JP4364514B2 - 配線基板、及びそれを用いた放射線検出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気信号を導く導電路が設けられた配線基板、及びそれを用いた放射線検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CT用センサなどに用いられる放射線検出器として、フォトダイオードアレイなどの半導体光検出素子アレイに対して、その光入射面上にシンチレータを設置した構成の検出器がある。このような放射線検出器において、検出対象となるX線、γ線、荷電粒子線などの放射線がシンチレータに入射すると、シンチレータ内で放射線によってシンチレーション光が発生する。そして、このシンチレーション光を半導体光検出素子で検出することによって、放射線が検出される。
【0003】
また、光検出素子アレイに対して、それぞれの光検出素子から出力される検出信号の信号処理を行うため、信号処理素子が設けられる。この場合、光検出素子と信号処理素子とを電気的に接続する構成としては、様々な配線によって接続する構成や、配線基板に設けられた導電路を介して接続する構成などを用いることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−330469号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した放射線検出器では、通常、シンチレータに入射した放射線のうちの一部は、シンチレータ及び光検出素子アレイを透過する。これに対して、シンチレータ、光検出素子アレイ、配線基板、及び信号処理素子が、所定の配列方向に沿って配置された構成では、シンチレータ等を透過した放射線が配線基板を介して配列方向の下流側にある信号処理素子に入射してしまうという問題が生じる。このように、信号処理素子に放射線が入射すると、信号処理素子に放射線ダメージが生じ、放射線検出器の信頼性や寿命が劣化する原因となる。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、放射線の透過が抑制される配線基板、及びそれを用いた放射線検出器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による配線基板は、信号入力面と信号出力面との間で電気信号を導く導電路が設けられた配線基板であって、(1)放射線遮蔽機能を有する所定のガラス材料から形成され貫通孔が設けられたガラス基板、及び貫通孔に設けられ入力面と出力面との間を電気的に導通して導電路として機能する導電性部材を有してそれぞれ構成された、信号入力面側の第1配線基板と、信号出力面側で第1配線基板に接続された第2配線基板とを少なくとも備え、(2)信号入力面から信号出力面へと向かう導電方向からみて、第1配線基板での貫通孔の位置と、第2配線基板での貫通孔の位置とが異なるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
上記した配線基板においては、放射線検出器での放射線検出手段と信号処理手段との電気的な接続などに用いられる配線基板を、所定のガラス基板を有する2つの配線基板から構成している。そして、第1、第2配線基板にそれぞれ設けられる導電路の貫通孔について、貫通孔同士が互いに異なる位置としている。
【0009】
このような構成によれば、第1、第2配線基板に貫通孔がない部位では、そのガラス材料により、信号入力面から信号出力面へと放射線が透過することが抑制される。また、第1、第2配線基板の一方に貫通孔がある部位でも、他方には貫通孔がない構成となっている。すなわち、配線基板のいずれの部位でも、2つの配線基板の少なくとも一方で放射線遮蔽機能を有するガラス材料が存在することとなる。これにより、放射線の透過が全体で抑制される配線基板が実現される。
【0010】
配線基板に用いられるガラス材料については、第1配線基板及び第2配線基板のそれぞれは、鉛を含有するガラス材料から形成されていることが好ましい。これにより、配線基板での放射線の透過を効果的に抑制することができる。また、放射線遮蔽機能を有する他のガラス材料からなる基板を用いても良い。
【0011】
また、配線基板における導電路の構成については、第1配線基板及び第2配線基板のそれぞれでの導電性部材は、ガラス基板に設けられた貫通孔の内壁に形成されて設けられていることを特徴とする。あるいは、導電性部材は、ガラス基板に設けられた貫通孔の内部に充填されて設けられていることを特徴とする。これらの導電性部材を導電路として用いることにより、信号入力面と信号出力面との間で、電気信号を好適に伝達することができる。
【0012】
また、第1配線基板及び第2配線基板のそれぞれでのガラス基板は、両端が開口した中空状のガラス部材が複数互いに融着されて一体形成されることにより複数の貫通孔が設けられたガラス基板であることが好ましい。また、これ以外の構成の基板を用いても良い。
