JP4366739B2 - スタンプ装置およびその駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタンプ装置およびその駆動方法に関し、特に孔版原紙の所定位置に形成された孔からインクを透過させて印刷を行うスタンプ装置およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開平5−74833号公報には、赤外線照射やサーマルヘッド加熱により所望のパターンで穿孔を形成することができて、その穿孔からインクを透過させ得る感熱性孔版原紙が開示されている。この感熱性孔版原紙は、スタンプの印字面用として用いるのに好適である。また、特開平4−226778号公報には、感熱性孔版原紙とこれにインクを供給するためのインクパッドとを具備したスタンプ体と、このスタンプ体の印面部にある孔版原紙に穿孔を形成するための加熱穿孔装置とからなるスタンプ装置が開示されている。このスタンプ装置によると、文字などの所望のパターンで孔版原紙を穿孔することができるとともに、印刷の際、スタンプ体内部のインクパッドから印面部にインクが自動的に供給されるため、印面部に外部からインクを塗布することなく連続的な印刷が可能である。
【0003】
上記公報に記載されたようなスタンプ装置の加熱穿孔装置は、孔版原紙を穿孔するためのサーマルヘッドを有している。サーマルヘッドには、通常1インチ当り180個の発熱体が1次元的に配列されている(180dpi)。これら発熱体の相対的な移動に伴う経時的変化に対応してドットマトリックスが構成される。図26(a)には、180dpiでの発熱体311の大きさおよび間隔が示されている。すなわち、発熱体311は縦75μm、横55μmの矩形であり、隣接する発熱体からは横に86μm、縦(つまり、縦方向の移動距離単位)に66μm離れている。そして、この発熱体311によって孔版原紙を加熱穿孔したときに、図26(b)に示すように、直径80μmの孔312が孔版原紙に形成されるように発熱体311への通電時間などを制御する。この孔312の大きさは発熱体311の大きさに比べると縦に約1.1倍、横に約1.5倍となる。さらに、図26(c)に示すように、この孔312を通って印刷用紙に与えられたインクの拡散領域313の直径は160μm程度となり、孔312の径のほぼ2倍となる。従って、180dpiの場合には、図26(d)に示すように、隣接する発熱体がともに穿孔された場合であっても対応する拡散領域313どうしが重なる割合は比較的少なく、元データのグレースケール値と捺印結果濃度とがほぼ線形関係にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、スタンプの画質を向上させるために、サーマルヘッドの発熱体に対応して構成されるドットマトリックスのドット密度を180dpiから360dpiにすることが検討されている。図1(a)には、360dpiでの発熱体321の大きさおよび間隔が示されている。すなわち、発熱体321は縦52μm、横38μmの矩形であり、隣接する発熱体からは横に32.5μm、縦(つまり、縦方向の移動距離単位)に18.5μm離れている。そして、この発熱体321によって孔版原紙を加熱穿孔すると、発熱体321への通電時間などを制御したとしても、孔版原紙の特性上、図1(b)に示すように、直径60μmのほぼ円形の孔322が孔版原紙に形成される。この孔322の大きさは発熱体321の大きさに比べると縦に約1.2倍、横に約1.6倍となる。さらに、図1(c)に示すように、この孔322を通って印刷用紙に与えられたインクの拡散領域323は直径120μm程度のほぼ円形状となり、その直径が孔322の直径のほぼ2倍となる。
【0005】
従って、図1(d)に示すように、ドット密度を360dpiにすると、隣接する発熱体321による拡散領域323どうしの重なる個所が、180dpiのときよりも増加せざるを得ない。そのため、ドット密度を360dpiにした場合には、特に文字などのいわゆるベタ黒に近い領域において、隣接ドットから滲み出したインクがつながってその部分の捺印結果が所望よりも暗くなりやすい。つまり、元データのグレースケール値と捺印結果の濃度との関係を示すグラフである図27に示すように、元データが黒すなわちグレースケール値”0”に近い領域では、捺印結果の濃度がいわば飽和した状態となって、元データのグレースケール値にしたがった濃度で捺印結果を表現することができないという問題がある。また、捺印結果が所望よりも暗くなるのを防止するためには、スタンプ画像の元データの明るさを変更しては実際に捺印されたスタンプの明るさが適当なものかどうかを確認するという面倒な調整作業を何度も繰り返して行なう必要がある。
【0006】
そこで、本発明者らは、孔版原紙に形成された孔からインクを透過させて印刷を行なうスタンプに関して、スタンプによる印刷内容に関する元データに階調補正を施すことを特徴とした発明に想到し、これを特許出願した。この発明によると、面倒な調整作業を行なう必要なく、元データのグレースケール値にしたがった濃度で捺印結果を表現することが可能となる。
【0007】
ところで、スタンプ作成装置が扱うところのスタンプ印刷内容には、文字と図形との2種類がある。文字とは漢字や数字のほか記号、アルファベットなどのことであり、図形(グラフィック)とは文字以外の写真などの濃淡画像のことである。文字と図形のうち、図形部分には上記特許出願に記載されているように階調補正後に2値化処理が施されてその階調が表現されることが好ましい。しかしながら、文字部分はその性質上黒または白の2階調であり階調補正の必要性が小さいだけでなく、文字部分に階調補正が施されると文字中に非穿孔ドットが生じるといった文字を表現する上で好ましくない事態が起こる可能性がある。つまり、文字と図形とが混在している画像のスタンプを作成する場合に、それぞれの適性に応じた階調補正を行なって文字部分をベタ黒で、図形部分を適切な階調で表現することが望ましい。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ドット密度を例えば360dpiと大きくした場合であっても、文字部分と図形部分とをそれぞれ適切に表現することが可能なスタンプ装置およびその駆動方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願の請求項1のスタンプ装置は、孔版原紙の所定位置に形成された孔からインクを透過させて印刷を行うスタンプ、および、スタンプによる印刷内容をサーマル印刷することによって前もって確認可能とする前記スタンプの識別ラベルを作成するスタンプ装置において、スタンプによる印刷内容に関する元データを、文字データおよび図形データの識別可能に管理する管理手段と、前記スタンプの作成時には、文字に関して前記スタンプによる捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないように、図形に関して、前記スタンプによる捺印濃度が、元データのグレースケール値の最小値での捺印濃度が文字に関する捺印濃度を超えない最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での捺印濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記管理手段に管理された前記元データ内の文字データおよび図形データにそれぞれ異なる階調補正テーブルを用いて階調補正を施し、前記識別ラベルの作成時には、前記識別ラベルの印刷濃度が、元データのグレースケール値の最小値での印刷濃度が文字に関する印刷濃度を超えない最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での印刷濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データ内の図形データだけに前記スタンプの作成時とは異なる階調補正テーブルを用いて階調補正を施す階調補正手段と、前記スタンプの作成時には、前記階調補正手段で階調補正された補正済の文字データまたは前記孔版原紙への穿孔用の補正済の図形データにしたがって駆動され、前記識別ラベルの作成時には、文字データまたは前記階調補正手段で階調補正された前記識別ラベルへの印刷用の補正済の図形データにしたがって駆動されるサーマルヘッドとを備えている。
【0010】
また、請求項8のスタンプ装置の駆動方法は、孔版原紙の所定位置に形成された孔からインクを透過させて印刷を行うスタンプ、および、スタンプによる印刷内容をサーマル印刷することによって前もって確認可能とする前記スタンプの識別ラベルを作成するスタンプ装置の駆動方法において、スタンプによる印刷内容に関する元データを、文字データおよび図形データの識別可能に管理し、前記スタンプの作成時には、文字に関して前記スタンプによる捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないように、図形に関して、前記スタンプによる捺印濃度が、元データのグレースケール値の最小値での捺印濃度が文字に関する捺印濃度を超えない最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での捺印濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データ内の文字データおよび図形データにそれぞれ異なる階調補正テーブルを用いて階調補正を施するとともに、前記識別ラベルの作成時には、前記識別ラベルの印刷濃度が、元データのグレースケール値の最小値での印刷濃度が文字に関する印刷濃度を超えない最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での印刷濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データ内の図形データだけに前記スタンプの作成時とは異なる階調補正テーブルを用いて階調補正を施し、前記スタンプの作成時には、前記階調補正された補正済の文字データまたは前記孔版原紙への穿孔用の補正済の図形データにしたがってサーマルヘッドを駆動し、前記識別ラベルの作成時には、文字データまたは前記階調補正された前記識別ラベルへの印刷用の補正済の図形データにしたがってサーマルヘッドを駆動する。
