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JP4362682B2 - 面発光型半導体レーザおよびその製造方法ならびにその製造装置 - Google Patents
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面発光型半導体レーザおよびその製造方法ならびにその製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報処理や光通信用の光源、または光記録装置や画像形成装置の光源として用いられる面発光型半導体レーザおよびその製造方法並びにその製造装置に関する。特に、電流狭窄部の選択酸化領域によって包囲される開口(アパーチャー)を精度良く再現することが可能な面発光型半導体レーザの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信や光インターコネクション等の技術分野において、光源のアレイ化が容易な垂直共振型面発光型半導体レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser、以下「面発光レーザ」という)への需要が高まっている。
【0003】
面発光レーザのタイプは、利得導波構造を有するプロトン注入型と、屈折率導波構造を有する選択酸化型との2つに大別されるが、現在では後者が主流になりつつある。選択酸化型の半導体レーザは、一般にメサ構造のレーザ素子部を有し、メサ構造の活性領域近傍にAlAs層あるいはAlGaAs層の一部が選択酸化された電流狭窄層が形成され、この電流狭窄層によって抵抗率を高めると共に屈折率を低下させ、光導波路を形成している。
【0004】
選択酸化型の面発光レーザにおいて、電流狭窄層の開口(アパーチャー)あるいは選択酸化領域よって囲まれた未酸化領域の寸法精度は、レーザの動作特性上非常に重要である。これはレーザのしきい値電流やレーザの発振横モードが開口の径に大きく左右されるためである。
【0005】
こうした問題を解決するために本出願人は、特許文献1において、同一基板上にメサ型のレーザ素子部と同一組成の直線状のストライプパターンを形成し、これをモニター用サンプルに用い、酸化工程中にモニター用サンプルの酸化反応の進行度合いを追跡することでレーザ素子部の電流狭窄層の酸化反応を制御する発明を開示している。この発明は、モニター用サンプルのAlAs層が酸化されるにつれてその反射率が高くなることを利用するもので、そのためにストライプ状のモニター用サンプルに光を照射し、その反射率の変化を監視する。
【0006】
図13はストライプ状のモニター用サンプルを照射する光とその反射率の関係を示し図であり、図14は従来のモニター用サンプルを用いたときの酸化制御方法を示す図である。図13に示す照射光から選択された波長の光を取り出し、その反射光をモニターする。図14に示すように、サンプルのAlAs層の酸化が開始されたとき(時刻t1)、その反射率がr1であり、サンプルの酸化が終了されたとき(時刻t2)、その反射率がr2となる。この時刻t1とt2における反射率またはその間の反射率の変化を検出し、この検出結果を利用して電流狭窄層の酸化時間を制御していた。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−93897号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に示された従来の酸化制御方法には次のような課題がある。モニター用サンプルは、レーザ素子部のメサの径(円柱状であればその外径)よりも小さい幅で、かつ一定の周期で基板上にストライプ状のパターンに配置される。これらモニター用サンプルは、レーザ素子部のメサの形成と同時に異方性エッチングにより形成されるが、エッチングの精度によりそれぞれのモニター用サンプルの線幅にバラツキが生じたり、あるいはモニター用サンプルの側壁(ストライプ端部)が必ずしも垂直とならずある程度傾斜されてしまう。こうしたサンプルを用いてそれらの両端部から酸化が開始されると、端部の傾斜が原因で光の回折等が生じ、その影響で反射率r1の変化点を精度良く測定することができない場合がある。図15は実際にモニター用サンプルを用いたときの酸化時間と反射率の関係を示す図であるが、同図に示すように酸化が開始された時刻(図中、破線の円)がその反射率の変化から精度良く判別することが難しい。さらにサンプルの線幅もバラツキがあるため、ストライプパターンから得られる平均反射率r1もぶれてしまい、その結果、反射率r1の測定や酸化開始時点t1の検出を困難にする場合がある。
【0009】
モニター用サンプルによる酸化状態の追跡に誤差が含まれてしまうと、酸化反応を終了させたときに電流狭窄部の開口を設計値通りに再現させることが難しく、これにより製造歩留まりを改善したり、あるいは、低コストの面発光レーザを提供することが容易でなくなる可能性がある。さらに、電流狭窄層の酸化工程後に、絶縁膜の形成や金属電極の形成のためにフォトリソ工程が行われるが、この工程においてレジストの膜厚が基板上に均一に塗布されない惧れがある。これは、回転された基板上にレジストを滴下したとき、上記ストライプパターンによってレジストの移動が抑制され、レジストが基板中心から端部に向けて円滑に移動できず、その結果としてレジストの膜厚の均一性が損なわれる可能性がある。そうすると、金属電極に形成される出射窓の精度が劣化し、出射窓と電流狭窄層の開口との整合性やレーザ素子部の光軸との整合性に悪影響を及ぼすことも考えられる。
【0010】
本発明の目的は、上記従来の技術の課題を解決し、Alを含むIII−V族半導体層の酸化反応を精度良く制御することが可能な面発光型半導体レーザの製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明の目的は、モニター用半導体層の酸化反応を監視し、電流狭窄層の開口を精度良く再現することが可能な面発光型半導体レーザの製造方法を提供する。
さらに本発明の目的は、低コストで製造歩留まりを改善することが可能な面発光型半導体レーザを製造するための製造装置を提供する。
