:シリコン酸化膜7bの支持基板シリコン10端部を除いた部分をエッチングにより除去する。
工程(g)支持基板除去工程:工程(f)のエッチングにより露出された支持基板シリコン10をエッチングにより除去する。
工程(h)中間層除去工程2:工程(g)のエッチングにより露出された中間層シリコン酸化膜9、及び支持基板シリコン10端部のシリコン酸化膜7bをエッチングにより除去する。
工程(i)ミラー堆積膜形成工程:シリコン酸化膜7a表面のミラー形成部に金(Au)等から成るミラー堆積膜14を真空蒸着法、又はスパッタリング法により形成する。
以上のような工程で、従来のプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分は製造されるが、通常は半導体素子と同様に大きなウエハに同時多数個形成し、完成後個々に分割される。尚、レジストパターン形成工程等の説明、図示は省略した(以下同様に省略)。
【0007】
ここで、前述の可動部周縁部にコイル部を形成した従来のプレーナ型電磁アクチュエータの問題点として、コイル部に形成されたコイル、絶縁膜、及び保護膜は引張応力を持つため、コイル部全体として表面方向凹型に反り、その影響によりミラー部にも反りが生じてしまうという事があった。
【0008】
これは、SOI基板表面を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜は、前記引張応力とは逆の圧縮応力を持つが、コイル等の引張応力の方が強いため、結果的に前記反りを生じてしまうわけである。
【0009】
そこで、前記問題を解決するため、可動板に反りを抑制するための応力膜を形成したプレーナ型電磁アクチュエータが考案されている。(特許文献3参照)
【0010】
また、プレーナ型静電アクチュエータにおいても種々の要因から発生するミラー部の反りが問題となっており、前述のものと同様の手段により、前記問題の解決を試みたプレーナ型静電アクチュエータも考案されている。(特許文献4参照)
【0011】
【特許文献1】
特許特02722314号公報(第3−4頁、第1−2図)
【特許文献2】
特許特03361975号公報(第4−6頁、第5−8図)
【特許文献3】
特開2002−296517号公報(第4−5頁、第5−7図)
【特許文献4】
特開2002−267996号公報(第3−4頁、第1−2図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記ミラー部の反りを解消しようとした、電磁駆動式を初めとする従来のプレーナ型アクチュエータにおいては、新たに応力膜を形成する工程が必要となる。
【0013】
本発明は、前記問題点に鑑み、可動部周縁部にコイル部を有し、中央部にミラー部を有する構成のプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、新たに反りを抑制するための応力膜を形成する事無く、ミラー部に形成するミラー堆積膜自体の膜厚を調整する事により、ミラー部に生じる反りを抑制可能なプレーナ型電磁アクチュエータ、及びその製造方法を提供する事を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
可動部と該可動部を基板に対し揺動可能に軸支するトーションバーとを備え、前記可動部中央部にミラー部を設け、前記可動部周縁部に駆動用コイル部を設け、前記可動部に駆動力を作用させて駆動させる構成のプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、前記ミラー部の表裏両面側ミラー形成部に、ミラー堆積膜が互いに異なる膜厚で形成され、かつ、これらミラー堆積膜は、膜厚が厚いほうのミラー堆積膜の応力によって膜厚が薄いほうのミラー堆積膜の応力及び前記コイル部で発生した応力を相殺するように形成されるプレーナ型電磁アクチュエータとする。
【0015】
