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JP4362290B2 - ハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム - Google Patents
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JP4362290B2 - ハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム - Google Patents

ハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムに関し、特に、大量のSNPに関するケースコントロール情報から、疾患との関連性が有意なハプロタイプを高精度かつ高速に抽出することのできる、ハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、約30億個のヒトゲノムの塩基配列の概要が解明されたのを受け、それらの遺伝子配列がどのような形質と関連しているかを網羅的に調べ、それらの知識を予防や診断、治療に役立てようとする、いわゆるオーダーメード医療の実現に向けた研究への期待が高まっている。高血圧や糖尿病になりやすいなどといった体質の差は多くの遺伝的な個人差が関与していると考えられており、中でもSNP(スニップ:単一塩基多型)は遺伝子の個人差をはかる重要な指標だと考えられている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
オーダーメード医療の実現には、特定のSNPと特定の臨床データを結びつける必要があるが、一般的な疾患では関係する遺伝子は10数箇所以上と推定され、しかも、それぞれの遺伝子にも数十のSNPが含まれているので、膨大な組み合わせの中からどの組み合わせが臨床的に意味があるのかを見極めることは非常に困難な作業であり、技術的な工夫が必要となる(例えば、非特許文献2参照。)。その一つの鍵は遺伝的に関連性のつよい(連鎖不平衡にある)SNP群をまとめてハプロタイプと呼ばれるSNPの組み合わせを統計的に絞り込むことであり、もう一つの鍵は、可能なハプロタイプ群から臨床的に意味のあるハプロタイプを抽出することである。
【0004】
前者に関しては、近年、多数の固体の連鎖する複数の座位の遺伝型データからハプロタイプ頻度を算出するさまざまなソフトウエアが開発されている。それらの多くはEMアルゴリズムを用い最尤法で遺伝子型データから集団のハプロタイプ頻度を推定するというものである(例えば、非特許文献1、非特許文献3参照。)。
【0005】
後者に関しては、健常者と患者の間でSNP頻度などの遺伝的指標に有意な差があるかどうか検定するケースコントロールスタディが一般的に適用されている。これは、疾患のある集団(case)とない集団(control)を別々に集め、その集団の遺伝性質の違いを有意差検定するものである。一箇所のSNPをマーカーとしてケース、コントロール間の有意差を解析方法は単点解析、複数のSNPをマーカーとして有意差を解析する方法は多点解析とよばれている。有意差の検定には通常、2×2の分割表を用いたカイ二乗検定が多く用いられているが、2×mの分割表に関しても検定の信頼度を高め独立性検定を可能とするマルコフ連鎖モンテカルロ法やパーミュテーション法なども提案されている(例えば、非特許文献1、非特許文献4、非特許文献5参照。)。
【0006】
【非特許文献1】
鎌谷直之著、「ポストゲノム時代の遺伝統計学」、羊土社、2001年
【非特許文献2】
村松正明、「遺伝子の個人差を医療に生かす」、日経サイエンス、日本経済新聞社、2002年、1月号、p.28−35
【非特許文献3】
Schneider S.等、「Arlequin: A software for population genetic dat a analysis.」、Ver. 1.1、Genetics and Biometry Lab.、Dept.of Anthr opology、Univ. Geneva、1997年
【非特許文献4】
Jing Hua Zhao、Dabid Curtis、Pak Chung Sham、「Model−Free Analysis and Permutation Tests for Alle lic Association」、Hum Hered 2000年、50号、p.133−139
【非特許文献5】
岩崎学著、「不完全データの統計解析」、エコノミスト社、2002年
【非特許文献6】
松峰宏人、「脳の科学」、星和書店、1998年、20巻、p.281
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したように膨大な組み合わせの中からどのSNPの組み合わせが臨床的に意味があるのかを見極めるためには、1)ハプロタイプを実時間で高精度に決定することと、2)予測されたハプロタイプ群から疾患に関与するハプロタイプを洗い出すことが必要である。
【0008】
1)に関しては、前述したように色々なソフトウエアが開発されているが、大規模データ、例えば100人で1万のSNPを解析する場合、2の1万乗の理論上のハプロタイプから実在するハプロタイプを選び出すことになり、既存のソフトウエアをそのまま用いていては実時間の処理は困難である。また、疾患に関連したハプロタイプを特定するためには、疾患関連解析手法に適したハプロタイプを構築するための技術的工夫が必要となってくる。
【0009】
2)に関しては前述したようにケースコントロールスタディにより、健常者と患者の間でハプロタイプ頻度に有意な差があるかどうか検定することによって調べることが出来る。通常、有意差の検定にはカイ二乗検定などが用いられるが、この検定手法は、検定表が疎(sparse:0を多く含む)でハプロタイプ数が多くなった場合に、カイ二乗近似が不正確になってしまうという問題点がある。
【0010】
一般的に対象とする疾患群と健常者群のハプロタイプ頻度差検定では、多数のハプロタイプからなる疎な2×m(m:ハプロタイプ数)検定表を扱うことになるので、信頼性を高めるための工夫が必要となってくる。
【0011】
また、従来手法においては、疾患群N人についてのハプロタイプ頻度推定と健常者群M人についてハプロタイプ頻度推定を別々に行い両者の頻度分布に有意差があるかどうかを比較しているが、これには次のような問題点がある。
【0012】
まずは、疾患群で推定されたハプロタイプと健常者群で推定されたハプロタイプは共通でないものが生じる可能性が大きく、それらについては頻度分布を比較することが出来ないという問題点がある。
【0013】
また、全体のサンプルサイズ(N+M)に比べて疾患群のサンプルサイズNと健常者群のサンプルサイズMは小さいので、ハプロタイプの推定の信頼度が落ちてしまうという問題点がある。
【0014】
また、検定の精度を上げるためには頻度の小さいハプロタイプ(マイナーハプロタイプ)を足切りすることになるが、疾患によってはマイナーハプロタイプが重要な役割を果たしている場合がありうるという問題がある(例えば、上述した非特許文献6参照。)。
【0015】
さらに、疾患群と健常者群のハプロタイプ推定を別々に行うことによる計算コストが大きくなるという問題点がある。
【0016】
このように、従来のシステム等は数々の問題点を有しており、その結果、システムの利用者および管理者のいずれにとっても、利便性が悪く、また、利用効率が悪いものであった。
【0017】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、大量のSNPに関するケースコントロール情報から、疾患との関連性が有意なハプロタイプを高精度かつ高速に抽出することのできる、ハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明のハプロタイプ解析装置は、SNPサンプルデータから連鎖不平衡部位を抽出する連鎖不平衡部位抽出手段と、上記連鎖不平衡部位抽出手段にて抽出された上記連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定するディプロタイプ型決定手段と、上記ディプロタイプ型決定手段にて決定された上記ディプロタイプ型についてハプロタイプIDの組を対応付けて記憶するハプロタイプID組記憶手段と、上記SNPサンプルデータを特定の指標情報に基づいてケース群とコントロール群に分割する分割手段と、すべての上記連鎖不平衡部位に対して、上記分割手段により分割された上記ケース群と上記コントロール群のそれぞれに対応する上記ディプロタイプ型の上記ハプロタイプIDの組を複数座位の遺伝子型を表現した多値の単一マーカーとみなして遺伝的異質性の検定を行う連鎖不平衡部位検定手段と、すべての上記SNPに対して、上記分割手段により分割された上記ケース群と上記コントロール群のアレル型を表す2値の単一マーカーについて遺伝的異質性の検定を行うSNP検定手段と、上記連鎖不平衡部位検定手段による検定結果と、上記SNP検定手段による検定結果とを比較分析する比較分析手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
この装置によれば、SNPサンプルデータから連鎖不平衡部位を抽出し、抽出された連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定し、決定されたディプロタイプ型についてハプロタイプIDの組を対応付けて記憶し、SNPサンプルデータを特定の指標情報に基づいてケース群とコントロール群に分割し、すべての連鎖不平衡部位に対して、分割されたケース群とコントロール群のそれぞれに対応するディプロタイプ型のハプロタイプIDの組を複数座位の遺伝子型を表現した多値の単一マーカーとみなして遺伝的異質性の検定を行い、すべてのSNPに対して、分割されたケース群とコントロール群のアレル型を表す2値の単一マーカーについて遺伝的異質性の検定を行い、両検定結果を比較分析するので、検定の自由度が少なくなり検定結果の精度を高めることができる。
【0020】
また、ケース群とコントロール群をあわせてハプロタイプ頻度を予想するので、サンプルサイズが大きい分、正確な予想ができる。
【0021】
また、検定の精度を上げるために低頻度のハプロタイプ(マイナーハプロタイプ)を足切りすることがないので、マイナーハプロタイプが重要な役割を果たしている疾患を見逃す危険をさけることができる。
【0022】
また、本発明のハプロタイプ解析装置は、上記記載のハプロタイプ解析装置において、上記ディプロタイプ型決定手段は、上記連鎖不平衡部位について上記ディプロタイプ型の事後確率を推定する事後確率推定手段と、上記事後確率推定手段にて推定された上記事後確率と予め定めた閾値とを比較する事後確率比較手段とをさらに備え、上記事後確率比較手段による比較結果に従って上記連鎖不平衡部位について上記ディプロタイプ型を決定することを特徴とする。
【0023】
これはディプロタイプ型決定手段の一例を一層具体的に示すものである。この装置によれば、連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型の事後確率を推定し、推定された事後確率と予め定めた閾値とを比較し、比較結果に従って連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定するので、ディプロタイプ型の事後確率により個人のディプロタイプ型をほぼ一意に決定することができる。
【0024】
また、本発明のハプロタイプ解析装置は、上記記載のハプロタイプ解析装置において、上記遺伝的異質性の検定は、2×mの分割表に対して最尤度比を用いたパーミュテーション検定を用いることを特徴とする。
【0025】
これは遺伝的異質性の検定の一例を一層具体的に示すものである。この装置によれば、2×mの分割表に対して最尤度比を用いたパーミュテーション検定を用いるので、検定表が疎(sparse:0を多く含む)でハプロタイプ数が多くなった場合においてもカイ二乗近似を正確におこなうことができる。
【0026】
また、単点解析とハプロタイプ解析双方に対して、同一の検定手法を用いることにより遺伝的異質性の検定を適用することができるので、ハイスループットな大量解析を同時に行うことができる。
【0027】