さらに本発明の目的は、電流狭窄層の開口精度が優れた面発光型半導体レーザを提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載されたメサ構造のレーザ素子部を備えた面発光型半導体レーザの製造方法は、以下のステップを有する。第1導電型の第1の反射ミラー層、前記第1の反射ミラー層上の活性領域、Alを含むIII−V族半導体層、および前記活性領域上に第2導電型の第2の反射ミラー層を含む複数の半導体層と、異なる形状の酸化可能領域を含む少なくとも2種類のモニター用半導体層とを基板上に形成するステップと、前記基板上の半導体層をエッチングし、前記Alを含むIII−V族半導体層の側面が露出されるように前記基板上にレーザ素子部用のメサ構造を形成するステップと、前記Alを含むIII−V族半導体層を前記メサ構造の側面より酸化を開始させるステップと、前記少なくとも2種類のモニター用半導体層に含まれる前記異なるサイズの酸化可能領域の反射率または反射率の変化を監視し、その監視結果から前記レーザ素子部のAlを含むIII−V族半導体層の酸化を終了させるべき酸化終了時刻を求めるステップと、前記酸化終了時刻のときに前記Alを含むIII−V族半導体層の酸化を停止させ、前記Alを含むIII−V族半導体層に未酸化領域である開口を形成するステップとを含み、第2のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域が全て酸化された時刻をT1、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域が全て酸化された時刻をT2としたとき、T1<T2の関係にあり、前記第2および第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域の反射率または反射率の変化の監視結果から時刻T1およびT2を求め、時刻T1、T2から前記第1のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻を求める。
【0012】
酸化可能領域が異なる2種類のモニター用半導体層を用いることにより、それらの酸化反応が終了する変化点を精度よく測定することが可能となる。これによってモニター用半導体層の酸化時間と酸化距離に関する情報を得ることができるので、これらの情報を基づきレーザ素子部のAlを含むIII−V族半導体層に形成されるべき開口に対応する酸化終了時刻を求めることができ、再現性の高いプロセスにより高精度の開口を形成することができる。さらに本発明は、従来のようにモニター用半導体層の酸化開始時点を検出するものではないため、モニター用半導体層の形状等に伴う測定誤差や測定バラツキを極力回避することができる。
【0013】
好ましくは、少なくとも2種類のモニター用半導体層の酸化可能な領域の幅は、前記レーザ素子部のAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域の径よりも小さく、前記少なくとも2種類のモニター用半導体層の酸化可能領域がすべて酸化されたときの反射率の変化から前記モニター用半導体層の前記酸化可能領域の酸化速度を求め、この酸化速度から前記レーザ素子部の前記未酸化領域である開口を形成すべき時刻を算出するようにしても良い。モニター用半導体層の酸化終了時点における反射率または反射率の変化は顕著に現れるためであるため、その酸化速度の検出精度も向上され、その結果、酸化終了時刻も誤差の少ないものとすることができる。
【0014】
好ましくは、少なくとも2種類のモニター用半導体層はそれぞれW1、W2(W1<W2)の幅の酸化可能領域を有し、幅W1、W2は前記レーザ素子部のAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域の径Dよりも小さく、前記少なくとも2種類のモニター用半導体層の酸化可能領域がすべて酸化されたときの時刻T1、T2と前記幅W1、W2の関係から前記レーザ素子部の前記未酸化領域である開口を形成すべき時刻を算出するようにしても良い。少なくとも、モニター用半導体層から酸化時間と酸化距離の関係がわかるので、未酸化領域である開口に到達するまでの時刻を外挿により求めることができる。
【0015】
好ましくは、少なくとも2種類のモニター用半導体層は、前記レーザ素子部用のメサ構造と同時にエッチングにより形成されるモニター用のメサ構造を有し、前記モニター用のメサ構造は、前記レーザ素子部用のメサ構造と同一の層構造を有する。半導体の層構造が同一であれば、モニター用の半導体層の酸化速度はレーザ素子部の酸化速度を反映するので、事実上、レーザ素子用の酸化進行状況を直接監視していることと変らない。よって、Alを含むIII−V族半導体層の酸化反応を高精度に制御することができる。
【0016】
好ましくは、少なくとも2種類のモニター用半導体層を一組とするストライプパターンが所定の周期で複数組基板上に配置される。多数の半導体層をモニターすることで、各半導体層の形状のバラツキや酸化距離のバラツキを平均化し、信頼性のある酸化状態の監視を行うことが可能である。
【0017】
例えば、レーザ素子部のメサ構造は柱状である。柱状は、円柱状でも角柱状であっても良い。例えば、Alを含むIII−V族半導体層はAlAs層またはAlGaAs層である。
【0018】
請求項7に記載のAlを含むIII−V族半導体層の一部を選択酸化した電流狭窄部を有する面発光型半導体レーザの製造方法は、以下のステップを有する。基板上にAlを含むIII−V族半導体層を含む複数の半導体層を形成するステップ、前記基板上にサイズの異なる第1、第2、第3のメサを形成し、前記第1、第2、第3のAlを含むIII−V族半導体層の側面を露出させるステップ、前記基板を酸化雰囲気に晒し、第1、第2、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層をその側面から酸化させるステップ、前記第2、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化状態を光学的に監視し、第2、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻およびそのサイズから前記第1のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻を求めるステップ、前記酸化終了時刻に前記第1のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化を停止させ、前記第1のメサに未酸化領域の開口を含む前記電流狭窄部を形成するステップとを含み、第2のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域が全て酸化された時刻をT1、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域が全て酸化された時刻をT2としたとき、T1<T2の関係にあり、前記第2および第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域の反射率または反射率の変化の監視結果から時刻T1およびT2を求め、時刻T1、T2から前記第1のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻を求める。
【0019】
好ましくは第1のメサは柱状であり、前記未酸化領域の開口の径はおおよそ3ミクロンである。上記プロセスにより酸化終了時刻を精度良く求めることができれば、開口径を3ミクロン程度にまですることが可能となり、それによってレーザを単一モードで発振させることも可能となる。
【0020】