シリコン貼り合わせ基板(SOI基板)の表裏両面を熱酸化して、表裏両面側シリコン酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、前記表面側シリコン酸化膜上に、フォトリソグラフィによりコイル、絶縁膜、及び保護膜の各パターンを積層するコイルパターン形成工程と、前記表面側シリコン酸化膜の表面側ミラー形成部分をエッチングにより除去する第1酸化膜除去工程と、前記表面側シリコン酸化膜の可動板形成部と活性層シリコン端部を除いた部分をエッチングにより除去する第2酸化膜除去工程と、前記第2酸化膜除去工程のエッチングにより露出された活性層シリコンをエッチングにより除去する活性層除去工程と、前記活性層除去工程のエッチングにより露出された中間層シリコン酸化膜をエッチングにより除去する第1中間層除去工程と、前記裏面側シリコン酸化膜の支持基板シリコン端部を除いた部分をエッチングにより除去する第3酸化膜除去工程と、前記第3酸化膜除去工程のエッチングにより露出された支持基板シリコンをエッチングにより除去する支持基板除去工程と、前記支持基板除去工程のエッチングにより露出された中間層シリコン酸化膜をエッチングにより除去する第2中間層除去工程と、前記第1酸化膜除去工程及び前記第2中間層除去工程のエッチングにより露出された活性層シリコンの表裏両面側ミラー形成部に、応力を持つミラー堆積膜を互いに異なる膜厚で形成する工程であって、これらミラー堆積膜を、膜厚が厚いほうのミラー堆積膜の応力によって膜厚が薄いほうのミラー堆積膜の応力及び前記各パターンの積層により発生した応力を相殺するように形成するミラー堆積膜形成工程とを有するプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法とする。
【0016】
シリコン(Si)基板の表裏両面を熱酸化して、表裏両面側シリコン酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、前記裏面側シリコン酸化膜のシリコン基板端部を除いた部分をエッチングにより除去する第1酸化膜除去工程と、前記第1酸化膜除去工程のエッチングにより露出されたシリコン基板を、可動板の厚さ分を残し、エッチングにより除去する第1シリコン基板除去工程と、前記表面側シリコン酸化膜上に、フォトリソグラフィによりコイル、絶縁膜、及び保護膜の各パターンを積層するコイルパターン形成工程と、前記表面側シリコン酸化膜の表面側ミラー形成部をエッチングにより除去する第2酸化膜除去工程と、前記表面側シリコン酸化膜の可動板形成部とシリコン基板端部を除いた部分をエッチングにより除去する第3酸化膜除去工程と、前記第3酸化膜除去工程のエッチングにより露出されたシリコン基板を除去する第2シリコン基板除去工程と、シリコン基板の表裏両面側ミラー形成部に、応力を持つミラー堆積膜を互いに異なる膜厚で形成する工程であって、これらミラー堆積膜を、膜厚が厚いほうのミラー堆積膜の応力によって膜厚が薄いほうのミラー堆積膜の応力及び前記各パターンの積層により発生した応力を相殺するように形成するミラー堆積膜形成工程とを有するプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明においては、課題を解決するために薄膜の持つ真応力を利用するのであり、まず、ここで薄膜の応力について説明する。基板上に薄膜を形成する場合、基板が薄いと基板や薄膜がたわんだり、また、基板が厚いと薄膜にクラックや剥離が観測される事がある。これは、薄膜内部に応力が存在するためである。そして、この薄膜の内部応力は、真空蒸着法、スパッタリング法等で形成された薄膜中に必ず存在し、熱応力と真応力に大別される。熱応力とは、薄膜の形成工程において、温度が上昇した基板と薄膜の温度を下げる時に、基板と薄膜の熱膨張率の差により生じるとされる応力である。一方、真応力についてであるが、この発生原因としては、種々の薄膜形成過程に起因する説が提案されており、体積変化によるものや、表面あるいは界面の効果によるもの等がある。
【0018】
このような薄膜と基板間に働く応力は、基板面に垂直な断面を通して引っ張りであるか圧縮であるかによって、それぞれ引張(引っ張り)応力、圧縮応力と呼ばれる。図11は薄膜の応力を示した図であるが、(a)に示すように膜面が凹面になり、薄膜が基板から引っ張られているときが引張応力であり、(b)のように膜面が凸面になり、薄膜が基板から押されているときが圧縮応力である。
【0019】
真空蒸着法においては、薄膜が引張応力を示すか圧縮応力を示すかは、薄膜と基板の物質でほぼ決まっており、よほど特殊な条件下で無い限りそれが変わる事は無い。しかし、スパッタリング法で薄膜を形成した場合、その条件により大きな変化が生じる。例えば、スパッタリングの放電ガス圧が高い時は、ほとんどの金属薄膜で引張応力を示すが、低くなるにつれ引張応力は減少し、最終的には圧縮応力を示すようになる。この理由については、いくつかの推測がなされているが、その詳しい説明は省略する。以上のように、真応力は多くの原因から生じ、同じ材質の薄膜であっても形成条件により性質が大きく異なる。
【0020】
