JP4362968B2 - 車両位置検出装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば疑似ランダム符号を用いて車両位置を検出する車両位置検出装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両位置を検出する技術として、例えば特開平11−2654974号公報に記載の様に、疑似ランダム符号を磁石列に適用したシステムが提案されている。
【0003】
この技術では、道路上に車両の進行方向に沿って磁石(マーカ)の列を敷設するが、その敷設の際には、各磁石の極(磁極)をM系列のPN符号に従って決定する。そして、車両がその道路上を走行しながら磁石列の各磁極を検出し、検出した磁極の配列から車両位置を特定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的な道路には、磁気外乱が発生しているところが存在するため、磁石列の磁極を正確に検出できないことがある。
例えば鉄橋等の構造物や金属製の落下物などが磁気を帯びている場合には、その磁気を磁石列の磁気と誤判断してしまい、結果として車両位置を誤検出する可能性がある。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、道路に敷設された磁石式マーカの磁極を確実に検出して、正確な車両位置を求めることができる車両位置検出装置及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、車両に搭載された磁気信号検出手段(例えば電磁石を利用したセンサ)により、道路に埋設された磁石式マーカ(例えば磁気ネイル)による磁気信号を検出し、その検出された磁気信号に基づいて、車両位置を検出する車両位置検出装置である。
【0007】
特に本発明では、磁気信号検出手段によって検出された磁気信号が、磁石式マーカによる磁気信号であるか否かを判定する判定手段を備えているので、その判定手段により、磁気外乱等の影響を排除して、磁石式マーカの磁気信号のみを正しく検出することができる。
【0008】
つまり、例えば鉄橋等の構造物や金属製の落下物などが磁気を帯びている場合の様に、磁気外乱が発生している場合には、磁気信号検出手段は、磁石式マーカの磁気信号だけでなく、磁気外乱による磁気信号も検出することがあるが、本発明では、判定手段により、磁石式マーカによる磁気信号のみを選択することができる。
【0009】
これにより、磁気信号の誤検出を防止できるので、道路に敷設された磁石式マーカの磁極のみを確実に検出でき、よって、正確な磁極情報に基づいて、正しい車両位置を求めることができる。
また、本発明では、GPS衛星からの送信波を受信して特定される車両位置と、磁気信号検出手段によって検出された磁気信号により特定される車両位置を比較している。
従って、GPSにより特定される車両位置と磁気信号により特定される車両位置が一致した場合には、磁気信号が磁石式マーカによる適正なものであると判断することができ、よって、磁気外乱によるものを確実に排除できる。
(2)請求項2の発明では、判定手段により、磁気信号検出手段によって検出された磁気信号が磁石式マーカによる磁気信号ではないと判定された場合には、磁気信号に基づく磁極情報を正しい磁極情報に訂正する。
例えば検出した磁気信号により得られた例えば4チップ(4個の磁石式マーカ)の磁極情報のうち、例えば最後のチップの磁極情報が正しくないと考えられる場合には、そのチップの符号を反転する。これにより、全てのチップに関して正しい磁極情報が得られる。
また、検出した磁気信号により得られた例えば4チップの磁極情報のうち、任意の1又は複数のチップの磁極情報を反転し、各チップ列の示す位置情報が正しいか否かを、例えばGPSにより得られる情報と比較して判定することにより、全てのチップに関して正しい磁極情報が得られる。
これにより、正しい磁極情報を得ることができる。
(3)請求項3の発明では、チップの磁極情報が間違っている場合には、磁極情報を反転させることにより、例えばS極を示す0符号はN極を示す1符号に反転することにより、正しい磁極情報に訂正することができる。
【0016】
(4)請求項4の発明は、車両に搭載された磁気信号検出手段(例えば電磁石を利用したセンサ)により、道路に埋設された磁石式マーカ(例えば磁気ネイル)による磁気信号を検出し、その検出された磁気信号に基づいて、車両位置を検出する車両位置検出装置である。
本発明では、磁気信号検出手段によって検出された磁気信号が、磁石式マーカによる磁気信号であるか否かを判定する判定手段を備えているので、その判定手段により、磁気外乱等の影響を排除して、磁石式マーカの磁気信号のみを正しく検出することができる。
