JP4360554B2 - 変速機 - Google Patents
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Description
なお、特許文献3には、チェーンテンショナーとテンションアジャスターの取付高さに段差が生じなくなるようにして、エンジンのカム軸を駆動するチェーンの音振を低減する技術が開示されているが、上述した音振の改善策としては効果が不明であるとともに、構造が複雑化してコスト増を招く弊害がある。
エンジンの回転数と前記ライン圧の値がそれぞれ特定の範囲で発生する前記チェーンの音振に対し前記ライン圧を強制的に変化させ特定の範囲外とすることによって、前記音振を抑制する音振対策制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする。
また、「エンジンの回転数と前記ライン圧の値がそれぞれ特定の範囲で発生する前記チェーンの音振に対し前記ライン圧を強制的に変化させ特定の範囲外とする」とは、例えば、請求項2又は請求項3に記載した態様がありうる。
即ち、前記音振対策制御としては、請求項2に記載したように、エンジンの回転数変化に伴う前記ライン圧の値が、前記音振を発生させる範囲である音振領域の直前になると、前記ライン圧を前記音振領域外の第1所定値まで強制的に上昇させる態様があり得る。
また前記音振対策制御としては、請求項3に記載したように、エンジンの回転数変化に伴う前記ライン圧の値が、前記音振を発生させる範囲である音振領域の直前になると、前記ライン圧を前記音振領域外の第2所定値まで強制的に低下させる態様があり得る。
なお、ベルト式の変速機構を備える場合、請求項3に記載の態様においては、請求項4に記載のように、前記第2所定値が、少なくともベルト滑りが発生しない範囲内であり、望ましくはさらに、必要な変速速度や変速追従性を十分確保できる範囲内の値であることが好ましい。
また、請求項7に記載のように、エンジン回転数の変化勾配に基づいて前記保持時間を設定する構成であると、エンジン回転数の変化速度に応じて適度な保持時間が設定できるため、音振対策制御(強制的にライン圧を通常値よりも変化させる制御)を、必要最小限の時間で実行し終了できる。
また、請求項8に記載のように、エンジン回転数に変化がない場合には、前記保持時間を設定しないで前記ライン圧を強制的に変化させた状態を保持する構成であると、エンジン回転数が通常のライン圧の場合の音振領域から実際は外れていないのに、保持時間が経過したことによってライン圧が通常値に戻り、音振が発生してしまうことを確実に回避できる。
図1は、本例の自動変速機(CVT)の概略構成を説明する図である。なお以下では、図1において右側をエンジン側、左側を反エンジン側という。
本例の自動変速機は、図示省略したケース内にトルクコンバータ10、オイルポンプ20、及び変速機構30を有し、前記ケースの下部にコントロールバルブユニット40を備えるとともに、さらに制御手段であるコントロールユニット50を備える。この自動変速機は、エンジン1の回転をトルクコンバータ10を介して入力し、ベルト式の変速機構30(無段変速機構)とその後段の歯車列により変速して車軸側に出力する、いわゆるCVTである。なお、変速機構30の前段には、通常前後進切換機構が設けられるが、これは図示省略し、説明を省略する。
なお、ここでクランクシャフト1a(クランクシャフトに一体的に連結された軸でもよい)は、変速機への入力軸に相当する。
また、リヤカバー12には、反エンジン側に伸びる円筒状のポンプ駆動軸12aが一体的に形成されており、このポンプ駆動軸12aの外周にはポンプ駆動用のスプロケット19が固定されている。
なお、コントロールバルブユニット40内には、オイルポンプ20で発生した油圧を必要に応じて調圧してライン圧を生成する電磁弁(図示省略)が設けられており、この電磁弁を制御することによってコントロールユニット50がライン圧を無段階に変化させることが可能となっている。
