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JP4367243B2 - 適応整相装置、そのプログラム及び適応整相システム - Google Patents
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適応整相装置、そのプログラム及び適応整相システム Download PDF

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本発明は、例えば、ソーナー等で目標の方位推定等を行うために、直線又は円周上等に配置された複数の音響センサで受信された音響信号(音波)から干渉波を適応的に除去することにより目標信号のみを抽出する適応整相装置、そのプログラム及び適応整相システムに関する。
従来の適応整相方法は、複数の音響センサで構成されるセンサアレイで受信された音響信号(音波)の複素周波数領域信号を用いて、整相方位に最大感度を有する1次ビームと、整相方位に零感度を有する0次ビームとを生成している。次に、0次ビームの自己相関マトリクスの時間平均の逆行列と、1次ビームと0次ビームとの相互相関ベクトルの時間平均とをそれぞれ算出して、上記逆行列及び上記相互相関ベクトルの時間平均に基づいて適応フィルタのフィルタ係数を算出している。そして、これらのフィルタ係数に基づいて、1次ビームから0次ビームの適応フィルタ出力を減算することにより、整相方位以外の方位から到来する信号を適応的に除去している。
この適応整相方法では、算出された逆行列の精度が許容範囲内に収まるか否かを判定して、逆行列の算出精度が許容範囲内に収まっていた場合には、逆行列を用いて算出されたフィルタ係数を用いて適応的な除去を行い、逆行列の算出精度が許容範囲から外れていた場合には、逆行列を用いて算出されたフィルタ係数を用いない(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−232849号公報(請求項1,[0058]〜[0098]、図3,図4)
ところで、上記した従来の適応整相方法では、センサアレイを構成する各音響センサの位置誤差、各音響センサの出力信号の振幅や位相のバラツキ、音響センサのいずれかの故障等が原因で、センサアレイの応答に誤差が発生する。各音響センサの出力信号の振幅や位相のバラツキは、各音響センサの個体差が原因で生じる他、例えば、平板等のプラットフォーム上に音響センサが取り付けられており、このプラットフォームの厚みや材質等が均一でない場合には、各音響センサに直接到来する信号と、プラットフォームから反射した信号との干渉状況が各音響センサで異なることが原因で生じる場合がある。
センサアレイを用いた適応整相装置では、到来する信号が平面波であると仮定し、所望の方位(整相方位)から各音響センサに到来する信号が、音響中心(例えば、センサアレイの中心の位置)に到来する時刻と一致するように、遅延量(周波数空間では位相量)を補償している。1次ビームの場合、補償した各音響センサの受信信号を加算することにより、所望の方位に最大感度(センサアレイの応答が最大となる)を有するようなビームパターン(センサアレイの応答の方位特性)を生成している。
一方、0次ビームの場合、補償した各音響センサの受信信号を加算する場合に、例えばすべての音響センサの受信信号の半分に+1を乗算し、受信信号の残りの半分に−1を乗算した後にすべてを加算することにより、所望の方位の感度が零となるビームパターンを生成している。このとき、音響センサに位置誤差がある場合、所望方位から到来した信号に対し、各音響センサで補償する位相量と、実際に各音響センサに到来した信号と音響中心に到来する信号との位相差が異なってしまう。
このように位相補償結果に誤差を有する各音響センサの位相補償結果に基づいて1次ビームを生成すると、所望の方位が最大感度とならなくなったり、ビームパターンが変形したりする。一方、0次ビームを生成すると、所望の方位の感度が零とならなくなったり、ビームパターンが変形したりする。つまり、1次ビームでは、所望の整相方位と最大感度方位が異なり、0次ビームでは、所望の整相方位の感度が零とならなくなってしまうことになる。各音響センサの出力信号に振幅や位相のバラツキが生じる場合も同様の不都合が発生する。
ところで、上記した従来の適応整相方法では、センサアレイの応答誤差がそれほど大きくなく、入力信号が定常であるような場合には、逆行列演算における演算誤差が許容範囲内となるが、この逆行列演算結果から求めた適応フィルタの最適解を適応フィルタのフィルタ係数として使用すると、適応整相結果において所望信号の劣化が大きくなる場合がある。特に、所望信号のSN比が、整相方位以外の方位から到来する妨害音JのJN比に対して非常に高い場合に、適応整相結果における所望信号の劣化が顕著になる。
これは以下に示す理由による。すなわち、センサアレイの応答に誤差が生じるために、所望の整相方位の感度を零とするように生成した0次ビームにおいて、所望の整相方位の感度が零ではなくなるため、0次ビーム出力に所望の整相方位から到来する所望信号が混入する。この所望信号が混入した0次ビームを参照信号として、参照信号の適応フィルタ出力を1次ビーム出力から減算することによって適応整相結果を求めるため、適応整相結果において、所望信号が劣化してしまうのである。この結果、所望信号の検出が困難となったり、背景レベルの段差を信号として誤検出してしまうという課題があった。
本発明に係る適応整相装置は、前述の課題を解決するために、センサアレイで受信された信号を用いて整相方位に最大感度を有する1次ビームと整相方位に零感度を有する複数の0次ビームとを生成し、複数の0次ビームの適応フィルタにおけるフィルタリング結果を1次ビームから減算して適応整相結果を得ることにより整相方位以外の方位から到来する信号を適応的に除去するものであり、1次ビーム及び複数の0次ビームに基づいて、今回算出しようとする適応フィルタのフィルタ係数を使用した適応整相結果における所望信号が劣化するか否かを判定し、所望信号が劣化しないと判定した場合には第1の信号を、所望信号が劣化すると判定した場合には第2の信号を出力する劣化判定器と、第1の信号が供給された場合には今回算出したフィルタ係数を使用した適応整相結果を選択して今回の適応整相結果として出力し、第2の信号が供給された場合には1次ビームを選択して今回の適応整相結果として出力するセレクタとを備えている。
また、本発明に係る適応整相装置は、センサアレイで受信された信号を用いて整相方位に最大感度を有する1次ビームと整相方位に零感度を有する複数の0次ビームとを生成し、複数の0次ビームの適応フィルタにおけるフィルタリング結果を1次ビームから減算して適応整相結果を得ることにより整相方位以外の方位から到来する信号を適応的に除去するものであり、1次ビーム及び複数の0次ビームに基づいて、今回算出しようとする適応フィルタのフィルタ係数を使用した適応整相結果における所望信号が劣化するか否かを判定し、所望信号が劣化しないと判定した場合には第1の信号を、所望信号が劣化すると判定した場合には第2の信号を出力する劣化判定器を備え、適応フィルタは、第1の信号が供給された場合には1次ビーム及び複数の0次ビームに基づいて算出されたフィルタ係数を使用し、第2の信号が供給された場合には予め記憶されたフィルタ係数の初期値を使用している。
また、本発明に係る適応整相装置は、センサアレイで受信された信号を用いて整相方位に最大感度を有する1次ビームと整相方位に零感度を有する複数の0次ビームとを生成し、複数の0次ビームの適応フィルタにおけるフィルタリング結果を1次ビームから減算して適応整相結果を得ることにより整相方位以外の方位から到来する信号を適応的に除去するものであり、1次ビーム及び複数の0次ビームに基づいて、今回算出しようとする適応フィルタのフィルタ係数を使用した適応整相結果における所望信号が劣化するか否かを判定する劣化判定器を備え、適応フィルタは、現時刻において今回算出しようとするフィルタ係数を次の時刻で使用して得られる適応整相結果における所望信号が劣化しないと劣化判定器で判定された場合には、前回算出して内部に記憶しておいたフィルタ係数を使用するとともに、複数の0次ビームと適応整相結果とに基づいてフィルタ係数の更新処理を行い、更新したフィルタ係数を次の時刻のフィルタ係数として内部に記憶し、現時刻において今回算出しようとするフィルタ係数を次の時刻で使用して得られる適応整相結果における所望信号が劣化すると劣化判定器で判定された場合には、前回算出して内部に記憶しておいたフィルタ係数を使用するとともに、フィルタ係数をフィルタ係数の初期値で初期化して内部に記憶している。
また、本発明に係る適応整相プログラムは、コンピュータに上記した適応整相装置のいずれかの機能を実現させるためのものである。
また、本発明に係る適応整相システムは、上記いずれかの適応整相装置を、周波数領域で実現した場合の複数の周波数ビンに対応して複数段並列に設けたものである。
また、本発明に係る適応整相システムは、上記いずれかの適応整相装置を、複数の整相方位に対応して複数段並列に設けたものである。
本発明に係る適応整相装置では、劣化判定器は、1次ビーム及び複数の0次ビームに基づいて、今回算出しようとする適応フィルタのフィルタ係数を使用した適応整相結果における所望信号が劣化するか否かを判定し、所望信号が劣化しないと判定した場合には第1の信号を、所望信号が劣化すると判定した場合には第2の信号を出力する。これにより、セレクタは、第1の信号が供給された場合には今回算出したフィルタ係数を使用した適応整相結果を選択して今回の適応整相結果として出力し、第2の信号が供給された場合には1次ビームを選択して今回の適応整相結果として出力する。したがって、センサアレイの応答に誤差が存在する場合に、干渉信号の除去が必要ないほど強い所望信号に対し、所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じた適応整相結果を後段に出力しないようにすることができる。
また、本発明に係る適応整相システムは、上記いずれかの適応整相装置を、周波数領域で実現した場合の複数の周波数ビンに対応して複数段並列に設けている。したがって、複数の周波数ビンの処理を行うことができる。