請求項12に記載の面発光型半導体レーザの製造方法は、以下のステップを有する。基板のほぼ中心付近から周辺に向けて放射状に延びるストライプ状のパターンを形成する複数のモニター用半導体層と、前記モニター用半導体層の周辺に配されるレーザ素子用半導体層とを前記基板上に形成するステップと、前記レーザ素子用半導体層の一部に選択酸化領域を形成するときに前記複数のモニター用半導体層の酸化状態を監視し、前記選択酸化領域の酸化を制御するステップとを有する。モニター用半導体層が中心から放射状に延びるものであるため、例えばレジストをスピンコートする場合であっても、ストライプパターンがレジストの移動を抑止することが制限されるため、基板上に均一化されたレジストを塗布することができる。
【0021】
好ましくは、放射状のストライプパターンは、前記基板の中心において回転対称となるように配置される。あるいは、基板の中心に関して点対称であっても良い。さらに、前記放射状に延びるストライプ状のパターンは、所定の中心角で複数組に分割され、各組が直線状ストライプパターンをそれぞれ含むものであっても良い。この場合、複数組の内の隣接する組の各直線状ストライプパターンの成す角度が45度であることが望ましい。例えば、放射状のストライプパターンは、基板の中心に関して8分割され(このとき、分割された部分の中心角は45度であり、それぞれの中心角は均等である)、分割された部分には複数の直線状のストライプパターンが含まれる。ストライプパターンは、1種類の形状のモニター用半導体層から構成されることも可能であるし、あるいは2種類の形状のモニター用半導体層を一組とし、これを複数組配列したストライプパターンであっても良い。
【0022】
好ましくは、メサ型のレーザ素子部を備えた面発光型半導体レーザは、基板と、前記基板上に形成された複数の半導体層であって、前記複数の半導体層は第1導電型の第1の反射鏡、前記第1の反射鏡上の活性領域、一部に酸化領域を含む少なくとも一つの電流狭窄層、および前記活性領域上に第2導電型の第2の反射鏡を含む、前記複数の半導体層とを有する。前記メサ構造は少なくとも前記第2の反射鏡から前記電流狭窄層まで延び、前記電流狭窄層の酸化領域は、形状の異なる少なくとも2種類のモニター用半導体層に含まれる酸化可能領域の酸化終了時点を検出することにより算出された酸化終了時刻に従い形成される。
【0023】
このような面発光型半導体レーザによれば、電流狭窄層の酸化領域の寸法精度が高く、従って、電流狭窄層による電流の狭窄および光閉じ込めが効率よく行われ、設計通りの安定的な動作を期待することができる。
【0024】
請求項20に記載のAlを含むIII−V族半導体層の一部を選択酸化した電流狭窄部を有する面発光型半導体レーザを製造するための装置は以下の構成を有する。Alを含むIII−V族半導体層の側面が露出されたレーザ素子用のメサと、Alを含むIII−V族半導体層の側面が露出された形状の異なる少なくとも2種類のモニター用のメサとを含む基板を酸化処理するとき、前記モニター用のメサを含む領域に光を照射する照射手段と、前記モニター用のメサからの反射光を受取り、該反射光を電気信号に変換する光電変換手段と、前記光電変換手段から出力される電気信号に基づき前記少なくとも2種類のモニター用のメサの一方のメサのAlを含むIII−V族半導体層がすべて酸化された時点T1と他方のメサのAlを含むIII−V族半導体層がすべて酸化された時点T2(T1<T2)をそれぞれ検出し、この検出された時刻T1およびT2から前記レーザ素子用のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻を推定する酸化終了時刻推定手段と、前記酸化終了時刻推定手段により求められた酸化終了時刻に従い前記基板の酸化処理を停止させ、前記レーザ素子用のメサに前記電流狭窄部を形成させる酸化制御手段とを有する。
【0025】
このような製造装置を用いることで、面発光型半導体レーザのAlを含むIII−V族半導体層の酸化領域を制御し、高い寸法精度の酸化領域を再現性良く製造することが可能となり、面発光型半導体レーザの歩留まりを向上させ、コストを低減させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1(a)は本発明に係る面発光レーザの断面図であり、同図(b)はその平面図である。本実施の形態に係る面発光レーザ100は、円柱状のメサ構造(あるいはポスト構造、ピラー構造)から成るレーザ素子部101を備えた選択酸化型の面発光型半導体レーザである。
【0027】
同図に示す面発光レーザ100において、レーザ素子部(あるいはメサ構造)101上に着膜される保護膜や金属コンタクト層に接続されるボンディングパッド領域等を省略している。
【0028】
1はn型のGaAs基板、2は基板上に形成されたn型のバッファ層、3はn型の下部DBR(Distributed Bragg Reflector:分布ブラック型反射鏡)である。下部DBR上3に、アンドープの下部スペーサ層4、アンドープの量子井戸活性層5、及びアンドープの上部スペーサ層6とを含む活性領域7が形成される。活性領域7上にはp型の上部DBR8とp型のコンタクト層9が順次積層される。上部DBR8の最下層には、p型のAlAs層10が挿入され、AlAs層10は酸化領域によって囲まれた円形状の開口21を有し、これによって光閉じ込めおよび電流狭窄を行う。
【0029】
上部DBR8上にはコンタクト層9が形成される。メサ構造の底面、側面および頂部の一部は層間絶縁膜12によって覆われている。層間絶縁膜12上には金属層13が形成され、金属層13はコンタクト層9にオーミック接続され、レーザ素子部に電流を注入するためのp側電極として機能する。14は基板1の裏面に形成されたn側の裏面電極である。金属層13の中央には、円形状の開口が形成され、この開口はレーザ光の出射窓11として機能する。出射窓11の中心は電流狭窄層10の開口21の中心と一致し、かつ基板から垂直方向にレーザ素子部101の中心を延びる光軸ともほぼ一致する。
【0030】
下部DBR3は、n型のAl0.9Ga0.1As層とn型のAl0.3Ga0.7As層との複数層積層体で、各層の厚さはλ/4n(但し、λは発振波長、nは媒質の屈折率)であり、これらを交互に40.5周期で積層してある。n型不純物であるシリコンをドーピングした後のキャリア濃度は3×1018cm-3である。
【0031】
活性領域7の下部スペーサ層4は、アンドープのAl0.6Ga0.4As層であり、量子井戸活性層5は、アンドープAl0. 11Ga0. 89As量子井戸層およびアンドープのAl0. Ga0. As障壁層を含む。上部スペーサ層6は、アンドープのAl0.6Ga0.4As層である。
【0032】
上部DBR8は、p型のAl0.9Ga0.1As層とp型のAl0.3Ga0.7As層との積層体で、各層の厚さはλ/4n(但し、λは発振波長、nは媒質の屈折率)であり、これらを交互に30周期積層してある。p型不純物であるカーボンをドーピングした後のキャリア濃度は3×1018cm-3である。
【0033】
p型のコンタクト層9はGaAs層で、膜厚20nm、カーボン濃度は1×1020cm-3である。p側電極として機能する金属層13は、Ti/Auの積層膜である。
【0034】
図1では省略されているが、レーザ素子の直列抵抗を下げるため、p型の上部DBR8あるいは/および下部DBR3中に、Al0.9Ga0.1As層とAl0.3Ga0.7As層との間の中間のGaAs/AlAs混晶比を有する中間層(グレーデッド層)を挿入してもよい。
