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JP4363454B2 - 表面保護フィルム - Google Patents
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JP4363454B2 - 表面保護フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、建築資材、電気・電子分野等で用いられる各種樹脂板、ガラス板、金属板等の表面を保護する目的でその表面に貼着して、保管、運搬、後加工の際に被着体を傷付き、汚染等から守る表面保護フィルムに関する。特に、被着体に表面保護フィルムが貼着された状態で加熱、又は加熱成形等に供される場合に、被着体からの浮き、剥がれがなく、なおかつフィルム剥離後の被着体表面への糊残り等の汚染が極めて少ない表面保護フィルムに関する。
表面保護フィルムに対する基本的な要求性能としては、前記した各種被着体に対し、シワや空気を巻き込むことなく一様に貼り付けられる貼着作業性に優れること、被着体の保管、搬送等の間に浮きや剥がれが生じない適度な粘着力を有すること、被着体の保管中の環境変化や後加工による粘着力の経時変化が少なく、容易に剥離可能で剥離後に被着体の表面を汚染することがないことなどが挙げられる。
従来の表面保護フィルムとしては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等からなるフィルムを基材として、その片面にウレタン系、アクリル系、ゴム系等の粘着剤を塗工したものが知られている。しかし、これらの表面保護フィルムは、基材であるフィルムと粘着剤との密着性に劣る場合があったり、粘着剤自体の凝集力の低さが原因で被着体から剥離した際に粘着剤の一部が被着体の表面に残留したりする問題があった。また、フィルムに粘着剤を塗工して製造する表面保護フィルムは、基材であるフィルムの製造工程と粘着剤の塗工工程との最低2工程を必要とするため製造コストが高くなる問題、粘着剤の塗工工程で大量の溶剤を除去する必要があり環境負荷が高くなる問題等があった。
上記の問題点を改善する方法として共押出積層法により、基材のフィルム層と粘着剤層を同時に押出、積層した自己粘着型の表面保護フィルムが提案されている。このような表面保護フィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)を基材層とし、その一方の面にシリコーン樹脂からなる離型層と、他方の面にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及び脂肪族系炭化水素樹脂からなる粘着付与剤の混合樹脂からなる粘着層とを設けた3層構成の共押出積層フィルム(例えば、特許文献1参照。)、ポリプロピレンを主成分とする樹脂を基材層とし、ポリエチレンを主成分とする樹脂を表面層とし、炭素原子数2〜12のα−オレフィン共重合体を主成分とする樹脂を粘着層とした3層構成の共押出積層フィルム(例えば、特許文献2参照。)、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる基材層の片面に、スチレン系エラストマー、粘着付与剤及びスチレン相相溶樹脂からなる粘着層を設けた共押出積層フィルム(例えば、特許文献3参照。)、融点が115〜125℃、密度が0.915〜0.932g/cmであるエチレン−α−オレフィン共重合体からなる粘着層と、粘着層に用いたエチレン−α−オレフィン共重合体よりも低い融点を有するポリエチレンを30重量%以上含有するポリエチレン及び/又はエチレン−α−オレフィン共重合体からなる基材層との共押出積層フィルム(例えば、特許文献4参照。)、熱可塑性樹脂を基材層とし、非晶性オレフィン共重合体と結晶性オレフィン系重合体及びスチレン系エラストマーからなる粘着層を設けた共押出積層フィルム(例えば、特許文献5及び6参照)が挙げられる。
しかしながら、用途によっては保護フィルムが剥離された後、被着体である樹脂板等の表面に印刷等の二次加工を施す場合がある。上記の共押出積層フィルムからなる表面保護フィルムでは、フィルム剥離後の被着体表面に糊残り等による極微量な残留物が生じ、このような二次加工において印刷不良の要因となる問題があった。また、粘着層にスチレン系のエラストマーを配合した場合、ロール状に巻き取った後、再び巻き戻しを行う際に粘着層と基材層が密着し、巻き戻しが困難になる問題があった。
特開2000−177059号公報 特開平11−21519号公報 特開平8−253744号公報 特開平8−323942号公報 特開2006−188646号公報 特開2006−257247号公報
本発明の課題は、保護フィルム剥離後の被着体表面への汚染に関し、目視確認できる残留物はもちろん、確認不可能な微量な汚染も無く、印刷等の二次加工適性が良好で、かつロール状に巻き取った後、再び巻き戻しをする際、ブロッキングがなく耐ブロッキング性に優れた表面保護フィルムを提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、結晶性プロピレン系重合体を主成分とする基材層と、非晶性α−オレフィン系重合体及び直鎖状低密度ポリエチレン及び/又はエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムの混合樹脂を主成分とする粘着層とを積層した共押出積層フィルムを用いると、被着体表面への汚染が極めて少なく、二次加工適性が向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、結晶性プロピレン系重合体(A1)を主成分とする基材層と、非晶性α−オレフィン系重合体(B1)5〜50質量%及び密度が0.880〜0.938g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン(B2)50〜95質量%、又は非晶性α−オレフィン系重合体(B1)5〜50質量%、密度が0.880〜0.938g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン(B2)40〜90質量%及びエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(B3)5〜50質量%の混合樹脂を主成分とする粘着層と、プロピレン単独重合体及びプロピレン−エチレン共重合エラストマーからなるポリプロピレン系樹脂(C1)を主成分とする表面層を、前記粘着層の反対面の基材層上に積層した共押出積層フィルムを有することを特徴とする表面保護フィルムを提供するものである。