【0013】
本発明による放射線検出器は、(1)入射された放射線を検出して検出信号を出力する放射線検出手段と、(2)放射線検出手段からの検出信号を処理する信号処理手段と、(3)信号入力面と信号出力面との間で検出信号を導く導電路が設けられた上記した配線基板を有し、放射線検出手段及び信号処理手段がそれぞれ信号入力面及び信号出力面に接続された配線基板部とを備え、(4)放射線検出手段、配線基板部、及び信号処理手段は、配線基板での導電方向と略一致する所定の配列方向に沿ってこの順で配置されていることを特徴とする。
【0014】
上記した放射線検出器においては、放射線検出手段と信号処理手段とを電気的に接続して電気信号である検出信号を伝達する配線基板部として、第1、第2配線基板を有する上記構成の配線基板を用いている。このような構成によれば、配線基板部のいずれの部位でも、2つの配線基板の少なくとも一方で放射線遮蔽機能を有するガラス材料が存在する。これにより、放射線の透過が全体で抑制されて、放射線ダメージによる信頼性や寿命の劣化が抑制される放射線検出器が実現される。
【0015】
放射線検出手段の構成については、放射線検出手段は、放射線の入射によりシンチレーション光を発生するシンチレータと、シンチレータからのシンチレーション光を検出する半導体光検出素子とを有する構成を用いることができる。あるいは、放射線検出手段は、入射された放射線を検出する半導体検出素子を有する構成を用いても良い。
【0016】
また、配線基板部と放射線検出手段、及び配線基板部と信号処理手段、の少なくとも一方は、バンプ電極を介して電気的に接続されていることが好ましい。このような金属バンプ電極を電気的接続手段として用いることにより、各部を好適に電気的に接続することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面とともに本発明による配線基板、及びそれを用いた放射線検出器の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0018】
図1は、本発明による配線基板、及び放射線検出器の一実施形態の断面構造を示す側面断面図である。また、図2は、図1に示した配線基板、及び放射線検出器の構成を、各構成要素を分解して示す斜視図である。なお、以下の各図においては、説明の便宜のため、図1及び図2に示すように、放射線が入射する方向に沿った軸をz軸、このz軸に直交する2軸をx軸、y軸とする。ここでは、z軸の負の方向が、配線基板での信号入力面から信号出力面へと向かう導電方向、及び放射線検出器での各構成要素の配列方向となっている。
【0019】
図1に示した放射線検出器は、放射線検出部1と、配線基板部2と、信号処理部3とを備えている。これらは、図2に示すように、所定の配列方向に沿って上流側(図中の上側)から下流側(下側)へとこの順で配置されている。
【0020】
放射線検出部1は、本放射線検出器に検出対象として入射されたX線、γ線、荷電粒子線などの放射線を検出し、それに対応する電気信号である検出信号を出力する検出手段である。本実施形態においては、放射線検出部1は、シンチレータ10、及びフォトダイオードアレイ15を有して構成されている。
【0021】
シンチレータ10は、放射線検出部1の上流側部分を構成しており、その上面10aが、本放射線検出器における放射線入射面となっている。このシンチレータ10は、入射面10aから放射線が入射することにより所定波長のシンチレーション光を発生する。
【0022】
フォトダイオードアレイ(PDアレイ)15は、放射線検出部1の下流側部分を構成している。このPDアレイ15は、シンチレータ10からのシンチレーション光を検出する半導体光検出素子であるフォトダイオード(PD)が複数個配列された光検出素子アレイである。また、シンチレータ10の下面である光出射面10bと、PDアレイ15の上面である光入射面15aとは、シンチレーション光を透過させる光学接着剤11を介して光学的に接続されている。
【0023】
図2においては、PDアレイ15の構成例として、x軸及びy軸を配列軸として4×4=16個のフォトダイオード16が2次元に配列されるように形成されたPDアレイを示している。また、PDアレイ15の下面15bは、各フォトダイオード16からの検出信号を出力するための信号出力面となっている。この下面15bには、検出信号出力用の電極である16個のバンプ電極17が、各フォトダイオード16に対応するように4×4に配列されて設けられている。
【0024】
