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JP4361833B2 - 粒子及び電解質体の積層体の製造方法 - Google Patents
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JP4361833B2 - 粒子及び電解質体の積層体の製造方法 - Google Patents

粒子及び電解質体の積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子及び電解質体の積層体の製造方法に関する。
電気化学素子、特に電気エネルギーを発生もしくは蓄積できる素子は、構造として電子(電荷)を発生もしく蓄積できる層とイオンを伝搬する層から構成されているものが多い。具体的には、1次電池、2次電池、燃料電池、太陽電池、コンデンサー、電気分解素子や各種センサー等がある。これらの構成は、イオン伝導層(液体の場合もあるし固体も場合もある)を挟んで両側に電子を伝導できるアノード層及びカソード層を配した構成になっている。これらの積層体、例えば1次電池や2次電池に使用される積層体は、イオン伝導層に主に活物質を主体とするペーストを塗布乾燥する方法や、そのペーストを集電体に塗布乾燥後、イオン伝導膜と一体化させる方法等により作製されている。燃料電池や電気分解素子の場合には、イオン伝導層に主にカーボンを主体とし触媒金属を含むペーストを塗布する方法や、そのペーストを集電体であるカーボンペーパーやカーボンクロス上に塗布した後、イオン伝導膜と一体化する方法等により作製されている。いずれの場合においても、塗布により“電子を発生もしくは蓄積できる層”を形成する方法である。
この塗布方法(塗布工程)には、現状、ブレードコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法、スクリーン印刷法やフレクソ印刷法が適用されている。ブレードコート法、ダイコート法やワイヤーバーコート法は、長尺の基板に対して連続で塗布することから大面積を生産性高く塗布できる方法である。
また、塗布以外の方法としては、ろ過法、電気泳動法やミセル電解法等の方法が存在する。ろ過法は多孔質基板への固形物の積層に適用される方法であり、電気化学デバイスの電極作製にも応用されている(非特許文献1参照)。電気泳動法は、液体中で帯電している粒子に直流電場を印加することにより、粒子が帯電している極性と逆極性の電場方向に粒子を動かす技術である。この技術も電気化学デバイスの電極作製に応用されている(非特許文献2)。これは、正負電極間(直流電場間)に多孔質膜やイオン伝導膜を配置することにより膜と粒子を複合させる技術である。ミセル電解法は、フェロセンのような酸化還元可能な部位を持つ界面活性剤(ミセル化剤)により作製されるミセルを、電極表面で酸化あるいは還元させて崩壊させ、ミセル内部の物質を電極表面に堆積させる方法である(特許文献1参照)。
特公平3−59998号公報 2003年電気化学春季大会,3N08,P313 2003年電気化学春季大会,3N09,P314
しかしながら、ブレードコート法、ダイコート法やワイヤーバーコート法では、任意の位置に任意の大きさで(例えば正方形や長方形等の形状で)各種のペーストを塗布することはできない。また、その塗布位置精度も高くない。スクリーン印刷法やフレクソ印刷法等の印刷版を用いる方法では、任意の位置、任意の大きさに塗布することは可能であるが、印刷位置や印刷形状を変えるためには、版を作り直さなくてはならないという問題を有している。
また、ろ過法では(非特許文献1参照)、積層形状がろ過面の形状で規定されるため、形状変化や形状制御に対する対応性が悪い。さらに、粒子が微細になるほど積層(ろ過)に時間を要し生産性を落とすという欠点を有している。
また、電気泳動法では(非特許文献2参照)、膜と液とで形成される液断面形状で積層形状が決定されるため、ろ過法と同様に形状変化や形状制御に対する対応性が低い。
さらに、ミセル電解法では、電極面での電気化学反応を利用しているため、電極面すなわち電子伝導性を持つ基板に対してしか適用できないという欠点を有している。
本発明の目的は、機能性の粒子を保持した積層体を簡便に製造することであり、さらに、短時間で大量に製造することである。加えて、簡単に任意形状の積層体を製造することである。
請求項1記載の発明は、粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、静電気を担持する静電気担持体を所定の極性で帯電させる工程と、該帯電した静電気担持体を、前記所定の極性に対して逆極性に帯電した粒子分散媒中に分散されている分散液に浸すことにより、前記粒子を付着させる工程と、静電気担持体に付着した粒子を、直流電界を印加することにより、電解質で形成された電解質体に転写させる工程と、を備えることを特徴とする
請求項2記載の発明は、請求項1記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記帯電した静電気担持体の所定領域を除電する除電工程をさらに備えることを特徴とする
請求項3記載の発明は、請求項2記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記静電気担持体は光半導体であり、前記除電工程は、前記帯電した静電気担持体の所定領域に光を照射することで、前記帯電した静電気担持体の所定領域を除電することを特徴とする