つまり、例えば鉄橋等の構造物や金属製の落下物などが磁気を帯びている場合の様に、磁気外乱が発生している場合には、磁気信号検出手段は、磁石式マーカの磁気信号だけでなく、磁気外乱による磁気信号も検出することがあるが、本発明では、判定手段により、磁石式マーカによる磁気信号のみを選択することができる。
これにより、磁気信号の誤検出を防止できるので、道路に敷設された磁石式マーカの磁極のみを確実に検出でき、よって、正確な磁極情報に基づいて、正しい車両位置を求めることができる。
また、本発明では、判定手段により、磁気信号検出手段によって検出された磁気信号が磁石式マーカによる磁気信号ではないと判定された場合には、磁気信号に基づく磁極情報を正しい磁極情報に訂正する。
【0017】
例えば検出した磁気信号により得られた例えば4チップ(4個の磁石式マーカ)の磁極情報のうち、例えば最後のチップの磁極情報が正しくないと考えられる場合には、そのチップの符号を反転する。これにより、全てのチップに関して正しい磁極情報が得られる。
【0018】
また、検出した磁気信号により得られた例えば4チップの磁極情報のうち、任意の1又は複数のチップの磁極情報を反転し、各チップ列の示す位置情報が正しいか否かを、例えばGPSにより得られる情報と比較して判定することにより、全てのチップに関して正しい磁極情報が得られる。
【0019】
これにより、正しい磁極情報を得ることができる。
(5)請求項5の発明では、チップの磁極情報が間違っている場合には、磁極情報を反転させることにより、例えばS極を示す0符号はN極を示す1符号に反転することにより、正しい磁極情報に訂正することができる。
【0020】
(6)請求項6の発明は、磁石式マーカの磁極が、道路の車両進行方向に特定の間隔で疑似ランダム符号に従って配列されている場合に、その磁石式マーカの磁極を、車両に取り付けた磁気信号検出手段により検出し、その検出した磁石式マーカの磁極の配列に基づいて、車両位置を検出する車両位置検出装置である。
【0021】
本発明では、磁石式マーカの磁極の配列は、疑似ランダム符号に従って決められているので、磁石式マーカの磁極の一部の配列(チップ列:部分符号)から、車両位置が分かる。
従って、まず、磁気信号検出手段により検出した磁石式マーカの所定個の磁極の配列を示す部分符号を、例えば部分符号と車両位置を関連させて記憶するデータベースを参照することにより、車両位置(即ち部分符号により示される車両位置)を検出する。
【0022】
尚、本発明では、「符号化された磁石式マーカ配列の連続する符号の一部(即ち、疑似ランダムコードの連続する符号の一部)」を「部分符号」と称する。
ここで、擬似ランダム符号(PN符号)とは、スペクトル拡散通信やCDMA等に用いられる拡散符号系列であり、符号長2n−1のM系列の疑似ランダム符号は、1周期の中で連続するn個以上の符号が全て異なる性質を持つ。
【0023】
(7)請求項7の発明は、車両位置検出の具体的な手順を例示している。
ここでは、磁気信号検出手段により検出した磁石式マーカの配列の部分符号を、記憶手段(例えばROMやEEPROM等のメモリ)に記憶した部分符号と車両位置の関係を示すデータベースに当てはめ、現在の車両位置を検出する。
【0024】
(8)請求項8の発明では、疑似ランダム符号として、M系列符号を用いる。
符号長2n−1のM系列の拡散符号は、1周期の中で連続するn個以上の符号は全て異なることが数学的に保証されている系列である。このM系列は、n段のシフトレジスタからmod2加算のフィードバックを行うことにより発生し、その符号長(L)は、2n−1である。
【0025】
従って、前記部分符号は、2n−1の符号長のM系列において、n個の符号の並びである。
例えばn=4とすると、15の符号長のM系列を示していることになる。
つまり、2n−1の符号長のM系列において、n個の符号の並び(部分符号)が特定されれば、そのn個の並びがM系列のどの位置にあるかが分かるので、磁気信号検出手段により、n個の並びを検出することにより、M系列で配列された磁石式マーカが、道路のどの位置にあるか(従って車両位置)を検出することができる。
【0026】
(9)請求項9の発明は、上述した車両位置検出装置による処理を実行させるプログラムを記憶している記録媒体である。
つまり、上述した車両位置検出装置の処理を実行させることができるプログラムを記憶したものであれば、特に限定はない。
【0027】
例えば記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フロッピィディスク(登録商標)、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両位置検出装置及び記録媒体の好適な実施の形態を、例(実施例)を挙げて図面に基づいて詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例では、既知である磁石式マーカ(レーンマーカ)の間隔と、レーンマーカセンサによって検出された磁気信号により特定される車両の移動距離を比較して、磁気信号が正しいか否かを判断する。