また、本発明に係る適応整相システムは、上記いずれかの適応整相装置を、複数の整相方位に対応して複数段並列に設けている。したがって、複数の整相方位についての処理を行うことができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1である適応整相装置の構成を示すブロック図である。この例の適応整相装置は、1次ビーム生成部1と、0次ビーム生成部2と、適応フィルタ部3と、減算器4と、劣化判定器5と、セレクタ6とから構成されている。1次ビーム生成部1は、N個(Nは自然数)のデジタルの複素周波数領域信号x1(k)〜xN(k)に対して、整相方位θに最大感度を有する1次ビームを生成する。kはサンプル番号を示している。N個の周波数領域信号x1(k)〜xN(k)は、直線又は円周上等に配置された複数の音響センサで構成されるN個のセンサアレイで受信されたアナログの音響信号(音波)を時系列のデジタルデータに変換した後、フーリエ変換やウェーブレット変換等をすることにより、周波数分析に必要な帯域に制限されたN個の周波数ビン(frequency bin)に分割したものである。図1に示す適応整相装置は、この周波数ビン1ビンの適応整相処理を行うものである。
1次ビーム生成部1は、位相補償器11と、空間窓乗算器12と、加算器13とから構成されている。位相補償器11は、周波数領域信号x1(k)〜xN(k)の位相を整相方位θの方向に合致させるために、式(1)に基づいて整相方位θに対する位相量v1(θ)〜vN(θ)を算出するとともに、式(2)に基づいて位相補償を行い、その位相補償結果g1(k)〜gN(k)を空間窓乗算器12及び0次ビーム生成部2に供給する。
Figure 0004367243
式(1)において、n=1〜N、ω0は周波数領域信号xn(k)の角周波数、hnは第n番目の音響センサの位置ベクトル、r(θ)は整相方位θへの単位ベクトル、cは音速、<a,b>はベクトルaとbの内積を示している。
n(k)=vn *(θ)・xn(k) …(2)
式(2)において、添え字の「*」は複素共役を示している。以下に示す各式においても同様である。
空間窓乗算器12は、位相補償器11から供給される位相補償結果g1(k)〜gN(k)に対して、それぞれ対応した空間窓係数a1〜aNを乗算した後、乗算結果a1・g1(k)〜aN・gN(k)を加算器13に供給する。加算器13は、乗算結果a1・g1(k)〜aN・gN(k)を加算した後、加算結果を、式(3)に示す整相方位θに最大感度を有する1次ビームd(k)として、適応フィルタ部3、減算器4、劣化判定器5及びセレクタ6に供給する。
Figure 0004367243
0次ビーム生成部2は、1次ビーム生成部1から供給される位相補償結果g1(k)〜gN(k)に基づいて、整相方位θに零感度を有するL個(Lは自然数)の0次ビームを生成する。0次ビーム生成部2は、BM(Block Matrix)乗算器14から構成されている。BM乗算器14は、1次ビーム生成部1から供給される位相補償結果g1(k)〜gN(k)に対して、式(4)に示す拘束マトリクスBEを式(5)に基づいて乗算することにより、整相方位θに零感度を有するL個の0次ビームy1(k)〜yL(k)を算出し、そのL個の0次ビームを適応フィルタ部3に供給する。
Figure 0004367243
Figure 0004367243
式(4)において、n=1〜N、j=1〜L、bnj はj番目の0次ビームyj(k)を生成するためのn番目の位相補償結果gn(k)に対する拘束係数を示している。また、式(5)において、BE HのHは行列の共役転置操作を示している。拘束マトリクスBEの要素であるbnjは整相方位θの感度を零にする条件である式(6)に示す関係を満足する限り、0次拘束、1次微係数拘束等、その他の任意の拘束をかけることができる。
Figure 0004367243
適応フィルタ部3は、L個の乗算器151〜15Lと、加算器16と、フィルタ係数算出器17とから構成されている。乗算器151〜15Lは、0次ビームy1(k)〜yL(k)と、フィルタ係数算出器17から供給される時刻kに対応するL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)とを乗算し、乗算結果w* 1(k)・y1(k)〜w* L(k)・yL(k)を加算器16に供給する。加算器16は、乗算結果w* 1(k)・y1(k)〜w* L(k)・yL(k)を加算した後、加算結果を、式(7)に示すフィルタリング結果である適応フィルタ結果z(k)として、減算器4に供給する。
Figure 0004367243
フィルタ係数算出器17は、フィルタ係数の最適解をその都度更新するいわゆるDMI型(SMI型ともいう)であり、1次ビーム生成部1から供給される1次ビームd(k)と、0次ビーム生成部2から供給される0次ビームy1(k)〜yL(k)とに基づいて、減算器4で適応フィルタ部3から供給される適応フィルタ結果z(k)を1次ビームd(k)から減算した減算結果ε(k)の自乗値|ε(k)|2を最小とするL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を算出し、各フィルタ係数w1(k)〜wL(k)を乗算器151〜15Lに供給する。
ここで、フィルタ係数算出器17において、フィルタ係数w1(k)〜wL(k)の最適解をその都度算出する方法について説明する。まず式(8)に基づいて1次ビームd(k)と0次ビームy1(k)〜yL(k)との相互相関ベクトルPdy(k)を算出するとともに、式(9)に基づいて相互相関ベクトルPdy(k)に対して各要素毎に所定の区間の時間平均である相互相関ベクトルの時間平均M〔Pdy(k)〕を算出する。〔x〕は値xの平均値を示している。また、式(9)において、Mは所定の区間に対応するサンプル数を示している。いずれの場合も以下において同様である。
Figure 0004367243
Figure 0004367243
次に、式(10)に基づいて0次ビームy1(k)〜yL(k)の自己相関マトリクスRyy(k)を算出するとともに、式(11)に基づいて自己相関マトリクスRyy(k)に対して各要素毎に所定の区間の時間平均である自己相関マトリクスの時間平均M〔Ryy(k)〕を算出する。
Figure 0004367243
Figure 0004367243
次に、逆行列の公式、例えば、LU分解法やCholesky分解法等の手法を用いて、自己相関マトリクスの時間平均M〔Ryy(k)〕の逆行列M〔Ryy(k)〕-1を算出する。そして、式(12)に基づいて、相互相関ベクトルの時間平均M〔Pdy(k)〕と自己相関マトリクスの時間平均M〔Ryy(k)〕の逆行列M〔Ryy(k)〕-1との乗算を行うことにより、時刻kにおけるフィルタ係数の最適解であるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を求める。
Figure 0004367243
減算器4は、式(13)に基づいて、1次ビーム生成部1から供給される1次ビームd(k)から、適応フィルタ部3から供給される適応フィルタ結果z(k)を減算した後、減算結果を適応整相結果ε(k)としてセレクタ6の第2の入力端に供給する。
ε(k)=d(k)−z(k) ・・・(13)
劣化判定器5は、1次ビーム生成部1から供給される1次ビームd(k)と、0次ビーム生成部2から供給される0次ビームy1(k)〜yL(k)とを比較することにより、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを判定し、その判定結果RESをセレクタ6の制御端に供給する。セレクタ6は、劣化判定器5から供給される判定結果RESに基づいて、第1の入力端から供給される1次ビームd(k)又は、第2の入力端から供給される適応整相結果ε(k)のいずれかを選択して出力する。
次に、劣化判定器5の構成について、図2を参照して説明する。この例の劣化判定器5は、L個の自乗器211〜21Lと、自乗器22と、加算器23と、積分器24及び25と、レベル差算出器26と、レベル差判定器27とから構成されている。自乗器211〜21Lは、0次ビーム生成部2から供給される対応する0次ビームy1(k)〜yL(k)をそれぞれ自乗した後、自乗値|y1(k)|2〜|yL(k)|2を加算器23に供給する。自乗器22は、1次ビーム生成部1から供給される1次ビームd(k)を自乗した後、自乗値|d(k)|2を積分器25に供給する。
加算器23は、すべての0次ビームの自乗値|y1(k)|2〜|yL(k)|2を加算した後、式(14)に示す加算結果Aとして積分器24に供給する。
Figure 0004367243
積分器24は、加算器23から供給される加算結果Aに対し、指定された積分時間に相当する時間分の加算平均処理を実施し、その時間平均値M〔A〕をレベル差算出器26の第1の入力端に供給する。積分器25は、自乗器22から供給される1次ビームの自乗値|d(k)|2に対し、指定された積分時間に相当する時間分の加算平均処理を実施し、その時間平均値M〔|d(k)|2〕をレベル差算出器26の第2の入力端に供給する。
レベル差算出器26は、積分器24から供給される時間平均値M〔A〕と、積分器25から供給される時間平均値M〔|d(k)|2〕の比を算出し、その結果M〔A〕/M〔|d(k)|2〕をレベル差判定器27に供給する。レベル差判定器27は、外部から供給される劣化判定情報THLに基づいて、レベル差算出器26から供給される値M〔A〕/M〔|d(k)|2〕から適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを判定し、その判定結果RESを図1に示すセレクタ6の制御端に供給する。
次に、上記構成の適応整相装置の動作について説明する。図2に示す劣化判定器5において、1次ビーム生成部1から1次ビームd(k)が供給されるとともに、0次ビーム生成部2からL個の0次ビームy1(k)〜yL(k)が供給されると、各自乗器211〜21Lは、式(15)に基づいて、対応する0次ビームy1(k)〜yL(k)のそれぞれの自乗値|y1(k)|2〜|yL(k)|2を算出し、加算器23に供給する。
Figure 0004367243
加算器23は、すべての0次ビームの自乗値|y1(k)|2〜|yL(k)|2を加算した後、上記した式(14)に示す加算結果Aとして積分器24に供給する。これにより、積分器24は、式(16)に基づいて、加算結果Aに対し、指定された積分時間に相当する時間分の加算平均値を算出し、その時間平均値M〔A〕をレベル差算出器26の第1の入力端に供給する。
Figure 0004367243
一方、自乗器22は、式(17)に基づいて、1次ビームd(k)の自乗値|d(k)|2を算出し、積分器25に供給する。これにより、積分器25は、式(18)に基づいて、1次ビームの自乗値|d(k)|2に対し、指定された積分時間に相当する時間分の加算平均値を算出し、その時間平均値M〔|d(k)|2〕をレベル差算出器26の第2の入力端に供給する。