請求項4記載の発明は、請求項1ないしのいずれか一記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記分散液は、結着性を有する高分子化合物を含有することを特徴とする
請求項5記載の発明は、請求項4記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記高分子化合物はイオン伝導性高分子であることを特徴とする
請求項6記載の発明は、請求項4記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記高分子化合物はフッ素系高分子であることを特徴とする
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記分散液は導電剤を含有することを特徴とする
請求項8記載の発明は、請求項7記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記導電剤はカーボンであることを特徴とする
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか一記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記粒子は金属触媒であることを特徴とする
請求項10記載の発明は、請求項9記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記金属触媒は、PtPtとRu又はPtとIrから構成されていることを特徴とする
請求項11記載の発明は、請求項9記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記金属触媒は、Ptと、RuIrびSnからなる群より選択される二種以上から構成されていることを特徴とする
請求項12記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか一記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法において、前記粒子は、電子の出入りによりイオン化する物質、イオンと反応する物質、又はイオンと化合物を形成できる物質を有することを特徴とする
請求項1記載の発明によれば、機能性の粒子を保持した積層体を簡便に製造することができ、さらに、短時間で大量に製造することができる。
請求項2記載の発明によれば、任意形状で粒子を電解質体に転写させることが可能になるため、任意形状の積層体を製造することができる。
請求項3記載の発明によれば、簡単に任意形状の積層体を製造することができる。
請求項4記載の発明によれば、粒子の結着性を向上させることができる。
請求項5記載の発明によれば、粒子の結着性を保持しつつ、界面抵抗の低減を図るともに分散物の簡素化を実現することができる。
請求項6記載の発明によれば、粒子の結着性を維持しつつ、高分子化合物の電気化学的安定性を向上させることができる。
請求項7記載の発明によれば、界面抵抗の低減を実現させることができる。
請求項8記載の発明によれば、界面抵抗の低減を図るとともに、電気学的安定性を向上させることができる。
請求項9記載の発明によれば、電気化学的な触媒反応を実現させることができる。
請求項10記載の発明によれば、水素やメタノールの酸化反応、水の電気分解反応等を実現させることができる。
請求項11記載の発明によれば、メタノール、エタノールの酸化反応、水の電気分解反応を実現させることができる。
請求項12記載の発明によれば、電気化学的なエネルギーの蓄積を実現させることができる。
本発明を実施するための最良の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。
最初に、本実施の形態の積層体1を作製する製造方法について図1を参照して説明する。図1は本実施の形態の積層体1の製造方法の流れを説明するための説明図である。
静電気を担持する静電気担持体である基板2を用意して、その基板2を帯電させる(静電気を帯びさせる)。次に、この帯電した基板2をその基板2の極性とは逆極性(逆の符号)で帯電した粒子3を含む分散液4に接触(浸し)させ、粒子3を基板2に付着させる。次いで、粒子3が付着した基板2を取り出し、粒子3を含まない液5に浸す。そして、基板2に対向させて基板6を液5に浸し、それらの間に電解質体であるイオン伝導膜(あるいは多孔質膜)7を浸す。なお、粒子3が付着した基板2と基板6とは電源8を介して接続されている。基板6が粒子3とは逆極性となるように(図1ではマイナス)となるように直流電界を印加し、基板2に付着していた粒子3をイオン伝導膜7上に電気泳動させて付着させる。このような方法により、イオン伝導膜7と粒子3との積層体1が作製される。最後に、その積層体1を除電する。なお、基板2とイオン伝導膜7と基板6とを接近させることにより、液5を介さずにイオン伝導膜7に粒子3を直接転写させることも可能である。
ここで、静電気担持体(基板2)としては、静電気を担持できるもの、具体的には、表面が絶縁性もしくは半導性のものであれば基本的に使用可能である。静電気担持体を帯電させる方法としては、物理的に2種以上のものを接触摩擦させることによる帯電(摩擦帯電)、空気等に高い電界を印加することにより発生する電荷を利用する帯電(コロナ放電)、電子銃等による帯電(電荷注入)等の様々な方法を使用することができる。