【0029】
a)まず、本実施例における車両位置検出システムの構成を説明する。
図1に示す様に、本実施例では、道路の進行方向に沿って、特定の間隔L(例えば1m間隔の等間隔)でレーンマーカ(磁気ネイル)1を敷設する。
このレーンマーカ1は、磁石の磁極(S極又はN極)の一方が地面に向けられている。つまり、レーンマーカ1は、疑似ランダム符号の配列(ここでは例えばM系列のPN符号配列)に従って、0符号をS極、1符号をN極として、その磁極を地面に向けて道路に敷設されている。
【0030】
一方、車両には、図2に示す様に、通過したレーンマーカ1の磁極を検出するレーンマーカセンサ3、データベース等を記憶している記憶装置5、車両位置を求めるための演算等を行う演算装置7などを備えた車両位置検出装置が搭載されている。
【0031】
以下、車両位置検出装置の各構成について説明する。
前記レーンマーカセンサ3は、主として電磁石から構成され、レーンマーカ1の磁界を横断することにより発生する電流を利用して、即ち電流によって生ずる電圧変化(磁気信号)により磁極を検出し、その情報(磁極情報)を演算装置7に送る。つまり、このレーンマーカセンサ3は、S極を検出した場合には0を、N極を検出した場合には1を出力する。
【0032】
前記記憶装置5は、例えばEEPROM、ROM、CD−ROM、DVD等の各種の記憶装置であり、データベースの情報等を記憶している。
前記演算装置7は、主としてマイクロコンピュータからなり、レーンマーカセンサ3により検出された磁極の配列の情報や、データベース等からの情報に基づいて、車両位置を検出するものである。
【0033】
このうち、前記記憶装置5に記憶されているデータベースは、道路に敷設されているレーンマーカ1の敷設配列と同じM系列に準拠し、その中で連続する(レーンマーカ1に相当する)n個のチップの符号と、その符号に対応する位置を記録したものである。
【0034】
つまり、例えば符号長15チップのM系列を挙げて説明すると、図3(a)、(b)に示す様に、このデータベースでは、符号長15チップのM系列の連続する4チップ単位に位置を対応づけている。即ち、各4チップ単位にて車両位置を表すことができる。
【0035】
尚、この場合には、全てのチップ列毎に位置を定義しているが、レーンマーカ1が特定の間隔で敷設されている場合には、各チップ列の位置は特定のチップ列(例えばX1の[0001])からの相対位置として表すことが可能なため、原理的には少なくとも1つのチップ列に対して位置が特定されていればよい。
【0036】
b)次に、本実施例における処理手法の原理について説明する。
本実施例では、常に(n+1)個の最新のレーンマーカ1の磁極を示す出力値(データ)を保持し、このデータは新しいレーンマーカ1が検出される毎に更新される。
【0037】
ここで、nはM系列の符号長により、下記式(1)によって決定されるものであり、例えば符号長が15の場合は、nは4(即ち4桁のチップ列:部分符号)になる。従って、本実施例の場合は、(4+1)の5個の磁極のデータを保持する。
【0038】
符号長=2n−1 ・・・(1)
そして、このデータと同じ配列(5桁のチップ列のうちの4桁のチップ列)を、前記図3(a)に示すデータベースの中から検索し、そのチップ列に対応する位置Xi及びXi+1を認識する。
【0039】
例えば先頭から5個のデータを保持している場合には、最初の4個のチップ列に該当する[0001]が位置X1を示し、次の(1チップずれた)4個のチップ列に該当する[0010]が位置X2を示す。
次に、演算装置7では、上記処理をレーンマーカ1を検出する毎に繰り返すとともに、下記式(2)により、認識した位置の移動距離(即ち車両の移動距離)を算出する。
【0040】
dx=Xi−Xi-1 ・・・(2)
但し、dx :移動距離
Xi :最新のレーンマーカ検出結果から認識した位置
Xi-1:一つ前のレーンマーカ検出結果から認識した位置
そして、計算した移動距離dxと、予め定められているレーンマーカ1の敷設間隔Lを比較し、一致する場合は、レーンマーカセンサ3の出力値(磁気信号)は正しいとする。一方、一致しない場合は、最後に検出した磁気信号が(例えば磁気外乱による)正しくない信号であると見なして、その磁気信号が示す磁極情報を反転(例えばS極の場合はN極に反転)させたものを記憶する。
【0041】
c)次に、本実施例の車両位置検出装置の制御処理を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図4のステップ100にて、車両走行中に、レーンマーカセンサ3により、レーンマーカ1の磁極を順次読みとる。