|d(k)|2=d(k)・d*(k) ・・・(17)
Figure 0004367243
したがって、レベル差算出器26は、時間平均値M〔A〕と時間平均値M〔|d(k)|2〕の比を算出し、その結果をレベル差M〔A〕/M〔|d(k)|2〕としてレベル差判定器27に供給する。これにより、レベル差判定器27は、外部から供給される劣化判定情報THLとレベル差M〔A〕/M〔|d(k)|2〕とが以下に示す(a)〜(c)の条件を満たす場合に、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを判定し、その判定結果RESを図1に示すセレクタ6の制御端に供給する。
(a)M〔A〕/M〔|d(k)|2〕>THLである場合、RES=0
(b)M〔A〕/M〔|d(k)|2〕=THLである場合、RES=0(あるいはRES=1としても良い)
(c)M〔A〕/M〔|d(k)|2〕<THLである場合、RES=1
レベル差算出器26は、例えば、所望信号が劣化しない場合はRES=0を出力し、劣化する場合はRES=1を出力する。これにより、セレクタ6は、判定結果RESに基づいて、RES=0である場合には、第2の入力端から供給される適応整相結果ε(k)を選択して後段に出力し、RES=1である場合には、第1の入力端から供給される1次ビームd(k)を選択して後段に出力する。
このように、この例の構成によれば、劣化判定器5を設けて、すべての0次ビームの自乗値|y1(k)|2〜|yL(k)|2の時間平均値M〔A〕と、1次ビームの自乗値|d(k)|2の時間平均値M〔|d(k)|2〕とのレベル差M〔A〕/M〔|d(k)|2〕に基づいて、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを判定し、セレクタ6が判定結果RESに基づいて、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化する場合には1次ビームd(k)を選択して後段に出力し、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しない場合には適応整相結果ε(k)を選択して後段に出力している。
このため、適応整相結果ε(k)における所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じるような場合には、所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じていない、整相方位θに最大感度を有する1次ビームd(k)が出力される。したがって、センサアレイの応答誤差が存在する場合の適応整相出力において、所望信号が微弱なときは、干渉信号が適応的に除去された適応整相結果ε(k)を出力し、干渉信号の除去を必要としないほど所望信号が強いときは、所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じない、整相方位θに最大感度を有する1次ビームd(k)を出力することができる。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2である適応整相装置を構成する劣化判定器31の構成を示すブロック図である。図3において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図3に示す劣化判定器31においては、図2に示す加算器23、積分器24、レベル差算出器26及びレベル差判定器27に換えて、積分器321〜32L、レベル差算出器331〜33L及びレベル差判定器34が新たに設けられている。なお、適応整相装置の劣化判定器31以外の構成については、図1に示す適応整相装置の構成と同様である。
積分器321〜32Lは、対応する自乗器211〜21Lから供給される自乗値|y1(k)|2〜|yL(k)|2に対し、指定された積分時間に相当する時間分の加算平均処理を実施し、その時間平均値M〔|y1(k)|2〕〜M〔|yL(k)|2〕を対応するレベル差算出器331〜33Lの第1の入力端に供給する。レベル差算出器331〜33Lは、対応する積分器321〜32Lから供給される時間平均値M〔|y1(k)|2〕〜M〔|yL(k)|2〕と、積分器25から供給される時間平均値M〔|d(k)|2〕の比を算出し、その結果M〔|y1(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕〜M〔|yL(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕をレベル差判定器34に供給する。
レベル差判定器34は、外部から供給される劣化判定情報THLに基づいて、レベル差算出器331〜33Lから供給される値M〔|y1(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕〜M〔|yL(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕から適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを判定し、その判定結果RESを図1に示すセレクタ6の制御端に供給する。
次に、上記構成の適応整相装置の動作について説明する。劣化判定器31において、1次ビーム生成部1から1次ビームd(k)が供給されるとともに、0次ビーム生成部2からL個の0次ビームy1(k)〜yL(k)が供給されると、各自乗器211〜21Lは、上記した式(15)に基づいて、対応する0次ビームy1(k)〜yL(k)のそれぞれの自乗値|y1(k)|2〜|yL(k)|2を算出し、対応する積分器321〜32Lに供給する。
これにより、積分器321〜32Lは、式(19)に基づいて、対応する0次ビームの自乗値|y1(k)|2〜|yL(k)|2に対し、指定された積分時間に相当する時間分の加算平均値を算出し、その時間平均値M〔|y1(k)|2〕〜M〔|yL(k)|2〕を対応するレベル差算出器331〜33Lの第1の入力端に供給する。
Figure 0004367243
一方、自乗器22は、上記した式(17)に基づいて、1次ビームd(k)の自乗値|d(k)|2を算出し、積分器25に供給する。これにより、積分器25は、上記した式(18)に基づいて、1次ビームの自乗値|d(k)|2に対し、指定された積分時間に相当する時間分の加算平均値を算出し、その時間平均値M〔|d(k)|2〕をレベル差算出器331〜33Lの各第2の入力端に供給する。
したがって、レベル差算出器331〜33Lは、対応する時間平均値M〔|y1(k)|2〕〜M〔|yL(k)|2〕と、時間平均値M〔|d(k)|2〕の比を算出し、それぞれの結果をレベル差M〔|y1(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕〜M〔|yL(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕(以下、M〔|yj(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕(j=1〜L)と略す。)としてレベル差判定器34に供給する。これにより、レベル差判定器34は、外部から供給される劣化判定情報THLとレベル差M〔|yj(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕とが以下に示す(d)〜(f)の条件を満たす場合に、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを判定し、その一次判定結果RES11〜RES1L(以下、RES1jと略す。)を算出する。
(d)M〔|yj(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕>THLが成立する場合、RES1j=0
(e)M〔|yj(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕=THLが成立する場合、RES1j=0(あるいはRES1j=1としても良い)
(f)M〔|yj(k)|2〕/M〔|d(k)|2〕<THLが成立する場合、RES1j=1
レベル差判定器34は、例えば、所望信号が劣化しない場合はRES1j=0を算出し、劣化する場合はRES1j=1を算出する。さらに、レベル差判定器34は、判定係数J(0≦J≦L)と一次判定結果RES11〜RES1Lの加算結果とが以下に示す(g)〜(i)の条件を満たす場合に、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを判定し、その判定結果RESを図1に示すセレクタ6の制御端に供給する。
(g)式(20)が成立する場合、RES=0
(h)式(21)が成立する場合、RES=1(あるいはRES=0としても良い)
(i)式(22)が成立する場合、RES=1
Figure 0004367243
Figure 0004367243
Figure 0004367243
レベル差判定器34は、例えば、所望信号が劣化しない場合はRES=0を出力し、劣化する場合はRES=1を出力する。例えば、J=1とした場合には、L個の1次判定結果RES1jのうち1個でも劣化すると1次判定された場合には、判定結果RESにおいて適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化すると判定され、すべての1次判定結果RES1jにおいて劣化しないと判定された場合にのみ、判定結果RESにおいて適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しないと判定される。これにより、セレクタ6は、判定結果RESに基づいて、RES=0である場合には、第2の入力端から供給される適応整相結果ε(k)を選択して後段に出力し、RES=1である場合には、第1の入力端から供給される1次ビームd(k)を選択して後段に出力する。
このように、この例の構成によれば、劣化判定器31を設けて、すべての0次ビームの自乗値|y1(k)|2〜|yL(k)|2の時間平均値M〔A〕と、1次ビームの自乗値|d(k)|2の時間平均値M〔|d(k)|2〕とのレベル差M〔|yj(k)|2〕/M〔|d(k)|2に基づいてL個の1次判定を実施してL個の1次判定結果RES11〜RES1Lを算出し、このL個の1次判定結果RES11〜RES1Lに基づいて適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを総合的に判定し、セレクタ6が判定結果RESに基づいて、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化する場合には1次ビームd(k)を選択して後段に出力し、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しない場合には適応整相結果ε(k)を選択して後段に出力している。