さらに、静電気担持体(基板2)としては、光半導体層を有する静電気担持体が好ましい。ここでいう光半導体層(光半導体)とは、光照射により正電荷/負電荷を発生させることができるものである。このような材料を本実施の形態の静電気担持体に使用した場合、前述したような様々な方法で表面全体を帯電させた静電気担持体に光を照射することにより、電荷を消失させることが可能となる。すなわち、光を照射する部位を制御することにより任意の形状で静電気を表面に残すことが可能となる。
このような光照射による製造方法について図2を参照して説明する。図2は本実施の形態の光照射による積層体1の製造方法の流れを説明するための説明図である。ここでは、光半導体層を有する静電気担持体を光半導体10という。
帯電器11により光半導体10へ帯電処理(正(+)帯電)を行う(図2(a)参照)。その後、帯電した光半導体10に対して、任意形状の開口部12を有するマスク13等を介して光照射を行い、光が照射された部分のみ電荷を消失させる(図2(b)参照)。すなわち帯電済の光伝導体10の所定領域だけを除電する。これにより、光半導体10上に正帯電部14が形成される。次に、粒子3が分散している分散液15(負帯電分散物)を帯電ローラ16(負帯電ローラ)上に付着させ、同時に直流電界を印加し、粒子3を正帯電部14に電気泳動させる(図2(c)参照)。次いで、正帯電させた帯電ローラ17によりイオン伝導膜7に粒子3を転写させる(図2(d)参照)。これにより、イオン伝導膜7と粒子3との積層体1が作製される。最後に、光半導体10をクリーニングして再利用する(図2(e)参照)。
このように図1や図2に示すような製造方法によれば、任意形状で粒子3をイオン伝導膜7又は光半導体10に転写させることが可能になるため、粒子(機能性粒子)3を保持した任意形状の積層体1を簡便に製造できる。さらに、光半導体10を再使用することも可能である。また、図2に示すような光照射による製造方法によれば、積層体1を短時間で大量に製造することができる。なお、一般的に露光(光照射)は解像度が通常の塗布法と比較して解像度が高い形状ができるという利点を有している。
ここで、任意形状を形成するための光照射法としては、ハロゲンランプ等の光のフォトマスク(マスク13)による一括照射や、半導体レーザー光をミラー等で走査する描画照射、LEDアレイによる線状照射等の方法が用いられる。特に、レーザー光による描画やLEDアレイによる描画は、解像度が高い点、複雑形状も可能な点、版(マクス13)が不要で形状変化への対応性が高いことから好ましい。
また、光半導体10の構成としては、導電性基板の上部に少なくとも光半導体層を設けた形状が好ましい。このような形態とすることにより、光照射により発生した電荷を速やかに正負電荷に分離することが可能となり、解像度が向上する。特に、導電性基板を表面帯電とは逆の極性(あるいは接地)とすることが電荷分離の点から好ましい。
さらに、分散媒に不溶な粒子3としては、使用する分散媒中で安定であれば特に制限はないが、積層体1に与える機能により適宜選択されるべきものである。また、本実施の形態で使用する粒子3は分散媒中で帯電している。この帯電を利用して粒子3を光半導体(静電気担持体)10に付着させ、さらにそれをイオン伝導膜(あるいは多孔質膜)7に転写させている。これは、基本的に電気泳動現象を利用しているものである。電気泳動とは、粒子3の表面に存在する電荷に働く静電引力により動きが発生するもので、正に荷電している粒子3は負電場に、負に荷電している粒子3は正電場に泳動してゆくことになる。粒子3の電荷はその分散媒自体が解離性の液体(例えば水(水素イオンと水酸化イオン))の場合には、その粒子3の表面と親和性の高いイオンが表面に特異吸着し、吸着したイオンの電荷を粒子3が帯びることになる。また、吸着したイオンと逆の電荷を持つイオンはこの粒子3の周りを取り巻き、対イオンを形成する。解離性の液体でない場合(通常、有機溶媒が多い)には、一般的には電荷制御物質(電解質構造を有するもの等)が添加されることにより、前述したような特異吸着がおこり、粒子3は電荷を帯びることになる。水のような解離性液体中にも電荷制御物質を加えることで、電荷をコントロールすることができる。
本実施の形態で使用する分散液15として解離性液体を使用する場合、その基本的構成は液及び粒子3のみで構成することが可能である。しかしながら、この場合には、電荷を決定する成分及び電荷量は粒子3の材質と分散媒の組み合わせで一義的に決定される(すなわち、制御できない)。このため、電荷量や符号を自由に制御するためには、電荷制御物質を添加することが好ましい。ここで使用される電荷制御物質は、無機塩や有機塩等、特に制限はないが、粒子3の表面の性質及び荷電させたい符号によって適宜選択することが好ましく、少ない添加でより大きい表面電荷を有するものが好ましい。また、粒子と解離性液体だけ、あるいはさらに電荷制御物質を添加した系では、粒子を小さくしないと分散液15を安定化させることができない(凝集してしまう)ため、分散液15の安定性を高める目的で界面活性剤を添加することもできる。この場合には、界面活性剤がイオン性のときはそれ自体が粒子3に電荷をあたえる役割を担うことにもなる。ここで使用される界面活性剤としては、非イオン性(ポリエチレングリコール型、多価アルコール型)、カチオン性(アミン塩型、アンモニウム塩型)、アニオン性(カルボン酸塩型、スルホン酸塩型、硫酸エステル塩型、リン酸エステル塩型)、両性(アミノ酸型、ベタイン型)のいずれも使用可能である。特に、粒子3に電荷を少ない添加量で付加させるためには、カチオン性あるいはアニオン性の活性剤を使用することが好ましい。なお、非解離性の液体を使用した場合には、電荷制御物質の(界面活性剤を含む)が必須となる。同様の理由で界面活性効果のない電荷制御物質では、電荷を制御することができるが、分散液15の安定性が悪いため、界面活性剤を使用することが好ましい。
