JP4368147B2 - ドラム缶詰方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、原子力施設から発生する低レベルの放射性廃棄物を溶融して減容し、ドラム缶詰して保管するためのドラム缶詰方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力施設から発生する低レベル放射性廃棄物は、溶融・減容され、冷却固化した固化体(挿入物)をドラム缶に詰めて、長期間保管される。
【0003】
このドラム缶詰において、放射性廃棄物の廃棄効率を高めるために、ドラム缶の内周面と挿入物の外周面との間の隙間をできる限り狭くしている。その隙間は、挿入物及びドラム缶の製作公差を考慮すれば、4mm〜12mm程度となる。そして、溶融した挿入物の重量は相当に重く、且つ、遠隔操作により行われるので、挿入物の頂部をフックや真空吸着で吊り上げることはできず、且つ、上記隙間が狭いので、挿入物の外周面を保持具で保持してドラム缶に挿入するのは困難である。
【0004】
そこで、従来において、特許文献1に開示されている方法は、予め挿入物の天地を逆さまにしておき、上部からドラム缶を被せ、その後ドラム缶を逆さまにして元の位置に戻す方法である。また、特許文献2には、ドラム缶を傾けて設置し、挿入物を滑らせて挿入する方法が開示されている。これらの方法は何れも、取り扱い機器が複雑で大きくなり、コストも高くなるという問題がある。
【0005】
この問題を解決するために発明者等は、挿入物をドラム缶内に挿入する時のドラム缶内の空気の圧力上昇を利用した、ドラム缶詰装置を開発した。然しながら、この空気圧力を利用した昇降装置が既に開示されている。特許文献3に開示された空気圧昇降装置は、1階にある昇降台を3階に上昇させる場合において、1階、2階及び4階の開放弁を閉じ、3階の開放弁を開いておき、送風機にて昇降台の下部空間に空気を吹き込んで昇圧し、昇降台を浮き上がらせる。昇降台が3階に到達すると、空気が3階排気配管から外部へ抜け昇降台が3階に停止するようになっている。
【0006】
次に、特許文献4に開示された昇降装置は、台車を上下方向に昇降可能にした縦向きの空気室を設け、その空気室に空気を供給或は空気室から排出し得るように、その空気室内の台車の上に被昇降物を直接に或は間接的に載置した技術である。そして、台車の外周面と空気室の内周面との間にシール材を介在して台車の上下移動を容易にしている。又、特許文献5に開示された気体圧を利用した昇降装置は、台車案内用筒状室の内周面側と台車の外周面側との間にシール材を介在し、台車の上下方向への昇降状態を円滑に作動させるようにしている。又、気体室に接続して形成した気体循環回路により、気体の圧力を所望の圧力の状態に制御し、台車を所望の昇降条件で昇降移動させるものである。
【0007】
特許文献1 特許第2877718号
【0008】
特許文献2 特許第2939233号
【0009】
特許文献3 特開2001−26384号公報(図1及び図2 頁3右欄下から14行〜頁4上から10行)
【0010】
特許文献4 特開平6−1565号公報(図3 頁3左欄上から11〜20行)
【0011】
特許文献5 特開平6−1567号公報(図1 頁3左欄下から4行〜右欄上から9行)
【0012】
上記特許文献3〜5に開示された技術は何れも、大型の設備であり、昇降台と内周側壁との間の隙間が、昇降台に必要な付属装置を設けるだけの十分な隙間が必要である。従って、この開示された技術を原子力施設に適用した場合には、挿入物の外周面とドラム缶の内周面との間に十分な隙間を設ける必要があり、その結果、放射性廃棄物の廃棄効率が低下するという問題がある。
【0013】
また、上記特許文献3〜5に開示された技術は何れも、空気室に空気を供給するようにしているので次のような問題がある。即ち、空気室に空気を強制的に供給するためには、空気室に空気供給口に相当する孔をあけなければならない。特に、原子力施設において、放射性廃棄物をドラム缶詰した状態で長期に保管する場合には、放射性物質の漏れが重要な課題であり、ドラム缶に空気を供給するための孔をあけるのは得策ではない。
【0014】
又、特許文献4及び5において、台車の外周面と空気室の内周面との間にシール材を介在している。然しながら、このシール材は台車の外周面又は空気室の内周面に固定されており、かつ、台車には案内部材を介して、台車の外周面と空気室内周面との間は、一定の間隔を保ってその間隔内にシール材を介在し、シール機能を保持しているので、次のような問題がある。
【0015】
即ち、低レベル放射性廃棄物溶融施設における缶詰作業は、定置されているドラム缶にクレーンで吊り下げられた挿入物を挿入するので、吊り下げられている挿入物の揺れ等により、挿入物とドラム缶との間に必ず芯ずれが生じる。若しも挿入物の外周面又はドラム缶の内周面にシール材を固定した場合には、ドラム缶に挿入物を挿入するときに、上記の芯ずれによりシール材が擦られて、シール材を破損してしまうおそれがあるという問題がある。特に、低レベル放射性廃棄物溶融施設では、遠隔操作で作業をするので、シール材の破損を修理するのに時間がかかり、放射性廃棄物の処理効率が低下するという問題がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、挿入物の外周面又はドラム缶の内周面にシール材を固定しないようにして、挿入物外周とドラム缶内周面との間の隙間を極力狭くしたシールを可能にして、放射性廃棄物の廃棄効率を向上すると共に、挿入物とドラム缶との間の芯ずれがあっても、シール材の破損を無くして、放射性廃棄物の処理効率を向上し、更にシール材の繰り返し使用を可能にして経済的損失を無くし、特に放射性廃棄物を処理する場合の放射性物質の漏れをなくして実用性を向上したドラム缶詰方法及び装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、請求項1の記載から把握される手段は、挿入ガイドの下端にドラム缶の内周面に接触するシール材を取り付けると共に、ドラム缶の頂部開口に載置可能なシールフランジを固定し、前記シール材を貫通するように空気配管を設け、該空気配管に開放弁を設けたことを特徴とする。
【0018】
請求項2の記載から把握される手段は、挿入ガイドの下端にドラム缶の内周面との間に所定の隙間を設けてシール材を取り付けると共に、ドラム缶の頂部開口に載置可能なシールフランジを固定し、前記シール材を貫通するように空気配管を設け、該空気配管に開放弁を設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項3の記載から把握される手段は、シールフランジのドラム缶頂部開口載置面にシール材を設けたことを特徴とする。
【0020】
請求項4の記載から把握される手段は、挿入ガイドを複数に分割し、分割したそれぞれの挿入ガイドがシールフランジに対し水平方向に移動可能にしたことを特徴とする。