【0011】
請求項1および8によると、スタンプの作成時には識別可能に管理された元データ内の文字データおよび図形データにそれぞれ異なる階調補正テーブルを用いて階調補正が施されるので、図形データと文字データとをそれぞれに適した適切な階調で表現することが可能となる。スタンプの作成時には文字に関してスタンプによる捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させることがなく、識別ラベルの作成時には文字データは階調補正されないので、文字をベタ黒として表現することができる。なお、このとき、文字データに対する階調補正テーブルは、そのグレースケール値を階調補正前に対して実質的に変化させないもののほか、捺印結果としての捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して実質的に変化させない範囲でグレースケール値を増加させるものであってもよい。
【0012】
また、請求項2のスタンプ装置は、孔版原紙の所定位置に形成された孔からインクを透過させて印刷を行うスタンプ、および、スタンプによる印刷内容をサーマル印刷することによって前もって確認可能とする前記スタンプの識別ラベルを作成するスタンプ装置において、前記スタンプの作成時には、スタンプによる印刷内容に関する元データに対して、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記スタンプによる捺印濃度が、元データのグレースケール値の最小値での捺印濃度が最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での捺印濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データのグレースケール値が階調補正前より大きくなり、前記元データのグレースケール値の最小値では前記スタンプによる捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないような階調補正テーブルを用いて階調補正を施すとともに、前記識別ラベルの作成時には、前記元データに対して、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記識別ラベルの印刷濃度が、元データのグレースケール値の最小値での印刷濃度が最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での印刷濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データのグレースケール値を階調補正前より大きな前記スタンプの作成時とは異なる値に変更し、前記元データのグレースケール値の最小値では前記識別ラベルの印刷濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないような階調補正テーブルを用いて階調補正を施す階調補正手段と、前記スタンプの作成時には、前記階調補正手段で階調補正された前記孔版原紙への穿孔用の補正済データにしたがって駆動され、前記識別ラベルの作成時には、前記階調補正手段で階調補正された前記識別ラベルへの印刷用の補正済データにしたがって駆動されるサーマルヘッドとを備えている。
【0013】
また、請求項9のスタンプ装置の駆動方法は、孔版原紙の所定位置に形成された孔からインクを透過させて印刷を行うスタンプ、および、スタンプによる印刷内容をサーマル印刷することによって前もって確認可能とする前記スタンプの識別ラベルを作成するスタンプ装置の駆動方法において、前記スタンプの作成時には、スタンプによる印刷内容に関する元データに対して、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記スタンプによる捺印濃度が、元データのグレースケール値の最小値での捺印濃度が最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での捺印濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データのグレースケール値が階調補正前より大きくなり、前記元データのグレースケール値の最小値では前記スタンプによる捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないような階調補正テーブルを用いて階調補正を施すとともに、前記識別ラベルの作成時には、前記元データに対して、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記識別ラベルの印刷濃度が、元データのグレースケール値の最小値での印刷濃度が最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での印刷濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データのグレースケール値を階調補正前より大きな前記スタンプの作成時とは異なる値に変更し、前記元データのグレースケール値の最小値では前記識別ラベルの印刷濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないような階調補正テーブルを用いて階調補正を施し、前記スタンプの作成時には、前記階調補正された前記孔版原紙への穿孔用の補正済データにしたがってサーマルヘッドを駆動し、前記識別ラベルの作成時には、前記階調補正された前記識別ラベルへの印刷用の補正済データにしたがってサーマルヘッドを駆動する。
【0014】
請求項2および9によると、スタンプの作成時には、元データのグレースケール値の最小値以外では、元データのグレースケール値が階調補正前より大きくなるように階調補正が施されるので、グレースケール値が最小値以外の図形データである可能性が高い範囲のデータを、捺印結果を暗くすることなく適切に階調補正することができる。また、元データのグレースケール値の最小値ではスタンプによる捺印結果および識別ラベルの印刷濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないように階調補正が施されるので、文字データである可能性が高いグレースケール値が最小値のデータをそのままベタ黒で捺印および印刷表現することができる。なお、本明細書において「元データに実質的な階調補正が施されない」とは、元データのグレースケール値を階調補正前に対して実質的に変化させないことのほか、捺印結果としての捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して実質的に変化させない範囲で元データのグレースケール値を増加させることを含む。
【0015】
また、請求項3のスタンプ装置においては、前記階調補正手段は、図形に関して、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるように、グレースケール値の全範囲において図形データに階調補正を施す。
【0016】
また、請求項10のスタンプ装置の駆動方法においては、図形に関して、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるように、グレースケール値の全範囲において図形データに階調補正を施す。
【0017】
請求項3および10によると、図形に関して、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるので、面倒な調整作業を行なう必要なく、入力された図形データにしたがったグレースケール値で捺印結果を表現することができるようになって、良好な捺印結果を得ることが可能となる。
【0018】
また、請求項4のスタンプ装置においては、前記階調補正手段は、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるように前記元データに階調補正を施す。
【0019】
また、請求項11のスタンプ装置の駆動方法においては、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるように前記元データに階調補正を施す。
【0020】
請求項4および11によると、元データのグレースケール値の最小値以外では、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるように前記元データに階調補正が施されるので、面倒な調整作業を行なう必要なく、入力された図形データにしたがったグレースケール値で捺印結果を表現することができるようになって、良好な捺印結果を得ることが可能となる。
また、請求項5のスタンプ装置においては、前記階調補正手段による補正後の図形データのグレースケール値は、前記元データのグレースケール値の全範囲において、前記穿孔用のものが前記識別ラベルの印刷用のものよりも大きい。
また、請求項12のスタンプ装置の駆動方法においては、前記階調補正後の図形データのグレースケール値は、前記元データのグレースケール値の全範囲において、前記穿孔用のものが前記識別ラベルの印刷用のものよりも大きい。
また、請求項6のスタンプ装置においては、前記階調補正手段による補正後の元データのグレースケール値は、前記元データのグレースケール値の最小値を除く範囲において、前記穿孔用のものが前記識別ラベルの印刷用のものよりも大きい。
また、請求項13のスタンプ装置の駆動方法においては、前記階調補正後の元データのグレースケール値は、前記元データのグレースケール値の最小値を除く範囲において、前記穿孔用のものが前記識別ラベルの印刷用のものよりも大きい。
請求項5、6、12および13によると、識別ラベルの印刷濃度と捺印濃度とを近づけることができる。