【0042】
続くステップ110では、読みとった少なくともn+1個(ここでは例えば5個)のレーンマーカ1の磁極情報から、連続する5桁のチップ列を認識する。
続くステップ120では、図3(a)に示すデータベースを参照し、5桁のチップ列のうち、1番目〜4番目の4桁のチップ列に相当する位置Xi-1と、2番目〜5番目の4桁のチップ列に相当する位置Xiを読み取る。
【0043】
例えばチップ列[0001]から位置X1を読み取り、次のチップ列[0010]から次の位置X2を読み取る。
続くステップ130では、前記ステップ120にて求めた位置Xi-1及びXiを、前記式(2)に代入して、移動距離dxを算出する。
【0044】
続くステップ140では、移動距離dxが、予め定められているレーンマーカ1の敷設間隔Lと一致するか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ150に進み、一方否定判断されるとステップ160に進む。尚、一致するか否かは、移動距離dxと敷設間隔Lの差が所定の許容範囲内に収まるか否かによって判断する。
【0045】
ステップ150では、移動距離dxと敷設間隔Lが一致したので、レーンマーカセンサ3の磁気信号は正しいと見なして、前記ステップ110で認識した5桁のチップ列の全ての磁極のデータが正しいと認識し、一旦本処理を終了する。
一方、ステップ160では、移動距離dxと敷設間隔Lが一致しないので、レーンマーカセンサ3の磁気信号は正しくないと見なして、最も後に検出した磁気信号が示す磁極情報を反転(例えばS極の場合はN極に反転)して、新しい5桁のチップ列を作成する。
【0046】
ここで、最後のチップの磁気情報を反転するのは、それまでに得られた磁気情報が既に正しいと判定されているからである。
続くステップ170では、前記ステップ160で作成した5桁のチップ列の全ての磁極のデータ(磁極情報)が正しいと認識し、一旦本処理を終了する。
【0047】
c)この様に、本実施例では、レーンマーカセンサ3の出力信号(磁気信号)に基づいて得られた連続するチップ列により、ある位置から次の位置に移動した移動距離dxを求め、その移動距離dxと(既知である)レーンマーカ1の敷設間隔Lを比較している。
【0048】
そして、移動距離dxと敷設間隔Lが一致した場合には、レーンマーカセンサ3によって得られた磁極情報は正しいものと判断し、一方、移動距離dxと敷設間隔Lが一致しない場合には、その磁極情報は間違っていると判断している。
これにより、例えば鉄橋等の構造物や金属製の落下物などが磁気を帯びている場合の様に、磁気外乱が発生している場合でも、それによる磁気信号を、レーンマーカ1による磁気信号であると誤判定することを防止できる。
【0049】
また、磁極情報が間違っていると判断された場合には、(それまでの4チップ分は正かったのであるから)最後に検出した(5番目の)磁極情報が間違っているとして、その磁極情報を反転して記憶する。これにより、全てのチップの磁極情報(符号)が正しいものにとなる。
【0050】
よって、道路に敷設されたレーンマーカ1の磁極のみを確実に検出できるので、正確な磁極情報に基づいて、正しい車両位置を求めることができる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な箇所の説明は省略する。
【0051】
本実施例では、車速センサによって検出された車速と、レーンマーカセンサによって検出された磁気信号により特定される車速を比較して、磁気信号が正しいか否かを判断する。
a)まず、本実施例における車両側の車両位置検出装置について説明する。
【0052】
図5に示す様に、車両には、通過したレーンマーカ1の磁極を検出するレーンマーカセンサ13、例えばクランク軸の回転から車両の速度を検出する車速センサ15、前記図3(a)と同様なデータベース等を記憶している記憶装置17、車速の演算や車両位置の演算等の各種の演算処理を行う演算装置19等を備えた車両位置検出装置が搭載されている。
【0053】
b)次に、本実施例における処理手法の原理について説明する。
本実施例では、前記実施例1と同様に、常に(n+1)個の最新のレーンマーカ1の磁極を示す出力値(データ)を保持し、このデータは新しいレーンマーカ1が検出される毎に更新される。
【0054】
従って、本実施例においても、前記式(1)に基づいて、符号長が15の場合は、5個の磁極のデータを保持する。
そして、このデータと同じ配列を、前記図3(a)に示すデータベースの中から検索し、そのチップ列に対応する位置Xi及びXi+1を認識する。
【0055】
次に、演算装置19では、上記処理をレーンマーカ1を検出する毎に繰り返すとともに、下記式(3)によって、認識した位置の推移より単位時間あたりの移動距離(即ち車速)を算出する。