また、本発明のハプロタイプ解析装置は、上記記載のハプロタイプ解析装置において、上記比較分析手段は、上記SNP検定手段による検定結果により有意であったSNPを抽出する有意SNP抽出手段と、上記連鎖不平衡部位検定手段による検定結果により有意であった上記ディプロタイプを構成するSNPを抽出する有意ディプロタイプ抽出手段と、上記有意SNP抽出手段による抽出結果と上記有意ディプロタイプ抽出手段による抽出結果とを一覧形式で出力する一覧形式出力手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0028】
これは比較分析手段の一例を一層具体的に示すものである。この装置によれば、SNP検定による検定結果により有意であったSNPを抽出し、連鎖不平衡部位検定による検定結果により有意であったディプロタイプを構成するSNPを抽出し、両抽出結果を一覧形式で出力するので、単点解析とハプロタイプ解析の結果を相互比較することによって、ハプロタイプの中のどのSNPが単点で有意であったか、また、SNPの組み合わせがどのような疾患にどのような影響をもたらしているかを推測することができる。
【0029】
また、単点解析結果とハプロタイプ解析結果とを組み合わせることで、オーダーメード診断や創薬ターゲットの絞り込みに向けたより効果的で深い洞察ができる。
【0030】
また、本発明は、プログラムに関するものであり、本発明のプログラムは、SNPサンプルデータから連鎖不平衡部位を抽出する連鎖不平衡部位抽出ステップと、上記連鎖不平衡部位抽出ステップにて抽出された上記連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定するディプロタイプ型決定ステップと、上記ディプロタイプ型決定ステップにて決定された上記ディプロタイプ型についてハプロタイプIDの組を対応付けて記憶するハプロタイプID組記憶ステップと、上記SNPサンプルデータを特定の指標情報に基づいてケース群とコントロール群に分割する分割ステップと、すべての上記連鎖不平衡部位に対して、上記分割ステップにより分割された上記ケース群と上記コントロール群のそれぞれに対応する上記ディプロタイプ型の上記ハプロタイプIDの組を複数座位の遺伝子型を表現した多値の単一マーカーとみなして遺伝的異質性の検定を行う連鎖不平衡部位検定ステップと、すべての上記SNPに対して、上記分割ステップにより分割された上記ケース群と上記コントロール群のアレル型を表す2値の単一マーカーについて遺伝的異質性の検定を行うSNP検定ステップと、上記連鎖不平衡部位検定ステップによる検定結果と、上記SNP検定ステップによる検定結果とを比較分析する比較分析ステップとを含むハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0031】
このプログラムによれば、SNPサンプルデータから連鎖不平衡部位を抽出し、抽出された連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定し、決定されたディプロタイプ型についてハプロタイプIDの組を対応付けて記憶し、SNPサンプルデータを特定の指標情報に基づいてケース群とコントロール群に分割し、すべての連鎖不平衡部位に対して、分割されたケース群とコントロール群のそれぞれに対応するディプロタイプ型のハプロタイプIDの組を複数座位の遺伝子型を表現した多値の単一マーカーとみなして遺伝的異質性の検定を行い、すべてのSNPに対して、分割されたケース群とコントロール群のアレル型を表す2値の単一マーカーについて遺伝的異質性の検定を行い、両検定結果を比較分析するので、検定の自由度が少なくなり検定結果の精度を高めることができる。
【0032】
また、ケース群とコントロール群をあわせてハプロタイプ頻度を予想するので、サンプルサイズが大きい分、正確な予想ができる。
【0033】
また、検定の精度を上げるために低頻度のハプロタイプ(マイナーハプロタイプ)を足切りすることがないので、マイナーハプロタイプが重要な役割を果たしている疾患を見逃す危険をさけることができる。
【0034】
また、本発明のプログラムは、上記記載のプログラムにおいて、上記ディプロタイプ型決定ステップは、上記連鎖不平衡部位について上記ディプロタイプ型の事後確率を推定する事後確率推定ステップと、上記事後確率推定ステップにて推定された上記事後確率と予め定めた閾値とを比較する事後確率比較ステップとをさらに含み、上記事後確率比較ステップによる比較結果に従って上記連鎖不平衡部位について上記ディプロタイプ型を決定することを特徴とする。
【0035】
これはディプロタイプ型決定ステップの一例を一層具体的に示すものである。このプログラムによれば、連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型の事後確率を推定し、推定された事後確率と予め定めた閾値とを比較し、比較結果に従って連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定するので、ディプロタイプ型の事後確率により個人のディプロタイプ型をほぼ一意に決定することができる。
【0036】
また、本発明のプログラムは、上記記載のプログラムにおいて、上記遺伝的異質性の検定は、2×mの分割表に対して最尤度比を用いたパーミュテーション検定を用いることを特徴とする。
【0037】
これは遺伝的異質性の検定の一例を一層具体的に示すものである。このプログラムによれば、2×mの分割表に対して最尤度比を用いたパーミュテーション検定を用いるので、検定表が疎(sparse:0を多く含む)でハプロタイプ数が多くなった場合においてもカイ二乗近似を正確におこなうことができる。
【0038】
また、単点解析とハプロタイプ解析双方に対して、同一の検定手法を用いることにより遺伝的異質性の検定を適用することができるので、ハイスループットな大量解析を同時に行うことができる。
【0039】
また、本発明のプログラムは、上記記載のプログラムにおいて、上記比較分析ステップは、上記SNP検定ステップによる検定結果により有意であったSNPを抽出する有意SNP抽出ステップと、上記連鎖不平衡部位検定ステップによる検定結果により有意であった上記ディプロタイプを構成するSNPを抽出する有意ディプロタイプ抽出ステップと、上記有意SNP抽出ステップによる抽出結果と上記有意ディプロタイプ抽出ステップによる抽出結果とを一覧形式で出力する一覧形式出力ステップとをさらに含むことを特徴とする。
【0040】
これは比較分析ステップの一例を一層具体的に示すものである。このプログラムによれば、SNP検定による検定結果により有意であったSNPを抽出し、連鎖不平衡部位検定による検定結果により有意であったディプロタイプを構成するSNPを抽出し、両抽出結果を一覧形式で出力するので、単点解析とハプロタイプ解析の結果を相互比較することによって、ハプロタイプの中のどのSNPが単点で有意であったか、また、SNPの組み合わせがどのような疾患にどのような影響をもたらしているかを推測することができる。
【0041】
また、単点解析結果とハプロタイプ解析結果とを組み合わせることで、オーダーメード診断や創薬ターゲットの絞り込みに向けた、より効果的で深い洞察ができる。
【0042】
また、本発明は記録媒体に関するものであり、本発明の記録媒体は、上記記載されたプログラムを記録したことを特徴とする。
【0043】
この記録媒体によれば、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み取らせて実行することによって、上記記載されたプログラムをコンピュータを利用して実現することができ、これら各方法と同様の効果を得ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかるハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0045】
[本発明の概要]
以下、本発明の概要について説明し、その後、本発明の構成および処理等について詳細に説明する。図1は本発明の基本原理を示すフローチャートである。
【0046】
本発明は、概略的に、以下の基本的特徴を有する。すなわち、本発明は、まず、SNPサンプルデータから連鎖不平衡部位を抽出する(ステップS−1)。
【0047】
つぎに、ステップS−1にて抽出された連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定する(ステップS−2)。
【0048】
ここで、ディプロタイプ型の決定には、本発明者等が開発した、集団の遺伝子型データからハプロタイプ頻度や個人のディプロタイプ分布(個人のディプロタイプ型の事後確率)を高精度に推定する「LDSupport」という名称のプログラム等を採用してもよい。
【0049】
つぎに、ステップS−2にて決定されたディプロタイプ型についてハプロタイプIDの組を対応付けて記憶する(ステップS−3)。
【0050】
ここで、ステップS−3におけるハプロタイプIDの組の対応付けの手法は、例えば、ハプロタイプ頻度の順位が高いものから順に番号を付すという手法等を用いてもよい。
【0051】
つぎに、SNPサンプルデータを特定の指標情報に基づいてケース(疾患者)群とコントロール(健常者)群に分割する(ステップS−4)。
【0052】
ここで、SNPサンプルデータをどのようにしてケース群とコントロール群に分けるかは、対象とする疾患や医療情報によって異なるが、例えば、ある医学的根拠のある医療指標に着目し、医学的根拠のあるカットオフ値との比較により、ケース群を「1」、コントロール群を「0」に分類するという手法等でもよい。
【0053】
つぎに、すべての連鎖不平衡部位に対して、ステップS−4にて分割されたケース群とコントロール群のそれぞれに対応するディプロタイプ型のハプロタイプIDの組を複数座位の遺伝子型を表現した多値の単一マーカーとみなして遺伝的異質性の検定を行う(ステップS−5)。
【0054】
ここで、ステップS−5における遺伝的異質性の検定には、ツァオ(Zhao)が開発した、2×mの分割表を用いたパーミュテーションテストを行うための「FPMP(free−model analysis of permutation test using fast EH plus)」という名称のプログラム等を用いてもよい。
【0055】
つぎに、すべてのSNPに対して、ステップS−4にて分割されたケース群とコントロール群のアレル型を表す2値の単一マーカーについて遺伝的異質性の検定を行う(ステップS−6)。なお、ステップS−6で用いる遺伝的異質性の検定手法については、ステップS−5において説明した検定手法と同様であるため省略する。
【0056】
さらに、ステップS−5の連鎖不平衡部位に対する検定結果とステップS−6のSNPに対する検定結果を比較分析する(ステップS−7)。
【0057】
ここで、比較分析の手法には、例えば、有意であったLDブロックのSNPの中で何個のSNPが単SNP解析で有意であったかを解析するという手法、または、単SNP解析では有意でなかったSNPを組み合わせてハプロタイプを組み、有意になるSNPを解析するという手法等を用いてもよい。
【0058】
[システム構成]
まず、本システムの構成について説明する。図2は、本発明が適用される本システムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0059】
本システムは、概略的に、SNPに関する情報、疾患情報等を処理するハプロタイプ解析装置100と、SNP情報等に関する外部データベースや各種の外部プログラム等を提供する外部システム200とを、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されている。
【0060】
[システム構成:ハプロタイプ解析装置100]
次に、ハプロタイプ解析装置100の構成について説明する。ハプロタイプ解析装置100は、概略的に、ハプロタイプ解析装置100の全体を統括的に制御するCPU等の制御部102、通信回線等に接続されるルータ等の通信装置(図示せず)に接続される通信制御インターフェース部104、入力装置112や出力装置114に接続される入出力制御インターフェース部108、および、各種のデータベースやファイルなどを格納する記憶部106を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。さらに、このハプロタイプ解析装置100は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、ネットワーク300に通信可能に接続されている。