本発明においては、以上説明した内容に従い、引張応力を持つ薄膜と圧縮応力を持つ薄膜を重ね合わせる事により、全体として応力をゼロに近づけるという考えに基づき実施を行う。例えば、基板上に形成した薄膜が引張応力を持っており、全体として反りを生じていたとすれば、それを打ち消すように別の引張応力、又は圧縮応力を持つ薄膜を適当な側の面に形成する事により、互いの応力を打ち消し、反りを抑制する事が出来るわけである。
【0021】
図3は、請求項1記載の本発明第1実施形態であるプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分の断面図である。ただし、本明細書において用いた図は、構造を分かり易くしたもので、比例尺ではない。尚、本発明の第1実施形態、及び後述の第2実施形態においては、コイル部とミラー部の間に、コイル部で発生したミラー部変形要因がミラー部に伝達するのを抑制するための境界部を有する構成のプレーナ型電磁アクチュエータに本発明を適用した例で説明する。以下、図3を参照し、本発明の第1実施形態であるプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分について説明する。
【0022】
可動板である活性層シリコン8の厚さは100μmで、大きさは14×10mmである。本発明の第1実施形態において、ミラー部に形成するミラー堆積膜15、16にはクロム(Cr)等を用い、引張応力を持つ。厚さは、表面側のミラー堆積膜16が0.01μm、裏面側のミラー堆積膜15が0.15μmと、ミラー堆積膜15の方がミラー堆積膜16よりも厚く形成されており、大きさは共に5×6mmである。表面側シリコン酸化膜7aは、厚さ1μmで、コイル11a、11bは、共に巾40μm、厚さ2μm、コイル間隔10μm、ターン数15である。絶縁膜12及び保護膜13は、共に厚さ2μmでポリイミドを用いた。また、コイル部17の幅は、800μm、トーションバー3a、3bの長さは、共に1000μmである。
【0023】
この構成の特徴は、上述のように、引張応力を持つクロム(Cr)等から成るミラー堆積膜15、16をミラー部に形成すると共に、ミラー堆積膜15がミラー堆積膜16よりも厚く形成されている事である。これにより、ミラー部全体としては、ミラー堆積膜15による引張応力が支配する事になり、結果的にそれがコイル部からの応力と打ち消し合ってミラー部の反りを抑制する。ここで、ミラー堆積膜15、16はクロム(Cr)等としたが、引張応力を持ち、他の薄膜の物性等に影響を及ぼさない範囲内のものであれば何を用いても構わず、その物質については特に言及しない。つまり、反射ミラーとしての高い効果を期待するのであれば、反射性に優れた材質のものを選択すればよい。
【0024】
次に、図4を参照し、請求項1記載の本発明第1実施形態であるプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分の製造工程について説明する。
工程(a)酸化膜形成工程:SOI基板6の表裏両面を熱酸化し、シリコン酸化膜7a、7bを形成する。
工程(b)コイルパターン形成工程:シリコン酸化膜7a表面に、コイル11b、絶縁膜12、コイル11a、及び保護膜13の各パターンをフォトリソグラフィにより順次積層する。
工程(c)酸化膜除去工程1:シリコン酸化膜7aの表面側ミラー形成部分をエッチングにより除去する。
工程(d)酸化膜除去工程2:シリコン酸化膜7aの活性層シリコン8端部と可動板形成部を除いた部分をエッチングにより除去する。
工程(e)活性層除去工程:工程(d)のエッチングにより露出された活性層シリコン8をエッチングにより除去する。
工程(f)中間層除去工程1:工程(e)のエッチングにより露出された中間層シリコン酸化膜9をエッチングにより除去する。
工程(g)酸化膜除去工程3:シリコン酸化膜7bの支持基板シリコン10端部を除いた部分をエッチングにより除去する。
工程(h)支持基板除去工程:工程(g)のエッチングにより露出された支持基板シリコン10をエッチングにより除去する。
工程(i)中間層除去工程2:工程(h)のエッチングにより露出された中間層シリコン酸化膜9、及び支持基板シリコン10端部のシリコン酸化膜7bをエッチングにより除去する。
工程(j)ミラー堆積膜形成工程:活性層シリコン8裏面の裏面側ミラー形成部、及び表面の表面側ミラー形成部に、クロム(Cr)等から成るミラー堆積膜15、16を真空蒸着法、又はスパッタリング法によりそれぞれ形成する。ここで、ミラー堆積膜15は、ミラー堆積膜16と同様に引張応力を持つと共に、ミラー堆積膜16よりも厚く堆積される。