このため、この例の構成によれば、上記した実施の形態1の場合よりも詳細な判定基準に基づいて、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを判定することができる。例えば、上記した条件(g)〜(i)において判定係数J=1とした場合には、上記した実施の形態1の場合よりも厳しい判定基準となり、判定係数J=Lとした場合には、上記した実施の形態1の場合よりも緩やかな判定基準となる。このような、詳細な判定基準に基づいて、適応整相結果ε(k)における所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じるような場合には、所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じていない、整相方位θに最大感度を有する1次ビームd(k)が出力される。
したがって、センサアレイの応答誤差が存在する場合の適応整相出力において、所望信号が微弱なときは、干渉信号が適応的に除去された適応整相結果ε(k)を出力し、干渉信号の除去を必要としないほど所望信号が強いときは、所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じない、整相方位θに最大感度を有する1次ビームd(k)を出力することができる。
実施の形態3.
上述した実施の形態2では、L個の一次判定結果RES11〜RES1Lの加算結果に基づいて判定結果RESを求める例を示したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、本発明は、L個の一次判定結果RES11〜RES1Lに対して重み付けした後に上記した条件(g)〜(i)に基づいて判定結果RESを求めたり、L個の一次判定結果RES11〜RES1Lに対して組み合わせを考慮して判定結果RESを求めたりしても良い。
このように構成すれば、個々の0次ビームの特性や外部環境等に柔軟に対応した判定をすることが可能となる。これは以下に示す理由による。すなわち、各0次ビームは、信号空間内で整相方位と直交し、かつ、互いの0次ビーム空間が直交するように生成している(個々の0次ビームの特性)。したがって、センサアレイの応答に誤差が生じ、所望信号が0次ビームに混入する場合、その混入の度合い(0次ビーム出力における所望信号の出力レベル)は、「所望信号の到来方位と整相方位とのずれの程度」(外部環境)によって、各0次ビームごとに異なり、所望信号の成分がほとんど出力されない0次ビームや、所望信号の成分が多く出力される0次ビームが存在する。また、センサアレイの応答誤差の発生状況(外部環境)によっても各0次ビームへの所望信号の混入の度合いが変わり、所望信号の成分がほとんど出力されない0次ビームや、所望信号の成分が多く出力される0次ビームが存在する。さらに、除去しようとする妨害音Jの到来方位(外部環境)によって、各0次ビーム出力での妨害音レベルは異なり、妨害音J成分を多く含む0次ビームと、ほとんど含まない0次ビームが存在することになる。
したがって、センサアレイの応答に誤差が生じ、所望信号が0次ビームに混入している場合にも、0次ビーム出力において所望信号が妨害音Jに比べて極めて少ない0次ビームや、所望信号が妨害音Jに比べて極めて多い0次ビームが存在し、所望信号が妨害音Jに比べて極めて多い0次ビームによって、適応整相出力における所望信号の劣化が起こるようになる。このため、すべての0次ビーム出力の平均値と1次ビーム出力とを比較するよりも、個々の0次ビーム出力と1次ビーム出力とを比較した結果から判断するほうが、所望信号の劣化を検出する能力が高くなるのである。
このような、詳細で柔軟な判定基準に基づいて、適応整相結果ε(k)における所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じるような場合には、所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じていない、整相方位θに最大感度を有する1次ビームd(k)が出力される。
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4である適応整相装置の構成を示すブロック図である。図4において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図4に示す適応整相装置においては、図1に示す適応フィルタ部3に換えて、適応フィルタ部41が新たに設けられているとともに、セレクタ6が取り除かれ、減算器4からの適応整相結果ε(k)がそのまま出力されている。また、劣化判定器5からの判定結果RESが適応フィルタ部41に供給されている。図4に示す適応フィルタ部41と図1に示す適応フィルタ部3とが異なる点は、乗算器151〜15Lとフィルタ係数算出器17との間に、フィルタ係数選択器42が新たに設けられている点と、劣化判定器5からの判定結果RESがフィルタ係数選択器42に供給されている点である。
フィルタ係数選択器42は、劣化判定器5から供給される判定結果RESに基づいて、フィルタ係数算出器17から供給されるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)又は、内部に記憶されているフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lのいずれかを選択し、選択されたフィルタ係数を乗算器151〜15Lに供給する。フィルタ係数選択器42は、図5に示すように、フィルタ係数記憶手段43と、セレクタ44とから構成されている。
フィルタ係数記憶手段43は、例えば、EPROM等の不揮発性半導体メモリからなり、フィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lが予め記憶されており、セレクタ44のL個の第2の入力端群にフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lを供給する。セレクタ44は、劣化判定器5から供給される判定結果RESに基づいて、L個の第1の入力端群から供給されるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)又は、L個の第2の入力端群から供給されるフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lのいずれかを選択して出力する。
次に、上記構成の適応整相装置の動作について説明する。以下では、上記した実施の形態1と異なる点についてのみ説明する。劣化判定器5は、例えば、所望信号が劣化しない場合はRES=0を出力してフィルタ係数選択器42に供給し、劣化する場合はRES=1を出力してフィルタ係数選択器42に供給する。これにより、図5に示すセレクタ44は、判定結果RESに基づいて、RES=0である場合には、L個の第1の入力端群から供給されるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を選択して出力し、RES=1である場合には、L個の第2の入力端群から供給されるフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lを選択して出力する。
したがって、乗算器151〜15Lは、RES=0である場合には、0次ビームy1(k)〜yL(k)と、フィルタ係数選択器42から供給される時刻kに対応するL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)とを乗算し、乗算結果w* 1(k)・y1(k)〜w* L(k)・yL(k)を加算器16に供給し、RES=1である場合には、0次ビームy1(k)〜yL(k)と、フィルタ係数選択器42から供給されるフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lとを乗算し、乗算結果w* 0,1・y1(k)〜w* 0,L・yL(k)を加算器16に供給する。
これにより、加算器16は、RES=0である場合には、乗算結果w* 1(k)・y1(k)〜w* L(k)・yL(k)を加算した後、加算結果を、上記した式(7)に示すフィルタリング結果である適応フィルタ結果z(k)として、減算器4に供給し、RES=1である場合には、乗算結果w* 0,1・y1(k)〜w* 0,L・yL(k)を加算した後、加算結果を、式(23)に示すフィルタリング結果である適応フィルタ結果z0(k)として、減算器4に供給する。
Figure 0004367243
したがって、減算器4は、RES=0である場合には、上記した式(13)に基づいて、1次ビーム生成部1から供給される1次ビームd(k)と、適応フィルタ部3から供給される適応フィルタ結果z(k)を減算した後、減算結果を適応整相結果ε(k)として出力し、RES=1である場合には、式(24)に基づいて、1次ビーム生成部1から供給される1次ビームd(k)から、適応フィルタ部3から供給される適応フィルタ結果z0(k)を減算した後、減算結果を適応整相結果ε(k)として出力する。
ε(k)=d(k)−z0(k) ・・・(24)
このように、この例の構成によれば、劣化判定器5を設けて適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを判定するとともに、適応フィルタ部41内にフィルタ係数選択器42を設け、フィルタ係数選択器42が劣化判定器5から供給される判定結果RESに基づいて、適応フィルタ部41でのフィルタリングにおいて使用するフィルタ係数に、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しない場合には、フィルタ係数算出器17から供給されるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化する場合には、フィルタ係数記憶手段43に記憶されているフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lを選択している。