放射線検出部1の下流側には、配線基板部2が設置されている。本実施形態においては、配線基板部2は、第1配線基板20、及び第2配線基板25の2つの配線基板を積層して構成され、信号入力面と信号出力面との間で電気信号を導く導電路が設けられた配線基板を有して構成されている。これらの配線基板20、25では、いずれも、放射線遮蔽機能を有する所定のガラス材料から形成されたガラス基板が基板として用いられている。このようなガラス材料としては、例えば、鉛を含有する鉛ガラスを用いることが好ましい。
【0025】
第1配線基板20は、配線基板部2に用いられている配線基板の上流側部分を構成している。ここで、図3(a)及び(b)は、それぞれ第1配線基板20の構成を示す平面図であり、図3(a)はその上面である入力面20aを、また、図3(b)は下面である出力面20bをそれぞれ示している。この第1配線基板20では、その入力面20aが、配線基板部2の全体としての信号入力面となっている。
【0026】
第1配線基板20を構成するガラス基板には、入力面20aと出力面20bとの間に、複数の貫通孔20cが形成されている。また、それぞれの貫通孔20cに対して、入力面20aと出力面20bとの間を電気的に導通して、導電路として機能する導電性部材21が設けられている。本実施形態においては、PDアレイ15の構成に対応して、4×4=16個の貫通孔20c及び導電性部材21が設けられている。これらの貫通孔20c及び導電性部材21は、図3(b)に示すように、PDアレイ15におけるバンプ電極17と同一のピッチS1で形成されている。
【0027】
導電性部材21は、具体的には、貫通孔20cの内部に形成された導通部21cと、入力面20a上で貫通孔20cの外周部に導通部21cと連続するように形成された入力部21aと、出力面20b上で貫通孔20cの外周部に導通部21cと連続するように形成された出力部21bとから構成されている。
【0028】
第1配線基板20の入力面20a上には、図3(a)に示すように、導電性部材21の入力部21aに加えて電極パッド22が形成されている。この電極パッド22は、PDアレイ15の出力面15b上のバンプ電極17に対応する位置に設けられている。また、電極パッド22は、配線23を介して対応する導電性部材21の入力部21aと電気的に接続されている。これにより、PDアレイ15での検出信号を出力するフォトダイオード16は、バンプ電極17及び電極パッド22を介して、第1配線基板20での導電路である導電性部材21に電気的に接続される。
【0029】
一方、第2配線基板25は、配線基板部2に用いられている配線基板の下流側部分を構成している。ここで、図4(a)及び(b)は、それぞれ第2配線基板25の構成を示す平面図であり、図4(a)はその上面である入力面25aを、また、図4(b)は下面である出力面25bをそれぞれ示している。この第2配線基板25では、その出力面25bが、配線基板部2の全体としての信号出力面となっている。
【0030】
第2配線基板25を構成するガラス基板には、入力面25aと出力面25bとの間に、複数の貫通孔25cが形成されている。また、それぞれの貫通孔25cに対して、入力面25aと出力面25bとの間を電気的に導通して、導電路として機能する導電性部材26が設けられている。本実施形態においては、第1配線基板20と同様に、PDアレイ15の構成に対応して、4×4=16個の貫通孔25c及び導電性部材26が設けられている。
【0031】
ここで、これらの貫通孔25c及び導電性部材26は、図4(b)に示すように、PDアレイ15におけるバンプ電極17、及び第1配線基板20における貫通孔20c及び導電性部材21とは異なり、ピッチS1よりも小さいピッチS2で形成されている。これにより、配線基板部2での第1配線基板20及び第2配線基板25からなる配線基板は、信号入力面から信号出力面へと向かうそれらの面に垂直な導電方向からみて、第1配線基板20での貫通孔20cの位置と、第2配線基板25での貫通孔25cの位置とが互いに異なる構成となっている。なお、配線基板における導電方向は、図2に示すように、放射線検出器における各構成要素の配列方向と略一致している。
【0032】
導電性部材26は、具体的には、貫通孔25cの内部に形成された導通部26cと、入力面25a上で貫通孔25cの外周部に導通部26cと連続するように形成された入力部26aと、出力面25b上で貫通孔25cの外周部に導通部26cと連続するように形成された出力部26bとから構成されている。
【0033】
第2配線基板25の入力面25a上には、図4(a)に示すように、導電性部材26の入力部26aに加えてバンプ電極27が形成されている。このバンプ電極27は、第1配線基板20の出力面20b上の出力部21bに対応する位置に設けられている。また、バンプ電極27は、配線28を介して対応する導電性部材26の入力部26aと電気的に接続されている。これにより、第1配線基板20での検出信号を伝達する導電路である導電性部材21は、その出力部21b及びバンプ電極27を介して、第2配線基板25での導電路である導電性部材26に電気的に接続される。