分散液15は、分散媒に不溶な粒子3及び、必要に応じて結着性高分子化合物/導電剤/電荷制御剤等を加えたものを各種の分散方法により微細化及び混合することで作製される。この分散方法としては、回転刃により粒子3の微細化及び混合を行うホモジナイザー、回転する3本のロールが有するギャップにより粒子3の微細化及び混合を行う三本ロールミル、ビーズを混合し攪拌することにより粒子3の微細化及び混合を行うサンドミル、超音波振動により粒子3を微細化及び混合する超音波分散等の分散方法が用いられる。
本実施の形態で使用される結着性を有する高分子化合物は、分散媒中で安定であって、自己及び他の物質(膜や粒子3)を結びつける特性を有するものである。具体的には、ポリフルオロエチレン、ポリエチレン、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン/ブタジエンゴム、ニトロセルロ−ス、シアノエチルセルロ−ス、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロプレン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらは、単独で用いられたり、混合や共重合等によって化学的安定性を強化して用いられたりする。
本実施の形態で使用されるイオン伝導膜7は、自己保持性を有しているものである。その材質は、有機材料、無機材料、単一材料、複合材料等であり、少なくとも分散媒に対して化学的に安定であり、かつ膜厚み方向にイオン伝導性を有するものでなくてはならない。好ましくは、高分子化合物であり、分子内にイオン解離基を有するものが使用できる。イオン解離基とは、自身がイオン化可能の基(水酸基、カルボキシル基、スルフォン酸基等)あるいは解離性物質(電解質塩等)を解離することが可能な基(アルキレンオキシド基、アルキレンイミン基等)を指す。より具体的には、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びこれらの誘導体や架橋体を使用することが可能である。単体で自己保持性膜を形成できない場合には、例えば多孔質膜に保持して使用することもできる。
本実施の形態で使用される多孔質膜7とは、分散媒に対して安定であれば使用可能であるが、イオン伝導性物質を含有(保持)できるものでなくてはならない。多孔質膜7を使用する場合、イオン伝導性物質は、液体状、ゲル状、固体状等の様々な形態のイオン伝導物質の使用が可能となる。イオン伝導物質の多孔質膜7への保持は、本実施の形態で使用する分散媒中で不溶な粒子3を積層した後に行われても良いし、予め、多孔質膜7にイオン伝導性物質を保持させた後、分散媒中で不溶な粒子3を積層して行われても良い。より具体的には、ガラス繊維、ポリエステル、テフロン(登録商標)、ポリフロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の高分子繊維からなる多孔体、ガラス繊維、それらの高分子繊維を混用した物、前述したような高分子の発泡体等を使用することができる。
本実施の形態の積層体1を電気化学素子として応用する場合、結着剤としてはイオン伝導性高分子を使用することが好ましい。これは、結着性という機能とイオン伝導性という機能の二役を一つの材料で担うことが可能となるためである。具体的には、1次元高分子化合物であり、分子内にイオン解離基を有するものが使用できる。イオン解離基とは、自身がイオン化可能の基(水酸基、カルボキシル基、スルフォン酸基等)あるいは解離性物質(電解質塩等)を解離することが可能な基(アルキレンオキシド基、アルキレンイミン基等)を指す。より具体的にはポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びこれらの誘導体を使用できる。また、これらに代表される解離性基を有する高分子化合物は前記電荷制御物質として機能させることも可能である。また、材料の電気化学的(酸化還元)及び化学的(熱等)安定性の観点から、結着剤はフッ素系高分子を使用することが好ましい。具体的には、ポリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等を使用することができる。
本実施の形態で使用する分散媒中に含まれる高分子材料の最も好ましい形態としては、1.電荷制御材としての機能、2.イオン伝導体としての機能、3.結着材としての機能、4.(電気)化学的安定性を合わせ持つものが、小型、軽量、安価、積層体1の電気化学的性能向上の面で好ましい。具体的には、フルオロカーボン構造を主鎖や側鎖に有し、イオン解離基を分子鎖中に含む高分子材料が好ましい。さらに具体的には、パーフルオロエチレン構造を有し、イオン解離基を含む構造が好ましい。イオン解離基としては、伝導させるイオン種で適宜設定させるものであるが、プロトンであればカルボキシル基、スルフォン酸基、リチウムイオンであればエチレンオキシド構造、プロピレンオキシド構造を有してしていることが好ましい。