【0021】
請求項5の記載から把握される手段は、空気配管に開放弁と加圧弁を設けたことを特徴とする。
【0022】
請求項6の記載から把握される手段は、挿入物の外周を保持具で保持し、挿入ガイドを介して挿入物をドラム缶へ挿入し、挿入ガイドに取り付けたシール材のシール効果と、下降する挿入物の重力により圧縮されて昇圧されたドラム缶内の空気圧とのバランスで挿入物を保持した段階で保持具の保持を解放し、その後開放弁を徐々に開いて、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスを保ちながらドラム缶内の空気を放出して挿入物を下降させ、ドラム缶の底に挿入物を静置することを特徴とする。
【0023】
請求項7の記載から把握される手段は、挿入物の外周を保持具で保持し、挿入ガイドを介して挿入ガイドの下端に取り付けたシール材の部分まで挿入物を挿入した後に、加圧弁を開いてドラム缶内の空気圧を昇圧し、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスにより挿入物を保持した状態で加圧弁を閉じ、次に挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とをバランスさせながら開放弁を徐々に開き、所定の位置まで挿入物が下降した所で保持具の保持を解放し、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスを保ちながらドラム缶内の空気を放出して挿入物を下降させ、ドラム缶の底に挿入物を静置することを特徴とする。
【0024】
【作用】
次に、各請求項の記載から把握される手段によって、課題がどのように解決されるかについて説明する。まず、請求項1の記載から把握される手段において、挿入ガイドの下端にドラム缶の内周面に接触するシール材を取り付けたので、ドラム缶への挿入物とドラム缶との間の芯ずれがあってもシール材は挿入ガイドと共に移動し、芯ずれに起因するシール材と挿入物との間の擦れを無くすことができ、構造が簡単で、且つ、断面寸法も小さいシール材にして、挿入物の外周とドラム缶内周との間の隙間を狭くすることができる。そして、ドラム缶の頂部開口に載置可能なシールフランジを挿入ガイドの下端に固定したので、ドラム缶に対して、挿入ガイド及びシール材が着脱可能であり、挿入物又はドラム缶へのシール材の装着なしにシール機能を保持することができる。そして、シール材を貫通するように空気配管を設け、この空気配管に開放弁を設けたので、ドラム缶に孔をあけることなく空気圧力を利用して挿入物をドラム缶に挿入することができる。
【0025】
次に、請求項2の記載から把握される手段において、挿入ガイドの下端にドラム缶の内周面との間に所定の隙間を設けてシール材を取り付けたので、上記所定の隙間は最小限の任意の隙間にすることができ、かつ、ドラム缶への挿入物とドラム缶との間の芯ずれがあってもシール材は挿入ガイドと共に移動し、芯ずれに起因するシール材と挿入物との間の擦れを無くすことができる。そして、ドラム缶の頂部開口に載置可能なシールフランジを挿入ガイドの下端に固定したので、ドラム缶に対して、挿入ガイド及びシール材が着脱可能であり、挿入物又はドラム缶へのシール材の装着なしにシール機能を保持することができる。そして、シール材を貫通するように空気配管を設け、この空気配管に開放弁を設けたので、ドラム缶に孔をあけることなく空気圧力を利用して挿入物をドラム缶に挿入することができる。
【0026】
次に、請求項3の記載から把握される手段において、シールフランジのドラム缶頂部開口載置面にシール材を設けることにより、シールフランジとドラム缶の頂部との間のシールをより確実にすることができる。
【0027】
次に、請求項4の記載から把握される手段において、挿入ガイドを複数に分割し、分割したそれぞれの挿入ガイドがシールフランジに対し水平方向に移動可能にしたので、挿入物とドラム缶との間の芯合せを容易にすることができる。
【0028】
次に、請求項5の記載から把握される手段において、空気配管に開放弁と加圧弁を設けたので、ドラム缶に孔をあけることなく空気圧力を利用して挿入物をドラム缶に挿入することができると共に、更に挿入物をドラム缶に挿入する初期の段階から、加圧弁を介してドラム缶内の空気圧を昇圧して、ドラム缶内の空気圧と挿入物の重量とをバランスさせて挿入物を空気圧力により保持し、その後加圧弁を閉じて開放弁により挿入物を円滑に挿入することができる。
【0029】
次に、請求項6の記載から把握される手段において、挿入物の外周を保持具で保持し、挿入ガイドを介して挿入物をドラム缶へ挿入する。これにより、挿入物とドラム缶との間の心合わせを予め行い、挿入物とドラム缶との間の隙間が狭くても、挿入物をドラム缶内に挿入することができ、且つ、シール材が挿入物により擦られることはない。
【0030】
続いてこの芯合わせした状態で挿入物をドラム缶内に挿入することにより、シール材は破損されず、挿入ガイドに取り付けたシール材のシール効果を維持し、下降する挿入物の重力により圧縮されて昇圧されたドラム缶内の空気圧とのバランスで挿入物を保持した段階で保持具の保持を解放する。このように、ドラム缶内の空気圧により挿入物を保持した段階で、保持具の保持を開放できるので、挿入物の外面とドラム缶内面との間の隙間が狭くても、保持具を使用した挿入物の外周面保持が可能になり、かつ、挿入物とドラム缶との間の芯を一致させた状態で、ドラム缶内の空気圧のみにて、挿入物を保持することができる。
【0031】
このように、ドラム缶内の空気圧のみにて挿入物を保持しているので、その後開放弁を徐々に開いて、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスを保ちながらドラム缶内の空気を放出して挿入物を下降させ、ドラム缶の底に挿入物を円滑に静置することができる。
【0032】
請求項7の記載から把握される手段において、挿入物の外周を保持具で保持し、挿入ガイドを介して挿入する。これにより、挿入物とドラム缶との間の芯合わせを予め行い、挿入物とドラム缶との間の隙間が狭くても、挿入物をドラム缶内に挿入することができ、且つ、シール材が挿入物により擦られることはない。
【0033】
そして、挿入ガイドの下端に取り付けたシール材の部分まで挿入物を挿入した後に、加圧弁を開いてドラム缶内の空気圧を昇圧し、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスにより挿入物を保持した状態で加圧弁を閉じる。これにより、挿入物とドラム缶との間の芯を一致させた状態で、初期の段階からドラム缶内の空気圧のみにて、挿入物を保持することができる。
【0034】
