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JP4362601B2 - 銅粉末の製造方法 - Google Patents
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JP4362601B2 - 銅粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主としてセラミックス基板の導電路や積層セラミックス部品の電極の形成等に用いられる焼成型導電性ペースト用の導電フィラーとして適し、金属ペーストの添加剤、触媒材料、フィルター用材料にも適した銅粉末の製造方法および銅粉末並びに当該銅粉末を用いた焼成型導電性ペーストに関するものである。
近年、セラミックス基板の導電路や積層セラミックス部品の電極の形成等に用いられる、焼成型導電性ペースト用の導電フィラーとして、銀粉末に替わり、銅粉末を使用することが一般的となっている(例えば、特許文献1参照)。
一方、エレクトロニクス技術の進歩に伴う部品の実装技術の進歩により、焼成型導電性ペーストも、電子部品の様々な部分で使用されるようになった。
この結果、焼成型導電性ペーストに要求される、焼成後の焼結密度等の焼成条件も多様化し、所望の焼成条件を有する焼成型導電性ペーストをオーダーメイド的に求められる場合が増加してきた。
ところが、所望の焼成条件を提示され、当該焼成条件を満足する焼成型導電性ペーストを迅速に調製しようとしても困難な場合が多い。これは、焼成型導電性ペーストが、導電フィラー、ガラスフリット、バインダー、分散剤や粘度調製剤、等の多様な成分を有し、さらに、これらの成分を調合するのに際し、調合比率、混合条件等、多くの要素があり、一つの製品を開発するためにはこれら多くの要因を調整しながら最適化を図る必要があるためである。
特開2002−245852号公報
本発明は上記の背景のもとに成されたものであり、要求される、焼成後の多様な焼結密度を発揮できる焼成型導電性ペーストを迅速に調製することを可能とし、併せて金属ペーストの添加剤、触媒材料、フィルター用材料にも適した銅粉末の製造方法、銅粉末、並びに当該銅粉末を用いた焼成型導電性ペーストを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明者らが研究をおこなった結果、当該焼成型導電性ペーストの主要成分であり導電フィラーの銅粉末のタップ密度を制御することができれば、導電フィラー、ガラスフリット、バインダー等の種類等を変更することなく、焼成時の脱バインダー特性を制御することができ、この結果として、焼成後の焼成密度を制御できることに想到した。
すなわち、課題を解決するための第1の手段は、平均粒径1〜10μmの銅微粉末を、還元性雰囲気下において、単独または焼結助剤の存在下で200〜550℃の温度範囲にて熱処理することを特徴とする銅粉末の製造方法である。
第2の手段は、前記熱処理後の銅粉末に、解砕と篩がけとの少なくとも一方を実施することを特徴する第1の手段に記載の銅粉末の製造方法である。
第3の手段は、前記熱処理を、水素雰囲気下で行うことを特徴とする第1または第2の手段に記載の銅粉末の製造方法である。
第4の手段は、前記焼結助剤は、表面にCuOを含む酸化膜を有する銅粉であることを特徴とする第1〜第3の手段のいずれかに記載の銅粉末の製造方法である。
第5の手段は、平均粒径1〜10μmの銅微粉末の表面の一部分が互いに結合した凝集体を含み、そのタップ密度が2〜5g/cmであることを特徴とする銅粉末である。
第6の手段は、銅および酸素以外の不純物濃度が、0.2wt%以下であることを特徴とする第5の手段に記載の銅粉末である。
第7の手段は、第5または第6の手段に記載の銅粉末を含有することを特徴とする焼成型導電性ペーストである。
第1の手段によれば、平均粒径1〜10μmの銅微粉末を200〜550℃の温度範囲にて熱処理し、その表面の一部分を互いに結合させて当該銅微粉末の凝集体とすることで、当該凝集体を構成粒子とし、所望のタップ密度を有する銅粉末を製造することができる。
第2の手段によれば、解砕と篩がけとの少なくとも一方により、銅微粉末の凝集が進みすぎた銅粉末を解砕または除去できるので、銅粉末の性状を均一化することができる。
第3の手段によれば、前記熱処理を、水素雰囲気下において行うことで、処理コストの低減、処理結果の安定性を得ることができる。
第4の手段によれば、焼結助剤として、表面にCuOを含む酸化膜を有する銅粉を用いることで、銅粉末中の不純物を増加させることなく銅微粉末の凝集状態を制御できる。
