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JP4366745B2 - 振動ジャイロ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は振動ジャイロに関し、特にたとえば、カメラの手ぶれ補正等に使用されるバイモルフ型の振動ジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】
本願発明の背景となる従来の技術が特許第2780643号公報、特開平10−332378号公報、特開平10−332379号公報に開示されている。
図7および図8に従来の振動ジャイロの一例を示す。この振動ジャイロ1では、略Z字形状の支持部材2を用いてバイモルフ型の振動子3の屈曲振動の節点を上下から挟持するとともに電気的な導通をとっている。支持部材2の一端部は振動子3の一方主面にはんだ付け等で固着され、他端部は振動子3の側方に配置された支持台4に埋設された金属ピン5の一端部にはんだ付け等で固着されている。この振動子3の主面と支持台4の主面とは同一平面上に配置され、その同一平面上に支持部材2が平面状に延びるよう配置される。そのため、この振動ジャイロ1は、図8に示すように、支持台4の振動子3側の縁部に、支持部材2と支持台4とが互いに接触してはいるが固着されていないエッジ部6が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような振動ジャイロ10では、振動子3の振動に伴い支持部材2が微小な振動を起こす場合がある。この場合、エッジ部6において支持部材2と支持台4とが擦れ合い、振動子3の振動が不安定になる。その結果、図10および図14に示すように、温度ドリフトや長期ドリフトが不安定になる場合があった。
また、振動子3の振動が支持部材2を介して支持台4に伝わり、さらに支持部材2が一体に固着されている筐体にまで振動が漏れてしまう場合があった。この場合にも、長期ドリフトが不安定になる。
【0004】
それゆえに、本願発明の主たる目的は、温度ドリフトや長期ドリフトの安定なバイモルフ型の振動ジャイロを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明にかかる振動ジャイロは、柱状の振動子と、振動子の節点に対応する位置に固着される支持部材と、振動子の側方に離間して配置され、支持部材の端部が固着される支持台とを含む振動ジャイロにおいて、支持部材の端部は、支持台のエッジ部より内側に埋設された金属ピンと接する範囲において固着され、支持台の振動子に対向する側のエッジ部において、支持部材と支持台との間に空隙部を設けたことを特徴とする、振動ジャイロである。
この振動ジャイロにおいて、空隙部は、エッジ部において支持台を切り欠いて形成されてもよく、エッジ部において支持部材を変形させて形成されてもよい。この場合、支持部材の変形は、絞り加工によりなされることが好ましい。また、支持部材の変形は、振動子の屈曲振動の方向に略平行な方向になされることが好ましい。
【0006】
本願発明にかかる振動ジャイロでは、支持台のエッジ部において空隙部が設けられるので、エッジ部において支持部材と支持台とが擦れることがなく、擦れによる振動の不安定化が防止される。その結果、振動ジャイロの温度ドリフトや長期ドリフトが改善される。
また、支持部材を変形させて空隙部を形成する場合には、振動の閉じ込め効果が得られるので、振動子の振動が外部に漏れることが抑制され、このことによってもドリフトの安定化が図られる。特に、振動子の屈曲振動の方向と平行な方向に支持部材を変形させれば、振動漏れをより効果的に抑制することができる。
また、絞り加工によれば支持部材を所定の形状に変形加工することが容易である。
【0007】
本願発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本願発明にかかる振動ジャイロの一実施形態を示す斜視図解図である。この振動ジャイロ10は、たとえば正4角柱状の振動子12を含む。
振動子12は、たとえば短冊状の第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bを含む。第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bは、積層され接着される。また、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bは、互いに逆の厚み方向に分極される。なお、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bの分極の方向は、互いに対向する方向であってもよい。
【0009】
第1の圧電体基板14aの主面には、その幅方向に間隔を隔てて2つの分割電極16,16が形成される。また、第2の圧電体基板14bの主面には、共通電極18が形成される。さらに、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14b間には、中間電極20が形成される。