本発明の表面保護フィルムは、各種樹脂板、ガラス板、金属板等に貼着された後、長期間放置されたり、高温環境にさらされたりしても、剥離後の被着体表面に目視確認できる糊残りが無く、なおかつ目視確認不可能な残留物も極めて少ない。従って、本発明の表面保護フィルムは、各種樹脂板、ガラス板、金属板等の表面を保護するフィルムとして有用であり、特に保護フィルム剥離後に印刷等の二次加工を施される用途に好適である。また、本発明の表面保護フィルムは、ロール状に巻き取った後、再び巻き戻しをする際、ブロッキングがなく耐ブロッキング性にも優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の表面保護フィルムは、基材層と粘着層と表面層とを共押出積層法により形成した共押出積層フィルムである。
本発明の表面保護フィルムの基材層に用いる結晶性プロピレン系重合体(A1)は、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、これらの結晶性ポリプロピレン系重合体は、メルトフローレート(以下、「MFR」という。;JIS K7210:1999に準拠して、230℃、21.18Nで測定した値)が0.5〜30.0g/10分で、融点が120〜165℃であるものが好ましく、より好ましくは、MFRが2.0〜15.0g/10分で、融点が125〜162℃のものである。MFR及び融点がこの範囲であれば、被着体に貼着された後の乾燥、加熱成形等によって高温環境にさらされてもフィルムの収縮が少ないため、浮きや剥がれがなく、被着体に反りを発生させることもなく、積層フィルムの成膜性も向上する。
また、前記基材層に用いる結晶性プロピレン系重合体(A1)の中でも、メタロセン触媒系ポリプロピレンが好ましい。メタロセン触媒系ポリプロピレンは、従来のチーグラー・ナッタ系触媒に代え、メタロセン系触媒を用いて重合したポリプロピレンである。このメタロセン系触媒としては、例えば、メタロセン化合物とアルミノキサンとを含むメタロセン均一混合触媒、微粒子状の担体上にメタロセン化合物が担持されたメタロセン担持型触媒等が挙げられる。メタロセン担持型触媒については、特開平5−155931号公報、特開平8−104691号公報、特開平8−157515号公報及び特開平8−231621号公報等に開示されている。メタロセン触媒系ポリプロピレンは、分子量分布及び組成分布の均一性が高く、低分子量成分の含有量が少ないため、前記基材層にメタロセン触媒系ポリプロピレンを用いることで、低分子量成分のブリードによる被着体表面の汚染を防止することができる。また、メタロセン触媒系ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体でも、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体でも良く、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体の例として、プロピレン−エチレン共重合体が挙げられる。
前記基材層は、前記結晶性プロピレン系重合体(A1)を主成分とするが、これ以外の樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体(A2)を配合すると、柔軟性が増してフィルムの貼着時の被着体表面への追従性が向上し、剥離時に滑らかに剥離できるので好ましい。
前記非晶性α−オレフィン系重合体(A2)としては、後述する非晶性α−オレフィン系重合体(B1)と同様のものを用いることができる。また、基材層に非晶性α−オレフィン系重合体(A2)を配合する場合、結晶性プロピレン系重合体(A1)と非晶性α−オレフィン系重合体(A2)との配合比率は、質量基準で(A1):(A2)=70〜95:30〜5が好ましく、より好ましくは(A1):(A2)=80〜95:20〜5である。結晶性プロピレン系重合体(A1)と非晶性α−オレフィン系重合体(A2)との配合比率がこの範囲であれば、十分な柔軟性、耐熱性が得られる。
さらに、基材層には前記非晶性α−オレフィン系重合体(A2)以外に、エチレン系樹脂(A3)を配合して柔軟性を調整してもよい。このエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(以下、「LDPE」という。)、中密度ポリエチレン(以下、「MDPE」という。)、高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」という。)、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE」という。)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(以下、「EMMA」という。)等が挙げられるが、柔軟化効果の高さから、LLDPEとEMMAが好ましい。LLDPE、EMMAとしては、MFR(190℃、21.18N)が0.5〜30.0g/10分のものが好ましく、より好ましくは、MFRが2.0〜15.0g/10分のものである。EMMAにおいてはメチルメタクリル酸(以下、「MMA」という。)に基づく単量体含有量が3〜30質量%のものが好ましい。より好ましくは、MMA由来の単量体含有量が8〜25質量%である。上記MFR、MMAの含有量がこの範囲であると、基材層の柔軟性、積層フィルムの成膜性が向上する。
基材層において非晶性α−オレフィン系重合体(A2)の他にポリエチレン系樹脂(A3)を配合する場合、結晶性プロピレン系重合体(A1)、非晶性α−オレフィン系重合体(A2)及びポリエチレン系樹脂(A3)の配合比率は、質量基準で(A1):(A2):(A3)=70〜95:4〜29:1〜12が好ましく、より好ましくは(A1):(A2):(A3)=80〜95:4〜19:1〜5である。配合比率がこの範囲であれば、十分な柔軟性、耐熱性が得られる。
本発明の表面保護フィルムの粘着層に用いる非晶性α−オレフィン系重合体(B1)は、炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を含有する重合体であって、示差走査熱量計(DSC)の−100〜200℃の測定範囲で、結晶の融解熱量が1J/g以上の融解ピーク、結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークのいずれも観測されない重合体である。