【0035】
次に、図1に示す面発光レーザの製造方法について説明する。本実施の形態では、基板の中心付近にモニター用の半導体層によるストライプパターンが形成され、その周囲にレーザ素子用の半導体層が形成されるが、以下の図はそれら物理的な関係を省略し、基板上にレーザ素子用の半導体層とモニター用の半導体層とが同時に形成されるプロセスを模式的に断面図を用いて示している。
【0036】
図2(a)に示すように、基板1上にバッファ層2、下部DBR3、活性領域7、上部DBR8、及びコンタクト層9を順次積層する。図2(b)に示すように、コンタクト層9上にシリコン酸化物201、201a、201bをパターン形成する。シリコン酸化物201は、基板上にレーザ素子部であるメサを形成するためのマスク層であり、他方、シリコン酸化物201a、201bは、モニター用半導体層であるメサを形成するためのマスク層である。レーザ素子部のメサは円柱状であり、これに対してモニター用半導体層は細長いストライプ形状である。このため、シリコン酸化物201は円形状のパターンに形成され、シリコン酸化物201a、201bは細長いパターンに形成される。図2(b)の断面図は、シリコン酸化物201a、201bの短手側の幅を示しており、シリコン酸化物201bの幅がシリコン酸化物201aの幅よりも小さい。また、シリコン酸化物201a、201bの幅は、シリコン酸化物201の直径よりも小さい。
【0037】
図2(c)に示すように、シリコン酸化物201、201a、201bをマスクにコンタクト層9、上部DBR8、活性領域7、および下部DBR3の一部まで三塩化ホウ素と塩素(BCl+Cl)ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)により異方性エッチングを行い、レーザ素子用のメサ210と、モニター用のメサ210a、210bを形成する。なお、エッチングは必ずしも下部DBRまで行う必要はなく、少なくともAlAs層(電流狭窄層)10の側面が露出されればよい。従って、活性領域7の活性層5までエッチングするようにしても良い。
【0038】
レーザ素子部のメサ210は円柱状であり、モニター用のメサ210a、210bは、細長いほぼ直方体状である。メサ210a、210bの長手方向(図面に垂直方向)は短手方向に比べてかなり大きい。これら幅の異なる2種類のメサ210a、210bが一組とされ、複数組のメサが基板中央に所定の周期で配置され直線状のストライプパターンが形成される。
【0039】
次にメサ210のAlAs層(電流狭窄層)10の選択酸化を開始する(図3(d))。窒素をキャリアガスに用いて95度に加熱された純水をバブリングして水蒸気を炉に輸送して酸化するウエット酸化炉を用いる。予め、酸化炉内に上記基板を配し、炉内の温度を約340度に加熱し、メサ210、210a、210bに含まれるAlAs層をメサ側面の両側から酸化させる。
【0040】
本実施の形態では、AlAs層10の酸化反応を制御するために、メサ210a、210bのAlAs層10a、10bの酸化状態をモニター(監視)し、これに基づきAlAs層10の酸化終了時刻を算出し、AlAs層10の開口21の大きさを制御する。これを行うために、図6に示すような酸化制御装置を用いる。本装置600は、基板1上のメサ210a、210bによるストライプパターンを含む領域に400〜1100nmの波長帯域に包含される光を照射するランプ601と、ストライプパターンからの反射光を所定の波長に分光する分光器602と、分光された光をフォトダイオードのような受光素子により電気信号に変換する受光器603と、受光器603からの信号を監視し、メサ210のAlAs層の酸化を制御する制御装置604とを有する。
【0041】
AlAsは、酸化された部分にAlOxが形成されてその部分が絶縁化されるとともに、光学的な特性である反射率がAlAsとAlOxとで異にする。例えば800〜1000nmの波長帯域での平均反射率では、AlAsが0.45であるのに対し、AlOxは0.58である。従って、酸化制御装置600により酸化反応中のAlAs層の平均反射率を測定することにより、AlAs層の酸化反応の進行度合いを追跡することが可能となる。
【0042】
図4は、レーザ素子用のメサ210のAlAs層10の酸化状態とモニター用のメサ210a、210bのAlAs層10a、10bの酸化状態を示す図であり、図5はモニター用のストライプパターンからの平均反射率と酸化時間との関係を示す図である。
【0043】
レーザ素子部のメサ210のAlAs層10の平面パターン(酸化可能領域)は円形であり、酸化開始前においてその直径はDである。モニター用のメサ210aのAlAs層10aの平面パターン(酸化可能領域)は、短手方向の幅がW2、長手方向の高さがHであり、同じくメサ210bのAlAs層10bの平面パターンは、その幅がW1、高さがHである。これらのパターンの関係は、W1<W2<Dであり、W1<<H、W2<<Hである。
【0044】
図4及び図5において酸化開始時刻T0のとき、メサ210、210a、210bのAlAs層10、10a、10bは未だ酸化が開始されておらず、モニター用のストライプパターンからの平均反射率は初期値R0である。AlAs層10、10a、10bの平面パターンは、図5において白色で示されている。酸化が開始されると、メサ210のAlAs層10は、その両側面から均一に内部に向けて酸化が進行される(図面のハッチング領域)。同時にメサ210a、210bも両側面から酸化が開始される。モニター用のメサ210a、210bは、その高さHが幅W1、W2に比べて非常に大きいので、AlAs層10a、10bの酸化は、メサの対向する長辺Hから進行するとみなすことができる。
【0045】
AlAs層10、10a、10bは、時刻T0からそれぞれ等しい酸化速度にて酸化され、メサ210bのAlAs層10bの酸化可能領域が全て酸化されたとき、言い換えれば、メサ10bの幅W2の方向がすべて酸化されたとき、モニター用のストライプパターンからの平均反射率の変化率に特徴的な波形が示される。これは、メサ210bの酸化が、もうこれ以上進行されないことから、平均反射率の傾きが小さくなる変化点R1を生じさせる。変化点R1を生じさせるときの酸化時刻はT1である。時刻T1において、メサ210aのAlAs層10aは、両側から酸化距離(W1/2)だけ酸化され、中央部にはまだ未酸化領域(W2−W1)が残される(図5のハッチング部分が酸化領域で白い部分が未酸化領域)。レーザ素子用のメサ210は、その側壁から酸化距離(W1/2)の酸化が進行し、中央には未酸化領域の開口D1(D1=D−W1)が残される。
【0046】
次に、メサ210aのAlAs層10aの酸化可能領域がすべて酸化されると、モニター用メサのストライプパターンからの平均反射率の傾きがさらに変化する変化点R2が生じる。これはメサ210aの酸化が全て終了し、これ以上の酸化が進行しないためである。変化点R2を生じさせるときの酸化時刻はT2である。時刻T2において、レーザ素子部のメサ210は、その側壁から酸化距離(W2/2)の酸化が進行し、中央には未酸化領域の開口D2(D2=D−W2)が残される。