【0061】
図2の記憶部106に格納される各種のデータベースやテーブルやファイル(SNPサンプルファイル106a〜比較分析結果ファイル106i)は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0062】
これら記憶部106の各構成要素のうち、SNPサンプルファイル106aは、SNPサンプルデータを格納するSNPサンプルデータ格納手段である。ここで、SNPサンプルファイル106aは、インターネットを経由してアクセスする外部のSNPデータベース等でもよく、また、これらのデータベースをコピーしたり、オリジナルのSNP情報を格納したりして作成したインハウスデータベース等でもよい。
【0063】
図5は、SNPサンプルファイル106aに格納される情報の一例を示す図である。このSNPサンプルファイル106aに格納される情報は、図5に示すように、各サンプルを一意に識別するためのサンプルIDと、SNPを一意に識別するためのSNPIDとを相互に関連付けて構成されている。
【0064】
また、ケースコントロール分類結果ファイル106bは、各サンプルの各指標ごとにケースコントロール分類結果情報を格納するケースコントロール分類結果格納手段である。図6は、ケースコントロール分類結果ファイル106bに格納される情報の一例を示す図である。
【0065】
このケースコントロール分類結果ファイル106bに格納される情報は、図6に示すように、各サンプルを一意に識別するためのサンプルIDと、各サンプルのケースコントロール分類結果を一意に識別するための指標とを相互に関連付けて構成されている。
【0066】
また、ケースコントロール情報ファイル106cは、各サンプルのケースコントロール情報(疾患情報、SNPタイピング情報などを含む)を格納するケースコントロール情報格納手段である。図7は、ケースコントロール情報ファイル106cに格納される情報の一例を示す図である。
【0067】
このケースコントロール情報ファイル106cに格納される情報は、図7に示すように、各サンプルを一意に識別するためのサンプルIDと、疾患指標情報を一意に識別するための疾患指標と、SNPを一意に識別するためのSNPIDとを相互に関連付けて構成されている。
【0068】
また、LDブロック管理ファイル106dは、LDブロック(連鎖不平衡部位)に関する情報(ハプロタイプ情報、配列情報などを含む)を格納するLDブロック格納手段である。図8は、LDブロック管理ファイル106dに格納される情報の一例を示す図である。
【0069】
このLDブロック管理ファイル106dは、図8に示すように、各LDブロックを一意に識別するためのLDブロックIDと、ハプロタイプを一意に識別するためのハプロタイプIDと、ハプロタイプ頻度と、ハプロタイプ頻度から得られる頻度順位と、配列とを相互に関連付けて構成されている。
【0070】
また、ディプロタイプ型管理ファイル106eは、ディプロタイプ型に関する情報を格納するディプロタイプ型情報格納手段である。図9は、ディプロタイプ型管理ファイル106eに格納される情報の一例を示す図である。
【0071】
このディプロタイプ型管理ファイル106eは、図9に示すように、各サンプルを一意に識別するためのサンプル番号と、ディプロタイプ番号と、ディプロタイプ型を構成するハプロタイプ型の組の配列(ハプロタイプ1配列とハプロタイプ2配列)と、ディプロタイプ型の予想確率とを相互に関連付けて構成されている。
【0072】
また、ハプロタイプID組ファイル106fは、ディプロタイプ番号(ハプロタイプ番号の組)等を格納するハプロタイプID組格納手段である。図10は、ハプロタイプID組ファイル106fに格納される情報の一例を示す図である。
【0073】
このハプロタイプID組ファイル106fは、図10に示すように、各サンプルを一意に識別するためのサンプルIDと、ディプロタイプ型を一意に識別するためのディプロタイプ番号(ハプロタイプ番号の組)とを相互に関連付けて構成されている。
【0074】
また、連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gは、連鎖不平衡部位検定結果を格納する連鎖不平衡部位検定結果格納手段である。図11は、連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gに格納される情報の一例を示す図である。
【0075】
この連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gは、図11に示すように、LDブロックを一意に識別するためのLDブロックIDと、尤度と、カイ二乗分布の自由度と、尤度の算出に用いた統計量がカイ二乗分布に漸近的に従うとして計算したP値(asyP:asymptotic P)と、パーミュテーション法を適用する際の試行回数(Num)と、パーミュテーション法の結果、ある尤度以上の値が得られた回数(Reach)と、パーミュテーション法によるP値(empP:empirical P)と、ケース群の数(case)と、コントロール群の数(control)と、ディプロタイプ型が一意に決定しなかった等の理由から検定対象から除かれたサンプルの数(missing)と、ケース群とコントロール群の合計数(case+control)とを相互に関連付けて構成されている。
【0076】
また、SNP検定結果ファイル106hは、SNP検定結果を格納するSNP検定結果格納手段である。図12は、SNP検定結果ファイル106hに格納される情報の一例を示す図である。
【0077】
このSNP検定結果ファイル106hは、図12に示すように、SNPを一意に識別するためのSNPIDと、尤度と、カイ二乗分布の自由度と、尤度の算出に用いた統計量がカイ二乗分布に漸近的に従うとして計算したP値(asyP:asymptotic P)と、パーミュテーション法を適用する際の試行回数(Num)と、パーミュテーション法の結果ある尤度以上の値が得られた回数(Reach)と、パーミュテーション法によるP値(empP:empirical P)と、ケース群の数(case)と、コントロール群の数(control)と、ディプロタイプ型が一意に決定しなかった等の理由から検定対象から除かれたサンプルの数(missing)と、ケース群とコントロール群の合計数(case+control)とを相互に関連付けて構成されている。
【0078】
また、比較分析結果ファイル106iは、比較分析結果を格納する比較分析結果格納手段である。図13は、比較分析結果ファイル106iに格納される情報の一例を示す図である。
【0079】
この比較分析結果ファイル106iは、図13に示すように、LDブロックを一意に識別するためのLDブロックIDと、LDブロックが属する遺伝子のシンボル名と、パーミュテーション法を適用する際の試行回数と、パーミュテーション法の結果、ある尤度以上の値が得られた回数(Reach)と、尤度の算出に用いた統計量がカイ二乗分布に漸近的に従うとして計算したP値(asyP:asymptotic P)と、パーミュテーション法によるP値(empP:empirical P)と、SNP総数と、ハプロタイプ総数と、対象とするLDブロックに含まれるSNP群の中で単点解析にて5%有意であったSNP数(有意SNP数)およびSNP総数と、対象とするLDブロックに含まれるSNP群のリスト(SNPリスト)と、ケース群の数(case)と、コントロール群の数(control)と、ディプロタイプ型が一意に決定しなかった等の理由から検定対象から除かれたサンプルの数(missing)と、ケース群とコントロール群の合計数(case+control)とを相互に関連付けて構成されている。
【0080】
また、図2において、通信制御インターフェース部104は、ハプロタイプ解析装置100とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信制御を行う。すなわち、通信制御インターフェース部104は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0081】
また、図2において、入出力制御インターフェース部108は、入力装置112や出力装置114の制御を行う。ここで、出力装置114としては、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカを用いることができる(なお、以下においては出力装置114をモニタとして記載する場合がある)。また、入力装置112としては、キーボード、マウス、および、マイク等を用いることができる。また、モニタも、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現する。
【0082】
また、図2において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラム、各種の処理手順等を規定したプログラム、および所要データを格納するための内部メモリを有し、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、連鎖不平衡部位抽出部102a、ディプロタイプ型決定部102b、ハプロタイプID組記憶部102c、分割部102d、連鎖不平衡部位検定部102e、SNP検定部102f、比較分析部102gを含んで構成されている。
【0083】
このうち、連鎖不平衡部位抽出部102aは、SNPサンプルデータから連鎖不平衡部位を抽出する連鎖不平衡部位抽出手段である。
【0084】
また、ディプロタイプ型決定部102bは、連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定するディプロタイプ型決定手段である。ここで、ディプロタイプ型決定部102bは、図3に示すように、事後確率推定部102hおよび事後確率比較部102iをさらに含んで構成される。
【0085】
図3は、本発明が適用される本システムのディプロタイプ型決定部102bの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0086】
図3において、事後確率推定部102hは、連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型の事後確率を推定する事後確率推定手段である。
【0087】
また、事後確率比較部102iは、事後確率と予め定めた閾値とを比較する事後確率比較手段である。
【0088】
再び図2に戻り、ハプロタイプID組記憶部102cは、ディプロタイプ型にハプロタイプIDの組を対応付けて記憶するハプロタイプID組記憶手段である。
【0089】
また、分割部102dは、SNPサンプルデータを特定の指標情報に基づいてケース群とコントロール群に分割する分割手段である。
【0090】
また、連鎖不平衡部位検定部102eは、すべての連鎖不平衡部位に対して、ケース群とコントロール群のそれぞれに対応するディプロタイプ型のハプロタイプIDの組を複数座位の遺伝子型を表現した多値の単一マーカーとみなして遺伝的異質性の検定を行う連鎖不平衡部位検定手段である。
【0091】
また、SNP検定部102fは、すべてのSNPサンプルデータに対して、分割部102dにて分割されたケース群とコントロール群のアレル型を表す2値の単一マーカーについて遺伝的異質性の検定を行うSNP検定手段である。
【0092】
また、比較分析部102gは、連鎖不平衡部位検定結果とSNP検定結果とを比較分析する比較分析手段である。ここで、比較分析部102gは、図4に示すように、有意SNP抽出部102j、有意ディプロタイプ抽出部102k、および、一覧形式出力部102mをさらに含んで構成される。
【0093】
図4は、本発明が適用される本システムの比較分析部102gの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0094】
図4において、有意SNP抽出部102jは、SNP検定結果により有意であったSNPを抽出する有意SNP抽出手段である。
【0095】
また、有意ディプロタイプ抽出部102kは、連鎖不平衡部位検定結果により有意であったディプロタイプを構成するSNPを抽出する有意ディプロタイプ抽出手段である。
【0096】
また、一覧形式出力部102mは、有意SNP抽出結果と有意ディプロタイプ抽出結果とを一覧形式で出力する一覧形式出力手段である。
なお、これら各部によって行なわれる処理の詳細については、後述する。