前記炭素原子数3〜20のα−オレフィンは、直鎖状、分岐状のいずれのものでもよく、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、へプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ナノデセン−1、エイコセン−1等の直鎖状のα−オレフィン;3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチルペンテン−1等の分岐状のα−オレフィンなどが挙げられる。また、非晶性α−オレフィン系重合体(B1)は、これらのα−オレフィンを2種以上含有する重合体が好ましく、プロピレンに基づく単量体単位と炭素数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを1種以上含有する重合体がより好ましい。また、非晶性α−オレフィン系重合体(B1)には、上記のα−オレフィン以外の単量体を含有していてもよい。このような単量体としては、例えば、エチレン、ポリエン化合物、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物等が挙げられる。非晶性α−オレフィン系重合体(B1)の中でも、非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体、非晶性プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体が好ましい。これらは、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体中のプロピレンに基づく単量体単位は、非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体の全単量体単位を100質量%とすると、70質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上で、さらに好ましくは90質量%以上ある。プロピレンに基づく単量体単位がこの範囲であれば、耐熱性が向上する。
前記非晶性プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体中のプロピレンに基づく単量体単位は、非晶性プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体の全単量体単位を100質量%とすると、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上である。プロピレンに基づく単量体単位がこの範囲であれば、耐熱性が向上する。また、非晶性プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体中のエチレンに基づく単量体単位は、10質量%以上が好ましく、より好ましくは20質量%以上である。エチレンに基づく単量体単位がこの範囲であれば、前記粘着層が比較的柔らかいものになり、被着体表面に凹凸がある場合でも、その凹凸に追従する形で密着するため、十分な粘着力が得られる。
また、前記非晶性α−オレフィン系重合体(B1)の極限粘度[η]は0.1〜10.0dl/gが好ましく、より好ましくは0.7〜7.0dl/gである。さらに、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、1より大きく4以下であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。非晶性α−オレフィン系重合体(B1)の極限粘度、分子量分布がこの範囲であると、耐熱性、透明性、粘着性が向上し、表面保護フィルムを貼着した被着体を長期保管したり、高温環境にさらされたりしても非晶性α−オレフィン系重合体(B1)中の低分子量成分が被着体表面に移行して被着体を汚染することがない。また、非晶性α−オレフィン系重合体(B1)は、オレフィン系重合体であることから、エチレン−酢酸ビニル共重合体を粘着層に用いた場合のように、脱酢酸等の樹脂の変質による経時的な粘着力の増加がなく、長期にわたり安定した粘着力を維持することができる。
前記非晶性α−オレフィン系重合体(B1)の製造方法としては、例えば、気相重合法、溶液重合法、スラリー重合法、塊状重合法等を用いて、メタロセン系触媒により重合する方法が挙げられる。より好ましい製造方法としては、特開2002−348417号公報に開示された製造方法が挙げられる。
また、前記粘着層には、前記非晶性α−オレフィン重合体(B1)以外に直鎖状低密度エチレン(B2)、及び/又はエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(B3)を配合する。直鎖状低密度エチレン(B2)及び/又はエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(B3)を配合することにより、被着体の表面状態、被着体の材質、用途等による要求特性に応じた粘着力に調製することができ、粘着力の強弱によらず被着体表面の汚染を低減することができる。
本発明の表面保護フィルムの粘着層に用いる直鎖状低密度エチレン(B2)は、密度が0.880〜0.938g/cmであるものであり、密度が0.898〜0.925g/cmのものがより好ましい。また、そのMFR(190℃、21.18Nで測定した値。)は、0.5〜30.0g/10分であるものが好ましく、2.0〜15.0g/10分であるものがより好ましい。直鎖状低密度エチレン(B2)の密度及びMFRがこの範囲であれば、非晶性α−オレフィン重合体との相溶性が良好で、積層フィルムの成膜性が向上する。
エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(B3)としては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン−1共重合体ゴム等が挙げられるが、エチレン−ブテン−1共重合体ゴムが好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとしては、MFR(190℃、21.18Nで測定した値。)が0.5〜30.0g/10分で、密度が0.870〜0.905g/cmであるものが好ましく、より好ましくは、MFRが2.0〜15.0g/10分で、密度が0.880〜0.900g/cmのものである。エチレン−ブテン−1共重合体ゴム(B3)のMFR及び密度がこの範囲であれば、非晶性α−オレフィン重合体との相溶性が良好で、積層フィルムの成膜性が向上する。また、被着体表面の汚染防止効果から、これらの樹脂は低分子量成分の少ないメタロセン触媒系であることがより好ましい。
粘着層に非晶性α−オレフィン系重合体(B1)と直鎖状低密度ポリエチレン(B2)を主成分として用いる場合、その配合比率は、質量基準(質量%)で(B1):(B2)=5〜50:50〜95であり、より好ましくは5〜40:60〜95である。非晶性α−オレフィン系重合体(B1)の配合比率が5質量%未満であると十分な粘着力が得られず、50質量%を超えると粘着力が強すぎるためフィルムの取り扱いが困難になる問題がある。また、成分(B1)及び成分(B2)の配合比率を、前記の範囲で調整することで、要求される粘着力に応じて、約0.05〜5.0N/25mm程度の粘着力に調整することができる。
