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JP4366830B2 - 合わせガラス - Google Patents
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JP4366830B2 - 合わせガラス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に建築用に使用される合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築物にはカーテンウォール工法等の外壁工法を用いて板ガラスを躯体に支持させ、これにより外壁を構築している例が増えている。板ガラスを、その周縁に取付ける部材を介して躯体に取付ける代表的な方法はサッシ構法である。すなわち、アルミニウム合金の押し出し材等の部材でフレームを形成し、該フレーム内にシーリング材を介して板ガラスを施工する方法であり、一般的な施工方法である。
【0003】
一方、板ガラス周辺の意匠性を向上させるため、高強度のシリコーンシーリング材を用いて板ガラスの室内側にアルミニウム部材等を接着した構造シリコーン構法(以下、「SSG構法」という)がある。また、ガラスの透視面積を極限まで追求したものに、点支持で板ガラスを支持する孔あき強化ガラス構法(以下、「DPG構法」という)がある。DPG構法では、強化または倍強度ガラスに孔(皿孔状の孔を含む)を加工し、特殊なボルト部材を介して板ガラスを躯体に固定する。
【0004】
サッシ材を用いた構法は周辺の枠が不可欠であるため、透視性が低い欠点がある。SSG構法では主に、熱線反射ガラスを用いるため、室外からの外観ではサッシ材のない優れた意匠性が得られるが、室内から見るとアルミニウム部材等が目立ち、サッシ構法と同様に意匠性が劣る。さらに、SSG構法ではシーリング材とアルミニウム部材との接着性を充分に管理しなければならない難点がある。
【0005】
DPG構法は、板ガラスの室外側は極めて平滑な平面が得られるが、室内側では、支持ボルト部材と支持部材とが突き出しており、室内側に関してはフラットな表面という印象は乏しい。また、孔部の強度を一定以上にするための制限から、ボルト部材等の大きさを小さくするには限界があった。
【0006】
建築物の外壁工法で、強化ガラスの用途として、強化ガラスを用いたドアも知られている。強化ガラスドアでは、板ガラスの4隅に複雑な加工を施し板ガラスを両側から金属プレートで挟み込む施工方式が採用されている。この方式では、表面側に金属プレートが出てきてしまうので、意匠性に劣る。
【0007】
また、強化ガラスを使用した場合、万一の板ガラス破損の際には、破片がバラバラと飛散脱落する問題点があり、これを回避するための飛散防止フィルムを貼る等の対策が不可欠である。ただし、フィルムの耐久性には寿命があり、これをクリアするため、合わせガラスを採用することも多い。合わせガラスとは、透明で接着力の強い樹脂の中間膜を2枚以上の板ガラスで挟み込み、オートクレーブに入れ、約130℃の温度、約150MPaの圧力の条件下で圧着したものである。強化合わせガラスは、飛散防止性能、耐久性能で、ともに飛散防止フィルムを貼った強化ガラスを大幅に上回る。
【0008】
上記中間膜としては、従来よりポリビニルブチラール製のものが使用されてきたが、最近は耐水性、耐貫通性等の性能の要求から、エチレン・ビニルアセテート共重合体製のものが多用されるようになってきた。
オートクレーブ処理の際には、合わせガラスをガラス全体を包み込むようなゴム製の袋に入れて加熱加圧するが、その際、合わせガラスに部材が取付けられる場合、該部材がガラス面から飛び出していると、該部材の部分がゴム袋を引き裂くこともあり、部材取付けの障害となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであり、室内側にも室外側にも平滑な面を提供し、フレーム等の構造物がなく、透明性を追求した構法が可能であり、かつ、工場製品の出荷段階で取付部材を一体化することで、品質安定性、現場施工性を高めることができる合わせガラスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数枚の板ガラスが中間膜を介して接着されてなる合わせガラスにおいて、前記合わせガラスの端縁の一部では、少なくとも一枚の板ガラスは他の板ガラスより平面サイズが小さく、合わせガラスの該部位に段差部を形成しており、躯体と係合する取付部材が、前記段差部に中間膜を介して接着されおり、該平面サイズが小さな板ガラスの前記段差部の近傍にはナット部材である他のネジ状部材が埋設されており、前記取付部材の一部と前記ネジ状部材とがボルト部材であるネジ状部材を介して結合されている合わせガラスを提供する。
