JP4365633B2 - リチウム二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器に搭載されたり、貯蔵用蓄電池として使用されたりするリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高エネルギー密度を有し、自己放電が少なく、軽量にできることからリチウム二次電池が広く普及している。図2に、いわゆるコイン型リチウム二次電池の基本構造を示す。このリチウム二次電池10は、負極電極3と、正極電極4と、負極電極3と正極電極4との間に配置されたセパレータ6とを有し、これらが、リチウム塩が溶解された非水電解液溶媒に接して概略構成されている。
このリチウム二次電池10においては、ステンレス等からなる略扁平円筒状の電池ケース1に、負極電極3とセパレータ6と正極電極4とが順次積層され、その上にステンレス等からなる封口板2が配置され、さらに電池ケース1と封口板2との間にポリプロピレンからなる円環状のガスケット7が配置されている。そして、電池ケース1の上端部分を内部にカシメてガスケット7および封口板2が固定されている。
また、セパレータ6と、正極電極4および負極電極3との間にはガラスウール濾紙5,5が挿入されている。
非水電解液溶媒は、正極電極4、負極電極3、セパレータ6およびガラスウール濾紙5,5に含浸されている。
【0003】
図3に、このリチウム二次電池10の要部拡大図を示す。このリチウム二次電池10において、正極電極4は、リチウム含有遷移金属酸化物などの少なくとも1種の正極活物質11,11・・・を含有しているとともに、セパレータ6側の面とは反対側の面に、アルミ箔などの正極集電材12が積層されている。また、負極電極3は、負極活物質として炭素材料を主成分として含有しているとともに、セパレータ6側の面とは反対側の面に、銅箔などの負極集電材13が積層されている。ここで、負極電極3としては、例えば、黒鉛材料を使用することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、リチウム二次電池は、搭載される機器の高性能化などに伴って、さらなる高性能化が要求されており、例えば、大容量化が求められている。そこで、リチウム二次電池を大容量化することを目的として、負極電極に金属リチウムあるいはその合金を使用することが検討されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−050403号公報(特許請求の範囲、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属リチウムあるいはその合金からなる負極電極は、充放電に伴う膨張収縮の際の厚み変化が大きいので、電池が変形することがあった。また、充放電を繰り返していくうちに、針状結晶であるリチウムデンドライトが生成し、さらにこれが成長して、電極内で内部短絡を起こすなどの問題があった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、電池の変形を防止でき、内部短絡を起こさずに、大容量化できるリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のリチウム二次電池は、無機化合物粉体が含まれる負極電極を具備することを特徴としている。リチウム二次電池に具備される負極電極が無機化合物粉体を含むことで、充放電に伴う膨張収縮の際の厚み変化を小さくできるので、電池の変形を防止できる。また、無機化合物粉体上では、リチウムイオンの表面拡散が速い上に、立体的にも障害になるので、充放電を繰り返してもリチウムデンドライトが生成しにくく、内部短絡が防止されている。さらに、無機化合物粉体中にリチウムイオンが移動するので、大容量化されている。
【0008】
本発明のリチウム二次電池において、無機化合物粉体は、リチウムと直接的に化学反応しない金属酸化物粉体であるγ−アルミナ、α−アルミナ、シリカのいずれかである。これらの材料は、リチウムイオンの表面拡散をより速くできるので、さらにリチウムデンドライトの生成を抑制できる。
【0009】
上記の負極電極はカーボンブラックや銀粒子のような導電材を含有することが好ましい。無機化合物粉体は導電性が低いため、カーボンブラックや銀粒子のような導電材を混合することで、リチウム二次電池の内部抵抗を下げることが可能となる。
【0010】
上記の負極電極は金属リチウムを含有する。負極電極が金属リチウムを含有していれば、リチウム二次電池をより大容量化できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のリチウム二次電池の一実施形態例について図面を参照して説明する。本実施形態例のリチウム二次電池は、コイン型リチウム二次電池であって、図2に示したものと同じ基本構造を有するものである。すなわち、負極電極3と、正極電極4と、負極電極3と正極電極4との間に配置されたセパレータ6とを有し、これらが、リチウム塩が溶解された非水電解液溶媒に接して概略構成されている。