このため、適応整相結果ε(k)における所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じるような場合には、例えば、フィルタ係数記憶手段43に、フィルタ係数の初期値w0,1=w0,2=…=w0,L=0を予め記憶させておくことにより、所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じていない、整相方位θに最大感度を有する1次ビームd(k)が出力される。したがって、この例の構成によれば、上記した実施の形態1及び実施の形態2の場合と同様の効果が得られることになり、センサアレイの応答誤差が存在する場合の適応整相出力において、所望信号が微弱なときは、干渉信号が適応的に除去された適応整相結果ε(k)を出力し、干渉信号の除去を必要としないほど所望信号が強いときは、所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じない、整相方位θに最大感度を有する1次ビームd(k)を出力することができる。
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態5である適応整相装置を構成するフィルタ係数選択器51の構成を示すブロック図である。図6において、図5の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図6に示すフィルタ係数選択器51においては、フィルタ係数記憶手段43に換えてフィルタ係数記憶手段53が新たに設けられているとともに、セレクタ52が新たに設けられている。なお、適応整相装置のフィルタ係数選択器51以外の構成については、図4に示す適応整相装置の構成と同様である。
セレクタ52は、劣化判定器5から供給される判定結果RESに基づいて、L個の第1の入力端群から供給されるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)をセレクタ44のL個の第1の入力端群に供給するとともに、フィルタ係数記憶手段53に供給するか、フィルタ係数w1(k)〜wL(k)のセレクタ44のL個の第1の入力端群及びフィルタ係数記憶手段53への供給を停止する。
フィルタ係数記憶手段53は、例えば、RAM等の書き換え可能な半導体メモリからなり、フィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lが予め記憶されているとともに、セレクタ52から供給される、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しない最も近い過去にフィルタ係数算出器17から出力されたフィルタ係数w1(k−i)〜wL(k−i)(iは自然数)がオーバーライト可能に構成され、フィルタ係数の初期値w0,1〜w0,L又はオーバーライトされた過去のフィルタ係数w1(k−i)〜wL(k−i)のいずれかをセレクタ44のL個の第2の入力端群に供給する。
次に、上記構成の適応整相装置の動作について説明する。以下では、上記した実施の形態1と異なる点についてのみ説明する。劣化判定器5は、例えば、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しない場合はRES=0を出力してフィルタ係数選択器51に供給し、劣化する場合はRES=1を出力してフィルタ係数選択器51に供給する。これにより、図6に示すセレクタ52は、判定結果RESに基づいて、RES=0である場合には、L個の第1の入力端群から供給されるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)をセレクタ44のL個の第1の入力端群に供給するとともに、フィルタ係数記憶手段53に供給する。これにより、フィルタ係数記憶手段53では、予め記憶されているフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,L又は過去のフィルタ係数w1(k−i)〜wL(k−i)に今回供給された、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しない新たなフィルタ係数w1(k)〜wL(k)がオーバーライトされる。一方、セレクタ44は、RES=0であるので、L個の第1の入力端群から供給されるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を選択して出力する。
したがって、乗算器151〜15Lは、0次ビームy1(k)〜yL(k)と、フィルタ係数選択器42から供給される時刻kに対応するL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)とを乗算し、乗算結果w* 1(k)・y1(k)〜w* L(k)・yL(k)を加算器16に供給する。これにより、加算器16は、乗算結果w* 1(k)・y1(k)〜w* L(k)・yL(k)を加算した後、加算結果を、上記した式(7)に示すフィルタリング結果である適応フィルタ結果z(k)として、減算器4に供給する。したがって、減算器4は、上記した式(13)に基づいて、1次ビーム生成部1から供給される1次ビームd(k)と、適応フィルタ部3から供給される適応フィルタ結果z(k)を減算した後、減算結果を適応整相結果ε(k)として出力する。
一方、RES=1である場合には、セレクタ52は、フィルタ係数w1(k)〜wL(k)のセレクタ44のL個の第1の入力端群及びフィルタ係数記憶手段53への供給を停止する。また、RES=1であるので、セレクタ44は、フィルタ係数記憶手段53からL個の第2の入力端群を介して供給される予め記憶されているフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,L又は、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しない最も近い過去のフィルタ係数w1(k−i)〜wL(k−i)を選択して出力する。
したがって、乗算器151〜15Lは、0次ビームy1(k)〜yL(k)と、フィルタ係数選択器42から供給されるフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,L又は、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しない最も近い過去のフィルタ係数w1(k−i)〜wL(k−i)とを乗算し、乗算結果w* 0,1・y1(k)〜w* 0,L・yL(k)又は、乗算結果w* 1(k−i)・y1(k)〜w* L(k−i)・yL(k)を加算器16に供給する。
これにより、加算器16は、乗算結果w* 0,1・y1(k)〜w* 0,L・yL(k)又は乗算結果w* 1(k−i)・y1(k)〜w* L(k−i)・yL(k)を加算した後、加算結果を、上記した式(23)に示すフィルタリング結果である適応フィルタ結果z0(k)又は、式(25)に示すフィルタリング結果である適応フィルタ結果z1(k)として、減算器4に供給する。
Figure 0004367243
したがって、減算器4は、上記した式(23)又は式(26)に基づいて、1次ビーム生成部1から供給される1次ビームd(k)から、適応フィルタ部3から供給される適応フィルタ結果z0(k)又はz1(k)を減算した後、減算結果を適応整相結果ε(k)として出力する。
ε(k)=d(k)−z1(k) ・・・(26)
したがって、例えば、時刻(k−1)においてRES=0であり、時刻kにおいてRES=1となるような場合には、時刻(k−1)では、フィルタ係数算出器17から出力されたフィルタ係数w1(k−1)〜wL(k−1)を使用した適応整相結果ε(k−1)がこの例の適応整相装置から出力されるとともに、このフィルタ係数w1(k−1)〜wL(k−1)がフィルタ係数記憶手段53に記憶される。
次に、時刻kでは、フィルタ係数記憶手段53に記憶されているフィルタ係数w1(k−1)〜wL(k−1)は更新されずに、このフィルタ係数w1(k−1)〜wL(k−1)を使用した適応整相結果ε(k)がこの例の適応整相装置から出力されるように動作する。また、動作開始時から最初にRES=0になるまでは、予めフィルタ係数記憶手段53に記憶されているフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lを使用した適応整相結果ε(k)がこの例の適応整相装置から出力されるように動作する。
このように、この例の構成によれば、劣化判定器5を設けて適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化するか否かを判定するとともに、適応フィルタ部41内にフィルタ係数選択器51を設け、フィルタ係数選択器51が劣化判定器5から供給される判定結果RESに基づいて、適応フィルタ部41でのフィルタリングにおいて使用するフィルタ係数に、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しない場合には、フィルタ係数算出器17から供給されるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を選択するとともに、このときの適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しないフィルタ係数w1(k)〜wL(k)がフィルタ係数記憶手段53に記憶され、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化する場合には、フィルタ係数記憶手段53に記憶されている、フィルタ係数の初期値w0,1〜w0,L又は、適応整相結果ε(k)における所望信号が劣化しない最も近い過去のフィルタ係数w1(k−i)〜wL(k−i)を選択している。
このため、適応整相結果ε(k)における所望信号の低下と背景レベルの上昇が生じるような場合には、最も近い過去において最適な解であったフィルタ係数を用いて適応整相処理を行うため、所望信号の低下と背景レベルの上昇がそれほど生じていない、ある程度干渉信号が適応的に除去された適応整相結果ε(k)が出力されることになる。
したがって、この例の構成によれば、センサアレイの応答誤差が存在する場合の適応整相出力において、所望信号が微弱なときは、干渉信号が適応的に除去された適応整相結果ε(k)を出力し、所望信号が強いときでも、所望信号の低下と背景レベルの上昇がそれほど生じていない、ある程度干渉信号が適応的に除去された適応整相結果ε(k)を出力することができる。
実施の形態6.