このような段差部に中間膜を介して取付部材が接着されていれば、オートクレーブ処理の際に取付部材がゴム袋を引き裂く不具合も解消でき、また、工場製品の出荷段階で取付部材が一体化でき、品質安定性、現場施工性が高められる。
【0011】
本発明において、前記段差部の近傍にはネジ状部材が埋設されており、前記取付部材の一部と前記ネジ状部材とが他のネジ状部材を介して結合されることが必須である
このように板ガラスと取付部材との固定が中間膜を介するのみならず、ネジ状部材の組合せと併用されれば、より確実な固定となる。
【0012】
また、本発明において、前記取付部材は躯体の一部と係合され、板ガラスと躯体との間で回動機構が構成されることが好ましい。
このように、板ガラスと躯体との間で回動機構が構成されていれば、板ガラスが風圧を受けた等のときに、板ガラスに発生する応力の緩和が図れる。
【0013】
本発明の合わせガラスの構成は、積層される板状部材の全てが無機質の板ガラスである必要はなく、無機質の板ガラスと有機質の板ガラスと通称されるもの、たとえばポリカーボネート樹脂板、アクリル樹脂板等の樹脂板とを積層した構成も、さらには、全てが有機質の板ガラスである構成をも含む。
【0014】
なお、本発明において、合わせガラスは建築物に使用されるのが主なことより、該合わせガラスの両表面に位置する板ガラスを、便宜的に「室内側ガラス」および「室外側ガラス」という。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の合わせガラスにおいて、複数枚の板ガラスのうち、施工されたとき室内側に面して配される板ガラス(室内側ガラス)は、施工されたとき室外側に面して配される板ガラス(室外側ガラス)より部分的に平面サイズが小さく加工されており、合わせガラスとして一体化された際には該部分に段差部を形成する。
【0016】
該段差部には、取付部材が、合わせガラス製造時に取付けられる。すなわち、中間膜を2枚の板ガラスで挟み込み、オートクレーブ処理する際に、該段差部においては、室外側ガラスと取付部材との間に中間膜を配しておく。このような構成とすることで、オートクレーブ処理により室外側ガラスと取付部材との接着固定が図れる。
【0017】
すなわち、オートクレーブ処理により合わせガラスと取付部材とを一体的に接着できるため、品質が安定し、かつ、高接着強度が得られる。また、既に部材がセットされた状態の板ガラスパネルであるため、施工時の取り扱いが容易である。また、前記段差部がなければ室内側ガラスが存在したであろう空間に取付部材が配されるので、DPG工法のボルト部材とは異なり、取付部材が合わせガラスのガラス面から大きく飛び出すこともない。
【0018】
取付部材は、強力な接着力を有する中間膜によりオートクレーブで接着されるので、接着部の信頼性は高いが、さらに接合を強固にするために、機械的な接合も併有させ得る。具体的には、合わせガラスの前記段差部の近傍に皿孔加工を施しておき、該皿孔にはナット部材を埋設しておき、前記取付部材の孔にボルト部材の先端を貫通させた後、ナット部材にボルト部材の先端を螺合させる。
【0019】
本発明における段差部は、典型的には合わせガラスの角隅部に矩形状に設けるが、辺の中間部に矩形状に設けたり、角隅部に三角形状に設けることもできる。
本発明は、壁面への板ガラスの取付、表示板(看板等)、合わせガラスドア等に利用できる。ドアに利用する場合などには、ヒンジ機構が必要となる。該ヒンジ機構では、本発明における取付部材は、構造部材側からの腕材と嵌合し、回転機構を形成する必要があるが、このような加工を取付部材に施すこともできる。