第5の手段によれば、平均粒径1〜10μmの銅微粉末の表面の一部分が互いに結合した凝集体を含み、そのタップ密度が2〜5g/cmであることを特徴とする銅粉末から、所望のタップ密度を有する銅粉末を選択できるので、当該選択された所望のタップ密度を有する銅粉末と、ガラスフリット、バインダー、分散剤、粘度調製剤等とを、混合して焼成型導電性ペーストを調製する際、これらガラスフリット、バインダー、分散剤、粘度調製剤、等の成分は殆ど固定したまま、前記銅粉末のタップ密度を選択することにより、焼成後に所望の焼成密度を発揮する導電性ペーストを容易に短期間で調製できるとともに、当該銅粉末は、抵抗ペーストや静電遮蔽ペーストなどの金属ペーストへの添加剤として、あるいは触媒材料やフィルター用材料としても好個に使用できる。
第6の手段によれば、本発明に係る銅粉末は、銅および酸素以外の不純物濃度が、0.2wt%以下である銅粉末であるため、電気的特性に優れ、品質の安定性にも優れた焼成型導電性ペースト等を調製することができる。
第7の手段による当該焼成型導電性ペーストは、電子部品の様々な部分で使用することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、本発明に係る銅粉末について説明する。(以下、平均粒径1〜10μmの範囲から選択される銅微粉末を銅微粉末元粉と記載する場合がある。)
本発明に係る銅粉末は、平均粒径1〜10μmの範囲から選択される、ほぼ均一な粒径を有する銅微粉末元粉、または広範囲な粒径分布を有する銅微粉末元粉を熱処理し、当該銅微粉末元粉の表面の一部分を互いに結合させて凝集状態とし、当該凝集状態となった銅微粉末元粉を構成粒子とする銅粉末である。
ここで、銅微粉末元粉には、例えば、含銅塩水溶液を還元して銅微粉末を得る湿式法により製造された球状の銅粉(以下、湿式球状粉と記載する場合がある。)等が好個に用いられ、当該製造条件の制御により、湿式球状粉の粒径を所定のものに制御することができる。また、市販の球状の銅粉を用いることもできる。
銅微粉末元粉は、平均粒径が1μmよりも大きいと単分散性が良くなるためタップ密度の制御範囲が広くなり、一方、平均粒径が10μm以下であれば焼結が生ずる温度がバルクの銅の融点から離れるため、銅粉末におけるタップ密度以外の他の特性値が変化する恐れが少なくなり適切となる。したがって、銅微粉末元粉として選択される粒径は1〜10μmの範囲が好ましく、より好ましくは3〜7μmの範囲である。当該範囲内であれば、ほぼ均一な粒径を有する銅微粉末元粉であっても良いし、広範囲な粒径分布を有する銅微粉末元粉であっても良い。但し、ほぼ均一な粒径を有する銅微粉末元粉を用いた場合の方が、製造される銅粉末のタップ密度の制御範囲が広くなる。
銅微粉末元粉の表面の一部分が互いに結合した凝集状態とは、前記銅微粉末元粉が有する、粒子形状、BET特性、酸素濃度特性、炭素を代表とする不純物濃度特性、熱収縮特性が、実質的に保たれたまま凝集体となり、本発明に係る銅粉末の構成粒子となっていることをいう。この結果、本発明に係る銅粉末は、前記銅微粉末元粉の形状、BET特性、不純物濃度、等を実質的に維持したままタップ密度が制御された銅粉末となっている。そして、銅微粉末元粉の凝集状態を制御することで、当該銅粉末のタップ密度を前記銅微粉末元粉が有するタップ密度の0.98〜0.50倍の範囲、即ち、タップ密度で2〜5g/cmの範囲で制御することができた。
尚、本発明において、タップ密度はJIS Z 2504に準拠して測定したものであり、単位はg/cmである。
たとえば、所定の平均粒径を有する銅微粉末元粉として平均粒径が3μm(タップ密度4.35)の銅微粉末元粉を用い、タップ密度を銅微粉末元粉の0.98〜0.50倍の範囲で制御して、各種のタップ密度を有する銅粉末を製造したとき、各々の銅粉末を構成する銅微粉末元粉の形状はほとんど変化しなかった。この場合例えば、BET特性は0.39から0.33とほとんど変化せず、酸素濃度特性は0.09wt%から0.12wt%とほとんど変化せず、炭素濃度特性は0.11wt%から0.07wt%とほとんど変化せず、熱収縮特性を示す収縮開始温度も750±10℃から750±10℃とほとんど変化しなかった。さらに、各々の銅粉末において、銅および酸素以外の不純物濃度の総量(炭素を含む。)は0.2wt%以下であった。
次に、本発明に係る銅粉末の製造方法の一例について説明する。
本発明に係る銅粉末の製造方法は、銅微粉末元粉を還元性雰囲気中、単独で、または焼結助剤の存在下で銅微粉末元粉の表面の一部分が焼結する条件熱処理を実施し、当該銅微粉末元粉の表面の一部分を互いに結合させて凝集状態とし、当該凝集状態となった銅微粉末元粉を構成粒子とする銅粉末を得る。そして、好ましくは、この得られた銅粉末に解砕と篩がけの少なくとも一方を実施して銅粉末を製造するものである。
以下、銅微粉末元粉として平均粒径3μmのものを用いた場合を例として説明する。
まず、平均粒径3μmの銅微粉末元粉は、上述した湿式法により公知の条件で湿式球状粉を製造しても良いし、市販されている純度3N以上の球状銅粉を用いても良い。