VM=(Xi−Xi-1)/(ti−ti-1)・・・(3)
但し、VM :(レーンマーカから求めた)車速
Xi :最新のレーンマーカ検出結果から認識した位置
Xi-1:一つ前のレーンマーカ検出結果から認識した位置
ti :最新のレーンマーカを認識した時刻
ti-1:一つ前のレーンマーカを認識した時刻
尚、(Xi−Xi-1)が、前記実施例1の移動距離dxに相当する。
【0056】
そして、計算した車速VMと、車速センサ15により検出した車速Vsを比較し、一致する場合は、レーンマーカセンサ13の出力値(磁気信号)は正しいとする。一方、一致しない場合は、最後に検出した磁気信号が正しくないと見なして、その磁気信号が示す磁極情報を反転させたものを記憶する。
【0057】
c)次に、本実施例の車両位置検出装置の制御処理を、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図6のステップ200にて、車両走行中に、レーンマーカセンサ13により、レーンマーカ1の磁極を順次読みとる。
【0058】
続くステップ210では、読みとった少なくともn+1個(ここでは例えば5個)のレーンマーカ1の磁極情報から、連続する5桁のチップ列を認識する。
続くステップ220では、前記図3(a)に示すデータベースを参照し、5桁のチップ列のうち、1番目〜4番目の4桁のチップ列に相当する位置Xi-1と、2番目〜5番目の4桁のチップ列に相当する位置Xiを読み取る。
【0059】
続くステップ230では、前記ステップ220にて求めた位置Xi-1及びXiの差(即ち移動距離dx)を算出する。
続くステップ240では、前記位置Xi-1における時刻ti-1と、位置Xiにおける時刻tiと、移動距離dxを、前記式(3)に代入し、単位時間当たりの移動距離VMを算出する。
【0060】
続くステップ250では、車速センサ15から車速Vsを読み取る。
続くステップ260では、単位時間当たりの移動距離VMが車速Vsと一致するか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ270に進み、一方否定判断されるとステップ280に進む。尚、一致するか否かは、単位時間当たりの移動距離VMと車速Vsの差が所定の許容範囲内に収まるか否かによって判断する。
【0061】
ステップ270では、単位時間当たりの移動距離VMと車速Vsが一致したので、レーンマーカセンサ13の磁気信号は正しいと見なして、前記ステップ210で認識した5桁のチップ列の全ての磁極のデータが正しいと認識し、一旦本処理を終了する。
【0062】
一方、ステップ280では、単位時間当たりの移動距離VMと車速Vsが一致しないので、レーンマーカセンサ13の磁気信号は正しくないと見なして、最も後に検出した磁気信号が示す磁極情報を反転して、新しい5桁のチップ列を作成する。
【0063】
続くステップ290では、前記ステップ280で作成した5桁のチップ列の全ての磁極のデータ(磁極情報)が正しいと認識し、一旦本処理を終了する。
c)この様に、本実施例では、レーンマーカセンサ13の出力信号(磁気信号)により得られた連続するチップ列に基づいて、単位時間当たりの移動距離VMを求め、その単位時間当たりの移動距離VMと車速Vsを比較している。
【0064】
そして、単位時間当たりの移動距離VMと車速Vsが一致した場合には、レーンマーカセンサ13によって得られた磁極情報は正しいものと判断し、一方、単位時間当たりの移動距離VMと車速Vsが一致しない場合には、その磁極情報は間違っていると判断している。
【0065】
これにより、前記実施例1と同様に、磁気外乱が発生している場合でも、それによる磁気信号を、レーンマーカ1による磁気信号であると誤判定することを防止できる。また、磁極情報は間違っていると判断した場合には、正しい磁気情報に訂正できる。
【0066】
よって、道路に敷設されたレーンマーカ1の磁極のみを確実に検出できるので、正確な磁極情報に基づいて、正しい車両位置を求めることができる。
(実施例3)
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1、2と同様な箇所の説明は省略する。
【0067】
本実施例では、GPS衛星からの送信波を受信して特定される車両位置と、レーンマーカセンサによって検出された磁気信号により特定される車両位置を比較して、磁気信号が正しいか否かを判断する。
a)まず、本実施例における車両側の車両位置検出装置について説明する。
【0068】
図7に示す様に、車両には、通過したレーンマーカ1の磁極を検出するレーンマーカセンサ23、GPS衛星からの送信波を利用して車両の絶対位置を検出するGPS装置25、データベース等を記憶している記憶装置27、車両位置の演算等の各種の演算処理を行う演算装置29等を備えた車両位置検出装置が搭載されている。