【0047】
本発明は、平均反射率の変化点R1、R2における時刻T1、T2からAlAs層10に設計された酸化距離d3(またはD3の径の開口)を形成するための酸化終了時刻T3を求めるものである。
【0048】
モニター用のメサ210a、210bの幅W1、W2は既知であり、R1、R2の変化点から時刻T1、T2を得ることができる。従って、時間ΔT=T2−T1の間に距離Δd=(W2−W1)/2だけ酸化することがわかる。なお“1/2”としているのは、メサの両側から同時に酸化が進行するこれを考慮しているためである。上記時間ΔTと酸化距離ΔdからAlAs層の酸化速度を知ることができる。この関係から、設計された酸化距離d3に到達する時刻T3を求めると、
T3=T2+ΔT/Δd(d3−W2/2)となる。
こうして求められた時刻T3の経過後に酸化プロセスを終了させることで、レーザ素子部のメサ210に設計された酸化距離d3あるいは寸法精度D3を有する開口21を形成することができる。以上の酸化制御プロセスは、制御装置604によって行われ、好ましくは制御装置604に記憶されたプログラムによって実行される。
【0049】
酸化工程が終了すると、図3(d)に示すように、メサ210のAlAs層10の一部が選択酸化され、電流狭窄層10の中央に開口21が形成される。
【0050】
再び図3(e)に戻り、エッチングマスクとして使用したシリコン酸化物201、201a、201bを除去し、メサ210を覆うように層間絶縁膜12を形成する。なお当然のことではあるが、これ以降のプロセスにおいてモニター用のメサ210a、210bは、必ずしもメサ210と同様の処理を施される必要はない。
【0051】
次いで、メサ210の頂部において層間絶縁膜12に開口12aが形成され、その上に金属層13が形成される。金属層13の中央に開口が形成され、出射窓11が形成され、基板1の裏面にn側裏面電極14が形成される。こうして図1に示す面発光型半導体レーザが形成される。
【0052】
このように本実施の形態では、異なる幅(W1、W2)を有する2種類のモニター用のメサ型の半導体層を用い、これらのメサのAlAs層10a、10bがすべて終了されたときに反射率が特徴的な波形変化を示すことに着目し、この変化検出するようにしたので、モニター用のメサの酸化進行状況をより正確に追跡し、または監視することができる。
【0053】
図7に実際に2種類のモニター用のメサを用いたときの測定結果を示す。ストライプパターンを形成する2種類のメサは、W1=9ミクロン、W2=18ミクロンを用い、酸化温度を370度で、酸化距離d3=11ミクロンの酸化制御を行ったときの例である。このような2種類のストライプパターンを一組とする複数組のストライプパターンを基板1の中央に配置させる。上述した酸化制御装置600は、基板1の酸化工程の開始に伴い、ランプ601からの白色光を基板1の中央部のストライプパターンを含む領域に照射する。基板からの反射光は分光器602によって各波長成分の光に分光され、これをモニターする。
【0054】
同図において、縦軸は反射率、横軸は酸化時間である。なお縦軸の反射率は、これと均等の光電変換された電気信号出力であっても良い。図からも明らかなように、酸化開始後、最初に明瞭な反射率の変化が生じる点は、W1(9ミクロン)の幅の小さいモニター用のメサがすべて酸化されたときであり(時刻T1)、次の明瞭な反射率の変化が生じる点は、W2(18ミクロン)の幅の大きなモニター用のメサがすべて酸化されたとき(時刻T2)である。
【0055】
分光器602によって分光された光のうち、どの波長の反射率またはその変化をモニターするかは、モニター用のメサのパターン、サイズ、メサの半導体層構造あるいは酸化の環境等に応じて、顕著に反射率の変化を表す波長のものを選択することができる。
【0056】
図8(a)は、本実施の形態による2種類のモニター用のメサを用いたときの酸化距離d3の精度を示す図であり、図8(b)は1種類のモニター用のメサを用いたときの酸化距離の精度を示す図である。横軸にはバッチ処理された基板の番号、縦軸にはメサ210に形成された酸化距離の測定結果の正規化を示す。図8(a)からも明らかなように、本実施の形態によるメサの酸化距離d3はおおよそ2%以内に制御され、かつ標準偏差は0.99%である。これに対し、図8(b)に示す従来の酸化制御では、酸化距離(酸化距離d3に相当)はおおよそ5%以内に制御され、かつ標準偏差は2.35%である。このように、2種類のモニター用のメサを用い、それらの酸化終了時点から酸化距離d3を推定する手法により、一層高い精度で酸化距離d3あるいは開口D3を制御することができる。
【0057】
上記実施の形態では、基板上(あるいはウエハー上)にレーザ素子部とは別にモニター用の2種類のメサのストライプパターンを形成したが、モニター用のメサの形状は必ずしも上記のストライプ形状に限るものではなく円柱状であっても良い。例えば、モニター用のメサ210a、210bは、それらのAlAs層10a、10bの平面パターンを長方形としたが、楕円、長円のような円形状、あるいは多角形の平面パターンであっても良い。さらに、レーザ素子部のメサ構造も円柱状に限らずそれ以外の例えば角柱状であっても良い。さらに、モニター用のメサによるストライプパターンの形成も必須ではなく、可能であればメサ210a、210bによる一対のパターンであっても良い。
【0058】
図9に、モニター用のメサ形状の変形例を示す。本発明による2種類のモニター用のメサは、必ずしもそれぞれが物理的に独立している必要はない。例えば、同図(a)に示すように、モニター用のメサ220が、一つのパターン内に幅W1、W2の領域を備えていても良い。メサ220の間に、これと同じパターンを有するメサ221を介在させ、メサ220の幅W1、W2とメサ221のW2、W1とを対向させるようにしても良い。また、同図(b)に示すようにモニター用のメサ231、232を交互に配置させても良い。このように同一のメサのパターンであっても、その配列を変更することにより実質的に2種類のモニター用のメサを形成することもでき、要するに、幅、サイズ、大きさ等が異なる2種類の酸化領域が含まれていればよい。
【0059】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。上記実施の態様では、基板の中央にモニター用のメサによるストライプパターンを配置させたが、本実施の態様では、図10(a)に示すように基板1の中央から放射状に延びる放射状のストライプパターン701を形成する。放射状のストライプパターン701は、第1の実施の態様のときと同様に、幅(W1、W2)の異なる2種類のメサを一組のパターンとしてこれを複数組有している。ストライプパターン701の周囲には、レーザ素子用のメサ702が複数形成される。
【0060】
メサ形成以降のプロセスにおいて、層間絶縁膜12の開口12aや金属層13の出射窓11の開口を形成するとき、フォトリソグラフ工程によりレジストのエッチングマスクが形成される。レジストマスクを形成する工程は、回転される基板1上にレジストをスピンコートする工程を含むが、本実施の態様では、放射状のストライプパターン701が基板の中心から周囲に向けて放射線状に延び、中心対称となるように配置されているので、基板の回転時に滴下されたレジストの移動が円滑化され、基板上により均一な膜厚のレジストを塗布することができる。