【0097】
[システム構成:外部システム200]
次に、外部システム200の構成について説明する。外部システム200は、ネットワーク300を介して、ハプロタイプ解析装置100と相互に接続され、利用者に対してSNP情報等に関する外部データベースや各種の外部プログラムを実行するウェブサイトを提供する機能を有する。
【0098】
ここで、外部システム200は、WEBサーバやASPサーバ等として構成してもよく、そのハードウェア構成は、一般に市販されるワークステーション、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置およびその付属装置により構成してもよい。また、外部システム200の各機能は、外部システム200のハードウェア構成中のCPU、ディスク装置、メモリ装置、入力装置、出力装置、通信制御装置等およびそれらを制御するプログラム等により実現される。
【0099】
[システム構成:ネットワーク300]
次に、ネットワーク300の構成について説明する。ネットワーク300は、ハプロタイプ解析装置100と外部システム200とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット等である。
【0100】
[システムの処理]
次に、このように構成された本実施の形態における本システムの処理の一例について、以下に図14〜図17等を参照して詳細に説明する。
【0101】
[メイン処理]
まず、メイン処理の詳細について図14等を参照して説明する。図14は、本実施形態における本システムのメイン処理の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態は、ディプロタイプ型の決定の処理において、本発明者等が開発した「LDSupport」プログラムを、そして、遺伝的異質性の検定の処理において、ツァオ(Zhao)が開発した「FPMP」プログラムを用いる場合を一例に説明するが、本発明はかかる場合に限定されるものではなく、他のプログラムにより実行してもよい。
【0102】
まず、ハプロタイプ解析装置100は、連鎖不平衡部位抽出部102aの処理により、予めサンプルを識別するサンプルIDが付されたSNPサンプルデータから連鎖不平衡部位(LDブロック)を抽出し、サンプルIDに対応させて記憶部106に記憶する(ステップSA−1)。
【0103】
なお、当該SNPサンプルデータは、例えば、予めSNPサンプルファイル106aの所定の領域に格納されたSNPサンプルデータや、予めケースコントロール情報ファイル106cの所定の領域に格納されたSNPサンプルデータや、予め外部システム200の外部データベースにアクセスして取得しSNPサンプルファイル106aの所定の領域に格納したSNPサンプルデータなどでもよい。
【0104】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、ディプロタイプ型決定部102bの処理により、ステップSA−1の処理にて抽出されたLDブロックのそれぞれについて、まずLDブロックIDを各LDブロックに付し、LDブロック管理ファイル106dの「LDブロックID」の項に格納する。ついで、当該LDブロックのそれぞれについて、すべての個人のディプロタイプ型を一意に決定するディプロタイプ型決定処理を実行し、当該ディプロタイプ型決定処理により得られた情報(ディプロタイプ型(ハプロタイプ型の組)と、予測確率と、ハプロタイプ頻度と、当該ハプロタイプ頻度に対応する配列など)とをLDブロック管理ファイル106dおよびディプロタイプ型管理ファイル106eの所定の領域に格納する(ステップSA−2)。
【0105】
具体的には、ディプロタイプ型決定部102bは、ディプロタイプ型管理ファイル106eに、ディプロタイプ型(ハプロタイプ型の組)と、予測確率とを所定の記憶領域に格納し、LDブロック管理ファイル106dに、ハプロタイプ頻度と、当該ハプロタイプ頻度に対応する配列とを所定の記憶領域に格納する。
【0106】
つづいて、ディプロタイプ型決定部102bは、ハプロタイプ頻度が最も高いハプロタイプ型から順に、「1,2,3・・・」のように番号を割り当て、LDブロック管理ファイル106dの「頻度順位」の項に格納する。
【0107】
ここで、ディプロタイプ型決定部102bは、LDブロック管理ファイル106dに格納された高い頻度順位のものから順にハプロタイプIDを「1,2,3・・・」のように番号を割り当て、当該ハプロタイプIDをLDブロック管理ファイル106dの「ハプロタイプID」の項に格納する。
【0108】
なお、本実施例においては、上記のハプロタイプIDの割り当て手法を採用したが、本発明はかかる場合に限定されることなく、他のハプロタイプIDの割り当て手法等を採用してもよい。
【0109】
一方、ディプロタイプ型決定部102bは、ディプロタイプ型管理ファイル106eに格納されたディプロタイプ型の数に応じて、「1、2、・・・」のように番号を割り当て、ディプロタイプ型管理ファイル106eの「ディプロタイプ番号」の項に格納する。
【0110】
また、ディプロタイプ型決定部102bは、他のサンプルと識別できるように番号を割り当て、ディプロタイプ型管理ファイル106eの「サンプル番号」の項に格納する。
【0111】
ここで、ディプロタイプ型決定部102bにおいて行われるディプロタイプ型決定処理の詳細ついて説明する。
【0112】
[ディプロタイプ型決定処理]
ここでは、ディプロタイプ型決定処理の詳細について図15等を参照して説明する。
図15は、本実施形態における本システムのディプロタイプ型決定処理の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態は、本発明者等により開発された「LDSupport」という名称のプログラムを用いてディプロタイプ型を決定する場合を一例に説明するが、本発明はかかる場合に限定されるものではなく、他のプログラムにより実行してもよい。
【0113】
まず、ハプロタイプ解析装置100は、ディプロタイプ型決定部102bの処理により、ステップSA−1の処理により記憶部106に記憶された個人のLDブロックに基づいて、各個人がとりうるディプロタイプ型を構築し、集団がとりうるハプロタイプ型を洗い出す(ステップSB−1)。
【0114】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、ディプロタイプ型決定部102bの処理により、各ハプロタイプにハプロタイプ頻度の初期値(非ゼロの値)を与える(ステップSB−2)。
【0115】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、事後確率推定部102hの処理により、集団がハーディーワインバーグ平衡にあることを仮定して、個人ごとにディプロタイプ型の尤度を計算し、さらにベイズの定理を用いて各ディプロタイプ型の事後確率を計算する(ステップSB−3)。
【0116】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、ディプロタイプ型決定部102bの処理により、ステップSB−3の処理により計算された個人ごとのディプロタイプ型の尤度をすべてのディプロタイプについて結合し、さらにすべての個人の尤度を結合することによって、集団としての尤度を計算する(ステップSB−4)。
【0117】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、ディプロタイプ型決定部102bの処理により、ステップSB−3の処理により計算された個人ごとの各ディプロタイプ型の事後確率を用いて、集団における各ハプロタイプ数の期待値を計算することにより、ハプロタイプ頻度を更新する(ステップSB−5)。
【0118】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、ディプロタイプ型決定部102bの処理により、ステップSB−5の処理により更新されたハプロタイプ頻度を用いて、集団としての尤度が収束するまで、ステップSB−1からステップSB−5の処理を繰り返し、ハプロタイプ頻度と個人のディプロタイプ分布(個人のディプロタイプ型の事後確率)を同時に推定する(ステップSB−6)。
【0119】
さらに、ハプロタイプ解析装置100は、事後確率比較部102iの処理により、ステップSB−6の処理により推定された個人のディプロタイプ型の事後確率がある閾値以上のディプロタイプ型を個人のディプロタイプ型として採用する(ステップSB−7)。
【0120】
ここで、例えば、まずある閾値(例えば、80%)以上のディプロタイプ型を個人のディプロタイプ型として採用し、そして、一定閾値以上の候補ディプロタイプ型が複数存在した場合にはディプロタイプ型の事後確率が大きいほうを採用し、また、候補ディプロタイプ型が存在しなかった場合にはディプロタイプ型が不確定であったことを示す特別なマーカー(例えば、0)を個人のディプロタイプ型に対応付けるという手法等を採用してもよい。
これにて、ディプロタイプ型決定処理が終了する。
【0121】
再び図14に戻り、ハプロタイプ解析装置100は、ハプロタイプID組記憶部102cの処理により、ステップSA−2の処理により既に情報が格納されているディプロタイプ型管理ファイル106eの中のディプロタイプ型それぞれに固有の番号の組を対応付け、ハプロタイプID組ファイル106fの所定の領域に格納する(ステップSA−3)。
【0122】
具体的には、ハプロタイプID組記憶部102cは、当該固有の番号の組をハプロタイプID組ファイル106fの「ディプロタイプ番号(ハプロタイプ1番号、ハプロタイプ2番号)」の項に格納する。そして、ハプロタイプID組記憶部102cは、SNPサンプルファイル106a、または、ケースコントロール情報ファイル106cに格納されているサンプルIDをコピーし、ハプロタイプID組ファイル106fの「サンプルID」の項に、当該ディプロタイプ番号に対応するようにサンプルIDを格納する。
【0123】
ここで、当該固有の番号の組の対応付けは、例えば、ステップSA−2の処理によりLDブロック管理ファイル106dに格納されたハプロタイプIDを基に、固有の番号の組を対応付ける等してもよい。
【0124】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、分割部102dの処理により、予めケースコントロール情報ファイル106cの「疾患指標」の項に格納されている医療情報データを基に、SNPサンプルデータをケース群とコントロール群に分類し、当該分類結果を対応するサンプルIDとともにケースコントロール分類結果ファイル106bの所定の領域に格納する(ステップSA−4)。
【0125】
ここで、当該医療情報データは、例えば、外部システム200の外部データベースにアクセスして取得し、ケースコントロール情報ファイル106cの「疾患指標」の項に格納した医療情報データなどでもよい。
【0126】
また、ケースコントロール情報ファイル106cに格納されているSNPサンプルデータをどのようにしてケース群とコントロール群に分けるかは、対象とする疾患や医療情報によって異なるが、例えば、ある医学的根拠のある医療指標に着目し、医学的根拠のあるカットオフ値との比較により、ケース群を「1」、コントロール群を「0」に分類するという手法等を用いてもよい。
【0127】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、連鎖不平衡部位検定部102eの処理により、ステップSA−3で決定したハプロタイプID組ファイル106fに格納されている個人のディプロタイプ番号(ハプロタイプ型番号の組)を複数座位の遺伝子型を表現した多値の単一マーカーであるとみなし、ステップSA−4で決定したケースコントロール分類結果ファイル106bに格納されているケースコントロール分類結果とあわせて遺伝的異質性の検定を行い、当該遺伝的異質性の検定の結果を連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gの所定の領域に格納する(ステップSA−5)。
【0128】