上述した実施の形態1、2、4及び5では、適応整相装置は、それぞれ別個独立した構成である例を示したが、本発明はこれに限定するものではない。本発明では、上記した実施の形態4又は5と、上記した実施の形態1又は2とをそれぞれ組み合わせても良い。例えば、図5に示す実施の形態4におけるフィルタ係数選択器42を、図2に示す構成を有する劣化判定器5が設けられている図1に示す実施の形態1において、乗算器151〜15Lとフィルタ係数算出器17との間に設けても良い。
また、図5に示す実施の形態4におけるフィルタ係数選択器42を、図3に示す構成を有する劣化判定器31が設けられている実施の形態2(図1参照)において、乗算器151〜15Lとフィルタ係数算出器17との間に設けても良い。さらに、図6に示す実施の形態5におけるフィルタ係数選択器51を、図2に示す構成を有する劣化判定器5が設けられている図1に示す実施の形態1において、乗算器151〜15Lとフィルタ係数算出器17との間に設けても良いし、図6に示す実施の形態5におけるフィルタ係数選択器51を、図3に示す構成を有する劣化判定器31が設けられている実施の形態2(図1参照)において、乗算器151〜15Lとフィルタ係数算出器17との間に設けても良い。
実施の形態7.
上述した実施の形態1では、積分器24は、加算器23から供給される加算結果Aに対し、指定された積分時間に相当する時間分の加算平均値を算出し、上述した実施の形態2では、積分器321〜32Lは、対応する0次ビームの自乗値|y1(k)|2〜|yL(k)|2に対し、指定された積分時間に相当する時間分の加算平均値を算出する例を示したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、積分器24及び積分器321〜32Lは、指定された積分時間に相当する時間を時定数とする指数積分処理を実施するようにしても良い。このように構成しても、上記した実施の形態1又は2の場合と同様の効果を得ることができる。
実施の形態8.
図7は、本発明の実施の形態8である適応整相装置の構成を示すブロック図である。図7において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図7に示す適応整相装置においては、図1に示す適応フィルタ部3に換えて、適応フィルタ部61が新たに設けられているとともに、適応フィルタ部61には1次ビームd(k)に換えて、減算器4からの適応整相結果ε(k)が供給されている。図7に示す適応フィルタ部61と図1に示す適応フィルタ部3とが異なる点は、フィルタ係数算出器17に換えて、フィルタ係数算出器62が新たに設けられている点である。
フィルタ係数算出器62は、フィルタ係数の最適解を逐次的に更新するいわゆるLMS型であり、前回算出して内部に記憶しておいたL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を乗算器151〜15Lに供給した後、0次ビーム生成部2から供給される現時刻kにおける0次ビームy1(k)〜yL(k)と、減算器4から供給される現時刻kにおける適応整相結果ε(k)とを式(27)に代入して、L個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)の更新処理を行い、更新したL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を次の時刻(k+1)のフィルタ係数として内部に記憶する。
Figure 0004367243
式(27)において、μは収束係数である。また、Aは正規化係数である。正規化係数Aの設定方法により、各種の更新アルゴリズムを選択することができる。例えば、LMSアルゴリズムの場合、A=1、学習アルゴリズムの場合、Aは上記した式(14)で表される。
次に、上記構成の適応整相装置の動作について説明する。以下では、上記した実施の形態1と異なる点についてのみ説明する。まず、時刻kでは、フィルタ係数算出器62は、前回算出して内部に記憶しておいたL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を乗算器151〜15Lに供給した後、0次ビーム生成部2から供給される現時刻kにおける0次ビームy1(k)〜yL(k)と、減算器4から供給される現時刻kにおける適応整相結果ε(k)とを上記した式(27)に代入して、L個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)の更新処理を行い、更新したL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を次の時刻(k+1)のフィルタ係数として内部に記憶する。
次に、時刻(k+1)では、フィルタ係数算出器62は、前回算出して内部に記憶しておいたL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を乗算器151〜15Lに供給した後、0次ビーム生成部2から供給される現時刻(k+1)における0次ビームy1(k+1)〜yL(k+1)と、減算器4から供給される現時刻(k+1)における適応整相結果ε(k+1)とを上記した式(27)に代入して、L個のフィルタ係数w1(k+2)〜wL(k+2)の更新処理を行い、更新したL個のフィルタ係数w1(k+2)〜wL(k+2)を次の時刻(k+2)のフィルタ係数として内部に記憶する。
これにより、乗算器151〜15Lは、0次ビームy1(k+1)〜yL(k+1)と、フィルタ係数算出器62から供給される、上記時刻kで算出したL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)とを乗算し、乗算結果w* 1(k+1)・y1(k+1)〜w* L(k+1)・yL(k+1)を加算器16に供給する。これにより、加算器16は、乗算結果w* 1(k+1)・y1(k+1)〜w* L(k+1)・yL(k+1)を加算した後、加算結果を、上記した式(7)に示すフィルタリング結果である適応フィルタ結果z(k+1)として、減算器4に供給する。したがって、減算器4は、1次ビームd(k+1)と、適応フィルタ結果z(k+1)を減算した後、減算結果を適応整相結果ε(k+1)として出力する。
また、劣化判定器5は、時刻kにおいて今回算出しようとするL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を時刻(k+1)で使用して得られる適応整相結果ε(k+1)における所望信号が劣化しないと判定した場合にはその旨を示すRES=0を出力してセレクタ6に供給し、劣化すると判定した場合にはその旨を示すRES=1を出力してセレクタ6に供給する。これにより、時刻(k+1)では、セレクタ6は、判定結果RESに基づいて、RES=0である場合には、第2の入力端から供給される適応整相結果ε(k+1)を選択して後段に出力し、RES=1である場合には、第1の入力端から供給される1次ビームd(k+1)を選択して後段に出力する。
実施の形態9.
上述した実施の形態8では、劣化判定器として図2に示す構成を有する劣化判定器5を用いる例を示したが、本発明はこれに限定するものではない。本発明は、劣化判定器として図3に示す構成を有する劣化判定器31を用いても良い。
実施の形態10.
図8は、本発明の実施の形態10である適応整相装置の構成を示すブロック図である。図8において、図4の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図8に示す適応整相装置においては、図4に示す適応フィルタ部41に換えて、適応フィルタ部71が新たに設けられているとともに、フィルタ係数制御器72が新たに設けられている。また、適応フィルタ部71には1次ビームd(k)に換えて、減算器4から適応整相結果ε(k)が供給され、劣化判定器5から判定結果RESが供給されているとともに、フィルタ係数制御器72からフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lが供給されている。図8に示す適応フィルタ部71と図4に示す適応フィルタ部41とが異なる点は、フィルタ係数算出器17に換えて、フィルタ係数算出器73が新たに設けられている点と、フィルタ係数選択器42が取り除かれ、フィルタ係数算出器73からのフィルタ係数w1(k)〜wL(k)が直接乗算器151〜15Lに供給されている点と、劣化判定器5から判定結果RESが供給されている点である。
フィルタ係数算出器73は、いわゆるLMS型であり、時刻kにおいて今回算出しようとするL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を時刻(k+1)で使用して得られる適応整相結果ε(k+1)における所望信号が劣化しないと劣化判定器5で判定されてその旨を示すRES=0が供給された場合には、前回算出して内部に記憶しておいたL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を乗算器151〜15Lに供給した後、0次ビーム生成部2から供給される0次ビームy1(k)〜yL(k)と、減算器4から供給される適応整相結果ε(k)とを上記した式(27)に代入して、L個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)の更新処理を行い、更新したL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を次の時刻(k+1)のフィルタ係数として内部に記憶する。そして、時刻(k+1)では、フィルタ係数算出器73は、前回算出して内部に記憶しておいたL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を乗算器151〜15Lに供給する。
一方、時刻kにおいて今回算出しようとするL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を時刻(k+1)で使用して得られる適応整相結果ε(k+1)における所望信号が劣化すると劣化判定器5で判定されてその旨を示すRES=1が供給された場合には、前回算出して内部に記憶しておいたL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を乗算器151〜15Lに供給した後、内部に記憶されているL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)をフィルタ係数制御器72から供給されるフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lで初期化して内部に記憶する。そして、時刻(k+1)では、フィルタ係数算出器73は、前回算出して内部に記憶しておいたL個のフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lを乗算器151〜15Lに供給する。