レジストマスクの精度を高めることで、開口12aおよび出射窓11の位置精度を向上させ、これらをレーザ素子部の光軸に高精度にアライメントすることができる。
【0061】
図10(b)は図10(a)の放射状のストライプパターンを変形した例である。本例では、放射状に広がるストライプパターン703を基板1の端部に配置する。ストライプパターン703は基板の中心まで延在しないが、その延長線が基板の中心付近を通るようにすることで、図10(a)と同様にレジストの膜厚を均一化させることが可能である。
【0062】
なお、上記実施の態様では、幅が異なる2種類のモニター用のメサを用いる例を示したが、必ずしもこれに限定される必要はく、1種類の幅のモニター用のメサをストライプパターン状に配置させても良い。
【0063】
さらにモニター用のメサのパターンを改良した例を図11(a)、(b)に示す。図11(a)に示す放射線状のストライプパターン801は、図10(a)の放射状のストライプパターン701を改良するものである。図11(a)に示す放射状パターン801は、パターンが外側に行くに従いパターンとパターンとの間に分割されたパターン801aを有する。このように分割されたパターン801aを設けることで、放射状に広がるパターンの外側のパターン密度を向上させている。放射状のストライプパターンの外側の密度を高くすることにより、言い換えればメサの底部の面積が減少され、このような領域を照射して得られる反射光は、メサの底部の面積からの反射光を少なく成り、信号に含まれるノイズ成分が小さくすることができ、これにより反射率の測定誤差をより小さくすることができる。
【0064】
図11(b)に示すような準放射状のストライプパターン802を用いることもできる。準放射状のストライプパターン802は、それぞれ45度の中心角を有するパターンに分割され、各パターンがそれぞれ直線状のストライプパターンを含んでいる。これらの直線状のストライプパターンは、相互に45度の角度を形成するように配置されている。例えば、ストライプパターン802aは、水平(あるいは基板のオリエンタルフラット803に対して45度方向の方向に延びる複数の直線状のストライプパターンを有し、ストライプパターン802bは、オリエンタルフラット803と平行な複数の直線状のストライプパターンを有する。このような直線状のストライプパターンが相互に45度傾くように交互に配される。このような準放射状のパターンであれば、図9(a)に示す放射状パターンよりも線幅のバラツキを抑えることができ、同時にパターン密度も図8(a)の放射状パターンよりも格段優れている。
【0065】
図12に放射状のストライプパターンの他の変形例を示す。図12(a)は、基板1上に回転対称に配置されるストライプパターン810、811、812、813を含む。各ストライプパターンには、基板の中心から放射状に延びるストライプパターン810aと、オリエンタルフラット803と平行な直線とこれに垂直な直線とからなる直角パターン810bとを含む。さらに、図12(b)は、同図(a)の直角パターン820を回転対称に4つ配置させた例であり、図12(c)は、直角パターン820の角度を45度にし、これを8つ配置させた例である。いずれのパターンにおいても、上記した放射線状パターンと同様の効果を期待することができる。また、これら直角パターン810b、820および45度のパターン830における直線はその頂点において必ずしも交差する必要はなく、一定の間隔だけ離れていても良い。さらに、直角パターン810b、820および45度のパターン830を構成するモニター用のメサは、幅の異なる2種類のメサを一組としてこれを一定周期で複数組配置しても良いし、あるいは、1種類の幅のメサだけでストライプパターンを構成しても良い。
【0066】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0067】
上記実施の形態では、レーザ素子部101のメサ構造を円柱状としたが、これに限らず角柱状のものであっても良い。さらにモニター用のメサもストライプ状に限らず他の形状であっても良い。
【0068】
上記実施の態様では、電流狭窄層10の酸化を制御するためにモニター用のメサを用いたが、必ずしもこれに限る必要はない。実際に作成しようとしている面発光レーザのメサ表面を照射し、そのメサの電流狭窄層(AlAs層)の酸化状態を直接監視し、それによって酸化反応を制御するようにしても良い。
【0069】
上記実施の形態では、電流狭窄層10としてAlAs層を用いたが、これ以外にもAlGaAs等のAlを有するIII−V族半導体を用いることも可能である。さらに上部DBR8をp型とし、下部DBR3をn型としたが、これに限定されることなく、導電型を反対にすることも可能である。出射光を基板裏面から取り出す場合には、上部DBR8の層数を下部DBR3のそれよりも多くして、相対的に高い反射率を持つようにすべきである。
【0070】
さらに、量子井戸活性層を構成する材料として、GaAs/AlGaAs系半導体を用いたが、これに限定されることなく、例えば量子井戸活性層にGaAs/InGaAs系半導体、あるいはGaAs/GaInNAs系半導体を使用することもできる。これらの量子井戸層からの発光波長はGaAs基板に対して透明であるから、基板裏面側から出射光を取り出すことが可能であり、工程的利点もある。また、コンタクト層9と上部DBR8は機能を分離して別の層として取り扱ったが、コンタクト層9も上部DBR8の一部を構成していることは言うまでもない。
【0071】
さらにn側電極14を半導体基板1の裏面側に形成したが、これに限らず基板上のメサ底部において露出された半導体層(例えば下部DBR3)にn側電極を形成しても良い。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも2種類のモニター用半導体層を用い、これらの半導体層の酸化可能領域がすべて酸化された時点を検出して、レーザ素子用のAlを含むIII−V族半導体層の酸化制御を行うようにしたので、酸化状態の測定精度を向上させることができる。さらに本発明は、従来のようにモニター用半導体層の酸化開始時点を検出するものではないため、メサの形状等に伴う測定誤差や測定バラツキをできるだけ排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は本発明に係る面発光型半導体レーザの断面図であり同図(b)のX−X線断面である。同図(b)はその平面図である。
【図2】 図2(a)ないし(c)は、図1に示す面発光型半導体レーザの製造工程を示す断面図である。
【図3】 図3(d)および(f)は、図1に示す表面発光型半導体レーザの製造工程を示す断面図である。
【図4】 レーザ素子部のメサのAlAs層の酸化状態とモニター用のメサのAlAs層の酸化状態を示す図である。
【図5】 モニター用のストライプパターンからの平均反射率と酸化時間との関係を示す図である。