また、請求項7のスタンプ装置においては、前記穿孔用の前記階調補正テーブルおよび前記識別ラベルの印刷用の前記階調補正テーブルが、前記元データのグレースケール値の最小値において、この最小値以外の個所と不連続な特異点を有している。
また、請求項14のスタンプ装置の駆動方法においては、前記穿孔用の前記階調補正テーブルおよび前記識別ラベルの印刷用の前記階調補正テーブルが、前記元データのグレースケール値の最小値において、この最小値以外の個所と不連続な特異点を有している。
請求項7および14によると、文字データと図形データとを区別して管理しない場合であっても、図形データを元データのグレースケール値にしたがった濃度で忠実に再現できるとともに、文字データをベタ黒で印刷することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態であるスタンプ装置およびその駆動方法について、図面を参照しつつ説明する。図2〜図6は本発明の第1の実施の形態に係るスタンプ装置に用いられるスタンプ体について説明するための図であり、図7〜図9は本実施の形態に係るスタンプ装置に用いられる感熱紙カセットについて説明するための図であり、図10〜図13は本実施の形態に係るスタンプ装置の構造を説明するための図である。また、図14〜図21は、本実施の形態で行なう階調補正について説明するための図である。
【0022】
最初に、本実施の形態に係るスタンプ装置に用いられるスタンプ体について説明する。図2〜図3に示すように、スタンプ体1は、手で握る為の把持部2と、この把持部2に固定的に連結されるスタンプ部3と、スタンプ部3の外周側を覆うスカート部材6と、スタンプ部3に着脱自在に装着される保護キャップ7とを具備している。スタンプ部3は、スタンプ部本体4と、外周保持部材5とで構成されている。外周保持部材5には、スタンプ部本体4が下方より挿入されて固定される。スタンプ部本体4は、下面側に浅い凹部25(図4参照)を備えた直方体状で中空状の合成樹脂製の基部材26と、この基部材26の凹部25に装着される含浸体27であって油性インクを含浸させた含浸体27(インク体に相当する)と、含浸体27の下面と基部材26の外周側を覆い接着剤29にて基部材26の外周面に接着された感熱性孔版原紙28とから構成されている。なお、含浸体27は接着剤などにより基部材26の凹部25に接着されてもよい。
【0023】
また、基部材26は、油性インクに接触する関係上、耐油性に優れる合成樹脂材料(例えば、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレートなど)または金属材料で構成され、この基部材26の凹部25に含浸体27を装着することで、含浸体27の位置ズレを防止でき、含浸体27からのインクの流出を防止できる。含浸体27は、合成樹脂材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、アクリルニトリルブタジエンゴムなど)の弾力性のある発泡体または不織布からなり、この含浸体27には、油性インクが飽和状態に含浸されており、この含浸体27に圧力が付加されると、インクが滲み出すようになっている。
【0024】
感熱性孔版原紙28は、図5に示すように、熱可塑性フィルム30と、多孔性支持体31と、これらを接着する接着剤層32とが積層されて構成されている。熱可塑性フィルム30は、厚さ1〜4μm、好ましくは2μmの熱可塑性合成樹脂材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体など)のフィルムで構成されている。熱可塑性フィルム30は後述するサーマルヘッド側に配置されて、ヘッドの発熱体により部分的に溶かされることによって穿孔される。厚さ1μm未満の熱可塑性フィルム30は、製造コストが高価で強度も弱く実用的でなく、また、厚さ4μm以上のものは厚すぎるために、定格出力が50mJ/mm2 程度の一般のサーマルヘッドでは穿孔できないので好ましくない。多孔性支持体31は、天然繊維(例えは、マニラ麻、こうぞ、みつまたなど)、合成繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリルなど)、またはレーヨンなどの半合成繊維を主原料とした多孔性薄葉紙で構成されている。含浸体27の表面(図4では下面)に密着した感熱性孔版原紙28の部分が印面部33を構成している。前記のように、基部材26の外周面に感熱性孔版原紙28を接着する構成を採用したため、スタンプ部3の下面のほぼ全域にわたる印面部33が形成される。その結果、印刷する際の位置決めが簡単化する。
【0025】
印面部33に、例えば、図6に示すように、「ABCDE」のミラー文字の文字列と、その外側を囲む6重の矩形枠とからなるパターンの多数の穿孔(ドットパターン穿孔)とが、図示外のサーマルヘッドにより形成され、図6のパターンの鏡像である「ABCDE」の文字列と6重の矩形枠を印刷可能なスタンプ体が構成されるため、通常のラバー製の印面部を有するスタンプと同様に、例えば、約1000回にもわたって前記パターンをスタンプ印刷することができる。
【0026】
次に、本実施の形態に係るスタンプ装置に用いられる識別ラベル(IDラベル)印刷のための感熱紙カセットについて図7〜図9を参照して説明する。図7は感熱紙カセットの断面図、図8は正面図、図9は側面図である。
【0027】
感熱紙カセット135は、特開平8−183214号公報に記載されているように、スタンプ体による実際の印刷内容を前もって確認可能とするとともにスタンプ体の識別ラベル(IDラベル)としても用いられる感熱紙を収納可能なカセットである。このカセットをスタンプ装置に装着して感熱紙にサーマル印刷することによって、孔版原紙への穿孔を行なう前に元データの間違いなどを知ることができるので、比較的高価なスタンプ体を無駄にするのを回避し、かつ、印刷された感熱紙をスタンプ体に貼付することによりスタンプ体を容易に識別することが可能となる。
【0028】
図7〜図9に示すように、感熱紙カセット135は、手で握る為の把持部140と、この把持部140の下端に一体形成された本体基部150と、この本体基部150の下方に設けられたプラテン形成部180と、本体基部150の一端側に回動可能に取り付けられた蓋170とを有している。また、プラテン形成部180と蓋170との間には、カットシート状の感熱紙160が配置可能であって、蓋170の下面に形成された開口172からは感熱紙160が露出している。なお、感熱紙カセット135は、スタンプ本体1とはその形状が一部分で異なっており、その相違が後述するスタンプ装置本体50の近接スイッチ104、105(図13参照)によって識別できるようにされている。
【0029】
把持部140は、スタンプ体1の把持部2とほぼ同形状に形成されており、その下方にはスタンプ装置本体50側の部材(図示せず)が挿入されるスリット口141が設けられている。また、把持部140の下方両側面にはスタンプ装置本体50側の凸部と係合するガイド溝142が設けられている。本体基部150の下方に位置するプラテン形成部180の下面には、粘着剤186を介して矩形のラバーシート185が貼付されている。本体基部150の内部の上壁には左右一対のバネ支持部151が下向きに形成されている。また、プラテン形成部180の上面には、バネ支持部151と対向する一対のバネ支持部181が上向きに形成されている。これらバネ支持部151、181には圧縮バネ183が嵌着されている。この圧縮バネ183の作用のほか図示しない機構により、プラテン形成部180は下方に付勢される。
【0030】
蓋170の係合窓174に設けられた係合爪173と本体基部150の突起153とが係合することによって、蓋170が閉じた状態に維持されている。この係合を一方(図8の左側)で解除すると、蓋170が突起153を中心に回動して開く。この状態感熱紙160を感熱紙カセット135に補給することができる。カットシート感熱紙160の端部には位置決め穴(図示せず)が設けられており、この位置決め穴に蓋170に設けられた位置決めピン171を挿入することにより、感熱紙160を所定位置にセットすることができる。
【0031】
感熱紙160は、感熱層を有する感熱紙が粘着剤を介して離形紙と積層されたものであって、感熱層側には印刷後にユーザが容易に剥離できるようにするためのハーフカットが施されている。感熱紙160は、感熱紙カセット135にセットされた状態において、その一端側が感熱紙カセット135の引き出し口176から突出している。感熱紙160はプラテン形成部180の付勢力により、その枚数に関わらず、プラテン形成部180と蓋170との間に緩やかに固定される。
【0032】
このように構成された感熱紙カセット135によると、後述するスタンプ装置本体50のサーマルヘッドを用いて、蓋170の開口172に現れるカットシート状感熱紙160を加熱しこれにサーマル印刷することが可能である。感熱紙160への印刷が行なわれる場合は、図6のようなミラー文字ではなく、正像文字が印刷される。印刷された感熱紙160からハーフカット部分を剥がすことにより、スタンプ体1に貼付するためのIDラベルを得ることができる。
【0033】
次に、本実施の形態に係るスタンプ装置の構造について説明する。図10に示すように、本実施の形態に係るスタンプ装置40は、スタンプ装置本体50と、これに配線接続された階調補正手段であるパーソナルコンピュータ60とから構成されている。パーソナルコンピュータ60は、入力された元データを組み立ててスタンプ画像データを作成する際に後で詳述するようなγ補正、階調補正、2値化処理などを行ない、処理された補正済データをスタンプ装置本体50に供給するものである。
【0034】
スタンプ装置本体50は、本体フレーム51と、本体フレーム51の前部に設けられたキーボード(入力手段)52および液晶ディスプレイ53とを有している。本体フレーム51の後方には、上述のスタンプ体1または感熱紙カセット135が着脱自在に装着可能である。また、パーソナルコンピュータ60の記載が省略された図11に示すように、スタンプ体1または感熱紙カセット135は、本体フレーム51の側面に設けられた開口74から出し入れ可能となっている。なお、開口74には開閉扉75が設けられている。