【0034】
また、第2配線基板25の出力面25b上には、図4(b)に示すように、導電性部材26の出力部26bに加えて電極パッド29が形成されている。この電極パッド29は、後述するハウジング40との接続に用いられるものである。
【0035】
配線基板部2の下流側には、信号処理部3と、ハウジング(パッケージ)40とが設置されている。本実施形態においては、信号処理部3は、放射線検出部1のPDアレイ15からの検出信号を処理するための信号処理回路が設けられた信号処理素子30からなる。
【0036】
信号処理素子30の上面上には、バンプ電極31が形成されている。このバンプ電極31は、第2配線基板25の出力面25b上の出力部26bに対応する位置に設けられている。これにより、第2配線基板25での検出信号を伝達する導電路である導電性部材26は、その出力部26b及びバンプ電極31を介して、信号処理素子30に設けられた信号処理回路に電気的に接続される。
【0037】
また、ハウジング40は、放射線検出部1、配線基板部2、及び信号処理部3を一体に保持する保持部材である。このハウジング40は、その上面上に凹部として設けられ、信号処理素子30をその内部に収容する素子収容部41と、素子収容部41の外周に設けられ、バンプ電極44を介して第2配線基板25の電極パッド29に接続されるとともに、放射線検出部1、配線基板部2、及び信号処理部3を支持する支持部42とを有する。また、ハウジング40の下面には、電気信号の外部への入出力に用いられるリード43が設けられている。
【0038】
以上の構成において、放射線検出部1のシンチレータ10にX線などの放射線が入射されると、シンチレータ10内で放射線によってシンチレーション光が発生し、光学接着剤11を介してPDアレイ15のフォトダイオード16へと入射する。フォトダイオード16は、このシンチレーション光を検出して、放射線の検出に対応する電気信号である検出信号を出力する。
【0039】
PDアレイ15の各フォトダイオード16から出力された検出信号は、対応するバンプ電極17、第1配線基板20の導電性部材21、第2配線基板25の導電性部材26、及びバンプ電極31を順次に介して、信号処理素子30へと入力される。そして、信号処理素子30の信号処理回路において、検出信号に対して必要な信号処理が行われる。
【0040】
本実施形態による配線基板、及び放射線検出器の効果について説明する。
【0041】
図1〜図4に示した放射線検出器での配線基板部2に用いられている配線基板においては、放射線検出器での放射線検出部と信号処理部との電気的な接続などに用いられる配線基板を、所定のガラス基板を有する2つの配線基板20、25から構成している。そして、第1、第2配線基板20、25にそれぞれ設けられる導電路の貫通孔について、貫通孔同士が互いに異なる位置となるように、各配線基板20、25での貫通孔20c、25c、及び導電性部材21、26を形成している。
【0042】
このような構成によれば、配線基板における検出信号の導電方向からみたときに、配線基板20、25のうちで貫通孔がない部位については、その鉛ガラスなどの放射線遮蔽機能を有するガラス材料が存在することとなる。これにより、シンチレータ10等を通過した放射線が配線基板を透過することが抑制される。また、配線基板20、25の一方に貫通孔がある部位でも、第1配線基板20と第2配線基板25とで貫通孔の位置が互いに異なるため、他方の配線基板には貫通孔がない構成となっている。
【0043】
すなわち、検出信号の導電方向からみたときに、配線基板部2のいずれの部位においても、2つの配線基板20、25の少なくとも一方で放射線遮蔽機能を有するガラス材料が存在することとなる。これにより、放射線の透過が導電方向からみた全体で抑制される配線基板が実現される。
【0044】
また、このような配線基板を、放射線検出部1と信号処理部3とを電気的に接続して電気信号である検出信号を伝達する配線基板部2に用いた放射線検出器によれば、検出信号の導電方向と略一致している放射線検出器における各構成要素の配列方向、すなわち、放射線検出器への放射線の入射方向からみたときに、配線基板部2のいずれの部位においても、2つの配線基板20、25の少なくとも一方で放射線遮蔽機能を有するガラス材料が存在する。これにより、放射線の透過が配列方向からみた全体で抑制されて、放射線ダメージによる信頼性や寿命の劣化を確実に抑制することが可能な放射線検出器が実現される。
【0045】
配線基板部2の配線基板20、25でのガラス基板に用いられるガラス材料としては、上記したように、鉛を含有するガラス材料を用いることが好ましい。鉛ガラスを用いることにより、配線基板部2での放射線の透過を効果的に抑制することができる。ここで、ガラス材料に含有させる鉛の量については、その放射線検出器において要求される放射線遮蔽機能の程度等に応じて適宜設定することが好ましい。また、鉛ガラス以外のガラス材料を用いても良い。