次に挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とをバランスさせながら開放弁を徐々に開き、所定の位置まで挿入物が下降し、ドラム缶内の空気圧のみにて、挿入物が安定した姿勢を維持した所で保持具の保持を解放するので、挿入物の外面とドラム缶内面との間の隙間が狭くても、保持具を使用した挿入物の外周面保持が可能になる。そして、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスを保ちながらドラム缶内の空気を放出して挿入物を下降させ、ドラム缶の底に挿入物を円滑に静置させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、請求項1の記載から把握される本発明の実施の形態は、図1及び図2において、挿入ガイド7の下端にドラム缶11の内周面に接触するシール材8を取り付けると共に、ドラム缶11の頂部開口に載置可能なシールフランジ9を固定する。そして、シール材8を貫通するように空気配管10を設け、この空気配管10に開放弁12を設ける。
【0036】
次に、請求項2の記載から把握される本発明の実施の形態は、図3に示すように、挿入ガイド7の下端にドラム缶11の内周面との間に所定の隙間Wを設けてシール材13を取り付けると共に、ドラム缶11の頂部開口に載置可能なシールフランジ9を固定する。そして、シール材13を貫通するように空気配管10を設け、この空気配管10に開放弁12を設ける。
【0037】
次に、請求項3の記載から把握される本発明の実施の形態は、図3に示すように、シールフランジ9のドラム缶頂部開口載置面にシール材14を設ける。
【0038】
次に、請求項4の記載から把握される本発明の実施の形態は、図6に示すように、挿入ガイド7を7a〜7dの複数に分割し、分割したそれぞれの挿入ガイド7a〜7dが図4に示すように、シールフランジ9に対し水平方向に移動可能にする。
【0039】
次に、請求項5の記載から把握される本発明の実施の形態は、図1から図3に示すように、空気配管10に開放弁12と加圧弁12′を設ける。
【0040】
次に、請求項6の記載から把握される本発明の実施の形態は、図7において、挿入物4の外周を保持具26で保持し、挿入ガイド7を介して挿入物4をドラム缶11へ挿入し、挿入ガイド7に取り付けたシール材8のシール効果と、下降する挿入物4の重力により圧縮されて昇圧されたドラム缶11内の空気圧とのバランスで挿入物4を保持した段階で保持具26の保持を解放し、その後開放弁12を徐々に開いて、挿入物4の重力とドラム缶11内の空気圧とのバランスを保ちながらドラム缶11内の空気を放出して挿入物4を下降させ、ドラム缶11の底に挿入物4を静置する。
【0041】
次に、請求項7の記載から把握される本発明の実施の形態は、図7において、挿入物4の外周を保持具26で保持し、挿入ガイド7を介して挿入ガイド7の下端に取り付けたシール材8(13)の部分まで挿入物4を挿入した後に、加圧弁12′を開いてドラム缶内11の空気圧を昇圧し、挿入物4の重力とドラム缶11内の空気圧とのバランスにより挿入物4を保持した状態で加圧弁12′を閉じ、次に挿入物4の重力とドラム缶11内の空気圧とをバランスさせながら開放弁12を徐々に開き、所定の位置まで挿入物4が下降した所で保持具26の保持を解放し、挿入物4の重力とドラム缶11内の空気圧とのバランスを保ちながらドラム缶11内の空気を放出して挿入物4を下降させ、ドラム缶11の底に挿入物4を静置する。
【0042】
【実施例】
以下、実施例について説明する。図1において、挿入ガイド7は漏斗状に開口部が開いており、挿入物4が挿入しやすい形状になっている。図1の要部を拡大して示した図2において、挿入ガイド7の下端には、シール材8及びシールフランジ9が固定されている。
【0043】
本実施例の場合、挿入ガイド7とシールフランジ9は一体になっているので、シール材8は、挿入ガイド7の下端とシールフランジ9の裏面に亘って固定されている。そしてシール材8は、ドラム缶11の内周面と挿入物4の外周面とに接触するように取り付けられている。又、シール材8は、先端が開口した逆U字形になっており、ドラム缶11の内圧により広がるようになっている。このように、ドラム缶11の内圧によりシール材8が広がるようにすることにより、挿入ガイド7(シール材8)の内径D1を、挿入物4の外径D2よりも大きくしても、ドラム缶11の内圧によりシール材8が広げられて挿入物4の外周面に密着し、シール効果を得ることができる。空気配管10は、シールフランジ9及びシール材8を貫通した状態で挿入ガイド7に固定されており、空気配管10には開放弁12が取り付けられている。又、空気配管10から分岐して、加圧弁12′が取り付けられている。
【0044】
次に、図3に示す実施例について説明する。この実施例も図1及び図2に示した実施例と同様に、挿入ガイド7とシールフランジ9は一体になっている。そして、シール材13は、柔軟性のある薄い材料を使用し、長さLだけ長くなっている。又、シール材13の入口内径D1と挿入物4の外径D2及びシール材13の下端内径D3との関係は、D1>D2>D3の関係になっている。
【0045】
このようにすることにより、挿入物4をドラム缶11に挿入するときに、シール材13の入口部において、シール材13と挿入物4との間の干渉を少なくしてシール材13の損傷を無くし、挿入物4がドラム缶11内にある程度挿入された時点で、挿入物4とドラム缶11との芯がほぼ一致し、シール材13の下端部が挿入物4の外周に密着するようにしている。これにより、ドラム缶11の内圧が上昇したときに、シール材13と挿入物4の外周面との間から、空気が逃げないようにして、長さLのシール材13のほぼ全体を、ドラム缶11の内圧により押し広げて、挿入物4の外周面に密着させることができる。
【0046】
又、長さLにすることにより、シール材13と挿入物4の外周面との間の通気抵抗が大きくなるので、D1=D3にしても、シール材13と挿入物4の外周面との間から空気が逃げないうちに、シール材13はドラム缶11の内圧により押し広げられ、シール材13が挿入物4の外周面に密着させられることから、D1>D2>D3の関係とほぼ同様のシール効果を得ることができる。
【0047】
又、この実施例の場合、シール材13は柔軟性があり、且つ、成形されたシール材ではなく、薄いシート状の材料を使用しているので、ドラム缶11の内周面と、シール材13の外周面との間の隙間Wをできる限り狭くすることができるようになっている。そしてこのシール材13の上縁は、挿入ガイド7とシールフランジ9の裏面に固定されている。この実施例では、シールフランジ9の裏面にシール材14を設けているが、このシール材14を省略して、シール材13の上縁をシール材14の部分まで延長するようにしても良い。空気配管10は、シール材13の上縁を貫通し、隙間Wに開口するように挿入ガイド7に固定されている。空気配管10には、開放弁12が設けられている。又、空気配管10から分岐して、加圧弁12′を設けている。15は支持フランジであり、シールフランジ9を載置し、ボルトなどにより着脱自在に固定するようにしている。