【0069】
また、前記記憶装置に記憶されるデータベースは、図8に示す様に、4個のチップ列と緯度(Xi)・経度(Yi)で示される車両の絶対位置を対応づけて記憶したものである。
b)次に、本実施例における処理手法の原理について説明する。
【0070】
本実施例では、常にn個の最新のレーンマーカ1の磁極を示す出力値(データ)を保持し、このデータは新しいレーンマーカ1が検出される毎に更新される。従って、本実施例では、前記式(1)に基づいて、符号長が15の場合は、4個の磁極のデータを保持する。
【0071】
そして、このデータと同じ配列を、前記図8に示すデータベースの中から検索し、そのチップ列に対応する位置(Xi、Yi)を認識する。一方、GPS装置25によっても、位置(X0、Y0)を検出する。
次に、下記式(4)を用いて、チップ列による位置(Xi、Yi)とGPS装置25による位置(X0、Y0)を比較する。
【0072】
Z>{(Xi−X0)2+(Yi−Y0)2}1/2 ・・・(4)
但し、Z:GPSの誤差
この式(4)は、チップ列による位置(Xi、Yi)とGPS装置25による位置(X0、Y0)の間の距離(位置のずれ)が、GPSの誤差の範囲Zかどうかを判定するための条件式である。
【0073】
そして、前記比較の結果、その位置のずれがGPSの誤差範囲内のときには、レーンマーカ1を正しく検出したと判断する。
一方、その違いがGPSの誤差範囲外のときには、レーンマーカ1を正しく検出していないとして、保持している4個のチップ列のデータの中から、任意の1チップの符号を反転し、前記比較の処理を繰り返す。
【0074】
また、全てのチップを反転しても、前記式(4)が成立しない場合は、任意の2チップの符号を反転(必要であれば任意の3チップも反転)し、同様な比較の処理を繰り返す。この操作は、前記式(1)が成立するまで繰り返される。
そして、前記式(4)が成立した場合には、そのチップ列が真の値であると判断する。
【0075】
c)次に、本実施例の車両位置検出装置の制御処理を、図9のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図9のステップ300にて、GPS装置25により、現在の車両位置である緯度・経度(X0、Y0)を読み取る。
【0076】
続くステップ310では、レーンマーカセンサ23により、レーンマーカ1の磁極を読みとる。
続くステップ320では、読みとった少なくともn個(ここでは例えば4個)のレーンマーカ1の磁極情報から、連続する4桁のチップ列を認識する。
【0077】
続くステップ330では、前記図8に示すデータベースを参照し、4桁のチップ列に相当する車両位置の緯度・経度(Xi、Yi)を読み取る。
続くステップ340では、GPSによる位置(X0、Y0)とレーンマーカ1による位置(Xi、Yi)を、前記式(4)に代入し、GPSによる位置(X0、Y0)とレーンマーカ1による位置(Xi、Yi)の差が、GPSの計測精度範囲(誤差の範囲)Z内であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ250に進み、一方否定判断されるとステップ360に進む。
【0078】
ステップ350では、GPSによる位置(X0、Y0)とレーンマーカ1による位置(Xi、Yi)の差が、GPSの誤差の範囲Z内であるので、レーンマーカセンサ23により検出された磁気信号は正しいと見なして、前記ステップ320で認識した4桁のチップ列の全ての磁極のデータが正しいと認識し、一旦本処理を終了する。
【0079】
一方、ステップ360では、GPSによる位置(X0、Y0)とレーンマーカ1による位置(Xi、Yi)の差が、GPSの誤差の範囲Z内ではないので、レーンマーカセンサ23の磁気信号は正しくないと見なして、前記ステップ320で認識した4桁のチップ列のうち、任意のチップの符号を反転して新しい4桁のチップ列を作成する。
【0080】
その後、前記ステップ330を経てステップ340にて、同様な判定を行う。この判定は、上述した様に、ステップ360にて、任意のチップ列の符号を順次反転することにより、ステップ340にて肯定判断されるまで行われる。
c)この様に、本実施例では、GPS装置25により検出された位置(X0、Y0)と、レーンマーカセンサ23によって得られたチップ列が示す位置(Xi、Yi)を比較している。
【0081】
そして、その差がGPSの誤差の範囲Z内である場合には、レーンマーカセンサ23によって得られた磁極情報は正しいものと判断し、一方、その差がGPSの誤差の範囲Z内でない場合には、その磁極情報は間違っていると判断している。
【0082】