具体的には、連鎖不平衡部位検定部102eは、下記の遺伝的異質性検定処理を行うことにより、尤度と、自由度と、尤度の算出に用いた統計量がカイ二乗分布に漸近的に従うとして計算したP値と、パーミュテーション法を適用する際の試行回数と、パーミュテーションの結果、ある尤度以上の値が得られた回数と、パーミュテーション法によるP値と、ケース群の数と、コントロール群の数と、ディプロタイプ型が一意に決定しなかった等の理由から検定対象から除かれたサンプル数と、ケース群とコントロール群の合計数とを、それぞれ、連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gの対応する項に格納する。
【0129】
ここで、連鎖不平衡部位検定部102eにおいて行われる遺伝的異質性検定処理の詳細を説明する。
【0130】
[遺伝的異質性検定処理]
ここでは、遺伝的異質性検定処理の詳細について図16等を参照して説明する。図16は、本実施形態における本システムの遺伝的異質性検定処理の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態は、ツァオ(Zhao)により開発された「FPMP」という名称のプログラムを用いて連鎖不平衡部位に対する遺伝的異質性の検定をする場合を一例に説明するが、SNPに対しても同様に用いることが出来る。また、本発明はかかる場合に限定されるものではなく、他のプログラムにより実行してもよい。
【0131】
まず、ハプロタイプ解析装置100は、連鎖不平衡部位検定部102eの処理により、ケースコントロール分類結果ファイル106bに格納されている個々のサブジェクトのケースコントロールの分類結果をランダムに並べ替える(ステップSC−1)。
【0132】
具体的には、連鎖不平衡部位検定部102eは、ケースコントロール分類結果ファイル106bにアクセスして、ケースコントロールの分類結果をランダムに並べ替えるとともに、ケース群の数と、コントロール群の数と、検定対象から除外すべきサンプル数と、ケース群とコントロール群の合計とを算出し、それぞれを連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gの「case」、「control」、「missing」、「case+control」に格納する。
【0133】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、連鎖不平衡部位検定部102eの処理により、最尤度比(LR(T5))を求め、連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gの「尤度」の項に格納する(ステップSC−2)。
【0134】
ここで、LR(T5)は、例えば、下記の数式1などを用いてもよい。
Figure 0004362290
【0135】
なお、上記数式1のLcase、Lcontrol、Lcase+controlの各値は、それぞれ,ケースコントロール分類結果ファイル106bに格納されているケースコントロール分類結果を基に、連鎖不平衡部位検定部102eが計算した、ケース(患者)集団、コントロール(健常者)集団、ケースとコントロールをあわせた集団に対する尤度である。
【0136】
再び図16に戻り、ハプロタイプ解析装置100は、連鎖不平衡部位検定部102eの処理により、LR(T5)の帰無仮説下分布を求める(ステップSC−3)。
【0137】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、連鎖不平衡部位検定部102eの処理により、実際のSNPサンプルデータからハプロタイプ頻度をケース、コントロール、ケース+コントロールごとに予想し、LR(T5)を計算する(ステップSC−4)。
【0138】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、連鎖不平衡部位検定部102eの処理により、ステップSC−4の処理により得られたLR(T5)がステップSC−3の処理により求められた分布から充分偏っていることを確認した上で、帰無仮説を棄却する(ステップSC−5)。
【0139】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、連鎖不平衡部位検定部102eの処理により、指定された回数分、ステップSC−1からステップSC−5の処理を繰り返してパーミュテーションテストを行う(ステップSC−6)。
【0140】
具体的には、連鎖不平衡部位検定部102eは、まず当該指定された回数を連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gの「Num」に格納し、そして、パーミュテーションテストを実行し、当該パーミュテーションテストの結果、ある尤度以上の値が得られた回数を連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gの「Reach」に格納する。
【0141】
さらに、ハプロタイプ解析装置100は、連鎖不平衡部位検定部102eの処理により、LR(T5)のシミュレーションに基づくP値(empiricalP)を計算し、連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gの「empP」の項に格納する(ステップSC−7)。
【0142】
これにて、遺伝的異質性検定処理が終了する。
【0143】
再び図14に戻り、ハプロタイプ解析装置100は、制御部102の処理により、ステップSA−2からステップSA−5の処理をすべてのLDブロックに対して適用する(ステップSA−6)。
【0144】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、SNP検定部102fの処理により、すべてのSNPに対して、ステップSA−5と同様に遺伝的異質性の検定を行い、当該遺伝的異質性の検定の結果をSNP検定結果ファイル106hの所定の領域に格納する(ステップSA−7)。
【0145】
なお、SNP検定部102fにて行われる遺伝的異質性の検定は、連鎖不平衡部位検定部102eにて行われる上述した遺伝的異質性検定処理に対応するため、説明は省略する。
【0146】
さらに、ハプロタイプ解析装置100は、比較分析部102gの処理により、ステップSA−5の検定結果とステップSA−7の検定結果を比較分析し、当該比較分析の結果を比較分析結果ファイル106iの所定の領域に格納する(ステップSA−8)。
【0147】
具体的には、比較分析部102gは、連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gとSNP検定結果ファイル106hに格納された検定結果を、下記の比較分析処理にかけることにより、LDブロックIDと、遺伝子シンボル名と、パーミュテーションを適用する際の試行回数と、パーミュテーションの結果、ある尤度以上の値が得られた回数と、尤度の算出に用いた統計量がカイ二乗分布に漸近的に従うとして計算したP値と、パーミュテーションによるP値と、SNP総数と、ハプロタイプ総数と、対象とするLDブロックに含まれるSNP群の中でSNP検定部102fにて5%有意であったSNP数およびSNP総数と、ケース群の数と、コントロール群の数と、検定対象から除かれたサンプル数と、ケース群とコントロール群の合計数とを算出し、それぞれを比較分析結果ファイル106iの対応する項に格納する。
【0148】
ここで、比較分析部102gにおいて行われる比較分析処理の詳細を説明する。
【0149】
[比較分析処理]
ここでは、比較分析処理の詳細について図17等を参照して説明する。図17は、本実施形態における本システムの比較分析処理の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態は、有意SNPに着目してハプロタイプ解析結果と単点解析結果の比較を行う場合を一例に説明するが、本発明はかかる場合に限定されるものではなく、他の比較手法により実行してもよい。
【0150】
まず、ハプロタイプ解析装置100は、有意SNP抽出部102jの処理により、ステップSA−7の処理によりSNP検定ファイル106hに格納された検定結果から有意であったSNPを抽出する(ステップSD−1)。
【0151】
ついで、ハプロタイプ解析装置100は、有意ディプロタイプ抽出部102kの処理により、ステップSA−5の処理により連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gに格納された検定結果から有意であったディプロタイプを構成するSNPを抽出する(ステップSD−2)。
【0152】
さらに、ハプロタイプ解析装置100は、一覧形式出力部102mの処理により、ステップSD−1とステップSD−2のそれぞれの抽出結果を一覧形式で出力装置114に出力し、当該抽出結果を比較分析結果ファイル106iの所定の領域に格納する(ステップSD−3)。
これにて、比較分析処理が終了する。
【0153】
以上、メイン処理が終了する。
【0154】
[実施例]
次に、本発明の実施例について、図18から図26等を参照して詳細に説明する。なお、本実施例では、SNPタイピング結果と疾患データから疾患と関連する有意なSNPパターン(ハプロタイプ)を推定する場合を一例に説明する。
【0155】
(本実施例の解析システムの流れ)
図18は、本実施例における解析システムの流れの一例を示す図である。まず、生化学的実験よってサンプルのタイピングを行い、SNPサンプルデータを作成し、SNPデータベース(DB−2)の所定の領域に格納する(ステップSF−1)。また、当該タイピングの過程において、サンプル情報や実験履歴や実験値などをLIMSデータベース(DB−1)の所定の領域に格納する。なお、SNPサンプルデータの示すタイピング結果とケースコントロール情報は、図20を用いて後述する。
【0156】
ここで、本実施例のSNPデータベース(DB−2)は、上述した実施形態のSNPサンプルファイル106aに対応する。
【0157】
ついで、SNPデータベース(DB−2)に格納されたSNPサンプルデータをもとに、ハプロタイプ解析処理により、ハプロタイプと個人ごとのディプロタイプ型を推定し、ハプロタイプデータベース(DB−3)の所定の領域に格納する(ステップSF−2)。
【0158】
ここで、本実施例のハプロタイプ解析処理(ステップSF−2)は、上述した実施形態のディプロタイプ型決定部102bにて行われるディプロタイプ型決定処理に対応する。
【0159】
また、本実施例のハプロタイプデータベース(DB−3)は、上述した実施形態のハプロタイプID組ファイル106fに対応する。
【0160】
ついで、ハプロタイプデータベース(DB−3)の所定の領域に格納されたハプロタイプデータと、予め医療情報データベース(DB−4)に格納されている、SNPサンプルデータをケース群とコントロール群に分類するための分類情報を基に、疾患関連解析処理を行い(ステップSF−3)、当該疾患関連解析処理の結果に対しレポート生成処理を行い、レポートを作成する(ステップSF−4)。
【0161】
ここで、本実施例の疾患関連解析処理(ステップSF−3)は、上述した実施形態の連鎖不平衡部位検定部102e、または、SNP検定部102fにて行われる遺伝的異質性検定処理に対応する。また、本実施例のレポート生成処理(ステップSF−4)は、上述した実施形態の比較分析部102gにて行われる比較分析処理に対応する。
【0162】
(ハプロタイプ解析と単点解析の同時大量実行)
図19は、本実施例におけるハプロタイプ解析と単点解析を同時に大量実行するための一例を示すフローチャートである。まず、単点解析において、上述した実施形態のケースコントロール情報ファイル106cに格納されている医療情報等のサンプル情報をもとにSNPサンプルデータをカットオフ値によりケース群とコントロール群に分け、上述した実施形態のケースコントロール分類結果ファイル106bの所定の領域に格納する(ステップSE−1−1)。また、ハプロタイプ解析においても、単点解析同様に行う(ステップSE−1−2)。
【0163】
ここで、本実施例のケース群とコントロール群の分割の処理(ステップSE−1−1、ステップSE−1−2)は、上述した実施形態の分割部102dにて行われる処理に対応する。
【0164】
ついで、単点解析において、単点解析用DATファイル群を生成し、上述した実施形態のハプロタイプID組ファイル106fの所定の領域に格納する(ステップSE−2−1)。また、ハプロタイプ解析においても、ハプロタイプ解析用DATファイル群を生成する(ステップSE−2−2)。
【0165】
ここで、本実施例のDATファイル群生成処理(ステップSE−2−1、ステップSE−2−2)は、上述した実施形態のハプロタイプID組記憶部102cにて行われる処理に対応する。