【0048】
次に、図4に示す実施例について説明する。本実施例において、挿入ガイド7は図6に示すように7a〜7dに分割されており、挿入ガイド7とシールフランジ9は固定されずに、シールフランジ9に対して、挿入ガイド7は水平方向(矢印方向)に移動可能になっている。この挿入ガイド7の水平移動機構は、分割された挿入ガイド7に一体に、上スライドフランジ16と下スライドフランジ17を設け、シールフランジ9に形成した凹溝に、この上スライドフランジ16と下スライドフランジ17を嵌合し、シールフランジ9の内周側を挟むようにして、挿入ガイド7がスライドできるようにシールフランジ9に保持されている。
【0049】
又、図5に示すように、挿入ガイド7とシールフランジ9との間には、圧縮ばね21が設けられており、挿入ガイド7は常時矢印の方向に圧縮ばね21の弾性力が付与されている。22はシールフランジ9に固定されたスプリング受け、23は挿入ガイド7側に固定されたスプリング受けである。図4において、このように圧縮ばね21の弾性力が挿入ガイド7に常時付与されているので、分割されている挿入ガイド7a〜7d(図6)が、シールフランジ9に対して同心円状になるように、ストッパ18及び19が設けられている。即ち、ストッパ18はシールフランジ9に固定され、ストッパ19は上スライドフランジ16に固定されていて、隙間Cだけ、圧縮ばね21の弾性力に抗して移動できるようになっている。又、圧縮ばね21及びスライド機構(上スライドフランジ16)の配置関係は図6に示す通りである。
【0050】
又、この実施例の場合、シールフランジ9に対して挿入ガイド7が移動可能であるので、シール材13の上縁は下スライドフランジ17に固定されている。そして、シールフランジ9の裏面であって、ドラム缶11の開口頂部に接する部分には、シール材20が固定されている。又、シール材13は柔軟性があり、且つ、成形されたシール材ではなく、薄いシート状の材料を使用しているので、シール材13は、分割された挿入ガイド7a〜7dがそれぞれ水平方向に移動しても、その変位を吸収できる。或は、分割された挿入ガイド7a〜7dに合わせてシール材13も分割し、シール材13の分割部分を互いに重ね合わせるようにしても良い。即ち、シール材13はドラム缶の内圧により押し広げられるので、分割された合わせ面も圧着し、シール効果を維持することができる。又、この実施例において、シール材13の下部に、凸部24を設けている。この凸部24の内径D2は挿入物4の外径にほぼ等しくなっている。また、この実施例も図3に示した実施例と同様に、シール材13を貫通するように空気配管10が設けられ、この空気配管10に開放弁12を取り付けている(図6)。また、図2に示すように、空気配管10から分岐して、加圧弁12′を取り付ける。
【0051】
シール材8及び13の材料は、挿入物4及びドラム11は常温であり、気密条件及び放射線環境条件等がそれほど厳しくないので、テフロン、シリコンゴム、ポリウレタンゴム、バイトン、天然ゴム等の一般のシール材の使用が可能である。
【0052】
又、図3から図5に示すシール材の外周とドラム缶の内面との間の隙間Wの決定方法を示せば次の通りである。
Wmin(最小隙間)={(D−D2)−(d2+d)}×0.5−t
Wmax(最大隙間)={(D−D2)+(d2+d)}×0.5−t
但し、Dはドラム缶11の内径、D2は挿入物4の外径、dはドラム缶11の内径誤差、d2は挿入物4の外径誤差、tはシール材13の厚さである。ここで具体例として、実際に取り扱われている挿入物4とドラム缶11について、その数値を当てはめて計算すると次の通りである。挿入物4の公称外径D2±d2=550±5mm、ドラム缶の公称外径D±d=567±3mm、シール材13の厚みt=0.5mmを上記式に当てはめると、Wmin=4mm、Wmax=12mmとなる。このように、隙間Wをできるだけ小さくして、放射性廃棄物の廃棄効率を高めるように、挿入物4とドラム缶11の組合せを行うようにしている。
【0053】
図7はドラム缶詰装置の全体を示す図であり、図1から図6に示した実施例の使用状態を説明する。初期の状態では、架台25に支持されたドラム缶11の頂部は開放されている。次に、挿入ガイド7、シール材8(13)及びシールフランジ9を一体にしたシールフランジ9を、架台25に取り付けた支持フランジ15の上に載置し、ボルト27で固定する。これにより、挿入ガイド7とドラム缶11との間の軸芯はほぼ一致した状態で、挿入ガイド7をドラム缶11の開口部にセットすることができる。開放弁12及び加圧弁12′は予め閉じておく。以下、開放弁12のみを使用した場合と、開放弁12と加圧弁12′の両方を用いた場合の、二通りについて説明する。
【0054】
(開放弁12のみを使用する場合)
挿入ガイド7とドラム缶11との間の軸芯をほぼ一致させた状態で、挿入ガイド7をドラム缶11の開口部にセットした後に、挿入物4の外周を保持具26で保持し、クレーン3で挿入ガイド7の直上まで移送し、クレーン3を遠隔操作してゆっくりと吊り降ろし、ドラム缶11内に挿入物4を挿入する。そして、シール材8(13)を介して、挿入物4とドラム缶11との間のシリンダ効果により、ドラム缶11内の内圧が上昇し、保持具26に上向きの力(空気圧力)が働いたところで、クレーン3の吊り降ろしを停止して(この段階では保持具26の下端が挿入ガイド7の入口部に当接しない位置である)、保持具26の位置をそのままにして保持力を徐々に緩め、挿入物4を保持具26からゆっくりと滑り落とす。そして、保持具26の保持力が開放され、挿入物4の重力とドラム缶11の内圧とが釣りあって、挿入物4の下降がほぼ止まったことを確認する。
【0055】
次に、開放弁12の開度を調節しながら、ドラム缶11内の空気を排出して挿入物4を徐々に下降し、ドラム缶11の底に挿入物4を着地させる。そして、空になった保持具26をクレーン3により次の作業位置まで移動し、ボルト27を外して挿入ガイド7、シール材8(13)及びシールフランジ9を一体にした状態で支持フランジ15から取り外し、次の作業のための待機を行う。
【0056】
(開放弁12と加圧弁12´の両方を用いた場合)
挿入ガイド7とドラム缶11との間の軸芯をほぼ一致させた状態で、挿入ガイド7をドラム缶11の開口部にセットした後に、挿入物4の外周を保持具26で保持し、クレーン3で挿入ガイド7の直上まで移送し、クレーン3を遠隔操作してゆっくりと吊り降ろし、ドラム缶11内に挿入物4を挿入する。挿入物4がシール材13(8)に接触するまで、挿入物4が下降したときに、加圧弁12′を開いて、ドラム缶11内に空気を供給して昇圧し、保持具26に上向きの力(空気圧力)が働いたところで、クレーン3の吊り降ろしを停止して(この段階では保持具26の下端が挿入ガイド7の入口部に当接しない位置である)、保持具26の位置をそのままにして保持力を徐々に緩める。この場合において、空気圧で支持されている挿入物4の姿勢が安定するまで(挿入物4の重心がシール材13(8)の入り口を過ぎるまで)、加圧弁12′から供給する空気量を調整し、挿入物4の重力とドラム缶11の内圧とがバランスするようにすることが好ましい。そして、保持具26の保持力が開放され、挿入物4の重力とドラム缶11の内圧とが釣りあって、挿入物4の下降がほぼ止まったことを確認する。