本実施の形態でいう導電剤とは、分散剤中で安定であって粒子近傍で発生する電子の伝播を補助する機能を担うものである。導電剤を使用する場合については、分散媒中で安定、積層体1の動作環境下において安定である電子伝導性材料であれば何でも良い。特に、酸化還元双方に対する安定性、軽量である面、分散媒中での分散性が良好である点、イオン伝導性高分子を電荷制御材として吸着できる点から金属系材料よりも炭素系の材料が好ましい。そのような材料としては、天然黒鉛や人造黒鉛等を使用することができる。
本実施の形態で使用される分散媒中で不溶な粒子3としては、少なくとも触媒作用を有する物質を使用することにより、本実施の形態の積層体1において電気化学的な触媒反応を実施することが可能となる。ここでいう触媒作用を有する物質とは、自らは変化せずに化学反応を促進するものである。粒子3の形態としては、触媒作用を有する物質は触媒作用のない担体(触媒を担持する媒体である担体をいう)上に担持されている状態になっていることが触媒活性、耐久性、利用効率の面から好ましい。また、本実施の形態の製造方法では、粒子3は帯電していることが必要であるが、この帯電は前述したように電荷制御材により調整することができる。触媒能力を有する物質上に電荷制御物質を被覆あるいは吸着させることは触媒活性を下げることになり好ましくない。担体を選択することにより電荷制御材を担体上に優性に被覆あるいは吸着させることにより、触媒能力を落とすことなく、本実施の形態の製造方法を実施することができる。
触媒作用を有する物質としては、特に制限はないが、本実施の形態の一つの形態がイオン伝導膜上への触媒物質の積層であることから、触媒反応にイオンが関与することが好ましい。具体的には、触媒作用物質として白金等の貴金属単体あるいは貴金属と貴金属を含む第2元素、第3元素等の合金や複合物が使用できる。また、担体としては、使用される触媒作用を有する物質、及び積層体が機能する条件で適宜選択されるものであるが、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、カーボン、炭化ケイ素あるいは酸化チタンに代表される光半導体10等が使用できる。触媒としてさらに具体的には、水素や有機物の酸化や水の電気分解のため、白金を主体とする触媒が好ましい。特に、アルコール、なかでもメタノールやエタノールの酸化には、PtとRuもしくはPtとIrからなる触媒が好ましい。
また、分散媒中で不溶な粒子3としては、特に、電子の出入りによりイオン化する物質、あるいはイオンと反応する物質、あるいはイオンと化合物を形成できる物質を使用することが好ましい。これにより、本実施の形態の製造方法により作製された積層体1を用いて電気化学的エネルギーの蓄積が可能となる。具体的には、いわゆる電池の活物質として機能する材料であり、Li、Mg、Pb、PbO、Cd、Fe、Zn等の金属、HgO、PbO、NiOOH、AgO、MnO等の金属酸化物や硫化物、水素吸蔵合金、相間化合物、導電性高分子等を使用することができる。特に、高い密度でエネルギーを蓄積できることから以下の物質が好ましい。具体的には、TiS、MoS、Co、V、MnO、CoO等の遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化合物及びこれらとLiとの複合体(Li複合酸化物:LiMnO、LiMn、LiCoO、LiNiO等)、ポリアニリン、ポリピロール、ポロアズレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、ポリフタロシアニン、ポリ−3−メチルチオフェン、ポリピリジン、ポリジフェニルベンジジン等の等導電性高分子、リチウムと複合化可能な炭素材料を用いることができる。高エネルギー密度化の観点からは、リチウムコバルト酸化物やリチウムニッケル酸化物等、LiMnOで示される層状構造を有する複合酸化物、又は、LiMnで示されるスピネル構造を有する複合酸化物を用いることが好ましい。これらの中で、特にスピネルLiMnは資源的に豊富でかつ安価なマンガン酸化物を原料としているため好ましい。さらには、LiMnのMn原子の一部を他の原子Xで置換したLiMn(2−n)XnOを正極活物質に用いることが好ましい。特に、スピネルLiMnとLiMn(2−n)XnOを混合して使用することが好ましい。
このように本実施の形態は基本的には分散媒に不溶な粒子3を入れて各種の材料を使用することにより、1次電池、2次電池、燃料電池、太陽電池、コンデンサー、電気分解素子、各種センサー等の様々な電気化学素子に応用可能な積層体1を提供することができる。
ここで、燃料電池20を具体例に積層体1の使用例について図3を参照して説明する。図3は、燃料電池20の内部構造を概略的に示す模式図である。なお、プロトン伝導型固体高分子電解質を使用している燃料電池20を一例にして説明する。
燃料電池20は、基本的構成要素として、その中心にイオン伝導膜7であるイオン伝導体21(ここでは、例えばプロトン伝導体)が設けられ、その両側にアノードの触媒層22及びカソードの触媒層23が配置されて構成されている。アノードの触媒層22とカソードの触媒層23とは、外部回路(負荷)24を介して接続されている。また、アノードの触媒層22及びカソードの触媒層23には、それぞれに燃料を供給するための燃料流路25を有するセパレータ26がそれぞれ設けられている。
このような構成で、アノード側にプロトン源となる燃料(水素(H)やアルコール等)が供給され、アノードの触媒層22内の触媒作用により燃料から水素イオン(H)が発生する。このとき、発生する電子(e)は外部回路24に流れる。発生した水素イオンはイオン伝導体21中を伝搬してカソードの触媒層23に達する。カソード側に酸化剤(空気や酸素(O)等)が供給されることにより、水素イオンと酸素と外部回路24を通して流れてくる電子とが反応し、水(HO)が生成される。これが発電の概念であり、これを反応式として示すと以下のようになる。