ここで、プライマリプーリ32は、入力軸31の外周に固定された固定円錐板32aと、固定円錐板32aに対して軸方向に移動可能に取り付けられた可動円錐板32bとを備え、これら円錐板の間にV字状のベルト溝(Vベルト35が接触する溝)が形成されている。そして、可動円錐板32bの背面にはプライマリ油室32cが形成され、このプライマリ油室に加えられる前記プライマリ圧に応じて可動円錐板32bが軸方向に移動しベルト溝幅が変化する構成となっている。
なお、セカンダリ圧は、通常ライン圧と等しい値とされる。
また、変速機構30の出力軸33は、図示省略したアイドラギアを含む歯車列を介して、自動車の駆動輪のディファレンシャルに連結され、駆動輪を駆動する構成となっている。
コントロールユニット50は、起動すると、まずステップS1で通常の走行モード決定処理を行う。この走行モード決定処理は、目標のライン圧(即ち、セカンダリ圧Psec)を算出するための走行モードを決定する処理である。なお、目標のライン圧は、通常、各走行モード毎に必要な変速性能を満たすことができるように(少なくとも、Vベルト35の滑りが発生せず、必要な変速速度や変速追従性を十分確保できるように)、変速比に応じて例えば必要最小限に値に設定される(変速比とライン圧の関係として設定される)。
次にステップS2では、音振対策制御トリガがオンしたか否か判定し、オンしていればステップS3に進み、オンしていなければステップS5に進む。なお、「音振対策制御トリガがオンする」とは、音振対策制御への移行条件が成立したことを意味し、エンジン回転数とライン圧の値が、音振領域の直前になることである。具体的には、例えば、エンジン回転数の値が、ライン圧に対応して予め設定された所定範囲内の値となることである。ここで、所定範囲とは、既述した音振が発生する音振領域(例えば、実験によって決定される範囲)を所定の余裕値分だけ広げた範囲である。なおこの場合、音振対策制御トリガがオンする時点のエンジン回転数の値は、図3(b)に示すように、エンジン回転数が上昇しているか減少しているかによって異なる。
次いで、ステップS3を経るとステップS4に進み、音振対策制御信号がオフしたか否か判定し、オフしていればステップS5に進み、オフしていなければステップS3に戻る。なお、「音振対策制御信号がオフする」とは、音振対策制御の解除条件が成立したことを意味し、例えば、エンジン回転数の値が、前述した所定範囲(ライン圧に対応して予め設定された所定範囲)から外れた値となることである。
また本例では、音振対策制御を実行した後、エンジン回転数及びライン圧が音振領域を外れるまでは少なくとも、ライン圧を強制的に変化させた状態を保持し、エンジン回転数及びライン圧が音振領域を外れたことに基づいて、ライン圧を通常の値に戻す構成となっている。このため、エンジン回転数とライン圧が音振を発生する音振領域内のときには確実にライン圧を音振領域外に変化させた状態を維持して前記音振の発生を確実に回避するとともに、前記音振が発生する音振領域から回避できたときには確実にライン圧を通常値に戻して変速性能や燃費の面で最良の状態に戻せるという利点がある。
例えば、上記形態例の音振対策制御は、ライン圧を音振領域外の第1所定値(音振領域より高い値)まで強制的に上昇させるものであるが、本発明の音振対策制御は、ライン圧を音振領域外の第2所定値(音振領域より低い値)まで強制的に低下させるものであってもよい(図3(b)参照)。この場合、ライン圧を低下させるから、燃費の面で有利となる。なお、ベルト式変速機構からなる変速機の場合、上記第2所定値(音振領域より低い値)は、少なくともベルト滑りが発生しない範囲内であり、望ましくはさらに、必要な変速速度や変速追従性を十分確保できる範囲内の値であることが好ましい。そうすれば、音振対策制御によって変速性能が低下することを避けられる。
このように、保持時間に基づいて音振対策制御を解除するようにすれば、比較的複雑な処理(例えば音振領域を外れたか否かを逐次判断する処理)をする必要がないという利点がある。しかも、エンジン回転数の変化勾配に基づいて保持時間を設定すれば、図3(c)に示すように、エンジン回転数の変化速度に応じて適度な保持時間が設定できるため、音振対策制御(強制的にライン圧を通常値よりも変化させる制御)を、必要最小限の時間だけ実行して終了できる。
1a クランクシャフト(変速機の入力軸)
23 チェーン
20 ポンプ
30 変速機構
32 プライマリプーリ
33 出力軸
34 セカンダリプーリ