また、粘着層に非晶性α−オレフィン系重合体(B1)と直鎖状低密度エチレン(B2)及びエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(B3)を主成分として用いる場合、その配合比率は、質量基準(質量%)で(B1):(B2):(B3)=5〜50:40〜90:5〜50であり、より好ましくは5〜30:40〜85:10〜45である。成分(B1)及び成分(B3)の配合比率を、前記の範囲で調整することで、要求される粘着力に応じたものに調整することができ、約0.1〜7.0N/25mm程度の粘着力に調整することができる。
粘着層において、非晶性α−オレフィン重合体(B1)と、直鎖状低密度ポリエチレン(B2)及び/又はエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(B3)の配合物は、75質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましい。(B1)と(B2)、又は(B1)、(B2)及び(B3)の配合物の含有量がこの範囲であると、被着体表面の汚染が極めて少なくなり、被着体の二次加工適性が向上する。
本発明の表面保護フィルムは、上記のように基材層と粘着層と、さらに基材層の上に表面層を設けた。表面層に用いる樹脂としては、特に限定はないが、高い耐熱性を付与するために、プロピレン系重合体からなることが好ましい。このプロピレン系重合体としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等が挙げられる。これらは前記した基材層と同様にメタロセン触媒系によるポリプロピレンであることが好ましい。
また、プロピレン単独重合体及びプロピレン−エチレン共重合エラストマーからなるプロピレン系樹脂(C1)を主成分とし、表面層を梨地状に改質してもよい。表面層を梨地状とすることで粘着力を強く設計した際にブロッキングを軽減できる。プロピレン系樹脂(C1)は、プロピレン単独重合体及びプロピレン−エチレン共重合エラストマー(以下、「EPR」という。)からなる樹脂である。この時プロピレン系樹脂(C1)のメルトフローレート(JIS K7210:1999に準拠して、230℃、21.18Nで測定した値;以下、「MFR」という。)は、0.5〜15g/10分の範囲が好ましい。一方、前記EPRの重量平均分子量は、40万〜100万の範囲が好ましく、50〜80万の範囲がより好ましい。また、前記プロピレン系樹脂(C1)中のEPRの含有量は、5〜20質量%の範囲が好ましく、7〜15質量%の範囲がより好ましい。なお、このEPRの重量平均分子量は、前記プロピレン系樹脂(C1)樹脂をオルソジクロルベンゼンを溶媒として使用し、40℃においてクロス分別法によって抽出した成分をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって算出して求めたものである。また、EPRの含有量は、ポリプロピレン系樹脂(C1)をオルソジクロルベンゼンを溶媒として使用し、40℃においてクロス分別法によって抽出されたEPRの抽出量より求めたものである。
前記プロピレン系樹脂(C1)の製造方法は、特に制限はなく、例えば、プロピレン単独重合体とエチレン−プロピレン共重合エラストマーとを、それぞれ別々にチーグラー型触媒を用いて、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法等により製造した後、両者を混練機を用いて混合する方法、2段重合法により、1段目でプロピレン単独重合体を生成させた後、2段目においてこの重合体の存在下でEPRを生成させる方法等が挙げられる。
前記チーグラー型触媒は、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒であり、チタン含有化合物などの遷移金属化合物、またはマグネシウム化合物などの担体に遷移金属化合物を担持させることによって、得られる担体担持触媒と有機アルミニウム化合物などの有機金属化合物の助触媒とを組合せたもの等が挙げられる。
前記表面層は、前記プロピレン系樹脂(C1)を主成分とするが、これ以外の樹脂として、エチレン系樹脂(C2)を配合すると、表面層の表面をより強く梨地状にできるため、ブロッキング防止効果が向上するので好ましい。
前記エチレン系樹脂(C2)としては、低密度ポリエチレン(以下「LDPE」という。)、中密度ポリエチレン(以下「MDPE」という。)、高密度ポリエチレン(以下「HDPE」という。)が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上併用してもよい。これらの中でも改質効果や均一性が高くなるHDPEがより好ましい。HDPEとしては、密度が0.940〜0.970g/cm、MFR(190℃、21.18N)が0.05〜20g/10分であることが好ましい。HDPEの密度及びMFRがこの範囲であれば、フィルムにフィッシュアイを生じにくく、表面層の表面を適度な梨地状にすることができ、ブロッキングを防止できる。
また、前記表面層に、エチレン系樹脂(C2)を配合する場合、前記プロピレン系樹脂(C1)とエチレン系樹脂(C2)との配合比率は、質量基準で(C1):(C2)=60〜97:40〜3の範囲が好ましく、80〜95:20〜5の範囲がより好ましい。配合比率がこの範囲であれば、十分な耐熱性が得られ、表面層の表面を適度な梨地状にすることができ、ブロッキングを防止できる。
前記表面層には、前記プロピレン系樹脂(C1)及びエチレン系樹脂(C2)以外に、プロピレン系重合体(C3)も配合することができる。プロピレン系重合体(C3)を配合することで、表面層の表面の梨地状態をさらに最適なものに調整することができる。このようなプロピレン系重合体(C3)としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等を配合してもよい。これらは単独で用いても、2種以上併用してもよい。また、これらのプロピレン系重合体(C3)は、MFR(230℃、21.18N)が0.5〜30.0g/10分、融点が120〜165℃のものが好ましく、MFR(230℃、21.18N)が2.0〜15.0g/10分、融点が135〜165℃のものがより好ましい。MFR及び融点がこの範囲であれば、耐熱性及び積層フィルムの成膜性が向上する。
本発明の表面保護フィルムは、全フィルム厚さが20〜120μmのものが好ましい。全フィルムの厚さがこの範囲であれば、被着体の保護性、粘着特性、及び貼着・剥離等の作業性が良好となる。また、粘着層の厚さは、3〜30μmが好ましく、より好ましくは5〜25μmである。粘着層の厚さがこの範囲であれば、粘着特性及び積層フィルムの成膜性が良好となる。さらに、本発明の表面保護フィルムに前記表面層を設ける場合は、表面層の厚さは3〜30μmが好ましく、より好ましくは5〜20μmである。表面層の厚さがこの範囲であれば、耐熱性及び積層フィルムの成膜性が良好となる。