これにより、前記実施例1又は2と同様に、磁気外乱が発生している場合でも、それによる磁気信号を、レーンマーカ1による磁気信号であると誤判定することを防止できる。また、磁極情報は間違っていると判断した場合には、正しい磁気情報に訂正できる。
【0083】
よって、道路に敷設されたレーンマーカ1の磁極のみを確実に検出できるので、正確な磁極情報に基づいて、正しい車両位置を求めることができる。
また、本実施例では、正しいチップ列が得られるまでチップの符号を反転させているので、特にM系列のチップ列を最初に取得した場合(イニシャル)に、その符号をチェックするのに有効である。
(実施例4)
次に、実施例4について説明するが、前記実施例1〜3と同様な箇所の説明は省略する。
【0084】
本実施例は、磁気センサによって検出された磁気信号が、ノイズ信号か否かを判断するものである。
a)まず、本実施例における車両側の車両位置検出装置について説明する。
図10に示す様に、車両には、通過したレーンマーカ1の磁界強度を検出する磁気センサ33、車速を検出する車速センサ35、データベース等を記憶している記憶装置37、車両位置の演算等の各種の演算処理を行う演算装置39等を備えた車両位置検出装置が搭載されている。
【0085】
前記磁気センサ33は、道路に敷設されているレーンマーカ1が発生する磁界や、道路及びその周辺にて発生する磁界を検出するものであり、センサ周辺の磁束密度を計測して、磁束密度に比例した電圧(出力信号)を出力する。尚、この磁気センサ33としては、実施例1〜3のレーンマークセンサを利用できる。
【0086】
また、レーンマーカ1は、一定の間隔で道路に敷設されているが、必ずしもM系列のPN符号配列に従って配列されている必要はなく、各種の配列を採用できる。
b)次に、本実施例における処理手法の原理について説明する。
【0087】
本実施例では、磁気センサ33から出力される電圧を監視し、図11に示す様に、しきい値である電圧Vmを上回るとき、又は電圧Viを下回るときに、何らかの磁界発生物体を検出したと判定する。
また、車両の走行速度Vsとレーンマーカ1の敷設間隔Lにより計算される所定時間t秒間(即ち2つの敷設間隔2Lを走行する時間t)を、下記式(5)より算出する。
【0088】
t=2L/Vs ・・・(5)
そして、前記t秒間に検出される磁界発生物体の検出タイミングを記憶する。従って、このt時間の計測により、必ず2つ以上3つ以下のレーンマーカ1を検出することになる。
【0089】
次に、記憶した磁界発生物体の検出タイミングから、全ての検出タイミング間の時間間隔を計算する。例えば図11の、t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4、t1〜t3、t2〜t4、t1〜t4の時間間隔を計算する。
そして、計算した時間間隔がt/2秒であれば、磁気外乱によるものではないので、この検出信号がレーンマーカ1による磁気信号であると判断する。
【0090】
尚、計算した時間間隔がt/2秒であれば、両側の磁気信号が正しいとする。また、時間間隔がt/2秒でなければ、両側の磁気信号とも正しくないとするが、この場合、一方の磁気信号が既に正しいものと判定されていれば、他方の磁気信号が正しくないとする。
【0091】
c)次に、本実施例の車両位置検出装置の制御処理を、図12のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図12のステップ400にて、車速センサ35により車速Vsを求める。 続くステップ410では、前記式(5)を用い、敷設間隔Lと車速Vsから所定時間tを算出する。
【0092】
続くステップ420では、磁気センサ33が検出した磁気信号(電圧の変化)から磁極を認識するとともに、検出した時間tiを認識する。
続くステップ430では、t秒間に検出した全ての磁極の検出間隔(時間)を計算する。
【0093】
続くステップ440では、検出間隔がt/2秒する磁極を、レーンマーカ1が発生している磁極であると認識する。尚、検出間隔がt/2秒と一致するか否かは、検出間隔とt/2秒の差が所定の許容範囲内に収まるか否かによって判断する
c)この様に、本実施例では、磁気センサ33により検出した各磁極の検出間隔を算出し、この検出間隔がt/2秒であれば、検出した磁極がレーンマーカ1によるものであると判断している。
【0094】
これにより、前記実施例1〜3と同様に、磁気外乱が発生している場合でも、それによる磁気信号を、レーンマーカ1による磁気信号であると誤判定することを防止できる。
よって、道路に敷設されたレーンマーカ1の磁極のみを確実に検出できるので、正確な磁極情報に基づいて、正しい車両位置を求めることができる。
【0095】
尚、本発明は上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々の態様で実施できることはいうまでもない。