【0035】
キーボード52には、仮名キーとアルファベットキー兼用の複数の文字キーと複数の記号キーとを含む文字記号キー、種々のファンクションキー(カーソル移動キー、実行キー、改行キー、確定/終了キー、取消キー、削除キー、シフトキー、小文字スイッチ、文字種設定スイッチ、穿孔スイッチなど)、メインスイッチが設けられている。液晶ディスプレイ53は、スタンプ体1でスタンプ印刷する印刷パターンに相当する複数行の文字列や図形などを表示可能に構成されている。
【0036】
本体フレーム51の後部であってスタンプ体1または感熱紙カセット135の底面と対向する位置には、サーマルヘッド90(図12参照)を有する加熱穿孔機構が設けられている。サーマルヘッド90は、通常のサーマルプリンタのサーマルヘッドと同様のもので、このサーマルヘッド90には、例えば、384個の発熱体(孔形成手段)103が前後方向向きに360dpiで1列に設けられている。加熱穿孔機構は本体フレーム51の幅方向に沿って左右に移動可能であり、この移動に伴ってサーマルヘッド90が通電駆動されることによって、スタンプ体1の感熱性孔版原紙28の所望部分が穿孔される。
【0037】
次に、図12に示すヘッド駆動回路119について説明する。図12に示すように、各発熱体103の一方の電極は、+12Vの電源端子127に夫々接続されるとともに、他方の電極はドライバ128に夫々接続されている。各ドライバ128の入力端子には、穿孔用ストローブ入力端子130に入力側に接続されたインバータ129の出力端子と、ラッチ信号入力端子131に入力側が接続されたデータラッチ回路132の各出力端子とが夫々接続されている。さらに、データラッチ回路132の各入力端子には、クロック入力端子133とデータ入力端子134とに入力端子が接続されたシフトレジスタ135の各出力端子が夫々接続されている。
【0038】
ヘッド駆動回路119において、穿孔用のデータがクロック信号に同期してシフトレジスタ135に記憶され、その後、ラッチ信号がデータラッチ回路132に供給されると、シフトレジスタ135に記憶されたデータが対応するデータラッチ回路132に出力されて記憶される。これと同時に、そのデータが各ドライバ128に印加される。この状態において、穿孔用ストローブ入力端子130から論理「0」の穿孔パルス信号がインバータ128の入力端子に印加されると、インバータ128の出力端子から論理「1」の信号が出力され、各ドライバ128の入力端子に印加される。従って、データラッチ回路132のデータが論理「1」の場合には、ドライバ128の出力側は論理「0」となり、それに対応する発熱体103に電源端子127から駆動電流が通電される。その際、発熱体103の表面温度が熱穿孔に適する温度となるように、穿孔用ストローブ入力端子130に入力される穿孔パルス信号のパルス幅が設定されている。
【0039】
次に、本実施の形態に係るスタンプ装置40を駆動制御する制御系について説明する。図13に示すように、スタンプ装置本体50の制御ユニット110には、パーソナルコンピュータ60と、キーボード52と、サーマルヘッド90と、サーマルヘッド90を含む加熱穿孔機構のキャリッジ(図示せず)を左右に移動させるためのキャリッジ送りモータ100と、液晶ディスプレイ53と、スタンプ体1や感熱紙カセット135の種別やこれらの装着の有無などを検知するための2つの近接スイッチ104、105とが接続されている。
【0040】
また、制御ユニット110は、CPU111と、ROM112と、RAM(穿孔データ記憶手段)113と、穿孔用CG−ROM114と、ディスプレイ53への表示の為の表示用CG−ROM115と、キーボード52(入力手段)および近接スイッチ104、105に接続された入力インタフェース116(入力手段)と、出力インタフェース117とを有しており、これらはバス118により相互に接続されている。さらに、制御ユニット110は、出力インタフェース117に夫々接続された、ヘッド駆動回路119と、モータ駆動回路120と、ディスプレイ駆動回路121とを有している。
【0041】
パーソナルコンピュータ60は、CPU61と、ハードディスク62と、RAM63と、スタンプ装置本体50の入力インタフェース116に接続された入出力インターフェイス64とを有しており、これらはバス65により相互に接続されている。入出力インターフェイス64にはディスプレイが接続されているほか、画像データを取り込むためのスキャナが接続されていてよい。ハードディスク62には、パーソナルコンピュータ60で実行されるスタンプ画像のエディタソフトウェアや、エディタで編集されたデータをスタンプ装置本体50側に送るためのドライバのほか、後述する階調補正テーブルなどが記憶されている。ユーザはこのエディタにしたがって文字データを入力しさらに図形データを取り込むことによりスタンプされる画像データを組み立てることができる。なお、エディタソフトウェアや階調補正テーブルは、ハードディスク62の代わりにEEPROMなどのユーザによる書き換えが可能な不揮発性記憶装置に記憶させてもよい。
【0042】
本実施の形態において、エディタは、文字データおよび図形データの識別可能に元データを管理することができる。つまり、エディタは、スタンプ画像データ編集の際に図形データを取り込む場合にそれを例えばフラグによって図形データとして管理し、文字を入力する場合にはそのデータを例えばフラグによって文字データとして管理する。
【0043】
RAM63は、入出力インターフェイス64からキーボードやスキャナなどの入力手段を介して得られた元データを一時的に記憶する入力バッファや、後述の階調補正などが施された補正済データを一時的に記憶する補正済データバッファなどを有している。CPU61は、エディタからの指示にしたがって元データに所定の処理を施すなどの処理を行なう。これらの処理については、後に詳述する。
【0044】
CPU111は、キーボード52やパーソナルコンピュータ60から入力インターフェイスを介して入力されたデータに基づいて、サーマルヘッド90の発熱体103によって構成されるドットマトリックスに配置されるドットのそれぞれが、穿孔予定ドットおよび非穿孔予定ドットのいずれであるかを順次決定する。また、制御ユニット110は、所定の条件を満たすときに、ドットマトリックスから選択された間引き候補ドットのそれぞれが穿孔ドットとならないようにする、いわゆる間引き処理を行なってもよい。間引き処理を行なうことにより、穿孔ドットが一方向に連続するのを防止することができるので、コート紙へのスタンプ時に孔版原紙28が剥がれるいわゆる印面はがれ現象を防止することができる。ただし、間引き処理では元データのグレースケール値が考慮されないために、元データのグレースケール値にしたがった濃度で捺印結果を表すことはできない。
【0045】
ROM112には、このスタンプ装置本体50の全体の動作を制御する制御プログラムを記憶したプログラムメモリ122と、仮名・漢字変換などの為の辞書メモリ123とが設けられている。RAM113には、入力インターフェイス116を介してパーソナルコンピュータ60から入力された補正済データを記憶する入力バッファ124、穿孔用データを記憶する穿孔バッファ125、サーマルヘッド90の発熱体103によって構成されるドットマトリックスのXラインカウンタ126a、Yラインカウンタ126bのほか、種々のカウンタやレジスタが設けられている。穿孔用CG−ROM114には、穿孔対象となる多数の文字のドットパターンデータがコードデータと対応付けて記憶されている。また、表示用CG−ROM115には、穿孔対象となる多数の文字の表示用ドットパターンデータがコードデータと対応付けて記憶されている。
【0046】
次に、本実施の形態のスタンプ装置40の動作について、図14にしたがって説明する。図14は、本実施の形態のスタンプ装置40の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、上述のエディタを用いて、スタンプ作成およびIDラベル印刷のどちらを行なうかがユーザにより指定される。この指定内容にしたがって、パーソナルコンピュータ60のRAM63にフラグがセットされる。このフラグは、スタンプ装置本体50によってスタンプ作成およびIDラベル印刷のいずれが行なわれるかを指定している。
【0047】
次に、ステップS2において、次回に行なわれるのがスタンプ作成およびIDラベル印刷のどちらであるのかが判断される。具体的には、上記ドライバがRAM63のフラグを参照して、フラグがどちらを指定しているかを判断する。この結果、スタンプ作成が指定されていると判断されると(S2:NO)ステップS3に進み、IDラベル印刷が指定されていると判断されると(S2:YES)ステップS4に進む。
【0048】
ステップS3では、文字データと図形データのうち図形データだけに孔版原紙の穿孔用データ処理(γ補正、階調補正、2値化処理)が行なわれる。また、ステップS4では、図形データだけにサーマル印刷用データ処理(γ補正、階調補正、2値化処理)が行なわれる。これら穿孔用データ処理およびサーマル印刷用データ処理は、パーソナルコンピュータ60に入力された文字データと図形データとをエディタを用いて組み合わせてスタンプ画像データを作成する際に同時に行なわれる。
【0049】
ステップS3の穿孔用データ処理では、最初に、パーソナルコンピュータ60に入力された360dpiの元データのうち図形データに対してγ補正が行なわれる。γ補正とは、元データのコントラストに関して元データをγ乗したものを出力する補正である。γ補正を行なうことにより、スタンプされた画像のコントラストを適切なものにすることができる。
【0050】