フィルタ係数制御器72は、図示しないがフィルタ係数記憶手段を有し、フィルタ係数記憶手段にはフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lが予め記憶されており、判定結果RESに基づいて、RES=1である場合には、フィルタ係数記憶手段に記憶されているフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lを読み出して適応フィルタ部71に供給する。
次に、上記構成の適応整相装置の動作について説明する。以下では、上記した実施の形態4と異なる点についてのみ説明する。まず、劣化判定器5は、時刻kにおいて今回算出しようとするL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を時刻(k+1)で使用して得られる適応整相結果ε(k+1)における所望信号が劣化しないと判定した場合にはその旨を示すRES=0を出力して適応フィルタ部71を構成するフィルタ係数算出器73及びフィルタ係数制御器72に供給し、劣化すると判定した場合にはその旨を示すRES=1を出力してフィルタ係数算出器73及びフィルタ係数制御器72に供給する。
これにより、フィルタ係数算出器73は、判定結果RESに基づいて、RES=0である場合には、L個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を乗算器151〜15Lに供給した後、L個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を更新して次の時刻(k+1)のフィルタ係数として内部に記憶する。また、フィルタ係数算出器73は、RES=1である場合には、L個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を乗算器151〜15Lに供給した後、内部に記憶されているL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)をフィルタ係数制御器72から供給されるフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lで初期化して内部に記憶する。
次に、劣化判定器5は、時刻(k+1)において今回算出しようとするL個のフィルタ係数w1(k+2)〜wL(k+2)を時刻(k+2)で使用して得られる適応整相結果ε(k+2)における所望信号が劣化しないと判定した場合にはその旨を示すRES=0を出力して適応フィルタ部71を構成するフィルタ係数算出器73及びフィルタ係数制御器72に供給し、劣化すると判定した場合にはその旨を示すRES=1を出力してフィルタ係数算出器73及びフィルタ係数制御器72に供給する。
これにより、フィルタ係数算出器73は、判定結果RESに基づいて、RES=0である場合には、L個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を乗算器151〜15Lに供給した後、L個のフィルタ係数w1(k+2)〜wL(k+2)を更新して次の時刻(k+2)のフィルタ係数として内部に記憶する。また、フィルタ係数算出器73は、RES=1である場合には、L個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を乗算器151〜15Lに供給した後、内部に記憶されているL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)をフィルタ係数制御器72から供給されるフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lで初期化して内部に記憶する。
したがって、時刻(k+1)では、乗算器151〜15Lは、RES=0である場合には、0次ビームy1(k+1)〜yL(k+1)とL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)とを乗算し、乗算結果w* 1(k+1)・y1(k+1)〜w* L(k+1)・yL(k+1)を加算器16に供給する。また、乗算器151〜15Lは、RES=1である場合には、0次ビームy1(k+1)〜yL(k+1)と、フィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lとを乗算し、乗算結果w* 0,1・y1(k+1)〜w* 0,L・yL(k+1)を加算器16に供給する。
これにより、加算器16は、RES=0である場合には、乗算結果w* 1(k+1)・y1(k+1)〜w* L(k+1)・yL(k+1)を加算した後、加算結果を、フィルタリング結果である適応フィルタ結果z(k+1)として、減算器4に供給する。したがって、減算器4は、1次ビームd(k+1)と、適応フィルタ結果z(k+1)を減算した後、減算結果を適応整相結果ε(k+1)として出力する。一方、RES=1である場合には、加算器16は、乗算結果w* 0,1・y1(k+1)〜w* 0,L・yL(k+1)を加算した後、加算結果を、フィルタリング結果である適応フィルタ結果z(k+1)として、減算器4に供給する。したがって、減算器4は、1次ビームd(k+1)と、適応フィルタ結果z(k+1)を減算した後、減算結果を適応整相結果ε(k+1)として出力する。
実施の形態11.
上述した実施の形態10では、フィルタ係数算出器73が、時刻kにおいて今回算出しようとするL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を時刻(k+1)で使用して得られる適応整相結果ε(k+1)における所望信号が劣化すると劣化判定器5で判定されてその旨を示すRES=1が供給された場合に、前回算出して内部に記憶しておいたL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を乗算器151〜15Lに供給した後、内部に記憶されているL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)をフィルタ係数制御器72から供給されるフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lで初期化して内部に記憶している。また、フィルタ係数制御器72は、判定結果RESに基づいて、RES=1である場合には、フィルタ係数記憶手段に記憶されているフィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lを読み出して適応フィルタ部71に供給している。しかし、本発明はこれに限定するものではない。
例えば、フィルタ係数制御器72は、時刻kにおいて今回算出しようとするL個のフィルタ係数w1(k+1)〜wL(k+1)を時刻(k+1)で使用して得られる適応整相結果ε(k+1)における所望信号が劣化すると劣化判定器5で判定されてその旨を示すRES=1が供給された場合、フィルタ係数算出器73が、前回算出して内部に記憶しておいたL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を乗算器151〜15Lに供給した後、内部に記憶されているL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を更新せずに、時刻(k+1)において、内部に記憶されているL個のフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を適応整相結果ε(k+1)を算出するためのフィルタ係数として乗算器151〜15Lに供給するように制御しても良い。
実施の形態12.
上述した実施の形態10では、L個のフィルタ係数を一括して選択する例を示したが、本発明はこれに限定されず、L個のフィルタ係数を個別に選択するように構成しても良い。この場合、上記した条件(d)〜(f)に基づく一次判定結果RES1〜RESLに応じて、各0次ビームごとに、フィルタ係数算出器73から供給されるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)と、フィルタ係数の初期値w0,1〜w0,Lとを個別に選択するように構成すれば良い。
実施の形態13.
上述した実施の形態11では、L個のフィルタ係数を一括して制御する例を示したが、本発明はこれに限定されず、L個のフィルタ係数を個別に制御するように構成しても良い。この場合、上記した条件(d)〜(f)に基づく一次判定結果RES1〜RESLに応じて、各0次ビームごとに、フィルタ係数算出器17から供給されるフィルタ係数w1(k)〜wL(k)を更新するか否かを個別に制御するように構成すれば良い。
実施の形態14.
上述の各実施の形態では、適応整相装置は、周波数領域で実現した場合の周波数ビン1ビンの処理のみを行う例を示したが、これに限定されず、各実施の形態における適応整相装置の構成を複数段並列に設けても良い。このように構成すれば、複数の周波数ビンの処理を行う適応整相システムを構成することができる。
実施の形態15.
上述の各実施の形態では、適応整相装置は、1つの整相方位についての処理のみを行う例を示したが、これに限定されず、各実施の形態における適応整相装置の構成を複数段並列に設けても良い。このように構成すれば、複数の整相方位についての処理が行えるいわゆる待受け型適応整相システムを構成することができる。
実施の形態16.
上述の各実施の形態は、例えば、上記した特開2003−232849号公報や特開2001−343441号公報に記載された技術にも適応することができる。このように構成すれば、DMIアルゴリズム(SMIアルゴリズムともいう)のABFの逆行列演算で演算誤差が検出されない場合や、逆行列演算を実施しないLMSアルゴリズムのABF、あるいはこれらを併用した構成においても、センサアレイの応答に誤差が存在する場合に生じる適応整相結果における所望信号の劣化を回避することができる。
実施の形態17.
上述の各実施の形態では、適応整相装置の具体的な実現手段については特に言及していないが、適応整相装置は、例えば、すべての構成要素が1チップに収納された、SOC(System On a Chip)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路で構成したり、各構成要素を上記した集積回路等の個別回路で構成しても良い。
実施の形態18.