【0057】
次に、加圧弁12′を閉じ、開放弁12の開度を調節しながら、ドラム缶11内の空気を排出して挿入物4を徐々に下降し、ドラム缶11の底に挿入物4を静置させる。そして同様に、空になった保持具26をクレーン3により次の作業位置まで移動し、ボルト27を外して挿入ガイド7、シール材8(13)及びシールフランジ9を一体にした状態で支持フランジ15から取り外し、次の作業のための待機を行う。
【0058】
図8に示す実施例は、架台25の底板28と基台29との間に垂直ダンパ30を設け、何らかの原因で挿入物4がドラム缶11内で落下した時の衝撃を緩衝するようにしている。又、図9に示す実施例は、架台25の底板28の中心に、芯部材32を設け、図10に示すように、この芯部材32と基台29との間に、三方向にダンパ31を設け、且つ、基台29と底板28との間にローラ33を設けている。このようにすることにより、図2及び図3に示した実施例のように、挿入ガイド7とシールフランジ9が一体に固定されている場合でも、クレーン3で吊り下げられている挿入物4と挿入ガイド7(ドラム缶11)との間の芯ずれがあっても、架台25(挿入ガイド7、ドラム缶11)が、水平ダンパ31により移動し、自動的に挿入物4との間の芯ずれを修正することができる。
【0059】
〔実施例の作用及び効果〕
先ず、図2に示す実施例の作用及び効果について説明する。挿入ガイド7の下端にシール材8を設け、挿入物4及びドラム缶11にシール材を設けないようにしたので、挿入ガイド7及びシール材8を繰り返し使用することができ、経済的損失を無くすことができる。
【0060】
又、挿入ガイド7の下端にシール材8を設けたので、クレーン3で挿入物4を吊り下ろしたときに、挿入物4の下端が最初に挿入ガイド7の開口部に当接して、挿入物4と挿入ガイド7との間の芯ずれを無くすことができ、挿入物4がシール材8の所まで下降した時点では、挿入物4とシール材8との間の芯ずれはなく、シール材8には芯ずれに起因する無理な擦れが無い。これにより、シール材8の損傷を防止し、シール材8の長寿命化を図ることができ、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。そして、このようにシール材8の損傷を防止することができるので、構造が簡単で小形のシール材8を使用することができ、挿入物4の外周とドラム缶11の内面との間の隙間を小さくし、放射性廃棄物の廃棄効率を向上することができる。
【0061】
又、シール材8は、先端が開口した逆U字形になっているので、ドラム缶11の内圧によりシール材8が広がり、挿入ガイド7(シール材8)の内径D1を、挿入物4の外径D2よりも大きくしても、ドラム缶11の内圧によりシール材8が広げられて挿入物4の外周面に密着し、シール効果を得ることができる。このように、D1>D2にすることにより、挿入物4の外周とドラム缶11の内周面との間の隙間を小さくすることができ、放射性廃棄物の廃棄効率を向上すると共に、挿入物4をドラム缶11内に挿入するとき、挿入物4とシール材8との間の接触を少なくし、挿入物4とシール材8との間の芯ずれに起因するシール材8の損傷を防止し、シール材8の長寿命化を図り、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0062】
そして、空気配管10は、シールフランジ9及びシール材8を貫通した状態で挿入ガイド7に固定したので、ドラム缶11に孔をあけることなく空気圧力を利用して、挿入物4をドラム缶11に挿入することができ、放射性物質の漏洩の課題を解消することができる。そして、空気配管10には開放弁12を取り付けたので、ドラム缶11内の空気排出速度を調整することができ、ドラム缶11の底部まで挿入物4を静に着地させ、挿入物4の落下による挿入物4及びドラム缶11の損傷を防止することができる。又、配管10から分岐して、加圧弁12′を設けたので、ドラム缶11内の昇圧を短時間に行うことができ、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0063】
次に、図3に示した実施例の作用及び効果を説明する。この実施例において、図2に示した実施例の作用及び効果と共通する部分、即ち、(1)挿入ガイド7の下端にシール材8を設けた作用及び効果、(2)挿入ガイド7の下端にシール材8を設け、挿入物4及びドラム缶11にシール材を設けないようにした作用及び効果、(3)空気配管10は、シールフランジ9及びシール材8を貫通した状態で挿入ガイド7に固定した作用及び効果、(4)空気配管10には開放弁12及び加圧弁12′を取り付けた作用及び効果は同じであるので、その説明は省略する。
【0064】
従って、これ以外の図3に示した実施例特有の作用効果のみを説明する。この実施例において、シール材13は、柔軟性のある薄い材料を使用し、長さLだけ長くなっているので、挿入物4の長さが短い場合でも、シール材13の長さLから外れない限り、挿入物4とシール材13との間のシール機能は保たれるので、挿入物4の長さに自由度を持たせることができ、挿入ガイド7、シール材13及びシールフランジ9を一体にした装置の汎用性を高めることができる。これにより、挿入物4の種々の長さに対応することができるので、作業能率を向上し、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0065】
又、シール材13の入口内径D1と挿入物4の外径D2及びシール材13の下端内径D3との関係を、D1>D2>D3にすることにより、挿入物4をドラム缶11に挿入するときに、シール材13の入口部において、シール材13と挿入物4との間の干渉を少なくしてシール材13の損傷を無くし、シール材13の長寿命化を図って、放射性廃棄物の処理効率を向上すると共に、挿入物4がドラム缶11内にある程度挿入された時点で、挿入物4とドラム缶11との芯がほぼ一致し、シール材13の下端部が挿入物4の外周に密着するので、ドラム缶11の内圧が上昇したときに、シール材13と挿入物4の外周面との間から、空気が逃げないようにして、長さLのシール材13のほぼ全体を、ドラム缶11の内圧により押し広げて、挿入物4の外周面に密着させ、空気圧力による挿入物4の挿入を円滑にすることができる。
【0066】