35 Vベルト
50 コントロールユニット(制御手段)
Claims (9)
- エンジンの回転が伝えられる入力軸によりチェーンを介して駆動されるポンプを備え、該ポンプの出力を必要に応じて調圧してなるライン圧を基圧として液圧制御される変速機構によって前記入力軸の回転を所要の変速比で変速して出力軸に伝える変速機において、
エンジンの回転数と前記ライン圧の値がそれぞれ特定の範囲で発生する前記チェーンの音振に対し前記ライン圧を強制的に変化させ特定の範囲外とすることによって、前記音振を抑制する音振対策制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする変速機。 - 前記音振対策制御は、エンジンの回転数変化に伴う前記ライン圧の値が、前記音振を発生させる範囲である音振領域の直前になると、前記ライン圧を前記音振領域外の第1所定値まで強制的に上昇させるものであることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
- 前記音振対策制御は、エンジンの回転数変化に伴う前記ライン圧の値が、前記音振を発生させる範囲である音振領域の直前になると、前記ライン圧を前記音振領域外の第2所定値まで強制的に低下させるものであることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
- 前記変速機構は、入力軸側に連結されて前記ライン圧を基圧とするプライマリ圧の作用でベルト溝幅が変化するプライマリプーリと、出力軸側に連結されて前記ライン圧であるセカンダリ圧の作用でベルト溝幅が変化するセカンダリプーリと、これらプーリ間に掛け渡されたベルトとを有し、前記プライマリ圧とセカンダリ圧に応じて各プーリとベルトの接触半径が変化することによって、変速比を変化させるベルト式のものであり、
前記第1所定値は、前記音振領域の直前であって、エンジン回転数を一定値としたときの音振領域の上限値以上であり、
前記第2所定値は、前記ベルトの滑りが発生しない範囲内の値であることを特徴とする請求項2又は3に記載の変速機。 - 前記制御手段は、前記音振対策制御を実行した後、音振領域を外れるまでは少なくとも、前記ライン圧を強制的に変化させた状態を保持し、エンジン回転数とライン圧による音振領域を外れた時点で、前記ライン圧を通常の値に戻すことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の変速機。
- 前記制御手段は、前記ライン圧を強制的に変化させた後、設定された保持時間経過後、前記ライン圧を通常の値に戻すことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の変速機。
- 前記制御手段は、前記音振対策制御を実行する際又は実行した後に、エンジン回転数の変化勾配に基づいて、音振領域を外れるまでの時間を推定し、該時間に対し必要に応じて余裕値を加算して得られる時間を前記保持時間として設定することを特徴とする請求項6に記載の変速機。
- 前記制御手段は、前記音振対策制御を実行する際又は実行した後に、エンジン回転数が前記音振領域内にあり、エンジン回転数に変化がない場合には、前記保持時間を設定しないで前記ライン圧を強制的に変化させた状態を保持し、エンジン回転数に変化が生じた時点で前記保持時間を設定し、該保持時間経過後、前記ライン圧を通常の値に戻すことを特徴とする請求項6乃至7の何れかに記載の変速機。
- 前記制御手段は、強制的に変化させた前記ライン圧を通常の値に戻すに際しては、音振領域外にて前記ライン圧を段階的に又は所定の変化勾配で徐々に変化させることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の変速機。
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2005
- 2005-09-28 JP JP2005281560A patent/JP4360554B2/ja not_active Expired - Lifetime
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