【0046】
次に、図1に示した配線基板部での配線基板、及びそれに用いられるガラス基板について説明する。
【0047】
配線基板20、25では、上記したように、それぞれ放射線検出部1側の入力面と、信号処理部3側の出力面との間で、導電路となる導電性部材を形成するための貫通孔が設けられたガラス基板が用いられている。このようなガラス基板としては、例えば、両端が開口した中空状のガラス部材が複数互いに融着されて一体形成されることにより複数の貫通孔が設けられたガラス基板を用いることができる。
【0048】
図5は、複数の貫通孔が設けられた上記のガラス基板の一例を示す図である。なお、ここでは、複数の貫通孔を有するガラス基板の一般的な構成例について示している。このため、図5に示すガラス基板は、図1に示した放射線検出器に用いられている配線基板とは異なる形状及び構成となっている。
【0049】
図5(a)はガラス基板の構成を示す平面図であり、図5(b)はガラス基板に含まれるマルチチャンネル部材の構成を示す平面図であり、図5(c)はマルチチャンネル部材に含まれるガラス部材の構成を示す斜視図である。これらの図5(a)〜(c)においては、配線基板での導電路となる導電性部材が形成されていない状態でのガラス基板を示している。
【0050】
ガラス基板9は、図5(a)に示すように、キャピラリー基板90を有している。キャピラリー基板90は、複数の貫通孔93を有するマルチチャンネル部材92を複数含んでいる。マルチチャンネル部材92は、ガラス材料からなる縁部材91の内側に、2次元状に配置された状態で互いに融着されて一体形成されている。
【0051】
マルチチャンネル部材92は、図5(b)及び(c)に示すように、両端が開口した中空状のガラス部材95が複数互いに融着されて一体形成されており、キャピラリー基板90の上面及び下面に垂直な方向からみて4角形状(例えば、1000μm×1000μm程度)を呈している。また、貫通孔93は、その開口部が円形状を呈している。貫通孔93の内径は、例えば6μm程度である。
【0052】
なお、キャピラリー基板90を構成している縁部材91及びガラス部材95のガラス材料としては、放射線検出器に関して上述したように、放射線遮蔽機能を有するガラス材料、例えば鉛ガラス材料、が用いられる。
【0053】
図1に示した放射線検出器での配線基板20、25としては、例えば、この図5(a)〜(c)に示した構成を有するガラス基板での貫通孔に導電路となる導電性部材を形成したものを用いることができる。すなわち、このような構成のガラス基板において、その基板の形状及び貫通孔の個数、配置等を放射線検出器の構成に応じて設定する。そして、ガラス基板に設けられた貫通孔に導電路となる導電性部材を形成し、さらに、その各面にそれぞれ必要な電極及び配線からなる電気配線パターンを形成することにより、図3及び図4に示したような構成を有する配線基板が得られる。
【0054】
図6は、配線基板の貫通孔に設けられる導電性部材の構成の一例を示す図であり、図6(a)は上面図、図6(b)はI−I矢印断面図を示している。ここでは、第1配線基板20(図3(a)及び(b)参照)を例として導電路である導電性部材21の構成を示している。
【0055】
第1配線基板20には、複数個(例えば、4×4=16個)の貫通孔20cが2次元に配列されて形成されている。それぞれの貫通孔20cは、図6(b)に示すように、配線基板20の入力面20a及び出力面20bに対して垂直な軸を中心軸として、円形状の断面形状を有して形成されている。
【0056】
図6に示す構成例においては、この貫通孔20cに対し、入力面20aと出力面20bとの間を電気的に導通する導電性部材21を、貫通孔20cの内壁に形成された部材として設けている。すなわち、貫通孔20c内には、その内壁に導通部21cが形成されている。また、入力面20a上で貫通孔20cの外周部には、導通部21cと連続する入力部21aが形成されている。また、出力面20b上で貫通孔20cの外周部には、導通部21cと連続する出力部21bが形成されている。これらの導通部21c、入力部21a、及び出力部21bにより、第1配線基板20での導電路となる導電性部材21が構成される。
【0057】
図7は、配線基板の貫通孔に設けられる導電性部材の構成の他の例を示す図であり、図7(a)は上面図、図7(b)はII−II矢印断面図を示している。ここでは、図6と同様に、第1配線基板20を例として導電路である導電性部材21の構成を示している。
【0058】
第1配線基板20には、複数個の貫通孔20cが2次元に配列されて形成されている。それぞれの貫通孔20cは、図7(b)に示すように、配線基板20の入力面20a及び出力面20bに対して垂直な軸を中心軸として、円形状の断面形状を有して形成されている。
【0059】