又、長さLにすることにより、シール材13と挿入物4の外周面との間の通気抵抗が大きくなるので、D1=D3にしても、シール材13と挿入物4の外周面との間から空気が逃げないうちに、シール材13はドラム缶11の内圧により押し広げられ、シール材13が挿入物4の外周面に密着させられることから、D1>D2>D3の関係とほぼ同様のシール効果を得ることができる。
【0067】
又、この実施例の場合、シール材13は柔軟性があり、且つ、薄いシート状の材料を使用しているので、ドラム缶11の内周面と、シール材13の外周面との間の隙間Wをできる限り狭くすることができ、ドラム缶11の内容積を有効に活用して、放射性廃棄物の廃棄効率を向上することができる。又、ドラム缶11を小さくすることもでき、ドラム缶11の保管スペースを有効に利用することができる。
【0068】
また、この実施例では、シールフランジ9の裏面にシール材14を設けているので、ドラム11の頂部開口と、シールフランジ9との間のシールを確実にし、ドラム缶11内の圧力の調整を容易にし、空気圧力を利用した挿入物4の挿入を円滑に行うことができる。
【0069】
次に、図4及び図5に示した実施例の作用及び効果について説明する。この実施例において、図2に示した実施例の作用及び効果と共通する部分、即ち、(1)挿入ガイド7の下端にシール材8を設けた作用及び効果、(2)挿入ガイド7の下端にシール材8を設け、挿入物4及びドラム缶11にシール材を設けないようにした作用及び効果、(3)空気配管10は、シールフランジ9及びシール材8を貫通した状態で挿入ガイド7に固定した作用及び効果、(4)空気配管10には開放弁12及び加圧弁12′を取り付けた作用及び効果、及び図3で示した、シール材13は、柔軟性のある薄い材料を使用している作用及び効果、そして、長さLだけ長くした作用及び効果は同じであるので、その説明は省略する。
【0070】
従って、これ以外の図4及び図5に示した実施例特有の作用効果のみを説明する。この実施例において、挿入ガイド7は図6に示すように7a〜7dに分割されており、挿入ガイド7とシールフランジ9は固定されずに、シールフランジ9に対して、挿入ガイド7は水平方向(矢印方向)に移動可能になっているので、クレーン3で吊り下げらて若干の芯ずれのある挿入物4が、挿入ガイド7に接触しても、挿入ガイド7は水平方向に移動して衝撃力を緩和すると共に、挿入ガイド7、スライド機構、シールフランジ9、シール材13及び架台25等の損傷を無くし、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0071】
この挿入ガイド6の水平移動機構は、分割された挿入ガイド7に一体に、上スライドフランジ16と下スライドフランジ17を設け、シールフランジ9に形成した凹溝に、この上スライドフランジ16と下スライドフランジ17を嵌合し、シールフランジ9の内周側を挟むようにして、挿入ガイド7がスライドできるようにシールフランジ9に保持されており、且つ、シール材13は挿入ガイド7の下端に固定されているので、水平移動機構を介して、挿入ガイド7、シールフランジ9及びシール材13は一体であり、繰り返し使用することができ、作業効率を良くして放射性廃棄物の処理効率を向上すると共に、経済的損失を軽減することができる。
【0072】
又、図5に示すように、挿入ガイド7とシールフランジ9との間には、圧縮ばね21が設けられて、圧縮ばね21の弾性力が挿入ガイド7に常時付与されて、分割されている挿入ガイド7a〜7d(図6)が、シールフランジ9に対して同心円状になるようにしているので、クレーン3で吊り下げられた挿入物4が、挿入ガイド7に当接し挿入ガイド7を移動させると、圧縮ばね21の弾性力にて押し戻され、挿入物4と挿入ガイド7との芯合せを自動的に行うことができる。
【0073】
そして、シール材13は挿入ガイド7の下端に固定され、挿入ガイド7とシールフランジ9とは圧縮ばね21にて同心円状になっており、且つ、シールフランジ9は架台25の支持フランジ15にボルト27にて固定されるので、架台25に定置されているドラム缶11、挿入物4、挿入ガイド7及びシール材13の間に芯ずれはない。従って、この芯ずれに起因した挿入物4とシール材13との間での擦れはなく、シール材13の長寿命化を図ることができ、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0074】
又、この実施例の場合、シールフランジ9の裏面であって、ドラム缶11の開口頂部に接する部分には、シール材20が固定されているので、シールフランジ9とドラム11の頂部開口との間のシールをより確実にし、この部分からの空気のリークはない。従って、加圧弁12′によるドラム缶11内の昇圧を短時間に行い、放射性廃棄物の処理能率を向上すると共に、開放弁12の開度調整によるドラム缶11内の空気圧力の調整が確実となり、空気圧力を利用した挿入物4の挿入を円滑に行うことができる。
【0075】
又、シール材13は柔軟性があり、且つ、薄いシート状の材料を使用しているので、シール材13は、分割された挿入ガイド7a〜7dがそれぞれ水平方向に移動しても、その変位を吸収でき、分割された挿入ガイド7a〜7dの水平方向への移動を可能にし、分割された挿入ガイド7a〜7dの水平方向への移動による上記作用及び効果を奏することができる。
【0076】
又、分割された挿入ガイド7a〜7dに合わせてシール材13も分割し、シール材13の分割部分を互いに重ね合わせるようにしても、シール材13はドラム缶の内圧により押し広げられるので、分割された合わせ面も圧着し、シール効果を維持することができる。従って、この場合も分割された挿入ガイド7a〜7dの水平方向への移動を可能にし、分割された挿入ガイド7a〜7dの水平方向への移動による上記作用及び効果を奏することができる。
【0077】
又、この実施例において、シール材13の下部に、凸部24を設け、この凸部24の内径D2を挿入物4の外径にほぼ等しくすることにより、この凸部24よりも上の部分のシール材13の内径を挿入物4の外径よりも大きくすることができる。従って、挿入物4を挿入する際に、凸部24に至るまではシール材13と挿入物4との間での接触は無く、シール材13の損傷を防止して長寿命化を図ることができ、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0078】
そして、ドラム缶11の内圧が上昇しても凸部24が挿入物に接触しているので、この部分からの空気のリークはない。従って、ドラム缶11内の昇圧を効率良く行い、この昇圧により凸部24以外の部分のシール材13は押し広げられて挿入物4の外周に密着し、シールを確実にして、開放弁12の開度調整による空気圧力を利用した挿入物4の挿入を円滑に行なうことができる。
【0079】
次に、図8に示す実施例は、架台25の底板28と基台29との間に垂直ダンパ30を設けたので、何らかの原因で挿入物4がドラム缶11内で落下した場合でも衝撃を吸収し、ドラム缶11の損傷を防止して、特に放射性廃棄物の処理において、ドラム缶11の破損に起因する放射性物質漏れを防止することができる。