引き続いて、エディタによって、図形データに階調補正が行なわれる。階調補正とは、元データのグレースケール値を適宜に調節する補正である。本実施の形態では、図形データのみに階調補正を施し、文字データには階調補正を施さない。図形データに対して階調補正を行なうには、予め階調補正テーブルを用意しておく必要がある。そのために、”0”(黒)から”255”(白)までそれぞれのグレースケール値を有する256個のサンプルデータを作成する。なお、このサンプルデータは、例えば、誤差拡散に基づいて作成された2値化データである。そして、これら256個のサンプルデータを元データとして、階調補正をすることなく実際にスタンプ装置本体50を用いてスタンプ体1の孔版原紙28を穿孔する。その結果として作成されたスタンプ体1を用いて用紙に捺印を行なう。さらに、用紙の捺印部分の濃度を濃度計で測定することにより、図15に示すような元データのグレースケール値と捺印濃度との関係を示す曲線201で表された入出力特性を得る。なお、このとき捺印部分をスキャナで読み込んでその部分の濃度を測定することもできるが、反射型の画像読み取り装置であるスキャナよりも人間の眼の感覚に近い濃度計を用いるほうが好ましい。
【0051】
曲線201で表された入出力特性は、孔版原紙28からの隣接した孔からのインクの重なりなどの理由により、元データのグレースケール値と捺印濃度とが比例関係になっておらず、やや上側に膨らんだ曲線となっている。そのために、上述したようにグレースケール値が”0”に近い領域では捺印濃度が飽和しており、捺印された画像が暗くなって、元データのグレースケール値を的確に表現できなくなっている。
【0052】
次に、曲線201で表された入出力特性を直線202(元データのグレースケール値”0”で捺印濃度が”1”(黒)となり、元データのグレースケール値”255”で捺印濃度が”0”(白)となるような直線)で表されるような線形関係に階調補正するための階調補正テーブルを作成する。入出力特性を曲線201から直線202に補正するには、元データのグレースケール値がm(mは0から255までの間の適当な自然数)のときの曲線201での捺印濃度a1を、直線202での捺印濃度a2まで下げることができればよい。そのためには、元データのグレースケール値mを、直線202での捺印濃度a2に対応するグレースケール値nに変換してやればよいことになる。このようにしてできた階調補正テーブルが図16に示すテーブルであり、これをグラフで示したのが図17の曲線203である。図17の曲線203は、やや下側に膨らんだ曲線となっている。
【0053】
また、捺印された画像を全体的に明るくしたい場合には、曲線201で表された入出力特性を、図15の直線202の捺印濃度を80%とした図18の直線208(元データのグレースケール値”0”で捺印濃度が”0.8”となり、元データのグレースケール値”255”で捺印濃度が”0”(白)となるような直線)で表されるような線形関係に階調補正するための階調補正テーブルを作成する。入出力特性を曲線201から直線208に補正するには、元データのグレースケール値がm´(m´は0から255までの間の適当な自然数)のときの曲線201での捺印濃度a1´を、直線208での捺印濃度a2´まで下げることができればよい。そのためには、元データのグレースケール値m´を、直線208での捺印濃度a2´に対応するグレースケール値n´に変換してやればよいことになる。このようにしてできた階調補正テーブルが図19に示すテーブルであり、これをグラフで示したのが図17の曲線204である。図17の曲線204は、曲線203よりも下側に位置する曲線となっている。なお、この処理において80%という値は元データの内容などの条件によって変更することが好ましい。このような曲線203または204で表された階調補正テーブルは、パーソナルコンピュータ60内のハードディスク62の階調補正テーブルメモリに記憶される。なお、スタンプされた画像の濃度をユーザが適宜選択することができるように、複数種類の階調補正テーブルを記憶するようにしてもよい。
【0054】
そして、実際に階調補正が行なわれる際には、γ補正された図形データの各ドットのグレースケール値が、図17の曲線203または204で表されたような穿孔用階調補正テーブルを参照して補正される。つまり、本実施の形態では、図形データの階調補正前のグレースケール値と捺印濃度との関係が実質的に線形となるように、グレースケール値の実質的に全範囲において図形データに階調補正が施される。
【0055】
一方、文字データに対しては階調補正が施されないから、文字データについて補正前のグレースケール値と補正後のグレースケール値との関係は図20に示すようになる。つまり、文字データについては補正前後においてグレースケール値がともに”0”であり変化することがない。なお、文字部分の捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して実質的に変化させない範囲において、補正後のグレースケール値を白側に増加させるようにしてもよい。
【0056】
階調補正によって図形データのグレースケール値のレベルが減少した(グレースケール値自体は増加)後、CPU61によって図形データの2値化処理が行なわれる。つまり、例えばグレースケール値”128”をしきい値とすると、グレースケール値”128”以上である場合にはそのドットをオフ、つまり穿孔しないドットとし、グレースケール値”128”未満である場合にはそのドットをオフ、つまり穿孔ドットとする。この2値化処理は誤差拡散法にしたがって行なうことが好ましい。2値化による誤差をウェイト付けして周辺ドットに割り振る誤差拡散法を用いることによって、解像度の低下を最小限に抑えることが可能である。
【0057】
エディタによって所定のデータ処理が施された図形データと文字データとが組み合わされた穿孔用の補正済データは、ドライバによって、このデータが穿孔用であることを示すフラグとともにRAM63に送られそこに記憶される。
【0058】
また、ステップS4のサーマル印刷用データ処理においても、スタンプ画像データ作成の際に、図形データだけにγ補正、階調補正および2値化処理が施され、文字データにはこれらの処理が施されない。なお、IDラベル作成のためのサーマル印刷では、スタンプのように孔版原紙の孔からインクが拡散して滲むことがないので、元データのグレースケール値と印刷濃度が、図15の直線202で表されているような線形関係にある。つまり、図形データに階調補正を施す場合、図17に直線210で示すように、元データのグレースケール値と補正後のグレースケール値とは同じ値(階調補正なし)でよいことになる。
【0059】
ただし、感熱紙に印刷されるサーマル印刷画像を全体的に明るくしたい場合には、図17の直線210で示された階調補正テーブルの補正後のグレースケール値を、このグラフ上において80%の大きさにし、直線211を得る。なお、この処理において80%という値は元データの内容などの条件によって変更することが好ましい。また、この処理は必ずしも必要なものではなく、必要に応じて適宜実行すればよい。このような直線210または211で表された階調補正テーブルは、パーソナルコンピュータ60内のハードディスク62の階調補正テーブルメモリに記憶される。なお、サーマル印刷画像の濃度をユーザが適宜選択することができるように、複数種類の階調補正テーブルを記憶するようにしてもよい。
【0060】
なお、同じ特性の階調補正テーブルを用いるという条件ではサーマル印刷濃度の方が捺印濃度よりも薄くなる傾向がある。従って、サーマル印刷された感熱紙の印刷濃度を捺印濃度に近づけるためには、穿孔用階調補正テーブルを表す曲線がサーマル印刷用階調補正テーブルを表す直線よりも下側にあること、言い換えると、穿孔用階調補正後のグレースケール値が感熱紙へのサーマル印刷用階調補正後のグレースケール値よりも大きいことが好ましい。
【0061】
そして、実際に階調補正が行なわれる際には、γ補正された図形データの各ドットのグレースケール値が、ハードディスク62のサーマル印刷用階調補正テーブルを参照して補正される(なお、元データと補正後のデータのグレースケール値の関係が直線210で表される場合には階調補正は行われない)。階調補正によってグレースケール値のレベルが減少した(グレースケール値自体は増加)後、CPU61によって図形データに2値化処理が行なわれる。
【0062】
一方、サーマル印刷用データ処理の場合も文字データに対しては階調補正が施されないから、文字データについて補正前のグレースケール値と補正後のグレースケール値との関係は、穿孔用データ処理の場合と同じく図20に示すようになる。つまり、文字データについては補正前後においてグレースケール値がともに”0”であり変化することがない。
【0063】
エディタによって所定のデータ処理が施された図形データおよび文字データを組み合わせたサーマル印刷用の補正済データは、ドライバによって、このデータがサーマル印刷用であることを示すフラグとともにRAM63に送られそこに記憶される。
【0064】
次に、ステップS5において、上述したドライバを用いて、パーソナルコンピュータ60のスプーラから、スタンプ装置本体50の入力インターフェイス116を経て、RAM113の入力バッファ124に補正済データが送られ記憶される。この際、スタンプ装置本体50にセットされたのがスタンプ本体1または感熱紙カセット135のいずれであるかが近接スイッチ104、105によって判断され、この判断結果がフラグと一致すると判断された場合のみ、スタンプ装置本体50に補正済データが送られる。これによって、スタンプ装置本体50へのスタンプ本体1と感熱紙カセット135のセット間違いがあった場合にサーマルヘッド90が駆動されるのを未然に防止することが可能となる。
【0065】
そして、孔版原紙28の穿孔が行なわれる場合には、制御ユニット110において必要であれば穿孔用補正済データに間引き処理が行なわれた後、間引き処理された穿孔用データが穿孔バッファ125に書き込まれる。なお、サーマル印刷用データは、印面はがれなどの問題がないため、間引き処理を行なう必要はない。さらに、ステップS6において、この穿孔用またはサーマル印刷用の補正済データにしたがってサーマルヘッド90が駆動されることにより、スタンプ装置本体50の所定位置に配置されたスタンプ体1の孔版原紙28の所望個所に穿孔が設けられるか、或いは、感熱紙カセット135にセットされた感熱紙160にサーマル印刷が施される。