次に、銅微粉末元粉への熱処理の保持温度および保持時間は、銅微粉末元粉の相互間の焼結の程度を左右し、銅微粉末元粉の凝集の度合いに影響を与えて、製造される銅粉末のタップ密度を変化させる要因である。つまり、この熱処理の保持温度は、190℃では銅微粉末元粉にほとんど焼結が生ぜず、また600℃以下であれば、加熱されることによる銅微粉末元粉の表面状態の変化を無視することができる。したがって、熱処理の保持温度は、200〜550℃の範囲が好ましく、より好ましくは240〜520℃の範囲である。保持時間は、2時間〜5時間が好ましい。熱処理時の雰囲気は、還元性雰囲気であれば良いが水素雰囲気とすることで、処理コストの低減、処理結果の安定性を得ることができ好ましい。
同様に、銅微粉末元粉への熱処理において、焼結助剤の添加もまた、銅微粉末元粉の凝集の度合いに影響を及ぼす要因である。この焼結助剤は、銅微粉末元粉同士よりも焼結しやすいもの、また逆に焼結しにくいものである。この焼結助剤に接する銅微粉末元粉の焼結が、選択的に促進されたり阻害されたりすることになるため、焼結助剤の種類や混合比率を変更することで、銅微粉末元粉の凝集の程度が精密に変更されて、製造される銅粉末のタップ密度を精密に制御できる。
この焼結助剤として、表面が強制酸化され、酸化銅(CuO)の膜に覆われた銅粉(以下、酸化膜銅粉と記載する。)が好個に使用できる。即ち、焼結助剤として、酸化膜銅粉の様な銅酸化物を用いることで、銅微粉末元粉への熱処理において焼結助剤が存在しても、製造された銅粉末中へ、銅、酸素以外の望まれない不純物が混入することを抑制できる。酸化膜銅粉の添加により銅微粉末元粉の凝集状態はより精度よく制御可能となり、所望のタップ密度を有する銅粉末が製造される。
この酸化膜銅粉を用いることなく、熱処理の保持温度および保持時間の制御で、銅粉末のタップ密度を制御しても良いが、酸化膜銅粉を用いることで、用いない場合よりタップ密度の制御をより精密におこなえるようになる。銅微粉末元粉に対する添加量としては、銅微粉末元粉重量/酸化膜銅粉重量=19/1の添加から効果があり、生産コストの観点からは、銅微粉末元粉重量/酸化膜銅粉重量=10/10程度までの添加が好ましい。
尚、当該酸化膜銅粉としては、上述の銅微粉末元粉と同程度、或いはそれ以下の粒径を有する市販の純度3N以上の湿式球状粉を、大気中にて攪拌しながら150℃前後の温度で加熱することで製造することができる。尚、処理温度と処理時間とを制御することで、当該酸化膜銅粉に含まれる酸素の量が調節可能である。
熱処理後に銅粉末の解砕や篩がけをおこない、凝集の進みすぎた銅粉末元粉の凝集体を、解砕、除去することも品質管理上の観点から好ましい構成である。本発明者らの知見によれば、銅粉末の製造方法における、これら解砕または篩がけは、銅微粉末元粉の有する前記諸特性に与える影響を無視できるものであった。
以上説明した製造方法により、平均粒径が3μm(タップ密度4.35)の銅微粉末元粉より、前記銅粉末元粉のタップ密度の0.5〜0.98倍、即ち、タップ密度2.1〜4.3の値を有する各種の銅粉末が調製できた。
以上の説明においては、銅微粉末元粉として平均粒径が3μmのものを原料とした場合を例として説明したが、同様に、平均粒径7μm(タップ密度が4.88)の銅微粉末元粉を使用した場合は、前記銅微粉末元粉のタップ密度の0.5〜0.98倍、即ち、タップ密度2.4〜4.8の値を有する各種の銅粉末が調製できた。
以下同様に、平均粒径が1から10μmの範囲にある銅微粉末元粉を用い、当該範囲内であれば、ほぼ均一な粒径を有する銅微粉末元粉や、広範囲な粒径分布を有する銅微粉末元粉を用いて、タップ密度2〜5g/cmの範囲の値を有する各種の銅粉末が調製できた。
この結果、タップ密度2〜5g/cmの値を有する各種の銅粉末から所望のタップ密度を有する銅粉末を選択し、例えば、焼成型導電性ペーストの導電フィラーとして用いた場合、焼成特性が異なる多様な導電性ペーストを調製できるようになった。
ここで、本発明に係る銅粉末を用いることで、焼成後に所望の焼成密度を発揮する導電性ペーストを調製できる理由について説明する。
焼成型導電性ペーストの焼成特性には様々な要因が影響するが、具体的にはペーストの組成、ペーストの調整条件、ペーストの焼成条件の三つが主なものである。さらに、ペースト組成としては、ペーストを構成する導電フィラー、ガラスフリット、バインダー、分散剤や粘度調製剤などの添加剤の選択とその混合比率、調整条件としては、ペースト製造の際の混練と脱泡の方法と条件、焼成条件としては、ペースト塗布後の乾燥、脱バインダー、焼成の工程を含む時間−温度条件と酸素濃度の管理などである。一つの製品を開発するためにはこれら多くの要因を調整しながら最適化を図る必要がある。
例えば、当該焼成型導電性ペーストの熱収縮特性や流動性を変化させるために、導電フィラーのタップ密度を変えようとすると、当該導電フィラーの粒径や形状、さらには不純物濃度まで変化してしまうため、上述の多くの要因を再度調製する必要が生じていたのである。さらに、導電フィラーに不純物として含まれる炭素濃度が、0.2wt%を超えた場合、当該焼成型導電性ペーストの焼結特性に不具合が発生する可能性もある。