【0080】
つぎに、図9に示す実施例は、架台25の底板28の中心に、芯部材32を設け、図10に示すように、この芯部材32と基台29との間に、三方向にダンパ31を設けたので、図2及び図3に示した実施例のように、挿入ガイド7とシールフランジ9が一体に固定されている場合でも、クレーン3で吊り下げられている挿入物4と挿入ガイド7(ドラム缶11)との間の芯ずれがあっても、架台25(挿入ガイド7、ドラム缶11)が、水平ダンパ31により移動し、自動的に挿入物4との間の芯ずれを修正することができる。これにより、挿入物4と挿入ガイド7との間の芯ずれに起因したシール材8(13)と挿入物4との間の擦れはなく、シール材8(13)の長寿命化を図り、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。また、基台29と底板28との間にローラ33を設けることにより、架台25の移動を円滑に行うことができる。
【0081】
【発明の効果】
請求項1の記載に基づいて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、挿入ガイドの下端にドラム缶の内周面に接触するシール材を取り付け、ドラム缶への挿入物とドラム缶との間の芯ずれがあってもシール材は挿入ガイドと共に移動し、芯ずれに起因するシール材と挿入物との間の擦れを無くすことができるので、シール材の破損を無くして、シール材の長寿命化を図り、放射性廃棄物の処理効率を向上することができると共に、シール材の破損がないことから、構造が簡単で、且つ、断面寸法も小さいシール材にして、挿入物の外周とドラム缶内周との間の隙間を狭くすることができるので、放射性廃棄物の廃棄効率を向上することができる。
【0082】
そして、ドラム缶の頂部開口に載置可能なシールフランジを挿入ガイドの下端に固定し、ドラム缶に対して、挿入ガイド及びシール材が着脱可能であり、挿入物又はドラム缶へのシール材の装着なしにシール機能を保持することができるので、挿入ガイド及びシール材を繰り返し使用することができ、経済的損失を無くすことができる。そして、シール材を貫通するように空気配管を設け、この空気配管に開放弁を設け、ドラム缶に孔をあけることなく空気圧力を利用して挿入物をドラム缶に挿入することができるので、特に放射性廃棄物を処理する場合の放射性物質の漏れを解消することができ、実用性を向上することができる。
【0083】
次に、請求項2の記載に基いて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、挿入ガイドの下端にドラム缶の内周面との間に所定の隙間を設けてシール材を取り付け、上記所定の隙間は最小限の任意の隙間にすることができるので、放射性廃棄物の廃棄効率を向上することができる。そして、ドラム缶への挿入物とドラム缶との間の芯ずれがあってもシール材は挿入ガイドと共に移動し、芯ずれに起因するシール材と挿入物との間の擦れを無くすことができるので、シール材の破損を無くして、シール材の長寿命化を図り、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0084】
そして、ドラム缶の頂部開口に載置可能なシールフランジを挿入ガイドの下端に固定し、ドラム缶に対して、挿入ガイド及びシール材が着脱可能であり、挿入物又はドラム缶へのシール材の装着なしにシール機能を保持することができるので、挿入ガイド及びシール材を繰り返し使用することができ、経済的損失を無くすことができる。そして、シール材を貫通するように空気配管を設け、この空気配管に開放弁を設け、ドラム缶に孔をあけることなく空気圧力を利用して挿入物をドラム缶に挿入することができるので、特に放射性廃棄物を処理する場合の放射性物質の漏れを解消することができ、実用性を向上することができる。
【0085】
次に、請求項3の記載に基いて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、シールフランジのドラム缶頂部開口載置面にシール材を設け、シールフランジとドラム缶の頂部との間のシールをより確実にすることができるので、ドラム缶の内圧の調整を容易にし、空気圧を利用した挿入物の挿入を円滑に行なうことができる。
【0086】
次に、請求項4の記載に基いて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、挿入ガイドを複数に分割し、分割したそれぞれの挿入ガイドがシールフランジに対し水平方向に移動可能にし、挿入物とドラム缶との間の芯合せを容易にすることができるので、芯ずれに起因するシール材と挿入物との間の擦れを無くし、シール材の破損を無くして、シール材の長寿命化を図り、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0087】
次に、請求項5の記載に基いて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、空気配管に開放弁と加圧弁を設け、ドラム缶に孔をあけることなく空気圧力を利用して挿入物をドラム缶に挿入することができるので、特に放射性廃棄物を処理する場合の放射性物質の漏れを解消することができ、実用性を向上することができる。
【0088】
更に挿入物をドラム缶に挿入する初期の段階から、加圧弁を介してドラム缶内の空気圧を昇圧して、ドラム缶内の空気圧と挿入物の重量とをバランスさせて挿入物を空気圧力により保持し、その後加圧弁を閉じて開放弁により挿入物を円滑に挿入することができるので、ドラム缶内の昇圧を短時間に行うことができ、放射性廃棄物の処理能率を向上することができる。
【0089】
次に、請求項6の記載に基いて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、挿入物の外周を保持具で保持し、挿入ガイドを介して挿入物をドラム缶へ挿入する。これにより、挿入物とドラム缶との間の芯合わせを予め行い、挿入物とドラム缶との間の隙間が狭くても、挿入物をドラム缶内に挿入することができるので、挿入物外周面とドラム缶の内周面との間の隙間を狭くすることができ、放射性廃棄物の廃棄効率を向上すると共に、シール材が挿入物により擦られることはないので、シール材の破損を無くしてシール材の長寿命化を図り、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0090】