【0066】
以上のような工程により作成されたスタンプ体1を用いて用紙にスタンプ印刷した結果の捺印濃度(または、感熱紙160の印刷濃度)と、元データのグレースケール値との関係を図21に示す。図21において、直線205は図17の曲線203と直線210に対応しており、直線206は曲線204と直線211に対応している。これらの直線205、206は図形データについての両者の関係を示すものであり、文字データについては、常に捺印濃度または印刷濃度が”1”となるようになっている。
【0067】
このように、本実施の形態によると、図形データにだけ階調補正が施されかつ文字データには実質的に階調補正が施されないので、図形と文字をそれぞれに適した適切な階調で表現することができる。つまり、図形データについては、階調補正を施すことにより、グレースケール値が”0”に近い個所であっても元データのグレースケール値を適切な捺印濃度または印刷濃度で忠実に再現することが可能である。一方、文字データについては、常に捺印濃度または印刷濃度”1”で表現することができるから、文字をベタ黒で美しく現すことができる。
【0068】
また、本実施の形態によると、穿孔用とサーマル印刷用とで異なる階調補正テーブルを用いるので、元データのグレースケール値が同じである場合に、捺印濃度のスタンプ体1と感熱紙160の印刷濃度とをほぼ同一にすることができる。そのため、スタンプ作成の前に前もって感熱紙160によってサーマル印刷した画像濃度や明るさを実際の捺印濃度に近くすることができる。
【0069】
また、本実施の形態によって得られたスタンプ体1は、元データのグレースケール値と捺印濃度とが実質的に比例関係を有している。そのために、図15の曲線201のようにグレースケール値が”0”に近い領域において捺印結果の濃度が飽和することが実質的になくなって、この領域でもグレースケール値のわずかな相違を捺印濃度に反映させることが可能となる。従って、本実施の形態によると、従来必要であった元データの明るさ調整を何度も繰り返すというような面倒な調整作業を行なう必要がなく、元データのグレースケール値にしたがった濃度で捺印結果を表現することができるようになって、良好な捺印結果を得ることが可能となる。
【0070】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、エディタが、文字データおよび図形データを区別することなく元データを管理する。つまり、エディタは、スタンプ画像データ編集の際に取り込まれる図形データと文字データとを区別して管理する機能を有していない。本実施の形態のようなエディタは、スタンプ装置に用いることができるだけでなく、パーソナルコンピュータ60に接続される装置を画像の濃淡を表現しないでよい例えばラベル作成装置に代えるだけで、その装置にも共通で用いることができるという利点がある。
【0071】
本実施の形態のスタンプ装置40(便宜上第1の実施の形態と同じ符号を用いる、他の部材の符号についても同様)は、エディタが図形データと文字データとを区別して管理できずかつ階調補正などのデータ処理がエディタで行なわれずドライバで行なわれるという点を除いて、第1の実施の形態のものと同じであるのでここではその構造の詳細な説明を省略し、図22にしたがって本実施の形態のスタンプ装置40の動作について説明する。
【0072】
図22は、本実施の形態のスタンプ装置40の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS21において、上述のエディタを用いて、スタンプ作成およびIDラベル印刷のどちらを行なうかがユーザにより指定される。この指定内容にしたがって、パーソナルコンピュータ60のRAM63にフラグがセットされる。このフラグは、スタンプ装置本体50によってスタンプ作成およびIDラベル印刷のいずれが行なわれるかを指定している。
【0073】
次に、ステップS22において、次回に行なわれるのがスタンプ作成およびIDラベル印刷のどちらであるのかが判断される。具体的には、上記ドライバがRAM63のフラグを参照して、フラグがどちらを指定しているかを判断する。この結果、スタンプ作成が指定されていると判断されると(S22:NO)ステップS23に進み、IDラベル印刷が指定されていると判断されると(S22:YES)ステップS25に進む。
【0074】
ステップS23では、エディタにより文字データと図形データとが組み合わされてスタンプ画像データが作成される。この際、エディタが文字データと図形データとを識別して管理する機能を有していないため、上述の第1の実施の形態のようにデータ作成と同時に図形データだけに階調補正などのデータ処理が施されることがない。
【0075】
その後、ステップS24において、ドライバにより、作成されたスタンプ画像データに孔版原紙の穿孔用データ処理(γ補正、階調補正、2値化処理)が行なわれる。このデータ処理は、スタンプ画像データ全体に対して施されるため、このデータ内に含まれる文字データおよび図形データの両方に階調補正が施されることになる。
【0076】
ステップS24の穿孔用データ処理では、最初に、元データとしてのスタンプ画像データに対してγ補正が行なわれた後、階調補正が行なわれる。ここで行なわれる階調補正の階調補正テーブルを図23に示す。図23において、元データのグレースケール値と補正後のグレースケール値との関係を示す曲線220は、元データのグレースケール値”0”において特異点を有していること以外は、第1の実施の形態における図形データの階調補正に関する曲線204と同様の曲線である。つまり、この曲線220は曲線204とは異なり、元データのグレースケール値”0”での補正後のグレースケール値が”0”となっており、元データのグレースケール値”0”以外の個所から連続した値をとらない。
【0077】
このような階調補正を元データに施すことにより、元データのグレースケール値が最小値”0”以外の図形データである可能性が高い範囲ではグレースケール値を大きくすることができるので、図形データを暗くすることなく適切に捺印表現することができる。また、文字データである可能性が高い元データのグレースケール値の最小値”0”では、補正後のグレースケール値を”0”としており実質的に階調補正が施されないことになるので、文字データをそのままベタ黒で表現することができる。なお、元データのグレースケール値の最小値”0”に対応する文字である可能性が高い部分の捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して実質的に変化させない範囲において、補正後のグレースケール値を白側に増加させるようにしてもよい。
【0078】
階調補正の後、ドライバを用いて、上述の第1の実施の形態のようにデータの2値化処理が行なわれる。そして、ドライバによって所定のデータ処理が施された図形データおよび文字データを組み合わせた穿孔用の補正済データは、ドライバによって、このデータが穿孔用であることを示すフラグとともにRAM63に送られそこに記憶される。
【0079】
また、ステップS25では、ステップS23と同様に、エディタにより文字データと図形データとが組み合わされてスタンプ画像データが作成される。この際、エディタが文字データと図形データとを識別して管理する機能を有していないため、上述の第1の実施の形態のようにデータ作成と同時に図形データだけに階調補正などのデータ処理が施されることがない。
【0080】
その後、ステップS26において、ドライバにより、作成されたスタンプ画像データにサーマル印刷用データ処理(γ補正、階調補正、2値化処理)が行なわれる。このデータ処理は、スタンプ画像データ全体に対して施されるため、このデータ内に含まれる文字データおよび図形データの両方に階調補正が施されることになる。
【0081】
ステップS26のサーマル印刷用データ処理では、最初に、元データとしてのスタンプ画像データに対してγ補正が行なわれた後、階調補正が行なわれる。ここで行なわれる階調補正の階調補正テーブルを図24に示す。図24において、元データのグレースケール値と補正後のグレースケール値との関係を示す直線222は、元データのグレースケール値”0”において特異点を有していること以外は、第1の実施の形態における図形データの階調補正に関する直線211と同様の曲線である。つまり、この直線222は直線211とは異なり、元データのグレースケール値”0”での補正後のグレースケール値が”0”となっており、元データのグレースケール値”0”以外の個所から連続した値をとらない。
【0082】
このような階調補正を元データに施すことにより、元データのグレースケール値が最小値”0”以外の図形データである可能性が高い範囲ではグレースケール値を大きくすることができるので、図形データを暗くすることなく適切に捺印表現することができる。また、文字データである可能性が高い元データのグレースケール値の最小値”0”では、補正後のグレースケール値を”0”としており実質的に階調補正が施されないことになるので、文字データをそのままベタ黒で表現することができる。なお、元データのグレースケール値の最小値”0”に対応する文字である可能性が高い部分の印刷濃度を階調補正を行わない場合に対して実質的に変化させない範囲において、補正後のグレースケール値を白側に増加させるようにしてもよい。
【0083】
階調補正の後、ドライバを用いて、上述の第1の実施の形態のようにデータの2値化処理が行なわれる。そして、ドライバによって所定のデータ処理が施された図形データおよび文字データを組み合わせたサーマル印刷用の補正済データは、ドライバによって、このデータがサーマル印刷用であることを示すフラグとともにRAM63に送られそこに記憶される。
【0084】
次に、ステップS27において、上述した第1の実施の形態と同様にして、RAM63から、スタンプ装置本体50の入力インターフェイス116を経て、RAM113の入力バッファ124に補正済データが送られ記憶される。さらに、ステップS28において、穿孔用またはサーマル印刷用の補正済データにしたがってサーマルヘッド90が駆動されることにより、スタンプ装置本体50の所定位置に配置されたスタンプ体1の孔版原紙28の所望個所に穿孔が設けられるか、或いは、感熱紙カセット135にセットされた感熱紙160にサーマル印刷が施される。