図7に示す構成例においては、この貫通孔20cに対し、入力面20aと出力面20bとの間を電気的に導通する導電性部材21を、貫通孔20cの内部に充填された部材として設けている。すなわち、貫通孔20c内には、その内部に導通部21cが充填されている。また、入力面20a上で貫通孔20cの外周部には、導通部21cと連続する入力部21aが形成されている。また、出力面20b上で貫通孔20cの外周部には、導通部21cと連続する出力部21bが形成されている。これらの導通部21c、入力部21a、及び出力部21bにより、第1配線基板20での導電路となる導電性部材21が構成される。
【0060】
複数の貫通孔を有するガラス基板に導電路として形成される導電性部材としては、例えば、これらの図6及び図7に示した構成を用いることができる。なお、配線基板となるガラス基板における導電路の配置については、放射線検出器の構成に応じて設定することが好ましい。そのような構成としては、例えば、複数の貫通孔のうち、導電路が必要な位置にある貫通孔をマスク等によって選択して導電性部材を形成する構成がある。あるいは、導電路が必要な位置のみに選択的に貫通孔を設けておく構成としても良い。
【0061】
なお、配線基板に用いられるガラス基板については、図5に示した構成に限らず、他の構成を用いても良い。例えば、図5においては、それぞれ貫通孔を有する複数のガラス部材を一体形成してマルチチャンネル部材とし、さらに、複数のマルチチャンネル部材を一体形成してキャピラリー基板としている。これに対して、複数のガラス部材から直接キャピラリー基板を一体形成しても良い。また、個々のガラス部材やマルチチャンネル部材の形状及び配列、各部材での貫通孔の有無または配列等については、導電路の配置に応じて適宜好適な構成を用いることが好ましい。また、貫通孔の構成については、その断面形状を円形状以外の多角形状、例えば4角形状、としても良い。
【0062】
次に、図1に示した配線基板、及び放射線検出器の製造方法について、その具体的な構成例とともに概略的に説明する。
【0063】
まず、鉛ガラスなどの放射線遮蔽機能を有するガラス材料からなり、所定位置に貫通孔が形成されたガラス基板を用意する。そして、その貫通孔に導電路となる導電性部材を形成し、さらに、入力面及び出力面となる両面にそれぞれ必要な電極及び配線を有する電気配線パターンを形成して、配線基板部2に用いられる積層配線基板となる配線基板20、25を作製する。
【0064】
具体的には、信号入力面側の第1配線基板については、ガラス基板に設けられた貫通孔20cに対して、導通部21c、入力部21a、及び出力部21bからなる導電性部材21を形成するとともに、その入力面20a上に電極パッド22及び配線23を形成して、第1配線基板20とする。また、信号出力面側の第2配線基板については、ガラス基板に設けられた貫通孔25cに対して、導通部26c、入力部26a、及び出力部26bからなる導電性部材26を形成するとともに、その入力面25a上に配線28を、また、出力面25b上に電極パッド29を形成して、第2配線基板25とする。
【0065】
ガラス基板に形成する上記した導電性部材及び電気配線パターンとしては、例えば、窒化チタン(TiN)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、あるいはそれらの合金からなる導電性金属層によって形成することができる。このような金属層は、単一の金属層であっても良く、複合膜あるいは積層膜であっても良い。また、その具体的な形成方法としては、ガラス基板に対して所望パターンのマスクを設け、蒸着(物理蒸着(PVD)法、化学蒸着(CVD)法)、メッキ、スパッタなどの方法によって金属膜を形成した後、マスクを除去する方法を用いることができる。
【0066】
次に、導電性部材及び電気配線パターンが形成された配線基板に対して、必要に応じて、バンプ電極を形成する。上記実施形態においては、第2配線基板25の入力面25a上で配線28の端部に形成された電極パッド上に、バンプ電極27を形成する。そして、第1配線基板20と第2配線基板25とを互いにアライメントし、バンプ電極27を介して実装して、配線基板部2となる積層配線基板を構成する。
【0067】
バンプ電極27を形成するバンプ材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、半田、導電性フィラーを含む樹脂、あるいはそれらの複合材料を用いることができる。また、バンプ電極27と、配線基板25の入力面25a上の電極パッドとの間に、アンダーバンプメタル(UBM)を介在させても良い。
【0068】