【0166】
ついで、生成されたDATファイル群を入力セットとしてFPMPプログラムの処理を実行して単点解析レポートを作成し、当該単点解析レポートを上述した実施形態のSNP検定結果ファイル106hの所定の領域に格納する(ステップSE−3)。
【0167】
なお、ハプロタイプ解析においても、ステップSE−3と同様の処理を行い、作成されたハプロタイプ解析レポートを上述した実施形態の連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gの所定の領域に格納する。
【0168】
ここで、本実施例のFPMPプログラムの処理(ステップSE−3)は、上述した実施形態の連鎖不平衡部位検定部102e、または、SNP検定部102fにて行われる遺伝的異質性検定処理に対応する。
【0169】
さらに、ステップSE−3の処理により得られた単点解析レポート、ハプロタイプ解析レポートを比較し、比較分析レポートを作成する(ステップSE−4)。
【0170】
ここで、本実施例の比較分析レポート作成処理(ステップSE−4)は、上述した実施形態の比較分析部102gにて行われる比較分析処理に対応する。
【0171】
(タイピング結果とケースコントロール情報)
図20は、本実施例におけるタイピング結果とケースコントロール情報の一例を示す図である。なお、本実施例のタイピング結果とケースコントロール情報は、上述した実施形態のケースコントロール情報ファイル106cの所定の領域に格納されている情報に対応する。
【0172】
本図に示すように、タイピング結果とケースコントロール情報は、例えば、各サンプルを一意に識別するためのサンプルIDの表示領域MA−1と、疾患指標の表示領域(疾患指標1表示領域MA−2と、疾患指標2表示領域MA−3)と、SNPタイピング結果の表示領域MA−4とを含んで構成されている。
【0173】
ここで、本図において、例えば、各個人に対してサンプルIDが割り当てられており、ケース(患者)とコントロール(健常者)とを分けるのに2種類の指標(疾患指標1、疾患指標2)が使われている。
【0174】
ここで、疾患指標1はP(Positive)、N(Negative)の2値である。また、疾患指標2は連続値のデータで、適切なカットオフ値を設定することでケースとコントロールを分けることが出来る。また、「T」で始まる番号はSNPを表し、各個人ごとにSNPのタイプ(AA、AB、BB)などが割り当てられている。また、「××」はSNPタイピングで測定不能だった欠損データを表す。
【0175】
具体的には、例えば、サンプルIDが「000139801」のものは、疾患指標1が「P」、疾患指標2が「34」であり、SNPタイピング結果は、「T004418」のSNPタイプが「AB」、「T004420」のSNPタイプが「AB」、「T004427」のSNPタイプが「BB」、「T004428」のSNPタイプが「AA」、「T004435」のSNPタイプが「AB」、「T004436」のSNPタイプが「BB」、「T004438」のSNPタイプが「AA」、「T004445」のSNPタイプが「BB」、「T004446」のSNPタイプが「AB」であることが示されている。
【0176】
なお、SNPサンプルデータをどのようにしてケース群とコントロール群に分けるかは、対象とする疾患や医療情報によって異なるが、例えば、ある医学的根拠のある医療指標に着目し、医学的根拠のあるカットオフ値との比較により、ケース群「1」、コントロール群「0」に分けてもよい。
【0177】
(ディプロタイプ型の推定結果)
図21は、本実施例における個人のディプロタイプ型の推定結果の一例を示す図である。なお、本実施例の個人のディプロタイプ型の推定結果は、上述した実施形態のディプロタイプ型決定部102bの処理により出力され、上述した実施形態のディプロタイプ型管理ファイル106eの所定の領域に格納される。
【0178】
本図に示すように、ディプロタイプ型の推定結果は、例えば、各サンプルを一意に識別するためのサンプル番号の表示領域MB−1と、ディプロタイプ番号の表示領域MB−2と、ディプロタイプ型を構成する各ハプロタイプの表示領域MB−3と、ディプロタイプ型の予想確率の表示領域MB−4を含んで構成されている。
【0179】
ここで、本図において、例えば、サンプル番号が23番の個人には2種類のディプロタイプ型が予想されており、「BABAB−AAAAA」型が99.9%の確率、「BABAA−AAAAB」型が0.1%の確率であると推定されていることが示されている。
【0180】
なお、これまで、本発明者等の実験では、SNPサンプルデータにノイズが少なければ、ほとんど100%に近い確率で個人のディプロタイプ型が予想できることが確かめられている。
【0181】
(ハプロタイプID付与)
図22は、本実施例におけるハプロタイプID付与の一例を示す図である。なお、本実施例のハプロタイプID付与の結果は、上述した実施形態のハプロタイプID組記憶部102cの処理により出力され、上述した実施形態のLDブロック管理ファイル106dの所定の領域に格納される。
【0182】
本図に示すように、ハプロタイプID付与は、例えば、各LDブロックを一意に識別するためのLDブロックIDの表示領域MC−1と、各LDブロックのハプロタイプを一意に識別するためのハプロタイプIDの表示領域MC−2と、各ハプロタイプのハプロタイプ頻度の表示領域MC−3と、各LDブロックに属するハプロタイプ頻度から得られる頻度順位の表示領域MC−4と、各ハプロタイプの配列の表示領域MC−5を含んで構成されている。
【0183】
ここで、本図において、例えば、LDブロックIDが、「69」番のLDブロックには、4種類のハプロタイプがあり、ハプロタイプIDが「1」番が最も高頻度で全体の61.7%を占めており、その配列は「BBBA」であることが示されている。
【0184】
なお、本実施例においては、ハプロタイプの頻度順位に基づいてハプロタイプのIDを決めているが、本発明はかかる場合に限定されるものではなく、他のIDの付与手法を用いてもよい。
【0185】
さて、SNPタイピングの結果により個人の遺伝子型は決定するが、一般にそれらがどのハプロタイプの組み合わせからなるのかは一意には決定しない。例えば、個人の遺伝子型が「BB」、「BB」、「AB」、「AB」だとすると、ハプロタイプの組み合わせは、「BBAA」、「BBBB」の可能性と、「BBAB」、「BBBA」の可能性があり、どちらが正しいかは決定出来ない。
【0186】
しかし、SNPサンプルのハプロタイプ頻度情報を分析することにより「BBAA」や「BBBB」のハプロタイプが見出される頻度が極めて少なく、「BBAB」と「BBBA」が高頻度で現れることがわかるので、「BBAB」と「BBBA」の組み合わせが妥当であると確率的に推論することが可能である。
【0187】
そして、各ハプロタイプには一意にIDが付与されているので、「BBBA」(ハプロタイプID=1)、「BBAB」(ハプロタイプID=2)の組み合わせは、「1−2」という様に表現することが出来る。
【0188】
なお、仮に、あるLDブロックに含まれるSNP数をNとすると、可能なハプロタイプ数は2のN乗、可能なディプロタイプ数は(2のN乗)×(2のN乗)となるが、実際にはNが大きくなれば、ハプロタイプ数は数個(M個)に収束し、可能なディプロタイプ数はMの2乗となる。
【0189】
ここで、Nはパラメータとして任意に設定可能だが、本発明者等の実験から、本発明の疾患関連解析にはNは5以下が適切であると考えられる。
【0190】
(ディプロタイプ番号の決定結果)
図23は、本実施例におけるディプロタイプ番号の決定結果の一例を示す図である。なお、本実施例のディプロタイプ番号の決定結果は、上述した実施形態のハプロタイプID組記憶部102cの処理により出力され、上述した実施形態のハプロタイプID組ファイル106fの所定の領域に格納される。
【0191】
本図に示すように、ディプロタイプ番号の決定結果は、各サンプルを一意に識別するためのサンプルIDの表示領域MD−1と、ディプロタイプ型を一意に識別するためのディプロタイプ番号(ハプロタイプ番号の組)の表示領域MD−2とを含んで構成されている。
【0192】
ここで、本図において、例えば、サンプルIDが「00013C85A」の個人のディプロタイプ番号(ハプロタイプID組)は「2−3」であることが示されている。
【0193】
なお、本実施例においては、個人のディプロタイプ型を一意に決定するにあたり、図21における予想確率が「80%以上」であるディプロタイプ型を、また、図22におけるハプロタイプID付与手法を採用条件とする。
【0194】
もし、当該採用条件を満たしたディプロタイプが複数存在した場合は、この数値の大きい方を採用する。また、当該採用条件を満たすディプロタイプが存在しなかった場合は、ディプロタイプ型が不確定であったことを示す特別なマーカー(例えば、「0」)などを個人のディプロタイプ型に対応付ける。ただし、本発明はかかる場合に限定されるものではなく、他の採用条件を用いてもよい。
【0195】
ここで、本図のように、「個人のサンプルID」、「ハプロタイプ1番号」、「ハプロタイプ2番号」の3つからなるファイルを「DAT形式ファイル」と呼ぶ。DAT形式ファイルは、本実施例のハプロタイプ解析以外に、シングルマーカーの単点SNP解析においても「個人のサンプルID」、「アレル1番号」、「アレル2番号」として全く同様の形式でFPMPプログラムの入力セットとすることが出来る。
【0196】
(FPMPによるパーミュテーション検定結果)
図24は、本実施例におけるFPMPプログラムによるパーミュテーション検定の結果の一例を示す図である。なお、本実施例のFPMPプログラムによるパーミュテーション検定の結果は、上述した実施形態の連鎖不平衡部位検定部102e、または、SNP検定部102fの処理により出力される。
【0197】
本図に示すように、パーミュテーション検定の結果は、例えば、最尤法により得られた尤度と、自由度と、これに対応するカイ二乗分布のP値の表示領域ME−1と、乱数発生のためのシーズとなる数と、パーミュテーション法を適用する際の試行回数の表示領域ME−2と、表示領域ME−2に表示されている試行回数分のパーミュテーションを試行した結果、尤度が表示領域ME−1に表示されている尤度以上になった回数の表示領域ME−3と、T5検定におけるパーミュテーション法によるP値(empirical P)の表示領域ME−4とを含んで構成されている。
【0198】
ここで、本図は、ME−1に示す情報により、最尤法により得られた尤度が「12.28」、自由度が「8」、これに対応するカイ二乗分布のP値が「0.1391」であることが示されている。
【0199】
つづいて、ME−2に示す情報により、乱数発生のためのシーズとなる数が「3000」、パーミュテーション法を適用する際の試行回数が「20000」であることが示されている。
【0200】
つづいて、ME−3に示す情報により、20000回のパーミュテーションを試行した結果、尤度が12.28以上になった回数が「6703」であることが示されている。
【0201】
さらに、ME−4に示す情報により、T5検定におけるパーミュテーション法によるP値(empirical P)が「0.3352」であることが示されている。
【0202】
(FPMPプログラムによる大量解析の結果)
図25は、本実施例におけるFPMPプログラムによる大量解析の結果の一例を示す図である。なお、本実施例のFPMPプログラムによる大量解析の結果は、上述した実施形態の連鎖不平衡部位検定部102e(SNP検定部102f)の処理により出力され、上述した実施形態の連鎖不平衡部位検定結果ファイル106g(SNP検定結果ファイル106h)の所定の領域に格納される。
【0203】
本図に示すように、FPMPプログラムによる大量解析の結果は、例えば、LDブロックを一意に識別するためのLDブロックID(filename)の表示領域MF−1と、尤度(ML)の表示領域MF−2と、カイ二乗分布の自由度(df)の表示領域MF−3と、尤度の算出に用いた統計量がカイ二乗分布に漸近的に従うとして計算したP値(asyP:asymptotic P)の表示領域MF−4と、パーミュテーション法を適用する際の試行回数(Num)の表示領域MF−5と、パーミュテーション法の結果、表示領域MF−2の尤度以上の値が得られた回数(Reach)の表示領域MF−6と、パーミュテーション法によるP値(empP:empirical P)の表示領域MF−7と、ケース群の数(case)の表示領域MF−8と、コントロール群の数(control)の表示領域MF−9と、ディプロタイプ型が一意に決定しなかった等の理由から検定対象から除かれたサンプルの数(missing)の表示領域MF−10と、ケース群とコントロール群の合計数(case+control)の表示領域MF−11とを含んで構成されている。