【0010】
この振動子12では、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bが互いに逆の厚み方向に分極されているので、2つの分割電極16,16および共通電極18間にたとえば正弦波信号などの駆動信号を印加すれば、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bが互いに逆に振動する。この場合、第1の圧電体基板14aがその主面に平行する方向に伸びているときには、第2の圧電体基板14bはその主面に平行する方向に縮む。逆に、第1の圧電体基板14aがその主面に平行する方向に縮んでいるときには、第2の圧電体基板14bはその主面に平行する方向に伸びる。そのため、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bは、その長手方向における両端部から少しだけ内側の部分をノード部分として、その主面に直交する方向に屈曲振動する。
【0011】
振動子12の上面および下面における節点(ノード)に対応する4か所には、支持部材22の中央部が取り付けられて、振動子12が上下方向から挟持される。支持部材22は、振動子12の分割電極および共通電極に駆動信号を与え、また分割電極および共通電極から検出信号を得るための導電線ともなる。そのため、振動子12の上面の長手方向の一方の支持部材22は一方の分割電極16に電気的に接続され、長手方向の他方の支持部材22は他方の分割電極16に電気的に接続される。また、振動子12の下面の支持部材22は、共通電極18に電気的に接続される。
【0012】
また、この支持部材22は、たとえばリン青銅などの恒弾性金属の板材を打ち抜くことにより形成され、その際に両端部がそれぞれ略Z字形状に形成される。略Z字状に形成されることにより振動子12の振動の閉じ込め効果を得ることができる。そして、振動子12の上面に固着された支持部材22は、振動子12の側方に離間して配置された支持台24の上面に露出した金属ピン26にはんだ付け等で固着されるとともに電気的に導通される。同様に、振動子12の下面に固着された支持部材22は、支持台24の下面に露出した金属ピン26にはんだ付け等で固着されるとともに電気的に導通される。支持台24は、図3に示すように、合成樹脂でなる筐体28と一体に形成されるものである。金属ピン26は、支持台24内に埋設され、他端部が筐体28内に保持された他の回路に電気的に接続される。
【0013】
そして、この振動ジャイロ10では、支持台24の振動子12に対向する側のエッジ部に切り欠き部30が形成される。切り欠き部30を形成することにより、支持部材22と支持台24との間に空隙部が形成されることになる。この切り欠き部30の形成される部分は、図2に示すように支持台24において金属ピン26が埋設されておらず、支持部材22と支持台24とが固着されない部分である。
【0014】
この振動ジャイロ10では、発振回路から出力されるたとえば正弦波信号などの駆動信号が、支持部材22を介して、振動子12の2つの分割電極16,16および共通電極18間に印加される。この駆動信号によって、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bは、その主面に直交する方向に屈曲振動する。その状態で、振動ジャイロ10が振動子12の中心軸を中心に回転すると、その回転角速度に応じたコリオリ力が、第1の圧電体基板14aおよび第2の圧電体基板14bの主面に平行しかつ振動子12の中心軸に直交する方向に働く。したがって、振動子12の屈曲振動の方向が変わる。そのため、2つの分割電極16,16間には、その回転角速度に応じた信号が発生する。そして、2つの分割電極16,16間に発生する信号は、支持部材22を介して、差動増幅回路によって検出され、差動増幅回路の出力信号によって、回転角速度を知ることができる。
【0015】
また、この振動ジャイロ10では、支持台24のエッジ部に切り欠き部30が形成されることにより空隙部が設けられるので、該エッジ部において支持部材22と支持台24とが擦れることがない。そのため、擦れによる振動の不安定化が防止され、図9および図11に示すように、振動ジャイロ10の温度ドリフトや長期ドリフトが安定化する。
【0016】
図4は、本願発明にかかる振動ジャイロの他の実施形態を示す正面図解図である。この振動ジャイロ10では、支持台24の振動子12に対向する側のエッジ部において、切り欠き部が形成されず、支持部材22を略L字形状に屈曲させてなる屈曲部32が形成される点において図1ないし図3に示した振動ジャイロと異なる。図4に示す振動ジャイロ10では、このように屈曲部32を設けることにより、エッジ部における支持部材22と支持台24との間に空隙部が形成されることになる。その結果、図4に示した振動ジャイロ10は、図1ないし図3に示した振動ジャイロと同様の効果を得ることができ、図12に示すように長期ドリフトも安定化する。