【0020】
また、板ガラスを壁面に使用する際には、板ガラスの支持部材が回転ヒンジ機構を有していれば、風圧を受けた等のときに板ガラスに発生する応力の緩和に有効である。
この場合、正方形の板ガラスであれば、板ガラス角隅部において板ガラスの辺に対して約45度方向に回転ヒンジを設けることが好ましい。横長の長方形板ガラスであれば、縦辺に回転ヒンジを設けることが好ましい。ヒンジは一方向の回転のみであるため、取付部材と嵌合する躯体側の腕材等に、さらに前記ヒンジ軸と直交する方向の回転機構を設ければ、応力緩和性能はさら向上する。
【0021】
【実施例】
図1は、本発明の合わせガラスの実施例の要部断面図であり、図2は、要部斜視図である。合わせガラス1は、室外側ガラス2、室内側ガラス3、中間膜5、取付部材7等より構成される。合わせガラス1は、端縁部において室外側ガラス2が室内側ガラス3より張り出して段差部4を形成している。また、合わせガラス1の端縁から所定距離の位置において、室内側ガラス3には皿孔6が加工されている。そして、皿孔6にはネジ状部材(ナット部材)9が配されている。
【0022】
合わせガラス1には、強化または倍強度ガラスを用いるのが好ましい。皿孔6は、合わせガラス1の2枚の板ガラス2、3を貫通するものでもよいが、室外側ガラス2の表面を平滑に保つためには、図1に示すように室内側ガラス3のみに設けるのが望ましい。皿孔6には、アルミニウム等からなる緩衝材10を介してナット部材9が配される。ボルト部材11の先端が、取付部材7の孔を貫通してナット部材9に緊締螺合されることで、取付部材7と合わせガラス1とが機械的に結合される。
【0023】
なお、図1の例では、皿孔6にナット部材9を配し、ボルト部材11を取付部材7の孔を貫通させナット部材9に緊締螺合させる構成を採ったが、該構成に限定されない。たとえば、まず、皿孔6に該皿孔6に嵌合する形状のボルト部材をボルト部材の先端が室内側ガラス3を貫通するように配し、次に、取付部材7の孔をボルト部材の先端が貫通するようにして取付部材7を配し、その後、ボルト部材、取付部材7および合わせガラス1を一体化し、最後に、ナット部材をボルト部材の先端に緊締螺合させる構成であってもよい。
【0024】
また、皿孔6のような形状の孔とする代りに、たとえば、室内側ガラス3の孔を口径の異なる段差を設けた孔とし、ナット部材9が室内側に抜けないようにした構成であってよく、室外側ガラス2と室内側ガラス3とに口径の異なる貫通孔を形成し、室外側ガラス2と室内側ガラス3とで段差を設けた孔を構成させ、ナット部材9が室内側に抜けないようにした構成であってもよい。
【0025】
合わせガラス1の躯体への取付けは、取付部材7の小口面に設けられた溝8に、躯体側からの支持部材12を挿入して行われる。この場合、溝部8は、入口の溝幅よりも奥の方の溝幅が大きく形成されており、支持部材12の先端部分は均一の厚さであるため、溝部8と支持部材12とで一種のヒンジ機構を構成する。すなわち、取付部材7の溝8の入口と支持部材12との接触点を中心として、合わせガラス1は若干の角度だけ回動する。これにより、風圧を受けた等のときの、板ガラスに発生する応力の緩和が図れる。
【0026】
皿孔6に配されるナット部材9、緩衝材10は、取付部材7と同様に、合わせガラス製造時(オートクレーブ処理の際)において、中間膜5により、合わせガラスに一体化される。図1、図2の場合は、合わせガラスの室内側の面が完全な平坦面ではなくなるが、従来のDPG構法と比較すると、取付部材の出っ張りの程度は小さくなり、かなり改善されている。
【0027】
図3は、本発明の合わせガラスをファサードに使用した実施例の正面図であり、取付部材7の取付位置および形状を示す。(a)は図1、図2に示した実施例のもので、合わせガラス1を四隅で支持したものである。(b)は、合わせガラス1の室内側ガラス3の四隅を辺に対し約45度の角度で切り落とし、取付部材7の溝8と支持部材12とで構成されるヒンジ回転軸を、辺に対し約45度傾けて設置した例である。合わせガラス1が正方形の場合、図3(b)のようにヒンジ機構を辺に対し約45度傾けて設置することで、風圧を受けた等のときの、板ガラスに発生する応力の緩和機能は、最も効果的となる。(c)は、合わせガラス1の縦二辺の全長に取付部材7を取付けた例である。