尚、工程(c)、工程(d)と段階を踏んでシリコン酸化膜7aを除去するのは、次の活性層シリコン除去工程(e)を行う流れ上都合が良いためであり、同一工程で行ってもよい。
【0025】
図5は、請求項1記載の本発明第2実施形態であるプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分の断面図である。この構成の特徴は、第1実施形態の場合とは逆に、圧縮応力を持つクロム(Cr)等から成るミラー堆積膜17、18をそれぞれ形成した事である。更に、ミラー堆積膜18はミラー堆積膜17よりも厚く形成されているため、ミラー部全体としてはミラー堆積膜18による圧縮応力が支配する事となり、結果的にそれがコイル部からのミラー部変形要因である応力と打ち消し合い、ミラー部の反りが抑制される。ここで、ミラー堆積膜17、18は、圧縮応力を持ち、他の薄膜の物性等に影響を及ぼさない範囲内のものであれば何を用いても構わず、その物質については特に言及しない。
【0026】
次に、図6を参照し、請求項1記載の本発明第2実施形態であるプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分の製造工程について説明する。尚、この場合、基本的な製造工程は、第1実施形態と同様であるため、一部の製造工程についてのみ説明を行う事とする。
工程(a)〜(h):省略
工程(i)中間層除去工程2:工程(h)のエッチングにより露出された中間層シリコン酸化膜9をエッチングにより除去する。
工程(j)ミラー堆積膜形成工程:活性層シリコン8裏面の裏面側ミラー形成部、及び表面の表面側ミラー形成部に、クロム(Cr)等から成るミラー堆積膜17、18を真空蒸着法、又はスパッタリング法によりそれぞれ形成する。ここで、ミラー堆積膜18は、ミラー堆積膜17と同様に圧縮応力を持つと共に、ミラー堆積膜17よりも厚く堆積される。
【0027】
図7は、請求項1記載の本発明第3実施形態であるプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分を示す断面図である。特徴としては、チップ部分を構成する基板に、第1、第2実施形態で用いたようなSOI基板ではなく、シリコン(Si)基板を用いた事である。尚、チップ部分のサイズ、基本的な構成、及び堆積膜による応力作用等については、第1、第2実施形態と同様であるため説明は省略する(以下同様に省略)。
【0028】
図8は、上述のプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分の製造工程を示す図である。以下、図8を参照し、該製造工程について説明する。
工程(a)酸化膜形成工程:シリコン基板19の表裏両面を熱酸化し、シリコン酸化膜20a、20bを形成する。
工程(b)酸化膜除去工程1:シリコン酸化膜20bのシリコン基板19端部を除いた部分をエッチングにより除去する。
工程(c)シリコン基板除去工程1:工程(b)のエッチングにより露出されたシリコン基板19を、可動板の形成に必要な分の厚さを残しエッチングにより除去する。
工程(d)コイルパターン形成工程:シリコン酸化膜20a表面に、コイル11b、絶縁膜12、コイル11a、及び保護膜13の各パターンをフォトリソグラフィにより順次積層する。
工程(e)酸化膜除去工程2:シリコン酸化膜20aの表面側ミラー形成部分をエッチングにより除去する。
工程(f)酸化膜除去工程3:シリコン酸化膜20aのシリコン基板19端部と可動板形成部を除いた部分をエッチングにより除去する。
工程(g)シリコン基板除去工程2:工程(f)のエッチングにより露出されたシリコン基板19をエッチングにより除去する。
工程(h)ミラー堆積膜形成工程:シリコン基板19裏面の裏面側ミラー形成部、及び表面の表面側ミラー形成部に、クロム(Cr)等から成るミラー堆積膜21、22を真空蒸着法、又はスパッタリング法によりそれぞれ形成する。ここで、ミラー堆積膜21は、ミラー堆積膜22と同様に引張応力を持つと共に、ミラー堆積膜22よりも厚く堆積される。
【0029】
図9は、請求項1記載の本発明第4実施形態であるプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分を示す断面図である。特徴としては、第3実施形態と同様にチップ部分を構成する基板にシリコン基板を用いた事である。
【0030】
図10は、請求項1記載の本発明第4実施形態であるプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分の製造工程を示す図である。以下、図10を参照し、該製造工程について説明する。尚、この場合、基本的な製造工程は、第3実施形態と同様であるため、一部の製造工程についてのみ説明を行う事とする。