図1に、本実施形態例のリチウム二次電池の要部拡大図を示す。このリチウム二次電池において、負極電極3は、リチウム含有金属14中に無機化合物粉体15,15・・・が分散されたものであり、セパレータ6側の面とは反対側の面に、銅箔などの負極集電材13が積層されている。また、正極電極4は、リチウム含有遷移金属酸化物などの少なくとも1種の正極活物質11,11・・・を含有しているとともに、セパレータ6側の面とは反対側の面に、アルミ箔などの正極集電材12が積層されている。
【0012】
負極電極3における無機化合物粉体15としては、入手が容易である上に、リチウムイオンの表面拡散がより速いことから、γ−アルミナ、α−アルミナ、シリカなどの金属酸化物が好ましい。
また、無機化合物粉体15は、粒径が0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜0.5μmであることがより好ましく、0.1μm前後であることが特に好ましい。無機化合物粉体15の粒径が上記範囲であれば、入手容易であり、安価であるから、コストを上げずに、変形を防止し、リチウムデンドライトの生成を抑制できる。
【0013】
本実施形態例のように、負極電極3にリチウム含有金属14が含まれ、リチウム含有金属14中に無機化合物粉体15,15・・・が分散している場合には、リチウム含有金属14によって無機化合物粉体15,15・・・を結着させることができる。
リチウム含有金属14中に無機化合物粉体15を分散させる方法としては、例えば、リチウム含有金属14と、無機化合物粉体15,15・・・とを配合し、次いで、ニーダなどにより強制混合して分散させる方法などが挙げられる。このように強制混合すれば、粘土状のリチウム含有金属と無機化合物粉体15を均一に混合できる。
【0014】
負極電極3におけるリチウム含有金属14としては、より大容量化が可能になることから、リチウム単味、リチウムに3B族元素(すなわち、B,Al,Ga,In,Tl)または4B族元素(すなわち、C,Si,Ge,Sn,Pb)が添加された合金、または、リチウムに1A族元素(すなわち、Na,K,Rb,Cs,Fr)または2A族元素(すなわち、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ra)が添加された合金などが好ましい。
【0015】
負極電極3には、無機化合物粉体15が好ましくは20〜80体積%、より好ましくは30〜60体積%、特に好ましくは40〜50体積%の範囲で含まれている。負極電極3に無機化合物粉体15が上記範囲で含まれていれば、リチウムイオンの表面拡散を速くすることできるとともに、負極電極3を容易に成形できるようになる。
【0016】
正極電極4における正極活物質11としては、例えば、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、鉄酸リチウム、バナジン酸リチウムなどのリチウム含有遷移金属酸化物、酸化バナジウムなどを好適に用いることができる。
これら正極活物質11は、バインダ16により結着されている。ここで、バインダ16としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂や、イミド樹脂、アミド樹脂等を用いることができる。
また、セパレータ6としては、物性に優れている上に、安価であることから、多孔質のポリプレンフィルムが好適に用いられる。
【0017】
以上説明した実施形態例のリチウム二次電池では、リチウム含有金属14中に無機化合物粉体15,15・・・が分散された負極電極3を具備しており、充放電に伴う膨張収縮の際の厚み変化が小さいので電池の変形が防止されている。また、無機化合物粉体15上のリチウムイオンの表面拡散は速い上に、立体障害にもなるので、リチウムデンドライトの生成が抑制され、内部短絡が防止されている。さらに、負極電極3に、リチウム含有金属14が含まれていることで、より大容量化されている。
【0018】
なお、本発明は、上述した実施形態例に限定されない。例えば、上述した実施形態例では、負極電極にリチウム含有金属が含まれていたが、リチウム含有金属が含まれていなくてもよい。ただし、負極電極にリチウム含有金属が含まれていない場合、すなわち、無機化合物粉体単味の場合には、無機化合物粉体同士を結着させることが困難になるので、通常はバインダを含有させる。ここで、バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂や、イミド樹脂、アミド樹脂等を用いることができる。
【0019】
【実施例】
(参考例1)
平均粒径0.1μmのγ−アルミナ粉体(無機化合物粉体)をPVdF(ポリフッ化ビニリデン)が溶解したNMP(N−メチルピロリドン)に加え、ミキサーで1時間混合し、重量濃度でγ−アルミナ:PVdF:NMP=50:5:45のスラリーを調製した。そして、これを銅箔上に成膜・乾燥することで厚さ50μmの負極膜を成膜した。一方、マンガン酸リチウムとカーボンブラックとをPVdF(ポリフッ化ビニリデン)が溶解したNMP(N−メチルピロリドン)に加え、ミキサーで1時間混合し、これをアルミ箔上に成膜・乾燥することで厚さ100μmの正極膜を作製した。