そこで、当該導電フィラーとして、本発明に係る、平均粒径1〜10μmの銅微粉末元粉の表面の一部分が互いに結合した凝集体を含み、そのタップ密度が2〜5g/cmである銅粉末から、所望のタップ密度を有する銅粉末を選択して用いれば、当該銅粉末を構成する銅微粉末元粉の形状、BET特性、不純物濃度、等を実質的に維持したままタップ密度だけを変えられるので、上述の多くの要因を再度調製することなく、所望のタップ密度を有する導電フィラーを含む焼成型導電性ペーストを、容易、迅速に調製できるようになった。そして、当該焼成型導電性ペーストは、焼成時に各々異なる脱バインダー特性を現し、焼成後には、各々異なる所望の焼成密度を発揮する。これらのデータから、最適な導電フィラーのタップ密度を求めれば、当該タップ密度を有する銅粉末を調製するだけで、容易、迅速に、求められる焼成型導電性ペーストを調製できるようになった。
以下、図面を参照しながら各実施例を用い本発明を具体的に説明する。
ここで、図1は、本発明にかかる銅粉末の製造方法が適用された各実施例における製造条件とタップ密度との関係を、比較例とともに示す図表であり、
図2は、各実施例における熱処理の保持温度とタップ密度との関係を示し、(A)がその関係を示す図表、(B)がその関係を示すグラフであり、
図3は、各実施例における焼結助剤の混合比率(含有比率)とタップ密度との関係を示し、(A)がその関係を示す図表、(B)がその関係を示すグラフであり、
図4は、各実施例における焼結助剤としての酸化膜銅粉の酸素濃度とタップ密度との関係を示し、(A)がその関係を示す図表、(B)がその関係を示すグラフである。
これらの各実施例および比較例においては、磁製皿に単分散の銅微粉末元粉を、できるだけ均等な厚みになるように20g程度入れ、雰囲気炉に入れて、一旦真空排気した後に1気圧の水素で置換し、10リットル/分で水素ガスを流しながら、所定の熱処理プログラムによる熱処理を実施する。その後、雰囲気を窒素置換しながら自然冷却した後にサンプルを取り出し、乳鉢を用いた解砕処理と、目開き50μmの篩を用いた篩がけを実施して凝集状態の銅粉末を製造し、その特性値を評価した。
前記製造過程において、焼結助剤を用いる場合には、予め篩がけを行った所定量の銅微粉末元粉と、良好に分散させた焼結助剤とを適当な容器に入れ、振とうにより均一になるまで混合を行う。得られた銅微粉末元粉と焼結助剤との混合物を磁製皿に入れ、前述と同様な熱処理および解砕などを実施して凝集状態の銅粉末を製造し、その特性値を評価した。その際、分散性の低い焼結助剤については、この焼結助剤と銅微粉末元粉の一部とを予め乳鉢で混合する前処理を追加した。
(実施例1)公知の湿式法にて製造した、タップ密度が4.35g/cmで平均粒径3μmの球状単分散銅微粉末20gを磁製皿に取り分け、水素雰囲気中1時間で240℃まで昇温し、その温度を5時間保持する条件で熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は4.25g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例2)熱処理の保持温度が300℃であることを除き、実施例1と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.51g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例3)熱処理の保持温度が340℃であることを除き、実施例1と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.27g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例4)熱処理の保持温度が400℃で、4時間保持したことを除き、実施例1と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は2.95g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(比較例1)熱処理の保持温度が190℃であることを除き、実施例1と全く同一条件の熱処理をおこなった。焼結は見られず、解砕・篩がけ後のタップ密度は元粉と殆ど変わらぬ4.36g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(比較例2)熱処理の保持温度が560℃、1時間保持であることを除き、実施例1と全く同一条件の熱処理をおこなった。銅微粉末同士は激しく焼結しており、解砕・篩がけをおこなうことが出来なかった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