【0085】
以上のような工程により作成されたスタンプ体1を用いて用紙に捺印した結果の捺印濃度(または、感熱紙160の印刷濃度)と、元データのグレースケール値との関係を図25に示す。図25の直線224は曲線220と直線222に対応している。この直線224は元データのグレースケール値が最小値”0”以外では捺印濃度または印刷濃度と比例している。しかしながら、元データのグレースケール値”0”では、捺印濃度または印刷濃度が”1”となっており、元データのグレースケール値”0”以外の部分から連続した値をとらない。元データのグレースケール値と捺印濃度または印刷濃度とが図25のような関係を有することにより、エディタが文字データと図形データとを区別して管理しない場合であっても、図形データを元データのグレースケール値にしたがった濃度で忠実に再現できるとともに、文字データをベタ黒で印刷することができる。
【0086】
また、本実施の形態によって得られたスタンプ体1は、元データのグレースケール値と捺印濃度とが実質的に比例関係を有している。そのために、図15の曲線201のようにグレースケール値が”0”に近い領域において捺印結果の濃度が飽和することが実質的になくなって、この領域でもグレースケール値のわずかな相違を捺印濃度に反映させることが可能となる。従って、本実施の形態によると、従来必要であった元データの明るさ調整を何度も繰り返すというような面倒な調整作業を行なう必要がなく、元データのグレースケール値にしたがった濃度で捺印結果を表現することができるようになって、良好な捺印結果を得ることが可能となる。
【0087】
以上本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明には様々な設計変更が可能である。例えば、上述した実施の形態では、パーソナルコンピュータ60である階調補正手段がスタンプ装置本体50とは独立して設けられているが、別の実施の形態として、パーソナルコンピュータ60で階調補正を行なうのではなく、スタンプ装置本体50内において階調補正などを行なわせることも可能である。その場合は、スタンプ装置本体50内のROM112に階調補正などの画像処理用のプログラムのほか階調補正テーブルを記憶させるようにすればよい。この場合の動作は階調補正などが行なわれる場所がパーソナルコンピュータ60からスタンプ装置本体50内となるだけであって実質的な相違はないため、説明を省略する。また、上述の実施の形態では、文字データと図形データとをともに含むスタンプ画像の場合について説明したが、本発明はスタンプ画像が文字データまたは図形データだけを含む場合にも同様に動作する。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1および8によると、スタンプの作成時には識別可能に管理された元データ内の文字データおよび図形データにそれぞれ異なる階調補正テーブルを用いて階調補正が施されるので、図形データと文字データとをそれぞれに適した適切な階調で表現することが可能となる。スタンプの作成時には文字に関してスタンプによる捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させることがなく、識別ラベルの作成時には文字データは階調補正されないので、文字をベタ黒として表現することができる。
【0089】
また、請求項2および9によると、スタンプの作成時には、元データのグレースケール値の最小値以外では、元データのグレースケール値が大きくなるように階調補正が施されるので、グレースケール値が最小値以外の図形データである可能性が高い範囲のデータを、捺印結果を暗くすることなく適切に階調補正することができる。また、元データのグレースケール値の最小値ではスタンプによる捺印結果および識別ラベルの印刷濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないように階調補正が施されるので、文字データである可能性が高いグレースケール値が最小値のデータをそのままベタ黒で捺印および印刷表現することができる。
【0090】
また、請求項3および10によると、図形に関して、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるので、面倒な調整作業を行なう必要なく、入力された図形データにしたがったグレースケール値で捺印結果を表現することができるようになって、良好な捺印結果を得ることが可能となる。
【0091】
また、請求項4および11によると、元データのグレースケール値の最小値以外では、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるように前記元データに階調補正が施されるので、面倒な調整作業を行なう必要なく、入力された図形データにしたがったグレースケール値で捺印結果を表現することができるようになって、良好な捺印結果を得ることが可能となる。
請求項5、6、12および13によると、識別ラベルの印刷濃度と捺印濃度とを近づけることができる。
請求項7および14によると、文字データと図形データとを区別して管理しない場合であっても、図形データを元データのグレースケール値にしたがった濃度で忠実に再現できるとともに、文字データをベタ黒で印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 360dpiで孔版原紙が穿孔される様子を説明するための図である。
【図2】 本発明の一実施の形態のスタンプ装置に用いられるスタンプ体の斜視図である。
【図3】 図2に示されたスタンプ体の分解斜視図である。
【図4】 図2に示されたスタンプ体の縦断側面図である。
【図5】 図2に示されたスタンプ体の感熱性孔版原紙の拡大断面図である。
【図6】 図2に示されたスタンプ体の印面部に穿孔するパターンの一例を示す図である。
【図7】 本発明の一実施の形態のスタンプ装置に用いられる感熱紙カセットの断面図である。
【図8】 本発明の一実施の形態のスタンプ装置に用いられる感熱紙カセットの正面図である。
【図9】 本発明の一実施の形態のスタンプ装置に用いられる感熱紙カセットの側面図である。
【図10】 本発明の一実施の形態に係るスタンプ装置を示す概略図である。
【図11】 図10に示されたスタンプ装置本体の斜視図である。
【図12】 図10に示されたスタンプ装置本体内に組み入れられるヘッド駆動回路の電気回路図である。
【図13】 図10に示されたスタンプ装置の制御系のブロック図である。
【図14】 本発明の第1の実施の形態のスタンプ装置の駆動方法を説明するためのフローチャートである。
【図15】 本発明の第1の実施の形態において階調補正テーブルの作成方法を説明するためのグラフである。
【図16】 図15で説明した方法で得られた階調補正テーブルを示す図である。
【図17】 本発明の第1の実施の形態において図形データについての穿孔用およびサーマル印刷用の階調補正テーブルを表すグラフである。
【図18】 本発明の第1の実施の形態において階調補正テーブルの作成方法を説明するためのグラフである。
【図19】 図18で説明した方法で得られた階調補正テーブルを示す図である。
【図20】 本発明の第1の実施の形態において文字データについての穿孔用およびサーマル印刷用の階調補正テーブルを表すグラフである。
【図21】 本発明の第1の実施の形態において、図17および図20のグラフにしたがった元データのグレースケール値と捺印濃度または印刷濃度との関係を示すグラフである。
【図22】 本発明の第2の実施の形態のスタンプ装置の駆動方法を説明するためのフローチャートである。
【図23】 本発明の第2の実施の形態において穿孔用の階調補正テーブルを表すグラフである。
【図24】 本発明の第2の実施の形態においてサーマル印刷用の階調補正テーブルを表すグラフである。
【図25】 本発明の第2の実施の形態において、図23および図24のグラフにしたがった元データのグレースケール値と捺印濃度または印刷濃度との関係を示すグラフである。
【図26】 180dpiで孔版原紙が穿孔される様子を説明するための図である。
【図27】 従来のスタンプ作成技術による元データのグレースケール値と捺印濃度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 スタンプ体
28 感熱性孔版原紙
40 スタンプ装置
50 スタンプ装置本体
52 キーボード
60 パーソナルコンピュータ
90 サーマルヘッド
103 発熱体
110 制御ユニット
111 CPU
112 ROM
113 RAM
Claims (14)
- 孔版原紙の所定位置に形成された孔からインクを透過させて印刷を行うスタンプ、および、スタンプによる印刷内容をサーマル印刷することによって前もって確認可能とする前記スタンプの識別ラベルを作成するスタンプ装置において、
スタンプによる印刷内容に関する元データを、文字データおよび図形データの識別可能に管理する管理手段と、
前記スタンプの作成時には、文字に関して前記スタンプによる捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないように、図形に関して、前記スタンプによる捺印濃度が、元データのグレースケール値の最小値での捺印濃度が文字に関する捺印濃度を超えない最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での捺印濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記管理手段に管理された前記元データ内の文字データおよび図形データにそれぞれ異なる階調補正テーブルを用いて階調補正を施し、前記識別ラベルの作成時には、前記識別ラベルの印刷濃度が、元データのグレースケール値の最小値での印刷濃度が文字に関する印刷濃度を超えない最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での印刷濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データ内の図形データだけに前記スタンプの作成時とは異なる階調補正テーブルを用いて階調補正を施す階調補正手段と、