【0204】
ここで、例えば、本図において最初のデータであるLDブロックIDが「YA−003.CC376−101402.FEHP_OUT.ABCA1.T000034.T002626」において、尤度が「12.28」、自由度が「8」、尤度算出に用いた統計量がカイ二乗分布に漸近的に従うとして計算したP値(asymptotic P(asyP))が「0.1391」であることが示されている。
【0205】
つづいて、パーミュテーション法を適用する際の試行回数が「20000」、パーミュテーションの結果により尤度値12.28以上の値が得られた回数が「6703」、パーミュテーション法によるP値(empP:empiricalP)が「0.3352」であることが示されている。
【0206】
さらに、ケース数(case)が「141」、コントロール数(control)が「219」、ディプロタイプ型が一意に決まらなかった、または、検定対象として不適当であったため検定対象から除かれたサンプル数(missing)が「16」、検定対象となったケースとコントロールの合計数(case+control)が「360」であることが示されている。
【0207】
(単点SNP解析の結果とハプロタイプ解析の結果の照合)
図26は、本実施例における単点SNP解析とハプロタイプ解析の結果を一覧形式で出力した一例を示す図である。なお、当該単点SNP解析とハプロタイプ解析の結果は、上述した実施形態の比較分析部102gの一覧形式出力部102mの処理により出力され、上述した実施形態の比較分析結果ファイル106iの所定の領域に格納される。
【0208】
本図に示すように、単点SNP解析とハプロタイプ解析の結果は、例えば、LDブロックを一意に識別するためのLDブロックIDの表示領域MG−1と、LDブロックが属する遺伝子のシンボル名の表示領域MG−2と、パーミュテーション法を適用する際の試行回数の表示領域MG−3と、パーミュテーション法の結果ある尤度以上の値が得られた回数(Reach)の表示領域MG−4と、尤度の算出に用いた統計量がカイ二乗分布に漸近的に従うとして計算したP値(asyP:asymptotic P)の表示領域MG−5と、パーミュテーション法によるP値(empP:empirical P)の表示領域MG−6と、SNP総数の表示領域MG−7と、ハプロタイプ総数の表示領域MG−8と、対象とするLDブロックに含まれるSNP群の中で単点解析にて5%有意であったSNP数(有意SNP数)およびSNP総数の表示領域MG−9と、対象とするLDブロックに含まれるSNP群のリスト(SNPリスト)の表示領域MG−10と、ケース群の数(case)の表示領域MG−11と、コントロール群の数(control)の表示領域MG−12と、ディプロタイプ型が一意に決定しなかった等の理由から検定対象から除かれたサンプルの数(missing)の表示領域MG−13と、ケース群とコントロール群の合計数(case+control)の表示領域MG−14とを含んで構成されている。
【0209】
なお、SNPリストの表示領域MG−10において、単点解析にて5%有意であったSNPに「*」の印を付している。
【0210】
ここで、例えば、本図において最初のデータであるLDブロックIDが「YA−003.CC376−101402.AP1G1.T002223.T002428」において、当該LDブロックが属する遺伝子名が「**」、パーミュテーション法を適用する際の試行回数が「220000」、パーミュテーションの結果によりある尤度値以上の値が得られた回数が「0」であることが示されている。
【0211】
つづいて、尤度算出に用いた統計量がカイ二乗分布に漸近的に従うとして計算したP値(asyP:asymptotic P)が「0」、パーミュテーション法によるP値(empP:empirical P)が「0」、当該LDブロックに含まれるSNP数(#snp)が「3」、当該LDブロックのハプロタイプ数(#haplotype)が「4」であることが示されている。
【0212】
つづいて、当該LDブロックに含まれるSNP群の中で単点SNP解析にて5%有意だったSNP数(#positive|#hap)が「3つのSNPのうち1つ(1|3)」、当該LDブロックに含まれるSNPのリスト(SNPlists)が「T002223、T002429、T002428」であることが示されている。
【0213】
さらに、ケース数(case)が「148」、コントロール数(control)が「227」、ディプロタイプ型が一意に決まらなかったなどの理由のため検定対象とならなかったサンプル数が「1」、検定対象となったケースとコントロールの合計数(case+control)が「375」であることが示されている。
【0214】
なお、SNPリストの表示領域MG−10における「T002429」に付されている「*」は、単点解析にて5%有意であったことを示している。
【0215】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0216】
例えば、ハプロタイプ解析装置100がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、ハプロタイプ解析装置100とは別筐体で構成されるクライアント端末からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するように構成してもよい。
【0217】
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0218】
この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0219】
また、ハプロタイプ解析装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、ハプロタイプ解析装置100の各部または各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行なわれる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。なお、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じてハプロタイプ解析装置100に機械的に読み取られる。
【0220】
すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部106などには、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAM等にロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。また、このコンピュータプログラムは、ハプロタイプ解析装置100に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記録されてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0221】
また、本発明にかかるプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」や、各種コンピュータシステムに内蔵されるROM、RAM、HD等の任意の「固定用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0222】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0223】
記憶部106に格納される各種のファイル等(SNPサンプルファイル106a〜比較分析結果ファイル106i)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0224】
また、ハプロタイプ解析装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理端末等の情報処理装置にプリンタやモニタやイメージスキャナ等の周辺装置を接続し、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0225】
さらに、ハプロタイプ解析装置100の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷等に応じた任意の単位で、機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、各データベースを独立したデータベース装置として独立に構成してもよく、また、処理の一部をCGI(Common Gateway Interface)を用いて実現してもよい。
【0226】
また、ネットワーク300は、ハプロタイプ解析装置100と外部システム200とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネットや、イントラネットや、LAN(有線/無線の双方を含む)や、VANや、パソコン通信網や、公衆電話網(アナログ/デジタルの双方を含む)や、専用回線網(アナログ/デジタルの双方を含む)や、CATV網や、IMT2000方式、GSM方式またはPDC/PDC―P方式等の携帯回線交換網/携帯パケット交換網や、無線呼出網や、Bluetooth等の局所無線網や、PHS網や、CS、BSまたはISDB等の衛星通信網等のうちいずれかを含んでもよい。すなわち、本システムは、有線・無線を問わず任意のネットワークを介して、各種データを送受信することができる。
【0227】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、SNPサンプルデータから連鎖不平衡部位を抽出し、抽出された連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定し、決定されたディプロタイプ型についてハプロタイプIDの組を対応付けて記憶し、SNPサンプルデータを特定の指標情報に基づいてケース群とコントロール群に分割し、すべての連鎖不平衡部位に対して、分割されたケース群とコントロール群のそれぞれに対応するディプロタイプ型のハプロタイプIDの組を複数座位の遺伝子型を表現した多値の単一マーカーとみなして遺伝的異質性の検定を行い、すべてのSNPに対して、分割されたケース群とコントロール群のアレル型を表す2値の単一マーカーについて遺伝的異質性の検定を行い、両検定結果を比較分析するので、検定の自由度が少なくなり検定結果の精度を高めることができるハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを提供することができる。
【0228】
また、本発明によれば、ケース群とコントロール群をあわせてハプロタイプ頻度を予想するので、サンプルサイズが大きい分、正確な予想ができるハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを提供することができる。
【0229】
また、本発明によれば、単点解析とハプロタイプ解析双方に対して、共通の入力形式で遺伝的異質性の検定を適用することができるので、大量解析に用いることができるハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを提供することができる。
【0230】
また、本発明によれば、検定の精度を上げるために低頻度のハプロタイプ(マイナーハプロタイプ)を足切りすることがないので、マイナーハプロタイプが重要な役割を果たしている疾患を見逃す危険をさけることができるハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを提供することができる。
【0231】
また、本発明によれば、連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型の事後確率を推定し、推定された事後確率と予め定めた閾値とを比較し、比較結果に従って連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定するので、個人のディプロタイプ型をほぼ一意に決定することができるハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを提供することができる。