【0017】
図5は、本願発明にかかる振動ジャイロのさらに他の実施形態を示す正面図解図である。この振動ジャイロ10では、支持台24の振動子12に対向する側のエッジ部において、図1ないし図3に示した振動ジャイロと同様に切り欠き部30が形成されるとともに、支持部材22を略L字形状に屈曲させてなる屈曲部32が形成される点において図1ないし図4に示した振動ジャイロと異なる。図5に示す振動ジャイロ10では、支持台24の切り欠き部30と支持部材22の屈曲部32とで、エッジ部における支持部材22と支持台24との間に空隙部が形成されることになる。その結果、図5に示した振動ジャイロ10は、図1ないし図4に示した振動ジャイロと同様の効果を得ることができ、図13に示すように長期ドリフトも安定化する。
【0018】
図6は、本願発明にかかる振動ジャイロの別の実施形態を示す正面図解図である。この振動ジャイロ10では、支持台24の振動子12に対向する側のエッジ部において、切り欠き部が形成されず、支持部材22を略U字形状に屈曲させてなる屈曲部32が形成される点において図1ないし図5に示した振動ジャイロと異なる。図6に示す振動ジャイロ10では、このように屈曲部32を設けることにより、エッジ部における支持部材22と支持台24との間に空隙部が形成されることになる。その結果、図6に示した振動ジャイロ10によっても、図1ないし図5に示した振動ジャイロと同様の効果を得ることができ、温度ドリフトおよび長期ドリフトが安定化する。
【0019】
また、図4ないし図6に示した振動ジャイロ10の製造工程において、それぞれの屈曲部32は、絞り加工により形成される。その際、振動子12の屈曲振動の方向と平行な方向、すなわち振動子12の厚み方向と平行な方向に支持部材22を屈曲変形させて屈曲部32が形成される。屈曲部32を振動子12の振動方向と平行な方向に形成することにより、振動の閉じ込め効果を得ることができ、振動子12の振動が外部に漏れることが抑制され、より一層の振動の安定化を図ることができ、延いては温度ドリフトおよび長期ドリフトが安定化する。
【0020】
【発明の効果】
本願発明によれば、温度ドリフトおよび長期ドリフトの安定な振動ジャイロを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる振動ジャイロの一実施形態を示す斜視図解図である。
【図2】図1に示す振動ジャイロの正面図解図である。
【図3】図1に示す振動ジャイロの平面図解図である。
【図4】本願発明にかかる振動ジャイロの他の実施形態を示す正面図解図である。
【図5】本願発明にかかる振動ジャイロのさらに他の実施形態を示す正面図解図である。
【図6】本願発明にかかる振動ジャイロの別の実施形態を示す正面図解図である。
【図7】従来の振動ジャイロの一例を示す斜視図解図である。
【図8】図7に示す従来の振動ジャイロの正面図解図である。
【図9】図1に示す実施形態の振動ジャイロの温度ドリフトを示すグラフである。
【図10】図7に示す従来の振動ジャイロの温度ドリフトを示すグラフである。
【図11】図1に示す実施形態の振動ジャイロの長期ドリフトを示すグラフである。
【図12】図4に示す実施形態の振動ジャイロの長期ドリフトを示すグラフである。
【図13】図5に示す実施形態の振動ジャイロの長期ドリフトを示すグラフである。
【図14】図7に示す従来の振動ジャイロの長期ドリフトを示すグラフである。
【符号の説明】
10 振動ジャイロ
12 振動子
14a 第1の圧電体基板
14b 第2の圧電体基板
16 分割電極
18 共通電極
20 中間電極
22 支持部材
24 支持台
26 金属ピン
28 筐体
30 切り欠き部
32 屈曲部

Claims (4)

  1. 柱状の振動子、
    前記振動子の節点に対応する位置に固着される支持部材、および
    前記振動子の側方に離間して配置され、前記支持部材の端部が固着される支持台を含む振動ジャイロにおいて、
    前記支持部材の端部は、前記支持台のエッジ部より内側に埋設された金属ピンと接する範囲において固着され、
    前記支持台の前記振動子に対向する側のエッジ部において、前記支持部材と前記支持台との間に空隙部を設けたことを特徴とする、振動ジャイロ。
  2. 前記空隙部は、前記エッジ部において前記支持台を切り欠いて形成された、請求項1に記載の振動ジャイロ。
  3. 前記空隙部は、前記エッジ部において前記支持部材を変形させて形成された、請求項1または請求項2に記載の振動ジャイロ。
  4. 前記空隙部は、前記振動子の屈曲振動の方向に略平行な方向に前記支持部材を絞り加工で変形させることにより形成された、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の振動ジャイロ。
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