続いてこの芯合わせした状態で挿入物をドラム缶内に挿入することにより、シール材は破損されず、挿入ガイドに取り付けたシール材のシール効果を維持し、下降する挿入物の重力により圧縮されて昇圧されたドラム缶内の空気圧とのバランスで挿入物を保持した段階で保持具の保持を解放する。このように、ドラム缶内の空気圧により挿入物を保持した段階で、保持具の保持を開放し、保持具挿入分の隙間が必要でないことから、挿入物の外面とドラム缶内面との間の隙間が狭くても、保持具を使用した挿入物の外周面保持が可能になり、かつ、挿入物とドラム缶との間の芯を一致させた状態で、ドラム缶内の空気圧のみにて、挿入物を保持することができるので、挿入物外周面とドラム缶の内周面との間の隙間を狭くすることができ、放射性廃棄物の廃棄効率を向上することができる。
【0091】
このように、ドラム缶内の空気圧のみにて挿入物を保持し、その後開放弁を徐々に開いて、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスを保ちながらドラム缶内の空気を放出して挿入物を下降させるので、ドラム缶の底に挿入物を円滑に静置することができる。
【0092】
次に、請求項7の記載に基いて、発明の詳細な説明から把握される本発明によれば、挿入物の外周を保持具で保持し、挿入ガイドを介して挿入する。これにより、挿入物とドラム缶との間の心合わせを予め行い、挿入物とドラム缶との間の隙間が狭くても、挿入物をドラム缶内に挿入することができるので、挿入物外周面とドラム缶の内周面との隙間を狭くすることができ、放射性廃棄物の廃棄効率を向上することができ、且つ、シール材が挿入物により擦られることはないので、シール材の破損を無くしてシール材の長寿命化を図り、放射性廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0093】
そして、挿入ガイドの下端に取り付けたシール材の部分まで挿入物を挿入した後に、加圧弁を開いてドラム缶内の空気圧を昇圧し、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスにより挿入物を保持した状態で加圧弁を閉じる。これにより、挿入物とドラム缶との間の芯を一致させた状態で、初期の段階からドラム缶内の空気圧のみにて、挿入物を保持することができるので、ドラム缶内の昇圧を短時間に行うことができ、放射性廃棄物の廃棄能率を向上することができる。
【0094】
次に挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とをバランスさせながら開放弁を徐々に開き、所定の位置まで挿入物が下降し、ドラム缶内の空気圧のみにて、挿入物が安定した姿勢を維持した所で保持具の保持を解放し、挿入物の外面とドラム缶内面との間の隙間が狭くても、保持具を使用した挿入物の外周面保持が可能になるので、挿入物の外周面とドラム缶の内周面との間の隙間を少なくし、放射性廃棄物の廃棄効率を向上することができる。そして、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスを保ちながらドラム缶内の空気を放出して挿入物を下降させるので、ドラム缶の底に挿入物を円滑に静置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の概略の全体を示す縦断面図である。
【図2】図1における要部を示す一実施例の縦断面図である。
【図3】図1における要部を示す他の実施例の縦断面図である。
【図4】図1における要部を示す他の実施例の縦断面図である。
【図5】図1における要部を示す他の実施例の縦断面図である。
【図6】図4及び図5のシールフランジの平面図である。
【図7】本実施例の使用状態を示す縦断面図である。
【図8】垂直ダンパを設けた架台の縦断面図である。
【図9】水平ダンパを設けた架台の縦断面図である。
【図10】図9の基台29の平面図である。
【符号の説明】
3 クレーン
4 挿入物
7 挿入ガイド
8 シール材
9 シールフランジ
10 空気配管
11 ドラム缶
12 開放弁
12′ 加圧弁
13 シール材
14 シール材
15 支持フランジ
16 上スライドフランジ
17 下スライドフランジ
18 ストッパ
19 ストッパ
20 シール材
21 圧縮ばね
22 スプリング受け
23 スプリング受け
24 凸部
25 架台
26 保持具
27 ボルト
28 底板
29 基台
30 垂直ダンパ
31 水平ダンパ
32 芯部材
33 ローラ
Claims (7)
- 挿入ガイドの下端にドラム缶の内周面に接触し挿入物の外周に接触してシールするシール材を取り付けると共に、ドラム缶の頂部開口に載置可能なシールフランジを固定し、前記シール材を貫通してドラム缶内と通気する空気配管を設け、該空気配管に開放弁を設けたことを特徴とするドラム缶詰装置。
- 挿入ガイドの下端にドラム缶の内周面との間に所定の隙間を設け挿入物の外周に接触してシールするシール材を取り付けると共に、ドラム缶の頂部開口に載置可能なシールフランジを固定し、前記シール材を貫通してドラム缶内と通気する空気配管を設け、該空気配管に開放弁を設けたことを特徴とするドラム缶詰装置。
- シールフランジのドラム缶頂部開口載置面にシール材を設けたことを特徴とする請求項2に記載のドラム缶詰装置。
- 挿入ガイドを複数に分割し、分割したそれぞれの挿入ガイドがシールフランジに対し水平方向に移動可能にしたことを特徴とする請求項2または3に記載のドラム缶詰装置。
- 前記空気配管に前記開放弁に加えて加圧弁を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のドラム缶詰装置。
- 挿入物の外周を保持具で保持し、挿入ガイドを介して挿入物をドラム缶へ挿入し、挿入ガイドに取り付けたシール材のシール効果と、下降する挿入物の重力により圧縮されて昇圧されたドラム缶内の空気圧とのバランスで挿入物を保持した段階で保持具の保持を解放し、その後開放弁を徐々に開いて、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスを保ちながらドラム缶内の空気を放出して挿入物を下降させ、ドラム缶の底に挿入物を静置することを特徴とするドラム缶詰方法。
- 挿入物の外周を保持具で保持し、挿入ガイドを介して挿入ガイドの下端に取り付けたシール材の部分まで挿入物を挿入した後に、加圧弁を開いてドラム缶内の空気圧を昇圧し、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスにより挿入物を保持した状態で加圧弁を閉じ、次に挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とをバランスさせながら開放弁を徐々に開き、所定の位置まで挿入物が下降した所で保持具の保持を解放し、挿入物の重力とドラム缶内の空気圧とのバランスを保ちながらドラム缶内の空気を放出して挿入物を下降させ、ドラム缶の底に挿入物を静置することを特徴とするドラム缶詰方法。
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