アノード反応:H→2H+2e (水素燃料の場合)
カソード反応:2H+1/2O+2e→H
全反応 :H+1/2O→H
本実施の形態の積層体1は、前述したように、イオン伝導体21の両側にアノードの触媒層22及びカソードの触媒層23が配置された構成の部分に適用するものである。燃料電池20においては、イオン伝導体21の両側に触媒層22,23を積層することが必要である。これは、本実施の形態の製造方法をイオン伝導体21の表裏で2回繰り返すことにより作製することが可能である。この場合には、アノード側及びカソード側に異なる粒子3を積層させることも可能である。また、アノード側及びカソード側で同一の粒子3が存在する場合には、光半導体10上にフォトマスクやレーザー描画等の方法で2箇所の部位に光照射することによりイオン伝導体21の片面の2個所に触媒層22,23を積層することができるため、これをイオン伝導体21を内側(触媒層22,23を外側)として触媒層22,23が重なるように折ることによっても燃料電池20の機能部材として使用することが可能である。
また、本実施の形態の積層体1の製造方法、特に光半導体10を用いる方法においては、前述したように、イオン伝導膜(あるいは多孔質膜)7の同一平面内に1段階で複数の領域に触媒層22,23を形成することが可能(複数の燃料電池20の要素を形成することが可能)であることから、生産性が高い方法である。また、このような手法でイオン伝導膜7の表裏複数の領域に触媒層22,23を形成した部分の各々を燃料電池20の要素としてすべて使用(並列および/あるいは直列の接続)することにより、高電圧/高出力の薄型の燃料電池20を作製することができる。したがって、本実施の形態の積層体1の製造方法は、薄型の燃料電池20用の積層体1の製造方法に適しているものである。
本実施の形態の積層体1を使用した燃料電池20は触媒の種類により適正があるが、基本的にはいかなる燃料も使用可能である。しかしながら、燃料は体積および重量エネルギー密度に優れるもの使用することが好ましい。燃料は通常有限な空間(容器等)に収められているため、一定の体積しか有していない。したがって、体積及び重量エネルギー密度に優れた燃料を使用することが好ましい。特に、体積エネルギー密度に優れた燃料が好ましい。気体状燃料は体積エネルギー密度に劣るため好ましくなく、液体状燃料や固体状燃料が好ましい。これは、例えば1分子の酸化反応により取り出せる電子数が水素であれば2個、メタノールであれば6個、エタノールであれば12個であることから、各々の分子1molから取り出せるクーロン量はそれぞれ理論値として、96500×2C、96500×6C、96500×12Cとなる。各々の密度や分子量を考慮し、1cm当たりのクーロン量に換算すると水素で約9C/cm、メタノールで約14400C/cm、エタノールで15200C/cmのエネルギー密度となる。常圧の気体としての水素は、単位体積あたりのエネルギー密度は著しく低くなる。メタノールとエタノールは酸化反応には水分子がそれぞれ、1分子、3分子必要であるが(以下の式参照)、これを加味しても液体燃料が優れることは明らかである。
CHOH+HO→6H+6e+CO
OH+3HO→12H+12e+2CO
なお、高圧状態の水素あるいは液体水素を使用することも可能であるが、容器を堅牢にする必要が生じ、容器込みのエネルギー密度を考慮すると、常温常圧で液体あるいは固体状態の燃料が優れている。具体的には、水素吸蔵合金に蓄えた水素やガソリン、液体状炭化水素、液体状アルコール等の固体状燃料又は液体状燃料が使用できるが、本体燃料電池の小型化が可能な点、体積エネルギー密度に優れる点より、アルコール燃料を使用することが好ましい。アルコール燃料を使用することにより、駆動時間を向上させた携帯型の燃料電池20を形成することができる。なかでも、炭素数4以下のアルコールを使用することが好ましく、特に、安全性が高く、生合成が可能である点(環境面)からエタノールを使用することが好ましい。このような形態の燃料電池20は体積エネルギー密度、重量エネルギー密度に優れることから、持ち運びする携帯機器に使用した場合に特に好ましいものである。
また、液体燃料の直接酸化ではなく、液化天然ガス(LNG)、メタンガスのような炭化水素系燃料、メタノール等の液体燃料を改質して水素を得て燃料電池20の燃料とする、いわゆる改質燃料型の燃料電池も検討されている。この場合には、原燃料の改質によって得られる水素ガス燃料中に微量存在する一酸化炭素(CO)や、その他の微量な不純物により燃料電池20の機能を損なう問題(触媒被毒)がある。触媒CO被毒の問題は従来から検討されており、これを低減するために提案されている触媒に白金−ルテニウム(Pt−Ru)合金触媒がある。しかしながら、溶液中のメタノール、エタノールのアノード酸化における触媒化学反応の阻害要因は、CO被毒では説明できないことも多い。これはメタノールやエタノールの酸化反応が水素やCOとは比べものにならない程の多数の素反応をへて酸化されるためである。本実施の形態によれば、メタノールの酸化には、PtとRuもしくはIrとからなる触媒が好ましく、エタノールの酸化には、Ptと、Ru及び/又はIr及び/又はW及び/又はSnとからなる3種類以上の触媒成分を使用することが好ましい。これらの触媒が好適な理由は、メタノール、エタノールの複雑な反応素過程の進行促進にそれらの媒体が寄与しているためである。