上述の実施例1〜4および比較例1および2は、図2(A)にも示すように、焼結助剤を使用せず、熱処理の保持温度および保持時間を変化させて、製造される凝集状態の銅粉末のタップ密度を制御したものである。この場合には、図2(B)に示すように、熱処理保持温度を200〜550℃の範囲で上昇させることで、製造される銅粉末のタップ密度を低下させる制御をおこなうことができる。
(実施例5)図1に示すように、湿式法にて製造した、タップ密度が4.35g/cmで平均粒径3μmの球状単分散銅微粉末19gと、この球状銅微粉末の表面を酸素濃度5.2wt%まで酸化させた焼結助剤としての酸化膜銅粉1gとを充分均一になるように混合・分散させ(焼結助剤の含有比率5wt%)、これを磁製皿に取り分け、水素雰囲気中1時間で240℃まで昇温し、その温度を5時間保持する条件で熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.88g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例6)銅微粉末と酸化膜銅粉の混合比率が18g:2gであること(焼結助剤の含有比率10wt%)を除き、実施例5と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.80g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例7)銅微粉末と酸化膜銅粉の混合比率が16g:4gであること(焼結助剤の含有比率20wt%)を除き、実施例5と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.66g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例8)銅微粉末と酸化膜銅粉の混合比率が10g:10gであること(焼結助剤の含有比率50wt%)を除き、実施例5と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.56g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例9)銅微粉末の20gすべてが酸化膜銅粉であること(焼結助剤の含有比率100wt%)を除き、実施例5と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.19g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
上述の実施例5〜9は、図3(A)にも示すように、熱処理の保持温度および保持時間を一定としつつ、銅微粉末元粉に対する同一種類の焼結助剤の混合比率(含有比率wt%)を変更して、製造される凝集状態の銅粉末のタップ密度を制御するものである。この場合には、図3(B)に示すように、焼結助剤の混合比率を上昇させることで、製造される銅粉末のタップ密度を低下させる制御をおこなうことができる。
(実施例10)図1に示すように、湿式法にて製造した、タップ密度が4.35g/cmで平均均粒径3μmの球状単分散銅微粉末19gと、この球状銅微粉末の表面を酸素濃度0.61wt%まで酸化させた焼結助剤としての酸化膜銅粉1gとを充分均一になるように混合・分散させ、これを磁製皿に取り分け、水素雰囲気中1時間で300℃まで昇温し、その温度を5時間保持する条件で熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.35g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例11)使用した酸化膜銅粉の酸素濃度が0.75wt%であることを除き、実施例10と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.44g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例12)使用した酸化膜銅粉の酸素濃度が1.2wt%であることを除き、実施例10と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.38g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例13)使用した酸化膜銅粉が、平均粒径1μmの球状単分散銅微粉末を酸素濃度が3.0wt%まで酸化させた酸化膜銅粉であることを除き、実施例10と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.27g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例14)再現性を調べるために実施例2と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.56g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例15)再現性を調べるために実施例13と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.34g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.11wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