本発明の表面保護フィルムの製造方法としては、共押出積層法であれば特に限定されるものではないが、例えば、2台以上の押出機を用いて各樹脂層に用いる樹脂を溶融し、共押出ダイス法、フィードブロック法等の共押出法により溶融状態で積層した後、インフレーション、T−ダイ・チルロール法等の方法を用いてフィルム状に加工する方法が挙げられる。T−ダイ・チルロール法の場合、ゴムタッチロールやスチールベルト等とチルロール間で、溶融積層されたフィルムをニップして冷却してもよい。
さらに、本発明の表面保護フィルムは、少なくとも1軸方向に延伸されていてもよい。延伸方法としては、縦あるいは横方向の1軸延伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸、あるいはチューブラー法2軸延伸等の公知の方法を採用することができる。また、延伸工程はインラインでもあっても、オフラインであってもよい。1軸延伸の延伸方法としては、近接ロール延伸法でも圧延法でもよい。1軸延伸の延伸倍率としては、縦あるいは横方向に1.1〜80倍が好ましく、より好ましくは3〜30倍である。一方、2軸延伸の延伸倍率としては、面積比で1.2〜70倍が好ましく、より好ましくは縦4〜6倍、横5〜9倍、面積比で20〜54倍である。
また、縦あるいは横方向の延伸工程としては、必ずしも1段延伸に限らず、多段延伸であってもよい。特に、逐次2軸延伸における縦1軸ロール延伸、縦1軸圧延延伸等の縦1軸延伸においては、厚み、物性の均一性等の点で多段延伸とすることが好ましい。さらに近接ロール延伸においては、フラット法、クロス法のいずれでも構わないが、幅縮みの低減が図れる多段の近接クロス延伸がより好ましい。延伸温度は、1軸延伸の場合、いずれの延伸方法においても80℃〜160℃が好ましく、1軸延伸でテンター延伸を使用する場合は、90〜165℃が好ましい。また、より好ましい延伸温度としては、それぞれ110〜155℃、120〜160℃である。一方、2軸延伸の場合、いずれの方法においても1軸延伸の場合と同様な延伸温度範囲が好ましい。また、延伸工程前に予熱部、延伸工程後に熱固定部を適宜設けてもよい。この場合、予熱部の温度は60〜140℃、熱固定部の温度は90〜160℃の範囲が好ましい。
本発明の表面保護フィルムは、少なくとも1軸方向への延伸し、熱固定により構造安定化を図ることで、結晶性プロピレン系重合体(A1)を主成分とした基材層の配向結晶化により、さらに耐熱性が向上し、粘着力の経時変化が小さくなるので好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、滑剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、耐電防止剤、防曇剤等、着色剤等を適宜添加してもよい。これらの添加剤としては、オレフィン系樹脂用の各種添加剤を使用することが好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
(合成例1)
[非晶性α−オレフィン系重合体(非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体)の合成]
攪拌機を備えた100Lステンレス製重合容器中で、水素を分子量調整剤として用いて、プロピレンとブテン−1を連続的に共重合させて、非晶性α−オレフィン重合体として非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体を得た。具体的には、重合器の下部から、重合溶媒としてヘキサンを供給速度100L/時間で、プロピレンを24.00kg/時間で、ブテン−1を1.81kg/時間で連続的に供給し、重合器の上部から、重合器中の反応混合物が100Lを保持するように、反応混合物を連続的に抜き出した。また、重合器の下部から、触媒成分として、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、各々連続的に供給した。共重合反応は、重合器の外部に取り付けられたジャケットに、冷却水を循環させることによって45℃で行った。重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物に少量のエタノールを加え重合反応を停止させた後、脱モノマー、水洗浄、及び溶媒除去工程を経て、非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体を得た。次いで、得られた共重合体を80℃で24時間減圧乾燥した。この非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体中のプロピレン単量体単位の含有量は94.5質量%、ブテン−1単量体単位の含有量は5.5質量%であった。また該共重合体のDSCにおける融解ピークは観測されず、また、極限粘度[η]は2.3dl/g、分子量分布(Mw/Mn)は2.2であった。
(合成例2)
[非晶性α−オレフィン系重合体(非晶性プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体)の合成]
攪拌器、温度計、滴下ロート及び還流冷却管を備えた容量2Lのセパラブルフラスコ反応器を減圧、窒素置換した後、乾燥トルエン1Lを重合溶媒として導入した。ここにエチレン2NL/分、プロピレン4NL/分、ブテン−1 1NL/分を常圧にて連続供給し、溶媒温度を30℃とした。トリイソブチルアルミニウム(以下TIBAという)0.75mmolを重合槽に添加した後、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド0.0015mmolを重合槽に添加した。その15秒後にトリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.0075mmolを重合槽に添加し、10分間重合を行った。その結果、非晶性プロピレン−ブテン−1−エチレン共重合体を得た。この非晶性プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体中のプロピレン単量体単位の含有量は61.5質量%、エチレン単量体単位の含有量は21.0質量%、ブテン−1単量体単位の含有量は17.5質量%であった。また該共重合体のDSCにおける融解ピークは観測されず、また、極限粘度[η]は1.69dl/g、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。
(調製例1)
[非晶性α−オレフィン系重合体組成物(1)の調製]