【0028】
図4は、参考例の要部断面図である。図4の例では、板ガラスに孔加工等することなく、合わせガラス1と取付部材7とが、ほとんど突起部分を生じさせずに一体化される。合わせガラス1は、室内側ガラス3が部分的または辺全体において室外側ガラス2より小さく、段差部4を構成しており、段差部4に取付部材7が中間膜5により接着されている。
【0029】
取付部材7は、末端に筒状部13を有しており、躯体または建具の支持部材の軸部(図示せず)と係合されヒンジ機構を構成する。この構成では、正風圧状態においては、耐風圧性能は取付部材の強度に依存し、負風圧状態においては、耐風圧性能は取付部材7と中間膜5との接着性能に依存していることとなる。なお、金属(取付部材7)と中間膜5との接着強度は十分であることが確認されている。
【0030】
図5は、本発明の合わせガラスの、さらに他の実施例の要部断面図であり、図6は、要部斜視図である。いずれも、本発明をドアに使用した場合を想定している。合わせガラス1に中間膜5、ナット部材9等を使用して取付部材7が取付けられる構成は、図1、図2に示される実施例と同様である。
【0031】
図5、図6の構成においては、図1、図2に示される実施例における溝8の代りに筒状部13が形成されている。筒状部13には、躯体または建具の支持部材の軸部14が嵌合され、ヒンジ機構を構成する。合わせガラスドアの該ヒンジ機構により、合わせガラスドアは回動自在となる。
なお、同様のヒンジ機構を、建築物壁面のファサードにも応用できる。
【0032】
上述の各実施例では、全て室外側ガラスと室内側ガラスとの2枚の板ガラスで合わせガラスを構成しているが、これに限定されず、3枚以上の板ガラスで合わせガラスを構成した場合にも本発明は適用でき、よくその機能を発揮し得る。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、強力な接着力の中間膜で一体に取付部材を接着した合わせガラスが得られる。また、一方の板ガラス(室内側ガラス)の平面サイズが小さく、段差部が形成されているため、合わせガラスから取付部材が大きく突出することはなく、平坦な面が形成される。
【0034】
また、合わせガラスと取付部材とが機械的にも結合されているので、中間膜での接着に加え、より確実な固定が得られる。
さらに、取付部材は躯体の一部と係合され、板ガラスと躯体との間で回動機構が構成されるので、板ガラスが風圧を受けた等のときに、板ガラスに発生する応力の緩和が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合わせガラスの実施例の要部断面図。
【図2】本発明の合わせガラスの実施例の要部斜視図。
【図3】本発明の合わせガラスをドアに使用した実施例の正面図。
【図4】参考例の要部断面図。
【図5】本発明の合わせガラスのさらに他の実施例の要部断面図。
【図6】本発明の合わせガラスのさらに他の実施例の要部斜視図。
【符号の説明】
1:合わせガラス
2:室外側ガラス
3:室内側ガラス
4:段差部
5:中間膜
6:皿孔
7:取付部材
8:溝
9:ネジ状部材(ナット部材)
10:緩衝材
11:ネジ状部材(ボルト部材)
12:支持部材(躯体側)
13:筒状部
14:軸部

Claims (2)

  1. 複数枚の板ガラスが中間膜を介して接着されてなる合わせガラスにおいて、
    前記合わせガラスの端縁の一部では、少なくとも一枚の板ガラスは他の板ガラスより平面サイズが小さく、合わせガラスの該部位に段差部を形成しており、
    躯体と係合する取付部材が、前記段差部に中間膜を介して接着されており、
    該平面サイズが小さな板ガラスの前記段差部の近傍にはナット部材である他のネジ状部材が埋設されており、
    前記取付部材の一部と前記ナット部材であるネジ状部材とがボルト部材であるネジ状部材を介して結合されている合わせガラス。
  2. 前記取付部材は躯体の一部と係合され、板ガラスと躯体との間で回動機構が構成される請求項1に記載の合わせガラス。
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