上述の実施例10〜15は、図4(A)にも示すように、熱処理の保持温度および保持時間を一定としつつ、主に、酸化膜銅粉の酸素濃度を変更することで焼結助剤の種類を変更して、製造される凝集状態の銅粉末のタップ密度を制御するものである。この場合には、図4(B)に示すように、焼結助剤としての酸化膜銅粉の酸素濃度を上昇させることで、製造される銅粉末のタップ密度を低下させる制御をおこなうことができる。
(実施例16)図1に示すように、湿式法にて製造した、タップ密度が4.88g/cmで平均粒径7μmの球状単分散銅微粉末19gと、実施例11で使用したと同一の、酸素濃度0.75wt%の酸化膜銅粉1gとを充分均一になるように混合・分散させ、これを磁製皿に取り分け、水素雰囲気中1時間で340℃まで昇温し、その温度を5時間保持する条件で熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.69g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.09wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例17)熱処理の保持温度が400℃、4時間保持であることを除き、実施例16と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は3.65g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.09wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
(実施例18)熱処理の保持温度が500℃、2時間保持であることを除き、実施例16と全く同一条件の熱処理をおこなった。解砕・篩がけ後のタップ密度は2.46g/cmであった。また、不純物としての炭素の濃度は0.09wt%であり、銅および酸素以外の不純物(炭素およびその他の不純物)濃度は、0.2wt%以下であった。
これらの実施例16〜18は、銅微粉末元粉の平均粒子径を7μmとし、同一種類の焼結助剤を使用し、熱処理の保持温度と保持時間をともに変更して、製造される銅粉末のタップ密度を制御するものである。この場合には、熱処理の保持温度を上昇させ、これに応じて保持時間を減少させることで、製造される銅粉末のタップ密度を低下させる制御をおこなうことができる。
尚、各実施例においては、磁製皿に銅微粉末元粉等のサンプルを20g取り分けるものを述べたが、この磁製皿よりも大きく、且つ不純物混入の恐れがない耐熱容器を前記磁製皿の代わりに使用し、また、ミキサーや解砕機、振動篩などの自動機器を使用することで、銅粉末を工業的規模で生産することが可能である。
この銅微粉末は導電性ペーストの他、抵抗ペーストや静電遮蔽ペーストなどの他の金属ペーストへの添加剤として、あるいは触媒材料やフィルター用材料としても使用可能である。
本発明にかかる銅粉末の製造方法が適用された各実施例における製造条件とタップ密度、不純物濃度との関係を、比較例とともに示す図表である。 熱処理の保持温度とタップ密度との関係を示し、(A)がその関係を示す図表、(B)がその関係を示すグラフである。 焼結助剤の混合比率(含有比率)とタップ密度との関係を示し、(A)がその関係を示す図表、(B)がその関係を示すグラフである。 焼結助剤としての酸化膜銅粉の酸素濃度とタップ密度との関係を示し、(A)がその関係を示す図表、(B)がその関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 平均粒径1〜10μmの銅微粉末を、還元性雰囲気下において、表面にCuOを含む酸
    化膜を有する銅粉である焼結助剤の存在下で200〜550℃の温度範囲にて熱処理することを特徴とする銅粉末の製造方法。
  2. 前記熱処理後の銅粉末に、解砕と篩がけとの少なくとも一方を実施することを特徴する請求項1に記載の銅粉末の製造方法。
  3. 前記熱処理を、水素雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1または2に記載の銅粉末の製造方法。
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