さらに、前述したように、本実施の形態の方法による積層体1は、薄型の燃料電池20の作製に適するものであり、特に薄型形状を有する携帯機器に好ましく使用できるものである。また、同様に、本実施の形態の製造方法は、いわゆる電池(1次電池及び2次電池)についても薄型の電池の作製に適するものである。このような電池は同様に薄型の携帯機器に好ましく使用できるものある。
<実施例1>
まず、10cm×10cmのAl基板30上に真空蒸着によりアモルファスセレン層31を作製する。Al基板30を接地し、アモルファスセレン層31上に帯電器(スコロトロン)32により帯電電位約1kVに正に帯電させる(図4(a)参照)。その後、20mm×20mmの開口部33を4個有するガラス性のフォトマスク34を介してハロゲンランプ光を照射することによりアモルファスセレン層31の照射部分の帯電電位を減衰させる(図4(b)参照)。これにより、アモルファスセレン層31上に正帯電部35が形成される。これとは別にアイソパーに白金を担持したカーボン(米国エレクトロケム社製)を8wt%、パーフルオロスルホン酸を4wt%となるように添加し、分散処理を行った分散液36を準備する。この分散液36は、白金を担持したカーボンを主体とする粒子3を含有している。
次に、その分散液36を、負極性を持たせた導電性ゴムローラ37により、前述したように光照射したアモルファスセレン層31上に塗布し、粒子3を正帯電部35に電気泳動させる(図4(c)参照)。この後、正極性を持たせた導電性ゴムロール38でイオン伝導膜7(デュポン製:ナフィオン(商標登録))をアモルファスセレン層31上に接触させながら、ほぼ同時にイオン伝導膜7をアモルファスセレン層31上から剥離させることにより、白金を担持したカーボンを主体とする粒子3をイオン伝導膜7に転写させる(図4(d)参照)。
このような工程を行うことにより、イオン伝導膜7と粒子3との積層体1を作製した。(図4(e)参照)。乾燥した後の転写形状はフォトマスク34の形状とほぼ一致していることが確認された。再び、アモルファスセレン層31を洗浄後、同様な工程を行ったところ、同様な積層体1を作製することができた。このことは、粒子(機能性粒子)3をイオン伝導膜7とその任意の位置に任意の大きさで(例えば正方形や長方形等の形状)複合させることができることを示しているとともに、基板30が再利用可能であることを示している。
<実施例2>
ここでは、アモルファスセレン層31/Al基板30を一定速度で走査しながら解像度600dot/inchのLEDアレイを用いて直接アモルファスセレン層31上に光照射する(フォトマスク34は使用しない)。これ以外は、実施例1と同様な工程を行う(光照射形状も実施例1と同様になるよう調整する)。このような工程を行うことにより、イオン伝導膜7と粒子3との積層体1を作製した。その転写形状は、ほぼ20×20mmであった。このことは、粒子(機能性粒子)3をイオン伝導膜7とその任意の位置に任意の大きさで(例えば正方形や長方形等の形状)複合させることができることを示しているとともに、マスクレスで積層体1の形成が可能であることを示している。
<実施例3>
ここでは、アモルファスセレン層31/Al基板30を一定速度で走査しながら解像度600dot/inchのLEDアレイを用いて直接アモルファスセレン層31上に線幅84μmで光照射する。これ以外は、実施例1と同様な工程を行う。このような工程を行うことにより、イオン伝導膜7と粒子3との積層体1を作製した。その転写形状は、ほぼ100μmであった。このことは、粒子(機能性粒子)3をイオン伝導膜7とその任意の位置に任意の大きさで(例えば正方形や長方形等の形状)複合させること、マスクレスで積層体1の形成が可能であること、さらに、高解像(微細パターン)の積層体1を作製することができることを示している。
<実施例4>
実施例2の製造工程を用いて、イオン交換膜の両面に5cmの白金担持カーボン層を形成した積層体1を作製した。この積層体1に酸処理を施した後、酸処理後の積層体を燃料電池性能評価セル(米国エレクトロケム社製:FC05−01SP)に装填し、アノード側に加湿した水素、カソード側に加湿した酸素を供給した。これにより、0.91Vの起電力が発生し、積層体1が電気化学素子として機能することが確認された。
<実施例5>
実施例2の製造工程を用いて、イオン交換膜の片面に5cmの白金担持カーボン層を形成した。次に、これとは別にアイソパーに白金ルテテニウムを担持したカーボン(米国エレクトロケム社製)を10wt%、パーフルオロスルホン酸を5wt%となるように添加し、分散処理を行った分散液36を準備した。
次に、この分散液36を用いて、先のイオン交換膜の白金担持カーボンを積層した部位の裏面に実施例2と同様な方法で白金ルテニウム担持カーボンを転写して乾燥させた。得られた積層体1に酸処理を施した後、燃料電池性能評価セル(米国エレクトロケム社製:FC05−01SP)に装填し、アノード側に3%メタノール水溶液、カソード側に加湿した酸素を供給した。これにより、0.87Vの起電力が発生し、積層体1が電気化学素子として機能することが確認された。
<実施例6>
まず、10cm×10cmのAl基板30上に真空蒸着によりアモルファスセレン層31を作製した。Al基板30を接地し、アモルファスセレン層31上に帯電器(スコロトロン)32により帯電電位約1kVに正に帯電させる(図4(a)参照)。その後、5cmの開口部33を有するガラス性のフォトマスク34を介してハロゲンランプ光を照射することによりアモルファスセレン層31の照射部分の帯電電位を減衰させる(図4(b)参照)。これにより、アモルファスセレン層31上に正帯電部35が形成される。これとは別にアイソパーにカーボンを被覆した電解二酸化マンガンを10wt%、パーフルオロスルホン酸を5wt%となるように添加し、分散処理を行った分散液36を準備する。