上述の各実施の形態では、各構成要素をハードウェアで構成する例を示したが、これに限定されない。すなわち、上記適応整相装置を、中央処理装置(CPU)と、ROMやRAM等の内部記憶装置と、FDD(フロッピー(登録商標)・ディスク・ドライブ)、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、CD−ROMドライブ等の外部記憶装置と、出力手段と、入力手段とを有するコンピュータによって構成し、上記1次ビーム生成部1等がCPUによって構成され、これらの機能が適応整相プログラムとして、ROM等の半導体メモリや、FD、HDやCD−ROM等の記憶媒体に記憶されていると構成しても良い。この場合、適応整相プログラムは、記憶媒体からCPUに読み込まれ、CPUの動作を制御する。CPUは、適応整相プログラムが起動されると、上記1次ビーム生成部1等として機能し、適応整相プログラムの制御により、上記した処理を実行するのである。上記適応整相装置をデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等で構成した場合も同様である。
以上、この実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
本発明の実施の形態1を示す適応整相装置のブロック図である。 上記適応整相装置を構成する劣化判定器のブロック図である。 本発明の実施の形態2を示す適応整相装置を構成する劣化判定器のブロック図である。 本発明の実施の形態4を示す適応整相装置のブロック図である。 上記適応整相装置を構成するフィルタ係数選択器のブロック図である。 本発明の実施の形態5を示す適応整相装置を構成するフィルタ係数選択器のブロック図である。 本発明の実施の形態8を示す適応整相装置のブロック図である。 本発明の実施の形態10を示す適応整相装置のブロック図である。
符号の説明
1 1次ビーム生成部、2 0次ビーム生成部、3,41,61,71 適応フィルタ部、4 減算器、5,31 劣化判定器、6,44,52 セレクタ、11 位相補償器、12 空間窓乗算器、13,16,23 加算器、14 BM乗算器、151〜15L 乗算器、17,62,73 フィルタ係数算出器、211〜21L,22 自乗器、24,25,321〜32L 積分器、26,331〜33L レベル差算出器、27,34 レベル差判定器、42,51 フィルタ係数選択器、43,53 フィルタ係数記憶手段、72 フィルタ係数制御器。

Claims (18)

  1. 複数のセンサで構成されるセンサアレイで受信された信号を用いて整相方位に最大感度を有する1次ビームと前記整相方位に零感度を有する複数の0次ビームとを生成し、前記複数の0次ビームの適応フィルタにおけるフィルタリング結果を前記1次ビームから減算して適応整相結果を得ることにより前記整相方位以外の方位から到来する信号を適応的に除去する適応整相装置において、
    前記1次ビーム及び前記複数の0次ビームに基づいて、今回算出しようとする前記適応フィルタのフィルタ係数を使用した前記適応整相結果における所望信号が劣化するか否かを判定し、前記所望信号が劣化しないと判定した場合には第1の信号を、前記所望信号が劣化すると判定した場合には第2の信号を出力する劣化判定器と、
    前記第1の信号が供給された場合には今回算出した前記フィルタ係数を使用した前記適応整相結果を選択して今回の前記適応整相結果として出力し、前記第2の信号が供給された場合には前記1次ビームを選択して今回の前記適応整相結果として出力するセレクタと
    を備えていることを特徴とする適応整相装置。
  2. 前記適応フィルタは、前記第1の信号が供給された場合には前記1次ビーム及び前記複数の0次ビームに基づいて算出された前記フィルタ係数を使用し、前記第2の信号が供給された場合には予め記憶された前記フィルタ係数の初期値を使用することを特徴とする請求項1記載の適応整相装置。
  3. 前記適応フィルタは、前回算出して内部に記憶しておいた前記フィルタ係数を使用するとともに、前記複数の0次ビームと前記適応整相結果とに基づいて前記フィルタ係数の更新処理を行い、更新した前記フィルタ係数を次の時刻の前記フィルタ係数として内部に記憶することを特徴とする請求項1記載の適応整相装置。
  4. 複数のセンサで構成されるセンサアレイで受信された信号を用いて整相方位に最大感度を有する1次ビームと前記整相方位に零感度を有する複数の0次ビームとを生成し、前記複数の0次ビームの適応フィルタにおけるフィルタリング結果を前記1次ビームから減算して適応整相結果を得ることにより前記整相方位以外の方位から到来する信号を適応的に除去する適応整相装置において、
    前記1次ビーム及び前記複数の0次ビームに基づいて、今回算出しようとする前記適応フィルタのフィルタ係数を使用した前記適応整相結果における所望信号が劣化するか否かを判定し、前記所望信号が劣化しないと判定した場合には第1の信号を、前記所望信号が劣化すると判定した場合には第2の信号を出力する劣化判定器を備え、
    前記適応フィルタは、前記第1の信号が供給された場合には前記1次ビーム及び前記複数の0次ビームに基づいて算出された前記フィルタ係数を使用し、前記第2の信号が供給された場合には予め記憶された前記フィルタ係数の初期値を使用することを特徴とする適応整相装置。
  5. 前記適応フィルタは、前記第2の信号が供給された場合には前記フィルタ係数の初期値又は、前記所望信号が劣化しない最も近い過去の前記フィルタ係数を使用することを特徴とする請求項2又は4記載の適応整相装置。
  6. 複数のセンサで構成されるセンサアレイで受信された信号を用いて整相方位に最大感度を有する1次ビームと前記整相方位に零感度を有する複数の0次ビームとを生成し、前記複数の0次ビームの適応フィルタにおけるフィルタリング結果を前記1次ビームから減算して適応整相結果を得ることにより前記整相方位以外の方位から到来する信号を適応的に除去する適応整相装置において、
    前記1次ビーム及び前記複数の0次ビームに基づいて、今回算出しようとする前記適応フィルタのフィルタ係数を使用した前記適応整相結果における所望信号が劣化するか否かを判定する劣化判定器を備え、
    前記適応フィルタは、現時刻において今回算出しようとする前記フィルタ係数を次の時刻で使用して得られる前記適応整相結果における前記所望信号が劣化しないと前記劣化判定器で判定された場合には、前回算出して内部に記憶しておいた前記フィルタ係数を使用するとともに、前記複数の0次ビームと前記適応整相結果とに基づいて前記フィルタ係数の更新処理を行い、更新した前記フィルタ係数を次の時刻の前記フィルタ係数として内部に記憶し、現時刻において今回算出しようとする前記フィルタ係数を次の時刻で使用して得られる前記適応整相結果における前記所望信号が劣化すると前記劣化判定器で判定された場合には、前回算出して内部に記憶しておいた前記フィルタ係数を使用するとともに、前記フィルタ係数を前記フィルタ係数の初期値で初期化して内部に記憶することを特徴とする適応整相装置。
  7. 前記適応フィルタは、現時刻において今回算出しようとする前記フィルタ係数を次の時刻で使用して得られる前記適応整相結果における前記所望信号が劣化すると前記劣化判定器で判定された場合には、前回算出して内部に記憶しておいた前記フィルタ係数ごとに、当該フィルタ係数又は当該フィルタ係数の初期値のいずれかを個別に選択して内部に記憶することを特徴とする請求項6記載の適応整相装置。
  8. 前記適応フィルタは、現時刻において今回算出しようとする前記フィルタ係数を次の時刻で使用して得られる前記適応整相結果における前記所望信号が劣化すると前記劣化判定器で判定された場合には、前回算出して内部に記憶しておいた前記フィルタ係数を使用するとともに、前記フィルタ係数を更新せずに、次の時刻において、内部に記憶しておいた前記フィルタ係数を使用することを特徴とする請求項6記載の適応整相装置。
  9. 前記適応フィルタは、現時刻において今回算出しようとする前記フィルタ係数を次の時刻で使用して得られる前記適応整相結果における前記所望信号が劣化すると前記劣化判定器で判定された場合には、前回算出して内部に記憶しておいた前記フィルタ係数ごとに更新するか否かを個別に制御することを特徴とする請求項8記載の適応整相装置。
  10. 前記劣化判定器は、前記複数の0次ビームのそれぞれの自乗値の和の第1の時間平均値と、前記1次ビームの自乗値の第2の時間平均値とを算出し、前記第1及び第2の時間平均値に基づいて、前記所望信号が劣化するか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の適応整相装置。
  11. 前記劣化判定器は、前記複数の0次ビームのそれぞれの自乗値の複数の第1の時間平均値と、前記1次ビームの自乗値の第2の時間平均値とを算出し、前記複数の第1の時間平均値及び前記第2の時間平均値に基づいて、前記所望信号が劣化するか否かをそれぞれ一次判定し、複数の一次判定結果に基づいて、前記所望信号が劣化するか否かを総合的に判定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の適応整相装置。
  12. 前記劣化判定器は、前記複数の一次判定結果に対して重み付けした後に前記所望信号が劣化するか否かを総合的に判定することを特徴とする請求項11記載の適応整相装置。
  13. 前記劣化判定器は、前記複数の一次判定結果に対して組み合わせを考慮して前記所望信号が劣化するか否かを総合的に判定することを特徴とする請求項11記載の適応整相装置。
  14. 前記劣化判定器は、前記第1の時間平均値、前記複数の第1の時間平均値、前記第2の時間平均値を、指定された積分時間に相当する時間分の加算平均処理を実施して求めることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の適応整相装置。
  15. 前記劣化判定器は、前記第1の時間平均値、前記複数の第1の時間平均値、前記第2の時間平均値を、指定された積分時間に相当する時間を時定数とする指数積分処理を実施して求めることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の適応整相装置。
  16. コンピュータに請求項1乃至15のいずれか1に記載の機能を実現させるための適応整相プログラム。
  17. 請求項1乃至15のいずれかに記載の適応整相装置を、周波数領域で実現した場合の複数の周波数ビンに対応して複数段並列に設けたことを特徴とする適応整相システム。
  18. 請求項1乃至15のいずれかに記載の適応整相装置を、複数の整相方位に対応して複数段並列に設けたことを特徴とする適応整相システム。
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