例えば、前記実施例では、車両位置検出装置について述べたが、車両位置検出装置による処理を実行させるプログラムを記憶している記録媒体も、本発明の範囲である。
【0096】
例えば記録媒体としては、マイクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マイクロチップ、フロッピィディスク(登録商標)、ハードディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。
つまり、上述した車両位置検出装置の処理を実行させることができるプログラムを記憶したものであれば、特に限定はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 道路に埋設されたレーンマーカの状態を示す説明図である。
【図2】 実施例1の車両位置検出装置を示す説明図である。
【図3】 (a)はデータベースを示す説明図、(b)は符号列を示す説明図である。
【図4】 実施例1の制御処理を示すフローチャートである。
【図5】 実施例2の車両位置検出装置を示す説明図である。
【図6】 実施例2の制御処理を示すフローチャートである。
【図7】 実施例3の車両位置検出装置を示す説明図である。
【図8】 実施例3のデータベースを示す説明図である。
【図9】 実施例3の制御処理を示すフローチャートである。
【図10】 実施例4の車両位置検出装置を示す説明図である。
【図11】 実施例4の磁気センサの出力信号を示す説明図である。
【図12】 実施例4の制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…磁石式マーカ(レーンマーカ)
3,13,23…レーンマーカセンサ
5,17,27,37…記憶装置
7,19、29,39…演算装置
15,35…車速センサ
25…GPS装置
33…磁気センサ
Claims (9)
- 車両に搭載された磁気信号検出手段により、道路に埋設された磁石式マーカによる磁気信号を検出し、該検出された磁気信号に基づいて、車両位置を検出する車両位置検出装置において、
前記磁気信号検出手段によって検出された磁気信号が、前記磁石式マーカによる磁気信号であるか否かを判定する判定手段を備えるとともに、
前記判定手段は、GPS衛星からの送信波を受信して特定される車両位置と、前記磁気信号検出手段によって検出された磁気信号により特定される車両位置と、を比較して前記判定を行うことを特徴とする車両位置検出装置。 - 前記判定手段により、前記磁気信号検出手段によって検出された磁気信号が前記磁石式マーカによる磁気信号ではないと判定された場合には、前記磁気信号に基づく磁極情報を正しい磁極情報に訂正することを特徴とする前記請求項1に記載の車両位置検出装置。
- 前記磁極情報を反転させることにより、正しい磁極情報に訂正することを特徴とする前記請求項2に記載の車両位置検出装置。
- 車両に搭載された磁気信号検出手段により、道路に埋設された磁石式マーカによる磁気信号を検出し、該検出された磁気信号に基づいて、車両位置を検出する車両位置検出装置において、
前記磁気信号検出手段によって検出された磁気信号が、前記磁石式マーカによる磁気信号であるか否かを判定する判定手段を備えるとともに、
前記判定手段により、前記磁気信号検出手段によって検出された磁気信号が前記磁石式マーカによる磁気信号ではないと判定された場合には、前記磁気信号に基づく磁極情報を正しい磁極情報に訂正することを特徴とする車両位置検出装置。 - 前記磁極情報を反転させることにより、正しい磁極情報に訂正することを特徴とする前記請求項4に記載の車両位置検出装置。
- 磁石式マーカの磁極が、道路の車両進行方向に特定の間隔で疑似ランダム符号に従って敷設されている場合に、前記磁気信号検出手段によって前記磁石式マーカの磁極を検出し、該検出された磁石式マーカの磁極の配列を示す部分符号に基づいて、車両位置を検出することを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載の車両位置検出装置。
- 前記磁石式マーカの配列の部分符号を、記憶手段に記憶した部分符号と車両位置との関係を示すデータに当てはめて、車両位置を検出することを特徴とする前記請求項6に記載の車両位置検出装置。
- 前記疑似ランダム符号は、M系列符号であり、前記部分符号は、2n−1の符号長のM系列において、少なくともn個の符号の並びであることを特徴とする前記請求項6又は7に記載の車両位置検出装置。
- 前記請求項1〜8のいずれかに記載の車両位置検出装置による処理を実行させるプログラムを記憶している記録媒体。
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