次に、その分散液36を、負極性をもたせた導電性ゴムローラ37により、前述したように光照射したアモルファスセレン層31上に塗布し、粒子3を正帯電部35に電気泳動させる(図4(c)参照)。この後、正極性を持たせた導電性ゴムロール38でポリプロピレン多孔質膜7をアモルファスセレン層31上に接触させながら、ほぼ同時に多孔質膜7をアモルファスセレン層31上から剥離させることにより、カーボンを被覆した電解二酸化マンガンを主体とする粒子3を多孔質膜7に転写させる(図4(d)参照)。
このような工程を行うことにより、イオン伝導膜7と粒子3との積層体1を作製した(図4(e)参照)。乾燥した後の転写形状はフォトマスク34の形状とほぼ一致していた。このことは、粒子(機能性粒子)3をイオン伝導膜7とその任意の位置に任意の大きさで(例えば正方形や長方形等の形状)複合させることができることを示している。
<実施例7>
実施例6の積層体1を塩化亜鉛9%、塩化アンモニウム26%を含む水溶液に浸し、その多孔質膜7にその水溶液を十分含浸させ、積層体1を取りだし二酸化マンガン側に耐食性ステンレス板、多孔質膜側に亜鉛板を接触させた。この状態で、ステンレスと亜鉛間の起電力を測定したところ、その起電力は約1.6Vであり、積層体1が電気化学素子として機能することが確認された。
本発明の実施の一形態の積層体の製造方法の流れを説明するための説明図である。 本発明の実施の一形態の光照射による積層体の製造方法の流れを説明するための説明図である。 本発明の実施の一形態の燃料電池の内部構造を概略的に示す模式図である。 本発明の実施例の光照射による積層体の製造方法の流れを説明するための説明図である。
符号の説明
1 積層体
2 静電気担持体(基板)
3 粒子
4 分散液
7 電解質体(イオン伝導膜、多孔質膜)
10 静電気担持体(光半導体)
15 分散液
20 燃料電池
21 電解質体(イオン伝導体(イオン伝導膜))
36 分散液

Claims (12)

  1. 静電気を担持する静電気担持体を所定の極性で帯電させる工程と、
    該帯電した静電気担持体を、前記所定の極性に対して逆極性に帯電した粒子分散媒中に分散されている分散液に浸すことにより、前記粒子を付着させる工程と、
    静電気担持体に付着した粒子を、直流電界を印加することにより、電解質で形成された電解質体に転写させる工程と、を備えることを特徴とする粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  2. 前記帯電した静電気担持体の所定領域を除電する除電工程をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  3. 前記静電気担持体は光半導体であり、
    前記除電工程は、前記帯電した静電気担持体の所定領域に光を照射することで、前記帯電した静電気担持体の所定領域を除電することを特徴とする請求項2記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  4. 前記分散液は、結着性を有する高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか一記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  5. 前記高分子化合物はイオン伝導性高分子であることを特徴とする請求項4記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  6. 前記高分子化合物はフッ素系高分子であることを特徴とする請求項4記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  7. 前記分散液は導電剤を含有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  8. 前記導電剤はカーボンであることを特徴とする請求項7記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  9. 前記粒子は金属触媒であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  10. 前記金属触媒は、PtPtとRu又はPtとIrから構成されていることを特徴とする請求項9記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  11. 前記金属触媒は、Ptと、RuIrびSnからなる群より選択される二種以上から構成されていることを特徴とする請求項9記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
  12. 前記粒子は、電子の出入りによりイオン化する物質、イオンと反応する物質、又はイオンと化合物を形成できる物質を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一記載の粒子及び電解質体の積層体の製造方法。
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