上記で得られた非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体に、結晶性プロピレン−ブテン−1共重合体(密度0.900g/cm、MFR(230℃、21.18N)10.0g/10分、DSCにおける最大融解ピーク126℃)を、非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体/結晶性プロピレン−ブテン−1共重合体=60/40(質量比)となるように配合し、さらに芳香族フォスファイト系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「イルガフォス(Irgafos)168」)とヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「イルガノックス(Irganox)1010」)を各々2000ppm配合し、2軸押出機で溶融混練し、次いで、造粒機により非晶性α−オレフィン系重合体組成物(1)のペレットを得た。
(調製例2)
[非晶性α−オレフィン系重合体組成物(2)の調製]
非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体/結晶性プロピレン−ブテン−1共重合体=95/5(質量比)となるように配合した以外は、調整例1と同様にして非晶性α−オレフィン系重合体組成物(2)のペレットを得た。
(調製例3)
[非晶性α−オレフィン系重合体組成物(3)の調製]
上記で得られた非晶性プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体に、結晶性プロピレン−ブテン−1共重合体(密度0.900g/cm、MFR(230℃、21.18N)10.0g/10分、DSCにおける最大融解ピークが126℃)を、非晶性プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体/結晶性プロピレン−ブテン−1共重合体=60/40(質量比)となるように配合し、さらに芳香族フォスファイト系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「イルガフォス(Irgafos)168」)とヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「イルガノックス(Irganox)1010」)を各々2000ppm配合し、2軸押出機で溶融混練し、次いで、造粒機により非晶性α−オレフィン系重合体組成物(3)のペレットを得た。
(調整例4)
[非晶性α−オレフィン系重合体組成物(4)の調製]
非晶性プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体/結晶性プロピレン−ブテン−1共重合体=95/5(質量比)となるように配合した以外は、調整例1と同様にして非晶性α−オレフィン系重合体組成物(4)のペレットを得た。
(実施例1)
表面層用樹脂として、プロピレン系樹脂(プロピレン単独重合体及びEPRからなる樹脂、MFR(230℃、21.18N):4.0g/10分、EPRの含有量:11質量%、EPRの重量平均分子量55万)を用い、基材層用樹脂として、プロピレン単独重合体(密度:0.900g/cm、MFR(230℃、21.18N):8.0g/10分;以下、「HOPP」という。)を用い、粘着層用樹脂として、上記で調製した非晶性α−オレフィン系重合体組成物(1)30質量部及び直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.902g/cm、MFR(190℃、21.18N):3.0g/10分;以下「LLDPE(1)」という。)70質量部の混合物を用いて、表面層用押出機(口径50mm)、基材層用押出機(口径50mm)及び粘着層用押出機(口径40mm)にそれぞれ供給し、共押出法により押出温度250℃でT−ダイから表面層の厚さが12μm、基材層の厚さが38μm、粘着層の厚さが10μmになるように押出し、40℃の水冷金属冷却ロールで冷却した後、ロールに巻き取り、表面保護フィルムを得た。得られたフィルムは、物理的性質を安定化するため、35℃の熟成室で48時間熟成させた。
(実施例2)
粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(1)50質量部及びLLDPE(1)50質量部に代えた以外は実施例1と同様にし、表面保護フィルムを得た。
(実施例3)
実施例2と同様な構成で、表面層用押出機(口径50mm)、基材層用押出機(口径50mm)及び粘着層用押出機(口径40mm)にそれぞれ供給し、共押出法により押出温度250℃でT−ダイから表面層の厚さが40μm、基材層の厚さが120μm、粘着層の厚さが40μmになるように押出し、40℃の水冷金属冷却ロールで冷却した後、近接ロール延伸法により140℃で縦4倍延伸し、さらに145℃で熱固定して、1軸延伸された表面保護フィルムを得た。得られたフィルムは、物理的性質を安定化するため、35℃の熟成室で48時間熟成させた。なお、表1中の実施例3の各層の厚さは、1軸延伸後のものである。
(実施例4)
粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(2)40質量部及びLLDPE(1)60質量部の混合物に代えた以外は実施例1と同様にし、表面保護フィルムを得た。
(実施例5)
基材層用樹脂として、HOPPを用い、粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(4)40質量部及び直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.920g/cm、MFR(190℃、21.18N):4.0g/10分;以下「LLDPE(2)」という。)60質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にし、表面保護フィルムを得た。
比較例7
基材層用樹脂として、メタロセン触媒系プロピレン−エチレンランダム共重合体(密度:0.900g/cm、MFR(230℃、21.18N):7.0g/10分、エチレン単量体単位の含有率:3.5質量%;以下、「メタロセン触媒系COPP」という。)を用い、粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(3)50質量部及びLLDPE(2)50質量部の混合物を用いて、基材層用押出機(口径50mm)及び粘着層用押出機(口径40mm)にそれぞれ供給し、共押出法により押出温度250℃でT−ダイから基材層の厚さが50μm、粘着層の厚さが10μmになるように押出し、40℃の水冷金属冷却ロールで冷却した後、ロールに巻き取り、表面保護フィルムを得た。得られたフィルムは、物理的性質を安定化するため、35℃の熟成室で48時間熟成させた。