配線基板20、25からなる配線基板部2を作製したら、バンプ電極31が形成された信号処理素子30のICチップを、第2配線基板25の出力面25b上に設けられた導電性部材26の出力部26bに対してアライメントして、それらを物理的、電気的に接続する。また、バンプ電極17が形成されたPDアレイ15を、第1配線基板20の入力面20a上に設けられた電極パッド22に対してアライメントして、それらを物理的、電気的に接続する。ここで、バンプ電極31、17のバンプ材料等に関しては、上記したバンプ電極27と同様である。
【0069】
続いて、バンプ電極44が形成されたハウジング40を、第2配線基板25の出力面25b上に設けられた電極パッド29に対してアライメントして、それらを物理的、電気的に接続する。以上により、ハウジング40に設けられたリード43を介した外部回路との信号の入出力動作が可能となる。さらに、PDアレイ15の光入射面15a上に、光学接着剤11を介してシンチレータ10を実装することにより、図1に示した放射線検出器が得られる。
【0070】
ここで、放射線検出部1において半導体光検出素子アレイとして設けられているPDアレイ15については、フォトダイオードが光入射面(表面)15aに形成されている表面入射型のものを用いても良く、あるいは、フォトダイオードが信号出力面(裏面)15bに形成されている裏面入射型のものを用いても良い。また、光検出素子であるフォトダイオードの個数や配列等についても、適宜設定して良い。
【0071】
また、フォトダイオードからの検出信号を出力面15bから出力する構成については、PDアレイの具体的な構成に応じて、例えば、出力面15b上に形成された配線パターンによる構成や、PDアレイ15内に形成された貫通電極による構成などを用いることができる。
【0072】
また、図1に示した放射線検出器では、放射線検出部1の構成として、放射線の入射によりシンチレーション光を発生するシンチレータ10と、シンチレータ10からのシンチレーション光を検出する半導体光検出素子であるフォトダイオード16が設けられたPDアレイ15とを有する構成を用いている。このような構成は、入射されたX線などの放射線をシンチレータ10によって所定波長の光(例えば、可視光)に変換した後にSi−PDアレイなどの半導体光検出素子で検出する間接検出型の構成である。
【0073】
あるいは、放射線検出部として、シンチレータを設けず、入射された放射線を検出する半導体検出素子を有する構成を用いることも可能である。このような構成は、入射されたX線などの放射線をCdTeなどからなる半導体検出素子で検出する直接検出型の構成である。これは、例えば、図1の構成において、シンチレータ10を除くとともに、PDアレイ15を半導体検出素子アレイに置き換えた構成に相当する。
【0074】
また、配線基板部2における第1配線基板20と第2配線基板25の実装、配線基板部2と放射線検出部1との接続、及び配線基板部2と信号処理部3との接続等については、上記実施形態のように、バンプ電極を介した電気的な接続によるダイレクトボンディング方式を用いることが好ましい。このような金属バンプ電極を電気的接続手段として用いることにより、各部を好適に電気的に接続することができる。
【0075】
あるいは、このようなバンプ電極を用いた構成以外にも、バンプ電極による接続後にアンダーフィル樹脂を充填する構成や、異方性導電性フィルム(ACF)方式、異方性導電性ペースト(ACP)方式、非導電性ペースト(NCP)方式による構成などを用いても良い。また、それぞれの基板については、必要に応じて、電極パッドを開口させた状態で絶縁性物質からなるパッシベーション膜を形成しても良い。
【0076】
【発明の効果】
本発明による配線基板、及びそれを用いた放射線検出器は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、放射線検出器での放射線検出手段と信号処理手段との電気的な接続などに用いられる配線基板を、放射線遮蔽機能を有する所定のガラス材料からなる第1、第2配線基板から構成するとともに、第1、第2配線基板にそれぞれ設けられる導電路について、導電路の貫通孔同士が互いに異なる位置とする構成によれば、配線基板のうちで貫通孔がない部位については、そのガラス材料により、信号入力面から信号出力面へと放射線が透過することが抑制される。
【0077】
また、一方の配線基板に貫通孔がある部位でも、他方の配線基板には貫通孔がない構成となっている。すなわち、配線基板のいずれの部位でも、第1、第2配線基板の少なくとも一方で放射線遮蔽機能を有するガラス材料が存在することとなる。これにより、放射線の透過が全体で抑制される配線基板が実現される。
【0078】
また、このような構成の配線基板を配線基板部に適用した放射線検出器によれば、配線基板部のいずれの部位でも、2つの配線基板の少なくとも一方で放射線遮蔽機能を有するガラス材料が存在する。これにより、放射線の透過が全体で抑制されて、放射線ダメージによる信頼性や寿命の劣化が抑制される放射線検出器が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】配線基板、及びそれを用いた放射線検出器の一実施形態の断面構造を示す側面断面図である。