工程(a)〜(f):省略
工程(g)シリコン基板除去工程2:工程(f)のエッチングにより露出されたシリコン基板19をエッチングにより除去する。
工程(h)ミラー堆積膜形成工程:シリコン基板19裏面の裏面側ミラー形成部、及び表面の表面側ミラー形成部に、クロム(Cr)等から成るミラー堆積膜23、24を真空蒸着法、又はスパッタリング法によりそれぞれ形成する。ここで、ミラー堆積膜24は、ミラー堆積膜23と同様に圧縮応力を持つと共に、ミラー堆積膜23よりも厚く堆積される。
【0031】
図12は、反りの定義を示す図であり、図中dが反り量である。本発明の実施形態と同条件において形成した従来のプレーナ型電磁アクチュエータのミラー部表面には、0.6μm程度の反りが発生していた。一般的にミラー部の平坦度(反り量)は、λ/4以下が望ましいとされているが、本発明の実施形態においては、反りをλ/4(0.17μm)以下にする事が出来た。λはレーザ光の波長で、例えば赤色可視光のレーザ光では670nmである。
【0032】
また、ミラー堆積膜の材質としては、金(Au)やアルミニウム(Al)等を用いる事も考えられるが、アルミニウム(Al)を用いる場合は、侵食(酸化等)の恐れがあるため、表面に保護膜としてシリコン酸化膜等を形成する処置が必要となる。尚、問題となっている反りを抑制できるのであれば、他の薄膜の物性等に影響を及ぼさない範囲内においては、どのような材質を用いても構わず、必要な分の厚さだけミラー堆積膜を形成すればよい。
【0033】
更に、ミラー堆積膜を形成する際、下地である活性層シリコン、又はシリコン基板に対する密着性に優れた材質のものを選ぶ事により、薄膜間の密着性が向上すると共に、可動板全体の反りを緩和する事が出来る。また、可動板表面の堆積物(コイル、絶縁膜、保護膜)が厚く、可動板に及ぼす応力が大きい場合や、可動板が薄く、堆積物の応力の影響を受け易い条件にあっても、それに応じた応力を持つ堆積膜を形成する事により、反りを抑制する事が出来るので設計の自由度が増す。
【0034】
本発明に係る技術は、可動部周縁部にコイル部を有し、中央部にミラー部を有する構成のプレーナ型電磁アクチュエータに関するものであるが、他の構成を有する電磁駆動式、静電駆動式のプレーナ型アクチュエータ等に対しても適用可能である。また、可動板の形状等により制約を受ける技術でない事は言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、引張応力、又は圧縮応力を持つミラー堆積膜自体の膜厚をミラー部の表裏両面側で互いに異ならせる事により、コイル部で発生した応力を打ち消すような応力をミラー部全体に発生させ、コイル部の応力と相殺させる事によりミラー部の反りを抑制する事が出来る。また、ミラー堆積膜自体に応力膜としての機能を持たせているので、新たに応力膜を形成する必要が無く、その分の工程が削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可動部周縁部にコイル部、中央部にミラー部を有する従来のプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分を示す図で、(a)上面図、(b)下面図、(c)A−A’断面図である。
【図2】可動部周縁部にコイル部、中央部にミラー部を有する従来のプレーナ型電磁アクチュエータに係るチップ部分の製造工程図
【図3】ミラー部裏面側のミラー堆積膜を厚く形成した本発明第1実施形態のA−A’断面図
【図4】本発明第1実施形態の製造工程図
【図5】ミラー部表面側のミラー堆積膜を厚く形成した本発明第2実施形態のA−A’断面図
【図6】本発明第2実施形態の製造工程図
【図7】ミラー部裏面側のミラー堆積膜を厚く形成した本発明第3実施形態のA−A’断面図
【図8】本発明第3実施形態の製造工程図
【図9】ミラー部表面側のミラー堆積膜を厚く形成した本発明第4実施形態のA−A’断面図
【図10】本発明第4実施形態の製造工程図
【図11】薄膜の応力を示す図
【図12】反りの定義を示す図
【符号の説明】
1 基板
2 可動板
3a トーションバー
3b トーションバー
4 ミラー部
5 コイル部
6 シリコン貼り合わせ基板(SOI基板)
7a シリコン酸化膜
7b シリコン酸化膜
8 活性層シリコン
9 中間層シリコン酸化膜
10 支持基板シリコン
11a コイル
11b コイル
12 絶縁膜
13 保護膜
14 ミラー堆積膜
15 ミラー堆積膜(引張応力)