【図6】 本発明の実施の態様に係る酸化制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 2種類のモニター用のメサを用いたときの測定結果を示す図である。
【図8】 図8(a)は本実施の態様による2種類のモニター用のメサを用いたときの酸化距離d3の精度を示し、同図(b)は1種類のモニター用のメサを用いたときの酸化距離の精度を示す。
【図9】 2種類のモニター用メサの他の形状を示す平面図である。
【図10】 図10(a)、(b)は第2の実施の態様に係る放射状のストライプパターンを示す平面図である。
【図11】 図11(a)、(b)は図10の放射状のストライプパターンを変形させた例を示す図である。
【図12】 図12(a)、(b)は図10の放射状のストライプパターンを変形させた例を示す図である。
【図13】 モニター用サンプルを照射する光の波長と反射率との関係を示す図である。
【図14】 従来のモニター用サンプルを用いたときの酸化制御方法を示す図である。
【図15】 従来のモニター用サンプルを用いたときの酸化時間と反射率の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板、 2 バッファ層
3 下部DBR、 7 活性領域
8 上部DBR、 9 コンタクト層
10 電流狭窄層、 11 出射窓
12 層間絶縁膜 13 金属層
14 n側裏面電極、 21 開口
100 面発光レーザ 101 レーザ素子部
210 レーザ素子部のメサ
210a、210b:モニター用のメサ
10a、10b: モニター用メサのAlAs層

Claims (23)

  1. メサ構造のレーザ素子部を備えた面発光型半導体レーザの製造方法であって、
    第1導電型の第1の反射ミラー層、前記第1の反射ミラー層上の活性領域、Alを含むIII−V族半導体層、および前記活性領域上に第2導電型の第2の反射ミラー層を含む複数の半導体層と、異なる形状の酸化可能領域を含む少なくとも2種類のモニター用半導体層とを基板上に形成し、
    前記基板上の半導体層をエッチングし、前記Alを含むIII−V族半導体層の側面が露出されるように前記基板上にレーザ素子部用のメサ構造を形成し、
    前記Alを含むIII−V族半導体層を前記メサ構造の側面より酸化を開始させ、
    前記少なくとも2種類のモニター用半導体層に含まれる前記異なるサイズの酸化可能領域の反射率または反射率の変化を監視し、その監視結果から前記レーザ素子部のAlを含むIII−V族半導体層の酸化を終了させるべき酸化終了時刻を求め、
    前記酸化終了時刻のときに前記Alを含むIII−V族半導体層の酸化を停止させ、前記Alを含むIII−V族半導体層に未酸化領域である開口を形成するステップを含み、
    一方のモニター用半導体層の酸化可能領域が全て酸化された時刻をT1、他方のモニター用半導体層の酸化可能領域が全て酸化された時刻をT2としたとき、T1<T2の関係にあり、
    前記少なくとも2種類のモニター用半導体層の酸化可能領域の反射率または反射率の変化の監視結果から時刻T1およびT2を求め、時刻T1、T2から前記酸化終了時刻を求める、
    面発光型半導体レーザの製造方法。
  2. 前記少なくとも2種類のモニター用半導体層の酸化可能な領域の幅は、前記レーザ素子部のAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域の径よりも小さく、前記少なくとも2種類のモニター用半導体層の酸化可能領域がすべて酸化されたときの反射率の変化から前記モニター用半導体層の前記酸化可能領域の酸化速度を求め、この酸化速度から前記レーザ素子部の前記未酸化領域である開口を形成すべき時刻を算出する、請求項1に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  3. 前記少なくとも2種類のモニター用半導体層はそれぞれW1、W2(W1<W2)の幅の酸化可能領域を有し、幅W1、W2は前記レーザ素子部のAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域の径Dよりも小さく、前記少なくとも2種類のモニター用半導体層の酸化可能領域がすべて酸化されたときの時刻T1、T2と前記幅W1、W2の関係から前記レーザ素子部の前記未酸化領域である開口を形成すべき時刻を算出する、請求項1に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  4. 前記少なくとも2種類のモニター用半導体層は、前記レーザ素子部用のメサ構造と同時にエッチングにより形成されるモニター用のメサ構造を有し、前記モニター用のメサ構造は、前記レーザ素子部用のメサ構造と同一の層構造を有する、請求項1ないし3いずれかに記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  5. 前記少なくとも2種類のモニター用半導体層は、前記基板上にストライプ状パターンに配置される、請求項4に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  6. 前記レーザ素子部のメサ構造は柱状であり、前記Alを含むIII−V族半導体層はAlAs層またはAlGaAs層である、請求項5に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  7. Alを含むIII−V族半導体層の一部を選択酸化した電流狭窄部を有する面発光型半導体レーザの製造方法であって、
    基板上にAlを含むIII−V族半導体層を含む複数の半導体層を形成し、
    前記基板上にサイズの異なる第1、第2、第3のメサを形成し、前記第1、第2、第3のAlを含むIII−V族半導体層の側面を露出させ、
    前記基板を酸化雰囲気に晒し、第1、第2、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層をその側面から酸化させ、
    前記第2、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化状態を光学的に監視し、第2、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻およびそのサイズから前記第1のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻を求め、
    前記酸化終了時刻に前記第1のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化を停止させ、前記第1のメサに未酸化領域の開口を含む前記電流狭窄部を形成するステップを含み、
    第2のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域が全て酸化された時刻をT1、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域が全て酸化された時刻をT2としたとき、T1<T2の関係にあり、