【0232】
また、本発明によれば、2×mの分割表に対して最尤度比を用いたパーミュテーション検定を用いるので、検定表が疎(sparse:0を多く含む)でハプロタイプ数が多くなった場合においてもカイ二乗近似を正確におこなうことができるハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを提供することができる。
【0233】
さらに、本発明によれば、SNP検定による検定結果により有意であったSNPを抽出し、連鎖不平衡部位検定による検定結果により有意であったディプロタイプを構成するSNPを抽出し、両抽出結果を一覧形式で出力するので、単点解析とハプロタイプ解析の結果を相互比較することによって、ハプロタイプの中のどのSNPが単点で有意であったか、SNPの組み合わせがどのような疾患にどのような影響をもたらしているかを推測することができるハプロタイプ解析装置、および、ハプロタイプ解析方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を示すフローチャートである。
【図2】本発明が適用される本システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明が適用される本システムのディプロタイプ型決定部102bの構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明が適用される本システムの比較分析部102gの構成の一例を示すブロック図である。
【図5】SNPサンプルファイル106aに格納される情報の一例を示す図である。
【図6】ケースコントロール分類結果ファイル106bに格納される情報の一例を示す図である。
【図7】ケースコントロール情報ファイル106cに格納される情報の一例を示す図である。
【図8】LDブロック管理ファイル106dに格納される情報の一例を示す図である。
【図9】ディプロタイプ型管理ファイル106eに格納される情報の一例を示す図である。
【図10】ハプロタイプID組ファイル106fに格納される情報の一例を示す図である。
【図11】連鎖不平衡部位検定結果ファイル106gに格納される情報の一例を示す図である。
【図12】SNP検定結果ファイル106hに格納される情報の一例を示す図である。
【図13】比較分析結果ファイル106iに格納される情報の一例を示す図である。
【図14】本実施形態における本システムのメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態における本システムのディプロタイプ型決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】本実施形態における本システムの遺伝的異質性検定処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】本実施形態における本システムの比較分析処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】本実施例における解析システムの流れの一例を示す図である。
【図19】本実施例におけるハプロタイプ解析と単点解析を同時に大量実行するための一例を示すフローチャートである。
【図20】本実施例におけるタイピング結果とケースコントロール情報の一例を示す図である。
【図21】本実施例における個人のディプロタイプ型の推定結果の一例を示す図である。
【図22】本実施例におけるハプロタイプIDの付与の一例を示す図である。
【図23】本実施例におけるディプロタイプ番号の決定結果の一例を示す図である。
【図24】本実施例におけるFPMPプログラムによるパーミュテーション検定の結果の一例を示す図である。
【図25】本実施例におけるFPMPプログラムによる大量解析の結果の一例を示す図である。
【図26】本実施例における単点SNP解析とハプロタイプ解析の結果を一覧形式で出力した一例を示す図である。
【符号の説明】
100 ハプロタイプ解析装置
102 制御部
102a 連鎖不平衡部位抽出部
102b ディプロタイプ型決定部
102c ハプロタイプID組記憶部
102d 分割部
102e 連鎖不平衡部位検定部
102f SNP検定部
102g 比較分析部
102h 事後確率推定部
102i 事後確率比較部
102j 有意SNP抽出部
102k 有意ディプロタイプ抽出部
102m 一覧形式出力部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
106a SNPサンプルファイル
106b ケースコントロール分類結果ファイル
106c ケースコントロール情報ファイル
106d LDブロック管理ファイル
106e ディプロタイプ型管理ファイル
106f ハプロタイプID組ファイル
106g 連鎖不平衡部位検定結果ファイル
106h SNP検定結果ファイル
106i 比較分析結果ファイル
108 入出力制御インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 外部システム
300 ネットワーク

Claims (8)

  1. 記憶部と制御部と出力装置とを少なくとも備えたハプロタイプ解析装置であって、
    上記記憶部は、
    サンプルを一意に識別するためのサンプルIDと、SNPを一意に識別するためのSNPIDと、上記SNPの遺伝子型と、を相互に関連付けて構成されるSNPサンプルデータを記憶するSNPサンプルデータ格納手段と、
    上記サンプルIDと、上記SNPIDと、疾患指標を示す疾患指標情報と、を相互に関連付けて格納する疾患指標情報格納手段と、
    を備え、
    上記制御部は、
    上記SNPサンプルデータ格納手段に格納された上記SNPサンプルデータから連鎖不平衡部位を抽出する連鎖不平衡部位抽出手段と、
    上記連鎖不平衡部位抽出手段にて抽出された上記連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定するディプロタイプ型決定手段と、
    上記ディプロタイプ型決定手段にて決定された上記ディプロタイプ型についてハプロタイプIDの組を対応付けて上記記憶部に記憶するハプロタイプID組記憶手段と、
    上記SNPサンプルデータ格納手段に格納された上記SNPサンプルデータを、上記疾患指標情報格納手段に格納された特定の上記疾患指標情報に基づいてケース群とコントロール群に分割する分割手段と、
    すべての上記連鎖不平衡部位に対して、上記分割手段により分割された上記ケース群と上記コントロール群のそれぞれに対応する上記ディプロタイプ型の上記ハプロタイプIDの組を複数座位の上記遺伝子型を表現した多値の単一マーカーとみなして遺伝的異質性の検定を行う連鎖不平衡部位検定手段と、
    すべての上記SNPに対して、上記分割手段により分割された上記ケース群と上記コントロール群のアレル型を表す2値の単一マーカーについて遺伝的異質性の検定を行うSNP検定手段と、
    上記連鎖不平衡部位検定手段による検定結果と、上記SNP検定手段による検定結果と、を対応付けて上記出力装置に出力する比較分析手段と、
    を備えたことを特徴とするハプロタイプ解析装置。
  2. 上記ディプロタイプ型決定手段は、
    上記連鎖不平衡部位について上記ディプロタイプ型の事後確率を推定する事後確率推定手段と、
    上記事後確率推定手段にて推定された上記事後確率と予め定めた閾値とを比較する事後確率比較手段と、
    をさらに備え、
    上記事後確率比較手段による比較結果に従って上記連鎖不平衡部位について上記ディプロタイプ型を決定すること、
    を特徴とする請求項1に記載のハプロタイプ解析装置。
  3. 上記遺伝的異質性の検定は、
    2×mの分割表に対して最尤度比を用いたパーミュテーション検定を用いること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のハプロタイプ解析装置。
  4. 上記比較分析手段は、
    上記SNP検定手段による検定結果により有意であったSNPを抽出する有意SNP抽出手段と、
    上記連鎖不平衡部位検定手段による検定結果により有意であった上記ディプロタイプを構成するSNPを抽出する有意ディプロタイプ抽出手段と、
    上記有意SNP抽出手段による抽出結果と上記有意ディプロタイプ抽出手段による抽出結果とを一覧形式で出力する一覧形式出力手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のハプロタイプ解析装置。
  5. 記憶部と制御部と出力装置とを少なくとも備えたハプロタイプ解析装置において実行されるハプロタイプ解析方法を実行させるためのプログラムであって、
    上記記憶部は、
    サンプルを一意に識別するためのサンプルIDと、SNPを一意に識別するためのSNPIDと、上記SNPの遺伝子型と、を相互に関連付けて構成されるSNPサンプルデータを記憶するSNPサンプルデータ格納手段と、
    上記サンプルIDと、上記SNPIDと、疾患指標を示す疾患指標情報と、を相互に関連付けて格納する疾患指標情報格納手段と、
    を備え、
    上記制御部において実行される、
    上記SNPサンプルデータ格納手段に格納された上記SNPサンプルデータから連鎖不平衡部位を抽出する連鎖不平衡部位抽出ステップと、
    上記連鎖不平衡部位抽出ステップにて抽出された上記連鎖不平衡部位についてディプロタイプ型を決定するディプロタイプ型決定ステップと、
    上記ディプロタイプ型決定ステップにて決定された上記ディプロタイプ型についてハプロタイプIDの組を対応付けて上記記憶部に記憶するハプロタイプID組記憶ステップと、
    上記SNPサンプルデータ格納手段に格納された上記SNPサンプルデータを、上記疾患指標情報格納手段に格納された特定の上記疾患指標情報に基づいてケース群とコントロール群に分割する分割ステップと、
    すべての上記連鎖不平衡部位に対して、上記分割ステップにより分割された上記ケース群と上記コントロール群のそれぞれに対応する上記ディプロタイプ型の上記ハプロタイプIDの組を複数座位の上記遺伝子型を表現した多値の単一マーカーとみなして遺伝的異質性の検定を行う連鎖不平衡部位検定ステップと、
    すべての上記SNPに対して、上記分割ステップにより分割された上記ケース群と上記コントロール群のアレル型を表す2値の単一マーカーについて遺伝的異質性の検定を行うSNP検定ステップと、
    上記連鎖不平衡部位検定ステップによる検定結果と、上記SNP検定ステップによる検定結果と、を対応付けて上記出力装置に出力する比較分析ステップと、
    を含むことを特徴とするプログラム。
  6. 上記ディプロタイプ型決定ステップは、
    上記連鎖不平衡部位について上記ディプロタイプ型の事後確率を推定する事後確率推定ステップと、
    上記事後確率推定ステップにて推定された上記事後確率と予め定めた閾値とを比較する事後確率比較ステップと、
    をさらに含み、
    上記事後確率比較ステップによる比較結果に従って上記連鎖不平衡部位について上記ディプロタイプ型を決定すること、
    を特徴とする請求項5に記載のプログラム。
  7. 上記遺伝的異質性の検定は、
    2×mの分割表に対して最尤度比を用いたパーミュテーション検定を用いること、
    を特徴とする請求項5または6に記載のプログラム。
  8. 上記比較分析ステップは、
    上記SNP検定ステップによる検定結果により有意であったSNPを抽出する有意SNP抽出ステップと、
    上記連鎖不平衡部位検定ステップによる検定結果により有意であった上記ディプロタイプを構成するSNPを抽出する有意ディプロタイプ抽出ステップと、
    上記有意SNP抽出ステップによる抽出結果と上記有意ディプロタイプ抽出ステップによる抽出結果とを一覧形式で出力する一覧形式出力ステップと、
    をさらに含むことを特徴とする請求項5から7のいずれか一つに記載のプログラム。
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