16 ミラー堆積膜(引張応力)
17 ミラー堆積膜(圧縮応力)
18 ミラー堆積膜(圧縮応力)
19 シリコン基板
20a シリコン酸化膜
20b シリコン酸化膜
21 ミラー堆積膜(引張応力)
22 ミラー堆積膜(引張応力)
23 ミラー堆積膜(圧縮応力)
24 ミラー堆積膜(圧縮応力)

Claims (3)

  1. 可動部と該可動部を基板に対し揺動可能に軸支するトーションバーとを備え、前記可動部中央部にミラー部を設け、前記可動部周縁部に駆動用コイル部を設け、前記可動部に駆動力を作用させて駆動させる構成のプレーナ型電磁アクチュエータにおいて、
    前記ミラー部の表裏両面側ミラー形成部に、ミラー堆積膜が互いに異なる膜厚で形成され、
    かつ、これらミラー堆積膜は、膜厚が厚いほうのミラー堆積膜の応力によって膜厚が薄いほうのミラー堆積膜の応力及び前記コイル部で発生した応力を相殺するように形成される事を特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータ。
  2. シリコン貼り合わせ基板(SOI基板)の表裏両面を熱酸化して、表裏両面側シリコン酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、
    前記表面側シリコン酸化膜上に、フォトリソグラフィによりコイル、絶縁膜、及び保護膜の各パターンを積層するコイルパターン形成工程と、
    前記表面側シリコン酸化膜の表面側ミラー形成部分をエッチングにより除去する第1酸化膜除去工程と、
    前記表面側シリコン酸化膜の可動板形成部と活性層シリコン端部を除いた部分をエッチングにより除去する第2酸化膜除去工程と、
    前記第2酸化膜除去工程のエッチングにより露出された活性層シリコンをエッチングにより除去する活性層除去工程と、
    前記活性層除去工程のエッチングにより露出された中間層シリコン酸化膜をエッチングにより除去する第1中間層除去工程と、
    前記裏面側シリコン酸化膜の支持基板シリコン端部を除いた部分をエッチングにより除去する第3酸化膜除去工程と、
    前記第3酸化膜除去工程のエッチングにより露出された支持基板シリコンをエッチングにより除去する支持基板除去工程と、
    前記支持基板除去工程のエッチングにより露出された中間層シリコン酸化膜をエッチングにより除去する第2中間層除去工程と、
    前記第1酸化膜除去工程及び前記第2中間層除去工程のエッチングにより露出された活性層シリコンの表裏両面側ミラー形成部に、応力を持つミラー堆積膜を互いに異なる膜厚で形成する工程であって、これらミラー堆積膜を、膜厚が厚いほうのミラー堆積膜の応力によって膜厚が薄いほうのミラー堆積膜の応力及び前記各パターンの積層により発生した応力を相殺するように形成するミラー堆積膜形成工程と
    を有する事を特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法。
  3. シリコン(Si)基板の表裏両面を熱酸化して、表裏両面側シリコン酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、
    前記裏面側シリコン酸化膜のシリコン基板端部を除いた部分をエッチングにより除去する第1酸化膜除去工程と、
    前記第1酸化膜除去工程のエッチングにより露出されたシリコン基板を、可動板の厚さ分を残し、エッチングにより除去する第1シリコン基板除去工程と、
    前記表面側シリコン酸化膜上に、フォトリソグラフィによりコイル、絶縁膜、及び保護膜の各パターンを積層するコイルパターン形成工程と、
    前記表面側シリコン酸化膜の表面側ミラー形成部をエッチングにより除去する第2酸化膜除去工程と、
    前記表面側シリコン酸化膜の可動板形成部とシリコン基板端部を除いた部分をエッチングにより除去する第3酸化膜除去工程と、
    前記第3酸化膜除去工程のエッチングにより露出されたシリコン基板を除去する第2シリコン基板除去工程と、
    シリコン基板の表裏両面側ミラー形成部に、応力を持つミラー堆積膜を互いに異なる膜厚で形成する工程であって、これらミラー堆積膜を、膜厚が厚いほうのミラー堆積膜の応力によって膜厚が薄いほうのミラー堆積膜の応力及び前記各パターンの積層により発生した応力を相殺するように形成するミラー堆積膜形成工程と
    を有する事を特徴とするプレーナ型電磁アクチュエータの製造方法。
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