【図2】図1に示した放射線検出器の構成を分解して示す斜視図である。
【図3】第1配線基板の(a)信号入力面、及び(b)信号出力面の構成を示す平面図である。
【図4】第2配線基板の(a)信号入力面、及び(b)信号出力面の構成を示す平面図である。
【図5】複数の貫通孔が設けられたガラス基板の一例を示す図である。
【図6】配線基板の貫通孔に設けられる導電性部材の構成の一例を示す図である。
【図7】配線基板の貫通孔に設けられる導電性部材の構成の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1…放射線検出部、10…シンチレータ、10a…放射線入射面、10b…光出射面、11…光学接着剤、15…フォトダイオードアレイ(半導体光検出素子アレイ)、15a…光入射面、15b…信号出力面、16…フォトダイオード、17…バンプ電極、2…配線基板部、20…第1配線基板、20a…信号入力面、20b…信号出力面、20c…貫通孔、21…導電性部材(導電路)、21a…入力部、21b…出力部、21c…導通部、22…電極パッド、23…配線、25…第2配線基板、25a…信号入力面、25b…信号出力面、25c…貫通孔、26…導電性部材(導電路)、26a…入力部、26b…出力部、26c…導通部、27…バンプ電極、28…配線、29…電極パッド、3…信号処理部、30…信号処理素子、31…バンプ電極、40…ハウジング、41…素子収容部、42…支持部、43…リード、44…バンプ電極。
Claims (9)
- 信号入力面と信号出力面との間で電気信号を導く導電路が設けられた配線基板であって、
放射線遮蔽機能を有する所定のガラス材料から形成され貫通孔が設けられたガラス基板、及び前記貫通孔に設けられ入力面と出力面との間を電気的に導通して前記導電路として機能する導電性部材を有してそれぞれ構成された、前記信号入力面側の第1配線基板と、前記信号出力面側で前記第1配線基板に接続された第2配線基板とを少なくとも備え、
前記信号入力面から前記信号出力面へと向かう導電方向からみて、前記第1配線基板での前記貫通孔の位置と、前記第2配線基板での前記貫通孔の位置とが異なるように構成されていることを特徴とする配線基板。 - 前記第1配線基板及び前記第2配線基板のそれぞれは、鉛を含有する前記ガラス材料から形成されていることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
- 前記第1配線基板及び前記第2配線基板のそれぞれでの前記導電性部材は、前記ガラス基板に設けられた前記貫通孔の内壁に形成されて設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の配線基板。
- 前記第1配線基板及び前記第2配線基板のそれぞれでの前記導電性部材は、前記ガラス基板に設けられた前記貫通孔の内部に充填されて設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の配線基板。
- 前記第1配線基板及び前記第2配線基板のそれぞれでの前記ガラス基板は、両端が開口した中空状のガラス部材が複数互いに融着されて一体形成されることにより複数の前記貫通孔が設けられたガラス基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の配線基板。
- 入射された放射線を検出して検出信号を出力する放射線検出手段と、
前記放射線検出手段からの前記検出信号を処理する信号処理手段と、
信号入力面と信号出力面との間で前記検出信号を導く導電路が設けられた請求項1〜5のいずれか一項記載の配線基板を有し、前記放射線検出手段及び前記信号処理手段がそれぞれ前記信号入力面及び前記信号出力面に接続された配線基板部とを備え、
前記放射線検出手段、前記配線基板部、及び前記信号処理手段は、前記配線基板での前記導電方向と略一致する所定の配列方向に沿ってこの順で配置されていることを特徴とする放射線検出器。 - 前記放射線検出手段は、放射線の入射によりシンチレーション光を発生するシンチレータと、前記シンチレータからの前記シンチレーション光を検出する半導体光検出素子とを有することを特徴とする請求項6記載の放射線検出器。
- 前記放射線検出手段は、入射された放射線を検出する半導体検出素子を有することを特徴とする請求項6または7記載の放射線検出器。
- 前記配線基板部と前記放射線検出手段、及び前記配線基板部と前記信号処理手段、の少なくとも一方は、バンプ電極を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項記載の放射線検出器。
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