次いで、負極電極と正極電極との間に、多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレータを挟み、これをアルミラミネート箔中に収納し、次いで、このアルミラミネート箔中に電解液1.0M−LiPF6 /炭酸エチレン+炭酸ジメチル(重量比:1/2)を注液した。次いで、注液口をヒートシールしてシート型リチウム二次電池を得た。
【0020】
(参考例2)
平均粒径0.1μmの二酸化ケイ素(シリカ)粉体をPVdF(ポリフッ化ビニリデン)が溶解したNMP(N−メチルピロリドン)に加え、ミキサーで1時間混合し、SiO2:PVdF:NMP=50:5:45のスラリーを調製した。このスラリーを銅箔上に成膜・乾燥して負極とし、この負極に参考例1と同様にしてセパレータ、正極を重ね、電解液を注液することで電池を製作した。
【0021】
(参考例3)
平均粒径0.1μmのγ−アルミナ粉体に平均粒径40nmのカーボンブラック(C)を混ぜ、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)を溶かしたNMP(N−メチルピロリドン)を加えてミキサーで1時間混合し、重量組成でγ−アルミナ:C:PVdF:NMP=45:5:5:45のスラリーを調製した。このスラリーを銅箔上に成膜して負極とし、この負極に参考例1と同様にしてセパレータ、正極を重ね、電解液を注液することで電池を製作した。
【0022】
(実施例1)
金属リチウムを溶解し、これに平均粒径0.1μmのγ−アルミナ粉体を、その体積濃度が50体積%になるように添加し、ニーダにより強制混合した。次いで、この混合物を押出成形して厚さ100μmの箔を得、この箔を、集電体である銅箔上に圧着させることで負極とし、この負極に参考例1と同様にしてセパレータ、正極を重ね、電解液を注液することで電池を製作した。
【0023】
(比較例)
市販の金属リチウム箔(厚さ100μm)を負極電極とし、これを銅箔上に圧着させたこと以外は参考例1と同様にしてシート型リチウム二次電池を得た。
【0024】
実施例、参考例および比較例のシート型リチウム二次電池において、上限4.2Vまで充電し、3.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返した。
その結果、参考例1のリチウム二次電池では、γ−アルミナの重量に対し100Ah/kg程度の容量が得られ、充放電に伴う負極電極の膨張収縮が抑制されていたので、電池の変形が防止されていた。また、100サイクル以前での著しい容量低下や内部短絡は発生していなかった。
参考例2では、シリカの重量に対し120Ah/kg程度の容量が得られ、電池の変形もなかった。また、100サイクル以前での著しい容量低下および内部短絡の発生はなかった。
参考例3では、γ−アルミナの重量に対し200Ah/kg程度の容量が得られた上に、電池の変形や100サイクル以前での著しい容量低下および内部短絡の発生はなかった。
実施例1では、γ−アルミナの重量に対し400Ah/kg程度の容量が得られた上に、電池の変形や100サイクル以前での著しい容量低下および内部短絡の発生はなかった。
一方、比較例のリチウム二次電池では、容量は高くなったものの、負極電極に無機化合物粉体が含まれていないため、充放電サイクル開始前より10%程度変形したとともに、50サイクル程度で容量が低下しており、内部短絡が生じていた。
【0025】
【発明の効果】
本発明のリチウム二次電池によれば、充放電に伴う膨張収縮の際の厚み変化を小さくできるので電池の変形を防止でき、充放電を繰り返してもリチウムデンドライトが生成しにくく、内部短絡が防止されている。さらに、無機化合物粉体中にリチウムイオンが移動するので、大容量化されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るリチウム二次電池の一実施形態例の要部を拡大して示す断面図である。
【図2】 コイン型リチウム二次電池の断面図である。
【図3】 従来のリチウム二次電池の要部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
3 負極電極
14 リチウム含有金属
15 無機化合物粉体
Claims (3)
- 金属リチウム中にγ−アルミナ、α−アルミナ、シリカのいずれかからなる無機化合物粉体が含まれる負極電極を具備し、前記負極電極には、無機化合物粉体が20〜80体積%の範囲で含まれていることを特徴とするリチウム二次電池。
- 前記負極電極は、導電材を含有することを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
- 無機化合物粉体の粒径が0.01〜10μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
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