    前記第2および第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域の反射率または反射率の変化の監視結果から時刻T1およびT2を求め、時刻T1、T2から前記第1のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻を求める、
    面発光型半導体レーザの製造方法。
  8. 前記酸化終了時刻を求めるステップは、前記第2、第3のメサを含む領域に光を照射し、その反射光からAlを含むIII−V族半導体層の酸化状態を検出し、前記第2、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化がすべて終了したときの時間と、前記Alを含むIII−V族半導体層の酸化距離から第1のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻を求める、請求項7に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  9. 前記第2、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化がすべて終了したときの時間と、前記Alを含むIII−V族半導体層の酸化距離から酸化速度を算出し、該酸化速度から第1のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻を求める、請求項8に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  10. 前記第2、第3のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域はそれぞれ異なる大きさであり、かつ、前記第1のAlを含むIII−V族半導体層の酸化可能領域よりも小さく、さらに前記第2、第3のメサを一組とするパターンが所定の周期で複数組配され、前記複数組のメサが前記基板上にストライプパターンを形成する、請求項8または9に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  11. 前記第1のメサは柱状である、請求項8または9に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  12. 面発光型半導体レーザの製造方法であって、
    基板のほぼ中心付近から周辺に向けて放射状に延びるストライプ状のパターンを形成する複数のモニター用半導体層と、前記モニター用半導体層の周辺に配されるレーザ素子用半導体層とを前記基板上に形成し、
    前記レーザ素子用半導体層の一部に選択酸化領域を形成するときに前記複数のモニター用半導体層の酸化状態を監視し、前記選択酸化領域の酸化を制御する、面発光型半導体レーザの製造方法。
  13. 前記放射状に延びるストライプ状のパターンは、前記基板の中心において回転対称となるように配置される、請求項12に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  14. 前記放射状に延びるストライプ状のパターンは、所定の中心角で複数組に分割され、各組が直線状ストライプパターンをそれぞれ含む、請求項12または13に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  15. 前記複数組の内の隣接する組の各直線状ストライプパターンの成す角度が45度である、請求項14に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  16. 面発光型半導体レーザの製造方法であって、
    基板の端部に放射状に延びるストライプ状のパターンを形成する複数のモニター用半導体層と、前記モニター用半導体層に隣接して配されるレーザ素子用半導体層とを前記基板上に形成し、
    前記レーザ素子用半導体層の一部に選択酸化領域を形成するときに前記複数のモニター用半導体層の酸化状態を監視し、前記選択酸化領域の酸化を制御する、面発光型半導体レーザの製造方法。
  17. 前記複数のモニター用半導体層は、酸化可能領域の大きさを異にする2種類の半導体層を有する、請求項12または16に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  18. 前記製造方法はさらに、前記レーザ素子用半導体層の選択酸化の終了後、前記基板上にレジストを塗布する工程を含む、請求項12または16に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  19. 前記レーザ素子用半導体層および前記複数のモニター用半導体層は、それぞれ第1のミラー層、第1のミラー層上の活性領域、前記活性領域上の第2のミラー層、第1、第2のミラー層間に配されるAlを含むIII−V族半導体層を含み、前記Alを含むIII−V族半導体層が選択酸化される、請求項12または16に記載の面発光型半導体レーザの製造方法。
  20. Alを含むIII−V族半導体層の一部を選択酸化した電流狭窄部を有する面発光型半導体レーザを製造するための装置であって、
    Alを含むIII−V族半導体層の側面が露出されたレーザ素子用のメサと、Alを含むIII−V族半導体層の側面が露出された形状の異なる少なくとも2種類のモニター用のメサとを含む基板を酸化処理するとき、前記モニター用のメサを含む領域に光を照射する照射手段と、
    前記モニター用のメサからの反射光を受取り、該反射光を電気信号に変換する光電変換手段と、
    前記光電変換手段から出力される電気信号に基づき前記少なくとも2種類のモニター用のメサの一方のメサのAlを含むIII−V族半導体層がすべて酸化された時点T1と他方のメサのAlを含むIII−V族半導体層がすべて酸化された時点T2(T1<T2)をそれぞれ検出し、この検出された時刻T1およびT2から前記レーザ素子用のメサのAlを含むIII−V族半導体層の酸化終了時刻を推定する酸化終了時刻推定手段と、
    前記酸化終了時刻推定手段により求められた酸化終了時刻に従い前記基板の酸化処理を停止させ、前記レーザ素子用のメサに前記電流狭窄部を形成させる、酸化制御手段とを有する、面発光型半導体レーザの製造装置。
  21. 前記酸化終了時刻推定手段は、前記少なくとも2種類のモニター用のメサの酸化が終了したときの時間とそのAlを含むIII−V族半導体層の酸化距離から前記レーザ素子用のメサに形成するべき酸化距離に対応した酸化時刻を推定する、請求項20に記載の製造装置。
  22. 前記基板上には、前記少なくとも2種類のモニター用のメサを一組とするストライプパターンが複数組形成される、請求項20に記載の製造装置。
  23. 前記少なくとも2種類のモニター用のメサが、基板のほぼ中心から周囲に向けて放射状に延び、前記レーザ素子用のメサが前記モニター用のメサの周囲に配される、請求項22に記載の製造装置。
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