(実施例
基材層用樹脂として、メタロセン触媒系COPPを用い、粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(2)6.0質量部及びLLDPE(2)94質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にし、表面保護フィルムを得た。
(実施例
基材層用樹脂として、メタロセン触媒系COPPを用い、粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(2)6.0質量部、LLDPE(2)84質量部及びエチレン−ブテン−1共重合体ゴム(密度:0.895g/cm、MFR(190℃、21.18N):3.0g/10分;以下「EBR」という。)10質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にし、表面保護フィルムを得た。
(実施例
基材層用樹脂として、メタロセン触媒系COPPを用い、粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(2)30質量部、LLDPE(2)50質量部及びEBR20質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にし、表面保護フィルムを得た。
(実施例
基材層用樹脂として、メタロセン触媒系COPPを用い、粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(2)20質量部及びLLDPE(2)40質量部及びEBR40質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にし、表面保護フィルムを得た。
(比較例1)
粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(2)3.16質量部LLDPE(2)96.84質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にし、表面保護フィルムを得た。
(比較例2)
粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(1)30質量部及び直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.940g/cm、MFR(190℃、21.18N):4.0g/10分;以下「LLDPE(3)」という。)70質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にし、表面保護フィルムを得た。
(比較例3)
粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(2)52質量部、調製例1で用いたものと同様の結晶性プロピレン−ブテン−1共重合体8質量部及びスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(株式会社クラレ製「セプトン2063」;以下、「SEPS」という。)40質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面保護フィルムを得た。
(比較例4)
粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(1)50質量部及びHOPP50質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面保護フィルムを得た。
(比較例5)
粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(1)50質量部、LLDPE(2)30質量部及びEBR20質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面保護フィルムを得た。
(比較例6)
粘着層用樹脂として、非晶性α−オレフィン系重合体組成物(2)30質量部、LLDPE(2)20質量部及びEBR50質量部の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、表面保護フィルムを得た。
上記の実施例1〜及び比較例1〜で得られた表面保護フィルムを用いて、以下の測定及び評価を行った。
(1)粘着力の測定
23℃、50%RHの恒温室において、JIS Z0237:2000の粘着力評価方法に準拠して、上記で得られた表面保護フィルムを厚さ2mmのアクリル板(鏡面仕上げ、三菱レイヨン株式会社製「アクリライト」)に貼着した。フィルムが貼着されたアクリル板を23℃恒温室中で24時間放置した後、引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー製)を用いて、300mm/分の速度で180°方向に剥離して初期粘着力を測定した。また、フィルムを貼着したアクリル板を50℃の乾燥機中で1日放置した後、同様に粘着力を測定した。
(2)粘着性の評価
上記の粘着力の測定を行うために、表面保護フィルムをアクリル板に貼着した際の表面保護フィルムのアクリル板への貼着状態を目視で確認し、下記の基準によって粘着性の評価を行った。
○:アクリル板表面への均一な密着を保持しているもの。
×:初期粘着力が不足し、均一な密着が保てず、一部に浮きが生じたもの。
(3)糊残り性の評価
23℃、50%RHの恒温室において、JIS Z0237:2000に準拠した方法で、表面保護フィルムを縦15cm×横5cmのアクリル板(鏡面仕上げ、三菱レイヨン株式会社製「アクリライト」)の全面に貼着した。フィルムが貼着されたアクリル板を60℃の乾燥機中で3日間放置後、23℃恒温室中で1時間冷却した。冷却された試験片から、フィルムを180°方向に高速で手剥がしし、アクリル板表面の汚染状況を目視で確認し、以下の基準にて糊残り性の評価を行った。
○:アクリル板表面に、くもり、白スジ、異物等の汚れが無い。
×:アクリル板表面に、くもり、白スジ、異物等いずれかの汚れがある。
(4)アクリル板表面の濡れ張力の測定
上記(3)の評価でフィルムが剥離された試験片を用い、JIS K6768:1999に準拠した方法でアクリル板表面の濡れ張力を測定した。
(5)保護フィルム剥離後の印刷適性評価
上記(4)の測定で得られた濡れ張力のブランクの値(フィルム貼着前のアクリル板の表面をアルコールで洗浄し、乾燥後に同様な方法で測定した濡れ張力:40mN/m)からの濡れ張力の低下幅を保護フィルム剥離後の印刷適性の代用評価として評価した。なお、評価基準は以下の通りである。
○:ブランクに対し、濡れ張力の低下幅が2mN/m以下である。