前記スタンプの作成時には、前記階調補正手段で階調補正された補正済の文字データまたは前記孔版原紙への穿孔用の補正済の図形データにしたがって駆動され、前記識別ラベルの作成時には、文字データまたは前記階調補正手段で階調補正された前記識別ラベルへの印刷用の補正済の図形データにしたがって駆動されるサーマルヘッドとを備えていることを特徴とするスタンプ装置。 - 孔版原紙の所定位置に形成された孔からインクを透過させて印刷を行うスタンプ、および、スタンプによる印刷内容をサーマル印刷することによって前もって確認可能とする前記スタンプの識別ラベルを作成するスタンプ装置において、
前記スタンプの作成時には、スタンプによる印刷内容に関する元データに対して、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記スタンプによる捺印濃度が、元データのグレースケール値の最小値での捺印濃度が最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での捺印濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データのグレースケール値が階調補正前より大きくなり、前記元データのグレースケール値の最小値では前記スタンプによる捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないような階調補正テーブルを用いて階調補正を施すとともに、前記識別ラベルの作成時には、前記元データに対して、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記識別ラベルの印刷濃度が、元データのグレースケール値の最小値での印刷濃度が最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での印刷濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データのグレースケール値を階調補正前より大きな前記スタンプの作成時とは異なる値に変更し、前記元データのグレースケール値の最小値では前記識別ラベルの印刷濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないような階調補正テーブルを用いて階調補正を施す階調補正手段と、
前記スタンプの作成時には、前記階調補正手段で階調補正された前記孔版原紙への穿孔用の補正済データにしたがって駆動され、前記識別ラベルの作成時には、前記階調補正手段で階調補正された前記識別ラベルへの印刷用の補正済データにしたがって駆動されるサーマルヘッドとを備えていることを特徴とするスタンプ装置。 - 前記階調補正手段は、図形に関して、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるように、グレースケール値の全範囲において図形データに階調補正を施すことを特徴とする請求項1に記載のスタンプ装置。
- 前記階調補正手段は、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるように前記元データに階調補正を施すことを特徴とする請求項2に記載のスタンプ装置。
- 前記階調補正手段による補正後の図形データのグレースケール値は、前記元データのグレースケール値の全範囲において、前記穿孔用のものが前記識別ラベルの印刷用のものよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のスタンプ装置。
- 前記階調補正手段による補正後の元データのグレースケール値は、前記元データのグレースケール値の最小値を除く範囲において、前記穿孔用のものが前記識別ラベルの印刷用のものよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のスタンプ装置。
- 前記穿孔用の前記階調補正テーブルおよび前記識別ラベルの印刷用の前記階調補正テーブルが、前記元データのグレースケール値の最小値において、この最小値以外の個所と不連続な特異点を有していることを特徴とする請求項2に記載のスタンプ装置。
- 孔版原紙の所定位置に形成された孔からインクを透過させて印刷を行うスタンプ、および、スタンプによる印刷内容をサーマル印刷することによって前もって確認可能とする前記スタンプの識別ラベルを作成するスタンプ装置の駆動方法において、
スタンプによる印刷内容に関する元データを、文字データおよび図形データの識別可能に管理し、
前記スタンプの作成時には、文字に関して前記スタンプによる捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないように、図形に関して、前記スタンプによる捺印濃度が、元データのグレースケール値の最小値での捺印濃度が文字に関する捺印濃度を超えない最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での捺印濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データ内の文字データおよび図形データにそれぞれ異なる階調補正テーブルを用いて階調補正を施するとともに、前記識別ラベルの作成時には、前記識別ラベルの印刷濃度が、元データのグレースケール値の最小値での印刷濃度が文字に関する印刷濃度を超えない最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での印刷濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データ内の図形データだけに前記スタンプの作成時とは異なる階調補正テーブルを用いて階調補正を施し、
前記スタンプの作成時には、前記階調補正された補正済の文字データまたは前記孔版原紙への穿孔用の補正済の図形データにしたがってサーマルヘッドを駆動し、前記識別ラベルの作成時には、文字データまたは前記階調補正された前記識別ラベルへの印刷用の補正済の図形データにしたがってサーマルヘッドを駆動することを特徴とするスタンプ装置の駆動方法。 - 孔版原紙の所定位置に形成された孔からインクを透過させて印刷を行うスタンプ、および、スタンプによる印刷内容をサーマル印刷することによって前もって確認可能とする前記スタンプの識別ラベルを作成するスタンプ装置の駆動方法において、
前記スタンプの作成時には、スタンプによる印刷内容に関する元データに対して、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記スタンプによる捺印濃度が、元データのグレースケール値の最小値での捺印濃度が最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での捺印濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データのグレースケール値が階調補正前より大きくなり、前記元データのグレースケール値の最小値では前記スタンプによる捺印濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないような階調補正テーブルを用いて階調補正を施すとともに、前記識別ラベルの作成時には、前記元データに対して、前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記識別ラベルの印刷濃度が、元データのグレースケール値の最小値での印刷濃度が最大値となりかつ元データのグレースケール値の最大値での印刷濃度が最小値の0となる直線で表される濃度となるように、前記元データのグレースケール値を階調補正前より大きな前記スタンプの作成時とは異なる値に変更し、前記元データのグレースケール値の最小値では前記識別ラベルの印刷濃度を階調補正を行わない場合に対して変化させないような階調補正テーブルを用いて階調補正を施し、
前記スタンプの作成時には、前記階調補正された前記孔版原紙への穿孔用の補正済データにしたがってサーマルヘッドを駆動し、前記識別ラベルの作成時には、前記階調補正された前記識別ラベルへの印刷用の補正済データにしたがってサーマルヘッドを駆動することを特徴とするスタンプ装置の駆動方法。 - 図形に関して、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるように、グレースケール値の全範囲において図形データに階調補正を施すことを特徴とする請求項8に記載のスタンプ装置の駆動方法。
- 前記元データのグレースケール値の最小値以外では、前記識別ラベルの印刷濃度と前記スタンプによる捺印濃度とが同一になるように前記元データに階調補正を施すことを特徴とする請求項9に記載のスタンプ装置の駆動方法。
- 前記階調補正後の図形データのグレースケール値は、前記元データのグレースケール値の全範囲において、前記穿孔用のものが前記識別ラベルの印刷用のものよりも大きいことを特徴とする請求項8に記載のスタンプ装置の駆動方法。
- 前記階調補正後の元データのグレースケール値は、前記元データのグレースケール値の最小値を除く範囲において、前記穿孔用のものが前記識別ラベルの印刷用のものよりも大きいことを特徴とする請求項9に記載のスタンプ装置の駆動方法。
- 前記穿孔用の前記階調補正テーブルおよび前記識別ラベルの印刷用の前記階調補正テーブルが、前記元データのグレースケール値の最小値において、この最小値以外の個所と不連続な特異点を有していることを特徴とする請求項9に記載のスタンプ装置の駆動方法。
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