×:ブランクに対し、濡れ張力の低下幅が2mN/mを超えている。
(6)耐ブロッキング性の評価
得られた表面保護フィルムを、A4の大きさ(縦297mm×横210mm)で切り出した。この際、フィルム成膜時の押し出し方向(MD方向)とA4縦方向が一致するように切り出した。切り出したフィルムを10枚重ねた後、その上下をA4サイズ、厚さ3mmの塩化ビニル製の板で挟み、重さ5kgの重りを乗せ40℃の乾燥器中で14日間保管後、23℃、50%RHの恒温室内で1時間保管した。次いで、そのフィルムをMD方向に25mm幅で切り出し、引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー製)を用いて、300mm/分の速度で180°方向に剥離してブロッキング力を測定した。得られたブロッキング力から、以下の基準によって耐ブロッキング性を評価した。
○:ブロッキング力が0.8N/25mm未満である。
×:ブロッキング力が0.8N/25mm以上である。
上記で作製した表面保護フィルムの層構成及びこれらの表面保護フィルムを用いて得られた評価結果を表1〜3に示した。なお、表中の表面層樹脂組成中のかっこ内は、用いたポリプロピレン系樹脂に含まれる各樹脂成分の内訳を示したものである。また、比較例7については、表面層を設けていないので空欄としている。
Figure 0004363454
Figure 0004363454
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実施例1〜の結果から、本発明の表面保護フィルムは、アクリル板に対する粘着力が、0.1〜2.0N/25mm程度であり、表面保護フィルムとして最適な微粘着から中粘着レベルの幅広い粘着力を有することがわかった。また、アクリル板への貼着後の浮き、剥がれ等の発生もなく、表面保護フィルムとして実用上良好な粘着性を有していることがわかった。特に貼着したアクリル板からフィルムを剥離した際に、目視で確認できるくもりやスジ、異物等の汚染は認められず、表面保護フィルムを剥離した後のアクリル板表面の濡れ張力の低下もきわめて少ないことから、表面保護フィルムを剥離した後、印刷等の二次加工を施される用途に好適に用いることができることがわかった。
比較例1は、直鎖状低密度ポリエチレンの配合量を、規定した上限の95質量%を超える約97質量%とした表面保護フィルムの例である。この比較例1の表面保護フィルムでは、粘着力は初期値で0.05N/25mm程度しかなく、軽い衝撃で浮き、剥がれ等の発生が見られ、粘着力が不十分であることがわかった。
比較例2は、直鎖状低密度ポリエチレンの密度を、規定した上限の0.938g/cmを超える0.940g/cmとした表面保護フィルムの例である。この比較例2の表面保護フィルムでは、粘着力は初期値で0.03N/25mm程度しかなく、フィルムの貼着直後に浮き、剥がれ等の発生が見られ、配合する直鎖状低密度ポリエチレンの密度が高すぎると、粘着力が不十分となることがわかった。
比較例3は、粘着層に直鎖状低密度ポリエチレンを用いず、代わりにスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)を用いた表面保護フィルムの例である。この比較例3の表面保護フィルムでは、糊残りの発生が見られ、表面保護フィルムを剥離した後のアクリル板表面の濡れ張力の低下も大きく、さらにブロッキング力が大きく、耐ブロッキング性にも劣ることがわかった。
比較例4は、粘着層に直鎖状低密度ポリエチレンを用いず、代わりにプロピレン単独重合体を用いた表面保護フィルムの例である。この比較例4の表面保護フィルムでは、糊残りの発生が見られ、表面保護フィルムを剥離した後のアクリル板表面の濡れ張力の低下も大きいことがわかった。
比較例5は、直鎖状低密度ポリエチレンの配合量を、規定した下限の40質量%未満の37.5質量%とした表面保護フィルムの例である。この比較例5の表面保護フィルムでは、糊残りが発生する問題があることがわかった。
比較例6は、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(EBR)の配合量を、規定した上限の40質量%を超える約50.8質量%とした表面保護フィルムの例である。この比較例6の表面保護フィルムでは、ブロッキング力が大きく、耐ブロッキング性に劣ることがわかった。

Claims (5)

  1. 結晶性プロピレン系重合体(A1)を主成分とする基材層と、非晶性α−オレフィン系重合体(B1)5〜50質量%及び密度が0.880〜0.938g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン(B2)50〜95質量%、又は非晶性α−オレフィン系重合体(B1)5〜50質量%、密度が0.880〜0.938g/cmである直鎖状低密度ポリエチレン(B2)40〜90質量%及びエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(B3)5〜50質量%の混合樹脂を主成分とする粘着層と、プロピレン単独重合体及びプロピレン−エチレン共重合エラストマーからなるポリプロピレン系樹脂(C1)を主成分とする表面層を、前記粘着層の反対面の基材層上に積層した共押出積層フィルムを有することを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 前記粘着層中の前記非晶性α−オレフィン系重合体(B1)、直鎖状低密度ポリエチレン(B2)及びエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム(B3)の合計の含有比率が75質量%以上である請求項1記載の表面保護フィルム。
  3. 前記結晶性プロピレン系重合体(A1)が、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体及びメタロセン触媒系ポリプロピレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の表面保護フィルム。
  4. 前記非晶性α−オレフィン系重合体(B1)が非晶性プロピレン−ブテン−1共重合体又は非晶性プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体であり、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムがエチレン−ブテン−1共重合体ゴムである請求項1〜3のいずれか1項記載の表面保護フィルム。
  5. 少なくとも1軸方向に延伸されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の表面保護フィルム。
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